JPH0853550A - 改良された高吸水性樹脂の製造法 - Google Patents

改良された高吸水性樹脂の製造法

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JPH0853550A
JPH0853550A JP19034294A JP19034294A JPH0853550A JP H0853550 A JPH0853550 A JP H0853550A JP 19034294 A JP19034294 A JP 19034294A JP 19034294 A JP19034294 A JP 19034294A JP H0853550 A JPH0853550 A JP H0853550A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定性
を維持しつつ、吸水倍率の優れた高吸水性樹脂の製造法
の提供。 【構成】 100重量部の吸水性樹脂に対して10〜1
00重量部の水を含水させた高吸水性樹脂含水物に、
(a)反応性基を有する親水性ポリマーを、該高吸水性
樹脂100重量部に対して0.005〜5部、及び
(b)該反応性基を有する親水性ポリマーと反応し得る
官能基を2個以上有する架橋剤を、該反応性基を有する
親水性ポリマー/該架橋剤の重量比0.1〜30で添
加、混合し、加熱反応させることから成る高吸水性樹脂
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高吸水性樹脂の製造法
に関し、詳しくは吸水倍率、吸水速度及び通液性などの
吸水性能が高く、且つ、膨潤後のゲルの経時安定性に優
れた高吸水性樹脂の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
高吸水性樹脂として種々のタイプが提案され、文献及び
特許的にも多くのものが知られているが、実質的にはポ
リアクリル酸系高吸水性樹脂がその主流を占めている。
ここでいうポリアクリル酸系高吸水性樹脂とは、アクリ
ル酸単量体単位を少なくとも50モル%含み、水には実
質的に不溶ではあるが、高度の膨潤性を有する重合体を
意味する。そのようなポリアクリル酸系高吸水性樹脂と
しては、ポリアクリル酸架橋重合体及び共重合体、デン
プン−アクリロニトリルグラフト重合体加水分解物、デ
ンプン−アクリル酸グラフト架橋重合体並びに酢酸ビニ
ル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物等が挙げられ
る。通常、これらの重合体及び共重合体に含まれるカル
ボキシル基の60〜90モル%は、その水素原子がアル
カリ金属で置換された状態にある。
【0003】実用的には、高吸水性樹脂は通常、粉末又
は被膜などの形態で供されている。高吸水性樹脂の性能
は、吸水倍率(吸水量)、吸水速度、通液性及び膨潤ゲ
ルの経時安定性などによって評価される。しかしなが
ら、これらの物性は互いに相反する性質であるものが多
いので、それらを両立させることは非常に困難であり、
高吸水性樹脂を開発していく上での課題の一つでもあ
る。例えば、吸水倍率の高い高吸水性樹脂(低架橋度の
ゲル)は吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定性が
劣る。一方、吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定
性に優れた高吸水性樹脂(高架橋度のゲル)は吸水倍率
が低い傾向にある。
【0004】これらの物性を両立させることを目的とし
た技術として、高吸水性樹脂の表層部に高架橋密度層を
形成させ実用的性能を改良する方法が知られている(特
開昭58−117222号、特開昭57−44627号
及び特開昭63−99211号)。このような高架橋密
度層を形成させる架橋方法の一つとして、高吸水性樹脂
に含まれるカルボキシレート基などの官能基と反応性の
ポリグリシジルエーテル等の多官能性架橋剤との反応を
利用したものが知られている。この方法によれば、高吸
水性樹脂粉末に前記架橋剤を含む水性溶液を噴霧し、加
熱することによって、高吸水性樹脂の表層部に高架橋密
度層を形成せしめる。
【0005】また、高吸水性樹脂に、反応性基を有する
親水性ポリマー及び該親水性ポリマーと反応し得る官能
基を2個以上有する架橋剤を添加混合し、加熱反応させ
て、該高吸水性樹脂の表面にコーティングされた親水性
ポリマーの官能基の一部を、架橋剤により架橋せしめる
高吸水性樹脂の製造方法が知られている。例えば、特開
昭60−36534号は、高吸水性樹脂の表面に反応性
基を有する高吸水性樹脂の製造方法を開示するが、この
方法によれば、前記親水性ポリマーを高吸水性樹脂10
0重量部に対して1〜30重量部と多量に用いて、高吸
水性樹脂の表面にコーティングし、且つ、官能基を有効
に残存させるために比較的少量の架橋剤で該親水性ポリ
マーのごく一部分のみを架橋している(つまり、親水性
ポリマー/架橋剤の比が極めて大きい)。従って、該方
法によっては、膨潤後のゲルの安定性に優れた高吸水性
樹脂を得ることができない。
【0006】カルボキシレート基と反応しうる多官能性
架橋剤を用いる方法は、反応の完結にかなり長時間を要
し、且つ、架橋時の高吸水性樹脂の水分量の調節に厳し
い条件が課せられる。更には、高吸水性樹脂の表層近傍
に架橋層を形成させるためには、架橋時の高吸水性樹脂
の水分量並びに架橋剤の親疎水性及び反応性を適度に調
整する必要があるが、その架橋層の厚みを薄く制御する
のは極めて困難である。なぜなら、架橋層を薄くするた
めに高吸水性樹脂の水分量を低くしたり、架橋剤を疎水
性にすると、架橋剤の架橋効率が低下し、所望の架橋密
度が形成されないだけでなく、衛生材料に用いる場合に
安全性上、好ましくない架橋剤が多く残存するといった
問題点も生ずるからである。
【0007】従って、本発明の目的は、吸水速度、通液
性及び膨潤ゲルの経時安定性を維持しつつ、吸水倍率の
優れた高吸水性樹脂の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を解消すべく、鋭意検討した結果、特に被架橋物
質と架橋剤との使用量を適切に調節することにより、高
吸水性樹脂の吸水速度、通液性及び膨潤ゲルの経時安定
性の低下を伴なわず、吸水倍率を向上させる架橋方法を
知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、100重量部の高吸水性樹脂に対して10〜
100重量部の水を含水させた高吸水性樹脂含水物に、
(a)反応性基を有する親水性ポリマーを、該高吸水性
樹脂100重量部に対して0.005〜5重量部、及び
(b)該反応性基を有する親水性ポリマーと反応し得る
官能基を2個以上有する架橋剤を、該反応性基を有する
親水性ポリマー/該架橋剤の重量比0.1〜30で添
加、混合し、加熱反応させることから成る高吸水性樹脂
の製造法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
【0010】本発明の方法によって得られる高吸水性樹
脂は、その表面近傍に上記親水性ポリマーのコーティン
グが形成されており、該コーティングの一部が上記架橋
剤によって架橋された構造を有しており、膨潤ゲルの経
時安定性が改良されたものとなっている。
【0011】本発明の方法に用いられる高吸水性樹脂と
しては、通常、自重の10倍〜1500倍程度の吸水倍
率を持つものが望ましい。特に、その構成単位にカルボ
キシル基及び/又はカルボキシレート基を有する親水性
ポリマーであれば重合体の種類や重合方法は問わない。
本発明に好適に使用し得る高吸水性樹脂としては、特開
昭51−120591号、特開昭56−26909号、
特開平6−93008号及び特開平6−136012号
等に記載の逆相懸濁重合法によるポリアクリル酸ソーダ
又は特開昭55−133413号等に記載の水溶液重合
(断熱重合、薄膜重合)により得られるポリアクリル酸
ソーダ、特公昭53−46199号等に記載のデンプン
−アクリル酸ソーダグラフト重合体等を例示することが
できる。また、これらの重合体を製造するに際し、極微
量の架橋剤添加であれば架橋剤の使用は何ら問題はな
い。
【0012】特に好ましい高吸水性樹脂は、逆相(W/
O)懸濁重合法で得られたものである。この理由は、本
発明においては高吸水性樹脂に水を添加して高吸水性樹
脂含水物を調製するが、その場合、高吸水性樹脂の合成
後に脱水工程を必要とするので、逆相懸濁重合法で得ら
れた重合体は作業性の点から有利だからである。
【0013】その構成単位にカルボキシル基及び/又は
カルボキシレート基を有する高吸水性樹脂としては、一
般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合
体又は共重合体であり、ポリアクリル酸及びその塩並び
にポリメタクリル酸及びその塩を例示することが出来
る。ポリアクリル酸塩や、ポリメタクリル酸塩として
は、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。ま
た、アクリル酸又はメタクリル酸にマレイン酸、イタコ
ン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタ
ンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸水性
樹脂の性能を低下させない範囲で共重合せしめた共重合
体も、本発明の方法に好ましく使用し得る。アクリル酸
重合体を中和してその塩にする場合には、アクリル酸重
合体の中和度が30〜90モル%であることが好まし
く、特に60〜90モル%であることが吸水物性及びコ
ストの点から好ましい。
【0014】高吸水性樹脂の調製に逆相懸濁重合方法を
採用する場合には、上記公知文献に記載される如き常法
に従い、カルボキシル基又はカルボキシレート基を有す
る親水性モノマーの水溶液に過硫酸塩等の水溶性開始剤
を添加し、次いで保護コロイドを用いて逆相懸濁重合せ
しめる。その際使用する保護コロイドとしては、例え
ば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウ
レート及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレート
等のソルビタン脂肪酸エステル;トリメチルステアリル
アンモニウムクロリド及びカルボキシメチルジメチルセ
チルアンモニウム等のカチオン性及び両性の界面活性
剤;ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステル
ナトリウム塩及びドデシルエーテル硫酸エステルナトリ
ウム塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルグリコシド
及びグルコンアミド等のグリコシド化合物;エチルセル
ロース及びベンジルセルロース等のセルロースエーテ
ル;セルロースアセテート、セルロースブチレート及び
セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステ
ル;マレイン化ポリブタジエン、マレイン化ポリエチレ
ン、マレイン化α−オレフィン、スチレン−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート4級塩及びイソプロピルメタ
クリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート4級
塩等の高分子分散剤を挙げることが出来る。これらの保
護コロイドは、1種類又は2種類以上のいずれを用いて
も良い。また、逆相懸濁重合の際に用いる非水溶媒とし
ては、例えば、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等の脂
肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
及びデカリン等の脂環族炭化水素;クロルベンゼン、ブ
ロムベンゼン及びジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素を挙げることが出来る。
【0015】高吸水性樹脂の形状には特に制限はなく、
例えば、球状、りん片状又は無定形状のいずれでもよ
い。高吸水性樹脂の粒子の大きさは、50〜2000μ
mであることが取扱性の点から好ましく、特に好ましく
は100〜1000μmである。
【0016】本発明の方法においては、100重量部の
乾燥高吸水性樹脂に対して10〜100重量部、好まし
くは20〜50重量部の水を添加して高吸水性樹脂含水
物を得る。含水量がこれより少ないと高吸水性樹脂表面
に効率よく親水性ポリマーがコーティングされないばか
りでなく、後述する懸濁重合系において連続してコーテ
ィングの架橋を行う場合、共沸脱水による脱水工程の時
間が著しく長くなるといった製造工程上の問題点をも生
じる。一方含水量がこれを超えると、高吸水性樹脂の吸
水量が低下するばかりでなく、後述する高吸水性樹脂含
水物の非極性溶媒中での分散安定性が低下するために、
均一に親水性ポリマーをコーティングすることが出来な
くなる。
【0017】本発明の方法においては、上記の通り水を
吸収した高吸水性樹脂含水物に、(a)反応性基を有す
る親水性ポリマー、及び(b)該反応性基を有する親水
性ポリマーと反応し得る官能基を2個以上有する架橋剤
をそれぞれ所定量添加、混合する。この場合、(a)の
親水性ポリマー及び(b)の架橋剤は、同時に添加して
もよく、或いは、(a)の親水性ポリマーを添加した後
に(b)の架橋剤を添加してもよい。本発明において
は、後者の方法を採用することが、架橋効率の点から好
ましい。かかる操作によって、該高吸水性樹脂含水物の
表面に該親水性ポリマーのコーティングを形成し、その
一部を該架橋剤で架橋せしめる。本発明に用いられる反
応性基を有する親水性ポリマーとしては、架橋剤の反応
性基に対して何らかの化学反応性を有する反応性基を有
し、且つ、親水性であれば特に制限はない。また、高吸
水性樹脂にコーティングした後、化学反応性を有する反
応性基に変換し得るポリマーも含まれる。
【0018】かかる反応性基としては、アミド基、水酸
基、アミノ基、アルデヒド基、スルホン酸基及びカルボ
キシル基等が挙げられる。特に好ましい反応性基は、ア
ミド基、水酸基、アミノ基である。この様な反応性基を
有する親水性ポリマーとしては、例えば(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート及びその塩化メチル4級化物、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその塩化メチ
ル4級化物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン及びア
リルアミン等の含窒素ビニルモノマーの重合体及び共重
合体;ポリ〔2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト〕、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及
びポリビニルアルコール等の含水酸基ビニルモノマーの
重合体及び共重合体;ビニルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸等の含スルホン酸ビニルモノマーの重合体及び
共重合体;並びにポリエチレンイミン、ポリアクロレイ
ン、ポリエチレングリコール及びポリアクリルアミドの
ホフマン分解物等を挙げることが出来る。特に含窒素ビ
ニルモノマーの重合体及び共重合体並びにポリエチレン
イミンを用いることが好ましく、なかんずくポリエチレ
ンイミンが最も好ましい。
【0019】本発明に使用する親水性ポリマーの分子量
は特に制限はないが、好ましくは500〜500,00
0である。
【0020】本発明の方法において、高吸水性樹脂に対
する親水性ポリマーの添加量は要求される用途に応じて
広範囲に変えることが出来るが、通常、高吸水性樹脂1
00重量部に対して0.005〜5部、好ましくは0.
01〜1部:特に好ましくは0.05〜0.8部となる
量である。親水性ポリマーの添加量がこれより少ない場
合には、コーティングの架橋効果が十分に発現しない。
一方、親水性ポリマーの添加量がこれを超えても物性向
上は認められず、更には強固な架橋構造により吸水量、
吸水速度の低下を招くこともある。
【0021】このようにして高吸水性樹脂含水物の表面
に形成された該親水性ポリマーのコーティングの一部
を、該親水性ポリマーの反応性基と反応し得る官能基を
2個以上有する架橋剤によって架橋せしめる。後述する
ように、本発明においては、該コーティングの架橋の程
度(つまり、該親水性ポリマー/該架橋剤の重量比)が
極めて重要である。即ち、架橋の程度が低過ぎるとコー
ティングが脆弱となるので膨潤ゲルの経時安定性が劣
り、逆に架橋の程度が高過ぎると高吸水性樹脂の表面が
コーティングによって強固に包接されるので吸水機能が
低下する。該架橋剤における官能基としては、例えば、
グリシジル基、アルデヒド基、イソシアナート基などを
挙げることができ、特にグリシジル基が好ましい。これ
らの官能基は、架橋剤中に2個以上含まれるが、それら
は同一であってもよく又は異なっていてもよい。特に、
本発明においては、架橋剤は、ポリグリシジルエーテ
ル、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド、ポリオール
及びポリアミンから成る群から選ばれる少なくとも1種
であることが好ましい。ポリグリシジルエーテルとして
は、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(EGDG)、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル
(PGPG)等を挙げることができ;ハロエポキシ化合
物としては、例えば、エピクロルヒドリン(ECH)及
びα−メチルクロルヒドリン等を挙げることができ;ポ
リアルデヒドとしては、例えば、グルタールアルデヒド
及びグリオキザール等を挙げることができ;ポリオール
としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール
及びエチレングリコール等を挙げることができ;そして
ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン等を挙げ
ることができる。
【0022】架橋剤の添加量は架橋剤の種類によっても
異なるが、通常、高吸水性樹脂100重量部に対して
0.005〜10重量部、好ましくは0.005〜1重
量部が適切な範囲である。
【0023】前述の通り、本発明においては、親水性ポ
リマーと架橋剤との使用量の比率が極めて重要である。
該比率は、使用する親水性ポリマー及び架橋剤の種類、
また高吸水性樹脂の含水量によって異なるが、通常、親
水性ポリマー/架橋剤=0.1〜30の重量比、好まし
くは0.1〜20重量比、更に好ましくは0.5〜10
の重量比の範囲で使用することが出来る。この重量比を
超えると、架橋が十分でなく親水性ポリマーの網目構造
が十分に形成されないので、膨潤ゲルの経時安定性に優
れた高吸水性樹脂を得ることができない。また、この重
量比より小さい場合には親水性ポリマーの架橋が進み過
ぎるので、樹脂の吸水機能が低下してしまう。
【0024】反応性基を有する親水性ポリマーを高吸水
性樹脂含水物の表面にコーティングする方法としては、
種々の方法があるが、特に限定されるものではない。例
えば逆相懸濁重合法により得られた高吸水性樹脂を用い
る場合には、該高吸水性樹脂の含水量が上記の範囲とな
るように調整された高吸水性樹脂含水物を有機溶媒に懸
濁した状態において上記親水性ポリマーを加え、また必
要に応じてエチルセルロース、シュガーエステル又はソ
ルビタンエステル等の逆相懸濁重合用の分散剤を上記親
水性ポリマーの添加前又は添加後に追加して加える。そ
して、その後に上記架橋剤を加え、加熱・反応させる。
加熱温度は、一般に50〜100℃である。また、上記
親水性ポリマーの添加方法の別法としては、親水性ポリ
マーを分散剤を用いて非極性溶媒中に予め分散させた分
散液を、含水量を調整した高吸水性樹脂の懸濁液中に加
えてもよい。
【0025】また、水溶液重合法等によって製造した高
吸水性樹脂や市販の高吸水性樹脂の含水物の表面に上記
親水性ポリマーをコーティングする場合は、次のように
行うことができる。水溶液重合法によって製造した高吸
水性樹脂の場合には、生成した高吸水性樹脂のゲルを解
砕後、乾燥などにより含水量を上述の範囲に調整する。
次いでニーダー中に高吸水性樹脂含水物、そして必要に
応じエチルセルロース、シュガーエステル又はソルビタ
ンエステル等の分散剤、又はアニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の中から
選ばれる1種もしくは2種以上の界面活性剤を入れ、ま
た、必要に応じて極性又は非極性の有機溶媒を分散媒と
して加える。そこに上記親水性ポリマーを加え、その後
に上記架橋剤を加え、熱処理する方法を例示することが
出来る。表面コーティングを円滑に行うためには加熱す
ることが望ましく、40〜150℃の範囲で上記架橋剤
を反応させるのが好ましい。
【0026】上記の分散媒として用いられる有機溶媒は
特に制限はないが、安全性、並びに作業性等から沸点3
0〜200℃の範囲にあるものが好ましい。極性溶媒と
してはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ク
ロロホルム、トルエン等を挙げることが出来る。一方、
非極性溶媒としては、脂肪族炭化水素及び脂環族炭化水
素が好ましく、例えばノルマルヘキサン、シクロヘキサ
ン、リグロイン等を挙げることが出来る。
【0027】本発明の方法により得られた高吸水性樹脂
は、高吸水性樹脂の表面近傍に親水性ポリマーの架橋ネ
ットワーク構造を有していると考えられ、このことによ
り高い吸水物性を有しているばかりでなく、膨潤ゲルの
経時安定性にも優れている。また本発明の方法によって
得られる高吸水性樹脂は粒子形態が固定化された一つの
吸収体に変換できるものでもある。例えば、有機ポリイ
ソシアネートとポリオールとからポリウレタンを製造す
るに当たり、反応系内に高吸水性樹脂の表面をポリエチ
レンイミンでコーティング・架橋したもの共存させてお
くと、該高吸水性樹脂が共有結合により結合した連続体
構造を有する一つの吸収体とすることができる。これを
衛生材料、保水剤、止水剤、脱水剤の他、プラスチック
建材などに練りこんで結露防止剤として用いたり、更に
は他樹脂とのブレンドによる包装材料等として用いると
いった幅広い用途が考えられる。
【0028】更には、従来の衛生分野、農業分野以外の
新規な用途である相間移動触媒、酸素固定支持体等に代
表される高分子触媒、重金属、貴金属や有害金属捕捉能
を持ったキレート樹脂、凝集沈殿樹脂やイオン交換樹脂
等に本発明の方法によって得られる高吸水性樹脂を利用
することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定
されないことはいうまでもない。実施例及び比較例で行
った試験方法は、次の通りである。
【0030】〔吸水量の測定法〕高吸水性樹脂1gを大
過剰の生理食塩水(0.9%食塩水)中に分散して、該
高吸水性樹脂をその吸水量が平衡状態になるまで膨潤さ
せた後、生理食塩水を80メッシュの金網で濾過し、得
られた高吸水性樹脂含水物の重量(W)を測定し、この
値を吸水前の高吸水性樹脂の重量W0 で除して得られる
値、即ちW/W0を吸水量(g/g)とした。
【0031】〔吸水速度の測定法〕DW(Demand Wetta
bility)法を実施する装置として一般的に知られている
図1に示す装置(Demand Wettability Tester )を用
い、図1に示す如く、生理食塩水Wの液面を等水位にセ
ットした高吸水性樹脂散布台2(70mmφ、No.2
濾紙をガラスフィルターNo.1に置いた台)上に、高
吸水性樹脂Pを0.3g散布し、高吸水性樹脂を散布し
た時点の吸水量を0とし、3分後の吸水量(この吸水量
は、生理食塩水Wの水位の低下量を示すビュレットの目
盛りで測定される)を測定し、この値を吸水速度を表す
吸水量(ml)とした。
【0032】〔通液速度の測定法〕図2に示す装置10
(内径25.6mm、長さ約500mm(円筒部分)の
ガラス円筒管からなるビュレット)に高吸水性樹脂0.
5gを充填し、過剰の生理食塩水を用い、高吸水性樹脂
を平衡膨潤させ、液面を下部より200mlのところに
合わせてコックをし、膨潤した高吸水性樹脂Pが図示の
如く充分に沈降したことを確かめてコックを開き、生理
食塩水Wが図に示す2本の標線L(下部より150ml
の地点)とM(下部より100mlの地点)との間(液
量50cc)を通過する時間を測定し、標線間の液量
(ml)を測定時間(min)で除して通液速度(ml
/min)とした。
【0033】〔膨潤ゲルの経時安定性の評価法〕高吸水
性樹脂1gを0.05%のL−アスコルビン酸を含有し
た生理食塩水45gで膨潤させ、スクリュー管内で密閉
し、40℃で3時間放置した。その時の膨潤ゲルの状態
を観察することにより膨潤ゲルの経時安定性を評価し
た。膨潤ゲルの経時安定性を、ゲルの流動性、曳糸性、
保型性を基準とし、以下の表に示す4段階で評価した。
この評価において、○以上は生理ナプキン、紙おむつ、
成人用シーツ、タンポン、衛生綿などに用いられる吸水
性ポリマーとして適する。
【0034】
【表1】
【0035】〔実施例1〕攪拌機、還流冷却器、滴下ロ
ート、窒素ガス導入管を付した1000ml4つ口フラ
スコにシクロヘキサン400ml、エチルセルロース
(ハーキュリーズ製、商品名エチルセルロースN−10
0)0.625gを仕込み、窒素ガスを吹き込んで溶存
酸素を追い出し、75℃まで昇温した。別のフラスコ中
にアクリル酸102.0gをイオン交換水25.5gで
希釈し、外部より冷却しつつ、30wt%水酸化ナトリ
ウム水溶液140gで中和した。次いで、過硫酸カリウ
ム0.204gを水7.5gに溶解させたものを添加溶
解した後、窒素ガスを吹き込み水溶液内に残存する酸素
を除去した。このフラスコ内容物を上記4つ口フラスコ
に一時間かけて滴下し、重合した。重合終了後、脱水管
を用い、共沸脱水を行い、高吸水性樹脂の含水量を高吸
水性樹脂100重量部に対して30重量部に調整した。
この高吸水性樹脂含水物を分散したシクロヘキサンに、
ポリエチレンイミン(日本触媒(株)製、商品名エポミ
ンSP−006)0.255g(0.25wt%対アク
リル酸)を水5gに溶解したものを添加し、75〜80
℃で15分間攪拌してポリエチレンイミンのコーティン
グを形成せしめた。次いで、ポリグリセロールポリグリ
シジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナ
コールEX−512)0.102g(0.10wt%対
アクリル酸)を水4gに溶解したものを添加し、75〜
80℃で1時間反応させ、ポリエチレンイミンを架橋せ
しめた。生成したゲルを分別し、減圧下に乾燥すること
により、表面にポリエチレンイミンの架橋コーティング
を有するポリアクリル酸ナトリウムを得た。この様にし
て得られた高吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸水量、
吸水速度、通液速度、膨潤ゲルの経時安定性を測定し
た。評価結果を表Iに示す。
【0036】〔実施例2〜17〕表Iに示す種類及び量
の親水性ポリマー、架橋剤、逆相懸濁重合用分散剤を用
い、表Iに示す含水量において親水性ポリマーを添加す
る以外はすべて実施例1と同様の操作を行い、高吸水性
樹脂を得た。この吸水性樹脂を実施例1と同様の評価を
行った。各々の結果を表Iに示す。
【0037】
【表2】
【0038】注1)親水性ポリマー PEI:日本触媒製、ポリエチレンイミン エポミンSP−006(分子量600) エポミンSP−018(分子量1800) エポミンSP−200(分子量1万) エポミンP−1000(分子量7万、30wt%水溶液
であるので表1中の使用量は樹脂分だけに換算した場合
の量) PVA:和光純薬製、ポリビニルアルコール(重合度5
00) PAlAm:日東紡績製、ポリアリルアミンPAA−L
(分子量1万) PEAm:旭電化製、エチレンジアミンのエチレンオキ
サイド付加物、プルロニックTR704(分子量5千) PQDM:ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩
化メチル4級化物(分子量10万) PHEA:ポリヒドロキシエチルアクリレート(分子量
7万) PTEGA:ポリテトラエチレングリコールアクリレー
ト(分子量15万) PDMAEMA:ポリジメチルアミノエチルメタクリレ
ート(分子量10万)注2)架橋剤 EGDG:ナガセ化成工業製、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、デナコールEX−810 PGPG:ナガセ化成工業製、ポリグリセロールポリグ
リシジルエーテル、デナコールEX−512 ECH:和光純薬製、エピクロルヒドリン 注3)含水量 高吸水性樹脂100重量部に対する水の重量部数 注4)分散剤 EC:ハーキュレス製、エチルセルロースN−100 SuE:三菱油化食品製、リョートーシュガーエステル
S−570 SoE:花王製、ソルビタンエステルレオドールSP−
S10 ES:花王製、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサ
ルフェート、エマールE−27C AG:ドデシルグルコシド(糖縮合度1.25)
【0039】〔実施例18〕攪拌機、還流冷却器、滴下
ロートを付した1000ml4つ口フラスコに0.5m
mHgのもと、120℃で24時間乾燥したアクアリッ
クCAW−4(日本触媒製、水溶液重合系高吸水性樹
脂)125g、シクロヘキサン400ml、エチルセル
ロース(ハーキュリーズ製、商品名エチルセルロースN
−100)0.625gを仕込み、75〜80℃まで昇
温した。昇温後、イオン交換水37.5gを加え、30
分間還流下で攪拌することにより、高吸水性樹脂の含水
量を高吸水性樹脂100重量部に対して30重量部に調
整した。この高吸水性樹脂を分散したシクロヘキサン
に、ポリエチレンイミン(日本触媒(株)製、商品名エ
ポミンSP−006)0.25g(0.20wt%対高
吸水性樹脂)を水5gに溶解したものを添加し、75〜
80℃で15分間攪拌してポリエチレンイミンのコーテ
ィングを形成せしめた。次いで、ポリグリセロールポリ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名
デナコールEX−512)0.102g(0.10wt
%対アクリル酸)を水4gに溶解したものを添加し、7
5〜80℃で1時間反応させ、ポリエチレンイミンを架
橋せしめた。生成したゲルを分別し、減圧下に乾燥する
ことにより、表面にポリエチレンイミンの架橋コーティ
ングを有する高吸水性樹脂を得た。この様にして得られ
た高吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸水量、吸水速
度、通液速度、膨潤ゲルの経時安定性を測定した。評価
結果を表IIに示す。
【0040】
【表3】
【0041】〔実施例19〕実施例18の高吸水性樹脂
アクアリックCAW−4の代わりにダイヤウェットUS
II−60(三菱油化製、懸濁重合系高吸水性樹脂)を用
い、表IIに示す種類及び量の親水性ポリマー、架橋剤、
分散剤を用い、表IIに示す含水量において親水性ポリマ
ーを添加する以外はすべて実施例18と同様に架橋処理
を行い、高吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を実施例
1と同様の評価を行った。各々の結果を表IIに示す。
【0042】〔実施例20〕実施例18の高吸水性樹脂
アクアリックCAW−4の代わりにアロンザップRS−
2(東亜合成製、水溶液重合系高吸水性樹脂)を用い、
表IIに示す種類及び量の親水性ポリマー、架橋剤、分散
剤を用い、表IIに示す含水量において親水性ポリマーを
添加する以外はすべて実施例18と同様に架橋処理を行
い、高吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を実施例1と
同様の評価を行った。各々の結果を表IIに示す。
【0043】〔実施例21〕実施例18の高吸水性樹脂
アクアリックCAW−4の代わりにアクアキープ10S
H−P(住友精化製、懸濁重合系高吸水性樹脂)を用
い、表IIに示す種類及び量の親水性ポリマー、架橋剤、
分散剤を用い、表IIに示す含水量において親水性ポリマ
ーを添加する以外はすべて実施例18と同様に架橋処理
を行い、高吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を実施例
1と同様の評価を行った。各々の結果を表IIに示す。
【0044】〔実施例22〕攪拌機、還流冷却器、滴下
ロートを付した1000ml4つ口フラスコに0.5m
mHgのもと120℃で24時間乾燥したアクアリック
CAW−4を125g、シクロヘキサン400mlを仕
込み、75〜80℃まで昇温した。昇温後、イオン交換
水37.5gを加え、30分間還流下で攪拌することに
より、高吸水性樹脂の含水量を高吸水性樹脂100重量
部に対して30重量部に調整した。この高吸水性樹脂を
分散したシクロヘキサンに予め調整しておいたポリエチ
レンイミン(日本触媒(株)製、商品名エポミンP−1
000)0.85g(0.68wt%対高吸水性樹
脂)、水2g、シュガーエステル(三菱化成食品製、リ
ョートーシュガエステルS−1670)1.0g、シク
ロヘキサン30mlの分散溶液を添加し、75〜80℃
で15分間攪拌した後、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコー
ルEX−512)0.102gを水4gに溶解したもの
を添加し、75〜80℃で1時間反応さ、ポリエチレン
イミンを架橋せしめせた。生成したゲルを分別し、減圧
下に乾燥することにより、表面にポリエチレンイミンの
架橋コーティングを有する高吸水性樹脂を得た。この様
にして得られた高吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸水
量、吸水速度、通液速度、膨潤ゲルの経時安定性を測定
した。評価結果を表IIに示す。
【0045】〔実施例23〕噴霧用ノズルを付した10
00mlのニーダーに0.5mmHgのもと、120℃
で24時間乾燥したアクアリックCAW−4を125
g、シクロヘキサン400mlを仕込み、75〜80℃
まで昇温した。昇温後、攪拌しながらイオン交換水3
7.5gを加え、その後更に30分間攪拌し、高吸水性
樹脂の含水量を高吸水性樹脂100重量部に対して30
重量部に調整した。この含水した高吸水性樹脂にポリエ
チレンイミン(日本触媒(株)製、商品名エポミンSP
−006)0.25g(0.2wt%対高吸水性樹脂)
を水5gに溶解した水溶液を噴霧ノズルを用いて添加
し、75〜80℃で15分間攪拌してポリエチレンイミ
ンのコーティングを形成せしめた。次いで、ポリグリセ
ロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名デナコールEX−512)0.102gを水
4gに溶解した水溶液を噴霧ノズルを用いて添加し、7
5〜80℃で1時間反応させ、ポリエチレンイミンを架
橋せしめた。生成したゲルを減圧下に乾燥することによ
り、表面にポリエチレンイミンの架橋コーティングを有
する高吸水性樹脂を得た。この様にして得られた高吸水
性樹脂の生理食塩水に対する吸水量、吸水速度、通液速
度、膨潤ゲルの経時安定性を測定した。評価結果を表II
に示す。
【0046】〔実施例24〕実施例18の高吸水性樹脂
アクアリックCAW−4の代わりにアロンザップRS−
2を用い、表IIに示す種類及び量の親水性ポリマー、架
橋剤、分散剤を用い、表IIに示す含水量において親水性
ポリマーを添加する以外はすべて実施例18と同様に架
橋処理を行い、高吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を
実施例1と同様の評価を行った。各々の結果を表IIに示
す。
【0047】〔比較例1〜5〕表III に示す種類及び量
の親水性ポリマー、架橋剤、逆相懸濁重合用分散剤を用
い、表III に示す含水量において親水性ポリマーを添加
する以外はすべて実施例1と同様に重合を行い、高吸水
性樹脂を得た。この吸水性樹脂を実施例1と同様の評価
を行った。各々の結果を表III に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、高吸水性樹脂含水物の
表面に反応性基を有する親水性ポリマーをコーティング
し、かかるコーティングを架橋剤により架橋せしめ、こ
れにより吸水倍率、吸水速度、通液性、膨潤ゲルの経時
安定性等の吸収特性に著しく優れた高吸水性樹脂を初め
て製造することが出来ることが可能になった。従って、
本発明によって得られる高吸水性樹脂は、その特徴を生
かして生理用ナプキン、紙おむつ、成人用シーツ、タン
ポン、衛生綿などに用いられる吸水性ポリマーとして有
用である。また長時間使用してもゲル構造が劣化しにく
く、更には弾性力に富むので、種々の園芸用の保水剤と
して、土壌建築用の止水剤として使用可能であり、また
形状、弾力性、吸水性、通気性の重要視される化粧品へ
の応用も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例で使用した吸水速度の測定
装置を示す概略図である。
【図2】 実施例及び比較例で使用した生理食塩水の通
液速度示す概略図である。
【符号の説明】
1 ポリマーの吸水速度を測定する測定装置 2 ポリマー散布台 3 ビュレット 10 生理食塩水の通液速度の測定装置 W 生理食塩水 P ポリマー M、L 標線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100重量部の高吸水性樹脂に対して1
    0〜100重量部の水を含水させた高吸水性樹脂含水物
    に、(a)反応性基を有する親水性ポリマーを、該高吸
    水性樹脂100重量部に対して0.005〜5重量部、
    及び(b)該反応性基を有する親水性ポリマーと反応し
    得る官能基を2個以上有する架橋剤を、該反応性基を有
    する親水性ポリマー/該架橋剤の重量比0.1〜30で
    添加、混合し、加熱反応させることから成る、高吸水性
    樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 上記高吸水性樹脂がカルボキシル基及び
    /又はカルボキシレート基を有する親水性ポリマーであ
    る、請求項1記載の高吸水性樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】 上記高吸水性樹脂が、カルボキシル基及
    び/又はカルボキシレート基を有する親水性モノマーの
    水溶液に水溶性開始剤を含有せしめたものを逆相懸濁重
    合して得られる親水性ポリマーである、請求項1記載の
    高吸水性樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】 上記高吸水性樹脂がアクリル酸又はアク
    リル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体である請求
    項1記載の高吸水性樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記反応性基を有する親水性ポリマーが
    反応性基としてアミド基、水酸基、アミノ基、アルデヒ
    ド基、スルホン基又はカルボキシル基を有するものであ
    る請求項1記載の高吸水性樹脂の製造法。
  6. 【請求項6】 上記反応性基を有する親水性ポリマーの
    添加量が、上記高吸水性樹脂100重量部に対して0.
    01〜1重量部である請求項1に記載の高吸水性樹脂の
    製造法。
  7. 【請求項7】 上記架橋剤が、ポリグリシジルエーテ
    ル、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド、ポリオール
    及びポリアミンから成る群から選ばれる少なくとも1種
    である請求項1記載の高吸水性樹脂の製造法。
  8. 【請求項8】 上記反応性基を有する親水性ポリマー/
    上記架橋剤の重量比が0.1〜20である請求項1記載
    の高吸水性樹脂の製造法。
  9. 【請求項9】 アクリル酸重合体の中和度が30〜90
    モル%である請求項4記載の高吸水性樹脂の製造法。
  10. 【請求項10】 高吸水性樹脂含水物が、100重量部
    の高吸水性樹脂に対して20〜50重量部の水を含水さ
    せたものである請求項1記載の高吸水性樹脂の製造法。
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