【発明の詳細な説明】
SQUID制御装置
発明の分野
この発明は、複数のSQUIDを制御する装置に関するものであり、特に、並列的
な(multiple)複数のSQUIDを統合して制御する装置に関するものである。
関連する技術の説明
超伝導量子干渉デバイス(SQUID)は、少なくとも1カ所がジョセフソン接合
によって切断された超伝導ループによって構成されている。SQUIDが1つの接合
のみを有する場合には、発振電流によってバイアスされなければならないRF SQU
IDとして知られている。SQUIDが2以上の接合を有する場合には、DC電流によっ
てバイアス可能なDC SQUIDとして知られている。この発明は、主として、複数の
DC SQUIDの制御に関するものであるが、ある側面においては、複数のRF SQUIDの
制御システムにも用いることができる。
DC SQUIDは、超伝導ループに引加される全磁束の作用によって変化する、接合
部を横切る出力電圧を提供するものであるから、本質的に、磁束−電圧コンバー
タである。出力電圧は、印加された磁束中において、1つの磁束量子Φ0の周期
に関して周期的である。したがって、静的な電圧出力レベルにセットするため、
SQUIDに固定的なDC磁束を印加することにより、SQUID中に生成される単一磁束量
子と同じような磁界は、SQUIDの出力電圧の静的な値からの偏差を計測すること
によって検出することができる。
複数のSQUIDおよびその制御システムについては、クラーク(Clarke)、「複
数SQUIDの原理および応用(Principiles and Applications of SQUIDs)」、IEE
E会報、第77巻、第8号、1208〜1223頁(1989年)を参照して具
体化する。ここに述べられているように、ほとんどのSQUIDの読み出し方法は、
磁束ロックループ(flux-locked loop(FLL))回路を使用することを含んでいる
。外部からの印加磁界によって、SQUIDの電圧出力が静的な値(通常は0)
から変動すると、この回路は、SQUIDに近接するフィードバックコイルに印加さ
れるフィードバック電流を生成する。フィードバックコイルによる磁束が外部印
加磁束を補償して、外部印加磁束を打ち消しSQUIDに印加される磁束を全体とし
て0に戻すようなフィードバック電流を、この回路は供給する。したがって、SQ
UIDの電圧出力は、静的な値に保持される。そして、外部印加磁束の大きさを示
すアナログ出力信号を得るために、外部印加磁束を打ち消すために必要なフィー
ドバック電流のレベルが、測定される。
この技術は、単一の磁束量子より著しく小さい外部印加磁界レベルの検出を可
能とするだけでなく、電圧/磁束カーブ上の所定の動作点にSQUIDを連続的に駆
動するので、当該カーブの周期的な性質(periodic nature)によって制限され
るものではない。FLLフィードバック回路が必要な補償電流を供給し、かつ、FLL
フィードバック回路がカーブのある期間から次に飛ぶのを防ぐに十分なほど早く
応答すれば、ほとんどの瞬間の外部印加磁束レベルΦ0が測定可能である。また
、FLL技術は、外部印加磁束に対して直線的に変化するアナログ出力信号も提供
する。
実用上、FLLは、SQUIDの電圧出力の静的な値からの偏差を積分する積分器を含
んでいることもある。FLL回路に固有のDCドリフト問題は、フィードバック電流
を約100kHz〜500kHzの高周波によって変調し、SQUIDの電圧出力を同じ周
波数で復調することによって改善することができる。SQUIDの動作点が電圧/磁
束カーブの最小または最大にセットされており、±Φ0/4によってSQUIDに供給
され、フィードバック磁束を発振するに十分な振幅を持つ方形波によってフィー
ドバック電流が変調されている場合、SQUIDの電圧出力は、動作点の左側に電圧
/磁束カーブの上の方への途中の点と、動作点の右側に電圧/磁束カーブの上の
方への途中の点との間を交互する。両電圧は等しく、SQUID出力電圧の交流成分
はゼロである。そのような状態のSQUIDは、平均交流電圧が0の静的レベルを示
すものとして示す。外部磁束が印加されると、動作点は、もはや電圧/磁束カー
ブの最大または最小ではなくなる。したがって、SQUIDの電圧出力は、動作点の
左と右の間の点を交互し、もはやその電圧は等しくなくなり、平均交流電圧は0
の静的な値に対して上または下に変動する。
FLLフィードバック回路は、外部印加磁界に対して補償を行うことができ、これ
によって所望のアナログ出力信号を生成することができる。変調電流は、フィー
ドバックコイルに生成されるフィードバック電流に加えられてもよく、SQUIDの
近傍に位置する別個の変調コイルと分離して供給されるようにしてもよい。復調
は、一般的な同調復調器またはロックイン検出器(lock-in detector)を用いて
行なわれる。
ここで用いている「FLL回路」は、電流フィードバック経路およびフィードバ
ックコイルとともに、SQUIDそのもの、SQUIDに結合されたオプショナルなプリア
ンプ、オプショナルなロックイン検出器およびオプショナルな積分器を含むもの
として考慮する。「FLLLフィードバック回路」は、プリアンプ、ロックイン検出
器、積分器およびフィードバックコイルから戻る電流経路を含むものとして考慮
し、フィードバックコイルそのものやSQUIDを含まないものとして考慮する。FLL
回路またはFLLフィードバック回路は、上記の変調および復調技術を用いる場合
には、変調FLL回路または変調FLLフィードバック回路として考慮する。
一般的なシステムにおいて、SQUIDおよび種々のコイルが、極低温で維持でき
るようにされたSQUIDプローブ上に設けられている。FLLフィードバック回路は、
通常、室温にて動作し、プローブケーブルによってプローブに結合される。超伝
導現象による効果を得るのであれば、ここで用いられているように、回路は「極
低温」にて動作する。同様に、超伝導現象を用いないのであれば、回路は「室温
」にて動作する。厳密に外部環境の周囲温度にある回路を「室温」回路とすべき
であるとは、意図していない。SQUIDの電圧出力は、オプショナルな直流ブロッ
クコンデンサおよび/または共振回路と同じように、1以上のインピーダンス・
マッチングトランスを介して、FLLフィードバック回路の入力に結合されてもよ
い。異なる設計としては、これら結合要素の異なるものが、プローブ上に配置さ
れて極低温に保持されるか、または、FLLフィードバック回路とともに配置され
て室温に保持される。
応用物理システム「DC SQUIDシステムモデル581」マウンテンビュー、カルフ
ォルニア:1990年(Applied Physics Systems,"Model 581 DC
SQUID System"(Mountain View,California:1990))において、DC SQUIDセンサ
、極低温プローブ(これは、DC SQUIDセンサとともに、ここで用いる用語として
の「SQUIDプローブ」を構成する)、SQUID処理電子回路および制御/表示コンソ
ールを有するSQUIDシステムが述べられている。極低温プローブは冷却器に挿入
するためのロッドを備えており、SQUIDセンサはチューブの挿入端に取り付けら
れている。RFIフィルタを含む金属筐体(brass denclosure)およびコネクタが
、チューブの非挿入端に取り付けられている。SQUID処理電子回路部は、SQUID閉
ループ電子回路の全てを含んで、高度にシールドされフィルタされた筐体にある
。この回路は、短いシールドケーブルを介して、SQUIDプローブの一端において
コネクタと結合されている。SQUID処理回路部は、冷却器の上に簡単に装着する
には大きすぎ、当然、冷却器の上に、2個もしくは3個以上設けるにも大きすぎ
る。
1つのSQUIDを冷却器に挿入すべき場合には、応用物理システム(APS)SQUID
が適している。しかしながら、同時に動作するSQUIDを必要とするSQUIDの応用が
開発されている。たとえば、脳波によって生成される磁束信号を検出するために
用いるSQUIDシステムは、他のものから1インチ以内に配置された複数のSQUIDセ
ンサを必要とする。これらの形式の応用において、APS技術は、少なくとも2つ
の理由によって適切でない。第一に、各チャネルにおいて、別個のSQUIDプロー
ブ、別個の処理電子回路および別個の制御/表示コンソールを含む完全な構成要
素が独自に必要とされる。コンソールの出力は、単一コンピュータのデータ取得
モジュールに接続されてもよいが、複数のSQUIDの動作を制御することを想定し
たコンピュータに対する準備はされていない;各コンソールは手動によって調整
されるべきものとなっている。
第二に、構成要素が多いことに加えて、APSシステムは、種々のチャネルの変
調周波数の同期を想定した用意をしていない。SQUIDは他のものと近接して配置
されるので、あるSQUIDに対して印加したフィードバック磁束は、他のSQUIDにお
いても同様に検出される。複数のSQUID間での変調周波数の違いは、種々のSQUID
からの読取において、好ましくないビートの原因となる。
量子デザイン「DC SQUIDセンサ、電子回路およびシステム」(Quantum
Design,"DC SQUID Sensors,Electronics ans Systems")(1990年)におい
ては、特に複数チャネル使用を意図したシステムが述べられている。システムは
、1つの「マスターボード」(masterboard)および各チャネルのための独立し
た「マルチカード」を備えている。各チャネルの入/出力構成は、冷却器に挿入
するためのフレキシブルなSQUIDプローブ/センサ、プローブを室温電子回路に
結合するフレキシブルケーブル、スモールバックシェル型(small back shell-s
tyle)のマイクロ・プリアンプ(micropreamp)、マイクロコンピュータを対応
するマルチカードに結合するための10mまでの高度にシールドされたケーブル
を含んでいる。マイクロ・プリアンプは、RFシールドおよびフィルタ、DC SQUID
プローブを有しており、ケーブルは耐RF(RF immunity)および磁気シールドさ
れている。マイクロ・プリアンプは、内部もしくは外部フィードバックとともに
動作し、SQUIDプローブはどちらのタイプの応用においても配される。
量子デザイン(QD)システムは、各チャネルのための分離した磁束ロックルー
プ構成を提供するが、FLLフィードバック回路の主要部分は、SQUIDから10mを
限度として離されたマルチカード中に配置される。特に、SQUIDの電圧出力は、
マイクロ・プリアンプによってある程度まで増幅され、高度にシールドされたケ
ーブルを介して、別々にマルチカードに伝送される。マルチカードは、ロックイ
ン検出器、積分器およびフィードバック電流経路を有している。RF変調周波数は
、マルチカード上のフィードバック電流経路(または、分離された変調電流リー
ド)に印加され、ケーブルを介してSQUIDプローブに伝送される。同様に、マイ
クロ・プリアンプの信号出力にはまだRF変調周波数が含まれており、これはマル
チカード上のロックイン検出器に信号が到達するまで取り除かれない。ケーブル
を介してのRF信号の伝送は、SQUIDプローブと制御器との間のケーブルの最大長
に制限され、ケーブルが高度にシールドされていることおよび信号が個別に伝送
されることという要求を強くする。
加えて、QDシステム中の各マルチカードは、SQUIDバイアス電流、非対称電流
、直流オフセット電流等を制御するためのD/Aコンバータ等のチャネルに特定の
種々のデジタル回路も有している。これらは、FLLのゲイン、アンチ−
アリアシング・フィルタ(anti-aliasing filter)の選択等の調整を制御するた
めのデジタル制御のアナログスイッチも有している。よって、これら回路のスイ
ッチングによるノイズは、磁束ロックループの動作に悪影響を与える。さらに、
マルチプレクサ、A/Dコンバータ、FIFOおよびマイクロプロセッサ等のデジタル
回路を有するマスターボードは、全てのマルチカードと同様に同じSQUID制御ボ
ックス中に配置されている。これら構成要素からのノイズも、また同じように磁
束ロックループの動作に影響を与える。QDシステムは、これらの影響を最小にす
るために、広範囲にわたる内部シールドを必要とし、ハードウエア結合に起因し
てこのシールドが不完全であれば、それはFLLを制御するため入り込まねばなら
ない。
QDシステムの制御ユニットは、前面パネルまたはRS232CやGPIBを介して制御器
に結合された外部コンピュータのいずれからも制御できるようになっている。プ
ローブから読み出した出力信号は、制御器の前面パネル上に表示され、および/
または、外部コンピュータに伝送される。QDシステム中のSQUID制御器を制御す
るための命令は、Quantum Design Inc.の「モデル5000DC SQUID制御器操作マニ
ュアル」(1991年)に詳しい。
フジマキ「Josephson Integrated Circuits III--1チップSQUID磁力メータ(
magnetometer)」、富士通科学技術ジャーナル、第27巻第1号(1991年)
、59頁〜83頁においては、各SQUIDチャネルが、SQUIDと同じ極低温チップ上
のジョセフソン・デジタル回路を用いて構築されるデジタル・フィードバックル
ープを有している多重SQUIDシステムが述べられている。しかしながら、この技
術を用いるシステムを実用化するためにはその前に、無視できないほど重要な研
究が必要である。
SQUIDを制御するさらに他の技術は、減衰発振器(relaxation oscillator)中
にSQUIDを有している。しかしながら、複数のSQUIDは異なる周波数で動作するの
で、この技術は、近接した複数のSQUIDを多重に制御するためには有用でない。
よって、この発明は、上記問題の全てまたは一部を改善したSQUID制御システ
ムを提供することを目的とする。
発明の概要
この発明による多重SQUIDプローブを制御するためのSQUID制御装置は、概略、
それぞれSQUIDプローブに対応する複数のヘッドユニットを有しており、各ヘッ
ドユニットは、それぞれの変調周波数で動作する、極低温でない変調された磁束
ロックループ・フィードバック回路を有している。この装置は、ヘッドユニット
の全てと結合されたベースユニットも有しており、ベースユニットは、多重ヘッ
ドユニットを制御するための信号を供給する。デイジー・チェイン・トポロジー
(daisy chain topology)を使用することなどにより、全ての変調磁束ロックル
ープ・フィードバック回路の変調周波数を同期するための手段も設けられている
。ヘッドユニットは、復調器の局部発振入力(local oscillator input)に供給
するための変調周波数発振信号を移相するために結合され、所望量基本周波数成
分を移相するための移相器も有しており、移相器は、基本周波数成分を除いた周
波数成分の全てを減少させるため、発振信号をフィルタリングするための移相フ
ィルタを有していてもよく、フィルタされ移相された信号を方形波にするための
整形手段を有していてもよい。
図面の簡単な説明
この発明を、以下の図面を参照して、その実施例に関して説明しする。
図1、8および9は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示
している。
図2は、SQUIDプローブを記号化して示している。
図3は、図1のヘッドユニットの1つのブロック図である。
図4は、図3の積分器の模式図である。
図5は、図3の選択抵抗の模式図である。
図6は、図3の移相器の模式図である。
図7は、図1のインターフェイス・ユニットのブロック図である。
詳細な説明
図1に、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示す。このシス
テムは、複数のチャネルを有しており、各チャネルはプローブ102a,102bまたは1
02n(まとめて102)およびヘッドユニット104a,104bまたは104n(まつめて104)
を有している。プローブ102は、冷却器への挿入に適合するようにされており、
たとえば、ヘッドユニット104とともに冷却器の上に搭載される。搭載メカニズ
ムは、接着、ボルトおよびナット、電気的コネクタの機械的支持、またはその他
の技術により可能である。それぞれのケーブル106a,106bおよび106n(まとめて1
06)は、プローブ102をそれぞれのヘッドユニット104に、フレキシブルに、剛性
チューブの中空部を介して、結合するものである。APSおよびQDシステムととも
に、ケーブル106はシールドされ、差動ペア(differential pair)を介して、プ
ローブとヘッド間に信号を運ぶ。ヘッドユニット104と冷却器の極低温領域との
間の熱伝導を最小にするため、適切な処置が用いられている。
ヘッドユニット104は、室温にて動作する。これらは、全て、それぞれのケー
ブル110a,110bおよび110n(まとめて110)を含むケーブル網を介して、共通のイ
ンターフェイス・ユニット108に結合されている。後に見られるように、これら
のケーブル110は高度にシールドする必要がなく、ほとんど任意の長さが許され
る。さらに、ケーブル110は光ファイバーを有していてもよい。インターフェイ
ス・ユニット108は、RS232リンク114を介して、パーソナルコンピュータ等のコ
ンピュータにも接続されている。他の実施例においては、後者の接続は、GPIB等
の異なるプロトコルに従うものであってもよい。
より詳細に以下に述べるように、種々のチャネルの変調周波数は、1つのヘッ
ドユニット104aがマスターとして動作するRF発振器を提供することによって同期
がとられる。残りのヘッドユニット104bおよび104nのそれぞれは、直前のヘッド
ユニットのスレーブとして動作し、直後のヘッドユニットのマスターとして動作
する。よって、ケーブル網は、ヘッドユニット104aのマスター出力をヘッドユニ
ット104bのスレーブ入力に結合するケーブル116a、およびヘッドユニット104bの
マスター出力をヘッドユニット104nのスレーブ入力に結合するケーブル116bを有
している。他の実施例においては、図1に示すデイジーチ
ェイン配置に代えて、マスターのヘッドユニットがスレーブのヘッドユニットの
全てを直接制御してもよい。その他の配置も可能であり、その一部を後述する。
全てのチャネルの変調周波数を同期させることにより、ビートを防止することが
できる。
全てのチャネルの変調周波数が同一である場合だけでなく、異なるチャネルの
変調周波数が他のチャネルに対して倍数になっている場合においてもビートを防
止することができる。また、異なるチャネルの変調周波数が、すべて共通周波数
の倍数になっている場合、共通周波数が容易にフィルタリングできるほど十分に
高い限りにおいて、ビートを防止することができる。ここで用いているように、
「同期」とはこれら全てのバリエーションを含むものとして意図している。
図2は、図1のSQUIDプローブ102の一つを模式的に示したものである。発明に
用いるため選択したSQUIDプローブの特定の構造は、発明自身の一部を構成する
ものではなく、発明を実施するSQUID制御システムの構成要素は、選択したSQUID
プローブの型に適合したものである。しかしながら、ここで述べた特定の実施例
は、YBCO等の高温超伝導材料によって形成されたSQUIDプローブの使用に特に適
している。このようなSQUIDの例は、Wellstood,et.al."Integrated dc SQUID ma
gnetometeo with a High Slew Rate",Rev.Sci.Instrum.,第55巻第6号952
〜57頁(1984年)に詳しい。
図2に示すように、プローブは、2つのジョセフソン接合204を持つSQUID 202
を有している。入力バイアス電流は、差動リード207,208(それぞれ、Iバイア
ス+およびIバイアス-)を介してSQUIDに与えられ、SQUIDからの電圧出力は差
動リード210,212(それぞれ、信号+および信号-)を介して供給される。フィー
ドバック+およびフィードバック-ライン216および218を介して異なって駆動さ
れるフィードバックコイル214が含まれており、この実施例では、分離した変調
コイル220を有しており、差動変調+および変調-リード222,224を介して駆動さ
れる。また、プローブの上に小型ヒーター216が設けられ、ヒーターライン218か
ら接地/シールドライン220によって駆動される。図2のSQUIDプローブの動作は
、一般的であり、典型的なDC SQUIDプローブに関して上記で述べたものと同様で
ある。
図3は、図1の1つのヘッドユニット104のブロック図である。一方側は、プ
ローブユニット102の1つに結合するためのプローブコネクタ(図示せず)によ
ってっており、反対側は、ケーブル110の1つを介してインターフェイス・ユニ
ット108に結合するためのインターフェイス・ユニット・コネクタ(図示せず)
によって終っている。ケーブル110の1つに結合されるコネクタは、たとえば、
ペンシルバニア、エリーのスペクトラム・コントロール会社(Spectrum Control
,Inc.,)製造のモデル56-711-015等のローパス・フィルタを用いることができる
。ヘッドユニット102は、冷却器の上に複数個を合わせて搭載できるように、十
分コンパクトである。
図3を参照すると、磁束ロック・フィードバック回路は、プリアンプ302、ロ
ックイン検出器304、積分器306、差動ドライバ308および選択抵抗310を介して通
る差動電流フィードバック経路を備えている。特に、ライン210,212に現れるSQU
IDプローブの差動電圧出力は、トランス312の1次コイルの反対端に結合されて
いる。トランス312の2次側は接地された一端を有しており、他端はAC結合プリ
アンプ302の入力に結合されている。プリアンプ302は一般的なものであり、マイ
クロボルトのオーダーの信号をボルトのオーダーの信号に信号強度を増幅する点
を除いて、ここでは詳しく説明しない。
プリアンプ302の出力は、ロックイン検出器304の信号入力に結合されている。
ロックイン検出器304は、ニューヨーク、ブルックリンのミニサーキット社(Min
icircuits Inc.,)製造のSRA-8ユニット等のダブル・バランス・ミキサーを用い
て実現できる。ロックイン検出器304の出力は、後に詳述する積分器306の信号入
力に接続されている。積分器306は、2つのリセット入力RST1およびRST2を有し
ており、これら双方の能動状態はフィードバック・コンデンサを短絡する。
積分器306の出力は、手動ゲイン制御ポテンショメーター(図示せず)を有す
る差動ドライバ308の入力に接続されている。ドライバ308の差動出力は、選択抵
抗回路310の一端に接続されている。選択抵抗310の差動出力は、SQUIDプローブ
のフィードバックコイルに結合するための差動フィードバックライン216,218に
接続されている。ヘッドユニット104は、それぞれのケーブ
ル110を介してインターフェイス・ユニット108からレンジ制御信号314を受け取
る。レンジ制御信号は、4つのフィードバック抵抗値の1つを選択するため、選
択抵抗310の抵抗選択(RSEL)入力に結合された2ビットの2進数値を伝達する
。同じレンジの制御信号314もまた、4つの積分フィードバック・コンデンサの
適切な1つを選択することにより、固定積分時定数を維持する積分器306のコン
デンサ選択(CAPSEL)入力に供給される。
ヘッドユニット104の各々は、特定のヘッドユニットがマスターまたはスレー
ブとして動作するか否かによって、動作又は非動作を切り換えられる内部方形波
発振器316を有している。したがって、発振器316への電源接続は、単一極ダブル
投入(single-pole,double-throw)のスイッチ318の共通接点に接続され、1つ
の極は電源に接続され、他の極は接地または開放される。ヘッドユニット104が
マスターとして動作する場合、スイッチ318は、電源を発振器316に切り換える。
発振器316の出力は他の単一極ダブル投入スイッチ320の一方の極に接続され、
その他方の極はバッファ322の入力に接続される。ヘッドユニット104は、バッフ
ァ322の入力に接続されたスレーブ入力リード324を有している。
スイッチ320の共通接点は、その出力にマスター出力リード328の設けられた他
のバッファ326の入力に接続されている。ヘッドユニット104がマスターである場
合、スイッチ320は発振器316の出力に切り換えられ、ヘッドユニットがスレーブ
である場合、バッファ322の出力に切り換えられる。
スイッチ320の共通接点は、他端が接地された可変抵抗330の一端にも接続され
ている。可変抵抗330のタップは、その差動電流出力がSQUIDプローブの変調コイ
ル220のために用意された変調電流ライン222,224をドライブする差動ドライバ33
2の入力にAC結合されている。ジャンパ334と336は、分離したフィードバック
または入力コイルを介するよりも、変調コイルを介してSQUIDにフィードバック
を行う場合に用いるために、差動変調ライン222,224上のフィードバック電流を
結合するために設けられている。
差動電流ドライバ332の入力は、インダクタ338、バイパス・コンデンサ340お
よび直列抵抗341を介して、DCオフセット入力ライン342にDC結合
されている。DCオフセット入力ライン342は、後述の様に、それぞれのケーブル1
10を介して、インターフェイス・ユニット108により駆動される。
スイッチ320の共通接点は、変調ライン222に提供されているのに加えて、移相
器344を介して、ロックイン検出器304の局部発振入力にも結合されている。移相
器344は、SQUIDプローブとヘッドユニットとの間で、SQUID電圧信号がロックイ
ン検出器304の信号入力に戻る前に生じる位相のずれを補償するために挿入され
ている。位相器344の特別に有利な構成は、図6を参照して以下に述べる。
積分器306の出力は、差動電流ドライバ308の入力に供給されているのに加えて
、抵抗346を介してフォロワ(follower)348にも結合されている。フォロワ348
の出力は、リード350を通して、インターフェイス・ユニット108に接続するため
に設けられたANALOUT信号を形成する。ANALOUT信号は、フィードバック電流のレ
ベルに比例するので、ヘッドユニット104の磁束ロックループのアナログ出力信
号を形成する。磁束ロックループのアナログ出力を読み出すその他の(好ましい
)方法は、選択抵抗310の一方の反対端を、インスツルメンテーション(instrum
entation)アンプ(図示せず)の対応する反転および非反転入力に接続し、イン
スツルメンテーション・アンプの出力を、346のような抵抗を介して、フォロワ3
48の入力に供給することである。この方法においては、選択抵抗310の一方を介
してフィードバック電流が生じる電圧降下が直接測定される。
積分器306のRST1入力は、対応するケーブル110を介して、インターフェイスユ
ニット108からの信号を受け取るために結合されたリセットライン352に接続され
ている。このリセットライン352は、閉状態において抵抗358を介してロックイン
検出器304をフォロワ348の入力に結合するアナログスイッチ356の制御入力に、
遅延器354を介して、結合されている。よって、リセットライン352の上に短いパ
ルスを印加することにより、インターフェイス・ユニット108は、積分器306を遠
隔的にリセットすることができる。リセット信号が長い期間保たれている場合に
は、積分器306がリセット状態に保たれるだけでなく、ロックイン検出器304の出
力が、積分器306の電圧出力に代えて、
ANALOUTライン350に結合される。これは、インターフェイスユニット108がロッ
クイン検出器304を直接観察することを可能にするテストモードである。加えて
、それぞれのケーブル110を介しての直接観察のために、ACプリアンプ302の出力
は、AMPOUTライン360を介して、インターフェイス・ユニット108に接続されてい
る。他の実施例では、ケーブル110中にこのRF信号が含まれるのを防ぐため、AMP
OUT信号が個別に観察装置に接続され、完全に否定する場合もある。
積分器306の出力は、積分器306の電圧出力が高しきい値を越え、低しきい値を
下回った場合に、積分器306のRST2入力に対してリセット信号を与える自動リセ
ット制御回路362によってもモニタされる。同時に、自動リセット制御回路362は
、COUNTライン364およびそれぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・
ユニット108にパルスを送る。インターフェイス・ユニット108は、COUNTライン3
64の信号を観測することにより、自動リセット制御回路362によって能動的にさ
れたリセットの数の経過を保持する。自動リセット制御回路362は、積分器306を
飽和しないように保持することにより、FLLのダイナミック・レンジを増加させ
る。異なる実施例においては、自動リセット制御回路362を無くし、ANALOUTライ
ン350のモニタに対応してRESETライン352に適切なリセットパルスを供給するイ
ンターフェイス・ユニット108を持つことによって同じ結果を得ることができる
。
ヘッドユニット104は、インターフェイス・ユニット108からVバイアス・ライ
ン366を介して、SQUID202のために好ましいバイアス電流レベルを示す電圧信号
を受信する。Vバイアス信号は、その出力がIバイアス+およびIバイアス-ラ
イン207をドライブするために接続されている差動電流ドライバ368の入力に接続
される。同様に、ヘッドユニット104も、インターフェイス・ユニット108からラ
イン370を介して、SQUID 202近傍のヒーター216をオンにすべきか否かを示すヒ
ーター入力信号を受け取る。ヒーター入力信号は、SQUIDプローブ102のために、
ローパス・フィルタ372を介して、ヒーター出力ライン218に結合されている。
Iバイアス+ライン207は、他端がIバイアス-ライン208に接続された可変
抵抗374の一端に接続されている。可変抵抗374のタップは、直列抵抗376を介し
て、インダクタ338、抵抗341およびコンデンサ340の接続点に結合されている。
この接続は、SQUIDのバイアス電流を繰り返し反転することを含み、動作点を電
圧/磁束カーブの最小または最大に維持するため、SQUID同期のDCバイアス磁束
を調整する、追加の既知の低周波ノイズ除去手法を実現可能とする。この手法を
用いるため、インターフェイス・ユニット108において動作するソフトウエアは
、たとえば、1〜5kHzの周波数にてVバイアス信号を繰り返し反転することだ
けが必要である。可変抵抗374のタップ位置は、バイアス電流が反転するよう、
適切な動作点の移動を得るために調整されている。
図4は、積分器306の基本構成を示す。入力ライン402は、直列抵抗404を介し
て、非反転入力が接地された入力オペアンプ406の反転入力に結合されている。
アンプ406の出力は、4つの並列経路を介し、4つの異なる値のコンデンサ408,4
10,412,414をとおって、単極4投入アナログスイッチ(fiour-throw analog swi
tch)416のそれぞれの極に接続されている。アナログスイッチ416の共通接点は
、アンプ406の反転入力に戻って接続されており、アナログスイッチ416の選択入
力はライン314の2ビットレンジ信号を受信するよう接続されている。オペアン
プ406の出力も、その制御入力がRST1とRST2信号をそれぞれ受けるよう接続され
た2並列単極単投入スイッチ418,420を介して、非反転入力に戻って接続されて
いる。これらの信号の何れかが能動的になると、それぞれのスイッチ418または4
20が閉じ、フィードバック・コンデンサ408,410,412,414の何れか現在用いてい
るものをショートする。オペアンプ406の出力は、積分器306の出力422を形成す
る。
図5は、選択抵抗310(図3)の主要な構成要素を示している。ドライバー308
の非反転出力502は、4つの並列抵抗504を介して、その選択入力ポートがライン
314の2ビットレンジ信号を受けるために結合された、単極4投入スイッチのそ
れぞれの極に結合されている。反転出力508も同様に、4つの並列抵抗510を介し
て、単極4投入スイッチ512のそれぞれの極に結合されている。スイッチ512の選
択入力ポートは、ライン314の2ビットレンジ制御信号を受信するために結合さ
れている。スイッチ506および512の共通接点は、選択抵
抗310の差動出力ライン216,218を形成する。
前述のように、局部発振入力としてロックイン検出器304(図3)に与えられ
る前に、変調ライン222と224に供給される発振信号の位相をシフトすることが好
ましい。正弦波に対する位相シフトはよく知られており、その一つが、Horowitz
,"The Art of Electronics"第2版(ケンブリッジ大学出版:1990年)77
〜78頁に述べられている。正弦波でない信号の位相をシフトすることも好まし
いが、これはシフトされるべき信号が矩形波である図3の回路の場合である。正
弦波でない信号は、一般的な位相シフト回路を適用すれば、異なる量のシフトと
なって、ゆがんだ出力を生成するような、異なる周波数におけるフーリエ成分を
含んでいる。また、一般的な移相器は、大きなレンジにわたって連続的に調整さ
れるべき移相シフトが可能ではない。
EG&G Brookdeal Electronics,Princeton Applied Reaearch,"Model 128A Loc
k-In Amplifier-Operating and Service Manual"(Princeton,New Jersey:19
71年)VII-7頁においては、どのような周波数でも、広い範囲にわたって位相
シフト信号を得ることを意図した移相回路が記述されている。しかしながら、そ
の回路は極めて複雑である。
したがって、移相器344(図3)は本発明の原理にしたがって構成されており
、入力信号(発振器316からの、またはバッファ322からの)は、基本周波数等の
所望の周波数成分を除く全ての周波数成分を減少または圧縮するためにフィルタ
リングされ、中間信号を生成するために所望量の位相シフトがなされる。その後
、この中間信号は、中間信号に対応して所望の形状を有する出力信号を生成する
ため、整形される。特に図3において、移相器344に対する入力信号と出力信号
の所望の形状はともに、方形波である。よって、移相器344は、直列抵抗および
比較器に続く同調回路(tuned circuit)を有している。同調回路は、入力方形
波の基本周波数よりもわずかに上または下の調整可能な周波数に同調し、これに
より、抵抗および同調回路は、それぞれ所望の正または負の量で選択信号の位相
をシフトする。特に、同調回路を選択信号周波数の上に同調すると遅れを生じ、
同調回路を選択信号周波数の下に同調すると進みを生じる。比較器を含む移相器
344は、中間信号に応じて方形波を生成する。
図6は、本発明の原理による移相回路の実施例を示すものである。入力ライン
602は、直列抵抗604を介して、ノード606と接地間に結合される同調回路630のト
ップを形成するノード606に結合されている。同調回路630は、ノード606と接地
との間に結合されたコンデンサ608、およびコンデンサ608に並列に結合された可
変インダクタ610を有している。インダクタ610は、インダクタ610のコア612の挿
入深さを調整することにより可変となっている。
中間信号を伝達するノード606は、直列コンデンサ614を介して、比較器616の
非反転入力にAC結合されている。比較器616の非反転入力は、抵抗618を介して、
比較器616の反転入力に結合されており、比較器616の反転入力は、正電圧と接地
との間に結合された抵抗620と抵抗622の直列体によって形成される抵抗ドライバ
の出力に接続される。比較器616の反転入力は、コンデンサ623を介して接地され
る。比較器616の出力は、そのエミッタが接地され、コレクタが抵抗626を介して
正電源に結合された、トランジスタ624(比較器616の一部として考えてもよい)
のベースに接続される。トランジスタ624のコレクタは、移相器344の出力628を
形成する。
動作において、コンデンサ608とインダクタ610は、同調回路630が入力信号の
基本周波数を除く全ての周波数成分を効果的に排除する(最小化する)ように選
択されている。したがって、ノード606における波形は、実質的に、入力された
方形波のように同じ周波数を有する正弦波である。しかしながら、同調回路630
の同調周波数に依存して、正または負の量、入力方形波の位相に対して位相がシ
フトしている。位相のシフト量は、インダクタ610のコア612の挿入深さを調節す
ることにより調整する。異なる実施例においては、同調回路630の同調周波数は
、その他の既知の技術によって調整してもよく、たとえば、インダクタ610の実
効巻き数を調整したり、コンデンサ608の容量を調整することによって調整して
もよい。
ノード606の中間信号は、比較器616の非反転入力にAC結合され、そこで抵抗62
0と622によって形成される抵抗分割によって決定されるしきい値と比較される。
バイパスコンデンサ623は、しきい値電圧の大きな影響から中間信号を防いでい
る。出力抵抗624とともに、比較器616の非反転入力の正弦波信
号がしきい値を下回ると、比較器616は出力ライン628の低電圧レベルを生成し、
比較器616の非反転入力の正弦波信号がしきい値を上回ると、出力ライン628の高
電圧レベルを生成する。したがって、比較器616およびトランジスタ624は、ライ
ン602の入力信号の独特の形状の正弦波を方形波に戻すように変換する。比較器6
16およびトランジスタ624は、たとえば、Santa Clara,Cahforniaのナショナル・
セミコンダクタ社によって生成された単一LM311の一部として入手できる。
図6の回路のバリエーションの数は、注意に値する。第一に、中間信号の矩形
化は、比較器616に代えて、他の公知の手段によって実現可能である。第二に、
移相器344は入力波形のどのような形に対しても適切に動作して、方形波である
出力波形を生成する。第三に、同調回路630は、基本周波数と違って、入力信号
の高調波(harmonic)近傍に同調してもよい。図6の場合であれば、基本波より
も選択した高調波の周波数において、位相シフト方形波出力を生成する。第四に
、移相器の出力を形成する矩形化回路は、位相シフト出力信号を所望の形(たと
えば、三角や階段)にするための他の整形回路によって置き換え得る。
図7は、インターフェイス・ユニット108(図1)のブロック図である。これ
は、モトローラ製造の68HC805C4チップを用いて実現可能なマイクロコンピュー
タ702を備えている。インターフェース・ユニット108は、4チャネル12ビット
電圧出力DAC 704a,704b,704c,704d(まとめて704)のバンクを備えている。各4
チャネルDAC 704は、マサチューセッツ、ノーワードのアナログ・デバイセス製
造のDAC-8420とすることができ、直列データ入力(SDI)、アクティブロウ(act
ive low)ののチップセレクト(CS)入力、アクティブロウのロード(LD)入力
、クロック入力を備えている。全ての4チャネルDACのSDI入力は、マイクロコン
ピュータ702のシリアル出力(SO)からシリアルデータ信号を受信するために接
続されており、DAC 704のためのクロック入力は、すべて、マイクロコンピュー
タ702のSCK出力から直列クロック信号を受信するために接続されている。マイク
ロコンピュータ702は、8ビットDACCTL出力バスをドライブし、4つ全ての4チ
ャネルDAC 704のために、CSやLD信号を各ラインに供給する。4チャネルDAC 704
は、それぞれ、1
つは各内部DACのための、また合計16のアナログ出力のための、4つのアナロ
グ出力A,B,C,Dを有している。
4チャネルチッブ704の動作は、アナログ・デバイヤスのデータシート"Quad 1
2-Bit Serial Voltage-Output DAC,Preliminary,DAC-8420"に詳しい(ノーウッ
ド、マサチューセッツ:6-23-92)。基本的に、チップ704の1つの各DACは、1
2ビットデータワードによって続けられた4ビットアドレスヘッダを含む16ビ
ット直列ワードによって個別にアドレスされる。アドレスヘッダの4ビットにお
いて、最初の2つは4つの中間DAC1つを示すものであり、後の2つは残されて
いる(reserved)。チップ704の1つのCS入力が能動である時、SDI入力に与えら
れるデータは、最初のDACアドレスビットから始るデータをシフトする内部シフ
トレジスタに直列にロードされる。特に、SDI入力に与えられるデータは、SCKの
各立ち下がりに対応して、入力レジスタ中でシフトされる。その後、LDがストロ
ーブであるとき、入力レジスタの12ビットワードは、内部データバスに並列シ
フトされ、アドレスビットで特定されたDACのためのDACデータレジスタに書込ま
れる。DAC-8420チップは、インターフェイス・ユニット108のために選択された
。なぜなら、これらは正確でありコンパクトであるが、DACの他の形式および他
の直列または並列インターフェイス技術を代りに用いるからである。
4チャネルDACチッブ704aのAおよびB出力は、各直列抵抗を介して、ケーブ
ル110の1つによって8つまでのヘッド104の最初のものに結合される、Vバイア
ス1およびDCオフセット1信号を提供するために結合される(図1)。同様に、
4チャネルDACチッブ704aのCおよびD出力は、第2ヘッド104のため、各直列抵
抗を介して、Vバイアス2およびDCオフセット2信号を供給するため結合される
。4チャネルDACチッブ704bのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110
の1つによって第3のヘッド104に結合されたVバイアス3およびDCオフセット
3信号を供給するために結合され、4チャネルDACチッブ704bのCおよびD出力
は、第4ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス4およびDCオフセ
ット4信号を供給するため結合される。4チャネルDACチッブ704CのAおよびB
出力は、各抵抗を介して、ケーブル
110の1つによって第5のヘッド104に結合されたVバイアス5およびDCオフセッ
ト5信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704CのCおよびD出
力は、第6ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス6およびDCオフ
セット6信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704dのAおよび
B出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第7のヘッド104に結合
されたVバイアス7およびDCオフセット7信号を供給するために結合され、4チ
ャネルDACチップ704dのCおよびD出力は、第8ヘッド104のため、各直列抵抗を
介して、Vバイアス8およびDCオフセット8信号を供給するため結合される。
マイクロコンピュータ702のSO出力は、保持型シフトレジスタ706aの直列デー
タ入力(SDI)に接続されている。保持型シフトレジスタ706aは、たとえば、モ
トローラ社製造の74HC595チップでよい。706aのような分離された保持型シフト
レジスタが、インターフェイス・ユニット108によってサポートされた8チャネ
ル(その8番目を図7の706hに示す)のそれぞれのために設けられている。各ラ
ッチ型シフトレジスタ706a…706h(あわせて706)は、保持型シフトレジスタ706
hを除いて、チェインになった次の保持型シフトレジスタのSDI入力に接続された
直列データ出力(SDO)リードを有している。保持型シフトレジスタ706の全ては
、マイクロコンピュータ702のSCK出力を受信するために接続された直列クロック
(SCK)入力を有しており、マイクロコンピュータ702のDOUTLD出力を受けるため
に結合されたRCK入力を有している。各保持型シフトレジスタ706は、8ビットを
保持し、そのうち4ビットのみがインターフェイス・ユニット108にて用いられ
る。どのビットがどの制御信号に割り当てられているかの詳細は大切ではないが
、説明すると、チャネルの1つに対応する保持型シフトレジスタ706のビットの
一つがヒーター信号を伝え、ビットの一つがリセット信号を伝え、ビットの2つ
がレンジ信号を伝える。これらのビットは、保持型シフトレジスタのQ0〜Q3出力
から、ケーブル110の1つを介して、そのチャネルに対応するヘッドユニットの
ために用意される。
SCK入力の各パルスに対応して、SDI入力からのデータを直列にシフトすること
により、保持型シフトレジスタ706が動作する。RCK信号がストローブで
ある場合だけ、出力ピンをラッチするシフトレジスタの電流成分を用いる。した
がって、保持型シフトレジスタ706のいずれの出力を変更するため、マイクロコ
ンピュータ702は、マイクロコンピュータ702のSOおよびSCK出力を用いて、8×
8=64ビットの直列の流れを保持する。マイクロコンピュータ702のDOUTLD出
力、保持型シフトレジスタ706の出力に、64ビット全てをラッチするため、マ
イクロコンピュータ702のDOUTLDをストローブする。マイクロコンピュータ702は
、ビットのフルセットのコピーを保持する。
アンプ708の反転入力は、ケーブル110を介して、対応するヘッド104から、信
号接地(SIGGND)を受信するよう結合されている。図7においてANA1…ANA8と符
号が付されたアンプ708の出力は、それぞれ8:1アナログ・マルチプレクサ710
の入力に結合され、このマルチプレクサの3ビット選択入力は、マイクロコンピ
ュータ702からの3ビットMPX(A:C)信号を受けるように結合されている。マルチ
プレクサ710の出力は、ADコンバータ712のアナログ入力に接続されている。A/D
コンバータ712は、たとえば、マサチューセッツ、ノーウッドのアナログ・デバ
イセス製造のAD677とすればよい。A/Dコンバータ712の制御リード(CML,BSYおよ
びSAMP)は、マイクロコンピュータ702のADCCTLバスのそれぞれのラインに接続
されている。SDOピンは、その出力がマイクロコンピュータ702のシリアル入力(
SI)に接続された、4:1デジタル・マルチプレクサ714の1入力に接続されて
いる。マルチプレクサ714の2ビット選択入力は、他のマルチプレクサ716の選択
入力のためにも提供されている、マイクロコンピュータ702からの2ビットDIGSE
L出力信号を受けるために結合されている。マイクロコンピュータ702のSCK出力
は、他の3つの入力が接地された、マルチプレクサ716の入力の一つに接続され
ている。SCK信号が接続される入力は、マルチプレクサ714上の、A/Dコンバータ7
12のSDO出力が接続されるそれと同じ入力である。したがって、DIGSEL信号が、
マルチプレクサ716に、A/Dコンバータ712からのSDO信号を選択させた場合、マイ
クロコンピュータ702からのSCK信号もマルチプレクサ716によって選択される。
マルチプレクサ716の出力は、変換制御のためおよびSDO出力へのデジタルデータ
出力のクロックとして用いられる、A/Dコンバー
タ712のクロック入力に接続されている。
各ヘッド104のカウント出力は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ
718のそれぞれの入力に結合されている。同様に、各ヘッド104の信号接地の接続
は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ720のそれぞれの入力に結合さ
れる。モトローラ社製造の74HC597を用いることができる8進ラッチ718,720は、
ラッチしたデータをシリアルにシフトして出力するためのシリアル出力(SO)を
含んでいる。ラッチ718,720のSO出力は、マルチプレクサ714のそれぞれの入力に
結合されている。ヘッドユニット104の信号接地リードを読み出せ得ることは有
用である。なぜなら、これにより、マイクロコンピュータ702がヘッドユニット
が各8チャネルに接続されているか否かを決定できるからである。入力の一つが
ヘッドによって接地されない場合に、論理1を提供するため、プルアップ抵抗(
図示せず)が、インターフェイスユニット108の信号接地入力に接続されている
。
8進ラッチ718と720のそれぞれは、その双方がマイクロコンピュータ702から
のDINLAT信号を受信するため結合されているラッチ(LAT)入力およびマイクロ
コンピュータ702からのSS出力信号を受信するため結合されたSS入力を有してい
る。8進ラッチのそれぞれは、マイクロコンピュータ702のSCK入力を受信するた
めに結合されたSH入力を含んでいる。8進ラッチ718は、LAT入力のパルスに応答
して、8ビット並列入力値をラッチし、SH入力に印加される一連のパルスに応答
して、それぞれのSOピンにラッチデータをシフトすることによって動作する。SS
入力がハイの場合にはシリアルシフトを、ロウの場合にはバラレルロードを可能
にしている。したがって、マイクロコンピュータ702は、マイクロコンピュータ7
02のDINLAT出力をストローブし、マイクロコンピュータ702のDIGSEL出力を、マ
イクロコンピュータ702のSI入力を用意するために、マルチプレクサ714が8進ラ
ッチ718のSO出力を選択するようにセッティングし、その後、マイクロコンピュ
ータ702のSCK出力を、DINLATのストローブに対応してラッチ718にラッチされる
8ビットをシフト出力するに十分な時間、ストローブすることにより、8つのヘ
ッドユニット104からのカウント信号の電流値を読むことができる。マイクロコ
ンピュータ702
は、ヘッド104から8つの信号接地信号を読み出すために、同じような動作を実
行する。
インターフェイス・ユニット108は、さらに、マイクロコンピュータ702をコン
ピュータ(パーソナルコンピュータ等)やダンプ端子等の外部ユニットに結合す
るためのRS232インターフェイス722を含んでいる。RS232インターフェイス722は
、カリフォルニア、サンバレイのMaxim Integtrated Products製造のMAX250/MAX
251チップセットを用いればよい。追加的な分離は、光分離器(optoisolators)
を用いて達成できる。
マイクロコンピュータ702に接続された個別の信号ラインは、図7にあるよう
に、個々に名称が付されている点に注意すべきである。これらのラインの多くは
、マイクロコンピュータ702の汎用I/Oポートに実際に接続されており、ここで述
べた個々の機能を実行するため、マイクロコンピュータのソフトウエアによって
制御されているだけである。特に、テーブルIは、各割り当ておよび対応するポ
ートピンをセットしている。このテーブルにおいて、"!"は、アクティブ・ロウ
信号を表わしている。
図7の回路は、装置の一実施例であり、多重SQUIDシステムの個々のチャネル
を制御し、多重SQUIDシステムのチャネル出力を読むための、インターフェイス
・ユニット108(図1)を含んでいてもよい。しかしながら、インターフェイス
・ユニット108は、その他の種々の形式をとることができる。
この実施例におけるインターフェイス・ユニット108は、それ自身の制御を有
していない。むしろ、コマンドを受け取って、RS232ケーブル114を介してパーソ
ナルコンピュータ112にデータを伝送することに適している。コンピュータ112は
、ケーブル114を介してインターフェイス・ユニット108に、好ましくはASCIIキ
ャラクタの形式にてハイレベル・コマンドを生成し、好ましくはASCIIキャラク
タの形式でデータを受信する。インターフェイス・ユニット108は、RS232ポート
114から受信したコマンドに応じて、ケーブル110を介して、ローレベル制御信号
を提供し、各チャネルからケーブル110を介して受信したアナログ出力信号に応
答して、RS232ポート114を介して、コンピュータ112にデータを送り返す。パー
ドナルコンピュータ112とのASCII通信プロ
トコルが好ましい。なぜなら、パーソナルコンピュータ112をその応用において
単なるダンプターミナルにすることを可能とするからである。
マイクロコンピュータ702のソフトウエア(図7)は、RS232インターフェイス
722を介して受信したコマンドを解析し、2進数のオペランドに変換する。イレ
ギュラーな命令を受信した場合、エラーメッヤージが対応する。有効なコマンド
を受信すると、マイクロコンピュータ702は、コマンドにしたがって、出力装置
のセットを適切に変更する。たとえば、コマンドの一つ(GC)は、インターフェ
イスユニット108を、A/Dコンバータ712を用いる、選択されたSQUIDチャネルから
の出力信号を読み出すようにし、ソフトウエア・ルーチンを介して、10進数の
読み出しを変換し、それをRS32ポートを介して伝達する。他のコマンド(Icnnnn
)は、インターフェイス・ユニット108に、特定の繰り返し間隔で、これらの動
作を自動的に実行するように指示する。マイクロコンピュータ702は、実質的に
、他のコマンドの翻訳と実行を同時に実行する。
マイクロコンピュータ702は、システムの種々の部品をテストすることを可能
とするための、いくつかのビルトイン(built-in)テスト機能を有している。RS
232インターフェイス722を介しての所定の固定データシーケンスを伝送するイン
ターフェイス・ユニット108をオプションとして有する場合もある。
テーブルIIは、RS232ケーブル114からインターフェイス・ユニット108に供給
できるコマンドのリストである。このテーブルにおいて、"c"はチャネル番号(
1から8、0が全てのチャネルを表わす)を示し、正または負を示す"+"または"
-"および"±"が頭に付された"nnnn"は1-4ASCII10進数を示している。
各コマンドは、コマンド実行のための、復帰(CARRIAGE RETURN)文字によっ
て終らねければならない。改行(LINEFEED)文字は無視され、エスケープ文字は
一部送ったコマンドをキャンセルする。SQUID出力データは、-32768〜+32767の
範囲において、オプショナルな±に続くASCII10進数の形式に戻される。
テストデータモード(M64)において、マイクロコンピュータ702は、A/Dコン
バータ712ではなく、テストデータの内部テーブルからのデータを伝送する。テ
ストデータセットは、128読み取り長さであり、継続的に繰り返す。デバッグモ
ードにおいて、インターフェイスユニット108は、以下のようにVコマンドに応
答する。
128以下の全てのモードおよびモード128以上の何れかのモードは、モード番号
を同時に付加されて活性化される。インターフェイス・ユニット108が、RS232ケ
ーブル114で伝送できるレートよりもさらに早くデータを取得する場合には、イ
ンターフェイス・ユニット108は流れの中からデータ値を無視して、伝送データ
は常に最新のものとなる。
図8は、多重SQUIDチャネルを制御するためのシステムの他の配置である。図
1の配置のように、各チャネルは極低温プローブ802、それぞれのケーブル806を
介して共通インターフェイス・ユニット808に結合された、FLLフィードバック回
路を含む対応する室温ヘッドユニット804を備えている。しかしながら、発振信
号のデイジー・チェインを防止するため、種々のチャネルのための変調周波数は
、インターフェイス・ユニット808中のマスター発振器810によってすべて制御さ
れる。変調周波数は、ケーブル806により、全てのヘッドユニット804に伝送され
る。
他のケーブル806の信号のように高度にフィルタすることができない、変調信
号は広帯域幅経路によって伝送されねばならないので、図8の配置における1つ
の問題が生じる。前述のように、インターフェイス・ユニット808中のデジタル
回路からのノイズは、変調周波数信号に結合可能であり、このためヘッドユニッ
ト804に伝送される。これをさけるため、変調周波数信号を各ヘッド804でオプシ
ョナルに分離してもよく、ケーブル806中を走る光ファイバを介してヘッド804に
伝達してもよい。また、変調周波数は、分割(divided down)周波数でケーブル
806を通して伝送され、位相ロックループの使用により、ヘッドユニット804中で
適切な周波数に再生されてもよい。
図9は、多重チャネルSQUID制御システムの、さらに他の配置を示す。図1の
配置と同じように、各チャネルは極低温プローブ902および室温ヘッドユニット9
04を備えている。ヘッド904は、全て、ケーブル網908を介して、イン
ターフェイス・ユニット906に接続されているが、ケーブル網908はインターフェ
イス・ユニット906への単一のケーブル接続のみを備え、1つのヘッドユニット9
04から次のものへデイジー・チェインまたは並列バスに結合されている。ケーブ
ル網908は、情報のデジタル・フローを運び、各ヘッド904のインテリジェント・
デジタル部910によって、読み出されおよび/または駆動される。ヘッド904のそ
れぞれは、図1および8の配置におけるそれと同様のアナログ部912とともに、
このデジタル部910を含んでいる。ヘッドユニット904は、まだ、冷却器の上に置
くに十分小さく、デジタル部910はそれ自身、命令を解釈し、ケーブル網908を越
えてデータを伝送するに十分にインテリジェントである。
ケーブル網908は、たとえば、銅線または光ファイバのいずれでも用いること
ができる。この配置においては、マスター発振器914がインターフェイス・ユニ
ットに含まれ、ケーブル網908を介してのデータ伝送のための基本バスデータレ
ートを提供する。伝送データの適切なエンコード(マンチェスター・エンコード
の使用等)により、信号には、常に、ビットレートに対応した強い周波数成分が
含まれる。このビットレートは、ヘッドユニット904の位相ロックループによっ
て、コマンド受信と同時に再現される。したがって、ケーブル網908は、コマン
ド伝送と同時に同期変調周波数の伝送機能を提供する。
この発明を特定の実施例と共に説明した、そしてその範囲内において多数の変
更が可能である。たとえば、フィードバック電流変調およびACバイアス電流に加
えて、種々の他の低周波ノイズ・リダクション手法を実施することができる。T
の実施例では、ここで述べた種々の原理を、RF SQUIDに拡張して用いることがで
きる。これらの変更やその他の変更は、クレームの範囲内にある。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年3月2日
【補正内容】
SQUID System"(Mountain View,California:1990))において、DC SQUIDセンサ
、極低温プローブ(これは、DC SQUIDセンサとともに、ここで用いる用語として
の「SQUIDプローブ」を構成する)、SQUID処理電子回路および制御/表示コンソ
ールを有するSQUIDシステムが述べられている。極低温プローブは冷却器に挿入
するためのロッドを備えており、SQUIDセンサはチューブの挿入端に取り付けら
れている。RFIフィルタを含む金属筐体(brass denclosure)およびコネクタが
、チューブの非挿入端に取り付けられている。SQUID処理電子回路部は、SQUID閉
ループ電子回路の全てを含んで、高度にシールドされフィルタされた筐体にある
。この回路は、短いシールドケーブルを介して、SQUIDプローブの一端において
コネクタと結合されている。SQUID処理回路部は、冷却器の上に簡単に装着する
には大きすぎ、当然、冷却器の上に、2個もしくは3個以上設けるにも大きすぎ
る。
1つのSQUIDを冷却器に挿入すべき場合には、応用物理システム(APS)SQUID
が適している。しかしながら、同時に動作するSQUIDを必要とするSQUIDの応用が
開発されている。たとえば、脳波によって生成される磁束信号を検出するために
用いるSQUIDシステムは、他のものから2.54cm以内に配置された複数のSQUIDセン
サを必要とする。これらの形式の応用において、APS技術は、少なくとも2つの
理由によって適切でない。第一に、各チャネルにおいて、別個のSQUIDプローブ
、別個の処理電子回路および別個の制御/表示コンソールを含む完全な構成要素
が独自に必要とされる。コンソールの出力は、単一コンピュータのデータ取得モ
ジュールに接続されてもよいが、複数のSQUIDの動作を制御することを想定した
コンピュータに対する準備はされていない;各コンソールは手動によって調整さ
れるべきものとなっている。
第二に、構成要素が多いことに加えて、APSシステムは、種々のチャネルの変
調周波数の同期を想定した用意をしていない。SQUIDは他のものと近接して配置
されるので、あるSQUIDに対して印加したフィードバック磁束は、他のSQUIDにお
いても同様に検出される。複数のSQUID間での変調周波数の違いは、種々のSQUID
からの読取において、好ましくないビートの原因となる。
量子デザイン社によるカタログ、「DC SQUIDセンサ、電子回路およびシス
テム」(Quantum Design,"DC SQUID Sensors,Electronics ans Systems")(1
990年)においては、特に複数チャネル使用を意図したシステムが述べられて
いる。システムは、1つの「マスターボード」(masterboard)および各チャネ
ルのための独立した「マルチカード」を備えている。各チャネルの入/出力構成
は、冷却器に挿入するためのフレキシブルなSQUIDプローブ/センサ、プローブ
を室温電子回路に結合するフレキシブルケーブル、スモールバックシェル型(sm
all back shell-style)のマイクロ・プリアンプ(micropreamp)、マイクロコ
ンピュータを対応するマルチカードに結合するための10mまでの高度にシール
ドされたケーブルを含んでいる。マイクロ・プリアンプは、RFシールドおよびフ
ィルタ、DC SQUIDプローブを有しており、ケーブルは耐RF(RF immunity)およ
び磁気シールドされている。マイクロ・プリアンプは、内部もしくは外部フィー
ドバックとともに動作し、SQUIDプローブはどちらのタイプの応用においても配
される。
量子デザイン(QD)システムは、各チャネルのための分離した磁束ロックルー
プ構成を提供するが、FLLフィードバック回路の主要部分は、SQUIDから10mを
限度として離されたマルチカード中に配置される。特に、SQUIDの電圧出力は、
マイクロ・プリアンプによってある程度まで増幅され、高度にシールドされたケ
ーブルを介して、別々にマルチカードに伝送される。マルチカードは、ロックイ
ン検出器、積分器およびフィードバック電流経路を有している。RF変調周波数は
、マルチカード上のフィードバック電流経路(または、分離された変調電流リー
ド)に印加され、ケーブルを介してSQUIDプローブに伝送される。同様に、マイ
クロ・プリアンプの信号出力にはまだRF変調周波数が含まれており、これはマル
チカード上のロックイン検出器に信号が到達するまで取り除かれない。ケーブル
を介してのRF信号の伝送は、SQUIDプローブと制御器との間のケーブルの最大長
に制限され、ケーブルが高度にシールドされていることおよび信号が個別に伝送
されることという要求を強くする。
加えて、QDシステム中の各マルチカードは、SQUIDバイアス電流、非対称電流
、直流オフセット電流等を制御するためのD/Aコンバータ等のチャネルに特定の
種々のデジタル回路も有している。これらは、FLLのゲイン、アンチ−
アリアシング・フィルタ(anti-aliasing filter)の選択等の調整を制御するた
めのデジタル制御のアナログスイッチも有している。よつて、これら回路のスイ
ッチングによるノイズは、磁束ロックループの動作に悪影響を与える。さらに、
マルチプレクサ、A/Dコンバータ、FIFOおよびマイクロプロセッサ等のデジタル
回路を有するマスターボードは、全てのマルチカードと同様に同じSQUID制御ボ
ックス中に配置されている。これら構成要素からのノイズも、また同じように磁
束ロックルーブの動作に影響を与える。QDシステムは、これらの影響を最小にす
るために、広範囲にわたる内部シールドを必要とし、ハードウエア結合に起因し
てこのシールドが不完全であれば、それはFLLを制御するため入り込まねばなら
ない。
QDシステムの制御ユニットは、前面パネルまたはRS232CやGPIBを介して制御器
に結合された外部コンピュータのいずれからも制御できるようになっている。プ
ローブから読み出した出力信号は、制御器の前面パネル上に表示され、および/
または、外部コンピュータに伝送される。QDシステム中のSQUID制御器を制御す
るための命令は、Quantum Design Inc.の「モデル5000 DC SQUID制御器操作マニ
ュアル」(1991年)と名付けられた出版物に詳しい。
フジマキ「Josephson Integrated Circuits III--チップSQUID磁力メータ(ma
gnetometer)」、富士通科学技術ジャーナル、第27巻第1号(1991年)、
59頁〜83頁においては、各SQUIDチャネルが、SQUIDと同じ極低温チッブ上の
ジョセフソン・デジタル回路を用いて構築されるデジタル・フィードバックルー
プを有している多重SQUIDシステムが述べられている。しかしながら、この技術
を用いるシステムを実用化するためにはその前に、無視できないほど重要な研究
が必要である。
SQUIDを制御するさらに他の技術は、減衰発振器(relaxation oscillator)中
にSQUIDを有している。しかしながら、複数のSQUIDは異なる周波数で動作するの
で、この技術は、近接した複数のSQUIDを多重に制御するためには有用でない。
よって、この発明は、上記問題の全てまたは一部を改善したSQUID制御システ
ムを提供することを目的とする。
ェイン配置に代えて、マスターのヘッドユニットがスレーブのヘッドユニットの
全てを直接制御してもよい。その他の配置も可能であり、その一部を後述する。
全てのチャネルの変調周波数を同期させることにより、ビートを防止することが
できる。
全てのチャネルの変調周波数が同一である場合だけでなく、異なるチャネルの
変調周波数が他のチャネルに対して倍数になっている場合においてもビートを防
止することができる。また、異なるチャネルの変調周波数が、すべて共通周波数
の倍数になっている場合、共通周波数が容易にフィルタリングできるほど十分に
高い限りにおいて、ビートを防止することができる。ここで用いているように、
「同期」とはこれら全てのバリエーションを含むものとして意図している。
図2は、図1のSQUIDプローブ102の一つを模式的に示したものである。発明に
用いるため選択したSQUIDプローブの特定の構造は、発明自身の一部を構成する
ものではなく、発明を実施するSQUID制御システムの構成要素は、選択したSQUID
プローブの型に適合したものである。しかしながら、ここで述べた特定の実施例
は、YBCO等の高温超伝導材料によって形成されたSQUIDプローブの使用に特に適
している。このようなSQUIDの例は、Wellstood,et.al."Integrated dc SQUID ma
gnetometeo with a High Slew Rate",Rev.Sci.Instrum.,第55巻第6号952
〜57頁(1984年)に詳しい。
図2に示すように、プローブは、2つのジョセフソン接合204を持つSQUID 202
を有している。入力バイアス電流は、差動リード207,208(それぞれ、Iバイア
ス+およびIバイアス-)を介してSQUIDに与えられ、SQUIDからの電圧出力は差動
リード210,212(それぞれ、信号+および信号-)を介して供給される。フィード
バック+およびフィードバック-ライン216および218を介して異なって駆動される
フィードバックコイル214が含まれており、この実施例では、分離した変調コイ
ル220を有しており、差動変調+および変調-リード222,224を介して駆動される。
また、プローブの上に小型ヒーター217が設けられ、ヒーターライン219から接地
/シールドライン221によつて駆動される。図2のSQUIDプローブの動作は、一般
的であり、典型的なDC SQUIDプローブに関して上記で述べたものと同様である。
図3は、図1の1つのヘッドユニット104のブロック図である。一方側は、プ
ローブユニット102の1つに結合するためのプローブコネクタ(図示せず)によ
ってっており、反対側は、ケーブル110の1つを介してインターフェイス・ユニ
ット108に結合するためのインターフェイス・ユニット・コネクタ(図示せず)
によって終っている。ケーブル110の1つに結合されるコネクタは、たとえば、
ペンシルバニア、エリーのスペクトラム・コントロール会社(Spectrum Control
,Inc.,)製造のモデル56-711-015等のローパス・フィルタを用いることができる
。ヘッドユニット102は、冷却器の上に複数個を合わせて搭載できるように、十
分コンパクトである。
図3を参照すると、磁束ロック・フィードバック回路は、プリアンプ302、ロ
ックイン検出器304、積分器306、差動ドライバ308および選択抵抗310を介して通
る差動電流フィードバック経路を備えている。特に、ライン210,212に現れるSQU
IDプローブの差動電圧出力は、トランス312の1次コイルの反対端に結合されて
いる。トランス312の2次側は接地された一端を有しており、他端はAC結合プリ
アンプ302の入力に結合されている。プリアンプ302は一般的なものであり、マイ
クロボルトのオーダーの信号をボルトのオーダーの信号に信号強度を増幅する点
を除いて、ここでは詳しく説明しない。
プリアンプ302の出力は、ロックイン検出器304の信号入力に結合されている。
ロックイン検出器304は、ニューヨーク、ブルックリンのミニサーキット社(Min
icircuits Inc.,)製造のSRA-8ユニット等のダブル・バランス・ミキサーを用い
て実現できる。ロックイン検出器304の出力は、後に詳述する積分器306の信号入
力に、信号流経路402によって、接続されている。積分器306は、2つのリセット
入力RST1およびRST2を有しており、これら双方の能動状態はフィードバック・コ
ンデンサを短絡する。
積分器306の出力は、手動ゲイン制御ポテンショメーター(図示せず)を有す
る差動ドライバ308の入力に、信号流経路422によって、接続されている。ドライ
バ308の差動出力は、選択抵抗回路310の一端に接続されている。選択抵抗310の
差動出力は、SQUIDプローブのフィードバックコイルに結合するための差動フィ
ードバックライン216,218に、一対の導体502,508によって接続
されている。ヘッドユニット104は、それぞれのケーブル110を介してインターフ
ェイス・ユニット108から、導体314に印加されるレンジ制御信号を受け取る。レ
ンジ信号は、4つのフィードバック抵抗値の1つを選択するため、選択抵抗310
の抵抗選択(RSEL)入力に結合された2ビットの2進数値を伝達する。同じレン
ジ信号もまた、4つの積分フィードバック・コンデンサの適切な1つを選択する
ことにより、固定積分時定数を維持する積分器306のコンデンサ選択(CAPSEL)
入力に、導体314によって供給される。
ヘッドユニット104の各々は、特定のヘッドユニットがマスターまたはスレー
ブとして動作するか否かによって、動作又は非動作を切り換えられる内部方形波
発振器316を有している。したがって、発振器316への電源接続は、単一極ダブル
投入(single-pole,double-throw)のスイッチ318の共通接点に接続され、1つ
の極は電源に接続され、他の極は接地または開放される。ヘッドユニット104が
マスターとして動作する場合、スイッチ318は、電源を発振器316に切り換える。
発振器316の出力は他の単一極ダブル投入スイッチ320の一方の極に接続され、
その他方の極はバッファ322の入力に接続される。ヘッドユニット104は、バッフ
ァ322の入力に接続されたスレーブ入力リード(OSC SLAVE IN)324を有していろ
。
スイッチ320の共通接点は、その出力にマスター出力リード(OSC MASTER OUT
)328の設けられた他のバッファ326の入力に、信号流経路602によって接続され
ている。ヘッドユニット104がマスターである場合、スイッチ320は発振器316の
出力に切り換えられ、ヘッドユニットがスレーブである場合、バッファ322の出
力に切り換えられる。
スイッチ320の共通接点は、他端が接地された可変抵抗330の一端にも接続され
ている。可変抵抗330のタップは、その差動電流出力がSQUIDプローブの変調コイ
ル220のために用意された変調電流ライン222,224をドライブする差動ドライバ33
2の入力にAC結合されている。ジャンパ334と336は、分離したフィードバック
または入力コイルを介するよりも、変調コイルを介してSQUIDにフィードバック
を行う場合に用いるために、差動変調ライン222,224上の
フィードバック電流を結合するために設けられている。
差動電流ドライバ332の入力は、インダクタ338、バイパス・コンデンサ340お
よび直列抵抗341を介して、DCオフセット入力ライン342にDC結合されている。DC
オフセット入力ライン(DC OFFSET)342は、後述の様に、それぞれのケーブル11
0を介して、インターフェイス・ユニット108により駆動される。
スイッチ320の共通接点は、変調ライン222に提供されているのに加えて、信号
流経路602、移相器344および信号流経路628を介して、ロックイン検出器304の局
部発振入力にも結合されている。移相器344は、SQUIDプローブとヘッドユニット
との間で、SQUID電圧信号がロックイン検出器304の信号入力に戻る前に生じる位
相のずれを補償するために挿入されている。位相器344の特別に有利な構成は、
図6を参照して以下に述べる。
積分器306の出力は、差動電流ドライバ308の入力に供給されているのに加えて
、抵抗346を介してフォロワ(follower)348にも結合されている。フォロワ348
の出力は、リード350を通して、インターフェイス・ユニット108に接続するため
に設けられたANALOUT信号を形成する。ANALOUT信号は、フィードバック電流のレ
ベルに比例するので、ヘッドユニット104の磁束ロックループのアナログ出力信
号を形成する。磁束ロックループのアナログ出力を読み出すその他の(好ましい
)方法は、選択抵抗310の一方の反対端を、インスツルメンテーション(instrum
entation)アンプ(図示せず)の対応する反転および非反転入力に接続し、イン
スツルメンテーション・アンプの出力を、346のような抵抗を介して、フォロワ3
48の入力に供給することである。この方法においては、選択抵抗310の一方を介
してフィードバック電流が生じる電圧降下が直接測定される。
積分器306のRST1入力は、対応するケーブル110を介して、インターフェイスユ
ニット108からのリセット信号(RESET)を受け取るために結合されたリセットラ
イン352に接続されている。このリセットライン352は、閉状態において抵抗358
を介してロックイン検出器304をフォロワ348の入力に結合するアナログスイッチ
356の制御入力に、遅延器354を介して、結合されている。
よって、リセットライン352の上に短いパルスを印加することにより、インター
フェイス・ユニット108は、積分器306を遠隔的にリセットすることができる。リ
セット信号が長い期間保たれている場合には、積分器306がリセット状態に保た
れるだけでなく、ロックイン検出器304の出力が、積分器306の電圧出力に代えて
、ANALOUTライン350に結合される。これは、インターフェイスユニット108がロ
ックイン検出器304を直接観察することを可能にするテストモードである。加え
て、それぞれのケーブル110を介しての直接観察のために、ACブリアンプ302の出
力は、AMPOUTライン360を介して、インターフェイス・ユニット108に接続されて
いる。他の実施例では、ケーブル110中にこのRF信号が含まれるのを防ぐため、A
MPOUT信号が個別に観察装置に接続され、完全に否定する場合もある。
積分器306の出力は、積分器306の電圧出力が高しきい値を越え、低しきい値を
下回った場合に、積分器306のRST2入力に対してリセット信号を与える自動リセ
ット制御回路362によってもモニタされる。同時に、自動リセット制御回路362は
、COUNTライン364およびそれぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・
ユニット108にパルスを送る。インターフェイス・ユニット108は、COUNTライン3
64の信号を観測することにより、自動リセット制御回路362によって能動的にさ
れたリセットの数の経過を保持する。自動リセット制御回路362は、積分器306を
飽和しないように保持することにより、FLLのダイナミック・レンジを増加させ
る。異なる実施例においては、自動リセット制御回路362を無くし、ANALOUTライ
ン350のモニタに対応してRESETライン352に適切なリセットパルスを供給するイ
ンターフェイス・ユニット108を持つことによって同じ結果を得ることができる
。
ヘッドユニット104は、インターフェイス・ユニット108からVバイアス・ライ
ン366を介して、SQUID 202のために好ましいバイアス電流レベルを示す電圧信号
を受信する。Vバイアス信号は、その出力がIバイアス+およびIバイアス-ライ
ン207をドライブするために接続されている差動電流ドライバ368の入力に接続さ
れる。同様に、ヘッドユニット104も、インターフェイス・ユニット108からライ
ン370を介して、SQUID 202近傍のヒーター216をオン
にすべきか否かを示すヒーター入力信号を受け取る。ヒーター入力信号は、SQUI
Dプローブ102のために、ローパス・フィルタ372を介して、ヒーターライン219に
結合されている。
Iバイアス+ライン207は、他端がIバイアス-ライン208に接続された可変抵抗
374の一端に接続されている。可変抵抗374のタップは、直列抵抗376を介して、
インダクタ338、抵抗341およびコンデンサ340の接続点に結合されている。この
接続は、SQUIDのバイアス電流を繰り返し反転することを含み、動作点を電圧/
磁束カーブの最小または最大に維持するため、SQUID同期のDCバイアス磁束を
調整する、追加の既知の低周波ノイズ除去手法を実現可能とする。この手法を用
いるため、インターフェイス・ユニット108において動作するソフトウエアは、
たとえば、1〜5kHzの周波数にてVバイアス信号を繰り返し反転することだけ
が必要である。可変抵抗374のタップ位置は、バイアス電流が反転するよう、適
切な動作点の移動を得るために調整されている。
図4は、積分器306の基本構成を示す。入力ライン402は、直列抵抗404を介し
て、非反転入力が接地された入力オペアンプ406の反転入力に結合されている。
アンプ406の出力は、4つの並列経路を介し、4つの異なる値のコンデンサ408,4
10,412,414をとおって、単極4投入アナログスイッチ(four-throw analog swit
ch)416のそれぞれの極に接続されている。アナログスイッチ416の共通接点は、
アンプ406の反転入力に戻って接続されており、アナログスイッチ416のCAPSEL入
力はライン314の2ビットレンジ信号を受信するよう接続されている。オペアン
ブ406の出力も、その制御入力がRST1とRST2信号をそれぞれ受けるよう接続され
た2並列単極単投入スイッチ418,420を介して、非反転入力に戻って接続されて
いる。これらの信号の何れかが能動的になると、それぞれのスイッチ418または4
20が閉じ、フィードバック・コンデンサ408,410,412,414の何れか現在用いてい
るものをショートする。オペアンプ406の出力は、積分器306の出力422を形成す
る。
図5は、選択抵抗310(図3)の主要な構成要素を示している。ドライバー308
の非反転出力502は、4つの並列抵抗504を介して、その選択入力ポートがライン
314の2ビットレンジ信号を受けるために結合された、単極4投入スイ
ッチのそれぞれの極に結合されている。反転出力508も同様に、4つの並列抵抗5
10を介して、単極4投入スイッチ512のそれぞれの極に結合されている。スイッ
チ512の選択入力ポートは、ライン314の2ビットレンジ制御信号を受信するため
に結合されている。スイッチ506および512の共通接点は、選択抵
請求の範囲
1. 電圧出力を有するSQUIDプローブとともに用いるSQUID制御装置であって、
下記を備えたもの:
前記プローブの前記電圧出力を受信するための電気的導体を有するヘッドユニ
ット、前記ヘッドユニットは、前記プローブに関して、前記プローブに対し外部
的に印加される磁束を示すアナログ出力を有する非極低温磁束ロックループを有
している;
前記アナログ出力をディジタル信号に変換する手段を有するベースユニット;
および
前記アナログ信号を前記ヘッドユニットから前記ベースユニットに運ぶケーブ
ル手段。
2. 請求項1の装置において、さらに、前記プローブを極低温に保つ冷却器を
備え、前記ヘッドユニットは前記冷却器の上に搭載され、前記ベースユニットは
前記冷却器から離されているもの。
3. 請求項1の装置において、複数のSQUIDプローブとともに用いるためのも
のにおいて、
前記ヘッドユニットは複数のヘッドユニット1つであり、それぞれは、前記プ
ローブの対応する1つに関し、前記各プローブに対して外部的に印加される磁束
を示す、対応するアナログ出力を有する磁束ロックループを有しており、
前記ベースユニットは、前記ヘッドユニットの全てのアナログ出力をディジタ
ル信号に変換する手段を有しており、
前記ケーブル手段は、全ての前記ヘッドユニットのアナログ出力を前記ベース
ユニットに運ぶ。
4. 請求項1の装置において、前記SQUIDプローブは、SQUIDループ、前記SQUI
Dループから前記電圧出力を得るための手段、およびフィードバック磁
束を前記SQUIDループに印加するためのフィードバックコイルを備えており、前
記磁束ロックループは下記を備えている:
前記プローブの電圧出力の静的値からの偏差に対応して、補償フィードバック
電流レベルを前記フィードバックコイルに印加するための手段;および
前記補償フィードバック電流レベルに対応して、前記磁束ロックループの前記
アナログ出力を供給する手段。
5. 請求項4の装置において、補償フィードバック電流を印加するための前記
手段が下記を備えているもの:
積分値を得るために、前記プローブの電圧出力の前記静的値からの前記偏差を
積分する手段;および
前記積分値に対応して補償フィードバック電流レベルを印加する手段。
6. 請求項4の装置において、前記ヘッドユニットは、前記プローブに対して
変調磁束発振を印加するため、前記プローブの構造に結合するための変調手段を
有しており、前記プローブの前記電圧出力の静的値が、前記プローブの前記電圧
出力において、発振強度の静的値を構成し、補償フィードバック電流レベルを印
加するための前記手段が下記を備えているもの:
復調値を生成するため、前記プローブの電圧出力を復調する手段;および
前記復調値に応じて、前記補償フィードバック電流レベルを印加する手段。
7. 請求項6の装置において、前記変調手段は、発振出力信号を有するRF発振
器と、前記発振出力信号に対応して、前記プローブに発振電流を出力する手段と
を備え、前記復調手段は、前記発振出力信号を受信するため結合された出力およ
び入力を有する移相器を備えており、前記復調手段は、さらに、前記プローブの
電圧出力を受けるために結合された第1入力と、前記移相器の出力に結合された
第2入力とを備えており、前記ロックイン検出器は前記復調値を生成する。
8. 請求項6の装置において、前記変調手段は下記を備えている:
出力を有する内部発振器;
外部発振信号を受けるためのリード;および
前記内部発振器または外部発振入力リードの出力に選択的に応答して、発振電
流を、前記プローブに出力するための手段。
9. SQUID制御システムのための非極低温ヘッドユニットであり、ベースユニ
ットおよびSQUIDプローブとともに用いるためのものであって、前記ベースユニ
ットは前記ヘッドユニットのための遠隔制御信号を提供し、前記SQUIDプローブ
はSQUIDと、フィードバックコイルと、SQUIDにバイアス電流を印加し、SQUIDか
らの電圧出力を得て、前記フィードバックコイルにフィードバック電流を印加す
るためのリードを有したものにおいて、前記ヘッドユニットが下記を備えたもの
:
前記SQUIDからの電圧出力を受けるための入力リードと、前記フィードバック
電流を前記プローブのフィードバックコイルに与えるためのフィードバック出力
リードと、前記フィードバック電流の大きさを示すアナログ出力とを有する磁束
ロックループ・フィードバック回路;
前記遠隔制御信号を、前記ベースユニットから受信し、前記ヘッドユニットに
印加する手段;および
前記ヘッドユニットを、前記ベースユニットに関して、前記プローブに近接し
て配置する手段。
10. 請求項9のヘッドユニットにおいて、さらに、下記を備えたもの:
出力を有する内部発振器;
外部発振信号を受けるためのリード;
選択発振信号を提供するため、前記内部発振器の出力または前記外部発振信号
を選択する手段;および
SQUIDに印加される磁束を変調するため、前記選択発振信号を前記プローブに
印加する手段、
前記磁束ロックループ・フィードバック回路は、さらに、選択発振信号に結合
された発振入力に応じて、前記SQUIDからの電圧出力を復調するための復調器を
有している。
11. 請求項10のヘッドユニットにおいて、SQUIDプローブとともに用いる
ためのものであって、さらに、前記フィードバックコイルと区別される変調コイ
ルと、変調電流を変調コイルに印加するためのリードとを有し、前記印加手段は
下記を備えている:
前記変調電流をプローブの変調コイルに提供するための変調出力リード;およ
び
前記選択発振信号を、前記フィードバック出力リードまたは前記変調出力リー
ドに選択的に結合するための手段。
12. 請求項10のヘッドユニットにおいて、さらに、前記復調器の発振入力
を用意するため、前記選択発振信号の位相をシフトするため結合された移相器を
備えており、前記移相器は下記を備えている:
基本周波数成分を除いて、全ての周波数成分を減少させるため、前記選択発振
信号をフィルタリングし、中間信号を生成するため、前記基本周波数成分の位相
を所望量シフトするための移相フィルタ手段;および
前記中間信号に対応して、方形波を生成するための整形手段。
13. 請求項9のヘッドユニットにおいて、前記磁束ロックループ・フィード
バック回路は、さらに、レンジ選択入力ポートを有し、前記前記ベースユニット
から遠隔制御を受信するための前記手段は、前記ベースユニットからレンジ選択
信号を受信し、前記レンジ選択信号を、前記磁束ロックループ・フィードバック
回路の前記レンジ選択入力ポートに印加するための手段を備えている。
14. 請求項9のヘッドユニットにおいて、前記前記ベースユニットから遠隔
制御を受信するための前記手段は、前記ベースユニットからバイアス決定信号を
受信する手段を備えており、前記ヘッドユニットはさらに下記を備えている:
前記バイアス電流を前記プローブに提供するためのバイアス出力リード;およ
び
前記バイアス決定信号に応答して、前記バイアス電流を前記バイアス出力リー
ドに印加する手段。
15. 請求項9のヘッドユニットにおいて、前記SQUIDプローブの前記リード
は、DCオフセット磁束をSQUIDに印加するためのDCオフセット電流を受信するた
めの第1リードを含んでおり、前記遠隔制御を前記ベースユニットから受信する
前記手段は、DCオフセット決定信号を前記ベースユニットから受けるための手段
を備えており、前記ヘッドユニットは、さらに、前記DCオフセット決定信号に応
じて、前記DCオフセット電流を、SQUIDプローブの前記第1リードに印加する手
段を含んでいる。
16. 請求項9のヘッドユニットにおいて、遠隔制御を受信する前記手段は、
前記ヘッドユニットを前記ベースユニットに結合するケーブルを備えたもの。
17. 請求項9のヘッドユニットにおいて、さらに、前記プローブを極低温に
保つための冷却器を備えており、前記ヘッドユニットを、前記ベースユニットに
関して、前記プローブに近接して配置するための前記手段は、下記を備えている
:
前記ヘッドユニットを前記冷却器に取り付ける取付機構;および
前記ヘッドユニットを前記ベースユニットに結合するケーブル。
18. SQUID制御システムのための非極低温ヘッドユニットであり、ベースユ
ニットおよびSQUIDプローブとともに用いるものであって、前記SQUIDプローブが
、SQUIDと、前記SQUIDにバイアス電流を印加し、前記SQUIDからの電圧出力を供
給し、フィードバック電流を前記フィードバックコイルに印加し、前記SQUIDへ
のDCオフセット磁束の印加のためのDCオフセット電流を受信するためのフィード
バックコイルおよびリードを備えており、前記ヘッドユ
ニットは、下記を備えている:
出力を有する内部発振器;
外部発振信号を受信するためのリード;
選択発振信号を得るため、前記内部発振器または外部発振信号を受信するため
の前記リードを選択する手段;
位相シフト発振信号を得るため、前記選択発振信号を受信し、位相をシフトす
るために結合された移相器;
磁束ロックループ・フィードバック回路であって;
前記SQUIDからの電圧出力を受信するための入力リード;
前記フィードバック電流を前記プローブのフィードバックコイルに与えるため
のフィードバック出力リード;
前記フィードバック電流の大きさを示すアナログ出力;
レンジ選択入力ポート;
前記位相発振信号を受信するため結合された発振入力;および
SQUIDからの前記電圧出力を、前記位相シフト発振信号に応じて復調するため
、前記入力リードと発振入力に機能的に接続された復調器;を有する磁束ロック
ループ・フィードバック回路;
前記SQUIDに印加する磁束を変調するため、前記選択発振信号を前記プローブ
に印加する手段;
レンジ選択信号を前記ベースユニットから受信するため、前記磁束ロックルー
プ・フィードバック回路の前記レンジ選択入力ポートに機能的に接続された手段
;
バイアス決定入力;
前記ベースユニットからのバイアス決定信号を受けるため、前記バイアス決定
入力に接続された手段;
前記バイアス電流を前記プローブに提供するバイアス出力リード;
前記バイアス決定信号に応じて、前記バイアス電流を前記バイアス出力リード
に印加するため、前記バイアス出力リードおよび前記バイアス決定入力に機能的
に接続された手段;
DCオフセット決定入力;
前記DCオフセット電流をプローブに供給するDCオフセット電流出力;
前記ベースユニットからDCオフセット決定信号を受信するため、前記DCオフセ
ット決定入力に接続された手段;
前記DCオフセット決定信号に応じて、前記DCオフセット電流を前記DCオフセッ
ト電流出力に与えるため、前記DCオフセット決定入および前記DCオフセット電流
出力に機能的に接続された手段;および
前記ベースユニットに関して、前記ヘッドユニットを前記プローブに近接して
配置するための手段。
19. 複数のSQUIDプローブとともに用いるためのSQUID制御装置であって下記
を備えたもの:
複数のヘッドユニットであって、それぞれが、前記SQUIDプローブの一つにに
対応しており、前記ヘッドユニットのそれぞれは、それぞれの変調周波数で動作
す
【図2】
【図3】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
─────────────────────────────────────────────────────
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