JPH085298B2 - 電子制御サスペンション装置 - Google Patents

電子制御サスペンション装置

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JPH085298B2
JPH085298B2 JP2236871A JP23687190A JPH085298B2 JP H085298 B2 JPH085298 B2 JP H085298B2 JP 2236871 A JP2236871 A JP 2236871A JP 23687190 A JP23687190 A JP 23687190A JP H085298 B2 JPH085298 B2 JP H085298B2
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posture
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敏男 油谷
修一 武馬
隆 米川
修 武田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車等の車輌のサスペンションに係り、
更に詳細には車体の姿勢を制御する電子制御サスペンシ
ョン装置に係る。
[従来の技術] 自動車等の車輌の乗り心地性や操縦安定性等を向上さ
せるべく車体の姿勢を制御する種々の装置が従来より提
案されている。例えば特開昭61−193907号公報に記載さ
れている如く、車輌の横加速度若しくは前後加速度の検
出値と運転者の好みに応じて設定される設定値とに基き
目標数式モデルに従って車体の姿勢変化応答量を算出
し、この姿勢変化応答量に応じて車輌のばね下及びばね
上間の目標ストローク(目標車高)を算出し、この目標
ストロークと実際のストロークの検出値との偏差に応じ
て各車輪に対応して設けられたアクチュエータを制御す
るよう構成されたサスペンション装置が既に提案されて
いる。
また例えば特開昭57−126705号公報に記載されている
如く、所謂ジャッキアップが行われた場合の如く、車高
センサが車高制御不可能な異常信号を出力する場合に
は、流体アクチュエータの空気圧を制御するためのコン
プレッサや種々の弁を保護する目的で車高調整制御を停
止する装置等も既に提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 上述の61−193907号公報に記載されている如き従来の
電子制御サスペンション装置に於ては、加速度センサに
より示される加速度が異常値になった場合、例えば、加
速度センサよりの信号を伝達するワイヤハーネスが断線
したり短絡した場合には、実際の車体の加速度とは大き
く異る加速度に基く車体の目標姿勢変化量が算出され、
その結果車体の姿勢が不自然な姿勢に制御される虞れが
ある。
かかる問題を解消すべく、上述の特開昭57−126705号
公報に記載された構成の場合と同様、加速度センサによ
り示される加速度が異常値になった場合には加速度に基
く姿勢制御を停止することが考えられる。しかしかくし
て姿勢制御が中止される構成に於ては、車輌の旋回時や
加減速時の如く車体の加速度が比較的大きい状況に於て
加速度センサにより示される加速度が異常値になると、
姿勢制御が全く行われないため、車体の姿勢が大きく変
化し、その結果車体の姿勢の安定性が損なわれる虞れが
ある。特にこの問題は、上述の如く加速度センサよりの
信号を伝達するワイヤハーネスが断線したり短絡した場
合の如く、加速度センサにより示される加速度が常に異
常値である場合に顕著である。
本発明は、従来の電子制御サスペンション装置に於け
る上述の如く問題に鑑み、加速度センサにより示される
加速度が異常値になった場合にも車体の姿勢を実質的に
路面に平行な安定した姿勢に制御することができるよう
改良された電子制御サスペンション装置を提供すること
を目的としている。
[課題を解決するための手段] 上述の如き目的は、本発明によれば、第1図の基本的
構成図に例示されている如く、各車輪M1に対応して設け
られ作動流体が給排されることにより対応する部位の車
高を増減する流体アクチュエータM2と、前記流体アクチ
ュエータに対し作動流体を給排する流体給排手段M3と、
車体の加速度を検出若しくは推定する走行状態検出手段
M4と、前記走行状態検出手段により推定若しくは検出さ
れた加速度に応じて前記車体の目標姿勢変化量を設定す
る目標姿勢変化量設定手段M5と、前記車体の姿勢変化量
を検出若しくは推定する姿勢変化量検出手段M6と、前記
車体の姿勢変化量と前記目標姿勢変化量との偏差に基づ
き前記車体の姿勢変化量が前記目標姿勢変化量に一致す
るよう前記流体給排手段を制御する制御手段M7とを有す
る電子制御サスペンション装置に於て、前記走行状態手
段M4により示される加速度が異常値であるときには前記
走行状態検出手段により示される加速度に拘らず目標姿
勢変化量を0に設定する異常時制御手段M8を含み、これ
により前記走行状態検出手段M4により示される加速度が
異常値であるときには車体の姿勢が実質的に路面に平行
な姿勢に制御されるよう構成されていることを特徴とす
る電子制御サスペンション装置によって達成される。
[発明の作用] 上述の如き構成によれば、走行状態検出手段M4により
示される加速度が異常値であるときには、走行状態検出
手段により示される加速度に拘らず異常時制御手段M8に
よって目標姿勢変化量が0に設定され、姿勢変化量検出
手段M6により検出若しくは推定される車体の姿勢変化量
と0の目標姿勢変化量との偏差に基づき車体の姿勢変化
量が目標姿勢変化量に一致するよう、即ち車体の姿勢が
実質的に路面に平行な姿勢になるよう制御手段M7によっ
て流体給排手段M3が制御される。
従って車輌の旋回時や加減速時に走行状態検出手段に
より示される加速度が異常値になっても、その異常な加
速度に基き車体の姿勢が制御されることに起因して車体
の姿勢が不自然になることが確実に回避されるだけでな
く、車体の姿勢制御は目標姿勢変化量を0として継続さ
れ、これにより車輌の旋回時や加減速時に於ても車体の
姿勢が0の目標姿勢変化量に対応する実質的に路面に平
行な姿勢に確実に制御されるので、走行状態検出手段に
より示される加速度が異常値であるときには例えば走行
状態検出手段の出力が0にされることによって車体の姿
勢制御が中止される場合に比して車体の姿勢が確実に安
定した状態に維持される。
[課題を解決するための補足説明] 本発明の一つの実施例によれば、車体の姿勢変化を予
測する姿勢変化予測手段が設けられ、制御手段M7は車体
の姿勢変化量と目標姿勢変化量との偏差に基づくフィー
ドバック制御量及び予測される姿勢変化に基づくフィー
ドフォワード制御量により流体給排手段M3を制御するよ
う構成される。かかる構成によれば、車輌が旋回や加減
速する場合に走行状態検出手段により示される加速度が
異常値となっても車体の姿勢が応答遅れなく制御される
ので、流体給排手段がフィードフォワード制御量により
制御されない場合に比して車体の姿勢が更に一層確実に
安定した状態に維持される。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例につい
て詳細に説明する。
[実施例] 第2図は本発明による電子制御サスペンション装置の
一つの実施例を示す概略構成図、第3図は第1図に示さ
れた実施例の空気回路図である。
図示の実施例の電子制御サスペンション装置は、空気
回路ACに接続されたそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪、
右後輪用のサスペンション1FL、1FR、1RL、1RRを有し、
これらのサスペンションにはそれぞれ気体ばね2FL、2F
R、2RL、2RR及びショックアブソーバ3FL、3FR、3RL、3R
Rが設けられている。
第3図に示されている如く、気体ばね2FL、2FR、2R
L、2RRはそれぞれ主気体室4FL、4FR、4RL、4RRと副気体
室5FL、5FR、5RL、5RRとを有し、主気体室の一部はそれ
ぞれダイヤフラム6FL、6FR、6RL、6RRにより形成されて
いるので、主気体室4FL、4FR、4RL、4RRに対し空気を給
排することにより対応する部位の車高を調整することが
できるようになっており、従って各サスペンションは第
1図の流体アクチュエータM2を構成している。
気体ばね2FL、2FR、2RL、2RRはそれぞればね定数切換
え用のアクチュエータ7FL、7FR、7RL、7RRを有し、これ
らのアクチュエータを駆動することにより対応する主気
体室と副気体室との間の連通若しくはそれらの連通度合
を切換え制御し、これによりばね定数を「低」、
「中」、「高」の三段階に変更することができるように
なっている。またショックアブソーバ3FL、3FR、3RL、3
RRはそれぞれ減衰力切換え用のアクチュエータ8FL、8F
R、8RL、8RRを有し、これらのアクチュエータを駆動す
ることによりピストン3a、3b、3c、3dに設けられた図に
は示されていないオリフィスの実効通路断面積を制御
し、これによりシリンダ3e、3f、3g、3h内のオイルがオ
リフィスを経て流れる際の流通抵抗を変化させ、これに
より減衰力を「低」、「中」、「高」の三段階に変更す
ることができるようになっている。
空気回路ACには各気体ばねへ供給される圧縮空気の供
給源としてのコンプレッサ10が設けられている。コンプ
レッサ10はモータ9により駆動されるようになってお
り、その吐出側は逆流を防止する逆止弁12を介してエア
ドライヤ14及び排気用の開閉弁16に接続されている。エ
アドライヤ14内にはそれを通過する圧縮空気中の水分を
除去するシリカゲルの如き乾燥剤が封入されている。エ
アドライヤ14は固定絞り18及び逆流を防止する逆止弁20
を介して供給用の開閉弁22及び接続用の開閉弁24に接続
されている。開閉弁22は所定の圧力に設定されたリリー
フ弁25に接続され、高圧リザーバ用の開閉弁26を介して
前輪用の高圧リザーバ28に接続され、また高圧リザーバ
用の開閉弁30を介して後輪用の高圧リザーバ32に接続さ
れている。これらのリザーバ28及び32にはそれぞれ対応
するリザーバ内の空気の圧力を検出する圧力センサ34及
び36と、所定の圧力に設定されたリリーフ弁38及び40と
が設けられている。また供給用の開閉弁22はそれぞれ供
給用の開閉弁42、44、46、48を介して主気体室4FL、4F
R、4RL、4RRと接続されている。主気体室4FL、4FR、4R
L、4RRにはそれぞれ内部の空気の圧力を検出する圧力セ
ンサ50、52、54、56が接続されている。
左右前輪用の主気体室4FL及び4FRはそれぞれ排気用の
開閉弁58及び60を介して前輪用の低圧リザーバ62に接続
されている。同様に左右後輪用の主気体室4RL及び4RRは
それぞれ排気用の開閉弁64及び66を介して後輪用の低圧
リザーバ68に接続されている。前輪用及び後輪用の低圧
リザーバ62及び68は常に互いに連通接続されている。ま
たこれらのリザーバ62及び68にはそれぞれ対応するリザ
ーバ内の空気の圧力を検出する圧力センサ70及び72が接
続されており、特にリザーバ62には所定の圧力に設定さ
れたリリーフ弁74が設けられている。更にリザーバ62及
び68は接続用の開閉弁24に接続されており、また吸入用
の開閉弁76を介してコンプレッサ10の吸入側に接続され
ている。コンプレッサ10の吸入側には大気よりコンプレ
ッサへ至る空気の流れのみを許す逆止弁78が設けられて
いる。
かくして空気回路ACは第1図の流体給排手段M3を構成
している。
尚空気回路ACは逆止弁78が省略されることにより完全
な閉回路として構成されてよく、その場合には空気回路
内に空気又は窒素ガスの如き他の気体が封入されてよ
い。また図示の実施例に於ては開閉弁16、22、24、26、
30、42〜48、58〜66、76は常閉型の開閉弁であるが、こ
れらの開閉弁は常開型の開閉弁であってもよい。更に図
示の実施例に於ては、前輪用及び後輪用の個別に高圧リ
ザーバ28、32及び低圧リザーバ62、68が設けられている
が、前輪用及び後輪用に共通のそれぞれ一個の高圧リザ
ーバ及び低圧リザーバが設けられてもよい。
第2図に示されている如く、左前輪、右前輪、左後
輪、右後輪に対応する位置にはそれぞれ対応する部位の
車高を検出する車高センサ80、82、84、86が設けられて
いる。これらの車高センサは所定の基準車高に対する実
際の車高の偏差として車高信号を出力するようになって
いる。またステアリングホイール88の操舵角の検出する
操舵センサ90、車体の横方向及び前後方向の加速度を検
出する加速度センサ92、図には示されていない変速機の
出力軸の回転速度より車速を検出する車速センサ93、車
輌のドア毎に設けられドアの閉状態を検出するドアスイ
ッチ94、変速機のシフト位置がニュートラルであること
を検出するニュートラルスイッチ95、図には示されてい
ない内燃機関の吸入空気量を制御するスロットルバルブ
の開度を検出するスロットル開度センサ96が各々設けら
れている。また車輌の乗員により操作されそれぞれ目標
車高を車速に応じて「高」及び「中」又は「中」又は
「低」に指示する車高ハイスイッチ97及び車高ロースイ
ッチ98が設けられている。
尚操舵角センサ90、加速度センサ92、車速センサ93は
第1図の走行状態検出手段M4を構成しており、車高セン
サ80〜86は車高ハイスイッチ97及び車高ロースイッチ98
と共働して第1図の姿勢変化量検出手段M6を構成してい
る。
次に第4図に示されたブロック図を参照して図示の実
施例の電気系統について説明する。
上述の空気回路AC及び各サスペンション1FL、1FR、1R
L、1RRは電子制御回路100により制御される。第4図に
示されている如く、電子制御回路100は周知のCPU102、R
OM104、RAM106を論理演算回路の中心素子として構成さ
れており、これらの素子はアクチュエータ駆動回路10
8、弁駆動回路110、センサ入力回路112、レベル入力回
路114とコモンバス116により相互に接続されている。
CPU102は、圧力センサ34、36、50〜56、70、72、車高
センサ80〜86、操舵角センサ90、加速度センサ92、車速
センサ93、スロットル開度センサ96よりの信号をセンサ
入力回路112を経て入力し、またドアスイッチ94、ニュ
ートラルスイッチ95、車高ハイスイッチ97及び車高ロー
スイッチ98よりの信号をレベル入力回路114を経て入力
するようになっている。またCPU102はこれらの信号及び
ROM104、RAM106内のデータに基いてアクチュエータ駆動
回路108を経てコンプレッサ用モータ9、ばね定数切換
え用アクチュエータ7FL、7FR、7RL、7RR、減衰力切換え
用アクチュエータ8FL、8FR、8RL、8RRへ駆動信号を出力
し、また弁駆動回路110を経て排気用開閉弁16、供給用
開閉弁22、接続用開閉弁24、高圧リザーバ用開閉弁26及
び30、給気用開閉弁42〜48、排気用開閉弁58〜66、吸入
用開閉弁76へ駆動信号を出力し、これにより各サスペン
ション1FL、1FR、1RL、1RRを制御するようになってい
る。
尚ROM104には後述の如く第10図乃至第21図に示された
グラフに対応するマップが記憶されている。また後に詳
細に説明する如く、電子制御回路100は第1図の目標変
化量設定手段M5、制御手段M7、異常時制御手段M8を構成
している。
次に第5図乃至第9図に示されたフローチャート及び
第10図乃至第21図に示されたグラフを参照して上述の電
子制御回路100に於て行われる種々の処理について説明
する。
第5図は本発明によるサスペンション装置の制御の一
例を示すゼネラルフローチャートであり、第6図乃至第
9図はそれぞれ第5図に示されたフローチャートのステ
ップ200、400、500、600に於て行われる処理の詳細を示
すフローチャートである。
第5図に示されたフローチャートによる制御は図には
示されていないイグニッションスイッチによるメインリ
レーの閉成により開始され、メインリレーの開成により
各開閉弁が閉弁された状態で終了する。
まず最初のステップ105に於ては、RAM106に記憶され
ているデータの如き変数の初期設定が行われ、次のステ
ップ110に於ては上述の各センサよりの信号の読込みが
行われる。
次のステップ200に於ては、車体のロールに対処して
行われるサスペンション1FL、1FR、1RL、1RRの気体ばね
2FL、2FR、2RL、2RRに対する空気の給排制御のうち、第
6図に示されたフローチャートに従ってフィードフォワ
ード制御の演算処理が実行される。このフィードフォワ
ード制御は車速及び操舵角より車体の横加速度GRLMを推
定によって演算し、その推定された横加速度GRLMに応じ
て気体ばね2FL、2FR、2RL、2RRの気圧を調整し、これに
より車体のロールを未然に防止し或いは抑制せんとする
ものである。
次のステップ400に於ては、気体ばねに対する空気の
給排制御のうち、第7図に示されたフローチャートに従
ってフィードバック制御の演算処理が実行される。この
フィードバック制御は車体の実際の加速度に基き気体ば
ねの気圧を調整することにより車体の姿勢を安定化させ
んとするものである。
次のステップ500に於ては、各サスペンションに対す
る総圧力制御量、即ちステップ200及び400に於て演算さ
れた圧力制御量の和が演算される(第8図参照)。
次のステップ600に於ては、ステップ500に於て演算さ
れた総圧力制御量に基き高圧リザーバ用開閉弁26及び3
0、給気用開閉弁42〜48、排気用開閉弁58〜66、吸入用
開閉弁76のうち必要な開閉弁を開閉するための駆動デュ
ーティが演算される(第9図参照)。
次にステップ200〜600に於ける各処理について更に詳
細に説明する。
第6図はステップ200に於て実行されるフィードフォ
ワード制御の演算処理を示すフローチャートである。
まずステップ210に於ては、各信号のフィルタリング
処理が実行される。即ち今回読込まれたデータをX
(n)とし、前回のフィルタリング処理後の値をY(n
−1)とし、フィルタリング定数をIf(=1〜256)と
すると、フィルタリング処理による出力Y(n)は次式
にて表される。
尚この処理は検出されたデータのノイズ成分を相殺し
たり、所定値以上の周波数のデータの振れを平均化する
ための処理である。
次のステップ220に於ては、車輌のドアスイッチ94よ
りの信号に基き全てのドアが閉状態であるか否かの判定
が行われ、ステップ230に於ては、ニュートラルスイッ
チ95よりの信号に基き変速機がニュートラル状態にある
か否かが判定され、ステップ240に於ては、スロットル
開度センサ96よりの信号に基きスロットルバルブが全閉
状態にあるか否かが判定され、ステップ250に於ては、
サスペンション制御用開閉弁のうち特に高圧リザーバ用
開閉弁26及び30、給気用開閉弁42〜48、排気用開閉弁5
8、66によりサスペンションに対する車高制御が行われ
ているか否かが判定され、ステップ260に於ては、車速
センサ93よりの信号に基き車速Vが所定値V0以下である
か否かの判定が行われる。
かくしてステップ220、230、240、260に於ては車体の
姿勢を変化させる要因(例えばそれぞれ乗員の乗降のた
めのドアの開閉、タイヤへの駆動力の伝達状態を示す変
速機のシフト位置、内燃機関の出力に対応するその吸入
空気量、車輌の走行状態を示す変数の一つである車速)
の判定が行われ、ステップ250に於ては気体ばねの気圧
を調整するための空気の給排が行われていないか否かの
判定が行われる。
これらのステップ220〜260に於ける判定が全て肯定の
判定である場合には、車体の姿勢が安定な状態にあり、
気体ばね2FL、2FR、2RL、2RRの圧力は大きい変動を生じ
ておらず安定しているものと推定することができるの
で、次のステップ270に於て各圧力センサ50〜56により
検出された圧力がそれぞれ基準圧力PFLA、PFRA、PRLA、
PRRAとして設定され、RAM106に記憶される。
尚これらの圧力がステップ210に於けるフィルタリン
グの周波数よりも低い周波数、例えば5Hzのローパスフ
ィルタにてフィルタリングされた値となるよう、ステッ
プ210に於けるフィルタリング定数Ifが設定される。
ステップ220〜260の何れかに於て否定の判定が行われ
ると、ステップ270は実行されず、従って基準圧力PFL
A、PFRA、PRLA、PRRAは更新されず、逆に220〜260の全
ての条件が成立している限り必ず基準圧力の更新が行わ
れる。
ステップ270が完了した後又はステップ220〜260の何
れかに於て否定の判定が行われると、次のステップ280
に於て車速V及び操舵角θより第10図に示されたグラフ
に対応するマップに基き車体の推定横加速度RLが演算
される。
次のステップ290に於ては、車速V及び操舵角θの微
分値である操舵角速度より第11図に示されたグラフに
対応するマップに基き車体の推定横加速度の変化率 が演算される。この場合操舵角速度は所定の時間の間
に於ける操舵角θの差分値であってもよい。
尚第10図及び第11図のグラフに於てはそれぞれ2本及
び8本の折線のみが図示されているが、それぞれ2本及
び8本以上の折線が設定されていてよく、各折線の間の
値は補間計算により演算される。
次のステップ300に於ては、下記の式に従って予測横
加速度GRLMが演算される。
ここにm及びhは定数であり、それぞれ車体のロール
を予測するために例えば実験により求められてよい値で
ある。
次のステップ310に於ては、ステップ300に於て演算さ
れた予測横加速度GRLMより第12図に示されたグラフに対
応するマップに基き、各気体ばね2FL、2FR、2RL、2RRの
圧力が横加速度に起因して変化すると推定される予測圧
力変化量ΔPFLM、ΔPFRM、ΔPRLM、ΔPRRMが演算され
る。
第12図に示されている如く、予測圧力変化量は下記の
如く表される。
ΔPFLM=a・GRLM ΔPFRM=−a・GRLM ΔPRLM=b・GRLM ΔPRRM=−b・GRLM ここにa及びbはサスペンションの諸特性のばらつき
を補正する係数であり、それぞれ以下の如く表される。
ここにWはばね上重量であり、Hは重心高さであり、
Tf及びTrはそれぞれ前輪及び後輪のトレッドであり、Rf
及びRrはそれぞれ前輪及び後輪のアーム比であり、Af及
びArはそれぞれ前輪及び後輪のサスペンションのピスト
ンの受圧面積であり、Lはホイールベースであり、Lrは
後輪と重心との間の距離である。またKfは(L/Lr)>Kf
≧1.0の範囲にて設定される任意の定数である。このKf
は前輪の分担荷重比率を表し、この値を変化させること
により車輌のステア特性を任意に設定することができ
る。例えばKfが1.0であるときには前輪の分担荷重比率
は50%となる。
また第12図に示されている如く、計算値の振れ、検出
誤差、ノイズ等に起因して微小な調整が繰返し行われる
ことを防止すべく、−i≦GRLM≦i(iは正の定数)で
ある場合には予測圧力変化量ΔPFLM、ΔPFRM、ΔPRLM、
ΔPRRMが0に設定される不感帯が設けられている。
次のステップ320に於ては、ステップ270及び310に於
ける演算結果に基き、各気体ばねの目標圧力PFLM、PFR
M、PRLM、PRRMが下記の式に従って演算される。
PFLM=ΔPFLM+PFLA PFRM=ΔPFRM+PFRA PRLM=ΔPRLM+PRLA PRRM=ΔPRRM+PRRA 次のステップ330に於ては、各圧力の偏差EFL、EFR、E
RL、ERRが下記の式に従って演算される。
EFL=PFLM−PFL EFR=PFRM−PFR ERL=PRLM−PRL ERR=PRRM−PRR 尚上記式に於けるPFL、PFR、PRL、PRRはそれぞれ主気
体室4FL、4FR、4RL、4RRに設けられた圧力センサ50〜56
により検出された圧力であってフィルタリング処理され
た後の値である。
次のステップ340に於ては、ステップ330於て演算され
た各圧力の偏差を制御量に変換すべく、次のステップ35
0に於て実行されるフィードフォワード制御の演算のゲ
インk1が例えば第13図に於て破線にて示されたグラフに
対応するマップに基き、予測横加速度GRLMと実際の横加
速度GRLとの差に応じて演算される。
この場合第13図に示されている如く、絶対値|GRLM−G
RL|がq以下のときにはk1は0であり、Q以上のときに
はk1はTであり、これらの間に於ては絶対値|GRLM−Grl
|の増大につれてk1が漸次増大するようになっている。
従って予測横加速度GRLMと実際の横加速度GRLとの差が
大きければ大きいほど各サスペンションへの制御に対す
るフィードフォワード制御の寄与度合が高くなる。
次のステップ350に於ては、ステップ330に於て演算さ
れた各圧力の偏差ERL、EFR、ERL、ERR及びステップ340
に於て演算されたゲインk1に基き、下記の式に従って各
サスペンション1RL、1FR、1RL、1RRに対するフィードフ
ォワードによる圧力制御量C1FL、C1FR、C1RL、C1RRが演
算される。
C1FL=k1・EFL C1FR=k1・EFR C1RL=k1・ERL C1RR=k1・ERR 第7図はステップ400に於て実行されるフィードバッ
ク制御の演算処理を示すフローチャートである。
まずステップ410に於ては、車高センサ80〜86により
検出された左前輪、右前輪、左後輪、右後輪に対応する
部位の車高XFL、XFR、XRL、XRRに基き、下記の式に従っ
て車体のヒーブ量(上下変位量)XH、ピッチ量XP、ロー
ル量XR、ねじれ量XWが演算される。
XH=(XFR+XFL)+(XRR+XRL) XP=(XFR+XFL)−(XRR+XRL) XR=(XFR−XFL)+(XRR−XRL) XW=(XFR−XFL)−(XRR−XRL) 次のステップ420に於ては、ステップ410に於て演算さ
れた各モード量XH、XP、XR、XWに基き、下記の式に従っ
て各モード量の偏差EH、EP、ER、EWが演算される。
EH=XHM−XH EP=XPM−XP ER=XRM−XR EW=XWM−XW 尚上記式に於てXHMは目標ヒーブ量であり、車速及び
車高ハイスイッチ97により設定されたモード(H−AUT
O)又は車高ロースイッチ98により設定されたモード
(N−AUTO)より第14図に示されたグラフに対応するマ
ップに基き演算される。またXPM及びXRMはそれぞれ目標
ピッチ量及び目標ロール量であり、それぞれ加速度セン
サ92により検出された実際の横加速度GFR、及び実際の
横加速度GRLより第15図及び第16図に示されたグラフに
対応するマップに基き演算される。またXWMは目標ねじ
れ量であり、0であってもよい。
次のステップ430に於ては、各モード量XH、XP、XR、X
Wの微分値H、P、R、Wに基き、下記の式に
従って各モード量の変化率の偏差H、P、R、
Wが演算される。
尚、H、P、R、WはそれぞれXH、XP、XR、
XWの所定の時間の間に於ける差分値であってもよい。
H=HM−H P=PM−P R=RM−R W=WM−W ここにHMはヒーブ量の目標変化率であり、0であっ
てよい。PM及びRMはそれぞれピッチ量の目標変化率
及びロール量の目標変化率であり、それぞれ前後加速度
の変化率FR及び横加速度の変化率RLより第17図及び
第18図に示されたグラフに対応するマップに基き演算さ
れる。またWMはねじれ量の目標変化率であり、0であ
ってよい。
尚第15図乃至第18図に示されている如く、目標ピッチ
量XPMは車体の実際の前後加速度GFRが第一の所定値gfrr
l(負の定数)より小さくなるにつれて、或いは第一の
所定値gfrfl(正の定数)より大きくなるにつれてその
絶対値が漸次減少し、それぞれ第二の所定値gfrr2(負
の定数)、gfrf2(正の定数)に於て0になるよう設定
されており、目標ロール量XRMの車体も実際の横加速度G
RLが第一の所定値grll1(負の定数)より小さくなるに
つれて、或いは第一の所定値grlr1(正の定数)より大
きくなるにつれてその絶対値が漸次減少し、それぞれ第
二の所定値grll2(負の定数)、grlr2(正の定数)に於
て0になるよう設定されている。
同様にピッチ量の目標変化率PM及びロール量の目標
変化率RMもそれぞれ第一の所定値gpmr1(負の定
数)、grmr1(負の定数)より小さくなるにつれて、或
いは第一の所定値gpmf1(正の定数)、grmf1(正の定
数)より大きくなるにつれてそれらの絶対値が漸次減少
し、それぞれ第二の所定値gpmr2(負の定数)及びgpmf2
(正の定数)、grmr2(負の定数)及びgrmf2(正の定
数)に於て0になるよう設定されている。
この場合目標ピッチ量XPM及びロール量XRMが0とは車
体の姿勢が路面に対し実質的に平行な姿勢であることを
意味し、ピッチ量の目標変化率XPM及びロール量の目標
変化率XRMが0とはそれぞれ車体が路面に対し実質的に
平行な姿勢よりのピッチ量及びロール量の変化率が0で
あることを意味する。
また上述の所定値のうち第二の所定値gfrr2及びgrll2
は加速度センサ92の出力信号を伝達する図には示されて
いないワイヤハーネスが断線した場合等に於て電子制御
回路100へ入力される異常信号の値に実質的に等しい値
に設定され、第二の所定値gfrf2及びgrlf2はワイヤハー
ネスが短絡した場合等に於て電子制御回路へ入力される
異常信号の値に実質的に等しい値に設定されている。
同様に第二の所定値gpmr2及びgrmr2はワイヤハーネス
が断線した場合等に於て電子制御回路へ入力された加速
度の異常値に基き演算された瞬時値としての異常な加速
度の変化率、或いはRAM106等の異常により制御範囲を逸
脱した異常な加速度の変化率に対応する値に設定され、
第二の所定値gpmf2及びgrmf2はワイヤハーネスが断線し
た場合等に於て電子制御回路へ入力された加速度の異常
値に基き演算された瞬時値としての異常な加速度の変化
率、或いはRAM106等の異常により制御範囲を逸脱した異
常な加速度の変化率に対応する値に設定されている。
ステップ430の次に行なわれるステップ440に於ては、
各モードの偏差を制御量に変換するために次のステップ
450に於て実行される演算の演算式に於けるフィードバ
ックゲインk2H、k2P、k2R、k2W(k2と総称する)及びk3
H、k3P、k3R、k3W(k3と総称する)が第13図の実線にて
示されたグラフに対応するマップに基き予測横加速度GR
LMと実際の横加速度GRLとの差に応じて演算される。
この場合第13図に示されている如く、絶対値|GRLM−G
RL|がq以下のときにはk2及びk3はTであり、Q以上の
ときにはk2及びk3はtであり、これらの間に於ては絶対
値|GRLM−Grl|の増大に応じてk2及びk3が漸次減少する
ようになっている。従って予測横加速度GRLMと実際の横
加速度GRLとの差が小さければ小さいほど各サスペンシ
ョンへの制御に対するフィードバック制御の寄与度合が
高くなる。
次のステップ450に於ては、ステップ420に於て演算さ
れた各モード量の偏差EH、EP、ER、EW及びステップ430
に於て演算された各モード量の変化率の偏差H、
P、R、Wより、下記の式に従って各モードのフィ
ードバック量DH、DP、DR、DWが演算される。
DH=k2H・EH+k3H・H+k4H DP=k2P・EP+k3P・P+k4P DR=k2R・ER+k3R・R+k4R DW=k2W・EW+k3W・W+k4W ここにk4H、k4P、k4R、k4Wはそれぞれ定数である。
次のステップ460に於ては、ステップ450に於て演算さ
れた各モードのフィードバック量DH、DP、DR、DWに基
き、下記の式に従って各サスペンション1FL、1FR、1R
L、1RRに対するフィードバック制御量DFL、DFR、DRL、D
RRが演算される。
DFL=1/4(kOH・DH+2kOP・Lf・DP−kOR・DR−kOW・D
W) DFR=1/4(kOH・DH+2kOP・Lf・DP+kOR・DR+kOW・D
W) DRL=1/4(kOH・DH−2kOP・(1−Lf)・DP+kOR・DR+
kOW・DW) DRR=1/4(kOH・DH−2kOP・(1−Lf)・DP+kOR・DR−
kOW・DW) ここにkOH、kOP、kOR、kOWは一定の係数であり、Lfは
ホイールベース内に於ける車体の重心位置を考慮した前
後輪間の分配係数である。
次のステップ470に於ては、ステップ460に於て演算さ
れたフィードバック制御量DFL、DFR、DRL、DRRに基き、
下記の式に従ってフィードバックによる圧力制御量C2F
L、C2FR、C2RL、C2RRが演算される。
C2FL=PFL・a2FL・DFL C2FR=PFR・a2FR・DFR C2RL=PRL・a2RL・DRL C2RR=PRR・a2RR・DRR 尚上記式に於てPFL、PFR、PRL、PRRは主気体室4FL、4
FR、4RL、RRに設けられた圧力センサ50〜56により検出
された圧力であってフィルタリング処理された値であ
る。またa2FL、a2FR、a2RL、a2RRは一定の係数である。
第8図に示されたステップ510に於ては、ステップ350
に於て演算されたフィードフォワードによる圧力制御量
C1FL、C1FR、C1RL、C1RR及びステップ470に於て演算さ
れたフィードバックによる圧力制御量C2FL、C2FR、C2R
L、C2RRに基き、式の式に従って各サスペンションに対
する総圧力制御量CFL、CFR、CRL、CRRが演算される。
CFL=C1FL+C2FL CFR=C1FR+C2FR CRL=C1RL+C2RL CRR=C1RR+C2RR 第9図は第5図に示されたフローチャートのステップ
600に於て行われる開閉弁制御量の演算処理を示すフロ
ーチャートである。
ステップ610に於ては、ステップ510に演算された総圧
力制御量CFL、CFR、CRL、CRRに基き主気体室4FL、4FL、
4RL、4RR内の圧力を調整すべく、高圧リザーバ用開閉弁
26及び30、給気用開閉弁42〜48又は排気用開閉弁58〜66
の開弁時間(開弁状態に維持される時間)TFL、TFR、TR
L、TRRが下記の式に従って演算される。
圧力上昇用の開閉弁、即ち高圧リザーバ用開閉弁26、
30及び給気用開閉弁42〜48の場合 TFL=(aF/φ)・(CFL/PFH) TFR=(aF/φ)・(CFR/PFH) TRL=(aR/φ)・(CRL/PRH) TRR=(aR/φ)・(CRR/PRH) 圧力低下用の開閉弁、即ち排気用開閉弁58〜66の場合 TFL=(bF/φ)・(CFL/PFH) TFR=(bF/φ)・(CFR/PFH) TRL=(bR/φ)・(CRL/PRH) TRR=(bR/φ)・(CRR/PRH) 上記各式に於て、aF/φ及びaR/φは高圧リザーバ内の
圧力のP1(=PFH又はPRH)と該リザーバより空気の供給
を受ける対応する主気体室内の圧力P2との比P1/P2より
第19図に示されたグラフに対応するマップに基き演算さ
れる。またbF/φ及びbR/φは対応する主気体室内の圧力
P2と該主気体室より排出される空気を受ける低圧リザー
バ内の圧力P3との比P2/P3より第20図に示されたグラフ
に対応するマップに示されたグラフに対応するマップに
基き演算される。
次のステップ620に於ては、ステップ610に於て演算さ
れた開弁時間に基き、下記の式に従って実際に開閉弁が
開弁される時間(実開弁時間)TFLU、TFRU、TRLU、TRRU
(圧力上昇の場合)及びTFLD、TFRD、TRLD、TRRD(圧力
低下の場合)が演算される。
圧力上昇用の開閉弁の場合 TFLU=αF・TFL+βFL TFRU=αF・TFR+βFR TRLU=αR・TRL+βRL TRRU=αR・TRR+βRR 圧力低下用の開閉弁の場合 TFLD=γF・TFL+δFL TFRD=γF・TFR+δFR TRLD=γR・TRL+δRL TRRD=γR・TRR+δRR 尚上記各式に於けるαF、γF、αR、γR、βFL、
βFR、βRL、βRR、δFL、δFR、δRL、δRRは一定の定
数である。
次のステップ630に於ては、ステップ620に於て演算さ
れた各開閉弁の実開弁時間TFLU、TFRU、TRLU、TRRU(TU
と総称する)又はTFLD、TFRD、TRLD、TRRD(TDと総称す
る)のガード処理が行われる。この処理は開閉弁の開閉
が繰返し頻繁に行われることを防止し、これにより開閉
弁を保護するために行われるものである。例えば第21図
に示されている如く、デューティが30%未満となる実開
弁時間TU又はTDが演算された場合には、実開弁時間TU、
TDは0に設定され、デューティが80%を越える実開弁時
間TU又はTDが演算された場合には、実開弁時間TU、TDは
デューティ80%に相当する開弁時間に固定的に設定され
る。
次のステップ640に於ては、ステップ630に於てガード
処理された後の実開弁時間TU又はTDにて開閉弁26、30、
42〜48、58〜62の開弁時間を表す駆動デューティが設定
される。
かくして図示の実施例によれば、車体の姿勢の目標変
化量である目標ピッチ量XPM、ロール量XRM、ピッチ量の
目標変化率PM、ロール量の目標変化率RM、加速度セ
ンサ92よりの出力信号の値が第一の所定値と第二の所定
値との間の異常値となったときには、各目標変化量の絶
対値が低い値に低減補正され、出力信号の値が第二の所
定値以上の異常値となったときには各目標変化量は0に
設定される。従って加速度センサ92よりの出力信号の値
が異常値になっても車体の姿勢制御自体は続行され、こ
れにより異常な値に基く車体の姿勢制御が回避されるこ
とにより車体の姿勢が大きく悪化することが防止される
と共に、車体が低減補正され又は0に設定された目標変
化量に基く姿勢、即ち車体が路面に対し実質的に平行な
姿勢に制御される。
また加速度センサ92よりの出力信号がその伝達経路に
於ける電気的ノイズ等に起因して一時的に異常値を示す
ような場合に於ても、車体の姿勢制御は中止されず、加
速度センサよりの出力信号が正常な値に復帰すると直ち
に本来の正常な車体の姿勢制御が回復し、これにより車
体の姿勢が良好に制御される。特に車体のロールに関す
るこの作用効果は予測横加速度GRLMと実際の横加速度GR
Lとの差が小さい場合には、即ち車体の姿勢が比較的安
定している状態にあるときにはフィードバックゲインk
2、k3が高い値に設定されるので特に顕著に現われる。
更に加速度センサ92により示される加速度又はその変
化率がそれぞれ第一の所定値と第二の所定値との間に於
ては加速度又はその変化率が増大するにつれて目標ピッ
チ量等が漸次0まで低減されるので、一時的な異常を生
じていた加速度センサにより示される加速度又はその変
化率が第二の所定値近傍の異常値より漸次正常な値に戻
る場合には、目標ロール量等が0より急激に高い値に変
化するのではなく、0より漸次高い値に変化するので、
かかる場合に於ける車体の姿勢の急激な変化を防止する
ことができる。
以上に於ては本発明を特定の実施例について詳細に説
明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものでは
なく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であ
ることは当業者にとって明らかでろう。
[発明の効果] 以上の説明より明らかである如く、本発明によれば、
車輌の旋回時や加減速時に走行状態検出手段により示さ
れる加速度が異常値になっても、その異常な加速度に基
き車体の姿勢が制御されることに起因して車体の姿勢が
不自然になることを確実に回避することができるだけで
なく、車体の姿勢制御は目標姿勢変化量を0として継続
され、これにより車輌の旋回時や加減速時に於ても車体
の姿勢が0の目標姿勢変化量に対応する実質的に路面に
平行な姿勢に確実に制御されるので、走行状態検出手段
により示される加速度が異常値であるときには例えば走
行状態検出手段の出力が0にされることによって車体の
姿勢制御が中止される場合に比して車体の姿勢を確実に
安定した状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電子制御サスペンション装置の基
本的構成図、第2図は本発明による電子制御サスペンシ
ョン装置の一つの実施例を示す概略構成図、第3図は第
1図に示された実施例の空気回路図、第4図は第1図及
び第2図に示された実施例の電気系統を示すブロック
図、第5図は第4図に示された電子制御回路に於て実行
される制御ルーチンのゼネラルフローチャート、第6図
は第5図に示されたフローチャートのステップ200に於
て行われるフィードフォワードの演算処理を示すフロー
チャート、第7図は第5図に示されたフローチャートの
ステップ400に於て行われるフィードバック制御の演算
処理を示すフローチャートのステップ500に於て行われ
る総圧力制御量の演算処理を示すフローチャート、第8
図は第5図に示されたフローチャート第9図は第5図に
示されたフローチャートのステップ600に於て行われる
開閉弁制御量の演算処理を示すフローチャート、第10図
は操舵角θ及び車速Vより推定横加速度RLを演算する
ために使用されるマップに対応するグラフ、第11図は操
舵角速度及び車速Vより推定横加速度の変化率 を演算するために使用されるマップに対応するグラフ、
第12図は予測横加速度GRLMより予測圧力変化量ΔPFLM、
ΔPFRM、ΔPRLM、ΔPRRMを演算するために使用されるマ
ップに対応するグラフ、第13図は予測横加速度GRLMと実
際の横加速度GRLとの差に基いてフィードフォワードゲ
インk1及びフィードバックゲインk2、k3を演算するため
に使用されるマップに対応するグラフ、第14図は車速V
及び車高制御モードに基き目標ヒーブ量XHMを演算する
ために使用されるマップに対応するグラフ、第15図は実
際の前後加速度GFRに基き目標ピッチ量XPMを演算するた
めに使用されるマップに対応するグラフ、第16図は実際
の横加速度GRLに基き目標ロール量XRMを演算するために
使用されるマップに対応するグラフ、第17図は実際の前
後加速度の変化率FRに基きピッチ量の目標変化率PM
を演算するために使用されるマップに相当するグラフ、
第18図は実際の横加速度の変化率RLに基きロール量の
目標変化率RMを演算するために使用されるマップに対
応するグラフ、第19図は高圧リザーバ内の圧力P1と該リ
ザーバより空気を受ける主気体室内の圧力P2との比P1/P
2に基き係数aF/φ、aR/φを演算するために使用される
マップに相当するグラフ、第20図は主気体室内の圧力P2
と該主気体室より空気を受ける低圧リザーバ内の圧力P3
との比P2/P3に基き係数bF/φ、bR/φを演算するために
使用されるマップに対応するグラフ、第21図は実開弁時
間TU、TDに基き出力デューティを演算するために使用さ
れるマップに相当するグラフである。 M2……流体アクチュエータ,M4……走行状態検出手段,M5
……姿勢の目標変化量設定手段,M6……異常時制御手段,
1FL、1FR、1RL、1RR……サスペンション,2FL、2FR、2R
L、2RR……気体ばね,26、30……高圧リザーバ用開閉弁,
34、36、50、52、54、56、70、72……高圧力センサ,42
〜48……給気用開閉弁,58〜66……排気用開閉弁,80〜86
……車高センサ,90……操舵角センサ,92……加速度セン
サ,93……車速センサ,94……ドアスイッチ,95……ニュ
ートラルスイッチ,96……スロットル開度センサ,100…
…電子制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 武田 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 土居 俊一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−188511(JP,A) 特開 昭61−193907(JP,A) 特開 昭57−126705(JP,A) 特開 昭62−283011(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪に対応して設けられ作動流体が給排
    されることにより対応する部位の車高を増減する流体ア
    クチュエータと、前記流体アクチュエータに対し作動流
    体を給排する流体給排手段と、車体の加速度を検出若し
    くは推定する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手
    段により推定若しくは検出された加速度に応じて前記車
    体の目標姿勢変化量を設定する目標姿勢変化量設定手段
    と、前記車体の姿勢変化量を検出若しくは推定する姿勢
    変化量検出手段と、前記車体の姿勢変化量と前記目標姿
    勢変化量との偏差に基づき前記車体の姿勢変化量が前記
    目標姿勢変化量に一致するよう前記流体給排手段を制御
    する制御手段とを有する電子制御サスペンション装置に
    於て、前記走行状態検出手段により示される加速度が異
    常値であるときには前記走行状態検出手段により示され
    る加速度に拘らず目標姿勢変化量を0に設定する異常時
    制御手段を含み、これにより前記走行状態検出手段によ
    り示される加速度が異常値であるときには車体の姿勢が
    実質的に路面に平行な姿勢に制御されるよう構成されて
    いることを特徴とする電子制御サスペンション装置。
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