JPH08512059A - 5ht▲下1a▼リガンドとしてのアベオ−エルゴリン誘導体 - Google Patents

5ht▲下1a▼リガンドとしてのアベオ−エルゴリン誘導体

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JPH08512059A
JPH08512059A JP7526720A JP52672095A JPH08512059A JP H08512059 A JPH08512059 A JP H08512059A JP 7526720 A JP7526720 A JP 7526720A JP 52672095 A JP52672095 A JP 52672095A JP H08512059 A JPH08512059 A JP H08512059A
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フアルマシア・エツセ・ピー・アー
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Abstract

(57)【要約】 式(I)の化合物 [式中、R1は水素原子、塩素原子または臭素原子、あるいはメチル基、メチルチオ基、水酸基、シアノ基またはカルボキサミド基であり;R2はC1〜C3アルキル基またはアリル基であり;R3およびR4は独立に水素原子、C1〜C5アルキル基、C3〜C5アルケニル基、C5〜C6シクロアルキルC1〜C3アルキル基、フェニル−C1〜C3アルキル基、フェニル−C3〜C5アルケニル基またはフェニル基であり、それらの基はC1〜C3アルキル基、C1〜C3アルコキシ基、トリフルオロメチル基、水酸基またはアミノ基;あるいは式(a)の基(式中、R6は水素原子またはC1〜C3アルキル基であり;R7はフェニル基、上記のような置換フェニル基または複素環である)で置換されていてもよく;R5は水素原子または臭素原子あるいは有機残基であり;RはHまたは有機残基である。]、あるいは医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。それら化合物の製造法およびそれらを含有する医薬組成物も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 5HT1Aリガンドとしてのアベオ−エルゴリン誘導体 本発明は、新規な5(10→9)アベオ−エルゴリン誘導体、それら誘導体の 製造方法、それらの医薬品としての使用ならびにそれらを含有する医薬組成物に 関する。その新規化合物は、5−HT1A受容体に結合することによって中枢神経 系に作用することから、中枢神経系疾患の治療に使用することができる。 本発明の新規化合物は、式Iの構造を有する。 式中、R1は水素原子、塩素原子または臭素原子、あるいはメチル基、メチル チオ基、水酸基、シアノ基、カルボキサミド基またはニトロ基であり;R2はC1 〜C3のアルキル基またはアリル基であり;R3およびR4は独立に水素原子、直 鎖 または分岐のC1〜C5アルキル基、直鎖または分岐のC3〜C5アルケニル基、C5 〜C6シクロアルキルC1〜C3アルキル基、フェニル−C1〜C3アルキル基、フ ェニル−C3〜C5アルケニル基あるいはフェニル基であって、それらの基はC1 〜C3アルキル基、C1〜C3アルコキシ基、トリフルオロメチル基、水酸基また はアミノ基あるいは式−CR67(OH)の基(式中、R6は水素原子またはC1 〜C3アルキル基であり;R7はフェニル基、上記のような置換フェニル基あるい は酸素、硫黄および窒素から独立に選択される1または2個のヘテロ原子を有す る5員環または6員環を持つ複素環である。)で置換されていてもよく;R5は 12位、13位または14位にあることができ、水素原子、臭素原子、フッ素原 子またはヨウ素原子あるいはメトキシ基、シアノ基、カルボキサミド基、ニトロ 基、メチルチオ基またはトリフルオロメチル基あるいは式NR89の基(式中、 R8およびR9は、独立に水素原子あるいはC1-3アルキル基、アセチル基、トリ フルオロアセチル基またはメタンスルホニル基である。)であり;Rは水素原子 、C1-5の直鎖または分岐アルキル基、メタンスルホニル基、アセチル基または 式−C(O)−NR89の基 (式中、R8およびR9は、上記で定義した通りである。)である。点線は、9位 −10位および/または2位−3位で二重結合があってもよいことを表す。 9位−10位に単結合がある場合、本発明の化合物は、式I’の構造のものと なる。 式中、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、上記の意 CHR34基が環の面に関してα位またはβ位のいずれかにあることができるこ とを意味している。 2、3位に単結合がある場合、本発明の化合物は、式I”の構造のものとなる 。 式中、R1は水素またはメチル基であり、R2、R3、R4、R5およびRは、上 記の意味を持つ。 本発明は、これらのアベオ−エルゴリン誘導体の医薬的に許容できる塩を含む 。 R2、R3、R4およびRの定義において、C1〜C3およびC1〜C5アルキル基 は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブ チル基、シクロプロピル基およびメチルシクロプロピル基を含むものである。 R3およびR4の定義において、フェニル−C1〜C3アルキル基はベンジル基お よびフェネチル基を含むものであり、フェニル−C3〜C5アルケニル基の意図す るところは、フェニルアリル基、フェニルブテニル基およびフェニルプロペニル 基を含むものである。 R7が表し得る複素環としては例えば、フラニル基、イミダ ゾリル基、ピラニル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリ ル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダ ジニル基、モルホリニル基またはチオピラニル基などがある。より好ましい化合 物は、R1が水素原子あるいはシアノ基またはカルボキサミド基を表し;R2がメ チル基を表し;R3が水素原子を表し;R4が式−CH(OH)Phの基を表し; R5が水素原子、フッ素原子またはヨウ素原子あるいはメトキシ基、メチルチオ 基、トリフルオロメチル基、カルボキサミド基またはニトロ基、あるいは式NR89の基(式中、R8およびR9は、独立に水素原子またはC1-3アルキル基、ア セチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロアセチル基を表す。)である 式I’の化合物である。5位の水素および8位の残基はいずれもβである。 本発明は、式Iの化合物およびそれらの酸付加塩の製造方法をも提供するもの であり、その方法には、以下の工程がある。 a)下記式IIの化合物(式中、R2、R3およびR4は上記の意味を持つ。) と、エタノール中のナトリウムアマルガム、THF(テトラヒドロフラン)水溶 液中のアルミニウムアマルガムあるいはメタノールまたはエタノール中のマグネ シウム等 の還元剤との、温度範囲0℃〜80℃での反応。 本発明によれば、式IIの化合物は、下記式IIIの化合物のアルカリ性塩( 式中、R2は上記で定義した通りである。)を、式R3Yの化合物(式中、R3は 上記の意味を持ち、Yはヨウ素原子または臭素原子あるいはメシロキシ基または トシロキシ基などの脱離基である。)と反応させるか、あるいは式R6−C(O )−R7の化合物(式中、R6およびR7は上記の意味を持つ)と反応させるかの いずれかの反応を行って、さらには所望により、得られた化合物のアルカリ性塩 を式R4Yの化合物(式中、R4およびYは上記で定義した通りである。)あるい は式R6(CO)R7の化合物(式中、R6およびR7は上記の意味を持つ。)のい ずれかと反応させることによって得られる。 そのアルカリ性塩は、THF、HMPA(ヘキサメチルリン酸トリアミド)ま たはDME(ジメトキシエタン)などの溶媒中で、NaH、KH、ButLiま たはCH3Liなどの強塩基と、−80℃〜0℃の温度範囲にて反応させること によって得ることができる。 式IIの化合物を製造する反応は、通常、THF、HMPAまたはDMEなど の無水溶媒中で、−80℃〜室温の温度範囲にて1時間〜24時間行う。 式IIIの化合物は、下記式IVの化合物(式中、R2は上記で定義した通り である。)を、メタノール、エタノールまたは酢酸などの溶媒中で過酸化水素な どの酸化剤と、あるいはDMF、エタノールまたはクロロホルムなどの溶媒中で m−クロロ過安息香酸または過酢酸などの過酸と、あるいはTHF水溶液中で過 ヨウ素酸ナトリウムと反応させることによって得る ことができる。 式IVの化合物は、下記式Vの化合物(式中、R2は上記で定義した通りであ る。)をジオキサン、アセトニトリルなどの溶媒中で、加熱還流下に(PhS)2 および(nBut)3Pと反応させるか、あるいは下記式(VI)の化合物(式 中、R2およびYは上記と同じ意味を持つ。)をDMF、DMSO(ジメチルス ルホキシド)またはHMPAなどの溶媒中で、温度範囲80℃〜120℃でPh SNaと反応させることによって得ることができる。 式IIIの化合物はさらに、上記で定義した式VIの化合物を、HMPAまた はDMSOなどの溶媒中で、温度範囲80℃〜140℃にて、PhSO2Naと 反応させて得ることもできる。 本発明はさらに、式Iのある化合物を、R、R1およびR5のうちの1つ以上が 変化した式Iの他の化合物に変換する方法をも提供する。 例えば、変換は、R1およびR5が水素である式Iの化合物を、N−クロロコハ ク酸イミドまたは塩化スルフリルなどの塩素化剤、あるいはN−ブロモコハク酸 イミドなどの臭素化剤と、アセトニトリルまたはクロロホルムなどの不活性溶媒 中で反応させるか;あるいは、得たばかりの塩化メチルスルフェニルなどのチオ メチル化剤とTHFまたはクロロホルム等の溶媒中で反応させるか;あるいは、 N−ブロモコハク酸イミドなどの酸 化剤とtert−ブタノール中で反応させることで行うことができる。 上記の方法に従って、R1が塩素、臭素、メチルチオ基および水酸基である式 Iの化合物が得られる。 R1が水酸基の場合、式Iの化合物は、ほぼ完全に互変異性のラクタムの形で 存在している。 本発明によれば、R1が水素で、R2、R3、R4およびR5が上記の意味を持ち 、Rが水素あるいはC1-5の直鎖または分岐アルキル基である式Iの化合物は、 濃塩酸中で亜鉛末と処理するかあるいはトリフルオロ酢酸中で水素化ホウ素ナト リウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤と処理することによっ て、R1、R2、R3、R4、R5、Rが上記の意味を持つ式I”の化合物に変換す ることができる。 分別晶出またはカラムクロマトグラフィー分離などの一般的な方法を利用する ことによって、C−3ジアステレオマーを純粋な形で分離することができる。 本発明によれば、Rがアセチル基、メタンスルホニル基またはジメチルアミノ カルボニル基である式Iの化合物は、Rが水素である式I”の化合物を、ピリジ ンまたは酢酸エチルなどの 溶媒中で、塩化アセチル、無水酢酸、メタンスルホニルクロリドまたはジメチル アミノカルボニルクロリドと反応させることで得ることができるが、Rがアミノ カルボニル基の場合には、シアン酸カリウムの希塩酸溶液などのカルバモイル化 剤を用いる。 本発明によれば、2,3位に二重結合があり、R1、R2、R3、R4、R5が上 記の意味を持ち、Rが水素である式Iの化合物は、ジメチルスルホキシドなどの 溶媒中で、粉末状の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの存在下に、適切な ヨウ化アルキルと反応させることによって、RがC1〜C5の直鎖または分岐アル キル基である化合物に変換することができる。 さらに、R1が臭素原子またはメチルチオ基であり、R5が水素原子である式I の化合物は、氷酢酸中での臭素化と必要であればそれに続いて、得られた下記式 IAの化合物(式中、R2、R3およびR4は上記で定義した通りであり、R1Aは水 素原子または臭素原子あるいはメチルチオ基である。)を適切な求核剤と反応さ せることによって、R1が水素原子または臭素原子あるいはメチルチオ基であり 、R5が臭素原子あるいはメトキシ基、シアノ基またはカルボキサミド基である 式Iの別 の化合物に変換することができる。 1Aが水素原子を表す式IAの化合物は、R1Aが臭素原子またはメチルチオ基 である相当する式IAの化合物を注意深く還元することによって得ることができ る。 その還元は、メタノール中またはエタノール中で、水素化コバルトまたは水素 化ニッケルを用いて行うことができる。 例えば、銅(I)塩の存在下に、120℃でDMFまたはN−メチル−2−ピ ロリジノン中で、得たばかりのナトリウムメトキシドまたはナトリウムチオメト キシドによって求核置換を行うことにより、上記で定義した式I’の化合物を、 R5がメトキシ基またはメチルチオ基である式Iの化合物に変換した。 他方、式IAの化合物を、シアノニッケル錯体存在下に、DMFまたはN−メ チル−2−ピロリジノン中で、KCN/Cu2(CN)2などのシアノ化剤と反応 させることによって、 R5がシアノ基である式Iの化合物が得られた。 R5がカルボキサミド基である式Iの化合物は、R5がシアノ基である式Iの化 合物を、炭酸カリウム存在下にメタノール中で過酸化水素と反応させるか、ある いは加熱還流させたtert−ブタノール中でKOHと反応させるか、もしくは リン酸中で加熱することによって得ることができる。 R5が水素原子や臭素原子ではなく、R1が水素である式Iの化合物も、R1が メチルチオ基または臭素原子である相当する式Iの化合物の還元によって得るこ ともできる。 本発明は、下記式IBの化合物(式中、R2、R3、R4は上記の意味を有し、R5 は水素である。)を、2,3位に二重結合があり、R1が水素であり、R2、R3 、R4が上記で定義される意味を有し、R5がニトロ基、アミノ基、ジメチルアミ ノ基、ジエチルアミノ基、アセチルアミノ基またはメタンスルホニルアミノ基あ るいはフッ素原子またはヨウ素原子である式Iの化合物に変換する方法を提供す る。 その変換は、式IBの化合物を、酢酸または硫酸などの溶媒中で、硝酸アセチ ルまたはニトロニオサルフェイト(nitroniosulphate)などの硝化剤と反応させ ることによって行い、その方法で、R5がニトロ基である式IBの化合物が得られ る。 エタノール溶媒中で水酸化ナトリウムの存在下に、ラネーニッケルと注意深く 反応させることによって、二重結合が2,3位にあり、R1が水素であり、R2、 R3、R4が上記の意味を持ち、R5がアミノ基であり、Rが水素である式Iの化 合物が得られ、あるいは逆に、その構造の化合物は、DMSO中でカリウムt− ブトキシドと反応させ、次にニトロ基を塩酸中で亜鉛末または塩化スズ(II) などの還元剤によって還元することによって得ることができる。 ピリジンなどの溶媒中で、塩化アセチルまたはメタンスルホニルクロリドなど の適切な試薬とさらに反応させることによっ て、R5がアセチル基またはメタンスルホニル基である化合物が得られるが、メ タノールまたはエタノールなどの溶媒中で、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなど の還元剤の存在下に、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドと反応させるこ とによって、R5がジメチルアミノ基またはジエチルアミノ基である化合物が得 られる。 逆に、R5がフッ素原子またはヨウ素原子である化合物は、過ヨウ素酸カリウ ムの存在下に、4フッ化ホウ酸または硫酸中で、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸 カリウムなどのニトロソ化剤と反応させることによって得ることができる。 逆に、R5が臭素原子またはヨウ素原子である化合物は、ヨウ化銅(I)また は臭化銅(I)存在下に、120〜150℃にて、ヘキサメチルリン酸トリアミ ドまたはN−メチルピロリジン−2−オンなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸ナト リウムと反応させることによって、R5がトリフルオロメチル基である化合物に 変換することができる。 式VおよびVIの原料化合物は公知の化合物であるか(GB1482871参 照)、あるいは公知の誘導体から公知の反応によって得ることができる。 式Iの化合物およびその酸付加塩は、5−HT1A受容体に対する選択的かつ高 い親和性を示し、α1、α2、D1、D2受容体に対しては無視できる程度の親和性 しか示さない。 従って、本発明によって得られる化合物は、不安、不眠症および性的障害、精 神病、人格異常、薬剤嗜癖、加齢による記憶障害、虚血性傷害、アルツハイマー 病などの中枢神経系疾患の治療に使用することができる。 医薬として使用する場合、式Iの化合物は、それ自体でまたは生理学的に許容 される酸付加塩の形で用いることができる。 塩形成に使用できる生理学的に許容できる酸には、マレイン酸、クエン酸、酒石 酸、フマル酸、メタンスルホン酸、酢酸、安息香酸、コハク酸、グルコン酸、乳 酸、リンゴ酸、ムコン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸などの有機酸、あるい は塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸などの無機酸がある。 酸を用いて得られる付加塩の中でも、塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、 クエン酸塩およびコハク酸塩が最も好適である。 本発明の化合物またはそれの医薬的に許容できる塩は、中枢神経系疾患治療薬 の製造に用いることができる。 従って、医薬的に有効な量の式(I)の化合物またはその塩のヒトまたは動物 への投与を含む方法によって、そのヒトまたは動物の治療を行うことができる。 それによって、そのヒトまたは動物の状態を改善することができる。 投与速度は、活性化合物0.1〜100mg、より好ましくは1〜25mgの 1日1回投与とすることができる。 本願明細書ですでに述べたように、本発明による式Iの化合物は、中枢神経系 セロトニン作動性(serotoninergic)受容体サブタイプ5−HT1Aに対して活性 を有するため、興味深い薬理的性質を示す。 本発明の目的とする化合物の生化学的・薬理的側面を、それの5−HT1A受容 体に対する親和性を評価することによって調べた。受容体結合試験 式Iの被験化合物に関して受容体結合試験を実施して、親和性を調べた。 実験1:セロトニン1A(5HT1A)受容体に対する親和性 [3H−8−ヒドロキシ−2−ジプロピルアミノテトラリン(3H−8−OH−D PTA)結合試験] ホールらによってジャーナル・オブ・ニューロケミストリー第44巻1685 頁(1985年)に報告されている方法に従って、粗シナプトソーム分画の調製 と結合検定を行った。ラットから切除した冷凍海馬を、40倍容量の氷冷50m Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)中で均質化し、その懸濁液を、0℃で10 分間、500×gにて遠心した。 上清を0℃で20分間、40000×gにて遠心し、得られたペレットを、4 0倍容量の上記緩衝液中で均質化して、37℃で10分間インキュベーションし た。 反応終了後、その懸濁液を0℃で20分間、40000×gにて遠心した。得 られたペレットについて、40倍容量の上記緩衝液への再懸濁および遠心の操作 を2回行うことで洗浄し、最終的に、1mMの塩化マンガンを含有する60倍容 量の氷冷50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁させて、次の検定に 使用した。 シナプトソーム膜溶液の小分けしたもの(900μl)に、トリチウム化8− OH−DPAT溶液50μlを加えて最終濃度を0.2nMとし、さらに被験化 合物溶液50μlまたはそれの培地50μlを加え、37℃で10分間インキュ ベーショ ンした。次に、その混合物に対して、氷冷50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7 .4)5mlを加え、ワットマン(登録商標)GF/Bフィルターで急速に減圧 濾過し、同じ緩衝液5mlで2回洗浄した。フィルター上に残った残留物の放射 能を、液体シンチレーションカウンターによって測定した。10-5Mセロトニン (5−HT)の存在下、非特異的結合が確認された。グラフから、被験化合物の 50%阻害濃度(IC50)を求めた。その結果を表にまとめた。 実験2:セロトニン2(5−HT2)受容体に対する親和性(3H−ケタンセリン 結合試験) 粗シナプトソーム分画の調製および結合検定を、レイセン(Leysen)らによっ てモレキュラー・ファーマコロジー第21巻301頁(1981年)に報告され た方法に従って実施した。 ラットから切除した冷凍大脳皮質を、30倍容量の氷冷0.32Mショ糖溶液 中で均質化し、その懸濁液を0℃で10分間、1000×gで遠心した。上清を 0℃で20分間、40000×gで遠心し、得られたペレットを、30倍容量の 氷冷50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)中で均質化し、37℃で10分 間インキュベーションした。その懸濁液を再度、 0℃で20分間、40000×gで遠心した。得られたペレットを、100倍容 量の上記緩衝液中で均質化して、シナプトソーム膜溶液として次の検定に供した 。 シナプトソーム膜溶液を小分けしたもの(900μl)に、3H−ケタンセリ ン溶液50μlを加えて最終濃度を0.2mMとし、さらに被験化合物溶液また はそれの培地50μlを加え、37℃で20分間インキュベーションした。反応 終了後、その混合物をワットマン(登録商標)GF/Bフィルターで急速に減圧 濾過した。そのフィルターを上記緩衝液5mlで3回洗浄してから、フィルター 上に残った残留物の放射能を、液体シンチレーションカウンターによって測定し た。10μMのミアンセリンの存在下に、非特異的結合が確認された。グラフか ら、被験化合物の50%阻害濃度(IC50)を求めた。その結果を表にまとめた 。 実験3:ドーパミン2(D2)受容体に対する親和性(3H−スピペロン結合試験 ) 粗シナプトソーム分画の調製および結合検定を、クリーズ(I.Creese)らに よってヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー第46巻377頁( 1977年)に報告され た方法に従って実施した。ラットから切除した冷凍線条体を、100倍容量の氷 冷50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)中で均質化し、その懸濁液を0℃ で10分間、500×gで遠心した。上清を0℃で15分間、50000×gで 遠心し、得られたペレットを、100倍容量の上記緩衝液中で均質化し、次に、 得られた懸濁液を再度0℃で15分間、50000×gで遠心した。得られたペ レットを、120mMの塩化カリウム、2mMの塩化カルシウム、1mMの塩化 マグネシウム、0.1%のアスコルビン酸および10μMのパルジリンを含有す る150倍容量の50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.1)中で均質化した。 その懸濁液を37℃で10分間インキュベーションしてから、シナプトソーム膜 溶液として、次の検定に供した。 シナプトソーム膜溶液を小分けしたもの(900μl)に、3H−スピペロン 溶液50μlを加えて最終濃度を0.2nMとし、さらに被験化合物溶液50μ lまたはそれの培地50μlを加え、37℃で20分間インキュベーションした 。反応終了後、その混合物をワットマン(登録商標)GF/Bフィルターで急速 に減圧濾過した。そのフィルターを上記緩衝液5ml で3回洗浄してから、フィルター上に残った残留物の放射能を、液体シンチレー ションカウンターによって測定した。100μMの(L)−スルピリド存在下に 、非特異的結合が確認された。グラフから、被験化合物の50%阻害濃度(IC50 )を求めた。その結果を表にまとめた。 治療に使用する場合、その活性化合物は、経口投与、直腸投与、非経口投与ま たは局所投与することができ、好ましくは経 口投与する。 従って、本発明の治療用組成物は、経口投与、直腸投与、非経口投与または局 所投与向けの公知のいかなる医薬組成物の形態をも取り得る。 本発明の好ましい組成物は経口投与用組成物であり、その組成物は、そのよう な投与向けの公知の医薬剤型を取り、その剤型の例としては、錠剤、カプセル、 シロップならびに水性懸濁液または油性懸濁液などがある。それら組成物の調製 に使用される賦形剤は、製薬業界で知られている賦形剤である。 錠剤は、例えばステアリン酸マグネシウムなどの崩壊剤の存在下に、活性化合 物を、リン酸カルシウムなどの不活性希釈剤と混合し、その混合物を公知の方法 によって打錠することによって得ることができる。 所望により、そのような錠剤に対して、フタル酸酢酸セルロースの使用などの 公知の方法によって腸溶コーティングを施すこともできる。同様に、活性化合物 を含有する硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチンカプセルで賦形剤を含有するも のまたは含有しないものなどのカプセルを、従来法によって得ることができ、所 望により、そのカプセルに公知のように腸溶コーティ ングを施すことができる。錠剤およびカプセルにはそれぞれ、2〜10mgの活 性化合物を具合良く含有させることができる。経口投与用の他の組成物には、例 えば、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩などの無毒性懸濁化剤の存在 下に水系媒体中に活性化合物を含有させた水性懸濁液や、本発明の化合物を落花 生油などの適切な植物油に含有させた油性懸濁液などがある。 直腸投与に好適な本発明の組成物は、カカオ脂またはポリエチレングリコール を基剤とする坐剤等、そのような投与用に公知の医薬剤型をとる。 非経口投与に好適な本発明の組成物は、適切な溶媒での無菌懸濁液または無菌 溶液等、そのような投与用に公知の医薬剤型をとる。 剤型によっては、本発明の化合物を、例えばジェットミルによって得られるも の等の非常に粒径の小さい粒子形状で用いることが有利な場合もある。 以下、実施例によって本発明を説明する。 次の反応図は、本発明を図示するものである。 錠剤の医薬組成物の製剤例 式Iの化合物10mgを含有する錠剤は、以下の組成によって得ることができ る。 実施例33の化合物 10.0mg ラクトース 60 mg コーンスターチ 25 mg 結晶セルロース 20 mg ポリビニルピロリドンK30 2 mg タルク 4 mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 活性化合物をアトマイザーによって粉砕して、平均粒径10μ以下の微粉末を 得る。その活性化合物、ラクトース、コーンスターチおよび結晶セルロースの微 粉末をニーダー中で良く混合し、次に、ポリビニルピロリドンK30によって調製 した結合剤ペーストと混練する。得られた湿潤塊を、200メッシュのふるいに 通し、次に50℃でオーブン中で乾燥する。含水率3〜4%の乾燥顆粒を、力を 加えて24メッシュのふるいに通す。タルクおよびステアリン酸マグネシウムを 混合し、直径8mm の平型ポンチを持った回転式打錠機を用いて圧縮して錠剤とする。 本発明の好ましい化合物の一部を以下に列記する。 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン 5α(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8α−メチル −エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−10α−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−シアノ−6−メチル− 8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−アミノカルボニル−6 −メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(3− フェニル)プロピル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−ブロモ−6−メチル− 8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10− ジデヒドロ−1−アミノカルボニル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−1− メタンスルホニル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8α−メチル −12−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −13−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−シアノ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−アミノカルボニル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −13−メチルチオ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−メトキシ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −13−メトキシ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12−メトキシ−10 β−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ニトロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−アミノ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−メタンスルホニルアミノ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −13−メタンスルホニルアミノ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−フルオロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −13−フルオロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12 −フルオロ−10β−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6− メチル−8β−メチル−12−フルオロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3−β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6 −メチル−8β−メチル−12−トリフルオロメチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12−フルオロ−10 α−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12−アミノカルボニ ル−10α−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ヨード−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−トリフルオロメチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12−トリフルオロメ チル−10α−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−12−トリフルオロメ チル−10β−エルゴリン実施例1 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−フェニル チオメチル−エルゴリン 5(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−ヒドロキ シメチル−エルゴリン22.6gとジフェニルジスルフィド21gおよびトリ− n−ブチルホスフィン21gのアセトニトリル200ml溶液を2時間加熱還流 させた。溶媒を蒸発させ、油状残留物について、シクロヘキサン/酢酸エチル( 1/1)を溶離液としてシリカゲルによるクロマトグラフィーを行って、ジエチ ルエーテルから結晶化させることで、融点147〜151℃の標題化合物29g を得た。実施例2 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェニ ルスルホニル)メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−フェニ ルチオメチル−エルゴリン3.6gのメタノール50mlおよびメタンスルホン 酸5mlの溶液に、室温で、m−クロロ過安息香酸(50%)3.5gを少量ず つ加えた。2時間撹拌後、溶媒を除去して、残留物を酢酸エチルに取り、 重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。ブラインによる洗浄および乾燥後、溶 媒を除去して、粗反応混合物をシリカゲルの小さなパッドで、シクロヘキサン/ 酢酸エチル(2/1)を溶離液として濾過した。ジエチルエーテルから結晶化し て、融点163〜165℃の標題化合物2.1gを得た。実施例3 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェ ニルスルホニル)メチル−エルゴリン11.8gおよび金属マグネシウム2.2 gおよび少量の塩化水銀(II)結晶を乾燥エタノール200mlに入れた混合 物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発後、残留物について酢酸エチルと希アン モニア水の間で分配を行った。ブラインによる洗浄および乾燥後、濃縮して、融 点218〜220℃の光沢のある結晶として、標題化合物5.8gを得た。実施例4 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−ブロモ−6−メチル−8 β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン2.1gのジオキサン75ml溶液に、N−ブロモコハク酸イミド 1.9gを少量ずつ加えた。40℃で2時間撹拌後、溶媒を除去し、残留物につ いて、シクロヘキサン/アセトン(2/1)を溶離液としてシリカゲルでクロマ トグラフィーを行った。酢酸エチルからの結晶化によって、融点78〜80℃の 標題化合物1.3gを得た。実施例5 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−メチルチオ−6−メチル −8β−メチル−エルゴリン 調製したばかりの塩化メチルスルフェニル5gの塩化メチレン100ml溶液 を、5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチ ル−エルゴリン11.9gの塩化メチレン300ml溶液に撹拌しながら、−2 0℃でゆっくり滴下した。 −20℃で1時間撹拌後、得られた黄色溶液を室温で1時間静置した。 希水酸化アンモニウム溶液による分配を行った後、有機相を乾燥し、蒸発させ た。残留物を、シクロヘキサン/アセトン (2/1)の混合溶液から結晶化して、融点77〜79℃の標題化合物11.7 gを得た。実施例6 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(2−フ ェニル)エチル−エルゴリン −78℃で、5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−(フェニルスルホ ニル)メチル−エルゴリン3gのテトラヒドロフラン75ml溶液に、2.5M のn−ブチルリチウムのヘキサン溶液9.17mlを加えた。 −78℃で1時間後、臭化ベンジル1.8gのテトラヒドロフラン10ml溶 液をゆっくり加え、−78℃で撹拌を1時間続けてから、室温で2時間静置した 。 その反応混合物を、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽 出した。 有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーションで濃縮し、シ クロヘキサン/酢酸エチル(3/1)を溶離液としてシリカゲルクロマトグラフ ィーを行って、スルホンのジアステレオマー混合物2.7gを得た。その混合物 を、金属マグネシウム0.38gと少量の塩化水銀(II)結晶によっ て、50mlの乾燥エタノール中で3時間処理した。溶媒を蒸発させ、粗反応混 合物を酢酸エチルに取り、ブラインで洗浄後、乾燥した。 シクロヘキサン/酢酸エチル(4/1)を溶離液としてシリカゲルの小さなパ ッドでクロマトグラフィーを行った後、ジイソプロピルエーテルから結晶化する ことによって、融点112〜115℃の標題化合物1.8gを収率76%で得た 。実施例7 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(4−ブ テン)−1−イル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えて臭化アリルを用いた以外は、実施例6と同様の操作を行 って、融点87〜90℃の標題化合物を収率45%で得た。実施例8 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(3−フ ェニル)プロピル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えて臭化フェネチルを用いた以外は、実施例6と同様の操作 を行って、融点107〜109℃の標題化合物を収率55%で得た。実施例9 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−ヘキシル −1−イル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えて臭化n−ペンチルを用いた以外は、実施例6と同様の操 作を行って、融点の標題化合物を収率35%で得た。実施例10 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−2(3, 4−ジメトキシフェニル)エチル−エルゴリン 3,4−ジメトキシ臭化ベンジルを用いた以外は、実施例6と同様の操作を行 って、融点121〜122℃の標題化合物を収率40%で得た。実施例11 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(2−シ クロヘキシル)エチル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えて臭化シクロヘキシルメチルを用いた以外は、実施例6と 同様の操作を行って、融点88〜90℃の標題化合物を収率20%で得た。実施例12 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−ブロモ−6−メチル−8 β−(2−フェニル)エチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−(2−フェニル)エチル−エルゴリンを用いた以外は、実施例4と 同様の操作を行って、融点106〜108℃の標題化合物を収率65%で得た。実施例13 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(2−メ チル)プロピル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えてヨウ化イソプロピルを用いた以外は、実施例6と同様の 操作を行って、融点118〜120℃の標題化合物を収率22%で得た。実施例14 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−シアノ−6−メチル−8 β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチ ル−8β−メチル−エルゴリン4gのアセトニトリル200ml溶液に撹拌しな がら、クロロスルホニルイソシアナート2.6gのアセトニトリル20ml溶液 を室温でゆっくり加えた。 80時間撹拌後、トリエチルアミン8mlを0℃で加えた。 その溶液を0℃で3時間静置してから、炭酸ナトリウムの飽和水溶液で処理し 、酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥してから、少容量に 濃縮して、融点253〜255℃の標題化合物2.8gを得た。実施例15 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−アミノカルボニル−6− メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−シアノ−6−メチル− 8β−エルゴリン1gおよび炭酸カリウム1.5gのエタノール50mlおよび 水10mlの溶液に、室温で過酸化水素水(120vol)1.5mlを加えた 。3時間後、溶液を濃縮し、酢酸エチルとブラインの間で分配を行った。 乾燥および溶媒を蒸発後、残留物をアセトンから結晶化させて、融点270〜 273℃の標題化合物0.6gを得た。実施例16 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−2(2− フリル)エチル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えて塩化2−フリルメチルを用いた以外は、実施例6と同様 の操作を行って、融点100〜103℃の標題化合物を収率30%で得た。実施例17 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−n−プロピル−8β−メ チル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェ ニルスルホニル)メチル−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,1 0−ジデヒドロ−6−n−プロピル−8β−(フェニルスルホニル)メチル−エ ルゴリンを用いた以外は、実施例3と同様の操作を行って、融点176〜178 ℃の標題化合物を収率35%で得た。実施例18 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(2−ヒ ドロキシ−2−フェニル)エチル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えてベンズアルデヒドを用いた以外は、実施例6と同様の操 作を行って、標題化合物をジアステレオマーの混合物として収率15%で得た。実施例19 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(2−メ チル−2−ヒドロキシ)プロピル−エルゴリン 臭化ベンジルに代えてアセトンを用いた以外は、実施例6と同様の操作を行っ て、融点92〜94℃の標題化合物を収率20%で得た。実施例20 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2,13−ジブロモ−6−メ チル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン10gの氷酢酸100ml溶液に、室温で、氷酢酸50mlに溶か した臭素15gをゆっくり加えた。 室温で2時間撹拌後、得られた反応混合物を濃縮し、クロロホルムで希釈して から、水酸化アンモニウム溶液による分配を 行った。 有機相を乾燥してから、溶媒を除去した。残留物をエタノールから結晶化させ て、融点132〜135℃の標題化合物14.3gを得た。実施例21 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 13−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2,13−ジブロモ−6− メチル−8β−メチル−エルゴリン5gと二塩化コバルト6水和物12gのメタ ノール100ml溶液に、水素化ホウ素ナトリウム7gを0℃で少量ずつゆっく り加えた。得られた黒色混合物を15分間撹拌した。次に、沈殿をセライトで濾 去し、メタノールで洗浄した。その反応混合物を濃縮し、クロロホルムと濃水酸 化アンモニウム溶液の間で分配を行った。乾燥後、溶媒を除去し、残留物に対し てシクロヘキサン/酢酸エチル(3/1)を溶離液としてシリカゲルでクロマト グラフィーを行った。 生成物を含有する分画を蓄積し、溶媒を除去した。イソプロパノールから結晶 化させて、融点121〜124℃の標題化合 物2.7gを得た。実施例22 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル −8β−メチル−12−ブロモ−エルゴリンおよび5β(10→9)アベオ−9 ,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−13−ブロ モ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チ オメチル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリンを用いた以外は実施例20と 同様の操作を行って、注意深くカラムクロマトグラフィー分離を行うことによっ て、融点106〜108℃の5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ− 2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−13−ブロモ−エルゴリンを収率 45%で単離し、さらに融点121〜123℃の5β(10→9)アベオ−9, 10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−12−ブロモ −エルゴリンを収率12%で単離した。実施例23 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 12−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2,13−ジブロモ−6− メチル−8β−メチル−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10 −ジデヒドロ−2−メチルチオ−6−メチル−8β−メチル−12−ブロモ−エ ルゴリンを用い、塩化コバルト6水和物に代えて塩化ニッケル6水和物を用いた 以外、実施例21と同様の操作を行って、融点136〜137℃の標題化合物を 、収率25%で得た。実施例24 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 12−メトキシ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ブロモ−エルゴリン3gのジメチルホルムアミド70ml溶液に、窒素 雰囲気下に、ヨウ化銅(I)3gおよび生成したばかりの乾燥ナトリウムメトキ シド2gを加えた。得られた混合物を120℃で4時間撹拌してから、濃水酸化 アンモニウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有 機相をブラインで洗浄し、乾燥後、溶媒を蒸発させた。残留物に対して、シクロ ヘキサン/酢酸エチル(5/2)を溶離液としてシリカゲルでクロマトグラフィ ーを行い、融点115〜116℃の標題化合物1.2gを得た。実施例25 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 12−シアノ−エルゴリン ナトリウムメトキシドに代えてシアン化カリウムを用い、ヨウ化銅(I)に代 えてシアン化銅(I)を用いた以外、実施例24と同様の操作を行って、融点1 02〜105℃の標題化合物を収率30%で得た。実施例26 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル −8β−メチル−13−メトキシ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ブロモ−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10−ジデ ヒドロ−2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−13−ブロモ−エルゴリ ンを用 いた以外、実施例24と同様の操作を行って、融点124〜127℃の標題化合 物を収率35%で得た。実施例27 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル −8β−メチル−13−シアノ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −12−ブロモ−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10−ジデ ヒドロ−2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−13−ブロモ−エルゴリ ンを用い、ナトリウムメトキシドに代えてシアン化カリウムを用い、さらにヨウ 化銅(I)に代えてシアン化銅(I)を用いた以外、実施例24と同様の操作を 行って、融点141〜143℃の標題化合物を収率45%で得た。実施例28 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 12−アミノカルボニル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−シアノ−6−メチル− 8β−メチル−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒ ドロ−6−メチル−8 β−メチル−12−シアノ−エルゴリンを用いた以外、実施例15と同様の操作 を行って、融点151〜155℃の標題化合物を収率65%で得た。実施例29 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチル −8β−メチル−13−アミノカルボニル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−チオメチル−6−メチ ル−8β−メチル−13−シアノ−エルゴリン1.5gとすりつぶした水酸化カ リウム1.5gのtert−ブタノール30ml溶液を2時間加熱還流した。 沈殿物を濾去し、水洗して、アセトンからの再結晶を行って、融点155〜1 58℃の標題化合物0.7gを得た。実施例30 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 13−アミノカルボニル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−2−メチルチオ−6−メチ ル−8β−メチル−12−ブロモ−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ −9,10−ジデヒドロ− 2−チオメチル−6−メチル−8β−メチル−13−アミノカルボニル−エルゴ リンを用いた以外、実施例23と同様の操作を行って、融点138〜141℃の 標題化合物を収率30%で得た。実施例31 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8α−メチル− エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェ ニルスルホニル)メチル−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−9,1 0−ジデヒドロ−6−メチル−8α−(フェニルスルホニル)メチル−エルゴリ ンを用いた以外、実施例3と同様の操作を行って、融点185〜190℃の標題 化合物を収率40%で得た。実施例32 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−1,6−ジメチル−8β−メ チル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン3gのジメチルスルホキシド30ml溶液に、すりつぶしたばかり の水酸化カリウム0.6 gを加えた。15分間撹拌した後、ヨウ化メチル1.2gを加え、撹拌を20分 間続けた。 得られた緑色溶液を水で希釈し、酢酸エチルによって分配を行った。ブライン による洗浄および乾燥後、溶媒を除去して、残留物に対して、酢酸エチルを溶離 液としてシリカゲルの小さなパッドで濾過した。ジエチルエーテルからの結晶化 により、融点126〜128℃の標題化合物1.9gを得た。実施例33 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−メチル−エルゴリンおよび5β(10→9)アベオ−2,3−ジヒ ドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン5gのトリフルオロ酢酸50ml溶液に、撹拌しながら、水素化ホ ウ素ナトリウム1.7gを、窒素雰囲気下に少量ずつ加えた。 10分間撹拌した後、得られた反応混合物を水で希釈し、水酸化アンモニウム 溶液で塩基性として、酢酸エチルで抽出した。乾燥後、溶媒を除去して、残留物 に対して酢酸エチルを溶離液 として、シリカゲルで注意深くカラムクロマトグラフィーを行った。 極性の低い方の化合物を含有する分画を蓄積して溶媒を除去した。 ジエチルエーテルからの結晶化によって、融点179〜182℃の5β(10 →9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β −メチル−エルゴリン3.1gが得られた。 溶離液を酢酸エチル/アセトン(95/5)として溶出を続けて、極性の高い 方の化合物を回収し、ジイソプロピルエーテルからの結晶化によって、融点14 3〜148℃の5β(10→9)アベオ−2,3α−ジヒドロ−9,10−ジデ ヒドロ−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン0.35gを得た。実施例34 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−1−ア セチル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−メチル−エルゴリン2gの酢酸 エチル50mlとトリエチルアミン5mlの溶液に、無水酢酸1gを加えた。2 時間放置後、その溶液を水酸化アンモニウムで洗浄し、乾燥し、および溶媒を蒸 発させた。残留物をイソプロピルアルコールから結晶化して、融点142〜14 4℃の標題化合物1.8gを得た。実施例35 5β(10→9)アベオ−2,3α−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−1−ア セチル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6− メチル−8β−メチル−エルゴリンに代えて5β(10→9)アベオ−2,3α −ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル−エルゴリンを 用いた以外、実施例34と同様の操作を行って、融点174〜176℃の標題化 合物を収率70%で得た。実施例36 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−1−ア ミノカルボニル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6− メチル−8β−メチル−エルゴリン2gの0.1N塩酸20ml溶液に、0℃で シアン酸カリウム0.4gを少量ずつ加えた。 1時間撹拌後、その溶液を水酸化アンモニウムで塩基性とし、塩化メチレンで 抽出した。乾燥後、溶媒を除去し、残留物をアセトンから結晶化させて、融点2 20〜222℃の標題化合物1.3gを得た。実施例37 5α(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェ ニルスルホニル)メチル−エルゴリンに代えて5α(10→9)アベオ−9,1 0−ジデヒドロ−6−メチル−8β−(フェニルスルホニル)メチル−エルゴリ ンを用いた以外、実施例3と同様の操作を行って、融点146〜148℃の標題 化合物を収率20%で得た。実施例38 5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−10α−エルゴリンおよ び5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−10β−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル −エルゴリン5gのエタノール70ml溶液に10%Pd/C2gを加えたもの を、室温で、水素圧20psiで水素添加した。触媒を濾去し、溶媒を除去した 。残留物に対して、シクロヘキサン/アセトン(1/1)を溶離液として、シリ カゲルで注意深くクロマトグラフィーを行って、融点265〜268℃の5β( 10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−10α−エルゴリン0.6gを 得た。 シクロヘキサン/アセトン(2/3)によって溶出を続けて、さらに、融点2 08〜212℃の5β(10→9)アベオ−6−メチル−8β−メチル−10β −エルゴリン1.2gを得た。実施例39 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−メチル−12−ブロモ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−1−アセチル−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジ デヒドロ−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン2gの酢酸30ml溶液に、 撹拌しながら、臭素1.2gを滴下した。1時間撹拌後、得られた溶液を酢酸エ チルで希釈し、0.1M水酸化ナトリウム溶液で分配を行った。 乾燥後、溶媒を減圧除去し、得られた反応生成物を0.1M塩酸100mlに 溶かし、2時間加熱還流させた。 得られた溶液を濃水酸化アンモニウム溶液で塩基性とし、さらに酢酸エチルで 抽出した。 乾燥および溶媒除去後、粗生成物をアセトンから結晶化させて、融点175〜 178℃の標題化合物1.3gを得た。実施例40 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−メチル−12−ニトロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−1− アセチル−6−メチル−8β−メチル−エルゴリン5gの濃硫酸50ml溶液に 、撹拌しながら、室温で濃硝酸3mlを滴下した。1/2時間撹拌した後、黄色 の反応混 合物を砕いた氷に注ぎ、濃水酸化アンモニウムで塩基性とした。 酢酸エチルによる抽出、乾燥および溶媒除去によって得られた粗反応混合物に 対して、酢酸エチル/シクロヘキサン(5/3)を溶離液としてシリカゲルで注 意深くクロマトグラフィーを行った。 その分画を蓄積して、5β(10→9)アベオ−2,3β−9,10−ジデヒ ドロ−1−アセチル−6−メチル−8β−メチル−12−ニトロ−エルゴリンお よびその異性体5β(10→9)アベオ−2,3β−9,10−ジデヒドロ−1 −アセチル−6−メチル−8β−メチル−14−ニトロ−エルゴリンの混合物3 .8gを得た。 その混合物を、0.1M塩酸100mlに溶かし、1/2時間加熱還流させた 。塩基性とし、酢酸エチル抽出した後、その反応混合物を沸騰エタノールから結 晶化して、融点189〜193℃の標題化合物1.7gを得た。実施例41 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メ チル−8β−メチル−14−ニトロ−エルゴリン 5β(10→9)アベオ−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6− メチル−8β−メチル−12−ニトロ−エルゴリンの結晶化の母液に対して、ア セタート/シクロヘキサン(2/1)を溶離液としてシリカゲルで注意深くカラ ムクロマトグラフィーを行った。 溶媒を蒸発後、残留物をアセトンから2回結晶化させて、融点156〜159 ℃の標題化合物0.6gを得た。実施例42 5β(10→9)アベオ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル−8β−メチル− 14−ニトロ−エルゴリナ 5β(10→9)−2,3β−ジヒドロ−9,10−ジデヒドロ−6−メチル −8β−メチル−12−ニトロ−エルゴリナ1.5gの塩化メチレン75ml溶 液に、生成したばかりの二酸化マンガン5gを加えた。 8時間の撹拌後、得られた懸濁液をセライトで濾過した。 溶媒を除去し、残留物をアセトンに溶かして、活性炭処理(charcoalize)し た。 濃縮することによって、融点197〜203℃の標題化合物0.84gを得た 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AM,AU,BG,BR,B Y,CA,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LT,MD,MG, MN,MX,NO,NZ,PL,RU,SI,SK,T J,UA,US (72)発明者 ブランビーラ,エンゾ イタリー国、22066・マリアーノ・コメン セ(コモ)ビア・ピー・トリアツテイ、41 /B (72)発明者 カツシア,カルラ イタリー国、21013・ガララーテ(バレセ) ビア・トリノ・31 (72)発明者 カルフアーニヤ,ニコラ イタリー国、20014・ネルビアーノ(ミラ ン)ビア・アー・テルザーギ・41

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式Iの化合物、 [式中、R1は水素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メチルチオ基、水 酸基、シアノ基、ニトロ基またはカルボキサミド基であり; R2はC1〜C3アルキル基またはアリル基であり; R3およびR4は独立に水素原子、直鎖または分岐のC1〜C5アルキル基、直鎖 または分岐のC3〜C5アルケニル基、C5〜C6シクロアルキルC1〜C3アルキル 基、フェニル−C1〜C3アルキル基、フェニル−C3〜C5アルケニル基あるいは フェニル基であり、それらの基はC1〜C3アルキル基、C1〜C3アルコキシ基、 トリフルオロメチル基、水酸基またはアミノ基あるいは式−CR67(OH)の 基(式中、R6 は水素原子またはC1〜C3アルキル基であり、R7はフェニル基または上記のよ うな置換フェニル基あるいは酸素、硫黄および窒素から独立に選択される1また は2個のヘテロ原子を有する5員環または6員環を持つ複素環である。)で置換 されていてもよく; 2位−3位および9位−10位の点線は、独立に単結合または二重結合を表し ; R5は、水素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、シアノ 基、カルボキサミド基、ニトロ基、メチルチオ基またはトリフルオロメチル基あ るいは式NR89の基(式中、R8およびR9は、独立に水素原子あるいはC1-3 アルキル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロアセチル基で ある。)であり; Rは水素原子、C1-5の直鎖または分岐アルキル基、メタンスルホニル基また はアセチル基あるいは式CONR89の基(式中、R8およびR9は、上記で定義 される通りである。)である。] あるいは該化合物の医薬的に許容される塩。 2. 式I’で表される請求項1記載の化合物 (式中、R、R1、R2、R3、R4およびR5は、請求項 CHR34基が環の面に関してαまたはβの位置を取り得ることを意味している 。) あるいは該化合物の医薬的に許容される塩。 3. R1が水素原子、シアノ基またはカルボキサミド基を表し;R2がメチル基 を表し;R3が水素原子を表し;R4が式−CH(OH)Phの基を表し;R5が 水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、メトキシ基、メチルチオ基、トリフルオロ メチル基、ニトロ基またはカルボキサミド基あるいは式NR89の基(式中、R8 およびR9は独立に水素原子、C1-3アルキル基、アセチル基、メタンスルホニ ル基またはトリフルオロアセチル基である。)を表し;さらに、5位の水素原子 および8位 の残基がいずれもβである請求項2で定義される式I’の化合物。 4. a)式IIの化合物 (式中、R2、R3およびR4は請求項1で定義されるものである。)を還元剤 と反応させる工程、ならびに b)適宜、得られた式Iの化合物を、1以上の適切な化学反応によって、R、 R1、R5のうちの1以上が変化した式Iの別の化合物に変換する工程 とを有してなる、請求項1で定義される式Iの化合物および該化合物の酸付加塩 の製造方法。 5. 式IIIの化合物 (式中、R2は請求項4で定義されるものである。) のアルカリ性塩を、式R3Y(式中、R3は請求項4で定義された意味を持ち、Y は脱離基である。)の化合物あるいは式R6COR7(式中、R6およびR7は請求 項1で定義された意味を持つ。)の化合物のいずれかと反応させ、所望により、 その得られた化合物のアルカリ性塩を式R4Y(式中、Yは上記で定義されるも のであり、R4は請求項4で定義されるものである。)の化合物あるいは式R6C OR7(式中、R6およびR7は、上記で定義された意味を持つ。)の化合物のい ずれかとを反応させることによる、請求項4で定義される式IIの化合物の製造 方法。 6. 式IVの化合物 (式中、R2は請求項5で定義されるものである。)を、酸化剤と反応させる ことによる請求項5で定義される式IIIの化合物の製造方法。 7. 式Vの化合物 (式中、R2は請求項6で定義されるものである。)を溶媒中で(PhS)2お よび(n But)3Pと反応させるか、 式(VI)の化合物 (式中、R2は上記で定義されるものであり、Yは請求項5で定義されるもの である。)を80℃〜120℃の温度範囲で溶媒中にてPhSNaと反応させる かのいずれかの工程によることを特徴とする請求項6で定義される式IVの化合 物の製造方法。 8. 請求項7で定義される式VIの化合物を80℃〜140℃の温度範囲で溶 媒中でPhSO2Naと反応させることによる、請求項5で定義される式III の化合物の製造方法。 9. 請求項1、2または3で定義される式Iの化合物あるいは該化合物の医薬 的に許容される塩と、許容される希釈剤または担体とを混合して含有してなる医 薬組成物。 10. ヒトまたは動物の身体の治療法に使用される、請求項1記載の式Iの化合 物または該化合物の医薬的に許容される塩。 11. 中枢神経系疾患の治療に使用される、請求項10で定義 される化合物または塩。 12. 中枢神経系疾患の治療薬の製造における、請求項1で定義される式Iの化 合物または該化合物の医薬的に許容される塩の使用。
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