JP3235137B2 - 塩素化ポリオレフィンの製造法 - Google Patents

塩素化ポリオレフィンの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用範囲】本発明は塩素化ポリオレフィンの
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ポリオ
レフィンを、溶剤として、1,1,2−トリクロロエタ
ンに不純物として含まれるアルコール化合物及び/又は
エポキシ化合物を除去した1,1,2−トリクロロエタ
ンに溶解又は懸濁させて塩素化反応を行うことから塩素
化ポリオレフィンを製造する製造方法に関するものであ
る。
【0002】る。
【従来の技術】ポリオレフィンを溶剤に溶解又は懸濁さ
せて塩素化ポリオレフィンを製造することが知られてい
る。又この溶剤として四塩化炭素が用いられて来た。し
かしながら、1990年6月に行なわれた『オゾン層を
破壊する物質に関するモントリオール議定書』(以下
『議定書』と言う)の改定により、四塩化炭素が規制対
象物質とされた結果、1995年以降、塩素化ポリオレ
フィンの商業生産用に四塩化炭素を使用することは困難
が伴うことになった。このため四塩化炭素を使用しない
新たな塩素化ポリオレフィン製造法が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地球環境保
護の観点から、議定書の規制対象外物質である1,1,
2−トリクロロエタンに不純物として含まれるアルコー
ル化合物及び/又はエポキシ化合物を除去した1,1,
2−トリクロロエタンを溶剤に用い、商業的に価値の有
する塩素化ポリオレフィンの製造法を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、溶剤に溶
解又は懸濁させたポリオレフィンを、ラジカル発生剤を
触媒とし、塩素ガスあるいは塩化スルフリルを用いて塩
素化反応を行うに際し、溶剤として1,1,2−トリク
ロロエタンに不純物として含まれるアルコール化合物及
び/又はエポキシ化合物を除去した1,1,2−トリク
ロロエタンを溶剤に用いることを特徴とする塩素化ポリ
オレフィンの製造法である。以下にその詳細について説
明する。
【0005】
【作用】本発明における溶剤は、議定書の規制対象外物
質である1,1,2−トリクロロエタンに不純物として
含まれるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を
除去した1,1,2−トリクロロエタンが用いられる。
【0006】塩素化を行う反応はラジカル発生剤を触媒
として、塩素ガスあるいは塩化スルフリルを、溶剤とし
て、1,1,2−トリクロロエタンに不純物として含ま
れるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を除去
した1,1,2−トリクロロエタンに溶解あるいは懸濁
したポリオレフィンと反応させる。反応温度は40〜1
50℃、好ましくは60〜130℃であり、反応圧力は
0〜10kg/cm2、好ましくは0〜7kg/cm2
ある。
【0007】ラジカル発生剤としては、アゾ系化合物あ
るいは有機過酸化物等が用いられる。アゾ系化合物とし
てはα,α´−アゾビスイソブチロニチリル、アゾビス
シクロヘキサンカルボニトリル、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、有
機過酸化物としては過酸化ベンゾイル、過酸化アセチ
ル、過酸化t−ブチル、過安息香酸t−ブチル等が挙げ
られる。好ましくはアゾ化合物であり、特に好ましくは
α,α´−アゾビスイソブチロニチリルである。
【0008】原料となるポリオレフィンには、例えば高
密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン
・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・プロピレ
ン共重合体(EPM)等のエチレンホモポリマー、コポ
リマーが挙げられる。
【0009】反応の終了後、生成物ポリマーを溶剤と分
離する方法には、水蒸気蒸留、ドラムドライヤー、ベン
ト付き押出機が知られており、これらの方法により両者
が分離される。
【0010】しかしながら回収された1,1,2−トリ
クロロエタン中には、1,1,2−トリクロロエタンの
一部が反応中に塩素化されて副生する1,1,2,2−
テトラクロロエタンが含有される。これを再び反応に使
用することにより、回収された1,1,2−トリクロロ
エタン中の1,1,2,2−テトラクロロエタン濃度が
徐々に増加する。この1,1,2,2−テトラクロロエ
タンは沸点が146.3℃と高いために、溶剤と分離さ
れて得られた塩素化ポリオレフィン中に1,1,2,2
−テトラクロロエタンが残存し、エラストマーの物性上
様々な悪影響を与える。このため回収された1,1,2
−トリクロロエタンより1,1,2,2−テトラクロロ
エタンを除去すること及び1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンの副生そのものを押えることが重要である。
【0011】回収された1,1,2−トリクロロエタン
より1,1,2,2−テトラクロロエタンを除去する方
法は蒸留によるのが簡便で良い。このように精製された
1,1,2−トリクロロエタンは再び反応機へとリサイ
クルされる。
【0012】一方反応中に1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンの生成を押える方法としては、まず塩素化試剤
としての塩素の使用を避け、塩化スルフリルを単独で用
いるプロセスが効果的である。特にこの際の反応温度は
60〜130℃の比較的低温で行なうことが望ましい。
【0013】さらに本発明に用いる1,1,2−トリク
ロロエタン溶剤よりアルコール化合物及び/又はエポキ
シ化合物を除去して反応を行なうことも重要である。
【0014】市販されている1,1,2−トリクロロエ
タンはしばしば0.5〜2.0%のアルコール化合物及
び/又はエポキシ化合物を不純物として含有している。
ここまでに言うアルコール化合物とは水酸基を有する化
合物であり、例えばエチルアルコールやブチルアルコー
ル等が挙げられる。またここまでに言うエポキシ化合物
とはエポキシ基を有する化合物であり、例えば1,2−
エポキシプロパンや1,2−エポキシブタン等が挙げら
れる。
【0015】アルコール化合物及び/又はエポキシ化合
物を不純物として含有する1,1,2−トリクロロエタ
ンを溶剤として合成された塩素化ポリオレフィンは淡黄
色に着色しており、また配合物がスコーチを起こしやす
い。例えば、塩素化ポリオレフィンは、難燃性、耐候
性、耐オゾン性、耐薬品性、電気特性等に優れた特性を
有することから、塩化ビニル等の樹脂改質剤、明色電
線、明色スポンジに使用される。これらは、その色彩の
美しさを特徴の一つとするため、塩素化ポリオレフィン
自身の着色は好ましくない。また配合物のスコーチタイ
ムが短くスコーチを起こしやすいことは、塩素化ポリオ
レフィンをホース、電線等の最終製品へと加工する際
に、加工安全性を損うものとなり問題である。
【0016】本発明者らが鋭意検討を行なった結果、ア
ルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を除去した
1,1,2−トリクロロエタンを溶剤として合成された
塩素化ポリオレフィンは純白で着色が見られず、またス
コーチの安定性にも優れた商業的に価値の有する塩素化
ポリオレフィンとなることが判った。また加硫後の強度
や伸びあるいは硬さ等には両者の違いが見当らず、加硫
物性の面からは両者を区別する特徴は見当らないことが
判った。しかし加硫物性に違いが見当らないことが本発
明の意義を失わせるものではない。
【0017】本発明において1,1,2−トリクロロエ
タン溶剤よりアルコール化合物及び/又はエポキシ化合
物を除去する方法には、たとえば、まずアルコール化合
物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有する
1,1,2−トリクロロエタンを硫酸水溶液で撹拌洗浄
し、次に塩酸水溶液で撹拌洗浄し、さらに蒸留水で有機
層が中性となるまで撹拌洗浄して除去する方法がある。
この洗浄法は簡便で、工業的にも好ましい方法である。
【0018】本発明で言う塩素化ポリオレフィンには例
えば先に述べたような原料ポリオレフィンの種類に従い
塩素化ポリエチレン、塩素化エチレン・プロピレン共重
合体、塩素化エチレン・ブテン共重合体、塩素化エチレ
ン・ヘキセン共重合体、塩素化エチレン・酢酸ビニル共
重合体が挙げられる。
【0019】得られた生成物は従来のゴムあるいは樹脂
と同様に配合と混練を行ない、加硫物あるいは未加硫物
で使用される。配合剤としては、マグネシアや水酸化カ
ルシウム等の加硫剤、カーボンブラックやホワイトカー
ボン等の補強剤、炭酸カルシウムやタルク等の充填剤、
可塑剤、加工助剤、老化防止剤あるいは加硫促進剤等の
ゴムあるいは樹脂用配合剤が挙げられる。加硫方法には
蒸気加硫、UHF加硫、熱空気加硫、インジェクショ
ン、モールドあるいはロートキュアー等の一般的手法が
挙げられる。
【0020】最終用途には既存の塩素化ポリオレフィン
と同様、電線被覆材、塩ビ、PE、PP、PSおよびA
BS等の樹脂改質、ゴム磁石、弱電部品、自動車部品、
ゴム部品、防水シート、スポンジ等が挙げられる。
【0021】
【実施例】次に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく
説明するが、これらは本発明を助けるための例であって
本発明はこれらの実施例より何等の制限を受けるもので
はない。なおこれらの実施例で用いた値は以下の測定方
法に準拠して得られたものである。 塩素含量:燃焼フラスコ法 未加硫ゴム物性:JIS K 6300 加硫ゴム物性:JIS K 6301 生成物の色相:目視による 促進劣化による生成物の色相の安定生:70℃ギヤオー
ブン法、目視による 1,1,2−トリクロロエタン中の1,1,2,2−テ
トラクロロエタンの含有量:ガスクロマトグラフィー 実施例1 反応に先立ち以下の方法で1,1,2−トリクロロエタ
ン中に含まれる1−ブタノール及び1,2−エポキシブ
タンを除いた。関東化学株式会社製の1,1,2−トリ
クロロエタンを5kgと26%硫酸水溶液を2.5kg
とを下口付き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌
し、静置後下層の有機層を抜出し、次に抜出した有機層
と36%塩酸水溶液を5kgとを下口付き10リッター
フラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下層の有機層を抜
出す。次に抜出した有機層と蒸留水を5kgとを下口付
き10リッターフラスコに入れ激しく撹拌し、静置後下
層の有機層を抜出す操作を3回繰返すことによって不純
物の1−ブタノール及び1,2−エポキシブタンを除い
た。さらに抜出した有機層にモレキュラーシーブス4A
を150g添加しスターラーで撹拌することによって脱
水した。
【0022】30リッターのグラスライニング製オート
クレーブに上記の操作により1−ブタノール及び1,2
−エポキシブタンを除去した1,1,2−トリクロロエ
タンを28kgと、メルトインデックス3.8g/10
分、密度0.963g/ccの高密度ポリエチレンを
1.96kg仕込んだ。反応器のジャケットに蒸気を通
し、120℃で2時間保持することによってポリエチレ
ンを均一に溶解した。またこの間、反応器に15リッタ
ー/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空
気を排除した。ラジカル開始剤として2.65gのα,
α´−アゾビスイソブチロニチリルを1−ブタノール及
び1,2−エポキシブタンを除去した1,1,2−トリ
クロロエタン2.9kgに溶解した。この溶液を連続的
に反応器へと添加しつつ、塩素ガスを別の投入口より反
応器へ6リッター/分の流量で130分導入することか
ら反応を行なった。反応温度を115℃、反応器の圧力
を3.5kg/cmに保った。反応の終了後、圧力を
常圧に戻し反応器の温度を70℃まで低下させて、70
℃に保ちながら窒素を導入して反応液に残存する塩素ガ
スと塩化水素ガスを除いた。安定剤として43gの2,
2´−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン
を添加した後、この溶液を155℃に加熱したドラムド
ライヤーにフィードして、生成物としての塩素化ポリエ
チレンを溶剤から分離した。
【0023】生成物は純白の色相を有しており、分析の
結果この塩素化ポリエチレンは35.5%の塩素含むこ
とが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は62であった。熱による促進試験より生成物の
色相の安定性を試験したが、70℃の10日を経過して
も色相に変化は見られなかった。
【0024】さらに生成物は表1に示す配合により混練
され、スコーチタイムに代表される未加硫物の物性と引
張り強さ等の加硫物性を測定した。
【0025】 表1 ──────────────────────── 重量部 塩素化ポリエチレン 100 マグネシア 10 SRF *1) 30 DOS *2) 10 TAIC *3) 4 DCP *4) 3 ──────────────────────── *1) カーボンブラック *2) ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート *3) トリアリル・イソシアヌレート *4) ジクミルペルオキシド 得られた値はこれをまとめて表2に示す。
【0026】一方ドラムドライヤーにて分離された1,
1,2−トリクロロエタンは分析の結果その0.3%が
塩素化を受け、1,1,2,2−テトラクロロエタンを
生成していた。この1,1,2−トリクロロエタンは蒸
留により1,1,2,2−テトラクロロエタンを除き、
次なる反応に用いた。
【0027】実施例2 原料のポリオレフィンをメルトインデックス1.1g/
分、密度0.965g/ccの高密度ポリエチレンに変
え、塩素ガスを6リッター/分の流量で150分導入し
た以外は実施例1と同一の方法で反応を行ない、続いて
生成物を分離した。
【0028】生成物は純白の色相を有しており、分析の
結果この塩素化ポリエチレンは37.5%の塩素を含む
ことが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,1
00℃)は106であった。熱による促進試験より生成
物の色相の安定性を試験したが、70℃の10日を経過
しても色相に変化は見られなかった。
【0029】さらに生成物は表1に示す配合により混練
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。これをま
とめて表2に示す。
【0030】一方ドラムドライヤーにて分離された1,
1,2−トリクロロエタンは分析の結果その0.3%が
塩素化を受け、1,1,2,2−テトラクロロエタンを
生成していた。この1,1,2−トリクロロエタンは蒸
留により1,1,2,2−テトラクロロエタンを除き、
次なる反応に用いた。
【0031】実施例3 原料のポリオレフィンをメルトインデックス5.5g/
分、密度0.963g/ccの高密度ポリエチレンに変
えた以外は実施例2と同一の方法で反応を行ない、続い
て生成物を分離した。
【0032】生成物は純白の色相を有しており、分析の
結果この塩素化ポリエチレンは37.3%の塩素を含む
ことが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,1
00℃)は46であった。熱による促進試験より生成物
の色相の安定性を試験したが、70℃の10日を経過し
ても色相に変化は見られなかった。
【0033】さらに生成物は表1に示す配合により混練
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。これをま
とめて表2に示す。
【0034】一方ドラムドライヤーにて分離された1,
1,2−トリクロロエタンは分析の結果その0.3%が
塩素化を受け、1,1,2,2−テトラクロロエタンを
生成していた。この1,1,2−トリクロロエタンは蒸
留により1,1,2,2−テトラクロロエタンを除き、
次なる反応に用いた。
【0035】実施例4 原料のポリオレフィンをメルトインデックス5.0g/
分、密度0.921g/ccの線状低密度ポリエチレン
(エチレン・ブテン1共重合体)に変え、塩素ガスを6
リッター/分の流量で85分間導入した以外は実施例1
と同一の方法で反応を行ない、続いて生成物を分離し
た。
【0036】生成物は純白の色相を有しており、分析の
結果この塩素化エチレン・ブテン1共重合体は27.1
%の塩素を含むことが判った。生ゴムのムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は39であった。熱による促
進試験より生成物の色相の安定性を試験したが、70℃
の10日を経過しても色相に変化は見られなかった。
【0037】さらに生成物は表1に示す配合により混練
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。これをま
とめて表2に示す。
【0038】一方ドラムドライヤーにて分離された1,
1,2−トリクロロエタンは分析の結果その0.2%が
塩素化を受け、1,1,2,2−テトラクロロエタンを
生成していた。この1,1,2−トリクロロエタンは蒸
留により1,1,2,2−テトラクロロエタンを除き、
次なる反応に用いた。
【0039】実施例5 原料のポリオレフィンをメルトインデックス6.0g/
分、密度0.900g/ccの超低密度ポリエチレン
(エチレン・α−オレフィン共重合体)に変え、塩素ガ
スを6リッター/分の流量で100分間導入した以外は
実施例1と同一の方法で反応を行ない、続いて生成物を
分離した。
【0040】生成物は純白の色相を有しており、分析の
結果この塩素化エチレン・α−オレフィン共重合体は2
9.9%の塩素を含むことが判った。生ゴムのムーニー
粘度(ML1+4,100℃)は42であった。熱によ
る促進試験より生成物の色相の安定性を試験したが、7
0℃の10日を経過しても色相に変化は見られなかっ
た。
【0041】さらに生成物は表1に示す配合により混練
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。これをま
とめて表2に示す。
【0042】一方ドラムドライヤーにて分離された1,
1,2−トリクロロエタンは分析の結果その0.2%が
塩素化を受け、1,1,2,2−テトラクロロエタンを
生成していた。この1,1,2−トリクロロエタンは蒸
留により1,1,2,2−テトラクロロエタンを除き、
次なる反応に用いた。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【表2】 以上の実施例と比較例を参照すれば明らかなように、本
発明で得られる塩素化ポリオレフィンは、純白の色相を
有し、またスコーチの安定性にも優れた商業的価値の高
いものであることが判る。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は地球の成層圏に存在するオゾン層への悪影響を示さな
い工業的製造プロセスを確立するものであり、かつ本発
明により得られる塩素化ポリオレフィンは、アルコール
化合物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有す
る1,1,2−トリクロロエタンを溶剤として用いた際
に問題となる生成物の着色とスコーチの安定性を改良し
たものであり、その商業的価値を高めることが可能とな
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィン
    を、ラジカル発生剤を触媒とし、塩素ガスあるいは塩化
    スルフリルを用いて塩素化反応を行うに際し、溶剤とし
    1,1,2−トリクロロエタンに不純物として含まれ
    るアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を除去し
    1,1,2−トリクロロエタンを溶剤に用いることを
    特徴とする塩素化ポリオレフィンの製造法。
  2. 【請求項2】 反応で生成した塩素化ポリオレフィンを溶
    剤と分離した後、該溶剤中に副生する該溶剤の塩素付加
    物を系外に除去し、得られた1,1,2−トリクロロエ
    タンを再び反応に使用することを特徴とする請求項1
    記載の製造法。
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