JPH085179Y2 - 刷本区分装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は刷本区分装置、詳しくは多数の部数が進行方
向へ伏倒状となって前後に重なり連なった状態下にコン
ベヤ上に載置されて該コンベヤにより進行される刷本の
並列体、例えば輪転機よりの排出刷本のような刷本並列
体の流れについての刷本区分装置に関する。

一般に刷本は、その印刷に次ぐ必要処理、例えば製本
工程への運搬等の取扱いに便利なよう、適当部数を段積
みしてバンド類で結束されるのが通例である。

前記のような状態下にコンベヤにより進行されている
刷本を段積みするには、そのコンベヤラインに刷本集積
ステーションを接続して、段積みに即応する部数の束宛
に刷本を集積する必要がある。そして、刷本集積ステー
ションでの刷本の集積処理が回分的であるのに対し、刷
本並列体の流れが連続的であるため、刷本集積ステーシ
ョンに対する刷本並列体の供給を間歇的に行うべく、前
記コンベヤラインの刷本並列体の流れにつき、刷本を区
分することが必要となる。この区分は、能率及びコンベ
ヤの機械効率上、コンベヤの走行を続けたままで行うの
が有利である。

従来の技術とその問題点 従来、このような要望を充たすものとして、特開昭61
-55059号公報の発明がある。この従来技術は、コンベヤ
ライン上の前述した状態下の刷本並列体の流れを上から
薄い板ばね状のプレートで押えて仮止的に止め、且つ該
刷本並列体の上端面を押圧体が重力或いはスプリング荷
重による圧下の下、該プレートの介在下、コンベヤライ
ン下流側から上流側へ即ち刷本並列体の流れと逆に押し
撫でて行くという要領で、刷本並列体を区分している。
この従来技術では、刷本並列体に対する押圧体の前記押
し撫でが押えプレートを介して行われるので、当該押し
撫でによる刷本並列体の所謂逆オーバラップ（押えプレ
ートの板ばね的圧下により刷本並列体が流れを停止され
た状態下で、コンベヤの走行が続けられることにより、
刷本並列体における上流側の刷本が下流側の刷本に対し
上端が少し高くなった状態に覆い被さる現象をいう。）
の回避が、時としてなされないことがあった。

本考案の目的は、上記従来技術による問題をなくする
にある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は次の構成をとっ
ている。

即ち本考案は、多数の部数が進行方向へ伏倒状となっ
て前後に重なり連なった状態下にコンベヤ上に載置され
て該コンベヤにより進行される刷本の並列体の流れを該
刷本並列体上方の解除可能な押圧型ストッパによる押圧
で制止することにより、刷本並列体を区分するようにな
っている刷本区分装置であって、上下動及び前記刷本並
列体の流れ方向沿いに前後動が可能な押圧ローラを該刷
本並列体と直接対向させて、前記ストッパの上流側に配
置し、上面が前記コンベヤより若干、上方に位置するま
で上昇可能な昇降板を前記コンベヤ上の流れを制された
刷本並列体の下方に配設した刷本区分装置に係る。

作用 本考案は上記の構成であるから、前記状態下でコンベ
ヤにより進行されている刷本並列体にストッパを押圧さ
せると、コンベヤの走行を続けたままで、該ストッパの
押圧により該刷本並列体の流れの制止により、刷本並列
体を区分する。

この刷本並列体を区分した状態下で、当該刷本並列体
の上に押圧ローラを押し当てつつ、これを刷本並列体の
下流側から上流側へ移動させることにより、該押圧ロー
ラが刷本並列体を直接、刷本並列体流れを反対方向へ押
すようにして、該刷本並列体上を移動して行く。従っ
て、この押圧ローラによる刷本の重なり連なりピッチの
展延的粗化は確実であり、前述した従来技術による場合
と異なり、刷本並列体の逆オーバラップの回避を旨く達
成できる。

コンベヤ上の流れを制された刷本並列体の下方に配設
した昇降板は、その上面がコンベヤより若干、上方に位
置するまで上昇させることにより、刷本並列体をコンベ
ヤから持上げる即ち浮かせる。このため、コンベヤ上の
流れを制された刷本並列体は、上端側が制された状態下
で、下端側がコンベヤで搬送されようとする傾向から解
放される。従って、前述のようにして押圧ローラが行う
刷本並列体の逆オーバラップの発生回避動作は、的確に
なされる。

考案の効果 上記のように本考案によれば、従来技術で時として生
じていた刷本並列体の逆オーバラップ不回避の問題を解
消し得るのである。

実施例 次に本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。

図で（１）が刷本（ａ）の並列体を搬送するコンベ
ヤ、（２）が刷本（ａ）の並列体のコンベヤ（１）の進
行による流れを制止する押圧型ストッパであり、コンベ
ヤ（１）はその始端側が、本発明装置での区分について
の前工程、例えば輪転機（図示せず）に接続され、スト
ッパ（２）は流体圧シリンダ、例えばエアシリンダ
（３）のプランジャ（3a）に結合された支持体（４）に
取付けられて、コンベヤ（１）上の刷本並列体の上方に
配置されている。

上記コンベヤ（１）には、刷本（ａ）が常方に従い、
進行方向へ多数部、伏倒状となって前後に重なり連なっ
た状態下に供給され、当該状態下にコンベヤ（１）上に
載り、該コンベヤ（１）により次工程へ搬送される。

コンベヤ（１）により上記の状態下に進行されている
刷本並列体に対し、上記ストッパ（２）がエアシリンダ
（３）による押下げで押圧され、コンベヤ（１）の進行
を続けたままで、該刷本並列体の流れを制止する。斯く
て、刷本並列対が区分される。ストッパ（２）はエアシ
リンダ（３）により上昇させることにより、刷本並列体
流れの制止を解除する。

前記の制止の下、ストッパ（２）より上流側の刷本
（ａ）…は、依然続くコンベヤ（１）の進行により下流
側へ並列ピッチが狭められる。

上記ストッパ（２）の上流側に、押圧ローラ（５）を
上記刷本並列体と直接対向させて配置する。該押圧ロー
ラ（５）は、上下動及び刷本並列体の流れ方向沿いに前
後動が可能なものとする。そのようにするには、例えば
上記支持体（４）に流体圧シリンダ、例えばエアシリン
ダ（６）を所要の向きに固定し、該エアシリンダ（６）
のプランジャ（6a）に押圧ローラ（５）を架装すればよ
い。押圧ローラ（５）は、コンベヤ（１）の進行方向と
直交する方向に並ぶ複数併置型でもよいし、コンベヤ
（１）の進行方向沿いに並ぶ複数併置型でも構わない。
更には、単一の配置でも差支えない。

上記押圧ローラ（５）は、前述した流れを制止した状
態下にある刷本並列体の上に押し当てつつ、コンベヤ
（１）の進行と逆方向へ移動させると、該刷本並列体を
同方向へ押すようにして、該刷本並列体上を移動して行
き、刷本の重なり連なりピッチを展延的に粗化し、刷本
並列体の逆オーバラップを回避する。押圧ローラ（５）
は非積極回転型で十分である。

コンベヤ（１）上の流れを制された刷本並列体の下方
に、該刷本並列体の適当な長さに亘る範囲、例えばスト
ッパ（２）に相当する個所から押圧ローラ（５）の前進
限度位置に相当する個所に亘って延在する昇降板（８）
を配設する。該昇降板（８）は、コンベヤ（１）より板
（８）上面が若干、上方に位置するまで上昇可能であ
る。

昇降板（８）を押圧ローラ（５）がコンベヤ（１）上
の刷本並列体の上に下降すると同時、または他の適当な
ときに上昇させて、昇降板（８）上方の刷本並列体をコ
ンベヤ（１）から持上げる、つまり浮かせることによ
り、コンベヤ（１）上の刷本並列体を上端側が押圧スト
ッパ（２）で制された状態下で、下端側がコンベヤで搬
送されようとする傾向から解放させる。このため、上述
したようにして押圧ローラ（５）が行う刷本並列体の逆
オーバラップの発生回避作動は、的確になされる。

昇降板（８）は昇降させる装置としては、流体圧シリ
ンダ例えばエアシリンダを適用できる。

必要に応じ、ストッパ（２）が刷本並列体を押圧した
際、刷本並列体を上から軽く押える薄い板ばね状の押圧
体（７）を備えてもよい。該押圧体（７）は、ストッパ
（２）の上流側へ延びた状態下に所定高さにて配設し、
適当な昇降部材、例えば支持体（４）に固定すればよ
い。この押圧体（７）は、刷本並列体の逆オーバラップ
の回避を補助する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図はその
側面図、第３図は第２図III〜III線断面図である。 （１）……コンベヤ （２）……押圧型ストッパ （３）……エアシリンダ （3a）……エアシリンダのプランジャ （４）……支持体 （５）……押圧ローラ （６）……エアシリンダ （6a）……同エアシリンダのプランジャ （７）……押圧板 （８）……昇降板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多数の部数が進行方向へ伏倒状となって前
   後に重なり連なった状態下にコンベヤ上に載置されて該
   コンベヤにより進行される刷本の並列体の流れを該刷本
   並列体上方の解除可能な押圧型ストッパによる押圧で制
   することにより、刷本並列体を区分するようになってい
   る刷本区分装置であって、上下動及び前記刷本並列体の
   流れ方向沿いに前後動が可能な押圧ローラを該刷本並列
   体と直接対向させて、前記ストッパの上流側に配置し、
   上面が前記コンベヤより若干、上方に位置するまで上昇
   可能な昇降板を前記コンベヤ上の流れを制された刷本並
   列体の下方に配設した刷本区分装置。