JP3286856B2 - 塩素化ポリオレフィンの製造法 - Google Patents
塩素化ポリオレフィンの製造法Info
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Description
製造法に関するものである。さらに詳しくは、ポリオレ
フィンを1,1,2−トリクロロエタンに溶解又は懸濁
させて塩素化反応を行なうことを特徴とする、低温特性
及び明色性に優れた塩素化ポリオレフィンの製造法に関
するものである。
ンを溶媒に溶解又は懸濁させ、塩素化することによって
製造され、分子中には塩素が10〜80重量%含まれ
る。この塩素化ポリオレフィンは、加硫物あるいは未加
硫物で使用され、難燃性、耐候性、耐オゾン性、耐薬品
性、電気特性等に優れた特性を有することから、塩化ビ
ニル等の樹脂改質剤、明色電線、明色スポンジとして利
用される。
点のひとつとして、耐寒性に乏しいことがあげられる。
に副生した塩化水素ガスおよび/または亜硫酸ガスが含
まれる。この塩化水素ガスおよび亜硫酸ガスは腐食性物
質であり、これらの腐食性物質を含む溶液から塩素化ポ
リオレフィンを単離することは製造処方上好ましくな
い。よってこれらの腐食性物質を反応系外に除去した後
に塩素化ポリオレフィンは単離される。従来、反応時に
副生した塩化水素ガスおよび/または亜硫酸ガスを反応
系外に除去するために、用いる溶媒の沸点温度にて窒素
を吹込むことによる方法が行われていた。しかしなが
ら、沸点の高い溶媒(例えば沸点が100℃以上の溶
媒)を用いて塩素化ポリオレフィンを製造する場合に於
いて、溶媒の沸点温度にて副生した塩化水素および/ま
たは亜硫酸ガスを反応系外に除去した場合、得られる塩
素化ポリオレフィンが着色する問題が発生していた。
ィンの特徴である明色性を著しく損うものであり、その
解決方法が望まれていた。
−トリクロロエタンを溶剤に用い、低温特性及び明色性
に優れた、商業的に価値の有する塩素化ポリオレフィン
の製造法を提供することを目的とする。
解又は懸濁させたポリオレフィンを、ラジカル発生剤を
触媒とし、塩素ガスあるいは塩化スルフリルを用いて塩
素化反応を行なうに際し、溶剤として1,1,2ートリ
クロロエタンを溶剤に用い、反応時に副生した塩化水素
ガスおよび/または亜硫酸ガスを反応系外に除去するに
工程において、工程中の温度を90℃以下に制御するこ
とによる低温特性及び明色性に優れた塩素化ポリオレフ
ィンの製造方法に関する。以下にその詳細について説明
する。
ロエタンが用いられる。
媒として、塩素ガスあるいは塩化スルフリルを、1,
1,2−トリクロロエタンに溶解あるいは懸濁したポリ
オレフィンと反応させる。反応温度は40〜150℃、
好ましくは60〜130℃であり、反応圧力は0〜10
kg/cm2、好ましくは0〜7kg/cm2である。ラ
ジカル発生剤としては、アゾ系化合物あるいは有機過酸
化物等が用いられる。アゾ系化合物としてはα,α´−
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)等が挙げられ、有機過酸化物として
は過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化t−ブチ
ル、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。好ましくは
アゾ化合物であり、特に好ましくはα,α´−アゾビス
イソブチロニトリルである。
密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・プロピレン
共重合体(EPM)等のエチレンホモポリマー、コポリ
マーが挙げられる。
水素ガスおよび/または亜硫酸ガスは窒素を導入するこ
とによって除かれる。また、減圧下において塩化水素ガ
スおよび/または亜硫酸ガスの除去を行っても何等問題
はない。その際、反応系中の温度が90℃以下であるこ
とが重要である。反応系中の温度が90℃を超える温度
で塩化水素ガスおよび/または亜硫酸ガスの除去を行っ
た場合は、得られる塩素化ポリオレフィンが着色する。
除去の後、必要に応じて安定剤を添加する。安定剤には
2,2´−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロ
パンのようなエポキシ化合物が好ましい。
は、水蒸気蒸留、ドラムドライヤー、ベント付き押出機
が知られており、これらの方法により両者が分離され
る。
えば先に述べたような原料ポリオレフィンの種類に従い
塩素化ポリエチレン、塩素化エチレン・プロピレン共重
合体、塩素化エチレン・ブテン共重合体、塩素化エチレ
ン・ヘキセン共重合体、塩素化エチレン・酢酸ビニル共
重合体が挙げられる。
と同様に配合と混練を行ない、加硫物あるいは未加硫物
で使用される。配合剤としては、マグネシアや水酸化カ
ルシウム等の加硫剤、カーボンブラックやホワイトカー
ボン等の補強剤、炭酸カルシウムやタルク等の充填剤、
可塑剤、加工助剤、老化防止剤あるいは加硫促進剤等の
ゴムあるいは樹脂用配合剤が挙げられる。加硫方法には
蒸気加硫、UHF加硫、熱空気加硫、インジェクショ
ン、モールドあるいはロートキュアー等の一般的手法が
挙げられる。
と同様、電線被覆材、塩ビ、PE、PP、PSおよびA
BS等の樹脂改質、ゴム磁石、弱電部品、自動車部品、
ゴム部品、防水シート、スポンジ等が挙げられる。
説明するが、これらは本発明を助けるための例であって
本発明はこれらの実施例より何等の制限を受けるもので
はない。
定方法に準拠して得られたものである。
0℃ギヤオーブン法、目視による。
1,1,2−トリクロロエタンを28kgと、メルトイ
ンデックス3.8g/10分、密度0.963g/cc
の高密度ポリエチレンを1.96kg仕込んだ。
℃で2時間保持することによってポリエチレンを均一に
溶解した。またこの間、反応器に15リッター/分の流
速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を排除し
た。
´−アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリク
ロロエタン2.9kgに溶解した。この溶液を連続的に
反応器へと添加しつつ、塩素ガスを別の投入口より反応
器へ6リッター/分の流量で130分導入することから
反応を行なった。反応温度を115℃、反応器の圧力を
3.5kg/cm2に保った。
温度を70℃まで低下させて、70℃に保ちながら窒素
を導入して反応液に残存する塩素ガスと塩化水素ガスを
除いた。
−グリシジルオキシフェニル)プロパンを添加した後、
この溶液を155℃に加熱したドラムドライヤーにフィ
ードして、生成物としての塩素化ポリエチレンを溶剤か
ら分離した。
結果この塩素化ポリエチレンは35.7%の塩素含むこ
とが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100
℃)は63であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、スコーチタイムに代表される未加硫物の物性と引
張り強さ等の加硫物性を測定した。
分、密度0.965g/ccの高密度ポリエチレンに変
え、塩素ガスを6リッター/分の流量で150分導入し
た以外は実施例1と同一の方法で反応を行ない、続いて
生成物を分離した。
結果この塩素化ポリエチレンは36.9%の塩素を含む
ことが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は103であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
分、密度0.921g/ccの線状低密度ポリエチレン
(エチレン・ブテン1共重合体)に変え、塩素ガスを6
リッター/分の流量で85分間導入した以外は実施例1
と同一の方法で反応を行ない、続いて生成物を分離し
た。
結果この塩素化エチレン・ブテン1共重合体は27.4
%の塩素を含むことが判った。生ゴムのムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は40であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
程に際し、工程中の温度を溶媒である1,1,2−トリ
クロロエタンの沸点である113℃にて行った以外は実
施例1と同一の方法で反応を行ない、続いて生成物を分
離した。
果この塩素化ポリエチレンは35.5%の塩素を含むこ
とが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100
℃)は62であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
スを反応系外に除去する工程に際し、工程中の温度を溶
媒である四塩化炭素の沸点である76.8℃にて行った
以外は実施例1と同一の方法で反応を行ない、続いて生
成物を分離した。
結果この塩素化ポリエチレンは35.4%の塩素を含む
ことが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は62であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
一の方法で反応を行ない、続いて生成物を分離した。
結果この塩素化ポリエチレンは35.5%の塩素を含む
ことが判った。生ゴムのムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)は61であった。
性を試験したが、70℃の5日を経過すると褐色に変色
した。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
スを反応系外に除去する工程に際し、工程中の温度を溶
媒である四塩化炭素の沸点である76.8℃にて行った
以外は実施例3と同一の方法で反応を行ない、続いて生
成物を分離した。
の結果この塩素化エチレン・ブテン1共重合体は27.
2%の塩素を含むことが判った。生ゴムのムーニー粘度
(ML1+4,100℃)は40であった。
性を試験したが、70℃の10日を経過しても色相に変
化は見られなかった。
され、未加硫物の物性と加硫物性を測定した。
なように、本発明で得られる塩素化ポリオレフィンは、
低温特性に優れ、かつ純白の色相を有する商業的価値の
高いものである事が判る。
エタンを用いることによる塩素化ポリオレフィンの製造
法を確立するものであり、かつ本発明により得られる塩
素化ポリオレフィンは低温特性及び明色性に優れたもの
であり、その商業的価値を高めることが可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィン
を、ラジカル発生剤を触媒とし、塩素ガスあるいは塩化
スルフリルを用いて塩素化反応を行うに際し、溶剤とし
て1,1,2−トリクロロエタンを用い、反応時に副生
した塩化水素および/または亜硫酸ガスを反応系外に除
去する工程において、工程中の温度を90℃以下に制御
することを特徴とする、低温特性及び明色性に優れた塩
素化ポリオレフィンの製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31487492A JP3286856B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 塩素化ポリオレフィンの製造法 |
GB9324112A GB2272901B (en) | 1992-11-25 | 1993-11-23 | Process for the preparation of chlorinated polyolefin and chlorosulfonated polyolefin |
US08/156,904 US5378766A (en) | 1992-11-25 | 1993-11-24 | Process for the preparation of chlorinated polyolefin and chlorosulfonated polyolefin |
US08/311,029 US5449833A (en) | 1992-11-25 | 1994-09-26 | Process for the preparation of chlorinated polyolefin and chlorosulfonated polyolefin |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31487492A JP3286856B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 塩素化ポリオレフィンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06157642A JPH06157642A (ja) | 1994-06-07 |
JP3286856B2 true JP3286856B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=18058662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31487492A Expired - Lifetime JP3286856B2 (ja) | 1992-11-25 | 1992-11-25 | 塩素化ポリオレフィンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3286856B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6803110B2 (en) | 2001-01-22 | 2004-10-12 | Formica Corporation | Decorative laminate assembly and method for producing same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005054005A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-03 | Tosoh Corp | 塩素化ポリオレフィンの製造法 |
-
1992
- 1992-11-25 JP JP31487492A patent/JP3286856B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6803110B2 (en) | 2001-01-22 | 2004-10-12 | Formica Corporation | Decorative laminate assembly and method for producing same |
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JPH06157642A (ja) | 1994-06-07 |
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