JPH0371849B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は魚釣用リールのレベルワインド装置の
改良に関する。

従来の魚釣用リールのレベルワインド装置の釣
糸案内部材は、釣糸の繰り出し時にはその位置が
移動しないので釣糸の放出抵抗は釣糸案内孔の通
過で大きくり釣糸の繰り出し作用を阻害し仕掛を
遠投できない欠陥がある。

この欠陥を改善するため、釣糸案内部材を案内
部材と摺動機構に分離自在に形成して釣糸の繰り
出し時には案内部材を摺動機構から分離して釣糸
の繰り出しに応じて左右に移動自在にして釣糸の
放出抵抗を減少させることが特公昭40−21220号
公報で知られているが、この方式は釣糸案内部材
の分離操作を摺動機構の摺動部材を直接手で回動
しなければならないので釣糸の繰り出し操作が複
雑面倒であるばかりか、釣糸の捲取り操作中に誤
つて摺動部材を回動してしまい釣糸の案内ができ
なくなると共に釣糸を捲取る場合の案内部材の摺
動部材への係合もトラバースカム軸と摺動部材と
の摩擦によつて行つているため、長期使用してい
る間に摩擦部が摩耗したり、摩擦部に海水その他
の異物が付着したりして摩擦力が不足すると係合
作用に支障を来たし作動不良を起す等の欠陥があ
る。

本発明はこれらの欠陥を改善して釣糸案内部材
と摺動部材との分離及び係合を自動的かつ円滑確
実に行うようにしたもので、リール側板間に回転
自在に支承されると共にその一端部に係合自在に
ピニオンを嵌装したスプール軸、前記ピニオンを
スプール軸に係合したり分離したりするクラツチ
機構、ハンドル軸に設けられて前記ピニオンと噛
合する駆動歯車、スプール前部のリール側板間に
架設されかつ内部にトラバースカム軸を設けた案
内筒、前記トラバースカム軸に係合して案内筒上
を摺動する摺動子、該摺動子に伸縮自在の係合ピ
ンで係合すると共に接合状態で釣糸を案内する一
対の釣糸内腕、前記トラバースカム軸の一端に固
着されて前記駆動歯車と噛合する歯車とより構成
される魚釣用両軸受型リールにおいて、前記案内
筒を回動可能にリール側板間に支承し、前記一対
の釣糸案内腕をリール側板間に架設された一本の
案内杆と前記案内筒に摺動自在に嵌装してスプリ
ングで両側方に弾発付勢し、前記摺動子又は一対
の釣糸案内腕の何れか一方に伸縮自在の係合ピン
を、他方に該係合ピンの係合する係合部を夫々設
けると共に該係合部には係合ピンを案内する誘導
面を形成し、前記案内筒の端部に作動カムと摺動
子を係合位置に付勢規制する発条とを設け、前記
クラツチ機構のクラツチプレートには前記作動カ
ムを回動する作動腕を係合自在に設けたことを要
旨とするものである。

本発明の実施例を図面について説明すると、ス
プール１を固着したスプール軸２は一対のリール
側板３，４間に回転自在に支承されると共に一方
のリール側板３内におけるスプール軸２には公知
のようにハンドル軸５の駆動歯車６と噛合してい
るピニオン７が結合自在に嵌装され、該ピニオン
７に係合した作動板８は発条９，９でピニオン７
をスプール軸２に結合せしめるように附勢してい
る。

前記作動板８の内側には作動突部１０，１０を
有しかつデツトポイントバネ１１で内側位置と外
側位置に振り分け附勢されるクラツチプレート１
２が摺動自在に設けられ、クラツチプレート１２
を第４図のように内側位置に押込んだ場合には作
動突部１０，１０が作動板８を発条９，９に抗し
て外方に押圧しピニオン７のスプール軸２に対す
る結合を分離できるように構成されている。

リール側板３，４の前部には下側に案内溝１３
を有する案内筒１４が回動可能に架設支承される
と共に該案内筒１４内にはトラバースカム軸１５
が嵌着され、該トラバースカム軸１５のリール側
板３側の端部には前記駆動歯車６と噛合した小歯
車１６が固着され、また小歯車１６の内側におけ
る案内筒１４には作動カム１７が、他端には回動
板１８が夫々固着され、前記回動板１８とリール
側板４の内側に固定されたフレーム基板１９間に
発条２０が張設され案内筒１４を一定位置に規制
保持している。

前記案内筒１４の外周面には摺動子２１が摺動
自在に嵌着されると共にその内側に設けられた係
合爪２２は前記案内溝１３を介してトラバースカ
ム軸１５の螺子溝に係合し、摺動子２１の上部に
はスプール側の内端に切欠部２３，２３を有する
係合凹部２４が設けられ、該係合凹部２４の両側
外周面部は滑らかな誘導面２５に形成されてい
る。

また前記案内筒１４の上側稍後側のリール側板
３，４間には案内杆２６が架設され、該案内杆２
６には釣糸案内凹部２７を対向して設けた左右一
対の案内腕２８，２８が嵌装されてスプリング２
９で両側方に附勢されると共に各釣糸案内腕２
８，２８の下部は嵌合孔３０を介して案内筒１４
に嵌合しており、更に各釣糸案内腕２８，２８に
はスプリング３１を介して夫々係合ピン３２が伸
縮自在に突設され、該係合ピン３２，３２が前記
係合凹部２４に係合することにより釣糸案内腕２
８，２８に接合して釣糸案内凹部２７，２７が釣
糸案内孔３３を形成するように構成されている。

一方前記クラツチプレート１２の一側先端には
前記作動カム１７に係合自在の作動腕３４が一体
に突設され、クラツチプレート１２を内方位置に
押圧してピニオン７をスプール軸２から分離した
とき、作動カム１７を押圧回動して案内筒１４を
介して摺動子２１を第２図のように回動し摺動子
２１の係合凹部２４はその切欠部２３，２３によ
り係合ピン３２，３２の係止作用を解除して釣糸
案内腕２８，２８をスプリング２９で両側方に弾
発附勢してリール側板３，４部分に拡開するよう
に構成されている。

なお図中３５はクラツチプレート１２の操作レ
バー、３６はハンドル軸５に設けた逆転防止爪
車、３７は逆転防止爪、３８は逆転防止爪車３６
に設けたクラツチプレート１２の復帰用キツクピ
ン、３９は該キツクピン３９の作動片、４０は作
動片の規制突起、４１はクラツチプレート１２に
設けた作動片３９の係合突起、４２は案内筒１４
のカバーである。

本発明実施例は上記のように構成されているか
ら魚釣り操作中において釣糸を繰り出す場合に
は、クラツチプレート１２の操作レバー３５を下
方に押圧すると、クラツチプレート１２は内側位
置に押込まれ作動突部１０，１０は作動板８を外
方に押圧してピニオン７をスプール軸２から分離
してスプール１を回転自在にすると同時にクラツ
チプレート１２の作動腕３４は作動カム１７を回
動して案内筒１４を介して摺動子２１を回動し係
合凹部２４に係合されていた釣糸案内腕２８，２
８の係合ピン３２，３２がスプリング２９によつ
て切欠部２３，２３を介して２４から脱れ釣糸案
内腕２８，２８をリール側板３，４に向け拡開す
るので釣糸は釣糸案内腕２８，２８に接触するこ
となく繰り出される。

またこの状態からハンドル軸５を釣糸捲取り方
向に回動するとクラツチプレート１２はキツクピ
ン３８、作動片３９、係合突起４１を介して外方
位置に復帰してピニオン７がスプール軸２に結合
して釣糸捲取り作用を行うと同時に作動カム１７
は作動腕３４が後退することにより回動板１８の
発条２０で案内筒１４及び摺動子２１を旧位置に
復帰する一方トラバースカム軸１５の回動作用で
左右に往復摺動し、先づ一方の釣糸案内腕２３側
に移動して係合ピン３２を係合凹部２４の誘導面
２５により縮小せしめながら係合凹部２４内に係
合せしめ、次いで他方に移動することにより同様
に他方の釣糸案内腕２８の係合ピン３２も係合凹
部２４内に係合せしめて釣糸案内腕２８，２８を
接合し釣糸を釣糸案内孔３３に収容案内して釣糸
をスプール１に捲着するものである。

第９図に示す実施例は釣糸案内腕２８，２８を
両側方に附勢するスプリング２９を案内筒１４に
設けた場合であり、第１０図及び第１１図に示す
実施例は、係合ピン３２，３２を摺動子２１に設
けると共に釣糸案内腕２８，２８に夫々誘導面２
５を有する係合部２４を設けて係合ピン３２，３
２間に釣糸案内腕２８，２８の係合部２４，２４
を係止するようにした場合であり、更に第１２図
及び第１３図に示す実施例は案内杆２６を案内筒
１４の上部に設けた場合を示している。

なお本発明におけるクラツチ操作レバー３５は
クラツチプレート１２と一体に形成しても良く、
更にクラツチ機構は前記実施例に限定されるもの
ではない。

本発明はスプール軸とピニオンとの結合を着脱
するクラツチ機構をクラツチプレートで作動して
スプールを自由回転状態にする場合において、こ
のクラツチプレートの作動と連動して作動腕で案
内筒を回動し摺動子を回動して一対の釣糸案内腕
を分離してスプリングで左右に弾発附勢するよう
にしたので、釣糸繰り出し時に釣糸案内腕と摺動
子との分離動作をクラツチ操作で自動的に行う一
方、キヤステイング中釣糸案内腕をリール側板部
に維持して釣糸の接触することを防止し釣糸の抵
抗を極力小さくして円滑容易に遠方に繰り出すこ
とができ、また案内筒は発条で常時摺動子の係合
位置に附勢規制されると共に釣糸繰り出し時には
クラツチプレートの作動腕で回動位置に保持され
ているためにクラツチプレートの復帰動作と同時
に直ちに摺動子を係合位置に復帰せしめて釣糸案
内腕の係合を分離動作と同様にクラツチ操作と連
動して迅速かつ円滑確実に行い、釣糸案内腕と摺
動子の結合及び分離動作の双方を自動的に行うこ
とができると共に釣糸捲取り中に誤つて摺動子に
接触して釣糸案内腕が釣糸繰り出し状態になるこ
ともない。

また本発明における一対の釣糸案内腕はその下
部がトラバースカム軸を内装した案内筒に支承さ
れ、リール側板間には一本の案内杆と案内筒だけ
が架設されるので、レベルワインド装置部の構成
の簡易化を図ることができると共にこの構成の簡
易化は魚釣り操作中の釣糸のほつれ等を防止して
リール操作を容易にすることができ、また係合ピ
ンと摺動子との係合精度を高精度に維持でき、釣
糸案内腕の分離及び接合作用を円滑確実に行うこ
とができ、更に係合ピンと係合部は釣糸案内腕と
摺動子何れに設けることも可能である等の優れた
特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一部切欠平面図、第２図は第
１図Ａ〜Ａ線の釣糸繰り出し時の断面図、第３図
は第２図Ｂ〜Ｂ線の釣糸捲取り状態の一部切欠正
面図、第４図は同釣糸繰り出し状態の一部切欠側
面図、第５図は同釣糸捲取り状態一部切欠側面
図、第６図は第１図Ｃ〜Ｃ線断面図、第７図は本
発明要部の斜面図、第８図は同要部の断面図、第
９図は本発明の別実施例の要部の斜面図、第１０
図は本発明の更に他の実施例の縦断側面図、第１
１図は同要部の斜面図、第１２図は本発明の別実
施例縦断側面図、第１３図は同要部の斜面図であ
る。 １……スプール、２……スプール軸、３，４…
…リール側板、５……ハンドル軸、６……駆動歯
車、７……ピニオン、１２……クラツチプレー
ト、１４……案内筒、１５……トラバースカム
軸、１６……小歯車、１７……作動カム、２０…
…発条、２１……摺動子、２２……係合爪、２４
……係合凹部、２５……誘導面、２６……案内
杆、２８……釣糸案内腕、２９……スプリング、
３０……係合孔、３１……スプリング、３２……
係合ピン、３３……釣糸案内孔、３４……作動
腕。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リール側板間に回転自在に支承されると共に
   その一端部に係合自在にピニオンを嵌装したスプ
   ール軸、前記ピニオンをスプール軸に係合したり
   分離したりするクラツチ機構、ハンドル軸に設け
   られて前記ピニオンと噛合する駆動歯車、スプー
   ル前部のリール側板間に架設されかつ内部にトラ
   バースカム軸を設けた案内筒、前記トラバースカ
   ム軸に係合して案内筒上を摺動する摺動子、該摺
   動子に伸縮自在の係合ピンで係合すると共に接合
   状態で釣糸を案内する一対の釣糸案内腕、前記ト
   ラバースカム軸の一端に固着されて前記駆動歯車
   と噛合する歯車とより構成される魚釣用両軸受型
   リールにおいて、前記案内筒を回動可能にリール
   側板間に支承し、前記一対の釣糸案内腕をリール
   側板間に架設された一本の案内杆と前記案内筒に
   摺動自在に嵌装してスプリングで両側方に弾発付
   勢し、前記摺動子又は一対の釣糸案内腕の何れか
   一方に伸縮自在の係合ピンを、他方に該係合ピン
   の係合する係合部を夫々設けると共に該係合部に
   は係合ピンを案内する誘導面を形成し、前記案内
   筒の端部に作動カムと摺動子を係合位置に付勢規
   制する発条とを設け、前記クラツチ機構のクラツ
   チプレートには前記作動カムを回動する作動腕を
   係合自在に設けた魚釣用両軸受型リールのレベル
   ワインド装置。