JP2531523Y2 - 電子制御サスペンション装置 - Google Patents

電子制御サスペンション装置

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JP2531523Y2
JP2531523Y2 JP1987112411U JP11241187U JP2531523Y2 JP 2531523 Y2 JP2531523 Y2 JP 2531523Y2 JP 1987112411 U JP1987112411 U JP 1987112411U JP 11241187 U JP11241187 U JP 11241187U JP 2531523 Y2 JP2531523 Y2 JP 2531523Y2
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修 武田
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 [産業上の利用分野] 本考案は、車両の姿勢を制御する電子制御サスペンシ
ョン装置に関する。
[従来の技術] 車両の発進・加速度には車体後部の車高が下がるスク
オウト現象が、制動、停止時には車体前部の車高が下が
るダイブ現象が生じ、また旋回時には外輪側の車両が下
がるロール現象が生じる。そこで従来より、乗心地や操
縦安定性を向上させるため、このようなスクオウト現
象、ダイブ現象およびロール現象による車両の傾斜姿勢
を制御する電子制御サスペンション装置が知られてい
る。こうした電子制御サスペンションの一つとして、例
えば実開昭60-119631号公報に示すように、制動時の加
速度が一定値G1以上となったときに、一定時間制御弁を
開いて車体を水平に保つ姿勢制御を行ない、その後加速
度が予め定められた一定値G2以下となったときに、前記
制御弁による姿勢制御と対向する方向に、姿勢制御を行
なう制御弁を前記一定時間開いて、姿勢制御と逆の態様
で姿勢の戻し制御を行なう装置があった。また、旋回時
には、例えば実開昭60-174609号公報に示すように、操
舵輪の操作に応じて左右輪の気体ばねに空気を給排して
姿勢制御を行ない、その後操舵輪が反転操作され、元の
位置に戻ると左右輪の気体ばねを導通状態として姿勢戻
し制御を行なう装置があった。
[考案が解決しようとする問題点] しかしながら、こうした従来の電子制御サスペンショ
ン装置は、以下に示す問題点を有し、猶一層改善される
ことが望まれていた。即ち、 従来の戻し制御では、姿勢戻し制御を姿勢制御と逆の
態様で行なった場合には、見込みで制御時間tを定める
為、車両が元の姿勢に戻るとは限らず、又、姿勢戻し制
御を、左右輪の気体ばねを導通することにより行なった
場合には、左右の気体ばねの圧力差が小さくなると両気
体ばね間の流れが遅くなるので、元の姿勢に戻すのに時
間がかかっていた。
そこで本考案は上記問題点を解決することを目的と
し、車両を元の姿勢に正確に素早く戻すことができ、乗
心地や操縦安定性を向上した電子制御サスペンション装
置を提供することにある。
考案の構成 [問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本考案は問題点を解決する
ための手段として次の構成をとった。即ち、第1図に例
示する如く、 リザーブタンクと、車両の車輪に対応して設けられた
サスペンションの流体室とを有し、流体給排手段により
前記リザーブタンクから流体室に流体を給排し車両の姿
勢変化に対応する方向に姿勢制御を行なうと共に、該姿
勢制御の後に流体給排手段により流体室に流体を給排し
前記姿勢制御と対向する方向に姿勢戻し制御を行なう電
子制御サスペンション装置において、 前記車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記車輪に対応した位置の車高を検出する車高検出手
段と、 前記姿勢戻し制御を行なった後に、前記加速度検出手
段により検出される加速度が所定値以下となって車両の
姿勢変化が収束する方向にあると判断されたときに、前
記車高検出手段により検出される車高と前記姿勢制御前
の車高との差に基づき前記流体給排手段の制御量を定
め、該制御量に応じて前記流体給排手段を制御して、車
両の車高を前記姿勢制御前の車高に補正制御する車高補
正制御手段と、 を備えたことを特徴とする電子制御サスペンション装
置がそれである。
[作用] このように構成された本考案では、流体給排手段は、
リザーブタンクから流体室に流体を給排し車両の姿勢変
化に対応する方向に姿勢制御を行ない、その姿勢制御の
後に、流体室に流体を給排し前記姿勢制御と対向する方
向に姿勢戻し制御を行う。このため車両が元の姿勢に正
確に戻る。
また、この姿勢戻し制御が実行された後に、加速度検
出手段により検出される加速度が所定値以下となって車
両の姿勢変化が収束する方向にあると判断されると、車
高補正制御手段は、車高検出手段により検出される車高
と前記姿勢制御前の車高との差に基づき前記流体給排手
段の制御量を定め、該制御量に応じて前記流体給排手段
を制御して、車両の車高を前記姿勢制御前の車高に補正
制御する。
すなわち、車両の加減速時または旋回時などに上記姿
勢制御が必要となる場合は、車両の前後方向または横方
向の加速度が増大する。ところが、姿勢戻し制御後、姿
勢変化が収束するにつれてこの加速度は減少する。そこ
で、車高補正制御手段は、この加速度が上記所定値以下
となったとき、姿勢変化が収束する方向にあると判断
し、車両の車高を補正制御するのである。このため、姿
勢変化が車高に与える影響が充分小さくなったら即座
に、車高の制御を開始することができ、車両の車高を姿
勢制御前の車高に確実に素早く戻すことができる。
[実施例] 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図は本考案の一実施例である電子制御サスペンシ
ョン装置の概略構成図、第3図は本実施例の電子制御サ
スペンション装置の空気回路図である。この電子制御サ
スペンション装置は、空気回路ACに各々接続された前輪
左側のサスペンション1FL、前輪右側のサスペンション1
FR、後輪左側のサスペンション1RL、後輪右側のサスペ
ンション1RRを備え、このサスペンション1FL,1FR,1RL,1
RRには、各々気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRとショックアブ
ソーバ3FL,3FR,3RL,3RRとが設けられている。この気体
ばね2FL,2FR,2RL,2RRは、第3図に示すように、各々主
気体室4FL,4FR,4RL,4RRと副気体室5FL,5FR,5RL,5RRとを
備え、主気体室4FL,4FR,4RL,4RRの一部はダイヤフラム6
FL,6FR,6RL,6RRにより形成されているので、主気体室4F
L,4FR,4RL,4RRに空気を給排することにより車高を変更
することができる。また、気体ばね2FL,2FR,2RL,2RRは
ばね用モータ7FL,7FR,7RL,7RRを駆動することにより主
気体室4FL,4FR,4RL,4RRと副気体室5FL,5FR,5RL,5RRとを
連通・遮断若しくは空気流量を切り替えて、ばね定数を
「低」「中」「高」の各段階に変更することができる。
また、ショックアブソーバ3FL,3FR,3RL,3RRはアブソー
バ用モータ8FL,8FR,8RL,8RRを駆動して図示しないオリ
フィスを通過する流量を変化させて減衰力を「低」
「中」「高」の各段階に変更することができる。
一方、空気回路ACには、各気体ばね2FL,2FR,2RL,2RR
に供給する圧縮空気の供給源としてのモータ9で駆動さ
れるコンプレッサ10が設けられ、このコンプレッサ10の
吐出側は、逆流を防止するチェックバルブ12を介してエ
アドライヤ14及び排気切換バルブ16に各々接続されてい
る。エアドライヤ14にはシリカゲルが封入されており、
圧縮空気中の水分を除去する。このエアドライヤ14は固
定絞り18及び逆流を防止するチェックバルブ20を介して
連通・遮断可能な供給切換バルブ22及び接続切換バルブ
24の一方に各々接続されている。この供給切換バルブ22
の他方は、所定圧力に設定されたリリーフバルブ25に接
続されると共に、連通・遮断可能な高圧リザーブ用切換
バルブ26を介して前輪側の高圧リザーブタンク28に接続
され、また同じく連通・遮断可能な高圧リザーブ用切換
バルブ30を介して後輪側の高圧リザーブタンク32に接続
されている。これらの高圧リザーブタンク28,32には、
高圧リザーブタンク28,32内の空気圧力を検出する圧力
センサ34,36と、所定圧力に設定されたリリーフバルブ3
8,40とが各々配設されている。
更に、この供給切換バルブ22の他方は、連通・遮断可
能なレベリングバルブ42を介して主気体室4FLと、レベ
リングバルブ44を介して主気体室4FRと、レベリングバ
ルブ46を介して主気体室4RLと、レベリングバルブ48を
介して主気体室4RRと、各々接続されている。この各主
気体室4FL,4FR,4RL,4RRには空気圧力を検出する圧力セ
ンサ50,52,54,56が各々接続されている。
また、前輪左側の主気体室4FLは連通・遮断可能なデ
ィスチャージバルブ58を介して、前輪右側の主気体室4F
Rは同様なディスチャージバルブ60を介して、前輪側の
低圧リザーブタンク62に各々接続されている。更に、後
輪左側の主気体室4RLは連通・遮断可能なディスチャー
ジバルブ64を介して、後輪右側の主気体室4RRは同様な
ディスチャージバルブ66を介して、後輪側の低圧リザー
ブタンク68に各々接続されている。一方、前輪側の低圧
リザーブタンク62と後輪側の低圧リザーブタンク68とは
常時連通可能に接続されている。これらの低圧リザーブ
タンク62,68には低圧リザーブタンク62,68の空気圧力を
検出する圧力センサ70,72が各々接続され、前輪側の低
圧リザーブタンク62には所定圧力に設定されたリリーフ
バルブ74が接続されている。
これらの、両低圧リザーブタンク62,68は、前記接続
切換バルブ24の他方に接続されると共に、連通・遮断可
能な吸入切換バルブ76を介してコンプレッサ10の吸入側
に接続されている。また、コンプレッサ10の吸入側に
は、大気を吸入可能にチェックバルブ78が接続されてい
る。このチェックバルブ78を設けることなく、空気回路
ACを完全な閉回路として構成し、空気回路AC内に空気若
しくは他の気体、例えば窒素ガスを入れても実施可能で
ある。
尚、前記排気切換バルブ16、供給切換バルブ22、接続
切換バルブ24、高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベ
リングバルブ42,44,46,48、ディスチャージバルブ58,6
0,64,66、吸入切換バルブ76は、本実施例では、ノーマ
ルクローズ形を用いている。
本空気回路ACでは、前輪側と後輪側とに各々高圧リザ
ーブタンク28,32及び低圧リザーブタンク62,68を設けた
が、前輪側と後輪側とに共通の一個の高圧リザーブタン
ク及び一個の低圧リザーブタンクとしてもよい。
更に、第2図に示すように、左前車輪と車体との間
隔、既ち左のフロント車高を検出する車高検出手段とし
ての車高センサ80、同じく右のフロント車高を検出する
車高センサ82、左のリア車高を検出する車高センサ84、
右のリア車高を検出する車高センサ86が各々設けられて
いる。この各車高センサ80,82,84,86は、所定の基準車
高に対してそれより車高が高いときには正の車高差に応
じた信号を、それより車高が低いときには負の車高差に
応じた信号を出力する。一方、操舵輪88の操舵角を検出
する周知の操舵角センサ90と、車体の横方向及び前後方
向加速度を検出する周知の加速度検出手段としての加速
度センサ92と、図示しない変速機の出力軸の回転速度か
ら車速を検出する車速センサ93と、をも備えている。ま
た、マニュアル操作により、車高を指示する車高ハイス
イッチ94と車高ロースイッチ96とをも備えている。更
に、ブレーキペダル97が踏まれたことを検出するブレー
キスイッチ98をも備えている。尚、空気回路ACが気体給
排手段を構成する。
次に、本実施例の電気系統を第4図に示すブロック図
を用いて説明する。前記各サスペンション1FL,1FR,1RL,
1RRは、電子制御回路100によって駆動・制御されて車両
の姿勢制御を行なう。この電子制御回路100は第4図に
示すように、周知のCPU102,ROM104,RAM106を論理演算回
路の中心として構成され、外部と入出力を行なう入出力
回路、ここではモータ駆動回路108、バルブ駆動回路11
0、センサ入力回路112、レベル入力回路114等とをコモ
ンバス116を介して相互に接続して構成されている。
CPU102は、圧力センサ34,36,50,52,54,5670,72、車高
センサ80,82,84,86、操舵角センサ90、加速度センサ9
2、車速センサ93からの信号をセンサ入力回路112を介し
て、車高ハイスイッチ94、車高ロースイッチ96及びブレ
ーキスイッチ98からの信号をレベル入力回路114を介し
て、入力する。一方、これらの信号、ROM104、RAM106内
のデータに基づいてCPU102は、モータ駆動回路108を介
してコンプレッサ用モータ9、ばね用モータ7FL,7FR,7R
L,7RR及びアブソーバ用モータ8FL,8FR,8RL,8RRを駆動す
る駆動信号を出力し、バルブ駆動回路110を介して排気
切換バルブ16、供給切換バルブ22、接続切換バルブ24、
高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベリングバルブ42,
44,46,48、ディスチャージバルブ58,60,64,66、吸入切
換バルブ76に駆動信号を出力し、各サスペンション1FL,
1FR,1RL,1RRを制御している。
ROM104には、第10図に示すように、後述する加速度差
ΔGを縦軸に、後述する推定前後方向加速度αを横軸に
示したグラフに応じたマップMAP-a、第11図に示すよう
に後述する推定前後方向加速度αを縦軸に、車高補正量
Cの絶対値を横軸に推定前後方向加速度αが増加すると
車高補正量Cの絶対値も増加するグラフに応じたマップ
MAP-bが記憶されている。
この第11図のグラフは、まず、第12図に示すように、
アンチダイブ制御が行なわれたときに、目標車高(二点
鎖線)が前輪側及び後輪側共に基準車高(実線)より低
く、かつ前輪側が後輪側より低くなるように定めてい
る。次にアンチダイブ制御が無い車両の姿勢変化後の車
高(破線)に対して、目標車高(二点鎖線)との前輪側
の差CF及び後輪側の差CRを制御量としている。この制御
量を、前後方向加速度Gに応じて求めるために、まず、
第13図に示すグラフが求められる。この第13図のグラフ
は、車両に生じる前後方向加速度Gを縦軸に、基準車高
からの変化量ΔHを横軸に示したグラフであり、前後方
向加速度Gに応じたアンチダイブ制御が無いときの前輪
側及び後輪側の変化量、及びアンチダイブ制御後の前輪
側及び後輪側の変化量(目標車高)を各々表わしたもの
である。このグラフから、前後方向加速度Gに応じた制
御量、即ち目標車高とアンチダイブ制御が無いときの変
化量との前輪側の差CF及び後輪側の差CRが求まり、この
前輪側の差CF及び後輪側の差CRから第11図のグラフが定
められている。
また、ROM104には、第14図に示すように、積空車の条
件によって変わる前輪側の主気体室4FL,4FR内の圧力P4F
L,P4FRをパラメータとして、前輪側の高圧リザーブタン
ク28内の空気が流出することにより変化する放出変化圧
力ΔPFHを縦軸に、前輪側の車高補正量Cを横軸に示す
グラフに応じたマップMAP-c、第15図に示すように積空
車の条件によって変わる後輪側の主気体室4RL,4RR内の
圧力P4RL,R4RRをパラメータとして、後輪側の低圧リザ
ーブタンク68内に空気が流入することにより変化する吸
入変化圧力ΔPRLを縦軸に、後輪側の車高補正量Cを横
軸に示すグラフに応じたマップMA-d、第16図に示すよう
に、前輪側の高圧リザーブタンク放出変化圧力ΔPFHを
パラメータとして、前輪側の主気体室4FL,4FRに圧縮空
気が供給されたときに、放出変化圧力ΔPFHに応じて高
圧リザーブタンク圧力PFHが降圧変化するのに要する降
圧時間tcFを縦軸に、前輪側高圧リザーブタンク圧力PFH
/主気体室内圧力P4FL,P4FRを横軸に示すグラブに応じた
マップMAP-e、第17図に示すように、後輪側の低圧リザ
ーブタンク吸入変化圧力ΔPFLをパラメータとして、後
輪側の主気体室4RL,4RRから低圧リザーブタンク68に空
気を放出したときに、吸入変化圧力ΔPRLに応じて低圧
リザーブタンク圧力PRLが昇圧変化するのに要する昇圧
時間tDRを縦軸に、後輪側の主気体室内圧力P4RL,P4RR/
後輪側の低圧リザーブタンク圧力PRLを横軸に示すグラ
フに応じたマップMAP-f、第18図に示すように後述する
バルブの駆動デューティ比を縦軸に、補正量ΔHを横軸
に示すフラグに応じたマップMAP-gが各々記憶されてい
る。
更に、ROM104には、第14図と同様の後輪側の高圧リザ
ーブタンク32の放出変化圧力ΔPRHと後輪側車高補正量
Cとの関係を示すマップMAP-h、第15図と同様の前輪側
の低圧リザーブタンク62の吸入変化圧力ΔPFLと前輪側
車高補正量Cとの関係を示すマップMAP-i、第16図と同
様の後輪側の高圧リザーブタンク32の降圧時間tCRと後
輪側高圧リザーブタンク圧力PRHに対する主気体室内圧
力P4RL,P4RRの比との関係を示すマップMAP-j、第17図と
同様の前輪側低圧リザーブタンク62の昇圧時間tDFと主
気体室内圧力P4FL,P4FRに対する前輪側低圧リザーブタ
ンク圧力PFLの比との関係を示すマップMAP−kも各々記
憶されている。
次に上述した電子制御回路100において行なわれる処
理について、第5図ないし第8図のフローチャートに拠
って説明する。
本電子制御サスペンション装置は、キースイッチ(図
示せず)が投入されると第5図ないし第8図に示すサス
ペンション制御ルーチンを他の制御ルーチンと共に実行
する。まず、データ、フラグ等の初期化(ステップ20
0)、圧力センサ34,36,50,52,54,56,70,72、車高センサ
80,82,84,86、操舵角センサ90、加速度センサ92及び車
速センサ93からの信号をセンサ入力回路112を介して読
み込む処理(ステップ205)を行なう。次に、各センサ
からの信号に基づいて、車両状態を算出する(ステップ
210)。例えば、加速度センサ92により検出された現在
の前後方向加速度Gを一定時間毎に、例えば8msec毎に
読み込み、一定時間ta毎の、例えば32msec毎の前後方向
加速度Gの和に基づいて(1)式により平均前後方向加
速度nを算出する。
また、加速度センサ92により検出された現在の横方向
加速度Ganを一定時間毎に、例えば8msec毎に読み込み、
一定時間毎の、例えば64msec毎の横方向加速度Ganの和
に基づいて平均横方向加速度▲n▼を算出する。更
に、各車高センサ80,82,84,86により検出された現在の
車高Hnを一定時間毎に、例えば8msec毎に読み込み、一
定時間毎の、例えば32msec毎の車高Hnの和に基づいて平
均車高nを算出する。
続いて、後述する急速制御中断フラグがセットされて
いないと(ステップ215)、及び後述するアンチダイブ
フラグがセットされていないと(ステップ220)、ステ
ップ210の処理において算出した現在の車速Vが所定速
度Va、例えば25km/h以上で、かつ現在の横方向加速度Ga
の絶対値が所定加速度Gao、例えば0.3g(g=重力加速
度、以下同じ)より小さく、かつブレーキペダル97が踏
まれてブレーキスイッチ98がオンされ、かつ操舵角セン
サ90により検出された操舵輪88の操舵角θの絶対値が所
定角θo,例えば45度より小さく、かつ操舵角速度の絶
対値が所定角速度o,例えば140度/secより小さいとア
ンチダイブ制御を行なう状況であるダイブ条件であると
判断する(ステップ225)。ダイブ条件であると判断す
ると、まず、第9図に示すように、ダイブ条件であると
判断した直後の所定時間tb、例えば96ms内に、前述した
ステップ210の処理の実行により、一定時間ta(例えば3
2ms)毎に加速度センサ92により検出された3個の平均
前後方向加速度1,2,3の内の最大平均前後方向加
速度GMAX(例えG3)と最小平均前後方向加速度GMIN(例
えばG1)との差である加速度差ΔG(=GMAX−GMIN)を
算出する(ステップ230)。
次に、この加速度差△Gが所定規則度ΔGo、例えば0.
096g以上であるときには(ステップ235)、アンチダイ
ブフラグをセットする(ステップ240)。続いて、この
算出した加速度差ΔGに応じて、予め定められたマップ
MAP-a,即ち第10図のグラフから推定前後方向加速度αを
一旦求め(ステップ245)、この推定前後方向加速度α
に基づいて、予め定められたマップMAP-b,即ち第11図の
グラフから制御量としての前輪側の車高補正量CFと後輪
側の車高補正量CRとを算出する(ステップ250)。
続いて、この算出した両車高補正両CF,CRに基づい
て、各主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに空気を給排するため
の高圧リザーブタンク28の放出変化圧力ΔPFH及び低圧
リザーブタンク68の吸入変化圧力ΔPRLを算出する(ス
テップ255)。これは、まず、第14図(マップMAP-C)に
拠って、パラメータとしての前輪側の気体ばね内圧力P4
FL,P4FRと前輪側の車高補正量CFとにより車高補正量CF
に相当する空気を供給することにより変化する前輪側高
圧リザーブタンク28の放出変化圧力ΔPFHを算出する。
また、第15図(マップMAP-d)に拠って、パラメータと
しての後輪側の主気体室内圧力P4RL,P4RRと後輪側の車
高補正量CRとにより車高補正量CRに相当する空気を吸入
することにより変化する後輪側低圧リザーブタンク68の
吸入変化圧力ΔPRLを算出する(ステップ255)。
次に、この算出した放出変化圧力ΔPFH及び吸入変化
圧力ΔPRLに基づいて、高圧リザーブタンク28若しくは
低圧リザーブタンク68と各主気体室4FL,4FR,4RL,4RRと
を連通する各バルブ駆動時間Tを算出する(ステップ26
0)。これは、前輪側については第16図(マップMAP-e)
に拠って、パラメータとしての放出変化圧力ΔPFH及び
高圧リザーブタンク圧力PFH/主気体室内圧力P4FL,P4FR
により前輪側高圧リザーブタンク28の降圧時間tCFを算
出する。次に、降圧時間tCFに基づいて管路抵抗係数や
バルブ係数等を加味した下記(2)式によりバルブ駆動
時間TCFを算出する。
TCF=A×tCF+B …(2) 後輪側については第17図(マップMAP-f)に拠って、パ
ラメータとしての吸入変化圧力ΔPRL及び主気体室内圧
力P4RL,P4RR/低圧リザーブタンク圧力PRLにより後輪側
低圧リザーブタンク62の昇圧時間tDRを算出する。
次に昇圧時間tDRに基づいて管路抵抗係数やバルブ係数
等を加味した下記(3)式によりバルブ駆動時間TDRを
算出する。
TDR=C×tDR+D …(3) 各バルブ駆動時間TCF,TDRを算出すると、後述する処
理の実行に用いる所定時間t1、例えば60msec程度の時間
のタイマをセットする(ステップ265)。次に、各バル
ブ駆動時間TCF,TDRに応じて、高圧リザーブ用切換バル
ブ26,レベリングバルブ42,44、ディスチャージバルブ6
4,66を各々駆動する(ステップ270)。例えば、前輪側
のバルブ駆動時間TCFに応じて高圧リザーブ用切換バル
ブ26、レベリングバルブ42,44を、後輪側のバルブ駆動
時間TDRに応じてディスチャージバルブ64,66を、各バル
ブ42,44,64,66の閉じるタイミングが一致するように駆
動する。
従って、第9図に示す如く、前輪側の車高Hは、実線
で示すように、ブレーキペダル97が踏まれ、前後方向加
速度Gが変化し、更に少し遅れて変化し始める。ステッ
プ270の処理の実行により、バルブに駆動信号が出力さ
れると、バルブはある遅れ時間tta後、例えば30ms程度
後に駆動し始め、前輪側の主気体室4FR,4FLに高圧リザ
ーブタンク28から圧縮空気が急速に供給され、後輪側の
主気体室4RL,4RRから低圧リザーブタンク68に空気が急
速に排出される。よって、あるわずかな遅れ時間ttb
後、例えば30ms程度後に、空気を給排したことによる車
高Hへの影響が表われる。尚、第9図において、空気の
給排が行なわれない場合の車高Hの変化を二点鎖線で示
す。また、本実施例では、ステップ265の処理の実行に
よりセットされる所定時間t1を前期遅れ時間tta,ttbの
和(t1=tta+ttb)と等しく設定している。これにより
車体は、第12図に示す目標車高の如く、基準車高より低
く、かつ前輪側が後輪側より低く姿勢制御され、エイミ
ングが防止される。
前記ステップ270の処理を実行すると、後述する処理
を実行後、本制御ルーチンを繰り返し実行し、前述した
ステップ220の処理の実行によりアンチダイブフラグが
セットされていると判断し、また、後述する戻し制御フ
ラグがセットされていないと判断すると(ステップ27
5)、ステップ265の処理の実行によりセットされたタイ
マの所定時間t1が経過したか否かを判断する(ステップ
280)。所定時間t1が経過し、各ショックアブソーバ3F
L,3FR,3RL,3RRの減衰力が切り替えられていないときに
は(ステップ285)、減衰力を切り替え、減衰力を1レ
ベル上げて、急激な気体の給排による車体の揺れを防止
する(ステップ290)。例えば、減衰力が「低」である
ときには、アブソーバ用モータ8FL,8FR,8RL,8RRを駆動
して減衰力を「中」に切り替える。減衰力が「中」であ
るときには、減衰力を「高」に切り替える。減衰力を切
り替え(ステップ290)、若しくは所定時間t1が経過し
ていないと判断し(ステップ280)、若しくはすでに減
衰力を切り替えていると判断すると(ステップ285)、
ステップ270の処理の実行による各バルブ駆動時間TCF,T
DRに応じた各バルブの駆動を終了するまで(ステップ29
5)、本制御ルーチンを繰り返し実行する。各バルブの
駆動を終了すると(ステップ295)、平均前後方向加速
度の最大加速度pを検出する(ステップ300)。最
大加速度pが検出されたと判断すると(ステップ30
5)、ステップ290の処理の実行により減衰力を1レベル
上げたショックアブソーバ3FL,3FR,3RL,3RRの減衰力を
元に戻す(ステップ310)。
次に、ブレーキペダル97の踏みこみがゆるめられ、前
後方向加速度Gが減少し、現在の平均前後方向加速度
が最大加速度pの所定割合γ、例えば70%以下となっ
たときには(ステップ315)、戻し制御フラグをセット
する(ステップ320)。続いて、後述する姿勢戻し制御
処理の実行に用いる所定時間t2,例えば60msec程度の時
間のタイマをセットする(ステップ325)。タイマをセ
ットすると、前述した姿勢制御処理の実行により基準車
高より低く、かつ前傾姿勢に制御された車両を、基準車
高に戻すために、各バルブを駆動する(ステップ33
0)。即ち、前述したステップ250の処理の実行により算
出した前輪側の車高補正量CF及び後輪側の車高補正量CR
に応じて、ステップ255,260,270の処理の実行による姿
勢制御方向とは対向する方向に姿勢を制御する。まず、
前述したマップMAP-iに拠って、パラメータとしての前
輪側の気体ばね内圧力P4FL,P4FRと前輪側の車高補正量C
Fとにより車高補正量CFに相当する空気を吸入すること
により変化する前輪側低圧リザーブタンク62の吸入変化
圧力ΔPFLを算出する。また、後輪側の車高補正量CFに
より、後輪側高圧リザーブタンク32の放出変化圧力ΔPR
HについてもマップMAP-hに基づいて算出する。次に、こ
の算出した吸入変化圧力ΔPFL及び放出変化圧力ΔPRHに
基づいて、前述したステップ260の処理と同様にして、
マップMAP-j,k及び管路抵抗等を加味して前輪側のバル
ブ駆動時間TDF及び後輪側のバルブ駆動時間TCRを算出す
る。この算出した前輪側のバルブ駆動時間TDFに応じ
て、ディスチャージバルブ58,60を、後輪側のバルブ駆
動時TCRに応じて、高圧リザーブ用切換バルブ30,レベリ
ングバルブ46,48を、各バルブ30,46,48,58,60の閉じる
タイミングが一致するように駆動する(ステップ33
0)。
次に、各バルブを駆動して、本制御ルーチンを繰り換
し実行し、アンチダイブフラグ及び戻し制御フラグがセ
ットされており(ステップ220及び275)、後述する車高
フィードバックフラグがセットされていないときには
(ステップ335)、ステップ325の処理の実行によりセッ
トされたタイマの所定時間t2が経過したか否かを判断す
る(ステップ340)。所定時間t2が経過し、各ショック
アブソーバ3FL,3FR,3RL,3RRの減衰力が切り替えられて
いないときには(ステップ345)、減衰力を切り替え、
減衰力を1レベル上げる(ステップ350)。例えば、減
衰力が「低」であるときには、アブソーバ用モータ8FL,
8FR,8RL,8RRを駆動して減衰力を「中」に切り替える。
減衰力が「中」であるときには、減衰力を「高」に切り
替える。減衰力を切り替え(ステップ350)、若しくは
所定時間t2が経過していないと判断し(ステップ34
0)、若しくはすでに減衰力を切り替えていると判断す
ると(ステップ345)、ステップ330の処理の実行による
各バルブ駆動時間TDF,TCRに応じた各バルブの駆動を終
了するまで(ステップ355)、本制御ルーチンを繰り返
し実行する。各バルブの駆動を終了した後に(ステップ
355)、平均前後方向加速度の絶対値が所定加速度G1,
例えば0.15g以下となると(ステップ360)、後述する処
理の実行に用いる所定時間t3,例えば300msec程度の時間
のタイマをセットする(ステップ365)。続いて、平均
車高の絶対値が所定値ΔH0以上であると、基準車高に
フィードバック制御するために(ステップ370)、車高
フィードバックフラグをセットし(ステップ375)、気
体給排手段の制御量に相当するバルブ駆動デューティ比
Dを算出する(ステップ380)。平均車高が正である
車輪は、その車輪に対応した主気体室4FL,4FR,4RL,4RR
に高圧リザーブ用切換バルブ26,30、レベリングバルブ4
2,44,46,48を駆動して高圧リザーブタンク28,32から圧
縮空気を供給するために、第18図によって平均車高
(=補正量ΔH)に応じたバルブ駆動デューティ比Dが
算出される。また、平均車高が負である車輪は、その
車輪に対応した主気体室4FL,4FR,4RL,4RRからディスチ
ャージバルブ58,60,64,66を駆動して空気を低圧リザー
ブタンク62,68に排出するために、第18図によって平均
車高(=補正量ΔH)に応じたバルブ駆動デューティ
比Dが算出されるまた、平均車高が負である車輪は、
その車輪に対応した主気体室4FL,4FR,4RL,4RRからディ
スチャージバルブ58,60,64,66を駆動して空気を低圧リ
ザーブタンク62,68に排出するために、第18図によって
平均車高(=補正量ΔH)に応じたバルブ駆動デュー
ティ比Dが算出される(ステップ380)。バルブ駆動デ
ューティ比Dを算出すると、各バルブをデューティ比D
に応じて駆動する(ステップ385)。
一方、各バルブを駆動し、本制御ルーチンを繰り返し
実行して、ステップ335の処理の実行により、車高フィ
ードバックフラグがセットされていると判断すると(ス
テップ335)、ステップ365の処理の実行によりセットさ
れたタイマの所定時間t3が経過したか否かを判断する
(ステップ390)。所定時間t3が経過し、各ショックア
ブソーバ3FL,3FR,3RL,3RRの減衰力が切り替えられてい
ないときには(ステップ395)、ステップ350の処理の実
行により減衰力を1レベル上げたショックアブソーバ3F
L,3FR,3RL,3RRの減衰力を元に戻す(ステップ400)。減
衰力を元に戻し、かつステップ370の処理の実行によ
り、平均車高Hの絶対値が所定値ΔHoより小さいと判断
し、かつ減衰力がすでに切り替え済であると(ステップ
405)、前述した全てのフラグをクリアする(ステップ4
10)。
一方、ステップ215の処理において、後述する急速制
御フラグがセットされていると判断すると、目標車高制
御(ステップ411)を行なう。この目標車高制御では、
各車高センサ80,82,84,86により検出された各車輪の車
高Hと通常直進走行時の目標車高Hnとの差の絶対値が所
定値ΔH、例えば車高を制御できる最小値より大きい
と、コンプレッサ10や各バルブを駆動して各車輪の車高
Hを目標車高Hnとする。例えば、目標車高Hnより低い車
輪は、コンプレッサ10を駆動すると共に、供給切換バル
ブ22、車高Hの低い車輪に応じたいずれかのレベリング
バルブ42,44,46,48を駆動し、車高Hの低い車輪に応じ
たいずれかの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに圧縮空気を供
給する。この時の供給圧縮空気量は、コプレッサ10の容
量や流路抵抗等に応じた量であり、車高Hはゆるやかに
目標車高Hnに達する。目標車高Hnとなると、コンプレッ
サ10や各バルブ22,42,44,46,48の駆動を停止する。
また、目標車高Hnより高い車輪は、例えば、コンプレ
ッサ10を駆動することなく、排気切換バルブ16、接続切
換バルブ24、車高Hの高い車輪に応じたいずれかのディ
スチャージバルブ58,60,64,66を駆動し、車高Hの高い
車輪に応じたいずれかの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRの空
気を大気に放出する。この時の放出量は、絞り18や流路
抵抗等に応じた量であり、車高Hはゆるやかに目標車高
Hnに達する。目標車高Hnになると各バルブ16,24,58,60,
66の駆動を停止する。
また、ステップ225の処理の実行によりダイブ条件で
ないと判断し、若しくはステップ235の処理の実行によ
り加速度差ΔGが所定加速度ΔGoより小さいと判断した
ときに、他の急速制御条件であると(ステップ412)、
他の急速制御を行なう(ステップ413)。この他の急速
制御として、アンチスクオウト制御を例とすると、アン
チダイブ制御と同様に、例えば図示しないスロットル開
度センサにより検出されるスロットル開度6区間の内の
3区間を通過する時間が所定時間、例えば80msec以内で
あり、かつ各車高センサ80,82,84,86により検出される
各車高のばらつきが所定値、例えば24mmより少なく、か
つ横方向加速度Gaの絶対値が所定加速度Gao,例えば0.3g
より小さく、かつ操舵角センサ90により検出された操舵
輪88の操舵角θの絶対値が所定角θo,例えば45度より小
さく、かつ操舵角速度θの絶対値が所定角速度θo,例え
ば140度/secより小さいとアンチスクオウト制御を行な
う状況であるスクオウト条件だと判断する。スクオウト
条件だと判断した直後の所定時間内に検出された最大平
均前後方向加速度GMAXと最小平均前後方向加速度GMINと
の差である加速度差ΔGが、所定加速度、例えば0.072g
以上であるときに、この加速度差ΔGに応じて予め定め
られた制御量としての車高補正量Cを求め、この車高補
正量Cに応じて、後輪側の車高が、前輪側の車高より高
くなるように制御する。こうして車両の姿勢を制御した
後、前述したアンチダイブ制御と同様に、平均前後方向
加速度の最大値である最大加速度pを検出し、前後
方向加速度Gが減少して、平均前後方向加速度が最大
加速度pの所定割合γ、例えば70%以下となったとき
には、前期車高補正量Cに応じて、車高の姿勢変化時の
姿勢制御方向とは対向する方向に、姿勢を戻し制御し、
更にその後、平均前後方向加速度の絶対値が、所定加
速度、例えば0.15g以下となつたときには、算出した平
均車高(=補正量ΔH)に応じてバルブ駆動デューテ
ィ比を算出し、各バルブをこのデューティ比に応じて駆
動する。このようにアンチスクオウト制御においても、
アンチダイブ制御と同様に、姿勢戻し制御後の姿勢補正
制御を実施することができる。
更に、前記他の急速制御として、アンチロール制御を
例とした場合を以下に示す。アンチダイブ制御と同様
に、例えば現在の車速Vが所定速度Vb、例えば15km/h以
上で、かつ現在の平均前後方向加速度の絶対値が、所
定加速度Gb、例えば0.3gより小さいとアンチロール制御
を行なう状況であると判断する。その後に、操舵輪88が
操作され、操舵角センサ90により検出される所定時間内
の最大操舵角θMAXと最小操舵角θMINとの差である操舵
角差θPPに応じて、予め定められた推定横方向加速度α
aを一旦求め、この推定横方向加速度αaに基づいて、
車高補正量Cを求め、この車高補正量Cに応じて、前述
したアンチバイブ制御と同様に、車高を制御する。こう
して車両の姿勢を制御した後、アンチダイブ制御と同様
に、車両の横方向加速度の最大値である最大加速度を検
出し、横方向加速度が減少して、横方向加速度が最大加
速度の所定割合、例えば70%以下となったときにはレベ
リングバルブ42,44,46,48を駆動して左右の主気体室4F
L,4FR,4RL,4RRを導通する姿勢戻し制御を実行し、更に
その後、横方向加速度が最大加速度の所定割合、例えば
30%に相当する所定値以下となったときには、算出した
平均車高(=補正量ΔH)に応じてバルブ駆動デュー
ティ比を算出し、各バルブをこのデューティ比に応じて
駆動する。このようにアンチロール制御においても姿勢
戻し制御後の姿勢補正制御を実施することができる。
次に、前記制御が行なわれて高圧リザーブタンク28,3
2内の圧縮空気が消費され、圧力センサ34により検出さ
れた高圧リザーブタンク28内の圧力PFH、若しくは圧力
センサ36により検出された高圧リザーブタンク32内の圧
力PRHが、前記急速姿勢制御を行なうことができない所
定の高圧中断圧力Pa、例えば9.5気圧(絶対圧)を下ま
わると(ステップ415)、急速制御中断フラグをセット
する(ステップ420)。
続いて、コンプレッサ用モータ9によりコンプレッサ10
を駆動すると共に、供給切換バルブ22、いずれかのレベ
リングバルブ42,44,46,48、吸入切換バルブ76等を駆動
して(ステップ425)、低圧リザーブタンク62,68内の空
気、若しくは低圧リザーブタンク62,68内の圧力が大気
圧より低いときにはチェックバルブ78を介して大気を圧
縮していずれかの主気体室4FL,4FR,4RL,4RRに供給す
る。
一方、ステップ420において、高圧中断圧力Pa以上で
あり、急速制御中断フラグがセットされていないときに
(ステップ430)、圧力センサ70により検出された低圧
リザーブタンク62内の圧力PFL、若しくは圧力センサ72
により検出された低圧リザーブタンク68内の圧力PRL
が、前記急速姿勢制御を行なうことができない所定の低
圧中断圧力Pb、例えば6気圧(絶対圧)を上まわると
(ステップ435)、前記ステップ420及び425の処理を実
行する。
一方、急速制御中断フラグがセットされていると(ス
テップ430)、即ち、コンプレッサ10等が駆動されてい
ると、高圧リザーブタンク28内の圧力PFH及び高圧リザ
ーブタンク32内の圧力PRHが急速姿勢制御を余裕をもっ
て実行するために必要な、高圧中断圧力Paより大きな所
定圧力Pc、例えば11気圧(絶対圧)以上になるまで(ス
テップ440)、コンプレッサ10等を駆動し(ステップ42
5)、所定圧力Pcを上まわると(ステップ440)、ステッ
プ435の処理を実行する。
また、ステップ435において、低圧中断圧力Pb以下で
あると判断し、急速制御中断フラグがセットされており
(ステップ445)、低圧リザーブタンク62内の圧力PFL及
び低圧リザーブタンク68内の圧力PRLが急速制御を余裕
をもって実行するために必要な低圧中断圧力Pbより小さ
な所定圧力Pd、例えば5気圧(絶対圧)を上まわるとき
は(ステップ450)、ステップ420,425の処理を実行す
る。所定圧力Pdを下まわると(ステップ450)、ステッ
プ420,425等の処理の実行により、高圧リザーブタンク2
8,32内の両圧力が所定圧力Pc以上であり、また、低圧リ
ザーブタンク62,68内の両圧力が所定圧力Pd以下であ
り、急速姿勢制御を実行できるとして、急速制御中断フ
ラグをクリアし(ステップ455)、コンプレッサ用モー
タ9によるコンプレッサ10の駆動、供給切換バルブ22、
レベリングバルブ42,44,46,48、吸入切換バルブ76等の
駆動を停止する(ステップ460)。また、ステップ445に
おいて、急速制御中断フラグがセットされていないと判
断すると、ステップ455,460の処理を実行する。ステッ
プ425若しくは460の処理を実行すると一旦「NEXT」へ抜
ける。
以上詳述したように、本実施例の電子制御サスペンシ
ョン処理は、車両の姿勢変化に対向する方向に姿勢制御
を行ない(ステップ225ないし270)、平均前後方向加速
度の最大値である最大加速度pを検出し(ステップ
300)、前後方向加速度Gが減少して、平均前後方向加
速度が最大加速度pの所定割合γ以下となったとき
に(ステップ300,305,315)、車両の姿勢変化時の姿勢
制御と対抗する方向に姿勢を戻し制御し(ステップ33
0)、更にその後、平均前後方向加速度の絶対値が所
定加速度G1、例えば0.15g以下となったときに(ステッ
プ360)、各車高センサ80,82,84,86の検出結果に基づい
て算出した平均車高(=補正量ΔH)に応じてバルブ
駆動デューティ比Dを算出し(ステップ380)、各バル
ブをこのデューティ比Dに応じて駆動し(ステップ38
5)車両の姿勢を補正制御する。
従って、本実施例の電子制御サスペンション装置は、
前後方向加速度Gが車両の姿勢に影響を与えることの少
ない小さい値のときに、平均車高(=補正量ΔH)に
応じて姿勢の補正制御がなされることにより、姿勢戻し
制御後、車高を確実に基準車高に制御することができ、
乗心地や操縦安定性を向上することができる。また平均
車高(=補正量ΔH)に応じてバルブ駆動デューティ
比D、即ちバルブの開弁時間を変えているため、平均車
高が大きい場合は、バルブ開弁時間を長くし急速に車
高を補正することができ、また平均車高が小さい場合
は、バルブ開弁時間を短くしゆっくりとしかもより確実
に車高を補正することができる。更に、ロール時の姿勢
戻し制御後、姿勢補正制御を実施することにより、車高
を素早く基準高に制御することができる。
なお、上記実施例において、ステップ210の処理,お
よび加速度センサ92,操舵角センサ90が加速度検出手段
に、車高センサ80〜86が車高検出手段に、ステップ270,
330,および385の処理,並びにレベリングバルブ42〜48,
ディスチャージバルブ58〜66が流体給排手段に、ステッ
プ380の処理が車高補正制御手段に、それぞれ相当す
る。
次に、前述した第3図の空気回路ACと異なる他の実施
例の空気回路AC2について第19図によって説明する。こ
の空気回路AC2において、前述した空気回路ACと同一の
ものについては、同一の番号を付して説明を省略する。
本空気回路AC2は、前輪側の高圧リザーブタンク28aと
低圧リザーブタンク62aとが、また後輪側の高圧リザー
ブタンク32aと低圧リザーブタンク68aとが一体的に形成
されている。前輪側の高圧リザーブタンク28aに接続さ
れた高圧リザーブ用切換バルブ26の一方と後輪側の高圧
リザーブタンク32aに接続された高圧リザーブ用切換バ
ルブ30とは、連通・遮断可能な連通切換バルブ501を介
して接続されている。よって、両高圧リザーブ用切換バ
ルブ26,30を、同時に駆動しても、連通切換バルブ501を
駆動しないと、両高圧リザーブタンク28a,32aが互いに
連通することはない。
また、前輪側の低圧リザーブタンク62aは連通・遮断
可能な低圧リザーブ用切換バルブ502の一方が接続さ
れ、低圧リザーブ用切換バルブ502の他方は吸入切換バ
ルブ76及び前輪側の両ディスチャージバルブ58,60に接
続されると共に、連通・遮断可能な連通切換バルブ504
の一方に接続されている。この連通切換バルブ504の他
方は、連通・遮断可能な低圧リザーブ用切換バルブ506
を介して低圧リザーブタンク68aに接続されると共に、
後輪側の両ディスチャージバルブ64,66に接続されてい
る。また、低圧リザーブタンク68aには所定圧に設定さ
れたリリーフ弁508に接続されている。よって、低圧リ
ザーブタンク62a,68aは低圧リザーブ用切換バルブ502,5
06により他のバルブ等と遮断され、両低圧リザーブ用切
換バルブ502,506を駆動しても、連通切換バルブ504を駆
動しないと、両低圧リザーブタンク62a,68aは互いに連
通することはない。
この空気回路AC2は、前輪側の低圧リザーブ用切換バ
ルブ502及びディスチャージバルブ58,60を駆動すること
により、主気体室4FL,4FRと低圧リザーブタンク62aとを
連通する。また、後輪側の低圧リザーブ用切換バルブ50
6及びディスチャージバルブ64,66を駆動することによ
り、主気体室4RL,4RRと低圧リザーブタンク68aとを連通
することができる。
このように本空気回路AC2は、両高圧リザーブタンク2
8a,32a及び両低圧リザーブタンク62a,68a毎に高圧リザ
ーブ用切換バルブ26,30、低圧リザーブタンク用切換バ
ルブ502,506、連通切換バルブ501,504を有し、リザーブ
タンク28a,32a,62a,68a毎に圧力を制御することができ
る。
以上本考案の実施例について説明したが、本考案はこ
のような実施例に何等限定されるものではなく、本考案
の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し
得ることは勿論である。
考案の効果 以上詳述したように本考案の電子制御サスペンション
装置によると、姿勢制御後の車高を姿勢制御前の車高に
正確に素早く制御することができ、乗心地や操縦安定性
の向上をはかることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本考案の一実施例としての電子制御サスペンショ
ン装置の概略構成図、第3図は本実施例の空気回路図、
第4図は本実施例の電気系統の構成を示すブロック図、
第5図ないし第8図は本実施例の制御回路において行な
われる制御ルーチンの一例を示すフローチャート、第9
図は前後方向加速度、制御信号、車高と時間との関係を
示すグラフ、第10図は加速度差と推定前後方向加速度と
の関係を示すグラフ、第11図は推定前後方向加速と車高
補正量との関係を示くグラフ、第12図は基準車高に対す
る姿勢の説明図、第13図は前後方向加速度と基準車高か
らの変化量との関係を示すグラフ、第14図は放出変化圧
力と車高補正量との関係を示すグラフ、第15図は吸入変
化圧力と車高補正量との関係を示すグラフ、第16図は降
圧時間と高圧リサーブタンク圧力/主気体室内圧力との
関係を示すグラフ、第17図は昇圧時間と主気体室内圧力
/低圧リザーブタンク圧力との関係を示すグラフ、第18
図は駆動デューティ比と補正量との関係を示すグラフ、
第19図は他の実施例としての空気回路図である。 2FL,2FR,2RL,2RR……気体ばね 28,28a,32,32a……高圧リザーブタンク 34,36,50,52,54,56,70,72……圧力センサ 62,62a,68,68a……低圧リザーブタンク 100……電子制御回路
フロントページの続き (72)考案者 武田 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)考案者 油谷 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−199712(JP,A) 特開 昭49−3312(JP,A) 実開 昭60−119631(JP,U) 実開 昭60−119608(JP,U)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】リザーブタンクと、車両の車輪に対応して
    設けられたサスペンシヨンの流体室とを有し、流体給排
    手段により前記リザーブタンクから流体室に流体を給排
    し車両の姿勢変化に対応する方向に姿勢制御を行なうと
    共に、該姿勢制御の後に流体給排手段により流体室に流
    体を給排し前記姿勢制御と対向する方向に姿勢戻し制御
    を行なう電子制御サスペンシヨン装置において、 前記車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記車輪に対応した位置の車高を検出する車高検出手段
    と、 前記姿勢戻し制御を行なった後に、前記加速度検出手段
    により検出される加速度が所定値以下となって車両の姿
    勢変化が収束する方向にあると判断されたときに、前記
    車高検出手段により検出される車高と前記姿勢制御前の
    車高との差に基づき前記流体給排手段の制御量を定め、
    該制御量に応じて前記流体給排手段を制御して、車両の
    車高を前記姿勢制御前の車高に補正制御する車高補正制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする電子制御サスペンシヨン装
    置。
  2. 【請求項2】車両の姿勢変化がローリングであり、姿勢
    戻し制御が左右の流体室を連通することにより行なわれ
    る実用新案登録請求の範囲第1項記載の電子制御サスペ
    ンシヨン装置。
  3. 【請求項3】車両の姿勢変化がピッチングであり、姿勢
    戻し制御が姿勢変化とは逆の態様で流体を給排すること
    により行なわれる実用新案登録請求の範囲第1項記載の
    電子制御サスペンシヨン装置。
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