JPH08522A - モップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 拭布を広く効率良く使用することができると
共に、柔軟で床面に良くフィットするような使用感を持
ち、且つ、清掃時の操作安定性に勝れたモップを得る。 【構成】 柄棒１の先端の装着ヘッド２を、弾性部材に
より長方形をなす平板状に形成して、湾曲助長用の折溝
１０を設けると共に、装着した拭布４の両端部を係止さ
せるための係止手段であるピン１１を設け、該装着ヘッ
ドと柄棒とを、細長く且つ高さの低い剛性部材１３を介
して傾動自在に枢着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はモップに関するものであ
り、更に詳しくは、清掃時の使用性に勝れたモップに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】柄棒の先端に連結された拭布装着用装着
ヘッドに、紙や布帛等からなる拭布を交換可能に取り付
けたモップは、従来より公知である。このようなモップ
には、一般に、拭布をできるだけ広く効率良く使用でき
ること、手のひらで直接拭布を押えて拭く場合のように
柔軟で床面に良くフィットするような使用感を持ってい
ること、ヘッドの部分が小形で高さも低く、清掃時の操
作安定性が良いこと、等が要求されてきたが、従来のモ
ップは、ごつごつした硬い感じが直接手に伝わって使用
感が悪いばかりでなく、床面等に対するフィット性も悪
く、また、柄棒と装着ヘッドとを連結するための機構が
複雑でヘッド全体の高さが高いため、清掃時に該ヘッド
が横に倒れ易く、装着ヘッドの傾倒を防止して安定性を
良くするためにヘッドの横幅を必要以上に広くしなけれ
ばならないなど、上記要求を全て満足し得るものは見ら
れなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、使用
性に勝れたモップ、つまり、拭布を広く効率良く使用す
ることができると共に、柔軟で床面に良くフィットする
ような使用感を持ち、且つ、清掃時の操作安定性に勝れ
たモップを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のモップは、操作用の柄棒と、該柄棒の先端
に取り付けられた拭布装着用の装着ヘッドと、これらの
柄棒と装着ヘッドとを連結する連結手段と、上記装着ヘ
ッドに装着された拭布とからなり、上記装着ヘッドが、
弾性部材により長方形をなす平板状に形成され、その長
手方向に湾曲を助けるための少なくとも１本の折溝を有
すると共に、幅方向の両端部に、巻き付けた拭布の両端
部を係止させるための係止手段を有し、上記連結手段
が、柄棒による操作力を装着ヘッドのほぼ全長にわたり
作用させ得る長さを持った細長い剛性部材を有してい
て、該剛性部材が、装着ヘッドの上面に軸線を該装着ヘ
ッドの長手方向に向けて固定され、該剛性部材に柄棒が
傾動自在に枢着されていることを特徴とするものであ
る。

【０００５】本発明の好ましい例では、上記剛性部材が
断面凹溝形をなし、装着ヘッドの上面には、該剛性部材
を固定する固定手段としての機能と装着ヘッドの撓みを
防止する補強手段としての機能とを兼備する一対の立壁
が、所要の間隔を保って該装着ヘッドの長手方向に長く
位置するように立設され、これらの立壁間に上記剛性部
材が配設、固定されると共に、該剛性部材の凹溝内に柄
棒が該凹溝に沿う方向に傾動自在なるように枢着されて
いる。上記剛性部材における凹溝の幅は柄棒の外径より
僅かに大きくし、凹溝の深さは柄棒の外径とほぼ同じか
それよりも小さくすることが望ましい。また、上記折溝
は、装着ヘッドの上面側にＶ字形に切り込まれているこ
とが望ましい。

【０００６】

【作用】上記構成のモップは、通常のモップと同様に、
拭布を取り付けた装着ヘッドを被清掃部位に押し当てて
清掃する。このとき上記拭布は、装着ヘッドに止着され
た両側端の僅かな部分を除くその他の部分が清掃に有効
に使用されるため、広く使用することができて使用効率
が良い。また、弾性部材からなる平板状の上記装着ヘッ
ドは、それ自体の柔軟性により変形が可能であるうえ
に、折溝の形成により更に変形し易くなっているため、
被清掃部位の形状や清掃時の柄棒の傾斜角度等に応じて
幅方向に湾曲し、被清掃部位に良好にフィットするばか
りでなく、弾性による柔軟な使用感を与える。このと
き、装着ヘッドの長手方向には、柄棒と装着ヘッドとを
連結する細長い剛性部材により、柄棒の操作力が装着ヘ
ッドのほぼ全長にわたり有効に作用する。更に、装着ヘ
ッドが薄肉の平板状をなしていて、これに細長い剛性部
材からなる連結手段を介して柄棒を取り付けているた
め、連結部分を含めた装着ヘッド全体の高さが低くな
り、この結果、清掃時の操作安定性が良い。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明するに、図１及び図２に示す第１実施例のモップ
は、合成樹脂パイプ又は金属パイプ等からなる操作用の
柄棒１と、該柄棒１の先端に取り付けられた拭布装着用
の装着ヘッド２と、これらの柄棒１と装着ヘッド２とを
連結する連結手段３と、上記装着ヘッド２に装着された
拭布４とからなっている。

【０００８】上記装着ヘッド２は、合成ゴムや合成樹脂
のような柔軟性を持った弾性部材によって長方形をなす
薄肉の平板状に形成され、その上面には、使用時の幅方
向の湾曲を助けるための２本のＶ字形の折溝１０，１０
が、所要の間隔をおいて長手方向に形成されると共に、
幅方向の両側端部に、巻き付けた拭布４の両端部を係止
させるための係止手段としての複数のピン１１が、所要
の間隔をおいてそれぞれ立設されている。該係止手段
は、上記ピン１１に限るものではなく、フックや面ファ
スナーにおける鈎形突子ような、拭布４が係止可能なそ
の他の適宜部材により形成することができる。

【０００９】また、上記連結手段３は、金属や硬質合成
樹脂等からなる断面凹溝形の細長い剛性部材１３と、装
着ヘッド２の上面に立設する一対の弾性ある立壁１４，
１４とで構成され、これらの立壁１４，１４間に上記剛
性部材１３が配設されると共に、両立壁１４，１４に螺
子止めや接着等の適宜手段で固定され、該剛性部材１３
の凹溝１３ａ内に上記柄棒１が、軸１６により該凹溝１
３ａに沿う方向、即ち装着ヘッド２の長手方向にのみ傾
動自在なるように枢着されている。

【００１０】上記立壁１４，１４は、剛性部材１３を固
定する固定手段としての機能と、弾性部材からなる細長
い装着ヘッド２が長手方向に撓むのを防止する補強手段
としての機能とを兼備するもので、装着ヘッド２の上面
の２つの折溝１０，１０に挟まれた部分に、剛性部材１
３がちょうど嵌合し得る程度の間隔をおいて該装着ヘッ
ド２の長手方向に長く位置するように形成されている。
該立壁１４，１４の高さは剛性部材１３とほぼ同じであ
ることが望ましく、また長さは、装着ヘッド２の長さと
同じであっても良いが、図示したように装着ヘッド２よ
りも少し短く形成しても構わない。

【００１１】一方、上記剛性部材１３は、硬質素材の使
用量をできるだけ少なくして装着ヘッド２の弾力性を有
効に発揮させ得るようにするため、柄棒１による操作力
を該装着ヘッド２のほぼ全長にわたり作用させ得る範囲
内で、できるだけ短く形成されている。その長さは装着
ヘッド２の柔軟性によっても相違し、柔軟性が大きいほ
ど必要長さは長くなる。もちろん、装着ヘッド２と同じ
長さであっても構わない。また、該剛性部材１３は、そ
の凹溝１３ａの幅が柄棒１の外径より僅かに大きく、且
つ凹溝１３ａの深さが柄棒１の外径とほぼ同じかそれよ
りも小さくなるように形成されており、この結果、連結
手段３を含めた装着ヘッド２全体の高さが低くなって清
掃時の操作安定性が増し、その分装着ヘッド２を幅狭の
細長い形に形成することができる。しかも、柄棒１を凹
溝１３ａ内に嵌入した状態に傾動させることにより、モ
ップの高さが、ほぼ薄肉平板状の装着ヘッド２と剛性部
材１３の高さの和だけになって非常に低くなるため、従
来のモップは進入不能であった家具の下の僅かな隙間で
あっても、該モップを挿入して清掃することができる。

【００１２】また、上記拭布４は、紙や布帛（不織布又
は織布）などの任意の繊維シートにより形成することが
でき、所望により化学着塵剤を含浸することができる。
上記繊維シートに使用する繊維は、パルプやレーヨンな
どの天然繊維であっても、化学繊維であっても良く、ま
た、複数の繊維シートを積層して拭布４を形成すること
もでき、その際、天然繊維シートだけ、あるいは化学繊
維シートだけを積層しても良いが、天然繊維シートと化
学繊維シートを複合して積層することもできる。

【００１３】上記構成のモップは、通常のモップと同様
に、拭布４を取り付けた装着ヘッド２を被清掃部位に押
し当て、図３に示すように、柄棒１を装着ヘッド２の幅
方向に傾斜させた状態で該装着ヘッド２を前後右動させ
るか、又は、柄棒１を装着ヘッド２の長手方向に傾斜さ
せた状態で、箒のように該装着ヘッド２を左右方向に往
復動させて清掃する。このとき、上記拭布４は、両側端
の僅かな部分のみが装着ヘッド２に取り付けのために止
着され、その他の殆どの部分は清掃に有効に使用される
ため、広く使用することができて使用効率が良い。

【００１４】また、弾性部材からなる薄肉平板状の装着
ヘッド２は、それ自体の柔軟性により変形が可能である
うえに、折溝１０，１０の形成により更に変形し易くな
っているため、図３に示すように、被清掃部位１７の形
状や清掃時の柄棒１の傾斜角度等に応じて幅方向に湾曲
し、被清掃部位に良好にフィットするばかりでなく、弾
性による柔軟な使用感を与える。このとき、装着ヘッド
２の長手方向には、柄棒１と装着ヘッド２とを連結する
細長い剛性部材１３により、柄棒１の操作力が装着ヘッ
ド２のほぼ全長にわたり有効に作用する。

【００１５】ここで、上記装着ヘッド２の折溝１０，１
０の位置での湾曲は、該折溝１０，１０が装着ヘッド２
の上面側にＶ字形に切り込まれているため、該折溝１
０，１０の溝幅が狭まることにより、言い換えれば、装
着ヘッド２の上面の幅方向長さが短縮することにより行
われることになり、このため、該装着ヘッド２の下面側
の幅方向長さは伸長しないため、その湾曲により拭布４
が緊張して突っ張るようなことがない。

【００１６】また、上記装着ヘッド２が薄肉の平板状を
なしていて、これに、細長く且つ高さが柄棒１の外径と
同じ程度と低い剛性部材１３からなる連結手段３を介し
て柄棒１を取り付けているため、連結手段３を含めた装
着ヘッド２全体の高さは非常に低くなっており、この結
果、清掃時の操作安定性が非常に良く、横に倒れたりす
るようなことがない。

【００１７】更に、柄棒１を凹溝１３ａ内に嵌入した状
態に傾動させることにより、モップの高さが、ほぼ薄肉
平板状の装着ヘッド２と剛性部材１３の高さの和だけに
なって非常に低くなるため、従来のモップは進入不能で
あった家具の下の僅かな隙間であっても、該モップを挿
入して清掃することができ、不使用時の保管にも便利で
ある。

【００１８】図４乃至図６は本発明の第２実施例を例示
するもので、この第２実施例のモップは、以下に述べる
点を除けば上記第１実施例と実質的に同様の構成を有す
るものである。

【００１９】即ち、この第２実施例のモップは、図４及
び図５に示すように、装着ヘッド２２に装着した拭布２
４を係止させるための係止手段が、該装着ヘッド２２の
幅方向両側端部に適宜間隔で切り込まれた複数の切り込
み２５により構成され、拭布２４として、図６に示すよ
うに、幅方向の両側端部に多数の切り込み２６を入れる
ことにより短冊部２７を形成したものが使用されてい
る。上記拭布２４は、短冊部２７における一部の短冊片
２７ａを上記装着ヘッド２の切り込み２５内に挟み込ん
で係止させることにより、該装着ヘッド２に着脱自在に
取り付けられており、その際、係止に使用されない残り
の短冊片２７ａを下方に垂らすか又は側方に突出させた
状態にしておくことにより、該短冊片２７ａをも清掃に
有効に利用することができ、このため、拭布４の使用効
率が一層向上することになる。なお、その他の第１実施
例と共通の主要な構成部分については、第１実施例と同
じ符合を付してその説明は省略する。

【００２０】なお、上記各実施例では、装着ヘッド２，
２２に折溝１０を２本形成しているが、１本又は３本以
上であっても良く、また、該折溝１０は、必ずしも装着
ヘッド２，２２の上面に設ける必要はなく、下面に設け
ても良い。

【００２１】

【発明の効果】このように本発明のモップは、拭布を、
装着ヘッドに止着するための両側端の僅かな部分を除い
て清掃に有効に使用することができるため、使用面積が
広く使用効率が良い。また、弾性部材からなる平板状の
上記装着ヘッドが、それ自体の柔軟性により変形が可能
であるうえに、折溝の形成により更に変形し易くなって
いるため、被清掃部位の形状や清掃時の柄棒の傾斜角度
等に応じて幅方向に湾曲し、被清掃部位に良好にフィッ
トするばかりでなく、弾性による柔軟な使用感を与える
ことができる。更に、装着ヘッドが薄肉の平板状をなし
ていて、これに細長い剛性部材からなる連結手段を介し
て柄棒を取り付けているため、連結部分を含めた装着ヘ
ッド全体の高さが低くなり、この結果、清掃時の操作安
定性が良い。つまり、本発明によれば、拭布を広く効率
良く使用することができると共に、柔軟で床面に良くフ
ィットするような使用感を持ち、且つ、清掃時の操作安
定性の良い使用性に勝れたモップを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のモップの第１実施例を示す部分省略縦
断面図である。

【図２】図１のモップの平面図である。

【図３】図１のモップの使用状態の側面図である

【図４】本発明のモップの第２実施例を示す部分省略縦
断面図である。

【図５】図４のモップの平面図である。

【図６】第２実施例のモップに使用する拭布の平面図で
ある。

【符号の説明】

１ 柄棒 ２，２２ 装着ヘッ
ド ３ａ 連結手段 ４，２４ 拭布 １０ 折溝 １３ 剛性部材 １４ 立壁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作用の柄棒と、該柄棒の先端に取り付
   けられた拭布装着用の装着ヘッドと、これらの柄棒と装
   着ヘッドとを連結する連結手段と、上記装着ヘッドに装
   着された拭布とからなり、 上記装着ヘッドが、弾性部材により長方形をなす平板状
   に形成され、その長手方向に湾曲を助けるための少なく
   とも１本の折溝を有すると共に、幅方向の両端部に、巻
   き付けた拭布の両端部を係止させるための係止手段を有
   し、 上記連結手段が、柄棒による操作力を装着ヘッドのほぼ
   全長にわたり作用させ得る長さを持った細長い剛性部材
   を有していて、該剛性部材が装着ヘッドの上面に軸線を
   該装着ヘッドの長手方向に向けて固定され、剛性部材に
   柄棒が傾動自在に枢着されている、ことを特徴とするモ
   ップ。
2. 【請求項２】 剛性部材が断面凹溝形をなし、装着ヘッ
   ドの上面には、該剛性部材を固定する固定手段としての
   機能と装着ヘッドの撓みを防止する補強手段としての機
   能とを兼備する一対の立壁が、所要の間隔を保って該装
   着ヘッドの長手方向に長く位置するように立設され、こ
   れらの立壁間に上記剛性部材が配設、固定されると共
   に、該剛性部材の凹溝内に柄棒が該凹溝に沿う方向に傾
   動自在なるように枢着されていることを特徴とする請求
   項１に記載のモップ。
3. 【請求項３】 剛性部材における凹溝の幅が柄棒の外径
   より僅かに大きく、且つ凹溝の深さが柄棒の外径とほぼ
   同じかそれよりも小さく形成されていることを特徴とす
   る請求項１又は２に記載のモップ。
4. 【請求項４】 折溝が、装着ヘッドの上面側にＶ字形に
   切り込まれていることを特徴とする請求項１乃至３のい
   ずれかに記載のモップ。