JPH08512081A - 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体の製造方法

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JPH08512081A JP7503555A JP50355595A JPH08512081A JP H08512081 A JPH08512081 A JP H08512081A JP 7503555 A JP7503555 A JP 7503555A JP 50355595 A JP50355595 A JP 50355595A JP H08512081 A JPH08512081 A JP H08512081A
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Abstract

(57)【要約】 低濃度の残留溶媒を含有する変色のない塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体を、モノフルオロベンゼンが反応媒体として用いられ、重合体の単離は直列配置のベント式閉ループ押出機により行われる方法で調製する。この方法は、副生成物としてのモノクロロモノフルオロベンゼンの生成も抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体の製造方法 関連出願 本出願は、同時に係属中の米国特許出願第08/085,527号(1993 年6月30日出願)の一部継続出願である。 技術分野 本発明は、低濃度の残留モノフルオロベンゼン溶媒と溶媒副生成物を含有する 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体の製造方法に関する。 背景技術 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体は、汎用エラストマー、コー ティング組成物および接着剤として広く利用されている材料である。塩素化オレ フィン重合体は、塩素と溶液状または水性懸濁液状のオレフィン重合体との反応 により工業的規模で製造される。一方、クロロスルホン化オレフィン重合体は、 溶液中、オレフィン重合体と塩素と塩化スルフリルまたは二酸化硫黄とを反応さ せることにより製造される。他の製造法も開示されており、例えば、溶媒で膨潤 させたエチレン重合体を炭素原子数1〜4の脂肪族フルオロカーボン中で反応押 出、塩素化およびクロロスルホン化すること、また、過フッ素化アルカン、過フ ッ素化エーテル、または過フッ素化アミンスラリー中、塩素化およびクロロスル ホン化することが、開示されている。 溶液法を用いる場合、四塩化炭素が選択すべき溶媒となる。なぜなら、この溶 媒は、高分子反応体と塩素化生成物を溶解し、塩素化およびクロロスルホン化反 応条件下で安定であり、塩素化に対し本質的に不活性であるからである。さら に、常に入手が容易であった。しかしながら、四塩化炭素は発癌性を持つ疑いが あり、さらに、四塩化炭素は成層圏のオゾンを枯渇させる反応に関与する可能性 があるとみなされるので、その使用は、ますます厳しい排ガス規制を受けてきた 。したがって、四塩化炭素の大規模な使用は、安全および環境の面、さらに経済 的な理由から好ましくない。 これに代わる各種ハロゲン化溶媒が示唆されているが、いずれも完全に四塩化 炭素に代わるものとして受け入れることはできない。例えば、ハロゲン化脂肪族 溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、1,2,3−トリク ロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロエタンおよびクロロホルムは、塩 素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体の製造に用いられる条件下でかな りの塩素化を受ける。さらに、多くの場合、塩素化された溶媒自体またはその副 生成物は毒性を持つ。クロロホルムの場合、さらなる塩素化は四塩化炭素の生成 をもたらす。ジクロロジフルオロメタンまたはトリクロロフルオロメタン等のク ロロフルオロカーボンもオゾン層枯渇物質と疑われているので、受け入れられな い。トリクロロテトラフルオロプロパン(HCFC−224)とジクロロペンタ フルオロプロパン(HCFC−225)等のヒドロクロロフルオロカーボンは、 オレフィン重合体ベース樹脂の塩素含量が60〜70重量%に向かって増加する につれて塩素化を受け、クロロフルオロカーボンの形成をもたらす。 ハロゲン化芳香族溶媒については、そのような組成物を反応媒体として用いる ことは、これまでは勧められていなかった。その理由は、それらは塩素化または クロロスルホン化重合体生成物から除去するのが困難であり、生成物の発色と物 性の低下を引き起こすからである。例えば、クロロスルホン化オレフィン重合体 の調製に芳香族溶媒を使用すると、加硫後の重合体の引張強さに悪影響を与える ことが米国特許第4,544,709号に開示されている。特に、反応媒体が低 濃度のハロゲン化芳香族溶媒を含有していても、硬化物の引張強さの著明な低下 が認められている。すなわち、ハロゲン化芳香族溶媒が10重量%の低濃度で存 在しているハロゲン化芳香族溶媒と四塩化炭素との混合物を使用すると、四塩化 炭素を用いて調製された生成物に比べ、引張強さの顕著な低下が起こった。さら に、ほとんどのハロゲン化芳香族溶媒は、程度の差はあるが塩素化を受ける。副 生成物は、通常沸点がより高く、単離後の生成物に伴って残留する傾向がある。 加えて、塩素化された副生成物が高濃度で生成された場合、再循環の前に溶媒か らそれらを除去するために高額の分離技術が必要となる。これは、経済的に不利 である。 モノフルオロベンゼンは、例えば、特開昭60−149604号および米国特 許出願第4,663,396号に塩素化およびクロロスルホン化反応用の反応溶 媒として示唆されているが、そのような方法では大規模には利用されていない。 何故なら、上記の芳香族溶媒としての欠点に加え、モノフルオロベンゼンは空気 の存在下で加熱すると極めて引火しやすい蒸気が発生するので、その使用は危険 である。工業的規模で塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体を単離す る通常の方法は、蒸気加熱したドラム乾燥機による方法である。この方法におい ては、重合体の加熱溶液を回転している一対の乾燥機のニップに導入し、空気中 の気化により溶媒を除去する。モノフルオロベンゼンの場合、この方法は、許容 できない引火の危険をもたらす。 したがって、塩素化およびクロロスルホン化反応用の反応溶媒としてモノフル オロベンゼンを利用するために、引火の危険を減少させ、生成された重合体中に 副生成物が生成されないようにし、反応溶媒の塩素化を低下させ、十分な物性を 持つ生成物を製造する方法が必要である。 発明の要約 本発明は、低濃度の溶媒および副生成物を含有する塩素化およびクロロスルホ ン化オレフィン重合体を安全に製造および単離する方法であって、モノフルオロ ベンゼンが反応溶媒として利用される方法を提供する。これにより、変色のない 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体が製造され、さらに、反応溶媒 の塩素化が大幅に低下する。 さらに詳しくは、本発明は、残留溶媒の含量が低い塩素化オレフィン重合体を 製造する方法に関するものであって、 (a)オレフィン重合体,遊離基触媒,モノフルオロベンゼンと、塩素,塩化 スルフリル,塩素と二酸化硫黄との混合物,およびそれらの混合物からなる群か ら選ばれた塩素化剤とを並存させることにより、含水量が50ppm未満のモノ フルオロベンゼンから本質的になる溶媒中で、オレフィン重合体の溶液または懸 濁液を形成する工程であって、このモノフルオロベンゼンの含水量は、i)反応 器に導入前またはii)その場で、50ppm未満に低下されるものとし、前記塩 素化剤は前記遊離基触媒の添加と同時に、または前記遊離基触媒の添加後に導入 されるものとする、工程と; (b)前記モノフルオロベンゼンの塩素化を抑制するのに十分な遊離基触媒の 濃度を維持しながら、前記オレフィン重合体を70重量%までの塩素濃度になる まで塩素化する工程と; (c)前記塩素化されたオレフィン重合体と溶媒とを、直列配置の2つ以上の ベント式閉ループ押出機により、実質的に酸素の非存在下で、それぞれから分離 する工程であって、前記押出機のうち第1の押出機は第2の押出機の断面積の少 なくとも2倍の断面積を持つ、工程とを有し、 前記(a),(b),(c)工程により、モノフルオロベンゼンとモノフルオ ロベンゼンの塩素化された副生成物との総残留濃度が0.5重量%未満である変 色のない塩素化オレフィン重合体を製造することを特徴とする。 好ましい実施の態様においては、塩素化剤は、クロロスルホン化剤でもあり、 例えば、塩化スルフリル、塩化スルフリルと塩素との混合物、二酸化硫黄と塩素 との混合物、または塩素と塩化スルフリルと二酸化硫黄との混合物である。特に 好ましいのは塩化スルフリルである。 発明の詳細な説明 本発明の方法によれば、オレフィン重合体は、モノフルオロベンゼン中、溶液 または懸濁液状で塩素化またはクロロスルホン化され、直列配置の押出機により 実質的に酸素の非存在下で単離されて、残留溶媒および溶媒副生成物の含量が低 い、特に0.5重量%未満であるような塩素化またはクロロスルホン化生成物と なる。 前記オレフィン重合体とは、C2〜C8 α−モノオレフィンの単重合体および 共重合体(グラフト共重合体を含む)を意味する。前記共重合体は、二元もしく はより高次の共重合体、例えば、三元共重合体または四元共重合体であってもよ い。特に有用な例は、C2〜C3 α−モノオレフィンの単重合体;エチレンと一 酸化炭素との共重合体;そしてエチレンと、C3〜C10α−モノオレフィン、不 飽和のC3〜C20モノカルボン酸のC1〜C12アルキルエステル、不飽和のC3〜 C20モノまたはジカルボン酸、不飽和のC4〜C8ジカルボン酸の無水物、および 飽和のC2〜C18カルボン酸のビニールエステルからなる群から選ばれた少なく とも1つのエチレン性不飽和単量体との共重合体;を含む。これらの重合体の特 定の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体 、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、エチレンアク リル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタク リル酸n−ブチル共重合体、エチレンメタクリル酸グリシジル共重合体、エチレ ンと無水マレイン酸とのグラフト共重合体、プロピレンと無水マレイン酸とのグ ラフト共重合体、エチレンとプロピレン、ブテン、3−メチル−1−ペンテン、 ヘキセンまたはオクテンとの共重合体が含まれる。好ましいオレフィン重合体は 、ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンとブテンとの共重合体 、エチレンとオクテンとの共重合体、エチレンとアクリル酸との共重合体、エチ レンとメタクリル酸との共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体である。 上記のオレフィン重合体は、1,000〜300,000の範囲の数平均分子量 を持つ。 本発明の方法の第一の工程は、遊離基触媒の存在下、反応器内で含水量が50 ppm未満のモノフルオロベンゼンにオレフィン重合体を溶解させるか、または 懸濁させることにより行う。好ましくは、ガラスで内張りされた反応器を用いる 。本発明方法の条件を用いる時、塩素化およびクロロスルホン化反応用の溶媒と してのモノフルオロベンゼンの有用性は高まる。それは、塩素化された副生成物 の生成が減り、重合体生成物への溶媒と副生成物の連行が最少限になるからであ る。さらに、モノフルオロベンゼンから重合体を単離する際の危険性が減少する 。 クロロスルホン化反応用の溶媒としてモノフルオロベンゼンを使用することは 、それ以上の利点があることも認められている。例えば、モノフルオロベンゼン を溶媒として用いると、四塩化炭素に比べてクロロスルホン化反応中の硫黄の利 用効率は高まる。四塩化炭素中では、低温でのみ、著明な量、例えば2.5重量 %以上の硫黄がオレフィン重合体に導入でき、このような低温では重合体の沈殿 が起こる。モノフルオロベンゼンを用いると、高濃度の硫黄が高温で導入できる ので、より効率的な方法が提供される。さらに、モノフルオロベンゼンを反応溶 媒として用いると、オレフィン重合体の塩素化が均一となる。すなわち、四塩化 炭素を溶媒として用いた場合に比べ、重合体の主鎖における塩素の分布がより均 一となる。このため、所定の塩素含量でより結晶度とガラス転移温度の低い重合 体が製造される。 含水量の低いモノフルオロベンゼンは、工業規模では容易には入手できない。 本発明の目的を達成するためには、反応器に導入する前にモノフルオロベンゼン を前処理することにより調製してもよく、反応器内でその場で生成してもよい。 各種の前処理方法を用いることができるが、好ましくは、多板蒸留塔を用いた蒸 留により水分を除去する。他の方法としては、分子篩と接触させること、または シリカゲルカラムを通すことがある。その場でモノフルオロベンゼンから水分を 除去する有効な方法は、以下のとおりである。すなわち、モノフルオロベンゼン を加熱して、モノフルオロベンゼンと水との共沸混合物(大気圧で約72〜78 ℃の沸点)を気化させ、その後、この共沸混合物を反応器からフォアカット(for ecut)として除去すればよい。形成後の共沸混合物は別の貯蔵器に導き、そこに 共沸混合物を閉じ込めるようにすれば、塩素化反応下の無水モノフルオロベンゼ ン中のポリオレフィン溶液または懸濁液との接触が防げる。他のその場で実施さ れる方法には、水と反応する化合物、例えば、塩化チオニルまたはホスゲンを反 応器に添加するという方法がある。本発明では、モノフルオロベンゼンの前処理 とその場での水除去との組合せも考えられている。これは、特に有用な実施態様 である。というのは、オレフィン重合体ベース樹脂に連行され、重合体の溶解中 にモノフルオロベンゼンに取り込まれる可能性のある水分の排除をもたらすから である。 モノフルオロベンゼン溶媒の求電子塩素化が大幅に低下もしくは消失すること は、本発明の特徴である。モノクロロモノフルオロベンゼンのような塩素化され た溶媒の副生成物は、塩素化オレフィン重合体生成物から除去しにくく、また、 溶媒副生成物の生成は、溶媒再循環のための分離装置の使用を必要とするので、 この特徴は望ましい。したがって、モノクロロモノフルオロベンゼンの生成を抑 制することは、本発明の利点を達成する上で極めて重要な要因である。副生成物 、特にモノクロロモノフルオロベンゼンの生成低下は、幾つかの作業変数を調節 することにより、達成されると思われる。まず、反応混合物中の水分を低濃度に 減らす必要がある。したがって、本方法に用いられたモノフルオロベンゼンは、 50ppm未満の水を含有している。このような条件では、塩素化された副生成 物、特にモノクロロモノフルオロベンゼンの形成は、抑制されることが認められ ている。さらに、そのような条件では、生成物の分解と変色をもたらす硫酸の形 成は、実質的に無くなる。 本発明の方法の第2の工程は、遊離基触媒の存在下におけるオレフィン重合体 の塩素化である。典型的な遊離基触媒には、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキ シド、または脂肪族アゾ化合物がある。具体例としては、2,2′−アゾビス( 2−メチルプロパンニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルベン ゼンヒドロペルオキシド、およびa,a′−アゾビス(a,g−ジメチルバレロ ニトリル)がある。遊離基触媒の混合物の使用も本発明では考えられている。触 媒の添加量は、サイクル時間に依存し、サイクル時間は、塩素添加速度、重合体 の最終塩素含量、反応器の大きさに依存する。一般的には、開始剤を存在する重 合体の0.05〜3重量%の量で導入する。 オレフィン重合体のクロロスルホン化反応には、補助触媒を添加することが多 い。補助触媒としては、ピリジン、キノリン、ジアゾビシクロウンデセン、ジア ゾビシクロノナン、およびジアゾビシクロオクタンのようなアミン化合物が含ま れる。補助触媒の目的は、重合体の主鎖へのスルホニルクロリド基の導入を容易 にすることである。溶媒としてモノフルオロベンゼンを使用することのもう一つ の利点は、驚いたことにそのような追加の触媒が不要となることである。すなわ ち、モノフルオロベンゼンを反応媒体として利用すると、助触媒の非存在下で高 濃度のスルホニルクロリド基(6重量%までの硫黄)を持つ重合体の製造が可能 となる。これは、低濃度の塩素、すなわち20〜40重量%の塩素と、高濃度の 硫黄、すなわち1.5〜3.0重量%の硫黄と、を含有する重合体が望まれる場 合には、特に重要である。 オレフィン重合体の塩素化は、塩素元素を約50〜150℃、好ましくは80 〜110、の温度で反応溶媒に移行させることにより達成される。さらに、反応 は、好ましくは0.10〜0.35MPaの圧力で行われる。塩素化剤は、遊離 基触媒の添加と同時に、または遊離基触媒の添加後に反応器に添加される。モノ フルオロベンゼン溶媒の塩素化を抑制するため、反応全体で十分量の遊離基触媒 が存在することが重要である。これは、塩素化剤の添加と同時に遊離基触媒を連 続的に添加することにより、達成できる。または、塩素化反応が持続している間 、活性触媒種が存在しているような半減期を持つ十分な濃度の遊離基触媒を塩素 化剤の導入前に与えることができる。一般的に、遊離基触媒を連続的に添加する ことが好ましい。遊離基触媒の半減期は、好ましくは、80〜110℃の温度で 1分〜1時間である。 理論限界までのできるだけ高い重合体塩素濃度を与えるのに十分な塩素化剤を 導入する。ポリエチレンの場合、これはほぼ70重量%の塩素である。一般的に 、良好な耐薬品性を持つ製品を与えるには、少なくとも20重量%の塩素濃度が 望ましい。 次の実施態様においては、塩化スルフリル、塩素と二酸化硫黄との混合物、塩 素と塩化スルフリルとの混合物、またはこれら三種の試薬全部の混合物を、塩素 化剤として用いることにより、重合体主鎖塩素化と同時にクロロスルホニル硬化 部位を導入してもよい。クロロスルホン化の場合、ポリオレフィンに6重量%ま での硫黄を導入することができる。好ましくは、1〜3重量%の硫黄含量を持つ 重合体を製造する。 約20〜約45重量%の塩素濃度を持つ塩素化およびクロロスルホン化生成物 は、エラストマー、接着剤および柔軟なコーティング剤として使用される。一方 、50〜70重量%という高い塩素含量を持つ生成物は、塗膜および接着剤組成 物への添加剤として有用であり、湿潤面への接着を促進し、耐薬品性を高め る。20重量%未満の塩素濃度を持つ生成物は、流れ調整剤および表面調整剤と して有用である。 純粋な塩化スルフリルを塩素化剤またはクロロスルホン化剤として使用するか 、または塩素に対する塩化スルフリルの比率が高い塩素と塩化スルフリルとの組 合せを用いることにより、モノクロロモノフルオロベンゼン、その他のモノフル オロベンゼンの塩素化副生成物の形成は、一層抑制できることも認められている 。塩素に対する塩化スルフリルの比率が低い場合(例えば0.1未満)、水分濃 度と遊離基触媒濃度を適当に調節することにより、モノフルオロベンゼンの塩素 化が抑制できる。塩化スルフリルを唯一の塩素化剤またはクロロスルホン化剤と して使用すると、モノクロロモノフルオロベンゼンの形成は、実質的に無くなる ことが分かっている。 塩素化またはクロロスルホン化を本発明の方法にしたがって実施すると、モノ フルオロベンゼン反応媒体の塩素化は、大幅に低下する。一般的に、約0.5重 量%未満の濃度が、反応媒体中に作られ、一般的に0.1重量%未満の塩素化モ ノクロロモノフルオロベンゼンを含有する生成物が、押出により単離できる。 酸掃去剤(例えばエポキシ含有化合物)は、単離工程中の塩素化された樹脂を 一層安定化するために、単離前に重合体溶液に添加することができる。適当なエ ポキシ化合物の例としては、ジグリシジルエーテルとビスフェノールAとの縮合 生成物、エピクロロヒドリンとジフェノール、グリコールまたはグリセリンとの 縮合生成物、エポキシ化モノ不飽和アルカン類、エポキシ化大豆油がある。好ま しくは、エポキシ安定化剤はフェノキシ基を持つ。エポキシ化アルカンまたは大 豆油を用いる場合、これらは立体障害された化合物も含有する方が好ましい。 本発明の方法の第3の工程は、モノフルオロベンゼン溶媒からの塩素化または クロロスルホン化重合体生成物の単離に関わる。モノフルオロベンゼンに起因す る引火の危険があるため、ドラム乾燥機の使用(すなわち、溶液から塩素化およ びクロロスルホン化オレフィン重合体を単離するための好適な方法)は、工業規 模ではとても受け入れられないほど危険である。一般的に、塩素化またはクロロ スルホン化オレフィン重合体を単離するために押出機を使用することは、受け入 れられない方法であった。なぜなら、溶媒の混入を許容レベルにまで低下させる ために重合体が受けなければならない高温は、この方法が高速度で行われるとき 生成物の変色をもたらすからである。しかしながら、塩素化およびクロロスルホ ン化重合体に対するモノフルオロベンゼンの低い蒸気圧と比較的高い溶解性に拘 わらず、押出機を用いた方法により、高速度で優れた色安定性とともに低い残留 溶媒濃度を与えるのに十分な低い温度で、この溶媒を重合体生成物から分離でき ることが分かってきた。これは、特定の押出機構成により達成される。より詳細 には、直列に配置された少なくとも2個の押出機(第1の押出機は第2の押出機 の断面積の少なくとも2倍の断面積を持つ)を使用することにより、過度の剪断 加熱なしに、塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体のような熱過敏性 重合体の単離が可能となることが分かっている。好ましくは、2つの押出機を直 列に用い、そのうち1機は前濃縮機として作用し、一般的には垂直に装着される 。 本発明の方法によれば、実質的に酸素の非存在下で、重合体溶液を第1の押出 機に導入する。この押出機は、閉ループ装置内で生成物の脱蔵を引き起こす単軸 もしくは2軸スクリューベント式押出機でよい。スクリューは、かみ合い型でも 非かみ合い型でもよい。重合体を熱分解せずに押出量を増加させるためには、非 かみ合い型スクリューが好ましい。第1の押出機ではより早いスクリュー速度を 用いることにより高い自由体積が得られ、重合体への連行なしに効率的な蒸気− 液分離が行われる。一般的に、30重量%より多量の固体分を含む組成物を製造 するのに十分な溶媒を除去する。濃縮工程後、混合物を、スクリュー速度が第1 の押出機より低い第2の押出機に導入する。本方法の単離工程において、2機以 上の押出機を用いると、その後の押出機の各々ではより低いスクリュー速度を用 いるのが好ましい。押出機による単離はまた、溶媒の除去を助けるためキャリヤ ー流体(好ましくは水、二酸化炭素または窒素)の注入も可能にする。例えば、 直列に配置した2つの押出機のうち第2の押出機の排出端の近くに2〜5重量% の水または窒素を添加することで、重合体中の残留溶媒が低下する。閉ループ装 置の使用により、重合体溶媒混合物と酸素との接触が無くなるので、固有の方法 安全性が与えられる。さらに、回収された溶媒は再循環されるので、本方法は経 済的に魅力がある。鋼とステンレス鋼中の鉄は、重合体の分解を触媒するの で、これらの物質は、押出操作中は濃縮混合物と接触しないことが好ましい。押 出機はニッケルとクロムとの合金から構成されることが、最も好ましい。 本発明の規定にしたがい調製されて単離された塩素化またはクロロスルホン化 オレフィン重合体は、モノフルオロベンゼンとモノフルオロベンゼンの塩素化さ れた副生成物(特にモノクロロモノフルオロベンゼン)とを0.5重量%未満( 一般的には0.3重量%未満)の総残留濃度で含有する。重合体は変色しておら ず、この重合体の加硫物は、四塩化炭素中またはクロロベンゼン等の芳香族溶媒 中で調製された対応の重合体と比べ、引張強さの著明な減少を示さない。実際、 本発明の方法にしたがい製造された加硫重合体の引張強さは、四塩化炭素中で調 製された対応の組成物の引張強さと実質的に同一である。この場合、「実質的に 同一」とは、引張強さが四塩化炭素中で調製された組成物の数値の±約10%内で あることを意味する。 本発明を以下の実施例でより具体的に示すが、実施例中の部およびパーセント は全て重量部と重量パーセントである。 実施例 実施例1 攪拌機とハステロイ(hastalloy)製オーバーヘッド凝縮器を備えた113リッ トルのガラスで内張りしたオートクレーブに、汚染物として50ppmの水を含 有するモノフルオロベンゼン86kgを充填する。密度が0.960g/ccで メルトインデックスが5.2g/10分のポリエチレン単量体15kgを、前記 オートクレーブに加え、26psig(0.28MPa)に加圧し、次に115 ℃に加熱して、ポリエチレンを溶解させる。2−メチル−2,2′−アゾビスプ ロパンニトリルからなる遊離基触媒(モノフルオロベンゼン中10g/lの濃度 )を、塩素添加前に5ml/分の速度で10分間加える。触媒の添加は、反応サ イクル中、この速度で継続する。塩素ガスを2kg/時の速度で導入する。反応 温度を106〜108℃で15分間維持する。 この間、オートクレーブへの凝縮物戻り管(return line)における遮断弁を閉 じて、生成されるモノフルオロベンゼンと水との共沸混合物がオートクレーブの 中味と接触しないようにする。この間にループ封止を2度開いて、共沸混合物の 有無をチェックする。共沸混合物が存在する場合には、溶媒の曇りで証明される 。透明な液は、水とモノフルオロベンゼンとの共沸混合物が反応器の中味から除 去され、反応塊が乾燥していることを示す。遮断弁を開け、温度を99〜102 ℃に下げる。 次に、塩化スルフリルを12kg/時の速度で導入し、塩素ガス流は塩化スル フリル18kgが添加されるまで3kg/時で維持する。装置の温度を109℃ に上げながら、さらに1.2kgの塩素ガスを導入する。塩化水素と二酸化硫黄 といった副生成物をオートクレーブの圧力を大気圧に下げることにより除去し、 それにより装置の温度を85℃に下げる。酸性の副生成物の除去後、エピクロロ ヒドリンとビスフェノールAとの凝縮生成物0.35kg(当量180)を反応 混合物に添加し、生成されたクロロスルホン化ポリエチレンの安定剤とする。 安定化された最終製品は、約35重量%の総塩素含量と1.0重量%の総硫黄 含量を持つ。重合体溶液は、反応器から収容タンクに移され、収容タンクから薄 片状溶液フィルターを通して歯車ポンプによりポンプ輸送される。フィルターと 移送管は断熱されており、溶液を50℃以上の温度に維持するようになっている 。溶液を流量計と自動弁に通して一定の流量を維持し、余熱器を通して溶液の温 度を90℃以上に、圧力を約30psig(0.31MPa)に上げる。 次に、溶液を垂直に装着された70mmの異方向回転の非かみ合い型2軸スク リュー予備濃縮押出機(バレル部分のほぼ中間点に位置する供給口でのL/D比 が16:1)に導入する。押出機には、約5psig(0.14MPa)で操作 され、供給口の上部に位置し、供給液中に存在する溶媒の少なくとも半分が蒸気 の形で除去される排気口が備えられている。押出機は20orpmで操作し、バ レルは130℃に保つ。予備濃縮押出機は、脱蔵押出機の頂部に、これと垂直に 装着されている。 予備濃縮押出機の駆動装置には窒素室が嵌め込まれており、窒素室には窒素の 少量の連続流が駆動軸封止部から流入されている。脱蔵押出機は、L/D比が 40より大きな異方向回転非かみ合い型2軸スクリュー押出機である。供給点は 駆動端の少なくとも12直径分下流に位置し、窒素室も備えている。押出機に入 る製品流中の残留溶媒の約50%は、大気圧で操作され、供給点と駆動端との中 間に位置する後部の排気口から蒸気の形で除去される。残りの溶媒は、前述の排 気口における絶対圧力の半分以下に等しい絶対圧力の3つの下流排気口から段階 的に低くなる圧力で除去される。バレルは脱蔵押出機の第1の半部では150℃ の温度に加熱され、第2の半部の温度は重合体の排出温度を180℃より低く保 つように調整される。脱蔵スクリューは、予備濃縮押出機のスピードの約半分で ある100rpmで操作する。押し出された製品は劣化しておらず、供給液の色 と等しい色を持ち、合計残留量が0.5%未満であるモノフルオロベンゼンとモ ノフルオロベンゼンの塩素化副生成物とを含有している。 実施例2 実施例1の手順を以下の変更を加えて繰り返す。塩化スルフリルは用いず、塩 素ガスの添加速度は、重合体中の塩素濃度が35%になるように増加させる。さ らに、ポリエチレンの分解温度は110℃、モノフルオロベンゼン中の遊離基触 媒濃度は1%とし、触媒溶液を5cc/分の速度で連続添加する。反応温度は1 06〜110℃に維持し、塩素ガスは総量18kgが添加されるまで4kg/時 の速度で添加する。このようにして、メルトインデックスが5.2g/10分の 線状ポリエチレン15kgが35%の濃度にまで塩素化される。塩素化されたポ リエチレン製品は、実施例1に述べた直列の押出機を用いて溶液から単離され、 合計残留量が0.5%未満であるモノフルオロベンゼン溶媒とモノフルオロベン ゼンの塩素化副生成物とを含有する製品を得る。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年6月27日 【補正内容】 (原文明細書第3頁〜第4頁) らそれらを除去するために高額の分離技術が必要となる。これは、経済的に不利 である。 モノフルオロベンゼンは、例えば、特開昭60−149604号および米国特 許出願第4,663,396号に塩素化およびクロロスルホン化反応用の反応溶 媒として示唆されているが、そのような方法では大規模には利用されていない。 何故なら、上記の芳香族溶媒としての欠点に加え、モノフルオロベンゼンは空気 の存在下で加熱すると極めて引火しやすい蒸気が発生するので、その使用は危険 である。工業的規模で塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体を単離す る通常の方法は、蒸気加熱したドラム乾燥機による方法である。この方法におい ては、重合体の加熱溶液を回転している一対の乾燥機のニップに導入し、空気中 の気化により溶媒を除去する。モノフルオロベンゼンの場合、この方法は、許容 できない引火の危険をもたらす。 したがって、塩素化およびクロロスルホン化反応用の反応溶媒としてモノフル オロベンゼンを利用するために、引火の危険を減少させ、生成された重合体中に 副生成物が生成されないようにし、反応溶媒の塩素化を低下させ、十分な物性を 持つ生成物を製造する方法が必要である。 発明の要約 本発明は、低濃度の溶媒および副生成物を含有する塩素化およびクロロスルホ ン化オレフィン重合体を安全に製造および単離する方法であって、モノフルオロ ベンゼンが反応溶媒として利用される方法を提供する。これにより、変色のない 塩素化およびクロロスルホン化オレフィン重合体が製造され、さらに、反応溶媒 の塩素化が大幅に低下する。 さらに詳しくは、本発明は、残留溶媒の含量が低く、変色のない塩素化オレフ ィン重合体を製造する方法に関するものであって、 (a)オレフィン重合体,遊離基触媒,モノフルオロベンゼンと、塩素,塩化 スルフリル,塩素と二酸化硫黄との混合物,およびそれらの混合物からなる群か ら選ばれた塩素化剤とを並存させることにより、含水量が50ppm未満のモノ フルオロベンゼンから本質的になる溶媒中で、オレフィン重合体の溶液または懸 濁液を形成する工程であって、このモノフルオロベンゼンの含水量は、i)反応 器に導入前またはii)その場で、50ppm未満に低下される、工程と; (b)モノフルオロベンゼンとモノフルオロベンゼンの塩素化副生成物との総 残留濃度が0.5重量%未満となるまで、塩素化剤の添加と同時に遊離基触媒を 添加することにより、あるいは塩素化剤の導入前に充分量の触媒を添加すること により、塩素化反応の期間中、活性な遊離基触媒の濃度を維持しながら、50℃ 〜150℃の温度で、前記オレフィン重合体を70重量%までの塩素濃度になる まで塩素化する工程と; (c)前記塩素化されたオレフィン重合体と溶媒とを、直列配置の2つ以上の ベント式閉ループ押出機により、実質的に酸素の非存在下で、それぞれから分離 する工程であって、前記押出機のうち第1の押出機は第2の押出機の断面積の少 なくとも2倍の断面積を持ち、前記第1の押出機のスクリュー速度が前記第2の 押出機のスクリュー温度よりも高い、工程とを有することを特徴とする。 好ましい実施の態様においては、塩素化剤は、クロロスルホン化剤でもあり、 例えば、塩化スルフリル、塩化スルフリルと塩素との混合物、二酸化硫黄と塩素 との混合物、または塩素と塩化スルフリルと二酸化硫黄との混合物である。特に 好ましいのは塩化スルフリルである。 発明の詳細な説明 本発明の方法によれば、オレフィン重合体は、モノフルオロベンゼン中、溶液 または懸濁液状で塩素化またはクロロスルホン化され、直列配置の押出機により 実質的に酸素の非存在下で単離されて、残留溶媒および溶媒副生成物の含量が低 い、特に0.5重量%未満であるような塩素化またはクロロスルホン化生成物と なる。 (原文明細書第7頁) 態様である。というのは、オレフィン重合体ベース樹脂に連行され、重合体の溶 解中にモノフルオロベンゼンに取り込まれる可能性のある水分の排除をもたらす からである。 モノフルオロベンゼン溶媒の求電子塩素化が大幅に低下もしくは消失すること は、本発明の特徴である。モノクロロモノフルオロベンゼンのような塩素化され た溶媒の副生成物は、塩素化オレフィン重合体生成物から除去しにくく、また、 溶媒副生成物の生成は、溶媒再循環のための分離装置の使用を必要とするので、 この特徴は望ましい。したがって、モノクロロモノフルオロベンゼンの生成を抑 制することは、本発明の利点を達成する上で極めて重要な要因である。副生成物 、特にモノクロロモノフルオロベンゼンの生成低下は、幾つかの作業変数を調節 することにより、達成されると思われる。まず、反応混合物中の水分を低濃度に 減らす必要がある。したがって、本方法に用いられたモノフルオロベンゼンは、 50ppm未満の水を含有している。このような条件では、塩素化された副生成 物、特にモノクロロモノフルオロベンゼンの形成は、抑制されることが認められ ている。さらに、そのような条件では、生成物の分解と変色をもたらす硫酸の形 成は、実質的に無くなる。 本発明の方法の第2の工程は、遊離基触媒の存在下におけるオレフィン重合体 の塩素化である。典型的な遊離基触媒には、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキ シド、または脂肪族アゾ化合物がある。具体例としては、2,2′−アゾビス( 2−メチルプロパンニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルベン ゼンヒドロペルオキシド、およびα,α′−アゾビス(α,γ−ジメチルバレロ ニトリル)がある。遊離基触媒の混合物の使用も本発明では考えられている。触 媒の添加量は、サイクル時間に依存し、サイクル時間は、塩素添加速度、重合体 の最終塩素含量、反応器の大きさに依存する。一般的には、開始剤を存在する重 合体の0.05〜3重量%の量で導入する。 オレフィン重合体のクロロスルホン化反応には、補助触媒を添加することが多 い。 (原文明細書第12頁) 本発明を以下の実施例でより具体的に示すが、実施例中の部およびパーセント は全て重量部と重量パーセントである。 実施例 実施例1 攪拌機とハステロイ(Hastalloy)製オーバーヘッド凝縮器を備えた113リッ トルのガラスで内張りしたオートクレーブに、汚染物として50ppmの水を含 有するモノフルオロベンゼン86kgを充填する。密度が0.960g/ccで メルトインデックスが5.2g/10分のポリエチレン単量体15kgを、前記 オートクレーブに加え、26psig(0.28MPa)に加圧し、次に115 ℃に加熱して、ポリエチレンを溶解させる。2−メチル−2,2′−アゾビスプ ロパンニトリルからなる遊離基触媒(モノフルオロベンゼン中10g/lの濃度 )を、塩素添加前に5ml/分の速度で10分間加える。触媒の添加は、反応サ イクル中、この速度で継続する。塩素ガスを2kg/時の速度で導入する。反応 温度を106〜108℃で15分間維持する。 この間、オートクレーブへの凝縮物戻り管(return line)における遮断弁を閉 じて、生成されるモノフルオロベンゼンと水との共沸混合物がオートクレーブの 中味と接触しないようにする。この間にループ封止を2度開いて、共沸混合物の 有無をチェックする。共沸混合物が存在する場合には、溶媒の曇りで証明される 。透明な液は、水とモノフルオロベンゼンとの共沸混合物が反応器の中味から除 去され、反応塊が乾燥していることを示す。遮断弁を開け、温度を99〜102 ℃に下げる。 次に、塩化スルフリルを12kg/時の速度で導入し、塩素ガス流は塩化スル フリル18kgが添加されるまで3kg/時で維持する。装置の温度を109℃ に上げながら、さらに1.2kgの塩素ガスを導入する。塩化水素と二酸化硫黄 といった副生成物をオートクレーブの圧力を大気圧に下げることにより除去し、 それにより装置の温度を85℃に下げる。酸性の副生成物の除去後、エピクロロ ヒドリンとビスフェノールAとの凝縮生成物0.35kg(当量180)を反応 混合物に添加し、生成されたクロロスルホン化ポリエチレンの安定剤とする。 請求の範囲 1.残留溶媒の含量が低く、変色のない塩素化オレフィン重合体の製造方法であ って、 (a)オレフィン重合体,遊離基触媒,モノフルオロベンゼンと、塩素,塩化 スルフリル,塩素と二酸化硫黄との混合物,およびそれらの混合物からなる群か ら選ばれた塩素化剤とを並存させることにより、含水量が50ppm未満のモノ フルオロベンゼンから本質的になる溶媒中で、オレフィン重合体の溶液または懸 濁液を形成する工程であって、このモノフルオロベンゼンの含水量は、i)反応 器に導入前またはii)その場で、50ppm未満に低下される、工程と; (b)モノフルオロベンゼンとモノフルオロベンゼンの塩素化副生成物との総 残留濃度が0.5重量%未満となるまで、塩素化剤の添加と同時に遊離基触媒を 添加することにより、あるいは塩素化剤の導入前に充分量の触媒を添加すること により、塩素化反応の期間中、活性な遊離基触媒の濃度を維持しながら、50℃ 〜150℃の温度で、前記オレフィン重合体を70重量%までの塩素濃度になる まで塩素化する工程と; (c)前記塩素化されたオレフィン重合体と溶媒とを、直列配置の2つ以上の ベント式閉ループ押出機により、実質的に酸素の非存在下で、それぞれから分離 する工程であって、前記押出機のうち第1の押出機は第2の押出機の断面積の少 なくとも2倍の断面積を持ち、前記第1の押出機のスクリュー速度が前記第2の 押出機のスクリュー温度よりも高い、工程とを有することを特徴とする塩素化オ レフィン重合体の製造方法。 2.塩素化剤がクロロスルホン化剤であることを特徴とする請求項1に記載の塩 素化オレフィン重合体の製造方法。 3.塩素化剤が塩素であることを特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン 重合体の製造方法。 4.クロロスルホン化剤が塩化スルフリルであることを特徴とする請求項2に記 載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),JP (72)発明者 ブラゲル,エドワード,ガス アメリカ合衆国 19810―2357 デラウエ ア州 ウィルミントン カントリー ゲイ ツ ドライブ 16 (72)発明者 エニス,ロイス,エルトン アメリカ合衆国 77656―8919 テキサス 州 シルスビー ロウリー レーン 150 (72)発明者 ソープ,ジェリー,ウエイン アメリカ合衆国 77707―5418 テキサス 州 ビューモント ペブル ビーチ 7415

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.残留溶媒の含量が低い塩素化オレフィン重合体の製造方法であって、 (a)オレフィン重合体,遊離基触媒,モノフルオロベンゼンと、塩素,塩化 スルフリル,塩素と二酸化硫黄との混合物,およびそれらの混合物からなる群か ら選ばれた塩素化剤とを並存させることにより、含水量が50ppm未満のモノ フルオロベンゼンから本質的になる溶媒中で、オレフィン重合体の溶液または懸 濁液を形成する工程であって、このモノフルオロベンゼンの含水量は、i)反応 器に導入前またはii)その場で、50ppm未満に低下されるものとし、前記塩 素化剤は前記遊離基触媒の添加と同時に、または前記遊離基触媒の添加後に導入 されるものとする、工程と; (b)前記モノフルオロベンゼンの塩素化を抑制するのに十分な遊離基触媒の 濃度を維持しながら、前記オレフィン重合体を70重量%までの塩素濃度になる まで塩素化する工程と; (c)前記塩素化されたオレフィン重合体と溶媒とを、直列配置の2つ以上の ベント式閉ループ押出機により、実質的に酸素の非存在下で、それぞれから分離 する工程であって、前記押出機のうち第1の押出機は第2の押出機の断面積の少 なくとも2倍の断面積を持つ、工程とを有し、 前記(a),(b),(c)工程により、モノフルオロベンゼンとモノフルオ ロベンゼンの塩素化された副生成物との総残留濃度が0.5重量%未満である変 色のない塩素化オレフィン重合体を製造することを特徴とする塩素化オレフィン 重合体の製造方法。 2.塩素化剤がクロロスルホン化剤であることを特徴とする請求項1に記載の塩 素化オレフィン重合体の製造方法。 3.塩素化剤が塩素であることを特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン 重合体の製造方法。 4.クロロスルホン化剤が塩化スルフリルであることを特徴とする請求項2に記 載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 5.オレフィン重合体が、C2〜C3 α−モノオレフィンの単重合体;エチレン と一酸化炭素との共重合体;そしてエチレンと、C3〜C10α−モノオレフィン 、不飽和のC3〜C20モノカルボン酸のC1〜C12アルキルエステル、不飽和のC3 〜C20モノまたはジカルボン酸、不飽和のC4〜C8ジカルボン酸の無水物、お よび飽和のC2〜C18カルボン酸のビニールエステルからなる群から選ばれた少 なくとも1つのエチレン性不飽和単量体との共重合体;からなる群から選ばれる ことを特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 6.オレフィン重合体がポリエチレンであることを特徴とする請求項5に記載の 塩素化オレフィン重合体の製造方法。 7.オレフィン重合体がエチレンとオクテンとの共重合体であることを特徴とす る請求項5に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 8.オレフィン重合体が20〜70重量%塩素含量にまで塩素化されていること を特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 9.塩素化されたオレフィン重合体が6重量%までの硫黄濃度を持つことを特徴 とする請求項8に記載の塩素化およびオレフィン重合体の製造方法。 10.塩素化されたオレフィン重合体が1〜3重量%の硫黄濃度を持つことを特 徴とする請求項9に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 11.オレフィン重合体が50〜70重量%塩素含量にまで塩素化されているこ とを特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 12.遊離基触媒が工程(b)を通して連続的に添加されることを特徴とする請 求項1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 13.直列の押出機が2つの押出機からなることを特徴とする請求項1に記載の 塩素化オレフィン重合体の製造方法。 14.直列の押出機において後になる各々の押出機のスクリュー速度が直列の押 出機において前になる押出機のスクリュー速度より低いことを特徴とする請求項 1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 15.少なくとも1つの押出機は非かみ合い型スクリュー押出機であることを特 徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 16.押出機の構成材料はニッケルクロム合金であることを特徴とする請求項1 に記載の塩素化オレフィン重合体の製造方法。 17.モノフルオロベンゼンとモノクロロモノフルオロベンゼンの総残留濃度は 0.3重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の塩素化オレフィン重 合体の製造方法。
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