JPH0721370Y2 - 電子制御サスペンション装置 - Google Patents

電子制御サスペンション装置

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JPH0721370Y2
JPH0721370Y2 JP1988024218U JP2421888U JPH0721370Y2 JP H0721370 Y2 JPH0721370 Y2 JP H0721370Y2 JP 1988024218 U JP1988024218 U JP 1988024218U JP 2421888 U JP2421888 U JP 2421888U JP H0721370 Y2 JPH0721370 Y2 JP H0721370Y2
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pressure
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真吾 浦馬場
敏男 油谷
隆 米川
修 武田
俊一 土居
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 [産業上の利用分野] 本考案は、車両の姿勢を制御する電子制御サスペンショ
ン装置に関する。
[従来の技術] 従来より、乗心地や操縦安定等の向上のために、車両の
姿勢を制御する装置が種々提案されている。例えば車速
と操舵角速度とを検出して、車速−操舵角速度マップで
与えられる制御弁の開放時間により流体アクチュエータ
に流体を給排し、即ち、車速と操舵角速度とにより操舵
により以後に生じる加速度を予測し、車両に実際の加速
度が生じる前に、流体を給排して急旋回時でも適切な車
体の姿勢制御を行う装置が提案されている(実開昭60−
119612)。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、こうした従来の装置では、車速−操舵角
速度マップを設定したときと同じ通常の乾燥した路面状
態であればよいが、濡れた路面や砂利道等の低摩擦状態
の路面等であると、車両に横滑り等が生じ、マップによ
り予測した状態と異なる状態となり、即ち、予測した加
速度と実際に車両に生じた加速度とに違いが生じてしま
い、車体の姿勢制御が適切に行われない場合があるとい
う問題があった。
そこで本考案は上記の課題を解決することを目的とし、
路面状態が違っても適切な姿勢制御を行う電子制御サス
ペンション装置を提供することにある。
考案の構成 [課題を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本考案は課題を解決するため
の手段として次の構成を取った。即ち、第1図に例示す
る如く、 車両の運転状態を検出する運転状態検出手段M1により検
出された運転状態に基づいて予測制御手段M2が予測加速
度を求めて、上記車両の車輪M3に対応して設けられた液
体アクチュエータM4に流体を給排して車両の姿勢を予測
制御する電子制御サスペンション装置において、 上記車両に生じる実加速度を検出する実加速度検出手段
M5と、 上記車両の直進状態を判定する直進状態判定手段M6と、 上記実加速度検出手段M5により検出された実加速度と上
記予測加速度とを比較して、上記直進状態判定手段M6に
より直進状態であると判定された後に、上記比較結果を
更新し、上記予測制御手段M2による予測加速度を上記比
較結果に基づいて補正する補正手段M7と、 を備えたことを特徴とする電子制御サスペンション装置
の構成がそれである。
[作用] 上記構成を有する電子制御サスペンション装置は、運転
状態検出手段M1が車両の運転状態を検出し、実加速度検
出手段M5が車両に生じる実加速度を検出し、直進状態判
定手段M6が車両の直進状態を判定し、補正手段M7が実加
速度検出手段M5により検出された実加速度と上記予測加
速度とを比較して、直進状態判定手段M6よりに直進状態
であると判定された後に、上記比較結果を更新し、予測
制御手段M2による予測加速度を上記比較結果に基づいて
補正する。よって、路面状態が違っても適切な姿勢制御
を行うことができる。
[実施例] 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
第2図は本考案の一実施例である電子制御サスペンショ
ン装置の概略構成図、第3図は本実施例の電子制御サス
ペンション装置の空気回路図である。この電子制御サス
ペンション装置は、空気回路ACに各々接続された前輪左
側のサスペンション1FL、前輪右側のサスペンション1F
R、後輪左側のサスペンション1RL、後輪右側のサスペン
ション1RRを備え、サスペンション1FL,1FR,1RL,1RRに
は、各々流体アクチュエータM4としての気体ばね2FL,2F
R,2RF,2RRとショックアブソーバ3FL,2FR,3RL,3RRとが設
けられている。
この気体ばね2FL,2FR,2RF,2RRは、第3図に示すよう
に、各々主気体室4FL,4FR,4RL,4RRと副気体室5FL,5FR,5
RL,5RRとを備え、主気体室4FL,4FR,4RL,4RRの一部はダ
イヤフラム6FL,6FR,6RL,6RRにより形成されているの
で、主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに空気を給排することに
より車高を調整することができる。また、気体ばね2FL,
2FR,2RF,2RRはばね定数切換用アクチュエータ7FL,7FR,7
RL,7RRを駆動することにより主気体室4FL,4FR,4RL,4RR
と副気体室5FL,5FR,5RL,5RRとを連通・遮断もしくは空
気流路面積を切り換えて、ばね定数を「低」、「中」、
「高」の各段階に変更することができる。また、ショッ
クアブソーバ3FL,2FR,3RL,3RRは減衰力切換用アクチュ
エータ8FL,8FR,8RL,8RRを駆動してピストン内のオリフ
ィスを通過するオイルの流路面積を変化させて減衰力を
「低」、「中」、「高」の各段階に変更することができ
る。
一方、空気回路ACには、各気体ばね2FL,2FR,2RF,2RRに
供給する圧縮空気の供給源としての、モータ9で駆動さ
れるコンプレッサ10が設けられ、このコンプレッサ10の
吐出側は、逆流を防止するチェックバルブ12を介してエ
アドライヤ14及び排気切換バルブ16に各々接続されてい
る。エアドライヤ14にはシリカゲルが封入されており、
圧縮空気中の水分を除去する。このエアドライヤ14は固
定絞り18及び逆流を防止するチェックバルブ20を介して
連通・遮断可能な供給切換バルブ22及び接続切換バルブ
24に各々接続されている。この供給切換バルブ22の他方
は、所定圧力に設定されたリリーフバルブ25に接続され
ると共に、連通・遮断可能な高圧リザーブ用切換バルブ
26を介して前輪側の高圧リザーブタンク28に接続され、
また同じく連通・遮断可能な高圧リザーブ用切換バルブ
30を介して後輪側の高圧リザーブタンク32に接続されて
いる。これらの高圧リザーブタンク28,32には、高圧リ
ザーブタンク28、32内の空気圧力を検出する圧力センサ
34,36と、所定圧力に設定されたリリーフバルブ38,40と
が各々配設されている。
更に、上記供給切換バルブ22の他方は、連通・遮断可能
なレベリングバルブ42を介して主気体室4FLと、レベリ
ングバルブ44を介して主気体室4FRと、レベリングバル
ブ46を介して主気体室4RLと、レベリングバルブ48を介
して主気体室4RRと、各々接続されている。この各主気
体室4FL,4FR,4RL,4RRには空気圧力を検出する圧力セン
サ50,52,54,56が各々接続されている。
また、前輪左側の主気体室4FLは連通・遮断可能なディ
スチャージバルブ58を介して、前輪右側の主気体室4FR
は同様なディスチャージバルブ60を介して、各々前輪側
の低圧リザーブタンク62に各々接続されている。更に、
後輪左側の主気体室4RLは連通・遮断可能なディスチャ
ージバルブ64を介して、後輪右側の主気体室4RRは同様
なディスチャージバルブ66を介して、各々後輪側の低圧
リザーブタンク68に各々接続されている。一方、前輪側
の低圧リザーブタンク62と後輪側の低圧リザーブタンク
68とは常時連通可能に接続されている。これらの低圧リ
ザーブタンク62,68には低圧リザーブタンク62,68の空気
圧力を検出する圧力センサ70,72が各々接続され、前輪
側の低圧リザーブタンク62には所定圧力に設定されたリ
リーフバルブ74が接続されている。
これらの、両低圧リザーブタンク62,68は、前記接続切
換バルブ24の他方に接続されると共に、連通・遮断可能
な吸入切換バルブ76を介してコンプレッサ10の吸入側に
接続されている。また、コンプレッサ10の吸入側には、
大気を吸入可能にチェックバルブ78が接続されている。
このチェックバルブ78を設けることなく、空気回路ACを
完全な閉回路として構成し、空気回路AC内に空気若しく
は他の気体、例えば窒素ガスを入れても実施可能であ
る。
尚、前記排気切換バルブ16、供給切換バルブ22、接続切
換バルブ24、高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベリ
ングバルブ42,44,46,48、ディスチャージバルブ58,60,6
4,66、吸入切換バルブ76は、本実施例では、ノーマルク
ローズ形を用いている。
本空気回路ACでは、前輪側と後輪側とに各々高圧リザー
ブタンク28,32及び低圧リザーブタンク62,68を設けた
が、前輪側と後輪側とに共通の一個の高圧リザーブタン
ク及び一個の低圧リザーブタンクを設けてもよい。
更に、第2図に示すように、左前車輪と車体との間隔、
即ち、左のフロント車高を検出する車高センサ80、同じ
く右のフロント車高を検出する車高センサ82、左のリア
車高を検出する車高センサ84、右のリア車高を検出する
車高センサ86が各々設けられている。この車高センサ8
0,82,84,86は、車高に応じた信号を出力する。一方、操
舵輪88の操舵角を検出する運転状態検出手段M1としての
操舵角センサ90と、車体の横方向及び前後方向加速度を
検出する実加速度検出手段M5としての加速度センサ92
と、図示しない変速機の出力軸の回転速度から車速を検
出する運転状態検出手段M1としての車速センサ93と、車
両のドア毎に設けられドアの閉状態を検出するドアスイ
ッチ94と、変速機のシフト状態がニュートラルであるこ
とを検出するニュートラルスイッチ95と、図示しない内
燃機関の吸入空気量を規制するスロットルバルブが全閉
であることを検出するアイドルスイッチ96とを備えてい
る。また、マニュアル操作により、車高を指示する車高
ハイスイッチ97と車高ロースイッチ98とを備えている。
次に、本実施例の電気系統を第4図に示すブロック図を
用いて説明する。前記各サスペンション1FL,1FR,1RL,1R
Rは、電子制御回路100によって駆動・制御されて車両の
姿勢制御を行う。この電子制御回路100は第4図に示す
ように、周知のCPU102,ROM104,RAM106を論理演算回路の
中心として構成され、外部と入出力を行なう入出力回
路、ここではアクチュエータ駆動回路108、バルブ駆動
回路110、センサ入力回路112、レベル入力回路114等と
をコモンバス116を介して相互に接続して構成されてい
る。
CPU102は、圧力センサ34,36,50,52,54,56,70,72、車高
センサ80,82,84,86、操舵角センサ90、加速度センサ9
2、車速センサ93からの信号をセンサ入力回路112を介し
て、ドアスイッチ94、ニュートラルスイッチ95、アイド
ルスイッチ96、車高ハイスイッチ97及び車高ロースイッ
チ98からの信号を、レベル入力回路114を介して入力す
る。一方、これらの信号、ROM104、RAM106内のデータに
基づいてCPU102は、アクチュエータ駆動回路108を介し
てコンプレッサ用モータ9、ばね定数切換用アクチュエ
ータ7FL,7FR,7RL,7RR及び減衰力切換用アクチュエータ8
FL,8FR,8RL,8RRを駆動する駆動信号を出力し、バルブ駆
動回路110を介して排気切換バルブ16、供給切換バルブ2
2、接続切換バルブ24、高圧リザーブ用切換バルブ26,3
0、レベリングバルブ42,44,46,48、ディスチャージバル
ブ58,60,64,66、吸入切換バルブ76に駆動信号を出力
し、各サスペンション1FL,1FR,1RL,1RRを制御してい
る。
ROM104には、後述する第10図〜第23図ことを特徴とする
第25図〜第30図に表すマップが記憶されている。
次に上述した電子制御回路100において行われる処理に
ついて、第5図乃至第9図のフローチャートによって説
明する。
第5図は、本考案におけるエアサスペンション制御の一
例を示すゼネラルフローチャートであり、第6図乃至第
9図はその詳細な処理を示すフローチャートである。
第5図の処理は、所定周期で繰り返し実行される。
まず処理が開始されると、ステップ103にて電源オンし
てから最初の処理か否かが判定され、最初であればステ
ップ105にて後述する補正係数αNEWをαNEW=1、最大
予測加速度GRLMLをGRLML=0、最大実加速度GRLLをGRLL
=0にする等の各種フラグ・変数の初期設定がなされ
る。次にステップ110にて上記した各種センサの出力信
号が読み込まれる。
次にステップ200にて車両ロール時のサスペンション1F
L,1FR,1RL,1RRの気体ばね2FL,2FR,2RF,2RRに対する空気
の給排制御の内、予測制御としてのフィードフォワード
制御が実行される。このフィードフォワード制御は、操
舵により、以後に車両にかかる、車両進行方向とは直角
方向の加速度、即ち、横方向の加速度である予測加速度
GRLMを演算し、その予測加速度GRLMを実加速度GRLと予
測加速度GRLMとの比較結果に基づいて補正した補正予測
加速度GNEWに応じて、気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRの気圧
を調整し、ロールを未然に防止、あるいは所定の傾斜に
調整しようとする制御である。
次にステップ400において、同様な給排制御の内、フィ
ードバック制御が実行される。このフィードバック制御
は比較的車両の加速度が安定している場合に、車両の姿
勢を安定化させるために気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRの気
圧を調整しようとする制御である。
次にステップ500において、各車輪の補正総圧力演算が
実行され、上記フィードフォワード制御及びフィードバ
ック制御で求められた圧力補正量の和が、補正総圧力と
して求められる。
次に、ステップ600にて上記求められた補正総圧力に基
づいて、レベリングバルブ42,44,46,48、及びディスチ
ャージバルブ58,60,64,66の内の必要なバルブを開閉す
るバルブ制御が行われる。
尚、前記ステップ400におけるフィードバック制御は必
要に応じて行えばよく、ステップ200における予測制御
としてのフィードフォワード制御のみでも実施可能であ
る。
上記フィードフォワード制御、フィードバック制御、各
車輪の補正総圧力演算、及びバルブ制御の詳細について
説明する。
第6図(A),(B)は、予測制御としてのフィードフ
ォワード制御のフローチャートを表す。まずステップ21
0にて各信号のフィルタリング処理が実行される。即
ち、今回読み込まれたデータをX(n)、前回のフィル
タリング後の値をY(n−1)、フィルタリング定数を
If(=1〜256)とすると、フィルタリングによる出力
Y(n)は、次式で表される。
この処理は、検出データのノイズを相殺したり、所定以
上の周波数のデータの振れを平均化するための処理であ
る。
次に、車両の姿勢変化要因の状態を検出するために、一
連の判定処理がなされる。即ち、ステップ215にて車両
のドアスイッチ94により全てのドアが閉状態であるか否
かが判定され、ステップ220にてニュートラルスイッチ9
5により変速機がニュートラル状態にあるか否かが判定
され、ステップ225にてアイドルスイッチ96によりスロ
ットルバルブが全閉であるか否かが判定され、ステップ
230にてサスペンション制御バルブの内、特に高圧リザ
ーブ用切換バルブ26,30レベリングバルブ42,44,46,48、
ディスチャージバルブ58,60,64,66によりサスペンショ
ンの車高制御が実行中であるか否かが判定され、ステッ
プ235にて車速センサ93により車速が所定車速V0より低
いか否かが判定される。これらのステップの内、ステッ
プ215,220,225,235は車両の姿勢変化要因(乗員の乗り
降りを示すドア開閉,タイヤへの駆動力の伝達状態を示
す変速機のシフト,駆動力自体を示す内燃機関への吸入
空気量,走行状態を示す車速)の状態を検出するステッ
プであり、ステップ230は気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRの気
圧を調整するための気体の給排を行っていないことを検
出するステップである。
これらの条件すべてが肯定判定であった場合には、車両
の姿勢が安定状態であり気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRには
大きな圧力変動が生じていず、その気圧は安定している
と予測することができるので、ステップ240にて、その
時の各圧力センサ50,52,54,56の値を各基準圧力PFLA,PF
RA,PRLA,PRRAとして、RAM106内に記憶する。この圧力値
はステップ210でのフィルタリングよりも低い周波数、
例えば5Hzのローバスフィルタでフィルタリングされた
値となるように、上記ステップ210で用いられるフィル
タリング定数Ifが設定されている。
上記ステップ215〜ステップ235にて一つでも否定判定さ
れれば、上記ステップ240は実行されず、各基準圧力PFL
A,PFRA,PRLA,PRRAは新たに設定されない。即ち、条件が
成立している限りは、絶えず各基準圧力PFLA,PFRA,PRL
A,PRRAは更新される。
次にステップ240の処理の後、またはステップ215〜ステ
ップ235にて一つでも否定判定されれば、ステップ245に
て、車両の横方向の推定加速度RLが、第10図に示すマ
ップに基づき、車速センサ93により検出される車速V
と、車両がカーブにさしかかり、操舵輪88が操作されて
所定時間間隔で捉えた操舵角センサ90により検出される
操舵角度θとから求められる。第10図のマップに相当す
るグラフは2つの異なる所定加速度の場合のみを2本の
折れ線で示し、他は同様な関係であるので、記載を省略
している。勿論他の加速度の値は補間計算により求めて
もよい。
次にステップ250にて、車両の横方向の推定加加速度 が、第11図に示すマップに基づき、車速Vと、上記操舵
角度θの微分値である操舵角速度とから求められる。
第11図のマップに相当するグラフは8つの異なる操舵加
速度の場合のみを8本の折れ線で示し、その間は、補
間計算により求める。
次にステップ255にて、下記式の線形結合にて予測加速
度GRLMnが算出される。
ここで、第5図の処理が所定周期(本実施例では100mse
c)で繰り返し実行されて、その都度予測加速度GRLMnが
算出され、n回目に実行により算出された予測加速度GR
LMnに添え字nを伏しており、またm及びhは定数を表
し、ロールを予測するために、実験等により適宜決定さ
れた値である。
次に、ステップ260にて、上記ステップ255にて算出した
予測加速度GRLMnが、下記式により後述する処理の実行
により求められた最大予測加速度GRLMLより大きいか否
かにより最大予測加速度GRLMLであるか否かが判定され
る。
|GRLMn|>|GRLML| 最大予測加速度GRLMLであると判定されると、ステップ2
65にて、最大予測加速度GRLMLに上記予測加速度GRLMnを
代入して最大予測加速度GRLMLが求められ、最大予測加
速度GRLMLを更新する。
ステップ265の処理の後、またはステップ260にて予測加
速度GRLMnが最大予測加速度GRLMLではないと判定される
と、ステップ270にて、加速度センサ92により検出され
た実加速度GRLnを読み込む。
次に、ステップ275にて、上記ステップ270にて検出され
た実加速度GRLnが、下記式により後述する処理により求
められた最大実加速度GRLLより大きいか否かにより最大
実加速度GRLLであるか否かが判定される。
|GRLn|>|GRLL| 最大実加速度GRLLであると判定されると、ステップ280
にて、最大実加速度GRLLに上記実加速度GRLnを代入して
最大実加速度GRLLが求められ、最大実加速度GRLLを更新
する。
ステップ280の処理の後、またはステップ275にて実加速
度GRLnが最大実加速度GRLL以下であると判定されると、
ステップ285にて、本処理を繰り返し実行して前回の実
行により操舵角センサ90により検出された操舵角度θn
−1の絶対値が不感帯程度の値である所定値a1より大き
く(|θn−1|>a1)、かつ本処理の今回の実行により
検出された操舵角度θnの絶対値が所定値a1より小さい
(|θn|<a1)か否かにより、操舵輪88が操作されて、
操舵輪88が戻されたか否かを判定する。
前回の操舵角度θn−1の絶対値が所定値a1より大きく
(|θn−1>a1)、かつ今回の操舵角度θnの絶対値
が所定値a1より小さく(|θn|<a1)、操舵輪88が戻さ
れたと判定すると、ステップ290にて下記式により加速
度比gLを算出する。
gL=GRLL/GRLML 次に、ステップ295にて、下記式により係数αLを算出
する。即ち、係数αLのなまし処理が行われる。
αL={kgL+(A−k)αL−1}/A ここで、係数αL−1は前回の処理の実行により算出さ
れた値であり、またk及びAは定数を表し、実験等によ
り適宜決定された値である。
続いて、ステップ300にて、カウンタLをインクリメン
トする。即ち、操舵輪88が操作されて、戻されるごとに
カウンタLがインクリメントされる。
ステップ300の処理の後、またはステップ285にて操舵輪
88が戻されていないと判定すると、ステップ305にて、
操舵角センサ90により検出される操舵角度θnの絶対値
が、上記所定値a1より小さい状態(|θn|<a1)で所定
時間t以上維持されて、車両が直進状態であるか否かが
判定される。直進状態であると判定すると、ステップ31
0にて、補正係数αNEWに上記係数αLを代入する。続い
て、ステップ315にて、最大予測加速度GRLML及び最大実
加速度GRLLをリセットし、次に車両がカーブにさしかか
ったときに、新たに最大予測加速度GRLML及び最大実加
速度GRLLを算出する。即ち、操舵輪88が連続して操作さ
れるようなスラローム走行中には、補正係数αNEWを更
新することなく、従前の補正係数αNEWにより以下の処
理を実行して、スラローム走行中に、操舵輪88が戻され
るごとに補正係数αNEWが更新されて、以下の処理によ
る制御量が変化して違和感が生じるのを防止するもので
ある。また、スラローム走行中以外の車両がカーブを通
過するごとに補正係数αNEWを算出するものである。
次に、ステップ315の処理の後、または上記ステップ305
にて直進状態でないと判定されると、ステップ320に
て、下記式により補正予測加速度GNEWを算出する。
GNEW=αNEW×GRLMn 次にステップ325にて、第12図に示すマップに基づき、
上記補正予測加速度GNEWを用いて、各サスペンション1F
L,1FR,1RL,1RRの気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRの各目標圧力
差ΔPFLM,ΔPFRM,ΔPRLM,ΔPRRMの演算がなされる。即
ち、横軸を補正予測加速度GNEW[G]とし縦軸を目標圧
力差[kgf/cm2]とすると、各目標圧力差ΔPFLM,ΔPFR
M,ΔPRLM,ΔPRRMは図のごとくの関係にあり、下式のご
とくに表される。
ΔPFLM=a・GNEW ΔPFRM=−a・GNEW ΔPRLM=b・GNEW ΔPRRM=−b・GNEW ここで、a,bはサスペンションの諸特性のばらつきを補
正する係数で、下式のごとくに表される。
ここでWはばね上重量、hは重心高さ、tfはフロントト
レッド、trはリアトレッド、rfはフロントアーム比、rr
はリアアーム比、Afはフロント受圧面積、Arはリア受圧
面積、Lはホイルベース、Lrは後輪と重心間の距離であ
る。また、Kfは(L/Lr)>Kf≧1.0の範囲で設定される
任意の値で、フロントの分担荷重増分を表し、Kf=1.0
のとき、フロントの分担荷重は50%となる。このKfを任
意に設定することにより、車両のステア特性を任意に設
定可能である。
ただし、計算値の振れ、検出誤差、ノイズ等のために微
少な調整を繰り返すのを防止するために、−i≦GNEW≦
iの場合は、ΔPFLM=ΔPFRM=ΔPRLM=ΔPRRM=0に設
定し、不感帯を設けている。
次に、ステップ330にて、各目標圧力PFLM,PFRM,PRLM,PR
RMが下式のごとく演算される。
PFLM=ΔPFLM+PFLA PFRM=ΔPFRM+PFRA PRLM=ΔPRLM+PRLA PRRM=ΔPRRM+PRRA これにより制御目標とする各圧力が決定する。
次にステップ335にて、各圧力偏差eFL,eFR,eRL,eRRが下
式のごとく演算される。
eFL=PFLM−PFL eFR=PFRM−PFR eRL=PRLM−PRL eRR=PRRM−PRR ここで、PFL,PFR,PRL,PRRは、各サスペンション1FL,1F
R,1RL,1RRの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに設けられた圧力
センサ50,52,54,56の出力を、フィルタリングした値で
ある。
次に、ステップ340にて、各圧力偏差を制御操作量に変
換するために、各フィードフォワードゲインk1が、第13
図に点線で示すマップに基づいて、補正予測加速度GNEW
と実横加速度GRLとの差に応じて求められる。|GNEW−GR
L|がq以下ではk1=0とし、Q以上ではk1=Tとし、そ
の間では|GNEW−GRL|の増加に応じて増加させるような
関係となっている。ただし、k2,k3は後述するフィード
バック制御のゲインを表す。即ち、横方向の補正予測加
速度GNEWと現在の横加速度GRLとの差が大きければ、実
際の制御量へのフィードフォワード制御の寄与率が大き
くなることを示している。
次に、ステップ345にて、上記ゲインk1と各圧力偏差eF
L,eFR,eRL,eRRを用いて、下式のごとく、各サスペンシ
ョン1FL,1FR,1RL,1RRへのフィードフォワード圧力量c1F
L,c1FR,c1RL,c1RRが演算される。
c1FL=k1・eFL c1FR=k1・eFR c1RL=k1・eRL c1RR=k1・eRR このようにして、フィードフォワード演算処理はなさ
れ、フィードフォワード圧力量c1FL,c1FR,c1RL,c1RRが
演算される。
次に、第7図に示すフィードフォワード演算処理がなさ
れる。まず、ステップ410にて、各サスペンション1FL,1
FR,1RL,1RRに設けられている車速センサ80,82,84,86の
出力値XFL,XFR,XRR,XRLに応じて下式のごとく、各変
位、即ち車体の上下変位量XH、ピッチ変位量XP、ロール
変位量XR、及びねじれ変位量XWが算出される。
XH=(XFR+XFL)+(XRR+XRL) XP=(XFR+XFL)−(XRR+XRL) XR=(XFR−XFL)+(XRR−XRL) XW=(XFR−XFL)−(XRR−XRL) ここで、XFRは前輪右側の車高を、XFLは前輪左側の車高
を、XRRは後輪右側の車高を、XRLは後輪左側の車高を表
している。
次に、ステップ420にて、上記各変位量XH,XP,XR,XWに基
づいて、下式のごとく各モード偏差eH,eP,eR,eWが演算
される。
eH=XHM−XH eP=XPM−XP eR=XRM−XR eW=XWM−XW ここで、XHMは目標上下変位量であり、第14図に示すマ
ップに基づき車速Vと、車高ハイスイッチ97または車高
ロースイッチ98にて選択されたモード(H−AUTOまたは
N−AUTO)とから定められる。XPMは目標ピッチ変位量
であり、第15図に示すマップに基づき加速度センサ92に
より検出されている車両前後方向の実加速度GFRから定
められる。XRMは目標ロール変位量であり、第16図に示
すマップに基づき車両横方向の同じく実加速度GRLから
定められる。XWMは目標ねじれ変位量であり通常は零で
ある。
次に、ステップ430にて、上記各変位量XH,XP,XR,XWの微
分値H,P,R,Wに基づいて、下式のごとく各モー
ド速度偏差H,P,R,Wが演算される。
H=HM−H P=PM−P R=RM−R W=WM−W ここで、HMは目標上下変位速度量であり、通常は零で
ある。PMは目標ピッチ速度変位量であり、第17図に示
すマップに基づき車両前後方向の加加速度FRから定め
られる。RMは目標ロール変位速度量であり、第18図に
示すマップに基づき車両横方向の加加速度RLから定め
られる。WMは目標ねじれ変位速度量であり、通常は零
である。
次にステップ440にて、各偏差を制御操作量に変換する
ために、各フィードバックゲインk2H,k2P,k2R,k2W(k2
で総称する。)、及びk3H,k3P,k3R,k3W(k3で総称す
る。)が、前述の第13図に実線で示すマップに基づい
て、補正予測加速度GNEWと実横加速度GRLとの差に応じ
て求められる。|GNEW−GRL|がq以下ではk2,k3=Tと
し、Q以上ではk2,k3=tとし、その間では|GNEW−GRL|
の増加に応じて減少させるような関係となっている。即
ち、補正予測加速度GNEWと現在の横加速度GRLとの差が
小さければ、実際の制御量へのフィードバック制御の寄
与率が大きくなることを示している。
次にステップ450にて上記各モード偏差eH,eP,eR,eWと各
モード速度偏差H,P,R,Wとから、下式のごとく
各フィードバック量DH,DP,DR,DWが演算される。
DH=k2H・eH+k3H・H+k4H DP=k2P・eP+k3P・P+k4P DR=k2R・eR+k3R・R+k4R DW=k2W・eW+k3W・W+k4W ただし、k4H,k4P,k4R,k4Wは所定の定数である。
次にステップ460にて、上記各フィードバック量DH,DP,D
R,DWに基づいて、下式により、各サスペンション1FL,1F
R,1RL,1RRのフィードバック量DFL,DFR,DRL,DRRが演算さ
れる。
DFL= 1/4(kOH・DH+2kOP・Lf・DP−kOR・DR−kOW・DW) DFR= 1/4(kOH・DH+2kOP・Lf・DP+kOR・DR+kOW・DW) DRL= 1/4(kOH・DH−2kOP・(1−Lf)・DP−kOR・DR+kOW・
DW) DRR= 1/4(kOH・DH−2kOP・(1−Lf)・DP+kOR・DR−kOW・
DW) ここで、kOH,kOP,kOR,kOWは所定の係数を表し、Lfはホ
ィールベース内の車両重心の位置を考慮した前後車輪間
の分配係数を表す。
次に、ステップ470にて、上記フィードバック量DFL,DF
R,DRL,DRRに基づいて、下式にて各フィードバック圧力
量c2FL,c2FR,c2RL,c2RRが演算される。
c2FL=PFL・a2FL・DFL c2FR=PFR・a2FR・DFR c2RL=PRL・a2RL・DRL c2RR=PRR・a2RR・DRR ここで、PFL,PFR,PRL,PRRは、各サスペンション1FL,1F
R,1RL,1RRの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに設けられた圧力
センサ50,52,54,56の出力を、フィルタリングした値で
ある。a2FL,a2FR,a2RL,a2RRは所定の係数である。
このようにして、フィードバック演算処理はなされ、フ
ィードバック圧力量c2FL,c2FR,c2RL,c2RRが算出され
る。
次に、第8図に示すステップ510にて補正総圧力演算処
理がなされる。即ち、下式のごとく、上記フィードフォ
ワード演算処理で演算されたフィードフォワード圧力量
c1FL,c1FR,c1RL,c1RRと上記フィードバック演算処理で
演算されたフィードバック圧力量c2FL,c2FR,c2RL,c2RR
との和から補正総圧力量cFL,cFR,cRL,cRRが算出され
る。
cFL=c1FL+c2FL cFR=c1FR+c2FR cRL=c1RL+c2RL cRR=c1RR+c2RR 次に第9図に示すバルブ制御処理にて、各サスペンショ
ン1FL,1FR,1RL,1RRの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに対する
気合の給排処理がなされる。
即ち、ステップ610にて、上記演算された補正総圧力量c
FL,cFR,cRL,cRRに基づく主気体室4FL,4FR,4RL,4RRの圧
力調整のため、下式のごとく、高圧リザーブ用切換バル
ブ26,30、レベリングバルブ42,44,46,48またはディスチ
ャージバルブ58,60,64,66のバルブ・オン時間tFL,tFR,t
RL,tRRが演算される。
高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベリングバルブ42,
44,46,48オン、即ち、圧力上昇の場合 tFL=(aF/φ)・(cFL/PFH) tFR=(aF/φ)・(cFR/PFH) tRL=(aR/φ)・(cRL/PRH) tRR=(aR/φ)・(cRR/PRH) ディスチャージバルブ58,60,64,66オン、即ち、圧力下
降の場合 tFL=(bF/φ)・(cFL/PFL) tFR=(bF/φ)・(cFR/PFR) tRL=(bR/φ)・(cRL/PRL) tRR=(bR/φ)・(cRR/PRR) ここで、aF/φ,aR/φは第19図に示すマップに基づき、
高圧側のタンク圧力P1とその高圧タンクから気体の供給
を受ける主気体室圧力P2との比P1/P2から求められる。
高圧側のタンクとは、前輪側または後輪側の高圧リザー
ブタンク28,32であり、PFHは前輪側の高圧リザーブタン
ク28の圧力であり、PRHは後輪側の高圧リザーブタンク3
2の圧力である。bF/φ,bR/φは第20図に示すマップに基
づき、主気体室圧力P2とその主気体室から気体の排出を
受ける低圧側のタンク圧力P3との比P2/P3から求められ
る。低圧側のタンクとは、前輪側または後輪側の低圧リ
ザーバタンク62,68である。
次にステップ620のオン時間補正演算処理にて、バルブ
・オン時間tFL,tFR,tRL,tRRに基づいて、下式のごとく
上記実際にバルブが駆動される時間(実バルブ駆動時
間)tFLU,tFRU,tRLU,tRRU(tFLD,tFRD,tRLD,tRRD)が演
算される。
高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベリングバルブ42,
44,46,48オン、即ち、圧力上昇の場合 tFLU=αF・tFL+βFL tFRU=αF・tFR+βFR tRLU=αF・tRL+βRL tRRU=αF・tRR+βRR ディスチャージバルブ58,60,64,66オン、即ち、圧力下
降の場合 tFLD=γF・tFL+δFL tFRD=γF・tFR+δFR tRLD=γF・tRL+δRL tRRD=γF・tRR+δRR ここで、αF,γF,αR,γR,βFL,βFR,βRL,βRR,δFL,
δFR,δRL,δRRは所定の係数を表す。
次にステップ630にて、上記実バルブ駆動時間tFLU,tFR
U,tRLU,tRRU(tUで総称する),tFLD,tFRD,tRLD,tRRD(t
Dで総称する)の保護処理が行われる。即ち、第21図に
示すグラフに基づいて、ステップ410の処理の実行によ
り算出したねじれ変位量XWから不感帯a2が求められる。
次に、この不感帯a2、即ち予め定めた制御弁の頻繁な開
閉制御となる開閉時間に応じて、最少デューティ比が定
められる。第22図に示すごとく、実バルブ駆動時間tU,t
Dとデューティ比とは予め所定傾斜の直線的な関係とし
て定められており、実バルブ駆動時間tU,tDが不感帯a2
以内であると、デューティ比が零となる領域が、この不
感帯a2に応じて変動する。この不感帯2aは、実バルブ駆
動時間tU,tDが不感帯a2以内の値で上記バルブを駆動す
ると、例えば、不整地等での走行においては、頻繁なバ
ルブの開閉となる値であり、また、バルブはその駆動時
間が短いと、流量特性が非線形となり、正確な圧力制御
を行うことができないので、この様な非線形の流量特性
を有する駆動時間よりも大きな値である。
この第22図からデューティ比が求められ、不感帯a2以内
となる実バルブ駆動時間tU,tDが算出された場合には、
デューティ比を零に設定し、各制御弁の開閉を行わな
い。また、所定時間を越える実バルブ駆動時間tU,tDが
算出された場合には、デューティ比を80%に該当する時
間に固定する。実バルブ駆動時間tU,tDが不感帯a2より
大きく、所定時間以内であるときには、デューティ比を
グラフに応じて設定する。
尚、この第22図に変えて、第23図に示すグラフによって
デューティ比を求めてもよい。この第23図によると、所
定時間を越える実バルブ駆動時間tU,tDが算出された場
合には、デューティ比を100%に該当する時間に固定す
る。これにより、バルブの開閉回数を減らし、耐久性を
向上させることができる。
次にステップ640にて、上記実バルブ駆動時間tU,tDを保
護処理して求められたデューティ比にてバルブ26,30,4
2,44,46,48,58,60,64,66が開閉制御される。
こうして、エアサスペンション制御処理が一旦終了し所
定制御周期後に再度処理が開始されると、ステップ103
にて否定判定され、ステップ110から処理が進行する。
以後同様な処理を繰り返す。尚、本実施例において制御
周期は100msであり、バルブ26,30,42,44,46,48,58,60,6
4,66はこの100ms間でデューティ制御される。つまり、1
00msごとに上記したステップ640にて求められた実バル
ブ駆動時間に従って、バルブ26,30,42,44,46,48,58,60,
64,66が次の駆動信号が発せられるまでの100ms間、デュ
ーティ制御されるのである。
本実施例は上述のごとく、所定時間毎に繰り返して各目
標圧力PFLM,PFRM,PRLM,PRRMが演算され、その目標圧力
値に応じて所定サイクル毎に各サスペンション1FL,1FR,
1RL,1RRの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRの圧力を調整してい
るため、実際のロール変化に対応した円滑な圧力制御が
可能となる。このため、運転者の違和感が解消され、高
い操縦安定性を得ることができる。
上述した如く、本実施例の電子制御サスペンション装置
は、運転状態傾斜手段M1としての操舵角センサ90及び車
速センサ93が車両の運転状態としての操舵角度θnと車
速Vとを検出し、実加速度検出手段M5としての加速度セ
ンサ92が車両に生じる実加速度GRLnを検出し、ステップ
260ないし320の処理の実行により、この実加速度GRLnと
予測加速度GRLMnとを比較して予測加速度GRLMnを補正係
数αNEWにより補正して補正予測加速度GNEWを算出し、
ステップ325ないし345の処理の実行により、この補正予
測加速度GNEWに基づいて車両の姿勢を制御する。
従って、第24図(A)に示すごとく、例えば、比較的ゆ
っくりとした操舵の場合、実際には(B)に示すごとく
横方向の予測加速度GRLM(二点鎖線)と実加速度GRL
(実線)とは差が生じ、実加速度GRLが遅れて発生す
る。例えば、路面が濡れ手いる状態等の低摩擦状態の路
面であったときには、車両が横方向に滑って、実加速度
GRLが予測加速度GRLMに達しない状態となる。本実施例
では、予測加速度GRLMnを補正して補正予測加速度GNEW
(破線)を算出し、補正予測加速度GNEWにより各バルブ
を制御している。よって、(C)に示すごとく、所定サ
イクル(例えば100ms)にて目標圧力を演算しバルブ駆
動信号を出力している。従って、(D)に示すごとくサ
スペンション1FL,1FR,1RL,1RRの各気体室4FL,4FR,4RL,4
RRの圧力は補正予測加速度GNEWの上昇程度に応じて、階
段状に漸増するので、(E)に示すごとく、ロール角が
極めて小さく抑えられると共に、低摩擦路等を走行中の
ような場合でも、実際に車両に生じる実加速度GRLnより
大きな予測加速度GRLMnによるバルブの制御ではなく、
車両の滑りに応じた補正予測加速度GNEWによりバルブを
制御するので、各気体室4FL,4FR,4RL,4RRの圧力を必要
以上に高めることがなく、車両の姿勢を適切に制御す
る。こうして、車両が安定し操縦安定性も高まる。ま
た、各リザーブタンク28,32,62,68と必要以上の気体の
給排を行わないので、エネルギの消費を押さえることが
できる。
尚、本実施例は車両の横方向の推定加速度 RL以外に、車両の横方向の推定加加速度 にて、予測加速度GRLMを算出しているので、車両の姿勢
変化の直前に姿勢制御を開始でき、より的確なフィード
フォワード制御が可能となる。勿論、推定加速度RLの
み、あるいは推定加加速度 のみにて、予測加速度GRLMを算出してもよい。
上記実施例ではフィードフォワード演算処理のステップ
245,250にて、車両の横方向の推定加速度RLが、第10
図に示すマップに基づき、車速Vと操舵角度θとから求
められ、車両の横方向の推定加加速度 が、第11図に示すマップに基づき、車速Vと操舵角速度
とから求められているが、横加速度の替わりに、前後
方向の加速度を捉えた場合には、ピッチの対策となる。
即ち、第25図に示すごとく、車両の運転状態としての車
速Vとスロットル開度θTHとから車両の前後方向の推定
加速度FRを求め、第26図に示すごとく、車速Vとスロ
ットル開速度をTHとから車両の前後方向の推定加加速
を求めて、両者から同様にして予測加速度GFRMを算出す
ると共に、前後方向の実加速度GFRを検出する。この前
後方向の実加速度GFRと予測加速度GFRMを比較して、予
測加速度GFRMを比較結果に基づいて補正して補正予測加
速度GNEWを算出してもよい。こうすればピッチの内、ス
クォートの対策となる。上記スロットル開度θTHとスロ
ットル開速度THとは、図示しない内燃機関のスロット
ルバルブに連動してその開度に応じた信号を電子制御回
路100に出力する運転状態検出手段M1としてのスロット
ル開度センサにて検出される。
又、他のスクォート対策として、車速Vの替わりに内燃
機関の回転速度Nを用いて、第27図に示すごとく、回転
速度Nとスロットル開度θTHとから車両の前後方向の推
定加速度FRを求め、第29図に示すごとく、回転速度N
とスロットル開速度THとから車両の前後方向の推定加
加速度 を求めて、両者から同様にして予測加速度GFRMを算出す
ると共に、前後方向の実加速度GFRを検出する。この前
後方向の実加速度GFRと予測加速度GFRMを比較して、予
測加速度GFRMを比較結果に基づいて補正して補正予測加
速度GNEWを算出してもよい。上記回転速度は、図示しな
い内燃機関のクランク軸に連動してその回転速度に応じ
た信号を電子制御回路100に出力する運転状態検出手段M
1としての回転速度センサにて検出される。
更に、ピッチの内、ダイブの対策として、スロットルバ
ルブ開度θTH及び開速度THの替わりに、ブレーキの踏
み込み量θBR及びその踏み込み速度BRを用いて、第29
図に示すごとく、車速Vとブレーキの踏み込み量θBRと
から車両の前後方向の推定加速度FRを求め、第30図に
示すごとく、車速Vとブレーキの踏み込み速度BRとか
ら車両の前後方向の推定加加速度 を求めて、両者から同様にして予測加速度GRLMを算出す
ると共に、前後方向の実加速度GFRを検出する。この前
後方向の実加速度GFRと予測加速度GFRMを比較して、予
測加速度GFRMを比較結果に基づいて補正して補正予測加
速度GNEWを算出してもよい。ブレーキの踏み込み量θBR
とその踏み込み速度BRとは、図示しないブレーキペダ
ルに連動してその踏み込み量に応じた信号を電子制御回
路100に出力する運転状態検出手段M1としてのブレーキ
踏み込み量検出センサにて検出される。
これらのロール、スクォート及びダイブ対策にて求めた
予測加速度GRLM,GFRM、補正予測加速度GNEWは単独で上
記サスペンション制御に用いて、ロール、スクォート又
はダイブの各々の防止に有用であるが、また、これらの
各予測加速度GRLM,GFRM、補正予測加速度GNEWを組み合
わせて用いてもよく、複数の対策が可能となる。このこ
とにより、ロールの場合と同様に、スクォート又はダイ
ブに対しても、初期に過剰な制御が行われることがな
く、低摩擦路を走行中のような実際に車両に生じる加速
度が予測した加速度と異なる場合等でも適切に姿勢制御
が行なわれ、円滑なサスペンション制御が可能となり、
高い操縦安定性を実現できる。
尚、上記実施例において、ステップ210ないし255及び32
5ないし345の処理が予測制御手段M2としての処理に該当
し、ステップ260ないし320の処理が補正手段M6としての
処理に該当する。また、流体アクチュエータM4として
は、本実施例のようなエアサスペンションに限らず、流
体として作動油を用いたものでも同様に実施可能であ
る。
以上本考案の実施例について説明したが、本考案はこの
様な実施例に何等限定されるものではなく、本考案の要
旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る
ことは勿論である。
考案の効果 本考案は上述のごとく、低摩擦路を走行中のような実際
に車両に生じる加速度が予測した加速度と異なる場合等
でも適切に姿勢制御を行うと共に、例えば、スラローム
路を走行中のような比較結果が頻繁に変化するような場
合には、比較結果を更新することなく、そのまま前回算
出された比較結果により予測加速度を補正し、頻繁な比
較結果の更新による違和感を運転者に与えない。更にリ
サーブタンクを備えているのでは、そのエネルギを不必
要に消費することがなく、省エネにもなるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の基本的構成図、第2図は電子制御サス
ペンション装置の一実施例の概略構成図、第3図は本実
施例の空気回路図、第4図は本実施例の電気系統の構成
を示すブロック図、第5図は本実施例の電子制御回路に
て実行される制御ルーチンのゼネラルフローチャート、
第6図(A)及び第6図(B)はその内のフィードフォ
ワード演算処理のフローチャート、第7図はその内のフ
ィードバック演算処理のフローチャート、第8図はその
内の補正総圧力演算処理のフローチャート、第9図はバ
ルブ制御処理のフローチャート、第10図は操舵角度θと
車速Vとから推定横加速度RLを求めるマップを表すグ
ラフ、第11図は操舵角速度と車速Vとから推定横加加
速度 を求めるマップを表すグラフ、第12図は補正予測加速度
GNEWから目標圧力差ΔPFLM,ΔPFRM,ΔPRLM,ΔPRRMを求
めるマップを表すグラフ、第13図は補正予測加速度GNEW
と実横加速度GRLとの差に基づいてフィードフォワード
ゲインk1及びフィードバックゲインk2,k3を求めるマッ
プを表すグラフ、第14図は車速Vとモードとに基づき目
標車高を求めるマップに該当するグラフ、第15図は実前
後加速度GFRに基づいて目標ピッチ変位XPMを求めるマッ
プに該当するグラフ、第16図は実横加速度GRLに基づい
て目標ロール変位XRMを求めるマップに該当するグラ
フ、第17図は実前後加速度GFRに基づいて目標ピッチ変
位速度を求めるマップに該当するグラフ、第18図は実
横加加速度RLに基づいて目標ロール変位速度RMを求
めるマップに該当するグラフ、第19図は高圧側のタンク
圧力P1とその高圧タンクから気体の供給を受ける主気体
室圧力P2との比P1/P2に基づいて係数aF/φ,aR/φを求め
るマップに該当するグラフ、第20図は主気体室圧力P2と
その主気体室から気体の排出を受ける低圧側のタンク圧
力P3との比P2/P3に基づいて係数bF/φ,bR/φを求めるマ
ップに該当するグラフ、第21図はねじれ変位量XWに基づ
いて不感帯a2を求めるマップに該当するグラフ、第22図
は実バルブ駆動時間tU,tDに基づいて出力デューティ比
を求めるマップに該当するグラフ、第23図は他の実施例
としての実バルブ駆動時間tU,tDに基づいて出力デュー
ティ比を求めるマップに該当するグラフ、第24図は実施
例の効果を示すタイミングチャート、第25図はスロット
ル開度θTHと車速Vとから推定前後加速度FRを求める
マップを表すグラフ、第26図はスロットル開度THと車
速Vとから推定前後加加速度 を求めるマップを表すグラフ、第27図はスロットル開度
θTHと内燃機関回転速度Nとから推定前後加速度FRを
求めるマップを表すグラフ、第28図はスロットル開度
THと内燃機関回転速度Nとから推定前後加加速度 を求めるマップを表すグラフ、第29図はブレーキ踏み込
み量θBRと車速Vとから推定前後加速度FRを求めるマ
ップを表すグラフ、第30図はブレーキ踏み込み速度BR
と車速Vとから推定前後加加速度 を求めるマップを表すグラフを示す。 M1…運転状態検出手段 M2…予測制御手段 M3…車輪 M4…流体アクチュエータ M5…実加速度検出手段 M6…補正手段 1FL,1FR,1RL,1RR…サスペンション 2FL,2FR,2RL,2RR…気体ばね 26,30…高圧リザーブ用切換バルブ 34,36,50,52,54,56,70,72…圧力センサ 42,44,46,48…レベリングバルブ 58,60,64,66…ディスチャージバルブ 80,82,84,86…車高センサ 90…操舵角センサ、92…加速度センサ 93…車速センサ、94…ドアスイッチ 95…ニュートラルスイッチ 96…アイドルスイッチ 100…電子制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 米川 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 武田 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 土居 俊一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地―1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 実開 昭60−119612(JP,U) 実開 昭60−119635(JP,U) 実開 昭63−129605(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の運転状態を検出する運転状態検出手
    段により検出された運転状態に基づいて予測制御手段が
    予測加速度を求めて、上記車両の車輪に対応して設けら
    れた流体アクチュエータに流体を給排して車両の姿勢を
    予測制御する電子制御サスペンション装置において、 上記車両に生じる実加速度を検出する実加速度検出手段
    と、 上記車両の直進状態を判定する直進状態判定手段と、 上記実加速度検出手段により検出された実加速度と上記
    予測加速度とを比較して、上記直進状態判定手段により
    直進状態であると判定された後に、上記比較結果を更新
    し、上記予測制御手段による予測加速度を上記比較結果
    に基づいて補正する補正手段と、 を備えたことを特徴とする電子制御サスペンション装
    置。
JP1988024218U 1988-02-25 1988-02-25 電子制御サスペンション装置 Expired - Lifetime JPH0721370Y2 (ja)

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