JP4559877B2 - 清掃具 - Google Patents

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本発明は清掃具に関するものであり、更に詳しくは、柄の先端に取り付けられた拭布保持用ヘッドに拭布を装着して使用するタイプの清掃具に関するものである。
柄の先端に取り付けられた拭布保持用ヘッドに拭布を装着し、床面等を清掃するタイプの清掃具は、例えば特許文献1や特許文献2あるいは特許文献3に記載されているように従来から各種構成のものが提案されている。この清掃具は、ヘッドに装着した拭布を装着状態に保持させるため、該ヘッドの一部に係止用のスリットを放射状あるいは鋸歯状に形成し、このスリット内に拭布の一部を押し込んで挟持させるようにしている。このとき、上記スリットで区画、形成される複数のフラップが弾力的に変形し、相対するフラップ間あるいは隣接するフラップ間に上記拭布が挟持される。
実用新案登録第2507300号公報 登録実用新案第3023167号公報 実開昭49−68263号公報
ところが、上記スリットによって区画、形成されるフラップは薄肉で平坦であるため、柔軟で変形し易く、拭布に引き抜き方向の引張力が作用すると該拭布に引っ張られて容易に変形し、スリットが開いて拭布が外れ易いという欠点があった。
また、上記フラップはV字形又は鋸歯形をしていて、先端部に尖ったエッジを有しているため、スリット内に指で拭布を押し込んだときこのエッジが指に当たり、痛い思いをしたり指先が傷付けられることも多かった。
そこで本発明の主要な目的は、ヘッドに形成したスリットに拭布を押し込んで挟持させるタイプの清掃具において、スリットで区画、形成されるフラップを、拭布に引き抜き方向の引張力が作用しても変形しにくい構成とすることにより、該拭布の挟持力を高めることにある。
本発明の従属的な目的は、上記清掃具において、上記スリット内に拭布を指で押し込んだとき、フラップに形成された尖鋭なエッジによって指に痛みを感じたり指先が傷付けられたりするのを防止することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、柄の先端に拭布保持用のヘッドを有し、このヘッドに拭布を装着して清掃する清掃具において、上記ヘッドが、装着した拭布を係止させるための係止部を複数カ所に有していて、各係止部には、スリットで区画されて相互間に拭布を弾力的に挟持する複数のフラップが形成され、これらのフラップは、ヘッドの幅方向に内側から外側に向けて延設されて先端部に弧状の凸曲縁を有する略U字形の第1フラップと、この第1フラップの先端部と相対する位置に形成され、上記凸曲縁に適合する弧状の凹曲縁を備えた略M字形の第2フラップとからなり、これらの第1フラップ及び第2フラップがヘッドの表面側に向けて凸形に湾曲していることを特徴とするものである。
本発明においては、上記第2フラップが、上記凹曲縁の両側の位置に拭布に係止するエッジを有していても良い。
また、本発明の好ましい構成態様によれば、上記ヘッドが、合成樹脂製の基板と、該基板の下面に取り付けられたパッドとからなっていて、上記基板は、長手方向両端部寄りの位置に該基板の表面側に向けて凸形に湾曲する湾曲部を有し、この湾曲部上の位置に上記係止部が設けられている。
本発明によれば、拭布を挟持するフラップがヘッドの表裏面方向に湾曲した形をしているので、従来品が有する平坦なフラップに比べて変形しにくく、従って、挟持した拭布に引き抜き方向の引張力が作用しても該フラップは変形せず、拭布の挟持力が高まることになる。
また、相対するフラップの一方の先端部を凸曲縁状に形成し、他方を凹曲縁状に形成することにより、これら両フラップの間に拭布を指で押し込んだ時に上記凹曲縁が指先に当たることになり、従来品のように尖ったエッジが指に当たらないため、指に痛みを感じたり指先が傷付けられたりすることがない。
各図は、本発明に係る清掃具をフローリングワイパーとして構成した場合の実施形態を示すもので、この清掃具は、図1に示すように、柄2の先端に拭布保持用のヘッド3を取り付けてなる清掃具本体1と、上記ヘッド3に着脱自在に装着される拭布4とから構成されるもので、床面等の清掃に使用されるものである。
上記清掃具本体1において、上記柄2は伸縮自在に形成され、上端部にグリップ2aが取り付けられると共に、下端部にジョイント部材2bが取り付けられていて、このジョイント部材2bを介して上記ヘッド3の上面中央部に連結され、前後、左右、斜めの全方向に旋回自在かつ任意の角度に起倒自在となっている。
一方、上記ヘッド3は、ポリエチレン等の合成樹脂素材からなる基板6と、該基板6の下面(裏面)に適宜手段で取り付けられた柔軟性のパッド7とで構成されている。このパッド7は、合成樹脂を発泡させて形成したスポンジ体や、不織布や織布等を単独であるいは積層して厚めに形成した布等からなるもので、その好ましい厚さは5〜10mm程度であり、上記基板6と拭布4との間に介在することによって清掃時のクッション性を高めるものである。このパッド7は、上記基板6よりやや大きめに形成することが望ましい。
上記基板6は、横に細長い矩形の平面形状をなしていて、図2及び図3からも分かるように、長さ方向両端部寄りの位置に、該基板6の上下面方向即ち表裏面方向に湾曲する湾曲部9,9が、該基板6の幅全体にわたり延在するように形成されている。具体的に説明すると、上記湾曲部9は、基板6の上面側に向けて滑らかな凸形に湾曲していて、その凸状部は基板6の幅方向の一端側から他端側まで連続して延びており、この湾曲部9の位置に、後で詳述する拭布を係止させるための係止部10が形成されている。
また、上記各湾曲部9の形成位置において基板6の幅方向の両側端部には、図4からも分かるように、補強用の側壁11が該湾曲部9の両端を塞ぐように形成されている。
更に、上記基板6の上面の幅方向の中間位置には、上記各湾曲部9からそれぞれ基板6の中央に向けて軸線方向に延びる補強用と軸受用とを兼ねる突壁部12が形成され、該基板6のほぼ中央部においてこれらの突壁部12,12間に連結軸13が設けられ、この連結軸13に上記柄2がジョイント部材2bを介して連結されている。
上記基板6の下面に上記パッド7を取り付ける方法としては、接着剤や両面接着テープ等を使用して該パッド7を固定的に接着する方法があるが、該パッド7を着脱自在とする場合には面ファスナーを使用することが望ましい。即ち、この面ファスナーを構成する雄側係止帯と雌側係止帯のうち、多数の鈎形突起を有する雄側係止帯を上記基板6に取り付け、多数のループを有する雌側係止帯をパッド7に取り付ければ良い。あるいは、合成樹脂製の多数の鈎形突起を基板6の下面全体又は必要な一部に一体に形成し、この鈎形突起に係止する多数のループをパッド7の上面全体又は一部に形成しても良い。この場合、上記ループは、パッド7をパイル織りするか、あるいは、パイル織りした布地を該パッド7の上面に積層するなどの方法によって形成することができる。
次に、拭布係止用の上記係止部10について詳述する。この係止部10は、図1及び図2から明らかなように、上記基板6に設けられた各湾曲部9上にそれぞれ2つずつ形成されていて、それらは、該基板6の幅方向の一端側と他端側とに互いに対象をなすように配設されている。この係止部10は、基板6の厚さを他の部分より薄肉化した平面視略矩形の係止部形成領域15内に形成されていて、図5及び図6からも分かるように、スリット16により区画、形成された第1フラップ17及び第2フラップ18を有し、これらのフラップ17,18の間に拭布4の一部を弾力的に挟持して係止させるものである。
上記第1フラップ17は、基板6の幅方向に該基板6の内側から外側に向けて細長く延びていて、先端部に滑らかな弧状をなす凸曲縁17aを有しており、先端側に向かって次第に幅が狭くなっている。従ってこの第1フラップ17は、次第に先狭まりをなす略U字状の平面形状を有している。これに対して上記第2フラップ18は、第1フラップ17の先端部と相対する位置に基板6の内側に向けて形成され、先端部に上記凸曲縁17aに適合する滑らかな弧状をなす凹曲縁18aを備えると共に、該凹曲縁18aの両側に基板6の内側を向く尖鋭なエッジ18bを備えており、その平面形状はやや先狭まりをなす略M字状をなしている。
上記第1フラップ17は、スリット16内に拭布4を押し込むに当たり、指でそれを押して弾性変形させることにより上記スリット16を開くためのものであり、また、第2フラップ18は、スリット16内に押し込まれた拭布4を上記第1フラップ17との間に挟持し、あるいは上記エッジ18bに係止させて保持させるためのものである。従って、上記第1フラップ17は、拭布押し込み時の弾性変形が容易であるように、上記係止部形成領域15の一端側からその中間点を過ぎた位置当たりまで達する程度にその長さを長く形成されており、これに対して上記第2フラップ18は、ある程度の剛性によって十分な拭布4の保持力が得られるように、上記係止部形成領域15の他端側からその中間点までは達しない程度に長さを短く形成されている。また、上記第1フラップ17の先端部上面には、指で押し易くするための円形の窪み17bが形成されている。
上記第1フラップ17及び第2フラップ18は、図7に第1フラップ17で代表的に示すように、上記湾曲部9上にその頂点を跨いで左右両側の傾斜面にかかるように形成されており、これにより、上記両フラップ17,18は、基板6の上面側に向けて滑らかな凸形に湾曲した形に形成されている。このような湾曲形状を有する上記両フラップ17,18は、従来の清掃具に形成された平坦なフラップに比べて変形しにくく、このため、拭布4をスリット16内に押し込んで挟持させたあと、該拭布4に引き抜き方向の引張力が作用しても、これらのフラップ17,18が拭布4に引っ張られて簡単に変形するようなことはなく、拭布4の挟持力が高まることになる。
上記拭布4は、不織布からなる薄いシート状の拭布4であり、その好ましい厚さは1〜3mm程度である。また、上記不織布を構成する繊維は、繊維径が10〜30μm程度の極細繊維か9μm以下の超極細繊維を少なくとも一部に含んでいることが望ましく、それらの両方を含んでいても良い。
上記構成を有する清掃具を使用するときは、図1に示すように、上記拭布4を広げてヘッド3の下面に当て、該拭布4の両端部をヘッド3の幅方向両側端部を包み込むようにしてヘッド3の上面側に折り返し、各係止部10におけるスリット16内に押し込んで係止させる。その操作は、上記拭布4の上から第1フラップ17を押し下げて弾性変形させることにより、第2フラップ18との間のスリット16を拡大させると共に、拡大したスリット16を通じて拭布4の端部を押し込むことにより行う。これにより上記拭布4は、両フラップ17,18の間に挟持されることになる。このときの状態が図6に鎖線で示されている。
上記押し込み操作時には、指先が拭布4を介して第2フラップ18の先端に接触することになるが、この第2フラップ18の先端は滑らかな弧状の凹曲縁18aとなっているため、指が接触しても痛みを感じたり傷付けられたりすることがない。従って、フラップがV字形又は鋸歯形をしていて先端に尖ったエッジを有する従来品に比べ、安全で作業を行い易い。
また、上記拭布4を装着した清掃具は床面等の清掃に使用されるが、その際、上記拭布4に摩擦力等が作用し、該拭布4の端部がスリット16から抜け出す方向に引っ張られたとしても、両フラップ17,18がヘッド3の表裏面方向に湾曲した形をしていて変形しにくいため、それらの挟持力は非常に大きく、拭布4がスリット16から不意に抜け出すことはない。
なお、上記湾曲部9は、基板6の幅方向の中央部において最も高さが高くなるように若干傾斜した状態に形成されているが、一定の形状及び高さを保ったまま基板6の幅全体に連続して延びていても良い。あるいは、このように湾曲部を連続的に形成することなく、上記係止部10を形成する位置だけに上向きに湾曲する湾曲部を局部的に形成することもできる。
更に、図示した例では、上記係止部10が基板6と一体に形成されているが、係止部形成領域15の部分を独立物品として基板6とは別に形成し、これを基板6に取り付けるように構成することもできる。
本発明に係る清掃具の一実施形態を示す斜視図である。 上記清掃具のヘッドの平面図である。 上記ヘッドの側面図である。 図2におけるA−A線での拡大断面図である。 図2において一つの係止部を拡大して示す要部拡大図である。 図4における要部拡大図である。 図5におけるB−B線での拡大断面図である。
符号の説明
2 柄
3 ヘッド
4 拭布
6 基板
7 パッド
9 湾曲部
10 係止部
16 スリット
17 第1フラップ
17a 凸曲縁
18 第2フラップ
18a 凹曲縁
18b エッジ

Claims (3)

  1. 柄の先端に拭布保持用のヘッドを有し、このヘッドに拭布を装着して清掃する清掃具において、
    上記ヘッドが、装着した拭布を係止させるための係止部を複数カ所に有していて、各係止部には、スリットで区画されて相互間に拭布を弾力的に挟持する複数のフラップが形成され、これらのフラップは、ヘッドの幅方向に内側から外側に向けて延設されて先端部に弧状の凸曲縁を有する略U字形の第1フラップと、この第1フラップの先端部と相対する位置に形成され、上記凸曲縁に適合する弧状の凹曲縁を備えた略M字形の第2フラップとからなり、これらの第1フラップ及び第2フラップがヘッドの表面側に向けて凸形に湾曲していることを特徴とする清掃具。
  2. 上記第2フラップが、上記凹曲縁の両側の位置に拭布に係止するエッジを有することを特徴とする請求項に記載の清掃具。
  3. 上記ヘッドが、合成樹脂製の基板と、該基板の下面に取り付けられたパッドとからなっていて、上記基板は、長手方向両端部寄りの位置に該基板の表面側に向けて凸形に湾曲する湾曲部を有し、この湾曲部上の位置に上記係止部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃具。
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