JPH0854925A - 無人車 - Google Patents

無人車

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JPH0854925A
JPH0854925A JP6187599A JP18759994A JPH0854925A JP H0854925 A JPH0854925 A JP H0854925A JP 6187599 A JP6187599 A JP 6187599A JP 18759994 A JP18759994 A JP 18759994A JP H0854925 A JPH0854925 A JP H0854925A
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steering
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Hirobumi Mochizuki
博文 望月
Mikio Saito
幹夫 斉藤
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Yamaha Motor Co Ltd
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自律走行モードと遠隔操縦モードとを併有す
る無人車において遠隔操縦者の負担を軽減する。 【構成】 CPU111は、各種センサ類121〜12
5によって車両の位置および状態を検出し、これに基づ
いて操舵角、車速に関する規制値を演算する。自律走行
モードにおいては、走行ルートと車両の位置とに基づい
て操舵角、車速の目標操縦量を演算し、この目標操縦量
を前記規制値によって規制することにより命令操縦量を
決定する。遠隔操縦モードにおいては、遠隔操縦装置か
ら与えられる命令操縦量を前記規制値によって規制す
る。各モード共、このように規制のなされた命令操縦量
に従って車速および操舵角を制御する。 【効果】 遠隔操縦モードにおいても、自律走行モード
と同様な操縦の規制が行われるため、車両の状態にとっ
て不適当な操縦が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操縦者の搭乗を必要と
しないゴルフカート等の無人車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の無人車として、遠隔操縦
装置からの指令に従って車速および操舵角の制御が行わ
れる遠隔操縦モードと、予め記憶された経路地図情報等
に基づき所定の走行ルートに沿って走行する自律走行モ
ードとを併有する無人車があった。
【0003】また、この種の無人車を用いたシステムと
して、無人車にステレオカメラ、ステレオマイク等を搭
載しておき、これらにより車両周囲の環境を検出して遠
隔操縦装置へ送信し、遠隔操縦装置側にて視覚情報、聴
覚情報として再現するようにしたものがあった。かかる
システムは、遠隔操縦装置を使用する操縦者が、無人車
の周囲の環境を確認しつつ容易に無人車の遠隔操縦を行
うことができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の無人車は、自律走行モードを利用することにより操
作の負担を減らすことができ、遠隔操縦モードを利用す
ることにより自由度の高い走行を行うことができるとい
う利点を有するが、以下の問題があった。
【0005】遠隔操縦モードにおいて、走行不可能な
領域に無人車を進入させたり、斜面において急操舵を行
ったりする可能性があり、そのような事態が生じないよ
うに遠隔操縦者が無人車の状態を常時正確に把握してい
なければならず、遠隔操縦者の負担が大きい。 遠隔操縦走行モードから自律走行モードへ切替える
際、遠隔操縦により無人車を自律走行の走行ルートへ復
帰させる必要があり、そのための操作が煩わしい。
【0006】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たものであり、遠隔操縦の際の操縦者の負担を軽減した
無人車を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
遠隔操縦装置からの指令に従って走行の制御を行う遠隔
操縦モードと、予め定義された走行ルートに沿って進行
するように自律走行する自律走行モードとを併有する無
人車において、車両の位置および状態を検出する検出手
段と、 a.前記検出手段によって検出された車両の状態に基づ
いて操舵角および車速に関する規制値を演算し、 b.自律走行モードにおいては、前記走行ルートと前記
検出手段によって検出された車両の位置とのずれに基づ
いて操舵角および車速の目標操縦量を演算し、この目標
操縦量を前記規制値によって規制することにより命令操
縦量を決定し、この命令操縦量に従って車速および操舵
角を制御し、 c.遠隔操縦モードにおいては、前記遠隔操縦装置から
与えられる命令操縦量を前記規制値によって規制し、こ
の規制のなされた命令操縦量に従って車速および操舵角
を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする無
人車を要旨とする。
【0008】請求項2に係る発明は、前記制御手段は、
予め定義された走行不可能領域に車両が進入した場合に
車両を停止させることを特徴とする請求項1記載の無人
車を要旨とする。請求項3に係る発明は、前記制御手段
は、前記自律走行モードにおいて、前記車両が前記走行
ルートから所定の距離以内にある場合に前記目標操縦量
の演算、前記命令操縦量の決定をし、前記車速および操
舵角の制御を行うものであり、前記遠隔操縦モードから
前記自律走行モードへの切替時に前記車両が前記走行ル
ートから所定の距離以上離れている場合には前記車両を
停止させることを特徴とする請求項1または2のいずれ
か1の請求項に記載の無人車を要旨とする。
【0009】
【作用】上記請求項1に係る発明によれば、遠隔操縦モ
ードにおいても、遠隔操縦装置からの命令操縦量が、自
律走行モードにおいて目標操縦量を規制する規制値と同
様な規制値により規制されるので、現在の車両の状態に
とって不適当な操縦が防止される。上記請求項2に係る
発明によれば、走行不可能領域への無人車の進入が防止
される。上記請求項3に係る発明によれば、遠隔操縦モ
ードから自律走行モードへのモード切替時に車両が走行
ルートから所定の距離以内にある場合は、車両の位置を
走行ルートに戻す制御が行われる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の一実施例につ
いて説明する。 A.実施例の構成 図1はこの発明の一実施例による無人車システムの機能
構成を示すブロック図である。また、図2は、同実施例
において使用する各種センサ類、各種制御手段の配置を
示すものである。以下、これらの図を参照し本実施例の
構成を説明する。
【0011】図1に示すように、この無人車システム
は、遠隔操縦装置50と、無人車100とにより構成さ
れている。まず、遠隔操縦装置50は、操縦命令入力手
段51、車両状態表示手段52、車両周囲視覚・聴覚情
報再現手段53、通信手段54および受信手段55を有
している。操縦命令入力手段51は、操縦モードの設定
指令、走行停止指令等の各種命令、遠隔操縦モードでの
無人車の車速、操舵量等を指定する命令操縦量を遠隔操
縦者が入力するための手段であり、キーボード、ジョイ
スティック等によって構成されている。通信手段54
は、操縦命令入力手段51により入力された各情報を無
人車100へ向けて送信する一方、車速、現在位置、操
舵角等の無人車100に関する車両データを無人車10
0から受信する。車両状態表示手段52は、ディスプレ
イによって構成されており、通信手段54を介して受信
した車両データを表示する。車両周囲視覚・聴覚情報再
現手段53は、ディスプレイおよびスピーカによって構
成されており、無人車100から受信手段55を介して
受信される車両周囲視覚情報および車両周囲聴覚情報
(後述)を各々遠隔操縦者に提供する。
【0012】一方、無人車100は、通信手段101、
車両周囲視覚・聴覚情報検出手段102、送信手段10
3、コントローラ110、符号121〜125によって
示した各種センサ類、車速制御手段131および操舵制
御手段132により構成されている。
【0013】通信手段101は、前述した遠隔操縦装置
50からの各種指令、命令操縦量を受信してコントロー
ラ110へ供給する一方、コントローラ110により求
められた車両データを遠隔操縦装置50へ送信する。車
両周囲視覚・聴覚情報検出手段102は、無人車100
の車体前部に配置された左右2チャネルからなるステレ
オカメラ・マイク102Lおよび102Rによって構成
されている。これらにより無人車100の周囲の光景を
表す車両周囲視覚情報および無人車100の近辺におい
て発生した音を表す車両周囲聴覚情報が採取され、送信
手段103を介して送信される。この車両周囲視覚・聴
覚情報が、遠隔操縦装置50の受信手段55によって受
信され、車両周囲視覚・聴覚情報再現手段50により再
生画像、再生音声として遠隔操縦者に提供される。従っ
て、遠隔操縦者は、これらの再生画像および再生音声に
基づいて無人車100の周囲の状況を把握し、無人車1
00の遠隔操縦を行うことができる。
【0014】次に無人車100の各部に取り付けられた
各種センサ類について説明する。位置認識手段121
は、無人車100の現在位置を認識するために設けられ
た手段である。本実施例では、基本的には車輪の回転に
基づいて無人車100の移動量と移動方向を計測し、こ
の計測結果に従って逐次現在位置を演算してゆく。しか
し、この方法のみを用いたのでは移動量、移動方向の計
測を繰り返す毎にそれらの計測誤差が累積してゆき、演
算により求められる現在位置の誤差が次第に大きくなっ
てゆく。そこで、本実施例においては、無人車100が
走行するルート上に現在位置確認のための反射板を複数
設けておき、これらを利用して走行中に車輪の回転に基
づいて演算された無人車100の現在位置および方位を
修正するようにしている。走行中での現在位置および方
位の修正を行うため、走行路に沿って3個以上の反射板
が予め配置され、無人車100には上記位置認識手段1
21として図2に示すレーザ位置検出装置121aが設
けられている。無人車100が反射板を通過する際に
は、レーザ位置検出装置121aにより、各反射板へ向
けてレーザ光が順次出射されると共に、各反射板から戻
ってくる各反射光の方角が順次検出される。そして、各
反射光の方角の検出結果と、各反射光を順次検出する間
の無人車100の移動距離・方向と、各反射板の位置と
に基づいて無人車100の正確な現在位置および方位が
演算される。なお、この方法については特開平2−16
1373号公報に開示されている。
【0015】車輪回転速検出手段122は、図2に示す
ロータリエンコーダ122Lおよび122Rによって構
成されている。これらのロータリエンコーダ122Lお
よび122Rは、図示の通り、左右後輪RLおよびRR
の各車軸に取り付けられており、各車軸が一定量回転す
る毎にパルス信号を各々出力する。コントローラ110
は、一定時間内に各ロータリエンコーダが出力するパル
ス信号をカウントすることにより各車輪の回転速を求め
る。
【0016】操舵角検出手段123は、図2に示すロー
タリエンコーダ123aによって構成されている。この
ロータリエンコーダ123aは、図示の通り、左右の前
輪FLおよびFRを操舵するハンドル軸Hにギアを介し
て結合されており、ハンドル軸Hが所定角度回転する毎
にパルス信号を出力する。コントローラ110は、この
パルス信号をカウントすることにより操舵角を求める。
【0017】車体傾斜角検出手段124は、車体の傾斜
角を検出し、この傾斜角を示す信号を出力する。
【0018】障害物検出手段125は、多数のセンサを
線状配置した一次元センサによって構成されており、図
2に示すように、その長手方向を車幅方向に一致させて
無人車100の前面部に取り付けられている。この一次
元センサを構成する各センサにより車両前方の一定範囲
内に存在する障害物が検出され、障害物を検知したセン
サからは障害物までの距離に応じた大きさの検出信号が
得られる。コントローラ110は、障害物検出手段12
5の各センサから得られる検出信号に基づいて、障害物
が車両前方のいずれの位置にあるかを認識し、障害物を
回避するための走行制御を行う。
【0019】次に車速制御手段131および操舵制御手
段132について説明する。まず、車速制御手段131
は、本実施例では図2に示すモータドライバ131MD
によって構成されている。このモータドライバ131M
Dは、コントローラ110から与えられる車速命令値に
対応した速度でモータ131Mを回転させる。このモー
タ131Mから得られた回転駆動力は変速機構(差動機
構を含む)131Vを介して後輪の車軸へ伝達され、か
くして後輪RLおよびRRは車速命令値に対応した速度
で回転することとなる。
【0020】次に操舵制御手段132は、本実施例では
図2に示すモータドライバ132MDによって構成され
ている。このモータドライバ132MDは、コントロー
ラ110から与えられる操舵命令値に対応した速度でモ
ータ132Mを回転させる。このモータ131Mから得
られた回転駆動力はギアによって減速されてハンドル軸
Hに伝達され、かくしてハンドル軸Hは操舵命令値に対
応した速度で回転することとなる。
【0021】次にコントローラ110について説明す
る。本実施例における無人車100は、予め記憶した走
行コースに沿って走行する自律走行モードと、遠隔操縦
装置50から与えられる命令操縦量に従って車速、操舵
角の制御を行う遠隔操縦モードとを併有している。本実
施例におけるコントローラ110は、このような自律走
行モードおよび遠隔操縦モードの各モードにおいて無人
車100を機能させるための制御を行うものであり、か
かる制御を行うための構成要素として、CPU11、メ
モリ部112、走行モード判断処理部113、車速出力
部114、操舵出力部115およびコントローラ外部の
要素との情報を授受を行うためのインタフェース(図1
では“I/F”と記された各ボックス)を有している。
【0022】まず、メモリ部112は、CPU111が
無人車100の制御を行う際に必要とされる情報を記憶
している。これらの情報のうち主要なものを列挙すると
次の通りである。
【0023】<経路地図情報>経路地図情報は、無人車
100の進路等を決定する際に参照される情報であり、
無人車100が走行する環境を定義する各種情報によっ
て構成されている。図3および図4は、この経路地図情
報によって定義された無人車100の走行環境を例示す
るものである。以下、これらの図を参照し、経路地図情
報の詳細を説明する。
【0024】a.走行ルートを定義する情報 自律走行モードにおいて、無人車100は所定の走行ル
ートに沿って進行する。図3において、符号200によ
って示す破線はこの走行ルートを例示するものである。
また、本実施例においては、制御の便宜のため、図4に
例示するように走行ルートが複数の経路に区分されてお
り、これらの各経路には経路番号と呼ばれる一連の番号
が付与されている。図4において、P1,P2,P3,…
は各々走行ルート200を構成する経路のうち経路番号
が1,2,3,…の各経路である。経路地図情報には、
これらの各経路を構成する円弧または直線を定義する情
報が含まれている。また、CH12,CH23,CH34は各
経路の境界線である経路番号切替え線を示しており、C
Hijは経路番号がiである経路Piと経路番号がjであ
る経路Pjとを区分する経路番号切替え線である。経路
地図情報には、これらの各経路番号切替え線を定義する
情報が含まれている。
【0025】b.走行可能領域と走行不可能領域の境界
を定義する情報 図3において、符号201によって示される各領域は、
自律走行の走行ルートではないが遠隔操縦走行が可能な
領域を表している。また、この領域においては、遠隔操
縦走行から自律走行への移行が可能である。符号202
によって示される領域は、遠隔操縦走行、自律走行共に
不可能な領域、すなわち、無人車100が進入してはな
らない領域を示している。経路地図情報には、これらの
各領域の境界を定義する情報が含まれている。
【0026】c.各経路毎の目標操縦量 自律走行モードにおいては、各経路毎に所定の目標車速
を設定し、無人車100を走行させる。この制御を行う
ため、各経路毎の目標車速を指定する指示車速データを
経路地図情報に含ませている。
【0027】<舵角規制値マップ>無人車100の走行
中、舵角がある一定の限度を越えると走行に乱れが生
じ、最悪の場合には横転等の事故が起こり得る。このよ
うな不具合が生じないようにするためには、許容範囲を
越えた舵角とならないように舵角を規制する必要がある
が、この舵角の許容範囲は無人車100の車速および車
体傾斜角に依存する。そこで、本実施例では、図5に示
すように、無人車100の車速Viおよび傾斜角σjの各
組合せ毎に舵角の許容範囲の上限値である舵角規制値φ
ijを定義した舵角規制値マップをメモリ部112に予め
記憶しておき、実際の無人車100の走行時において
は、常時、その時点での車速および傾斜角に対応した舵
角規制値を読み出し、舵角を規制するようにしている。
【0028】<他の規制値のマップ>無人車100の走
行を安定化を担保すべく、上記舵角規制値マップと同様
な趣旨のマップがメモリ部112に各種記憶されてい
る。例えば次のようなものがある。 a.目標舵角に対応した車速規制値のマップ b.現在舵角に対応した車速規制値のマップ c.命令操舵量に対応した車速規制値のマップ
【0029】走行モード判断処理部113は、遠隔操縦
装置50からの指令に従って無人車100の操縦モード
を決定し、さらに障害物検出手段125による障害物の
検出結果とCPU111によって求められた無人車10
0の状態とに基づいて走行モードを決定し、走行モード
を表す情報をCPU111に供給すると共にインタフェ
ースおよび通信手段101を介して遠隔操縦装置50へ
送る。図6に走行モード判断処理部113が走行モード
を決定する際の判断基準となるデシジョンテーブルを示
す。
【0030】CPU111は、コントローラ110が行
う上記制御の中枢をなすものであり、所定のプログラム
を実行することにより、各走行モードに対応した無人車
100の制御を行う他、遠隔操縦装置50との間の通信
の制御、モード設定等といった各種制御を行う。CPU
111がプログラムに従って実行する処理は、その処理
内容により、現在値演算処理部、障害回避経路演算処理
部、自律走行復帰経路演算処理部および操作出力量演算
処理部に区分され、操作出力量演算部はさらに車速演算
処理部および操舵量演算処理部に区分される。図1で
は、これらの各処理を構造的に理解するのを容易にする
ため、各々をボックスによって表すと共に、各処理間の
データの引き渡しおよび各処理とCPU外部の要素との
間のデータの引き渡しの様子をボックス間を結ぶ矢印に
よって表している。なお、各処理の内容については、説
明の重複を避けるため、本実施例の動作の説明の際に明
らかにする。
【0031】車速出力部114は、CPU111によっ
て求められた車速命令値をインタフェースを介して車速
制御手段131へ供給する。また、操舵出力部115
は、CPU111によって求められた操舵命令値をイン
タフェースを介して操舵制御手段132へ供給する。
【0032】B.実施例の動作 無人車100が始動されると、CPU111は図7にフ
ローを示すようにステップS1〜S10の各処理からな
る制御サイクルを繰り返す。各制御サイクルにおいて、
ステップS1に進むと、走行モード判断処理部113か
ら現在の走行モードを指定する情報を受信し、ステップ
S7において、この受信した走行モードを現在の走行モ
ードとして設定する。他のステップにおいては、現在設
定されている走行モードに対応した内容を処理を行う。
以下、各走行モード毎に本実施例の動作を説明する。
【0033】(1)自律通常走行モード 自律走行モードにおいて、障害物が検出されない場合、
走行モード判断処理部113は、図6に示すデシジョン
テーブルに従い、走行モードを自律通常走行モードとす
る。この結果、以下のように各ステップの処理が行われ
る。
【0034】まず、ステップS2においては、CPU1
11は現在値演算処理部の処理を実行し、無人車100
の現在の各操縦量を演算する。具体的には、次の処理を
行う。 a.車体傾斜角検出手段124を介して無人車100の
車体傾斜角を検出する。 b.無人車100の車速の演算 左右後輪RLおよびRRの各回転速を車輪回転速検出手
段122を介して検出し、これらと左右後輪の直径から
各車輪の速度を計算し、各車輪の速度を平均することに
より後輪の車軸の中心部の速度を求め、無人車100の
車速とする。この際、車体傾斜による左右後輪の歪みの
影響を除去するため、車体傾斜角検出手段125を介し
て検出した車体傾斜角を用いて左右後輪の直径の補正を
行う。すなわち、例えば車体が右に傾いている場合は右
後輪の直径が実質的に短くなるように補正し、左に傾い
ている場合は左後輪の直径が実質的に短くなるように補
正する。
【0035】次にステップS3に進むと、CPU111
は上記ステップS1に引き続いて現在値演算処理部の処
理を実行し、以下の演算を行う。 c.無人車100の現在位置および方位の演算 上記bにおいて求めた左右後輪RLおよびRRの速度に
基づいて、前の制御サイクルから現制御サイクルに至る
までの無人車100の移動距離および移動方向を演算す
る。そして、この演算結果に基づいて無人車100の現
在位置および方位を示す情報を更新する。また、現在位
置が上述した現在位置確認のための拠点の近傍である場
合には、位置認識手段121たるレーザ位置認識装置1
21aを駆使することにより正確な現在位置および方位
を求める。 d.上記cにより求めた無人車100の現在位置と無人
車100が進むべき走行ルートとの間の偏差量Δyを求
める。すなわち、メモリ部112内の経路地図情報を参
照し、無人車100の現在位置が各経路番号切替え線に
よって区分された各区間のいずれの区間に属するかを求
める。そして、このようにして求めた区間内の経路を定
義する情報を参照し、図9に示すように、当該経路をx
軸とするx−y直交座標を想定し、このx−y直交座標
における無人車100の現在位置のy座標値Δyを求め
る。 e.上記経路の方向と無人車100の現在の方位との間
の偏角θを演算する(図9参照)。 f.ハンドル軸Hの回転に伴って操舵角検出手段123
により発生されるパルスのカウントを行い、現時点のカ
ウント結果に基づいて操舵角δを求める。
【0036】次にステップS4に進むと、CPU111
は操舵量演算処理部の処理を実行することとなる。すな
わち、ステップS1およびS2において求められた現在
の車速Viおよび車体傾斜角δjを現在値演算処理部から
受け取り、これらに対応した操舵角規制値φijをメモリ
部から読み出し、操舵角規制値φとして設定する。
【0037】ステップS4の後にはステップS5、S6
と続くが、このステップS5は遠隔操縦モードから自律
走行モードへの切替え時のみ実行される処理であり、ス
テップS6は自律障害物回避モード(後述)においての
み実行される処理であるため、CPU111の処理はこ
れらのステップを飛ばしてステップS7へ進み、次いで
ステップS8へ進むこととなる。
【0038】そして、ステップS8へ進むと、CPU1
11は図8に示すフローに従い、命令値を計算するため
の各処理を実行する。まず、ステップS101に進み、
操舵量演算処理部の処理を実行し、目標操縦量の1つで
ある目標操舵角αを算出する。以下、図9を参照し、こ
の処理について詳述する。まず、ステップS3において
求めた走行ルートからの偏差量Δyを用い、下記式に従
って角度γを求める。 γ=tan-1(Δy2/Q)(ただし、Qは所定の定
数) 次に上記γとステップS3において求めた無人車100
の方位の走行ルートからの偏角θから下記式に従い、目
標操舵角αを求める。 α=−(γ+θ)
【0039】次にステップS102に進み、上記ステッ
プS101に引き続いて操舵量演算処理部の処理を実行
し、命令操縦量の1つである命令操舵量Δβを演算す
る。すなわち、自律走行モードの場合には、ステップS
101で求めた目標操舵角αと、ステップS3のfで求
めた操舵角規制値φと、現在の舵角δとを用い、|α|
≧φの場合は、 Δβ=(α/|α|)×φ−δ なる演算により命令操舵量Δβを求め(図10参照)、
|α|<φの場合は、 Δβ=α−δ なる演算により命令操舵量を求める(図11参照)。
【0040】次にステップS103に進むと、車速演算
処理部の処理を実行し、車速規制値を演算する。すなわ
ち、目標舵角αに対応した車速規制値、現在舵角δに対
応した車速規制値および命令操舵量Δβに対応した車速
規制値をメモリ部112から読み出し、これらの最小値
を最終的な車速規制値とする。
【0041】次にステップS104においては、ステッ
プS103に引き続いて車速演算処理部の処理を実行
し、命令操縦量の1つである車速命令値を演算する。す
なわち、現在走行中の経路に対応した指示車速データを
仮の車速命令値とし、車速命令値≧車速規制値ならば、
車速命令値=車速規制値とし、車速命令値<車速規制値
ならば、車速命令値=仮の車速命令値とする。このよう
にして、ステップS103において求めた車速規制値に
より規制された車速命令値が得られる。
【0042】次にステップS105に進むと、再び操舵
量演算処理部の処理を行い、命令操舵量Δβに対応した
操舵速度出力値ωを求める。すなわち、ω=C×Δβな
る演算により仮のωを求め、|ω|≧ωmaxの場合は、
ω=ω/|ω|×ωmaxとし、|ω|<ωmaxの場合は、
ω=ωとする。このようにして、操舵速度出力値ωが操
舵速度限界値±ωmaxの範囲内に制限される。命令操舵
量Δβと操舵速度出力値ωとの関係を図12に示す。
【0043】次にステップS106に進むと、再び車速
演算処理部の処理を行い、車速出力値Vnを演算する。
すなわち、 現在車速<車速命令値の場合は、Vn=Vn-1+k (一定加速) 現在車速>車速命令値の場合は、Vn=Vn-1−k (一定減速) 現在車速=車速命令値の場合は、Vn=Vn-1 (加速なし) とする。
【0044】以上のようにして、当該制御サイクルにお
ける命令操縦量(命令操舵量Δβ、車速命令値)が求め
られ、この命令操縦量に従って操縦出力量(操舵速度出
力値ω、車速出力値Vn)とが得られる。そして、処理
は図7に示すルーチンに戻り、そのステップS9に進
む。このステップS9においては、現在値演算処理部の
処理により求めた現在位置、車速、舵角等、走行モード
判断処理部113により決定された走行モードを表す情
報を車両データとして、通信手段101から遠隔操縦装
置50へ向けて送信する。
【0045】次にステップS10に進むと、当該制御サ
イクルにおいて得られた操舵速度出力値ωおよび車速出
力値Vnを操舵出力部115および車速出力部114を
介して操舵制御手段132および車速制御手段131へ
各々送る。この結果、操舵速度出力値ωに従った速度で
操舵が行われ、車速が車速出力値Vnとなるように車輪
速の制御が行われる。
【0046】以上説明した制御サイクルが以後繰り返さ
れる。そして、各制御サイクルにおいて操舵速度出力値
ωおよび車速出力値Vnが求められ、無人車100はこ
れらにより操舵および車速の制御が行われ、走行ルート
に沿って移動することとなる。また、各制御サイクルに
おいて、操舵速度出力値ωおよび車速出力値Vnを求め
る過程においては、現在の車速、舵角、車体傾斜角等に
基づく命令操縦量の規制が行われ、これにより走行の安
定化が確保される。
【0047】(2)自律障害物回避走行モード 走行モード判断処理部113は、障害物検出手段125
を介して車両前方所定範囲内を常時監視している。そし
て、車両から遠距離の位置に障害物があることを検知し
た場合、走行モードを自律障害物回避走行モードとし、
この走行モードを表す情報をCPU111へ送る。
【0048】この結果、CPU111は、制御サイクル
のステップS1においてこの情報を受信し、ステップS
7において走行モードを自律障害物回避走行モードに設
定する。これにより、その後の制御サイクルのステップ
S6において、障害物回避経路演算部の処理を実行する
こととなる。すなわち、障害物検出手段125を介して
車両前方所定範囲内の各位置における障害物の有無を表
すマップを作成し、障害物の存在する領域を避けて通る
経路を求める。そして、障害物を回避するまでの間は、
この処理により求められた障害物回避経路をメモリ部1
12内の経路地図情報によって定義された走行ルートに
代えて使用し、この障害物回避経路に沿って無人車10
0を進行させるべく操舵角、車速の制御を行う。なお、
このように障害物を回避する経路を求める方法について
は特開平2−300803号公報に開示されている。
【0049】この自律障害物回避走行モードにおいて
も、自律通常走行モードの場合と同様、車速、操舵角の
命令操縦量についての規制が行われる。ただし、このモ
ードの場合、ステップS104においては、現在走行中
の経路に対応した指示車速データと障害物回避用指示車
速(所定の一定値)とを比較し、いずれか低い方を仮の
車速命令値とし、この仮の車速命令値を車速規制値によ
って規制する。他の手順については、自律通常走行モー
ドの場合と同様である。
【0050】(3)遠隔操縦通常走行モード 遠隔操縦装置50から操縦モードを遠隔操縦モードに切
替える指令が送信さられると、この指令は無人車100
の通信手段101によって受信され、走行モード判断処
理部113に送られる。この結果、走行モード判断処理
部113により操縦モードが遠隔操縦モードに切替えら
れ、さらに障害物が検出されていない場合には走行モー
ドを遠隔操縦通常走行モードとし、この走行モードを表
す情報をCPU111へ送る。この結果、CPU111
は、制御サイクルのステップS1においてこの情報を受
信し、ステップS7において走行モードを遠隔操縦通常
走行モードに設定する。
【0051】この遠隔操縦通常走行モードにおいては、
原則として遠隔操縦装置50から送られてくる命令操縦
量に従って車速出力値および操舵量出力値を決定する。
しかしながら、無人車100の操縦を遠隔操縦者の全く
の自由に委ねたのでは、坂道における急操舵、大きな舵
角での高速走行といった操縦が行われるおそれがある。
そこで、この遠隔操縦通常走行モードにおいても、上述
した自律走行モードと同様、現在の車速、舵角、車体傾
斜角等に基づいて車速、操舵角に関する規制値を演算
し、この規制値による規制の下で車速出力値および操舵
量出力値を決定している。以下、本モードでの動作につ
いて詳述する。
【0052】上記自律走行モードと同様、CPU111
は各制御サイクル毎に現在値演算処理部の処理を実行し
(ステップS2、S3)、無人車100の現在における
位置、車体傾斜角、車速、方位、操舵角を求める。ま
た、この現在値演算処理部の処理において、CPU11
1は、無人車100の現在位置とメモリ部112に記憶
された走行不可能領域202を定義する情報とを比較
し、無人車100が走行不可能領域202に進入したこ
とを検知した場合には走行停止の指示(走行停止モード
の設定指示)を走行モード判断処理部113へ出力す
る。
【0053】そして、制御サイクルのステップS4にお
いては、現在の車速Viおよび車体傾斜角δjに対応した
操舵角規制値φijをメモリ部から読み出し、操舵角規制
値φとして設定する。そして、制御サイクルのステップ
S8においては、図8に示すフローに従い、命令値を計
算する。ただし、遠隔操縦モードにおいては、遠隔操縦
装置50から命令操縦量が与えられるため、上記自律走
行モードの場合とは若干処理内容が異なる。
【0054】まず、遠隔操縦モードにおいては、遠隔操
縦装置50から命令操舵量が与えられるため、目標操舵
角αの演算(ステップS101)は行わない。そして、
ステップS102においては、遠隔操縦装置から与えら
れた命令操舵量(以下、遠隔操縦操舵量)と、舵角規制
値φとを比較し、|遠隔操縦操舵量|≧舵角規制値φの
場合は、 命令操舵量Δβ=(遠隔操縦操舵量/|遠隔操縦操舵量
|)×舵角規制値φ−現在舵角δ |遠隔操縦操舵量|<舵角規制値φの場合は、 命令操舵量Δβ=遠隔操縦操舵量−現在舵角δ なる演算により命令操舵量Δβを求める(図11参
照)。
【0055】ステップS103においては、現在舵角δ
に対応した車速規制値および命令操舵量Δβに対応した
車速規制値をメモリ部112から読み出し、これらの最
小値を最終的な車速規制値とする。本モードにおいて
は、目標舵角αの演算を行わないので、これに対応した
車速規制値も考慮しない。
【0056】次にステップS104においては車速命令
値を演算するが、現在走行中の経路に対応した指示車速
データではなく、遠隔操縦装置50から与えられた車速
についての命令操縦量を仮の車速命令値とし、この仮の
車速命令値を車速規制値によって規制することにより車
速命令値を決定する。
【0057】ステップS105、S106については、
上記自律走行モードと全く同様であり、図7におけるス
テップS9、S10の処理も上記自律走行モードと全く
同様ある。
【0058】このように遠隔操縦モードにおいても、自
律走行モードの場合と同様に、車速、車体傾斜角に対応
した操舵量の規制、操舵量等に対応した車速の規制が行
われるため、不適切な遠隔操縦が防止される。
【0059】(4)遠隔操縦減速走行モード 無人車100が遠隔操縦通常走行モードにて走行してい
る際、遠距離にある障害物が障害物検出手段125によ
って検出されると、走行モード判断処理部113は走行
モードを遠隔操縦減速走行モードとし、この走行モード
を表す情報をCPU111へ送る。この結果、CPU1
11は、制御サイクルのステップS1においてこの情報
を受信し、ステップS7において走行モードを遠隔操縦
減速走行モードに設定する。
【0060】この遠隔操縦減速走行モードにおいては、
各制御サイクルのステップS6において、上述した自律
障害物回避走行モードと同様、障害物回避経路を求め
る。そして、障害物を回避するまでの間は、この処理に
より求められた障害物回避経路をメモリ部112内の経
路地図情報によって定義された走行ルートに代えて使用
し、この障害物回避経路に沿って無人車100を進行さ
せるべく操舵角、車速の制御を行う。
【0061】すなわち、車速の制御については、遠隔操
縦装置から与えられた遠隔操縦量の車速値と、障害物回
避用の指示車速値とを比較していずれか低い方を仮の車
速命令値とし、この仮の車速命令値と舵角に対する車速
規制値とを比較し、車速命令値≧車速規制値ならば、車
速命令値=車速規制値とし、車速命令値<車速規制値な
らば、車速命令値=仮の車速命令値とする。このように
して、ステップS103において求めた車速規制値によ
り規制された車速命令値が得られる。
【0062】また、操舵角の制御については、遠隔操縦
装置から与えられた遠隔操縦操舵量と、舵角規制値φと
を比較し、|遠隔操縦操舵量|≧舵角規制値φの場合
は、 命令操舵量Δβ=(遠隔操縦操舵量/|遠隔操縦操舵量
|)×舵角規制値φ−現在舵角δ |遠隔操縦操舵量|<舵角規制値φの場合は、 命令操舵量Δβ=遠隔操縦操舵量−現在舵角δ なる演算により命令操舵量Δβを求める(図11参
照)。
【0063】また、この遠隔操縦減速走行モードにおい
ても、上記遠隔操縦通常走行モードの場合と同様、車
速、操舵角の命令操縦量についての規制を行う。すなわ
ち、各制御サイクル毎に、現在の車速Viおよび車体傾
斜角δjに対応した操舵角規制値φを設定し(ステップ
S4)、遠隔操縦装置から与えられる命令操舵量(遠隔
操縦操舵量)を舵角規制値φによって規制することによ
り命令操舵量Δβを求める(ステップS102)。そし
て、現在舵角δに対応した車速規制値および命令操舵量
Δβに対応した車速規制値をメモリ部112から読み出
し、これらの最小値を最終的な車速規制値とする(ステ
ップS103)。そして、遠隔操縦装置50から与えら
れた車速についての命令操縦量と障害物回避用指示車速
値とを比較していずれか低い方を仮の車速命令値とし、
この仮の車速命令値を車速規制値によって規制すること
により車速命令値を決定する(ステップS104)。
【0064】(5)走行停止モード 遠隔操縦装置50から走行停止の指示が与えられた場
合、近距離にある障害物が障害物検出手段125によっ
て検出された場合あるいは走行不可能領域への無人車1
00の進入がCPU111の現在値演算処理部の処理に
おいて検出された場合、走行モード判断処理部113は
走行モードを走行停止モードとする。この走行停止モー
ドが設定された場合、車速命令値は強制的に0とする。
また、命令操舵量は以下のように決定する。|現在舵角
δ|≧舵角規制値φの場合は、 命令操舵量δβ=(現在舵角δ/|現在舵角δ|)×舵
角規制値φ−現在舵角δ |現在舵角|<舵角規制値の場合は、 命令操舵量δβ=0
【0065】(6)遠隔操縦モードから自律走行モード
への移行時 遠隔操縦モードから自律走行モードへの切替えの指示が
遠隔操縦装置50から与えられると、走行モード判断処
理部113は走行モードを自律通常走行モードとする。
ただし、このモード切替えが行われた初期段階において
は、上記自律通常走行モードとは処理内容が一部異なっ
たものとなる。すなわち、制御サイクルのステップS5
において、自律走行復帰経路演算処理部の処理を行う。
この処理では、無人車100の現在位置から走行可能領
域を通過して走行ルートへ戻る最短の距離を検索し、最
短距離となる経路の番号を求める。この最短距離が所定
の許容値以上になった場合には復帰すべき経路の番号を
不定とし、走行を停止させる。許容値以下の場合は、復
帰すべき経路を目標経路とした自律走行が行われ、無人
車100は走行ルートに復帰することとなる。この様子
を図4を参照して説明する。まず、自律走行モードに切
替わった時点において無人車100が経路番号変更線か
ら離れた位置Q1にあったとする。この場合には、現在
位置Q1から最短距離にある経路P3を復帰すべき目標経
路とする。この場合、上述した通常自律走行モードでの
処理が行われることにより、現在位置Q1に対応した適
切な目標操舵量、命令操舵量が演算され、これに基づい
て適切な操舵が行われ、無人車100は経路P3へ復帰
することとなる。これに対し、自律走行モードに切替わ
った時点において無人車100が経路番号変更線に近い
位置Q2にある場合には、無人車100が経路P3の区間
内にある期間は経路P3およびその仮想延長線が復帰す
べき目標経路とされ、経路P4の区間内にある期間は経
路P4が復帰すべき目標経路とされる。以上のように、
遠隔操縦モードから自律走行モードへのモード切替時に
無人車100が走行ルートから所定の距離以内にある場
合は、自動的に走行ルートに復帰される。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、遠隔操縦モードにおいても、自律走行モー
ドと同様、車両の状態に見合った適切な規制が命令操縦
量に適用されるため、斜面における急操舵等といった不
適切な遠隔操作が防止され、遠隔操縦者の操作に関する
負担が軽減されるという効果が得られる。また、請求項
2に係る発明によれば、走行不可能領域への無人車の進
入が防止されるので、運用上の安全性が向上するという
効果が得られる。また、請求項3に係る発明によれば、
遠隔操縦モードから自律走行モードへのモード切替えの
みにより、無人車が自動的に所定の走行ルートへ復帰す
るので、遠隔操縦者の負担はさらに軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による無人車システムの
構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例において無人車に取り付けられた各
種センサ類を説明する図である。
【図3】 同実施例における経路地図情報の内容を説明
する図である。
【図4】 同実施例における経路地図情報の内容を説明
する図である。
【図5】 同実施例における舵角規制値マップを示す図
である。
【図6】 同実施例における走行モードを決定するため
のデシジョンテーブルを示す図である。
【図7】 同実施例の動作を説明するフローチャートで
ある。
【図8】 同実施例の動作を説明するフローチャートで
ある。
【図9】 同実施例における目標操舵角の演算を説明す
る図である。
【図10】 同実施例における命令操舵量の演算を説明
する図である。
【図11】 同実施例における命令操舵量の演算を説明
する図である。
【図12】 同実施例における操舵速度出力値の演算を
説明する図である。
【符号の説明】
50……遠隔操縦装置、100……無人車、121……
位置認識手段、122……車輪回転速検出手段、123
……操舵角検出手段、124……車体傾斜角検出手段、
125……障害物検出手段、131……車速制御手段、
132……操舵制御手段、110……コントローラ、1
11……CPU、112……メモリ部、113……走行
モード判断処理部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠隔操縦装置からの指令に従って走行の
    制御を行う遠隔操縦モードと、予め定義された走行ルー
    トに沿って進行するように自律走行する自律走行モード
    とを併有する無人車において、 車両の位置および状態を検出する検出手段と、 a.前記検出手段によって検出された車両の状態に基づ
    いて操舵角および車速に関する規制値を演算し、 b.自律走行モードにおいては、前記走行ルートと前記
    検出手段によって検出された車両の位置とのずれに基づ
    いて操舵角および車速の目標操縦量を演算し、この目標
    操縦量を前記規制値によって規制することにより命令操
    縦量を決定し、この命令操縦量に従って車速および操舵
    角を制御し、 c.遠隔操縦モードにおいては、前記遠隔操縦装置から
    与えられる命令操縦量を前記規制値によって規制し、こ
    の規制のなされた命令操縦量に従って車速および操舵角
    を制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする無人車。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、予め定義された走行不
    可能領域に車両が進入した場合に車両を停止させること
    を特徴とする請求項1記載の無人車。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記自律走行モードに
    おいて、前記車両が前記走行ルートから所定の距離以内
    にある場合に前記目標操縦量の演算、前記命令操縦量の
    決定をし、前記車速および操舵角の制御を行うものであ
    り、前記遠隔操縦モードから前記自律走行モードへの切
    替時に前記車両が前記走行ルートから前記所定の距離以
    上離れている場合には前記車両を停止させることを特徴
    とする請求項1または2のいずれか1の請求項に記載の
    無人車。
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