JP3554556B2 - Squid制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の分野】
この発明は、複数のSQUIDを制御する装置に関するものであり、特に、並列的な(multiple)複数のSQUIDを統合して制御する装置に関するものである。
【0002】
【関連する技術の説明】
超伝導量子干渉デバイス(SQUID)は、少なくとも1カ所がジョセフソン接合によって切断された超伝導ループによって構成されている。SQUIDが1つの接合のみを有する場合には、発振電流によってバイアスされなければならないRF SQUIDとして知られている。SQUIDが2以上の接合を有する場合には、DC電流によってバイアス可能なDC SQUIDとして知られている。この発明は、主として、複数のDCSQUIDの制御に関するものであるが、ある側面においては、複数のRF SQUIDの制御システムにも用いることができる。
【0003】
DC SQUIDは、超伝導ループに引加される全磁束の作用によって変化する、接合部を横切る出力電圧を提供するものであるから、本質的に、磁束−電圧コンバータである。出力電圧は、印加された磁束中において、1つの磁束量子Φ0の周期に関して周期的である。したがって、静的な電圧出力レベルにセットするため、SQUIDに固定的なDC磁束を印加することにより、SQUID中に生成される単一磁束量子と同じような磁界は、SQUIDの出力電圧の静的な値からの偏差を計測することによって検出することができる。
【0004】
複数のSQUIDおよびその制御システムについては、クラーク(Clarke)、「複数SQUIDの原理および応用(Principiles and Applications of SQUIDs)」、IEEE会報、第77巻、第8号、1208〜1223頁(1989年)を参照して具体化する。ここに述べられているように、ほとんどのSQUIDの読み出し方法は、磁束ロックループ(flux−locked loop(FLL))回路を使用することを含んでいる。外部からの印加磁界によって、SQUIDの電圧出力が静的な値(通常は0)から変動すると、この回路は、SQUIDに近接するフィードバックコイルに印加されるフィードバック電流を生成する。フィードバックコイルによる磁束が外部印加磁束を補償して、外部印加磁束を打ち消しSQUIDに印加される磁束を全体として0に戻すようなフィードバック電流を、この回路は供給する。したがって、SQUIDの電圧出力は、静的な値に保持される。そして、外部印加磁束の大きさを示すアナログ出力信号を得るために、外部印加磁束を打ち消すために必要なフィードバック電流のレベルが、測定される。
【0005】
この技術は、単一の磁束量子より著しく小さい外部印加磁界レベルの検出を可能とするだけでなく、電圧/磁束カーブ上の所定の動作点にSQUIDを連続的に駆動するので、当該カーブの周期的な性質(periodic nature)によって制限されるものではない。FLLフィードバック回路が必要な補償電流を供給し、かつ、FLLフィードバック回路がカーブのある期間から次に飛ぶのを防ぐに十分なほど早く応答すれば、ほとんどの瞬間の外部印加磁束レベルΦ0が測定可能である。また、FLL技術は、外部印加磁束に対して直線的に変化するアナログ出力信号も提供する。
【0006】
実用上、FLLは、SQUIDの電圧出力の静的な値からの偏差を積分する積分器を含んでいることもある。FLL回路に固有のDCドリフト問題は、フィードバック電流を約100kHz〜500kHzの高周波によって変調し、SQUIDの電圧出力を同じ周波数で復調することによって改善することができる。SQUIDの動作点が電圧/磁束カーブの最小または最大にセットされており、±Φ0/4によってSQUIDに供給され、フィードバック磁束を発振するに十分な振幅を持つ方形波によってフィードバック電流が変調されている場合、SQUIDの電圧出力は、動作点の左側に電圧/磁束カーブの上の方への途中の点と、動作点の右側に電圧/磁束カーブの上の方への途中の点との間を交互する。両電圧は等しく、SQUID出力電圧の交流成分はゼロである。そのような状態のSQUIDは、平均交流電圧が0の静的レベルを示すものとして示す。外部磁束が印加されると、動作点は、もはや電圧/磁束カーブの最大または最小ではなくなる。したがって、SQUIDの電圧出力は、動作点の左と右の間の点を交互し、もはやその電圧は等しくなくなり、平均交流電圧は0の静的な値に対して上または下に変動する。FLLフィードバック回路は、外部印加磁界に対して補償を行うことができ、これによって所望のアナログ出力信号を生成することができる。変調電流は、フィードバックコイルに生成されるフィードバック電流に加えられてもよく、SQUIDの近傍に位置する別個の変調コイルと分離して供給されるようにしてもよい。復調は、一般的な同調復調器またはロックイン検出器(lock−in detector)を用いて行なわれる。
【0007】
ここで用いている「FLL回路」は、電流フィードバック経路およびフィードバックコイルとともに、SQUIDそのもの、SQUIDに結合されたオプショナルなプリアンプ、オプショナルなロックイン検出器およびオプショナルな積分器を含むものとして考慮する。「FLLLフィードバック回路」は、プリアンプ、ロックイン検出器、積分器およびフィードバックコイルから戻る電流経路を含むものとして考慮し、フィードバックコイルそのものやSQUIDを含まないものとして考慮する。FLL回路またはFLLフィードバック回路は、上記の変調および復調技術を用いる場合には、変調FLL回路または変調FLLフィードバック回路として考慮する。
【0008】
一般的なシステムにおいて、SQUIDおよび種々のコイルが、極低温で維持できるようにされたSQUIDプローブ上に設けられている。FLLフィードバック回路は、通常、室温にて動作し、プローブケーブルによってプローブに結合される。超伝導現象による効果を得るのであれば、ここで用いられているように、回路は「極低温」にて動作する。同様に、超伝導現象を用いないのであれば、回路は「室温」にて動作する。厳密に外部環境の周囲温度にある回路を「室温」回路とすべきであるとは、意図していない。SQUIDの電圧出力は、オプショナルな直流ブロックコンデンサおよび/または共振回路と同じように、1以上のインピーダンス・マッチングトランスを介して、FLLフィードバック回路の入力に結合されてもよい。異なる設計としては、これら結合要素の異なるものが、プローブ上に配置されて極低温に保持されるか、または、FLLフィードバック回路とともに配置されて室温に保持される。
【0009】
応用物理システム「DC SQUID システム モデル581」マウンテンビュー、カルフォルニア:1990年(Applied Physics Systems,”Model 581 DC SQUID SQUID System”(Mountain View,California: 1990))において、DC SQUIDセンサ、極低温プローブ(これは、DC SQUIDセンサとともに、ここで用いる用語としての「SQUIDプローブ」を構成する)、SQUID処理電子回路および制御/表示コンソールを有するSQUIDシステムが述べられている。極低温プローブは冷却器に挿入するためのロッドを備えており、SQUIDセンサはチューブの挿入端に取り付けられている。RFIフィルタを含む金属筐体(brass denclosure)およびコネクタが、チューブの非挿入端に取り付けられている。SQUID処理電子回路部は、SQUID閉ループ電子回路の全てを含んで、高度にシールドされフィルタされた筐体にある。この回路は、短いシールドケーブルを介して、SQUIDプローブの一端においてコネクタと結合されている。SQUID処理回路部は、冷却器の上に簡単に装着するには大きすぎ、当然、冷却器の上に、2個もしくは3個以上設けるにも大きすぎる。
【0010】
1つのSQUIDを冷却器に挿入すべき場合には、応用物理システム(APS)SQUIDが適している。しかしながら、同時に動作するSQUIDを必要とするSQUIDの応用が開発されている。たとえば、脳波によって生成される磁束信号を検出するために用いるSQUIDシステムは、他のものから2.54cm以内に配置された複数のSQUIDセンサを必要とする。これらの形式の応用において、APS技術は、少なくとも2つの理由によって適切でない。第一に、各チャネルにおいて、別個のSQUIDプローブ、別個の処理電子回路および別個の制御/表示コンソールを含む完全な構成要素が独自に必要とされる。コンソールの出力は、単一コンピュータのデータ取得モジュールに接続されてもよいが、複数のSQUIDの動作を制御することを想定したコンピュータに対する準備はされていない;各コンソールは手動によって調整されるべきものとなっている。
【0011】
第二に、構成要素が多いことに加えて、APSシステムは、種々のチャネルの変調周波数の同期を想定した用意をしていない。SQUIDは他のものと近接して配置されるので、あるSQUIDに対して印加したフィードバック磁束は、他のSQUIDにおいても同様に検出される。複数のSQUID間での変調周波数の違いは、種々のSQUIDからの読取において、好ましくないビートの原因となる。
【0012】
量子デザイン社によるカタログ、「DC SQUIDセンサ、電子回路およびシステム」(Quantum Design,”DC SQUID Sensors, Electronics ans Systems”)(1990年)においては、特に複数チャネル使用を意図したシステムが述べられている。システムは、1つの「マスターボード」(masterboard)および各チャネルのための独立した「マルチカード」を備えている。各チャネルの入/出力構成は、冷却器に挿入するためのフレキシブルなSQUIDプローブ/センサ、プローブを室温電子回路に結合するフレキシブルケーブル、スモールバックシェル型(small back shell−style)のマイクロ・プリアンプ(micropreamp)、マイクロコンピュータを対応するマルチカードに結合するための10mまでの高度にシールドされたケーブルを含んでいる。マイクロ・プリアンプは、RFシールドおよびフィルタ、DC SQUIDプローブを有しており、ケーブルは耐RF(RF immunity)および磁気シールドされている。マイクロ・プリアンプは、内部もしくは外部フィードバックとともに動作し、SQUIDプローブはどちらのタイプの応用においても配される。
【0013】
量子デザイン(QD)システムは、各チャネルのための分離した磁束ロックループ構成を提供するが、FLLフィードバック回路の主要部分は、SQUIDから10mを限度として離されたマルチカード中に配置される。特に、SQUIDの電圧出力は、マイクロ・プリアンプによってある程度まで増幅され、高度にシールドされたケーブルを介して、別々にマルチカードに伝送される。マルチカードは、ロックイン検出器、積分器およびフィードバック電流経路を有している。RF変調周波数は、マルチカード上のフィードバック電流経路(または、分離された変調電流リード)に印加され、ケーブルを介してSQUIDプローブに伝送される。同様に、マイクロ・プリアンプの信号出力にはまだRF変調周波数が含まれており、これはマルチカード上のロックイン検出器に信号が到達するまで取り除かれない。ケーブルを介してのRF信号の伝送は、SQUIDプローブと制御器との間のケーブルの最大長に制限され、ケーブルが高度にシールドされていることおよび信号が個別に伝送されることという要求を強くする。
【0014】
加えて、QDシステム中の各マルチカードは、SQUIDバイアス電流、非対称電流、直流オフセット電流等を制御するためのD/Aコンバータ等のチャネルに特定の種々のデジタル回路も有している。これらは、FLLのゲイン、アンチ−アリアシング・フィルタ(anti−aliasing filter)の選択等の調整を制御するためのデジタル制御のアナログスイッチも有している。よって、これら回路のスイッチングによるノイズは、磁束ロックループの動作に悪影響を与える。さらに、マルチプレクサ、A/Dコンバータ、FIFOおよびマイクロプロセッサ等のデジタル回路を有するマスターボードは、全てのマルチカードと同様に同じSQUID制御ボックス中に配置されている。これら構成要素からのノイズも、また同じように磁束ロックループの動作に影響を与える。QDシステムは、これらの影響を最小にするために、広範囲にわたる内部シールドを必要とし、ハードウエア結合に起因してこのシールドが不完全であれば、それはFLLを制御するため入り込まねばならない。
【0015】
QDシステムの制御ユニットは、前面パネルまたはRS232CやGPIBを介して制御器に結合された外部コンピュータのいずれからも制御できるようになっている。プローブから読み出した出力信号は、制御器の前面パネル上に表示され、および/または、外部コンピュータに伝送される。QDシステム中のSQUID制御器を制御するための命令は、Quantum Design Inc.の「モデル5000 DC SQUID 制御器操作マニュアル」(1991年)と名付けられた出版物に詳しい。
【0016】
フジマキ「Josephson Integrated Circuits III −−1チップSQUID磁力メータ(magnetometer)」、富士通科学技術ジャーナル、第27巻第1号(1991年)、59頁〜83頁においては、各SQUIDチャネルが、SQUIDと同じ極低温チップ上のジョセフソン・デジタル回路を用いて構築されるデジタル・フィードバックループを有している多重SQUIDシステムが述べられている。しかしながら、この技術を用いるシステムを実用化するためにはその前に、無視できないほど重要な研究が必要である。
【0017】
SQUIDを制御するさらに他の技術は、減衰発振器(relaxation oscillator)中にSQUIDを有している。しかしながら、複数のSQUIDは異なる周波数で動作するので、この技術は、近接した複数のSQUIDを多重に制御するためには有用でない。
【0018】
よって、この発明は、上記問題の全てまたは一部を改善したSQUID制御システムを提供することを目的とする。
【0019】
【発明の概要】
この発明を、以下の図面を参照して、その実施例に関して説明しする。
【0020】
この発明による多重SQUIDプローブを制御するためのSQUID制御装置は、概略、それぞれSQUIDプローブに対応する複数のヘッドユニットを有しており、各ヘッドユニットは、それぞれの変調周波数で動作する、極低温でない変調された磁束ロックループ・フィードバック回路を有している。この装置は、ヘッドユニットの全てと結合されたベースユニットも有しており、ベースユニットは、多重ヘッドユニットを制御するための信号を供給する。デイジー・チェイン・トポロジー(daisy chain topology)を使用することなどにより、全ての変調磁束ロックループ・フィードバック回路の変調周波数を同期するための手段も設けられている。ヘッドユニットは、復調器の局部発振入力(local oscillator input)に供給するための変調周波数発振信号を移相するために結合され、所望量基本周波数成分を移相するための移相器も有しており、移相器は、基本周波数成分を除いた周波数成分の全てを減少させるため、発振信号をフィルタリングするための移相フィルタを有していてもよく、フィルタされ移相された信号を方形波にするための整形手段を有していてもよい。
【0021】
【詳細な説明】
図1に、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示す。このシステムは、複数のチャネルを有しており、各チャネルはプローブ102a,102bまたは102n(まとめて102)およびヘッドユニット104a,104bまたは104n(まつめて104)を有している。プローブ102は、冷却器への挿入に適合するようにされており、たとえば、ヘッドユニット104とともに冷却器の上に搭載される。搭載メカニズムは、接着、ボルトおよびナット、電気的コネクタの機械的支持、またはその他の技術により可能である。それぞれのケーブル106a,106bおよび106n(まとめて106)は、プローブ102をそれぞれのヘッドユニット104に、フレキシブルに、剛性チューブの中空部を介して、結合するものである。APSおよびQDシステムとともに、ケーブル106はシールドされ、差動ペア(differential pair)を介して、プローブとヘッド間に信号を運ぶ。ヘッドユニット104と冷却器の極低温領域との間の熱伝導を最小にするため、適切な処置が用いられている。
【0022】
ヘッドユニット104は、室温にて動作する。これらは、全て、それぞれのケーブル110a,110bおよび110n(まとめて110)を含むケーブル網を介して、共通のインターフェイス・ユニット108に結合されている。後に見られるように、これらのケーブル110は高度にシールドする必要がなく、ほとんど任意の長さが許される。さらに、ケーブル110は光ファイバーを有していてもよい。インターフェイス・ユニット108は、RS232リンク114を介して、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにも接続されている。他の実施例においては、後者の接続は、GPIB等の異なるプロトコルに従うものであってもよい。
【0023】
より詳細に以下に述べるように、種々のチャネルの変調周波数は、1つのヘッドユニット104aがマスターとして動作するRF発振器を提供することによって同期がとられる。残りのヘッドユニット104bおよび104nのそれぞれは、直前のヘッドユニットのスレーブとして動作し、直後のヘッドユニットのマスターとして動作する。よって、ケーブル網は、ヘッドユニット104aのマスター出力をヘッドユニット104bのスレーブ入力に結合するケーブル116a、およびヘッドユニット104bのマスター出力をヘッドユニット104nのスレーブ入力に結合するケーブル116bを有している。他の実施例においては、図1に示すデイジーチェイン配置に代えて、マスターのヘッドユニットがスレーブのヘッドユニットの全てを直接制御してもよい。その他の配置も可能であり、その一部を後述する。全てのチャネルの変調周波数を同期させることにより、ビートを防止することができる。
【0024】
全てのチャネルの変調周波数が同一である場合だけでなく、異なるチャネルの変調周波数が他のチャネルに対して倍数になっている場合においてもビートを防止することができる。また、異なるチャネルの変調周波数が、すべて共通周波数の倍数になっている場合、共通周波数が容易にフィルタリングできるほど十分に高い限りにおいて、ビートを防止することができる。ここで用いているように、「同期」とはこれら全てのバリエーションを含むものとして意図している。
【0025】
図2は、図1のSQUIDプローブ102の一つを模式的に示したものである。発明に用いるため選択したSQUIDプローブの特定の構造は、発明自身の一部を構成するものではなく、発明を実施するSQUID制御システムの構成要素は、選択したSQUIDプローブの型に適合したものである。しかしながら、ここで述べた特定の実施例は、YBCO等の高温超伝導材料によって形成されたSQUIDプローブの使用に特に適している。このようなSQUIDの例は、Wellstood, et. al. ”Integrated dc SQUIDmagnetometeo with a High Slew Rate”, Rev. Sci. Instrum., 第55巻第6号952〜57頁(1984年)に詳しい。
【0026】
図2に示すように、プローブは、2つのジョセフソン接合204を持つSQUID 202を有している。入力バイアス電流は、差動リード207,208(それぞれ、Iバイアス+およびIバイアス−)を介してSQUIDに与えられ、SQUIDからの電圧出力は差動リード210,212(それぞれ、信号+および信号−)を介して供給される。フィードバック+およびフィードバック−ライン216および218を介して異なって駆動されるフィードバックコイル214が含まれており、この実施例では、分離した変調コイル220を有しており、差動変調+および変調−リード222,224を介して駆動される。また、プローブの上に小型ヒーター217が設けられ、ヒーターライン219から接地/シールドライン221によって駆動される。図2のSQUIDプローブの動作は、一般的であり、典型的なDC SQUIDプローブに関して上記で述べたものと同様である。
【0027】
図3は、図1の1つのヘッドユニット104のブロック図である。一方側は、プローブユニット102の1つに結合するためのプローブコネクタ(図示せず)によってっており、反対側は、ケーブル110の1つを介してインターフェイス・ユニット108に結合するためのインターフェイス・ユニット・コネクタ(図示せず)によって終っている。ケーブル110の1つに結合されるコネクタは、たとえば、ペンシルバニア、エリーのスペクトラム・コントロール会社(Spectrum Control, Inc.,)製造のモデル56−711−015等のローパス・フィルタを用いることができる。ヘッドユニット102は、冷却器の上に複数個を合わせて搭載できるように、十分コンパクトである。
【0028】
図3を参照すると、磁束ロック・フィードバック回路は、プリアンプ302、ロックイン検出器304、積分器306、差動ドライバ308および選択抵抗310を介して通る差動電流フィードバック経路を備えている。特に、ライン210,212に現れるSQUIDプローブの差動電圧出力は、トランス312の1次コイルの反対端に結合されている。トランス312の2次側は接地された一端を有しており、他端はAC結合プリアンプ302の入力に結合されている。プリアンプ302は一般的なものであり、マイクロボルトのオーダーの信号をボルトのオーダーの信号に信号強度を増幅する点を除いて、ここでは詳しく説明しない。
【0029】
プリアンプ302の出力は、ロックイン検出器304の信号入力に結合されている。ロックイン検出器304は、ニューヨーク、ブルックリンのミニサーキット社(Minicircuits Inc.,)製造のSRA−8ユニット等のダブル・バランス・ミキサーを用いて実現できる。ロックイン検出器304の出力は、後に詳述する積分器306の信号入力に、信号流経路402によって、接続されている。積分器306は、2つのリセット入力RST1およびRST2を有しており、これら双方の能動状態はフィードバック・コンデンサを短絡する。
【0030】
積分器306の出力は、手動ゲイン制御ポテンショメーター(図示せず)を有する差動ドライバ308の入力に、信号流経路422によって、接続されている。ドライバ308の差動出力は、選択抵抗回路310の一端に接続されている。選択抵抗310の差動出力は、SQUIDプローブのフィードバックコイルに結合するための差動フィードバックライン216,218に、一対の導体502,508によって接続されている。ヘッドユニット104は、それぞれのケーブル110を介してインターフェイス・ユニット108から、導体314に印加されるレンジ制御信号を受け取る。レンジ信号は、4つのフィードバック抵抗値の1つを選択するため、選択抵抗310の抵抗選択(RSEL)入力に結合された2ビットの2進数値を伝達する。同じレンジ信号もまた、4つの積分フィードバック・コンデンサの適切な1つを選択することにより、固定積分時定数を維持する積分器306のコンデンサ選択(CAPSEL)入力に、導体314によって供給される。
【0031】
ヘッドユニット104の各々は、特定のヘッドユニットがマスターまたはスレーブとして動作するか否かによって、動作又は非動作を切り換えられる内部方形波発振器316を有している。したがって、発振器316への電源接続は、単一極ダブル投入(single−pole,double−throw)のスイッチ318の共通接点に接続され、1つの極は電源に接続され、他の極は接地または開放される。ヘッドユニット104がマスターとして動作する場合、スイッチ318は、電源を発振器316に切り換える。
【0032】
発振器316の出力は他の単一極ダブル投入スイッチ320の一方の極に接続され、その他方の極はバッファ322の入力に接続される。ヘッドユニット104は、バッファ322の入力に接続されたスレーブ入力リード(OSC SLAVE IN)324を有している。
【0033】
スイッチ320の共通接点は、その出力にマスター出力リード(OSC MASTER OUT)328の設けられた他のバッファ326の入力に、信号流経路602によって接続されている。ヘッドユニット104がマスターである場合、スイッチ320は発振器316の出力に切り換えられ、ヘッドユニットがスレーブである場合、バッファ322の出力に切り換えられる。
【0034】
スイッチ320の共通接点は、他端が接地された可変抵抗330の一端にも接続されている。可変抵抗330のタップは、その差動電流出力がSQUIDプローブの変調コイル220のために用意された変調電流ライン222,224をドライブする差動ドライバ332の入力にAC結合されている。ジャンパ334と336は、分離したフィードバックまたは入力コイルを介するよりも、変調コイルを介してSQUIDにフィードバックを行う場合に用いるために、差動変調ライン222,224上のフィードバック電流を結合するために設けられている。
【0035】
差動電流ドライバ332の入力は、インダクタ338、バイパス・コンデンサ340および直列抵抗341を介して、DCオフセット入力ライン342にDC結合されている。DCオフセット入力ライン(DC OFFSET)342は、後述の様に、それぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・ユニット108により駆動される。
【0036】
スイッチ320の共通接点は、変調ライン222に提供されているのに加えて、信号流経路602、移相器344および信号流経路628を介して、ロックイン検出器304の局部発振入力にも結合されている。移相器344は、SQUIDプローブとヘッドユニットとの間で、SQUID電圧信号がロックイン検出器304の信号入力に戻る前に生じる位相のずれを補償するために挿入されている。位相器344の特別に有利な構成は、図6を参照して以下に述べる。
【0037】
積分器306の出力は、差動電流ドライバ308の入力に供給されているのに加えて、抵抗346を介してフォロワ(follower)348にも結合されている。フォロワ348の出力は、リード350を通して、インターフェイス・ユニット108に接続するために設けられたANALOUT信号を形成する。ANALOUT信号は、フィードバック電流のレベルに比例するので、ヘッドユニット104の磁束ロックループのアナログ出力信号を形成する。磁束ロックループのアナログ出力を読み出すその他の(好ましい)方法は、選択抵抗310の一方の反対端を、インスツルメンテーション(instrumentation)アンプ(図示せず)の対応する反転および非反転入力に接続し、インスツルメンテーション・アンプの出力を、346のような抵抗を介して、フォロワ348の入力に供給することである。この方法においては、選択抵抗310の一方を介してフィードバック電流が生じる電圧降下が直接測定される。
【0038】
積分器306のRST1入力は、対応するケーブル110を介して、インターフェイスユニット108からのリセット信号(RESET)を受け取るために結合されたリセットライン352に接続されている。このリセットライン352は、閉状態において抵抗358を介してロックイン検出器304をフォロワ348の入力に結合するアナログスイッチ356の制御入力に、遅延器354を介して、結合されている。よって、リセットライン352の上に短いパルスを印加することにより、インターフェイス・ユニット108は、積分器306を遠隔的にリセットすることができる。リセット信号が長い期間保たれている場合には、積分器306がリセット状態に保たれるだけでなく、ロックイン検出器304の出力が、積分器306の電圧出力に代えて、ANALOUTライン350に結合される。これは、インターフェイスユニット108がロックイン検出器304を直接観察することを可能にするテストモードである。加えて、それぞれのケーブル110を介しての直接観察のために、ACプリアンプ302の出力は、AMPOUTライン360を介して、インターフェイス・ユニット108に接続されている。他の実施例では、ケーブル110中にこのRF信号が含まれるのを防ぐため、AMPOUT信号が個別に観察装置に接続され、完全に否定する場合もある。
【0039】
積分器306の出力は、積分器306の電圧出力が高しきい値を越え、低しきい値を下回った場合に、積分器306のRST2入力に対してリセット信号を与える自動リセット制御回路362によってもモニタされる。同時に、自動リセット制御回路362は、COUNTライン364およびそれぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・ユニット108にパルスを送る。インターフェイス・ユニット108は、COUNTライン364の信号を観測することにより、自動リセット制御回路362によって能動的にされたリセットの数の経過を保持する。自動リセット制御回路362は、積分器306を飽和しないように保持することにより、FLLのダイナミック・レンジを増加させる。異なる実施例においては、自動リセット制御回路362を無くし、ANALOUTライン350のモニタに対応してRESETライン352に適切なリセットパルスを供給するインターフェイス・ユニット108を持つことによって同じ結果を得ることができる。
【0040】
ヘッドユニット104は、インターフェイス・ユニット108からVバイアス・ライン366を介して、SQUID 202のために好ましいバイアス電流レベルを示す電圧信号を受信する。Vバイアス信号は、その出力がIバイアス+およびIバイアス−ライン207をドライブするために接続されている差動電流ドライバ368の入力に接続される。同様に、ヘッドユニット104も、インターフェイス・ユニット108からライン370を介して、SQUID 202近傍のヒーター216をオンにすべきか否かを示すヒーター入力信号を受け取る。ヒーター入力信号は、SQUIDプローブ102のために、ローパス・フィルタ372を介して、ヒーターライン219に結合されている。
【0041】
Iバイアス+ライン207は、他端がIバイアス−ライン208に接続された可変抵抗374の一端に接続されている。可変抵抗374のタップは、直列抵抗376を介して、インダクタ338、抵抗341およびコンデンサ340の接続点に結合されている。この接続は、SQUIDのバイアス電流を繰り返し反転することを含み、動作点を電圧/磁束カーブの最小または最大に維持するため、SQUID同期のDCバイアス磁束を調整する、追加の既知の低周波ノイズ除去手法を実現可能とする。この手法を用いるため、インターフェイス・ユニット108において動作するソフトウエアは、たとえば、1〜5kHzの周波数にてVバイアス信号を繰り返し反転することだけが必要である。可変抵抗374のタップ位置は、バイアス電流が反転するよう、適切な動作点の移動を得るために調整されている。
【0042】
図4は、積分器306の基本構成を示す。入力ライン402は、直列抵抗404を介して、非反転入力が接地された入力オペアンプ406の反転入力に結合されている。アンプ406の出力は、4つの並列経路を介し、4つの異なる値のコンデンサ408,410,412,414をとおって、単極4投入アナログスイッチ(four−throw analog switch)416のそれぞれの極に接続されている。アナログスイッチ416の共通接点は、アンプ406の反転入力に戻って接続されており、アナログスイッチ416のCAPSEL入力はライン314の2ビットレンジ信号を受信するよう接続されている。オペアンプ406の出力も、その制御入力がRST1とRST2信号をそれぞれ受けるよう接続された2並列単極単投入スイッチ418,420を介して、非反転入力に戻って接続されている。これらの信号の何れかが能動的になると、それぞれのスイッチ418または420が閉じ、フィードバック・コンデンサ408,410,412,414の何れか現在用いているものをショートする。オペアンプ406の出力は、積分器306の出力422を形成する。
【0043】
図5は、選択抵抗310(図3)の主要な構成要素を示している。ドライバー308の非反転出力502は、4つの並列抵抗504を介して、その選択入力ポートがライン314の2ビットレンジ信号を受けるために結合された、単極4投入スイッチのそれぞれの極に結合されている。反転出力508も同様に、4つの並列抵抗510を介して、単極4投入スイッチ512のそれぞれの極に結合されている。スイッチ512の選択入力ポートは、ライン314の2ビットレンジ制御信号を受信するために結合されている。スイッチ506および512の共通接点は、選択抵抗310の差動出力ライン216,218を形成する。
【0044】
前述のように、局部発振入力としてロックイン検出器304(図3)に与えられる前に、変調ライン222と224に供給される発振信号の位相をシフトすることが好ましい。正弦波に対する位相シフトはよく知られており、その一つが、Horowitz,”The Art of Electronics”第2版(ケンブリッジ大学出版:1990年)77〜78頁に述べられている。正弦波でない信号の位相をシフトすることも好ましいが、これはシフトされるべき信号が矩形波である図3の回路の場合である。正弦波でない信号は、一般的な位相シフト回路を適用すれば、異なる量のシフトとなって、ゆがんだ出力を生成するような、異なる周波数におけるフーリエ成分を含んでいる。また、一般的な移相器は、大きなレンジにわたって連続的に調整されるべき移相シフトが可能ではない。
【0045】
EG&G Brookdeal Electronics, Princeton Applied Reaearch, ”Model 128A Lock−In Amplifier − Operating and Service Manual”(Princeton, New Jersey:1971年)VIIー7頁においては、どのような周波数でも、広い範囲にわたって位相シフト信号を得ることを意図した移相回路が記述されている。しかしながら、その回路は極めて複雑である。
【0046】
したがって、移相器344(図3)は本発明の原理にしたがって構成されており、入力信号(発振器316からの、またはバッファ322からの)は、基本周波数等の所望の周波数成分を除く全ての周波数成分を減少または圧縮するためにフィルタリングされ、中間信号を生成するために所望量の位相シフトがなされる。その後、この中間信号は、中間信号に対応して所望の形状を有する出力信号を生成するため、整形される。特に図3において、移相器344に対する入力信号と出力信号の所望の形状はともに、方形波である。よって、移相器344は、直列抵抗および比較器に続く同調回路(tuned circuit)を有している。同調回路は、入力方形波の基本周波数よりもわずかに上または下の調整可能な周波数に同調し、これにより、抵抗および同調回路は、それぞれ所望の正または負の量で選択信号の位相をシフトする。特に、同調回路を選択信号周波数の上に同調すると遅れを生じ、同調回路を選択信号周波数の下に同調すると進みを生じる。比較器を含む移相器344は、中間信号に応じて方形波を生成する。
【0047】
図6は、本発明の原理による移相回路の実施例を示すものである。入力ライン602は、直列抵抗604を介して、ノード606と接地間に結合される同調回路630のトップを形成するノード606に結合されている。同調回路630は、ノード606と接地との間に結合されたコンデンサ608、およびコンデンサ608に並列に結合された可変インダクタ610を有している。インダクタ610は、インダクタ610のコア612の挿入深さを調整することにより可変となっている。
【0048】
中間信号を伝達するノード606は、直列コンデンサ614を介して、比較器616の非反転入力にAC結合されている。比較器616の非反転入力は、抵抗618を介して、比較器616の反転入力に結合されており、比較器616の反転入力は、正電圧と接地との間に結合された抵抗620と抵抗622の直列体によって形成される抵抗ドライバの出力に接続される。比較器616の反転入力は、コンデンサ623を介して接地される。比較器616の出力は、そのエミッタが接地され、コレクタが抵抗626を介して正電源に結合された、トランジスタ624(比較器616の一部として考えてもよい)のベースに接続される。トランジスタ624のコレクタは、移相器344の出力628を形成する。
【0049】
動作において、コンデンサ608とインダクタ610は、同調回路630が入力信号の基本周波数を除く全ての周波数成分を効果的に排除する(最小化する)ように選択されている。したがって、ノード606における波形は、実質的に、入力された方形波のように同じ周波数を有する正弦波である。しかしながら、同調回路630の同調周波数に依存して、正または負の量、入力方形波の位相に対して位相がシフトしている。位相のシフト量は、インダクタ610のコア612の挿入深さを調節することにより調整する。異なる実施例においては、同調回路630の同調周波数は、その他の既知の技術によって調整してもよく、たとえば、インダクタ610の実効巻き数を調整したり、コンデンサ608の容量を調整することによって調整してもよい。
【0050】
ノード606の中間信号は、比較器616の非反転入力にAC結合され、そこで抵抗620と622によって形成される抵抗分割によって決定されるしきい値と比較される。バイパスコンデンサ623は、しきい値電圧の大きな影響から中間信号を防いでいる。出力抵抗624とともに、比較器616の非反転入力の正弦波信号がしきい値を下回ると、比較器616は出力ライン628の低電圧レベルを生成し、比較器616の非反転入力の正弦波信号がしきい値を上回ると、出力ライン628の高電圧レベルを生成する。したがって、比較器616およびトランジスタ624は、ライン602の入力信号の独特の形状の正弦波を方形波に戻すように変換する。比較器616およびトランジスタ624は、たとえば、Santa Clara, Californiaのナショナル・セミコンダクタ社によって生成された単一LM311の一部として入手できる。
【0051】
図6の回路のバリエーションの数は、注意に値する。第一に、中間信号の矩形化は、比較器616に代えて、他の公知の手段によって実現可能である。第二に、移相器344は入力波形のどのような形に対しても適切に動作して、方形波である出力波形を生成する。第三に、同調回路630は、基本周波数と違って、入力信号の高調波(harmonic)近傍に同調してもよい。図6の場合であれば、基本波よりも選択した高調波の周波数において、位相シフト方形波出力を生成する。第四に、移相器の出力を形成する矩形化回路は、位相シフト出力信号を所望の形(たとえば、三角や階段)にするための他の整形回路によって置き換え得る。
【0052】
図7は、インターフェイス・ユニット108(図1)のブロック図である。これは、モトローラ製造の68HC805C4チップを用いて実現可能なマイクロコンピュータ702を備えている。インターフェース・ユニット108は、4チャネル12ビット電圧出力DAC 704a,704b,704c,704d(まとめて704)のバンクを備えている。各4チャネルDAC 704は、マサチューセッツ、ノーワードのアナログ・デバイセス製造のDAC−8420とすることができ、直列データ入力(SDI)、アクティブロウ(active low)ののチップセレクト(CS)入力、アクティブロウのロード(LD)入力、クロック入力を備えている。全ての4チャネルDACのSDI入力は、マイクロコンピュータ702のシリアル出力(SO)からシリアルデータ信号を受信するために接続されており、DAC 704のためのクロック入力は、すべて、マイクロコンピュータ702のSCK出力から直列クロック信号を受信するために接続されている。マイクロコンピュータ702は、8ビットDACCTL出力バスをドライブし、4つ全ての4チャネルDAC 704のために、CSやLD信号を各ラインに供給する。4チャネルDAC 704は、それぞれ、1つは各内部DACのための、また合計16のアナログ出力のための、4つのアナログ出力A,B,C,Dを有している。
【0053】
4チャネルチップ704の動作は、アナログ・デバイセスのデータシート”Quad 12−Bit Serial Voltage−Output DAC, Preliminary, DAC−8420”に詳しい(ノーウッド、マサチューセッツ:6ー23ー92)。基本的に、チップ704の1つの各DACは、12ビットデータワードによって続けられた4ビットアドレスヘッダを含む16ビット直列ワードによって個別にアドレスされる。アドレスヘッダの4ビットにおいて、最初の2つは4つの中間DAC1つを示すものであり、後の2つは残されている(reserved)。チップ704の1つのCS入力が能動である時、SDI入力に与えられるデータは、最初のDACアドレスビットから始るデータをシフトする内部シフトレジスタに直列にロードされる。特に、SDI入力に与えられるデータは、SCKの各立ち下がりに対応して、入力レジスタ中でシフトされる。その後、LDがストローブであるとき、入力レジスタの12ビットワードは、内部データバスに並列シフトされ、アドレスビットで特定されたDACのためのDACデータレジスタに書込まれる。DAC−8420チップは、インターフェイス・ユニット108のために選択された。なぜなら、これらは正確でありコンパクトであるが、DACの他の形式および他の直列または並列インターフェイス技術を代りに用いるからである。
【0054】
4チャネルDACチップ704aのAおよびB出力は、各直列抵抗を介して、ケーブル110の1つによって8つまでのヘッド104の最初のものに結合される、Vバイアス1およびDCオフセット1信号を提供するために結合される(図1)。同様に、4チャネルDACチップ704aのCおよびD出力は、第2ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス2およびDCオフセット2信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704bのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第3のヘッド104に結合されたVバイアス3およびDCオフセット3信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704bのCおよびD出力は、第4ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス4およびDCオフセット4信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704CのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第5のヘッド104に結合されたVバイアス5およびDCオフセット5信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704CのCおよびD出力は、第6ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス6およびDCオフセット6信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704dのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第7のヘッド104に結合されたVバイアス7およびDCオフセット7信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704dのCおよびD出力は、第8ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス8およびDCオフセット8信号を供給するため結合される。
【0055】
マイクロコンピュータ702のSO出力は、保持型シフトレジスタ706aの直列データ入力(SDI)に接続されている。保持型シフトレジスタ706aは、たとえば、モトローラ社製造の74HC595チップでよい。706aのような分離された保持型シフトレジスタが、インターフェイス・ユニット108によってサポートされた8チャネル(その8番目を図7の706hに示す)のそれぞれのために設けられている。各ラッチ型シフトレジスタ706a...706h(あわせて706)は、保持型シフトレジスタ706hを除いて、チェインになった次の保持型シフトレジスタのSDI入力に接続された直列データ出力(SDO)リードを有している。保持型シフトレジスタ706の全ては、マイクロコンピュータ702のSCK出力を受信するために接続された直列クロック(SCK)入力を有しており、マイクロコンピュータ702のDOUTLD出力を受けるために結合されたRCK入力を有している。各保持型シフトレジスタ706は、8ビットを保持し、そのうち4ビットのみがインターフェイス・ユニット108にて用いられる。どのビットがどの制御信号に割り当てられているかの詳細は大切ではないが、説明すると、チャネルの1つに対応する保持型シフトレジスタ706のビットの一つがヒーター信号を伝え、ビットの一つがリセット信号を伝え、ビットの2つがレンジ信号を伝える。これらのビットは、保持型シフトレジスタのQ0〜Q3出力から、ケーブル110の1つを介して、そのチャネルに対応するヘッドユニットのために用意される。
【0056】
SCK入力の各パルスに対応して、SDI入力からのデータを直列にシフトすることにより、保持型シフトレジスタ706が動作する。RCK信号がストローブである場合だけ、出力ピンをラッチするシフトレジスタの電流成分を用いる。したがって、保持型シフトレジスタ706のいずれの出力を変更するため、マイクロコンピュータ702は、マイクロコンピュータ702のSOおよびSCK出力を用いて、8×8=64ビットの直列の流れを保持する。マイクロコンピュータ702のDOUTLD出力、保持型シフトレジスタ706の出力に、64ビット全てをラッチするため、マイクロコンピュータ702のDOUTLDをストローブする。マイクロコンピュータ702は、ビットのフルセットのコピーを保持する。
【0057】
アンプ708の反転入力は、ケーブル110を介して、対応するヘッド104から、信号接地(SIGGND)を受信するよう結合されている。図7においてANA1...ANA8と符号が付されたアンプ708の出力は、それぞれ8:1アナログ・マルチプレクサ710の入力に結合され、このマルチプレクサの3ビット選択入力は、マイクロコンピュータ702からの3ビットMPX(A:C)信号を受けるように結合されている。マルチプレクサ710の出力は、A/Dコンバータ712のアナログ入力に接続されている。A/Dコンバータ712は、たとえば、マサチューセッツ、ノーウッドのアナログ・デバイセス製造のAD677とすればよい。A/Dコンバータ712の制御リード(CAL,BSYおよびSAMP)は、マイクロコンピュータ702のADCCTLバスのそれぞれのラインに接続されている。SDOピンは、その出力がマイクロコンピュータ702のシリアル入力(SI)に接続された、4:1デジタル・マルチプレクサ714の1入力に接続されている。マルチプレクサ714の2ビット選択入力は、他のマルチプレクサ716の選択入力のためにも提供されている、マイクロコンピュータ702からの2ビットDIGSEL出力信号を受けるために結合されている。マイクロコンピュータ702のSCK出力は、他の3つの入力が接地された、マルチプレクサ716の入力の一つに接続されている。SCK信号が接続される入力は、マルチプレクサ714上の、A/Dコンバータ712のSDO出力が接続されるそれと同じ入力である。したがって、DIGSEL信号が、マルチプレクサ716に、A/Dコンバータ712からのSDO信号を選択させた場合、マイクロコンピュータ702からのSCK信号もマルチプレクサ716によって選択される。マルチプレクサ716の出力は、変換制御のためおよびSDO出力へのデジタルデータ出力のクロックとして用いられる、A/Dコンバータ712のクロック入力に接続されている。
【0058】
各ヘッド104のカウント出力は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ718のそれぞれの入力に結合されている。同様に、各ヘッド104の信号接地の接続は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ720のそれぞれの入力に結合される。モトローラ社製造の74HC597を用いることができる8進ラッチ718,720は、ラッチしたデータをシリアルにシフトして出力するためのシリアル出力(SO)を含んでいる。ラッチ718,720のSO出力は、マルチプレクサ714のそれぞれの入力に結合されている。ヘッドユニット104の信号接地リードを読み出せ得ることは有用である。なぜなら、これにより、マイクロコンピュータ702がヘッドユニットが各8チャネルに接続されているか否かを決定できるからである。入力の一つがヘッドによって接地されない場合に、論理1を提供するため、プルアップ抵抗(図示せず)が、インターフェイスユニット108の信号接地入力に接続されている。
【0059】
8進ラッチ718と720のそれぞれは、その双方がマイクロコンピュータ702からのDINLAT信号を受信するため結合されているラッチ(LAT)入力および、マイクロコンピュータ702からのSS出力信号を受信するため結合されたSS入力を有している。8進ラッチのそれぞれは、マイクロコンピュータ702のSCK入力を受信するために結合されたSH入力を含んでいる。8進ラッチ718は、LAT入力のパルスに応答して、8ビット並列入力値をラッチし、SH入力に印加される一連のパルスに応答して、それぞれのSOピンにラッチデータをシフトすることによって動作する。SS入力がハイの場合にはシリアルシフトを、ロウの場合にはパラレルロードを可能にしている。したがって、マイクロコンピュータ702は、マイクロコンピュータ702のDINLAT出力をストローブし、マイクロコンピュータ702のDIGSEL出力を、マイクロコンピュータ702のSI入力を用意するために、マルチプレクサ714が8進ラッチ718のSO出力を選択するようにセッティングし、その後、マイクロコンピュータ702のSCK出力を、DINLATのストローブに対応してラッチ718にラッチされる8ビットをシフト出力するに十分な時間、ストローブすることにより、8つのヘッドユニット104からのカウント信号の電流値を読むことができる。マイクロコンピュータ702は、ヘッド104から8つの信号接地信号を読み出すために、同じような動作を実行する。
【0060】
インターフェイス・ユニット108は、さらに、マイクロコンピュータ702をコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)やダンプ端子等の外部ユニットに結合するためのRS232インターフェイス722を含んでいる。RS232インターフェイス722は、カリフォルニア、サンバレイのMaxim Integtrated Products製造のMAX250/MAX251チップセットを用いればよい。追加的な分離は、光分離器(optoisolators)を用いて達成できる。
【0061】
マイクロコンピュータ702に接続された個別の信号ラインは、図7にあるように、個々に名称が付されている点に注意すべきである。これらのラインの多くは、マイクロコンピュータ702の汎用I/Oポートに実際に接続されており、ここで述べた個々の機能を実行するため、マイクロコンピュータのソフトウエアによって制御されているだけである。特に、テーブルIは、各割り当ておよび対応するポートピンをセットしている。このテーブルにおいて、”!”は、アクティブ・ロウ信号を表わしている。
【0062】
図7の回路は、装置の一実施例であり、多重SQUIDシステムの個々のチャネルを制御し、多重SQUIDシステムのチャネル出力を読むための、インターフェイス・ユニット108(図1)を含んでいてもよい。しかしながら、インターフェイス・ユニット108は、その他の種々の形式をとることができる。
【0063】
この実施例におけるインターフェイス・ユニット108は、それ自身の制御を有していない。むしろ、コマンドを受け取って、RS232ケーブル114を介してパーソナルコンピュータ112にデータを伝送することに適している。コンピュータ112は、ケーブル114を介してインターフェイス・ユニット108に、好ましくはASCIIキャラクタの形式にてハイレベル・コマンドを生成し、好ましくはASCIIキャラクタの形式でデータを受信する。インターフェイス・ユニット108は、RS232ポート114から受信したコマンドに応じて、ケーブル110を介して、ローレベル制御信号を提供し、各チャネルからケーブル110を介して受信したアナログ出力信号に応答して、RS232ポート114を介して、コンピュータ112にデータを送り返す。パードナルコンピュータ112とのASCII通信プロトコルが好ましい。なぜなら、パーソナルコンピュータ112をその応用において単なるダンプターミナルにすることを可能とするからである。
【0064】
マイクロコンピュータ702のソフトウエア(図7)は、RS232インターフェイス722を介して受信したコマンドを解析し、2進数のオペランドに変換する。イレギュラーな命令を受信した場合、エラーメッセージが対応する。有効なコマンドを受信すると、マイクロコンピュータ702は、コマンドにしたがって、出力装置のセットを適切に変更する。たとえば、コマンドの一つ(GC)は、インターフェイスユニット108を、A/Dコンバータ712を用いる、選択されたSQUIDチャネルからの出力信号を読み出すようにし、ソフトウエア・ルーチンを介して、10進数の読み出しを変換し、それをRS32ポートを介して伝達する。他のコマンド(Icnnnn)は、インターフェイス・ユニット108に、特定の繰り返し間隔で、これらの動作を自動的に実行するように指示する。マイクロコンピュータ702は、実質的に、他のコマンドの翻訳と実行を同時に実行する。
【0065】
【表1】
マイクロコンピュータ702は、システムの種々の部品をテストすることを可能とするための、いくつかのビルトイン(built−in)テスト機能を有している。RS232インターフェイス722を介しての所定の固定データシーケンスを伝送するインターフェイス・ユニット108をオプションとして有する場合もある。
【0066】
テーブルIIは、RS232ケーブル114からインターフェイス・ユニット108に供給できるコマンドのリストである。このテーブルにおいて、”c”はチャネル番号(1から8、0が全てのチャネルを表わす)を示し、正または負を示す”+”または”−”および”±”が頭に付された”nnnn”は1ー4ASCII10進数を示している。
【0067】
各コマンドは、コマンド実行のための、復帰(CARRIAGE RETURN)文字によって終らねければならない。改行(LINEFEED)文字は無視され、エスケープ文字は一部送ったコマンドをキャンセルする。SQUID出力データは、−32768〜+32767の範囲において、オプショナルな±に続くASCII10進数の形式に戻される。
【0068】
【表2】
テストデータモード(M64)において、マイクロコンピュータ702は、A/Dコンバータ712ではなく、テストデータの内部テーブルからのデータを伝送する。テストデータセットは、128読み取り長さであり、継続的に繰り返す。デバッグモードにおいて、インターフェイスユニット108は、以下のようにVコマンドに応答する。
【0069】
【表3】
128以下の全てのモードおよびモード128以上の何れかのモードは、モード番号を同時に付加されて活性化される。インターフェイス・ユニット108が、RS232ケーブル114で伝送できるレートよりもさらに早くデータを取得する場合には、インターフェイス・ユニット108は流れの中からデータ値を無視して、伝送データは常に最新のものとなる。
【0070】
図8は、多重SQUIDチャネルを制御するためのシステムの他の配置である。図1の配置のように、各チャネルは極低温プローブ802、それぞれのケーブル806を介して共通インターフェイス・ユニット808に結合された、FLLフィードバック回路を含む対応する室温ヘッドユニット804を備えている。しかしながら、発振信号のデイジー・チェインを防止するため、種々のチャネルのための変調周波数は、インターフェイス・ユニット808中のマスター発振器810によってすべて制御される。変調周波数は、ケーブル806により、全てのヘッドユニット804に伝送される。
【0071】
他のケーブル806の信号のように高度にフィルタすることができない、変調信号は広帯域幅経路によって伝送されねばならないので、図8の配置における1つの問題が生じる。前述のように、インターフェイス・ユニット808中のデジタル回路からのノイズは、変調周波数信号に結合可能であり、このためヘッドユニット804に伝送される。これをさけるため、変調周波数信号を各ヘッド804でオプショナルに分離してもよく、ケーブル806中を走る光ファイバを介してヘッド804に伝達してもよい。また、変調周波数は、分割(divided down)周波数でケーブル806を通して伝送され、位相ロックループの使用により、ヘッドユニット804中で適切な周波数に再生されてもよい。
【0072】
図9は、多重チャネルSQUID制御システムの、さらに他の配置を示す。図1の配置と同じように、各チャネルは極低温プローブ902および室温ヘッドユニット904を備えている。ヘッド904は、全て、ケーブル網908を介して、インターフェイス・ユニット906に接続されているが、ケーブル網908はインターフェイス・ユニット906への単一のケーブル接続のみを備え、1つのヘッドユニット904から次のものへデイジー・チェインまたは並列バスに結合されている。ケーブル網908は、情報のデジタル・フローを運び、各ヘッド904のインテリジェント・デジタル部910によって、読み出されおよび/または駆動される。ヘッド904のそれぞれは、図1および8の配置におけるそれと同様のアナログ部912とともに、このデジタル部910を含んでいる。ヘッドユニット904は、まだ、冷却器の上に置くに十分小さく、デジタル部910はそれ自身、命令を解釈し、ケーブル網908を越えてデータを伝送するに十分にインテリジェントである。
【0073】
ケーブル網908は、たとえば、銅線または光ファイバのいずれでも用いることができる。この配置においては、マスター発振器914がインターフェイス・ユニットに含まれ、ケーブル網908を介してのデータ伝送のための基本バスデータレートを提供する。伝送データの適切なエンコード(マンチェスター・エンコードの使用等)により、信号には、常に、ビットレートに対応した強い周波数成分が含まれる。このビットレートは、ヘッドユニット904の位相ロックループによって、コマンド受信と同時に再現される。したがって、ケーブル網908は、コマンド伝送と同時に同期変調周波数の伝送機能を提供する。
【0074】
この発明を特定の実施例と共に説明した、そしてその範囲内において多数の変更が可能である。たとえば、フィードバック電流変調およびACバイアス電流に加えて、種々の他の低周波ノイズ・リダクション手法を実施することができる。Tの実施例では、ここで述べた種々の原理を、RF SQUIDに拡張して用いることができる。これらの変更やその他の変更は、クレームの範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
【図2】図2は、SQUIDプローブを記号化して示している。
【図3A】図3Aは、図1のヘッドユニットの1つのブロック図である。
【図3B】図3Bは、図1のヘッドユニットの1つのブロック図である。
【図4】図4は、図3の積分器の模式図である。
【図5】図5は、図3の選択抵抗の模式図である。
【図6】図6は、図3の移相器の模式図である。
【図7A】図7Aは、図1のインターフェイス・ユニットのブロック図である。
【図7B】図7Bは、図1のインターフェイス・ユニットのブロック図である。
【図8】図8は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
【図9】図9は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
【発明の分野】
この発明は、複数のSQUIDを制御する装置に関するものであり、特に、並列的な(multiple)複数のSQUIDを統合して制御する装置に関するものである。
【0002】
【関連する技術の説明】
超伝導量子干渉デバイス(SQUID)は、少なくとも1カ所がジョセフソン接合によって切断された超伝導ループによって構成されている。SQUIDが1つの接合のみを有する場合には、発振電流によってバイアスされなければならないRF SQUIDとして知られている。SQUIDが2以上の接合を有する場合には、DC電流によってバイアス可能なDC SQUIDとして知られている。この発明は、主として、複数のDCSQUIDの制御に関するものであるが、ある側面においては、複数のRF SQUIDの制御システムにも用いることができる。
【0003】
DC SQUIDは、超伝導ループに引加される全磁束の作用によって変化する、接合部を横切る出力電圧を提供するものであるから、本質的に、磁束−電圧コンバータである。出力電圧は、印加された磁束中において、1つの磁束量子Φ0の周期に関して周期的である。したがって、静的な電圧出力レベルにセットするため、SQUIDに固定的なDC磁束を印加することにより、SQUID中に生成される単一磁束量子と同じような磁界は、SQUIDの出力電圧の静的な値からの偏差を計測することによって検出することができる。
【0004】
複数のSQUIDおよびその制御システムについては、クラーク(Clarke)、「複数SQUIDの原理および応用(Principiles and Applications of SQUIDs)」、IEEE会報、第77巻、第8号、1208〜1223頁(1989年)を参照して具体化する。ここに述べられているように、ほとんどのSQUIDの読み出し方法は、磁束ロックループ(flux−locked loop(FLL))回路を使用することを含んでいる。外部からの印加磁界によって、SQUIDの電圧出力が静的な値(通常は0)から変動すると、この回路は、SQUIDに近接するフィードバックコイルに印加されるフィードバック電流を生成する。フィードバックコイルによる磁束が外部印加磁束を補償して、外部印加磁束を打ち消しSQUIDに印加される磁束を全体として0に戻すようなフィードバック電流を、この回路は供給する。したがって、SQUIDの電圧出力は、静的な値に保持される。そして、外部印加磁束の大きさを示すアナログ出力信号を得るために、外部印加磁束を打ち消すために必要なフィードバック電流のレベルが、測定される。
【0005】
この技術は、単一の磁束量子より著しく小さい外部印加磁界レベルの検出を可能とするだけでなく、電圧/磁束カーブ上の所定の動作点にSQUIDを連続的に駆動するので、当該カーブの周期的な性質(periodic nature)によって制限されるものではない。FLLフィードバック回路が必要な補償電流を供給し、かつ、FLLフィードバック回路がカーブのある期間から次に飛ぶのを防ぐに十分なほど早く応答すれば、ほとんどの瞬間の外部印加磁束レベルΦ0が測定可能である。また、FLL技術は、外部印加磁束に対して直線的に変化するアナログ出力信号も提供する。
【0006】
実用上、FLLは、SQUIDの電圧出力の静的な値からの偏差を積分する積分器を含んでいることもある。FLL回路に固有のDCドリフト問題は、フィードバック電流を約100kHz〜500kHzの高周波によって変調し、SQUIDの電圧出力を同じ周波数で復調することによって改善することができる。SQUIDの動作点が電圧/磁束カーブの最小または最大にセットされており、±Φ0/4によってSQUIDに供給され、フィードバック磁束を発振するに十分な振幅を持つ方形波によってフィードバック電流が変調されている場合、SQUIDの電圧出力は、動作点の左側に電圧/磁束カーブの上の方への途中の点と、動作点の右側に電圧/磁束カーブの上の方への途中の点との間を交互する。両電圧は等しく、SQUID出力電圧の交流成分はゼロである。そのような状態のSQUIDは、平均交流電圧が0の静的レベルを示すものとして示す。外部磁束が印加されると、動作点は、もはや電圧/磁束カーブの最大または最小ではなくなる。したがって、SQUIDの電圧出力は、動作点の左と右の間の点を交互し、もはやその電圧は等しくなくなり、平均交流電圧は0の静的な値に対して上または下に変動する。FLLフィードバック回路は、外部印加磁界に対して補償を行うことができ、これによって所望のアナログ出力信号を生成することができる。変調電流は、フィードバックコイルに生成されるフィードバック電流に加えられてもよく、SQUIDの近傍に位置する別個の変調コイルと分離して供給されるようにしてもよい。復調は、一般的な同調復調器またはロックイン検出器(lock−in detector)を用いて行なわれる。
【0007】
ここで用いている「FLL回路」は、電流フィードバック経路およびフィードバックコイルとともに、SQUIDそのもの、SQUIDに結合されたオプショナルなプリアンプ、オプショナルなロックイン検出器およびオプショナルな積分器を含むものとして考慮する。「FLLLフィードバック回路」は、プリアンプ、ロックイン検出器、積分器およびフィードバックコイルから戻る電流経路を含むものとして考慮し、フィードバックコイルそのものやSQUIDを含まないものとして考慮する。FLL回路またはFLLフィードバック回路は、上記の変調および復調技術を用いる場合には、変調FLL回路または変調FLLフィードバック回路として考慮する。
【0008】
一般的なシステムにおいて、SQUIDおよび種々のコイルが、極低温で維持できるようにされたSQUIDプローブ上に設けられている。FLLフィードバック回路は、通常、室温にて動作し、プローブケーブルによってプローブに結合される。超伝導現象による効果を得るのであれば、ここで用いられているように、回路は「極低温」にて動作する。同様に、超伝導現象を用いないのであれば、回路は「室温」にて動作する。厳密に外部環境の周囲温度にある回路を「室温」回路とすべきであるとは、意図していない。SQUIDの電圧出力は、オプショナルな直流ブロックコンデンサおよび/または共振回路と同じように、1以上のインピーダンス・マッチングトランスを介して、FLLフィードバック回路の入力に結合されてもよい。異なる設計としては、これら結合要素の異なるものが、プローブ上に配置されて極低温に保持されるか、または、FLLフィードバック回路とともに配置されて室温に保持される。
【0009】
応用物理システム「DC SQUID システム モデル581」マウンテンビュー、カルフォルニア:1990年(Applied Physics Systems,”Model 581 DC SQUID SQUID System”(Mountain View,California: 1990))において、DC SQUIDセンサ、極低温プローブ(これは、DC SQUIDセンサとともに、ここで用いる用語としての「SQUIDプローブ」を構成する)、SQUID処理電子回路および制御/表示コンソールを有するSQUIDシステムが述べられている。極低温プローブは冷却器に挿入するためのロッドを備えており、SQUIDセンサはチューブの挿入端に取り付けられている。RFIフィルタを含む金属筐体(brass denclosure)およびコネクタが、チューブの非挿入端に取り付けられている。SQUID処理電子回路部は、SQUID閉ループ電子回路の全てを含んで、高度にシールドされフィルタされた筐体にある。この回路は、短いシールドケーブルを介して、SQUIDプローブの一端においてコネクタと結合されている。SQUID処理回路部は、冷却器の上に簡単に装着するには大きすぎ、当然、冷却器の上に、2個もしくは3個以上設けるにも大きすぎる。
【0010】
1つのSQUIDを冷却器に挿入すべき場合には、応用物理システム(APS)SQUIDが適している。しかしながら、同時に動作するSQUIDを必要とするSQUIDの応用が開発されている。たとえば、脳波によって生成される磁束信号を検出するために用いるSQUIDシステムは、他のものから2.54cm以内に配置された複数のSQUIDセンサを必要とする。これらの形式の応用において、APS技術は、少なくとも2つの理由によって適切でない。第一に、各チャネルにおいて、別個のSQUIDプローブ、別個の処理電子回路および別個の制御/表示コンソールを含む完全な構成要素が独自に必要とされる。コンソールの出力は、単一コンピュータのデータ取得モジュールに接続されてもよいが、複数のSQUIDの動作を制御することを想定したコンピュータに対する準備はされていない;各コンソールは手動によって調整されるべきものとなっている。
【0011】
第二に、構成要素が多いことに加えて、APSシステムは、種々のチャネルの変調周波数の同期を想定した用意をしていない。SQUIDは他のものと近接して配置されるので、あるSQUIDに対して印加したフィードバック磁束は、他のSQUIDにおいても同様に検出される。複数のSQUID間での変調周波数の違いは、種々のSQUIDからの読取において、好ましくないビートの原因となる。
【0012】
量子デザイン社によるカタログ、「DC SQUIDセンサ、電子回路およびシステム」(Quantum Design,”DC SQUID Sensors, Electronics ans Systems”)(1990年)においては、特に複数チャネル使用を意図したシステムが述べられている。システムは、1つの「マスターボード」(masterboard)および各チャネルのための独立した「マルチカード」を備えている。各チャネルの入/出力構成は、冷却器に挿入するためのフレキシブルなSQUIDプローブ/センサ、プローブを室温電子回路に結合するフレキシブルケーブル、スモールバックシェル型(small back shell−style)のマイクロ・プリアンプ(micropreamp)、マイクロコンピュータを対応するマルチカードに結合するための10mまでの高度にシールドされたケーブルを含んでいる。マイクロ・プリアンプは、RFシールドおよびフィルタ、DC SQUIDプローブを有しており、ケーブルは耐RF(RF immunity)および磁気シールドされている。マイクロ・プリアンプは、内部もしくは外部フィードバックとともに動作し、SQUIDプローブはどちらのタイプの応用においても配される。
【0013】
量子デザイン(QD)システムは、各チャネルのための分離した磁束ロックループ構成を提供するが、FLLフィードバック回路の主要部分は、SQUIDから10mを限度として離されたマルチカード中に配置される。特に、SQUIDの電圧出力は、マイクロ・プリアンプによってある程度まで増幅され、高度にシールドされたケーブルを介して、別々にマルチカードに伝送される。マルチカードは、ロックイン検出器、積分器およびフィードバック電流経路を有している。RF変調周波数は、マルチカード上のフィードバック電流経路(または、分離された変調電流リード)に印加され、ケーブルを介してSQUIDプローブに伝送される。同様に、マイクロ・プリアンプの信号出力にはまだRF変調周波数が含まれており、これはマルチカード上のロックイン検出器に信号が到達するまで取り除かれない。ケーブルを介してのRF信号の伝送は、SQUIDプローブと制御器との間のケーブルの最大長に制限され、ケーブルが高度にシールドされていることおよび信号が個別に伝送されることという要求を強くする。
【0014】
加えて、QDシステム中の各マルチカードは、SQUIDバイアス電流、非対称電流、直流オフセット電流等を制御するためのD/Aコンバータ等のチャネルに特定の種々のデジタル回路も有している。これらは、FLLのゲイン、アンチ−アリアシング・フィルタ(anti−aliasing filter)の選択等の調整を制御するためのデジタル制御のアナログスイッチも有している。よって、これら回路のスイッチングによるノイズは、磁束ロックループの動作に悪影響を与える。さらに、マルチプレクサ、A/Dコンバータ、FIFOおよびマイクロプロセッサ等のデジタル回路を有するマスターボードは、全てのマルチカードと同様に同じSQUID制御ボックス中に配置されている。これら構成要素からのノイズも、また同じように磁束ロックループの動作に影響を与える。QDシステムは、これらの影響を最小にするために、広範囲にわたる内部シールドを必要とし、ハードウエア結合に起因してこのシールドが不完全であれば、それはFLLを制御するため入り込まねばならない。
【0015】
QDシステムの制御ユニットは、前面パネルまたはRS232CやGPIBを介して制御器に結合された外部コンピュータのいずれからも制御できるようになっている。プローブから読み出した出力信号は、制御器の前面パネル上に表示され、および/または、外部コンピュータに伝送される。QDシステム中のSQUID制御器を制御するための命令は、Quantum Design Inc.の「モデル5000 DC SQUID 制御器操作マニュアル」(1991年)と名付けられた出版物に詳しい。
【0016】
フジマキ「Josephson Integrated Circuits III −−1チップSQUID磁力メータ(magnetometer)」、富士通科学技術ジャーナル、第27巻第1号(1991年)、59頁〜83頁においては、各SQUIDチャネルが、SQUIDと同じ極低温チップ上のジョセフソン・デジタル回路を用いて構築されるデジタル・フィードバックループを有している多重SQUIDシステムが述べられている。しかしながら、この技術を用いるシステムを実用化するためにはその前に、無視できないほど重要な研究が必要である。
【0017】
SQUIDを制御するさらに他の技術は、減衰発振器(relaxation oscillator)中にSQUIDを有している。しかしながら、複数のSQUIDは異なる周波数で動作するので、この技術は、近接した複数のSQUIDを多重に制御するためには有用でない。
【0018】
よって、この発明は、上記問題の全てまたは一部を改善したSQUID制御システムを提供することを目的とする。
【0019】
【発明の概要】
この発明を、以下の図面を参照して、その実施例に関して説明しする。
【0020】
この発明による多重SQUIDプローブを制御するためのSQUID制御装置は、概略、それぞれSQUIDプローブに対応する複数のヘッドユニットを有しており、各ヘッドユニットは、それぞれの変調周波数で動作する、極低温でない変調された磁束ロックループ・フィードバック回路を有している。この装置は、ヘッドユニットの全てと結合されたベースユニットも有しており、ベースユニットは、多重ヘッドユニットを制御するための信号を供給する。デイジー・チェイン・トポロジー(daisy chain topology)を使用することなどにより、全ての変調磁束ロックループ・フィードバック回路の変調周波数を同期するための手段も設けられている。ヘッドユニットは、復調器の局部発振入力(local oscillator input)に供給するための変調周波数発振信号を移相するために結合され、所望量基本周波数成分を移相するための移相器も有しており、移相器は、基本周波数成分を除いた周波数成分の全てを減少させるため、発振信号をフィルタリングするための移相フィルタを有していてもよく、フィルタされ移相された信号を方形波にするための整形手段を有していてもよい。
【0021】
【詳細な説明】
図1に、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示す。このシステムは、複数のチャネルを有しており、各チャネルはプローブ102a,102bまたは102n(まとめて102)およびヘッドユニット104a,104bまたは104n(まつめて104)を有している。プローブ102は、冷却器への挿入に適合するようにされており、たとえば、ヘッドユニット104とともに冷却器の上に搭載される。搭載メカニズムは、接着、ボルトおよびナット、電気的コネクタの機械的支持、またはその他の技術により可能である。それぞれのケーブル106a,106bおよび106n(まとめて106)は、プローブ102をそれぞれのヘッドユニット104に、フレキシブルに、剛性チューブの中空部を介して、結合するものである。APSおよびQDシステムとともに、ケーブル106はシールドされ、差動ペア(differential pair)を介して、プローブとヘッド間に信号を運ぶ。ヘッドユニット104と冷却器の極低温領域との間の熱伝導を最小にするため、適切な処置が用いられている。
【0022】
ヘッドユニット104は、室温にて動作する。これらは、全て、それぞれのケーブル110a,110bおよび110n(まとめて110)を含むケーブル網を介して、共通のインターフェイス・ユニット108に結合されている。後に見られるように、これらのケーブル110は高度にシールドする必要がなく、ほとんど任意の長さが許される。さらに、ケーブル110は光ファイバーを有していてもよい。インターフェイス・ユニット108は、RS232リンク114を介して、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにも接続されている。他の実施例においては、後者の接続は、GPIB等の異なるプロトコルに従うものであってもよい。
【0023】
より詳細に以下に述べるように、種々のチャネルの変調周波数は、1つのヘッドユニット104aがマスターとして動作するRF発振器を提供することによって同期がとられる。残りのヘッドユニット104bおよび104nのそれぞれは、直前のヘッドユニットのスレーブとして動作し、直後のヘッドユニットのマスターとして動作する。よって、ケーブル網は、ヘッドユニット104aのマスター出力をヘッドユニット104bのスレーブ入力に結合するケーブル116a、およびヘッドユニット104bのマスター出力をヘッドユニット104nのスレーブ入力に結合するケーブル116bを有している。他の実施例においては、図1に示すデイジーチェイン配置に代えて、マスターのヘッドユニットがスレーブのヘッドユニットの全てを直接制御してもよい。その他の配置も可能であり、その一部を後述する。全てのチャネルの変調周波数を同期させることにより、ビートを防止することができる。
【0024】
全てのチャネルの変調周波数が同一である場合だけでなく、異なるチャネルの変調周波数が他のチャネルに対して倍数になっている場合においてもビートを防止することができる。また、異なるチャネルの変調周波数が、すべて共通周波数の倍数になっている場合、共通周波数が容易にフィルタリングできるほど十分に高い限りにおいて、ビートを防止することができる。ここで用いているように、「同期」とはこれら全てのバリエーションを含むものとして意図している。
【0025】
図2は、図1のSQUIDプローブ102の一つを模式的に示したものである。発明に用いるため選択したSQUIDプローブの特定の構造は、発明自身の一部を構成するものではなく、発明を実施するSQUID制御システムの構成要素は、選択したSQUIDプローブの型に適合したものである。しかしながら、ここで述べた特定の実施例は、YBCO等の高温超伝導材料によって形成されたSQUIDプローブの使用に特に適している。このようなSQUIDの例は、Wellstood, et. al. ”Integrated dc SQUIDmagnetometeo with a High Slew Rate”, Rev. Sci. Instrum., 第55巻第6号952〜57頁(1984年)に詳しい。
【0026】
図2に示すように、プローブは、2つのジョセフソン接合204を持つSQUID 202を有している。入力バイアス電流は、差動リード207,208(それぞれ、Iバイアス+およびIバイアス−)を介してSQUIDに与えられ、SQUIDからの電圧出力は差動リード210,212(それぞれ、信号+および信号−)を介して供給される。フィードバック+およびフィードバック−ライン216および218を介して異なって駆動されるフィードバックコイル214が含まれており、この実施例では、分離した変調コイル220を有しており、差動変調+および変調−リード222,224を介して駆動される。また、プローブの上に小型ヒーター217が設けられ、ヒーターライン219から接地/シールドライン221によって駆動される。図2のSQUIDプローブの動作は、一般的であり、典型的なDC SQUIDプローブに関して上記で述べたものと同様である。
【0027】
図3は、図1の1つのヘッドユニット104のブロック図である。一方側は、プローブユニット102の1つに結合するためのプローブコネクタ(図示せず)によってっており、反対側は、ケーブル110の1つを介してインターフェイス・ユニット108に結合するためのインターフェイス・ユニット・コネクタ(図示せず)によって終っている。ケーブル110の1つに結合されるコネクタは、たとえば、ペンシルバニア、エリーのスペクトラム・コントロール会社(Spectrum Control, Inc.,)製造のモデル56−711−015等のローパス・フィルタを用いることができる。ヘッドユニット102は、冷却器の上に複数個を合わせて搭載できるように、十分コンパクトである。
【0028】
図3を参照すると、磁束ロック・フィードバック回路は、プリアンプ302、ロックイン検出器304、積分器306、差動ドライバ308および選択抵抗310を介して通る差動電流フィードバック経路を備えている。特に、ライン210,212に現れるSQUIDプローブの差動電圧出力は、トランス312の1次コイルの反対端に結合されている。トランス312の2次側は接地された一端を有しており、他端はAC結合プリアンプ302の入力に結合されている。プリアンプ302は一般的なものであり、マイクロボルトのオーダーの信号をボルトのオーダーの信号に信号強度を増幅する点を除いて、ここでは詳しく説明しない。
【0029】
プリアンプ302の出力は、ロックイン検出器304の信号入力に結合されている。ロックイン検出器304は、ニューヨーク、ブルックリンのミニサーキット社(Minicircuits Inc.,)製造のSRA−8ユニット等のダブル・バランス・ミキサーを用いて実現できる。ロックイン検出器304の出力は、後に詳述する積分器306の信号入力に、信号流経路402によって、接続されている。積分器306は、2つのリセット入力RST1およびRST2を有しており、これら双方の能動状態はフィードバック・コンデンサを短絡する。
【0030】
積分器306の出力は、手動ゲイン制御ポテンショメーター(図示せず)を有する差動ドライバ308の入力に、信号流経路422によって、接続されている。ドライバ308の差動出力は、選択抵抗回路310の一端に接続されている。選択抵抗310の差動出力は、SQUIDプローブのフィードバックコイルに結合するための差動フィードバックライン216,218に、一対の導体502,508によって接続されている。ヘッドユニット104は、それぞれのケーブル110を介してインターフェイス・ユニット108から、導体314に印加されるレンジ制御信号を受け取る。レンジ信号は、4つのフィードバック抵抗値の1つを選択するため、選択抵抗310の抵抗選択(RSEL)入力に結合された2ビットの2進数値を伝達する。同じレンジ信号もまた、4つの積分フィードバック・コンデンサの適切な1つを選択することにより、固定積分時定数を維持する積分器306のコンデンサ選択(CAPSEL)入力に、導体314によって供給される。
【0031】
ヘッドユニット104の各々は、特定のヘッドユニットがマスターまたはスレーブとして動作するか否かによって、動作又は非動作を切り換えられる内部方形波発振器316を有している。したがって、発振器316への電源接続は、単一極ダブル投入(single−pole,double−throw)のスイッチ318の共通接点に接続され、1つの極は電源に接続され、他の極は接地または開放される。ヘッドユニット104がマスターとして動作する場合、スイッチ318は、電源を発振器316に切り換える。
【0032】
発振器316の出力は他の単一極ダブル投入スイッチ320の一方の極に接続され、その他方の極はバッファ322の入力に接続される。ヘッドユニット104は、バッファ322の入力に接続されたスレーブ入力リード(OSC SLAVE IN)324を有している。
【0033】
スイッチ320の共通接点は、その出力にマスター出力リード(OSC MASTER OUT)328の設けられた他のバッファ326の入力に、信号流経路602によって接続されている。ヘッドユニット104がマスターである場合、スイッチ320は発振器316の出力に切り換えられ、ヘッドユニットがスレーブである場合、バッファ322の出力に切り換えられる。
【0034】
スイッチ320の共通接点は、他端が接地された可変抵抗330の一端にも接続されている。可変抵抗330のタップは、その差動電流出力がSQUIDプローブの変調コイル220のために用意された変調電流ライン222,224をドライブする差動ドライバ332の入力にAC結合されている。ジャンパ334と336は、分離したフィードバックまたは入力コイルを介するよりも、変調コイルを介してSQUIDにフィードバックを行う場合に用いるために、差動変調ライン222,224上のフィードバック電流を結合するために設けられている。
【0035】
差動電流ドライバ332の入力は、インダクタ338、バイパス・コンデンサ340および直列抵抗341を介して、DCオフセット入力ライン342にDC結合されている。DCオフセット入力ライン(DC OFFSET)342は、後述の様に、それぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・ユニット108により駆動される。
【0036】
スイッチ320の共通接点は、変調ライン222に提供されているのに加えて、信号流経路602、移相器344および信号流経路628を介して、ロックイン検出器304の局部発振入力にも結合されている。移相器344は、SQUIDプローブとヘッドユニットとの間で、SQUID電圧信号がロックイン検出器304の信号入力に戻る前に生じる位相のずれを補償するために挿入されている。位相器344の特別に有利な構成は、図6を参照して以下に述べる。
【0037】
積分器306の出力は、差動電流ドライバ308の入力に供給されているのに加えて、抵抗346を介してフォロワ(follower)348にも結合されている。フォロワ348の出力は、リード350を通して、インターフェイス・ユニット108に接続するために設けられたANALOUT信号を形成する。ANALOUT信号は、フィードバック電流のレベルに比例するので、ヘッドユニット104の磁束ロックループのアナログ出力信号を形成する。磁束ロックループのアナログ出力を読み出すその他の(好ましい)方法は、選択抵抗310の一方の反対端を、インスツルメンテーション(instrumentation)アンプ(図示せず)の対応する反転および非反転入力に接続し、インスツルメンテーション・アンプの出力を、346のような抵抗を介して、フォロワ348の入力に供給することである。この方法においては、選択抵抗310の一方を介してフィードバック電流が生じる電圧降下が直接測定される。
【0038】
積分器306のRST1入力は、対応するケーブル110を介して、インターフェイスユニット108からのリセット信号(RESET)を受け取るために結合されたリセットライン352に接続されている。このリセットライン352は、閉状態において抵抗358を介してロックイン検出器304をフォロワ348の入力に結合するアナログスイッチ356の制御入力に、遅延器354を介して、結合されている。よって、リセットライン352の上に短いパルスを印加することにより、インターフェイス・ユニット108は、積分器306を遠隔的にリセットすることができる。リセット信号が長い期間保たれている場合には、積分器306がリセット状態に保たれるだけでなく、ロックイン検出器304の出力が、積分器306の電圧出力に代えて、ANALOUTライン350に結合される。これは、インターフェイスユニット108がロックイン検出器304を直接観察することを可能にするテストモードである。加えて、それぞれのケーブル110を介しての直接観察のために、ACプリアンプ302の出力は、AMPOUTライン360を介して、インターフェイス・ユニット108に接続されている。他の実施例では、ケーブル110中にこのRF信号が含まれるのを防ぐため、AMPOUT信号が個別に観察装置に接続され、完全に否定する場合もある。
【0039】
積分器306の出力は、積分器306の電圧出力が高しきい値を越え、低しきい値を下回った場合に、積分器306のRST2入力に対してリセット信号を与える自動リセット制御回路362によってもモニタされる。同時に、自動リセット制御回路362は、COUNTライン364およびそれぞれのケーブル110を介して、インターフェイス・ユニット108にパルスを送る。インターフェイス・ユニット108は、COUNTライン364の信号を観測することにより、自動リセット制御回路362によって能動的にされたリセットの数の経過を保持する。自動リセット制御回路362は、積分器306を飽和しないように保持することにより、FLLのダイナミック・レンジを増加させる。異なる実施例においては、自動リセット制御回路362を無くし、ANALOUTライン350のモニタに対応してRESETライン352に適切なリセットパルスを供給するインターフェイス・ユニット108を持つことによって同じ結果を得ることができる。
【0040】
ヘッドユニット104は、インターフェイス・ユニット108からVバイアス・ライン366を介して、SQUID 202のために好ましいバイアス電流レベルを示す電圧信号を受信する。Vバイアス信号は、その出力がIバイアス+およびIバイアス−ライン207をドライブするために接続されている差動電流ドライバ368の入力に接続される。同様に、ヘッドユニット104も、インターフェイス・ユニット108からライン370を介して、SQUID 202近傍のヒーター216をオンにすべきか否かを示すヒーター入力信号を受け取る。ヒーター入力信号は、SQUIDプローブ102のために、ローパス・フィルタ372を介して、ヒーターライン219に結合されている。
【0041】
Iバイアス+ライン207は、他端がIバイアス−ライン208に接続された可変抵抗374の一端に接続されている。可変抵抗374のタップは、直列抵抗376を介して、インダクタ338、抵抗341およびコンデンサ340の接続点に結合されている。この接続は、SQUIDのバイアス電流を繰り返し反転することを含み、動作点を電圧/磁束カーブの最小または最大に維持するため、SQUID同期のDCバイアス磁束を調整する、追加の既知の低周波ノイズ除去手法を実現可能とする。この手法を用いるため、インターフェイス・ユニット108において動作するソフトウエアは、たとえば、1〜5kHzの周波数にてVバイアス信号を繰り返し反転することだけが必要である。可変抵抗374のタップ位置は、バイアス電流が反転するよう、適切な動作点の移動を得るために調整されている。
【0042】
図4は、積分器306の基本構成を示す。入力ライン402は、直列抵抗404を介して、非反転入力が接地された入力オペアンプ406の反転入力に結合されている。アンプ406の出力は、4つの並列経路を介し、4つの異なる値のコンデンサ408,410,412,414をとおって、単極4投入アナログスイッチ(four−throw analog switch)416のそれぞれの極に接続されている。アナログスイッチ416の共通接点は、アンプ406の反転入力に戻って接続されており、アナログスイッチ416のCAPSEL入力はライン314の2ビットレンジ信号を受信するよう接続されている。オペアンプ406の出力も、その制御入力がRST1とRST2信号をそれぞれ受けるよう接続された2並列単極単投入スイッチ418,420を介して、非反転入力に戻って接続されている。これらの信号の何れかが能動的になると、それぞれのスイッチ418または420が閉じ、フィードバック・コンデンサ408,410,412,414の何れか現在用いているものをショートする。オペアンプ406の出力は、積分器306の出力422を形成する。
【0043】
図5は、選択抵抗310(図3)の主要な構成要素を示している。ドライバー308の非反転出力502は、4つの並列抵抗504を介して、その選択入力ポートがライン314の2ビットレンジ信号を受けるために結合された、単極4投入スイッチのそれぞれの極に結合されている。反転出力508も同様に、4つの並列抵抗510を介して、単極4投入スイッチ512のそれぞれの極に結合されている。スイッチ512の選択入力ポートは、ライン314の2ビットレンジ制御信号を受信するために結合されている。スイッチ506および512の共通接点は、選択抵抗310の差動出力ライン216,218を形成する。
【0044】
前述のように、局部発振入力としてロックイン検出器304(図3)に与えられる前に、変調ライン222と224に供給される発振信号の位相をシフトすることが好ましい。正弦波に対する位相シフトはよく知られており、その一つが、Horowitz,”The Art of Electronics”第2版(ケンブリッジ大学出版:1990年)77〜78頁に述べられている。正弦波でない信号の位相をシフトすることも好ましいが、これはシフトされるべき信号が矩形波である図3の回路の場合である。正弦波でない信号は、一般的な位相シフト回路を適用すれば、異なる量のシフトとなって、ゆがんだ出力を生成するような、異なる周波数におけるフーリエ成分を含んでいる。また、一般的な移相器は、大きなレンジにわたって連続的に調整されるべき移相シフトが可能ではない。
【0045】
EG&G Brookdeal Electronics, Princeton Applied Reaearch, ”Model 128A Lock−In Amplifier − Operating and Service Manual”(Princeton, New Jersey:1971年)VIIー7頁においては、どのような周波数でも、広い範囲にわたって位相シフト信号を得ることを意図した移相回路が記述されている。しかしながら、その回路は極めて複雑である。
【0046】
したがって、移相器344(図3)は本発明の原理にしたがって構成されており、入力信号(発振器316からの、またはバッファ322からの)は、基本周波数等の所望の周波数成分を除く全ての周波数成分を減少または圧縮するためにフィルタリングされ、中間信号を生成するために所望量の位相シフトがなされる。その後、この中間信号は、中間信号に対応して所望の形状を有する出力信号を生成するため、整形される。特に図3において、移相器344に対する入力信号と出力信号の所望の形状はともに、方形波である。よって、移相器344は、直列抵抗および比較器に続く同調回路(tuned circuit)を有している。同調回路は、入力方形波の基本周波数よりもわずかに上または下の調整可能な周波数に同調し、これにより、抵抗および同調回路は、それぞれ所望の正または負の量で選択信号の位相をシフトする。特に、同調回路を選択信号周波数の上に同調すると遅れを生じ、同調回路を選択信号周波数の下に同調すると進みを生じる。比較器を含む移相器344は、中間信号に応じて方形波を生成する。
【0047】
図6は、本発明の原理による移相回路の実施例を示すものである。入力ライン602は、直列抵抗604を介して、ノード606と接地間に結合される同調回路630のトップを形成するノード606に結合されている。同調回路630は、ノード606と接地との間に結合されたコンデンサ608、およびコンデンサ608に並列に結合された可変インダクタ610を有している。インダクタ610は、インダクタ610のコア612の挿入深さを調整することにより可変となっている。
【0048】
中間信号を伝達するノード606は、直列コンデンサ614を介して、比較器616の非反転入力にAC結合されている。比較器616の非反転入力は、抵抗618を介して、比較器616の反転入力に結合されており、比較器616の反転入力は、正電圧と接地との間に結合された抵抗620と抵抗622の直列体によって形成される抵抗ドライバの出力に接続される。比較器616の反転入力は、コンデンサ623を介して接地される。比較器616の出力は、そのエミッタが接地され、コレクタが抵抗626を介して正電源に結合された、トランジスタ624(比較器616の一部として考えてもよい)のベースに接続される。トランジスタ624のコレクタは、移相器344の出力628を形成する。
【0049】
動作において、コンデンサ608とインダクタ610は、同調回路630が入力信号の基本周波数を除く全ての周波数成分を効果的に排除する(最小化する)ように選択されている。したがって、ノード606における波形は、実質的に、入力された方形波のように同じ周波数を有する正弦波である。しかしながら、同調回路630の同調周波数に依存して、正または負の量、入力方形波の位相に対して位相がシフトしている。位相のシフト量は、インダクタ610のコア612の挿入深さを調節することにより調整する。異なる実施例においては、同調回路630の同調周波数は、その他の既知の技術によって調整してもよく、たとえば、インダクタ610の実効巻き数を調整したり、コンデンサ608の容量を調整することによって調整してもよい。
【0050】
ノード606の中間信号は、比較器616の非反転入力にAC結合され、そこで抵抗620と622によって形成される抵抗分割によって決定されるしきい値と比較される。バイパスコンデンサ623は、しきい値電圧の大きな影響から中間信号を防いでいる。出力抵抗624とともに、比較器616の非反転入力の正弦波信号がしきい値を下回ると、比較器616は出力ライン628の低電圧レベルを生成し、比較器616の非反転入力の正弦波信号がしきい値を上回ると、出力ライン628の高電圧レベルを生成する。したがって、比較器616およびトランジスタ624は、ライン602の入力信号の独特の形状の正弦波を方形波に戻すように変換する。比較器616およびトランジスタ624は、たとえば、Santa Clara, Californiaのナショナル・セミコンダクタ社によって生成された単一LM311の一部として入手できる。
【0051】
図6の回路のバリエーションの数は、注意に値する。第一に、中間信号の矩形化は、比較器616に代えて、他の公知の手段によって実現可能である。第二に、移相器344は入力波形のどのような形に対しても適切に動作して、方形波である出力波形を生成する。第三に、同調回路630は、基本周波数と違って、入力信号の高調波(harmonic)近傍に同調してもよい。図6の場合であれば、基本波よりも選択した高調波の周波数において、位相シフト方形波出力を生成する。第四に、移相器の出力を形成する矩形化回路は、位相シフト出力信号を所望の形(たとえば、三角や階段)にするための他の整形回路によって置き換え得る。
【0052】
図7は、インターフェイス・ユニット108(図1)のブロック図である。これは、モトローラ製造の68HC805C4チップを用いて実現可能なマイクロコンピュータ702を備えている。インターフェース・ユニット108は、4チャネル12ビット電圧出力DAC 704a,704b,704c,704d(まとめて704)のバンクを備えている。各4チャネルDAC 704は、マサチューセッツ、ノーワードのアナログ・デバイセス製造のDAC−8420とすることができ、直列データ入力(SDI)、アクティブロウ(active low)ののチップセレクト(CS)入力、アクティブロウのロード(LD)入力、クロック入力を備えている。全ての4チャネルDACのSDI入力は、マイクロコンピュータ702のシリアル出力(SO)からシリアルデータ信号を受信するために接続されており、DAC 704のためのクロック入力は、すべて、マイクロコンピュータ702のSCK出力から直列クロック信号を受信するために接続されている。マイクロコンピュータ702は、8ビットDACCTL出力バスをドライブし、4つ全ての4チャネルDAC 704のために、CSやLD信号を各ラインに供給する。4チャネルDAC 704は、それぞれ、1つは各内部DACのための、また合計16のアナログ出力のための、4つのアナログ出力A,B,C,Dを有している。
【0053】
4チャネルチップ704の動作は、アナログ・デバイセスのデータシート”Quad 12−Bit Serial Voltage−Output DAC, Preliminary, DAC−8420”に詳しい(ノーウッド、マサチューセッツ:6ー23ー92)。基本的に、チップ704の1つの各DACは、12ビットデータワードによって続けられた4ビットアドレスヘッダを含む16ビット直列ワードによって個別にアドレスされる。アドレスヘッダの4ビットにおいて、最初の2つは4つの中間DAC1つを示すものであり、後の2つは残されている(reserved)。チップ704の1つのCS入力が能動である時、SDI入力に与えられるデータは、最初のDACアドレスビットから始るデータをシフトする内部シフトレジスタに直列にロードされる。特に、SDI入力に与えられるデータは、SCKの各立ち下がりに対応して、入力レジスタ中でシフトされる。その後、LDがストローブであるとき、入力レジスタの12ビットワードは、内部データバスに並列シフトされ、アドレスビットで特定されたDACのためのDACデータレジスタに書込まれる。DAC−8420チップは、インターフェイス・ユニット108のために選択された。なぜなら、これらは正確でありコンパクトであるが、DACの他の形式および他の直列または並列インターフェイス技術を代りに用いるからである。
【0054】
4チャネルDACチップ704aのAおよびB出力は、各直列抵抗を介して、ケーブル110の1つによって8つまでのヘッド104の最初のものに結合される、Vバイアス1およびDCオフセット1信号を提供するために結合される(図1)。同様に、4チャネルDACチップ704aのCおよびD出力は、第2ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス2およびDCオフセット2信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704bのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第3のヘッド104に結合されたVバイアス3およびDCオフセット3信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704bのCおよびD出力は、第4ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス4およびDCオフセット4信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704CのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第5のヘッド104に結合されたVバイアス5およびDCオフセット5信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704CのCおよびD出力は、第6ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス6およびDCオフセット6信号を供給するため結合される。4チャネルDACチップ704dのAおよびB出力は、各抵抗を介して、ケーブル110の1つによって第7のヘッド104に結合されたVバイアス7およびDCオフセット7信号を供給するために結合され、4チャネルDACチップ704dのCおよびD出力は、第8ヘッド104のため、各直列抵抗を介して、Vバイアス8およびDCオフセット8信号を供給するため結合される。
【0055】
マイクロコンピュータ702のSO出力は、保持型シフトレジスタ706aの直列データ入力(SDI)に接続されている。保持型シフトレジスタ706aは、たとえば、モトローラ社製造の74HC595チップでよい。706aのような分離された保持型シフトレジスタが、インターフェイス・ユニット108によってサポートされた8チャネル(その8番目を図7の706hに示す)のそれぞれのために設けられている。各ラッチ型シフトレジスタ706a...706h(あわせて706)は、保持型シフトレジスタ706hを除いて、チェインになった次の保持型シフトレジスタのSDI入力に接続された直列データ出力(SDO)リードを有している。保持型シフトレジスタ706の全ては、マイクロコンピュータ702のSCK出力を受信するために接続された直列クロック(SCK)入力を有しており、マイクロコンピュータ702のDOUTLD出力を受けるために結合されたRCK入力を有している。各保持型シフトレジスタ706は、8ビットを保持し、そのうち4ビットのみがインターフェイス・ユニット108にて用いられる。どのビットがどの制御信号に割り当てられているかの詳細は大切ではないが、説明すると、チャネルの1つに対応する保持型シフトレジスタ706のビットの一つがヒーター信号を伝え、ビットの一つがリセット信号を伝え、ビットの2つがレンジ信号を伝える。これらのビットは、保持型シフトレジスタのQ0〜Q3出力から、ケーブル110の1つを介して、そのチャネルに対応するヘッドユニットのために用意される。
【0056】
SCK入力の各パルスに対応して、SDI入力からのデータを直列にシフトすることにより、保持型シフトレジスタ706が動作する。RCK信号がストローブである場合だけ、出力ピンをラッチするシフトレジスタの電流成分を用いる。したがって、保持型シフトレジスタ706のいずれの出力を変更するため、マイクロコンピュータ702は、マイクロコンピュータ702のSOおよびSCK出力を用いて、8×8=64ビットの直列の流れを保持する。マイクロコンピュータ702のDOUTLD出力、保持型シフトレジスタ706の出力に、64ビット全てをラッチするため、マイクロコンピュータ702のDOUTLDをストローブする。マイクロコンピュータ702は、ビットのフルセットのコピーを保持する。
【0057】
アンプ708の反転入力は、ケーブル110を介して、対応するヘッド104から、信号接地(SIGGND)を受信するよう結合されている。図7においてANA1...ANA8と符号が付されたアンプ708の出力は、それぞれ8:1アナログ・マルチプレクサ710の入力に結合され、このマルチプレクサの3ビット選択入力は、マイクロコンピュータ702からの3ビットMPX(A:C)信号を受けるように結合されている。マルチプレクサ710の出力は、A/Dコンバータ712のアナログ入力に接続されている。A/Dコンバータ712は、たとえば、マサチューセッツ、ノーウッドのアナログ・デバイセス製造のAD677とすればよい。A/Dコンバータ712の制御リード(CAL,BSYおよびSAMP)は、マイクロコンピュータ702のADCCTLバスのそれぞれのラインに接続されている。SDOピンは、その出力がマイクロコンピュータ702のシリアル入力(SI)に接続された、4:1デジタル・マルチプレクサ714の1入力に接続されている。マルチプレクサ714の2ビット選択入力は、他のマルチプレクサ716の選択入力のためにも提供されている、マイクロコンピュータ702からの2ビットDIGSEL出力信号を受けるために結合されている。マイクロコンピュータ702のSCK出力は、他の3つの入力が接地された、マルチプレクサ716の入力の一つに接続されている。SCK信号が接続される入力は、マルチプレクサ714上の、A/Dコンバータ712のSDO出力が接続されるそれと同じ入力である。したがって、DIGSEL信号が、マルチプレクサ716に、A/Dコンバータ712からのSDO信号を選択させた場合、マイクロコンピュータ702からのSCK信号もマルチプレクサ716によって選択される。マルチプレクサ716の出力は、変換制御のためおよびSDO出力へのデジタルデータ出力のクロックとして用いられる、A/Dコンバータ712のクロック入力に接続されている。
【0058】
各ヘッド104のカウント出力は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ718のそれぞれの入力に結合されている。同様に、各ヘッド104の信号接地の接続は、それぞれのケーブル110を介して、8進ラッチ720のそれぞれの入力に結合される。モトローラ社製造の74HC597を用いることができる8進ラッチ718,720は、ラッチしたデータをシリアルにシフトして出力するためのシリアル出力(SO)を含んでいる。ラッチ718,720のSO出力は、マルチプレクサ714のそれぞれの入力に結合されている。ヘッドユニット104の信号接地リードを読み出せ得ることは有用である。なぜなら、これにより、マイクロコンピュータ702がヘッドユニットが各8チャネルに接続されているか否かを決定できるからである。入力の一つがヘッドによって接地されない場合に、論理1を提供するため、プルアップ抵抗(図示せず)が、インターフェイスユニット108の信号接地入力に接続されている。
【0059】
8進ラッチ718と720のそれぞれは、その双方がマイクロコンピュータ702からのDINLAT信号を受信するため結合されているラッチ(LAT)入力および、マイクロコンピュータ702からのSS出力信号を受信するため結合されたSS入力を有している。8進ラッチのそれぞれは、マイクロコンピュータ702のSCK入力を受信するために結合されたSH入力を含んでいる。8進ラッチ718は、LAT入力のパルスに応答して、8ビット並列入力値をラッチし、SH入力に印加される一連のパルスに応答して、それぞれのSOピンにラッチデータをシフトすることによって動作する。SS入力がハイの場合にはシリアルシフトを、ロウの場合にはパラレルロードを可能にしている。したがって、マイクロコンピュータ702は、マイクロコンピュータ702のDINLAT出力をストローブし、マイクロコンピュータ702のDIGSEL出力を、マイクロコンピュータ702のSI入力を用意するために、マルチプレクサ714が8進ラッチ718のSO出力を選択するようにセッティングし、その後、マイクロコンピュータ702のSCK出力を、DINLATのストローブに対応してラッチ718にラッチされる8ビットをシフト出力するに十分な時間、ストローブすることにより、8つのヘッドユニット104からのカウント信号の電流値を読むことができる。マイクロコンピュータ702は、ヘッド104から8つの信号接地信号を読み出すために、同じような動作を実行する。
【0060】
インターフェイス・ユニット108は、さらに、マイクロコンピュータ702をコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)やダンプ端子等の外部ユニットに結合するためのRS232インターフェイス722を含んでいる。RS232インターフェイス722は、カリフォルニア、サンバレイのMaxim Integtrated Products製造のMAX250/MAX251チップセットを用いればよい。追加的な分離は、光分離器(optoisolators)を用いて達成できる。
【0061】
マイクロコンピュータ702に接続された個別の信号ラインは、図7にあるように、個々に名称が付されている点に注意すべきである。これらのラインの多くは、マイクロコンピュータ702の汎用I/Oポートに実際に接続されており、ここで述べた個々の機能を実行するため、マイクロコンピュータのソフトウエアによって制御されているだけである。特に、テーブルIは、各割り当ておよび対応するポートピンをセットしている。このテーブルにおいて、”!”は、アクティブ・ロウ信号を表わしている。
【0062】
図7の回路は、装置の一実施例であり、多重SQUIDシステムの個々のチャネルを制御し、多重SQUIDシステムのチャネル出力を読むための、インターフェイス・ユニット108(図1)を含んでいてもよい。しかしながら、インターフェイス・ユニット108は、その他の種々の形式をとることができる。
【0063】
この実施例におけるインターフェイス・ユニット108は、それ自身の制御を有していない。むしろ、コマンドを受け取って、RS232ケーブル114を介してパーソナルコンピュータ112にデータを伝送することに適している。コンピュータ112は、ケーブル114を介してインターフェイス・ユニット108に、好ましくはASCIIキャラクタの形式にてハイレベル・コマンドを生成し、好ましくはASCIIキャラクタの形式でデータを受信する。インターフェイス・ユニット108は、RS232ポート114から受信したコマンドに応じて、ケーブル110を介して、ローレベル制御信号を提供し、各チャネルからケーブル110を介して受信したアナログ出力信号に応答して、RS232ポート114を介して、コンピュータ112にデータを送り返す。パードナルコンピュータ112とのASCII通信プロトコルが好ましい。なぜなら、パーソナルコンピュータ112をその応用において単なるダンプターミナルにすることを可能とするからである。
【0064】
マイクロコンピュータ702のソフトウエア(図7)は、RS232インターフェイス722を介して受信したコマンドを解析し、2進数のオペランドに変換する。イレギュラーな命令を受信した場合、エラーメッセージが対応する。有効なコマンドを受信すると、マイクロコンピュータ702は、コマンドにしたがって、出力装置のセットを適切に変更する。たとえば、コマンドの一つ(GC)は、インターフェイスユニット108を、A/Dコンバータ712を用いる、選択されたSQUIDチャネルからの出力信号を読み出すようにし、ソフトウエア・ルーチンを介して、10進数の読み出しを変換し、それをRS32ポートを介して伝達する。他のコマンド(Icnnnn)は、インターフェイス・ユニット108に、特定の繰り返し間隔で、これらの動作を自動的に実行するように指示する。マイクロコンピュータ702は、実質的に、他のコマンドの翻訳と実行を同時に実行する。
【0065】
【表1】
マイクロコンピュータ702は、システムの種々の部品をテストすることを可能とするための、いくつかのビルトイン(built−in)テスト機能を有している。RS232インターフェイス722を介しての所定の固定データシーケンスを伝送するインターフェイス・ユニット108をオプションとして有する場合もある。
【0066】
テーブルIIは、RS232ケーブル114からインターフェイス・ユニット108に供給できるコマンドのリストである。このテーブルにおいて、”c”はチャネル番号(1から8、0が全てのチャネルを表わす)を示し、正または負を示す”+”または”−”および”±”が頭に付された”nnnn”は1ー4ASCII10進数を示している。
【0067】
各コマンドは、コマンド実行のための、復帰(CARRIAGE RETURN)文字によって終らねければならない。改行(LINEFEED)文字は無視され、エスケープ文字は一部送ったコマンドをキャンセルする。SQUID出力データは、−32768〜+32767の範囲において、オプショナルな±に続くASCII10進数の形式に戻される。
【0068】
【表2】
テストデータモード(M64)において、マイクロコンピュータ702は、A/Dコンバータ712ではなく、テストデータの内部テーブルからのデータを伝送する。テストデータセットは、128読み取り長さであり、継続的に繰り返す。デバッグモードにおいて、インターフェイスユニット108は、以下のようにVコマンドに応答する。
【0069】
【表3】
128以下の全てのモードおよびモード128以上の何れかのモードは、モード番号を同時に付加されて活性化される。インターフェイス・ユニット108が、RS232ケーブル114で伝送できるレートよりもさらに早くデータを取得する場合には、インターフェイス・ユニット108は流れの中からデータ値を無視して、伝送データは常に最新のものとなる。
【0070】
図8は、多重SQUIDチャネルを制御するためのシステムの他の配置である。図1の配置のように、各チャネルは極低温プローブ802、それぞれのケーブル806を介して共通インターフェイス・ユニット808に結合された、FLLフィードバック回路を含む対応する室温ヘッドユニット804を備えている。しかしながら、発振信号のデイジー・チェインを防止するため、種々のチャネルのための変調周波数は、インターフェイス・ユニット808中のマスター発振器810によってすべて制御される。変調周波数は、ケーブル806により、全てのヘッドユニット804に伝送される。
【0071】
他のケーブル806の信号のように高度にフィルタすることができない、変調信号は広帯域幅経路によって伝送されねばならないので、図8の配置における1つの問題が生じる。前述のように、インターフェイス・ユニット808中のデジタル回路からのノイズは、変調周波数信号に結合可能であり、このためヘッドユニット804に伝送される。これをさけるため、変調周波数信号を各ヘッド804でオプショナルに分離してもよく、ケーブル806中を走る光ファイバを介してヘッド804に伝達してもよい。また、変調周波数は、分割(divided down)周波数でケーブル806を通して伝送され、位相ロックループの使用により、ヘッドユニット804中で適切な周波数に再生されてもよい。
【0072】
図9は、多重チャネルSQUID制御システムの、さらに他の配置を示す。図1の配置と同じように、各チャネルは極低温プローブ902および室温ヘッドユニット904を備えている。ヘッド904は、全て、ケーブル網908を介して、インターフェイス・ユニット906に接続されているが、ケーブル網908はインターフェイス・ユニット906への単一のケーブル接続のみを備え、1つのヘッドユニット904から次のものへデイジー・チェインまたは並列バスに結合されている。ケーブル網908は、情報のデジタル・フローを運び、各ヘッド904のインテリジェント・デジタル部910によって、読み出されおよび/または駆動される。ヘッド904のそれぞれは、図1および8の配置におけるそれと同様のアナログ部912とともに、このデジタル部910を含んでいる。ヘッドユニット904は、まだ、冷却器の上に置くに十分小さく、デジタル部910はそれ自身、命令を解釈し、ケーブル網908を越えてデータを伝送するに十分にインテリジェントである。
【0073】
ケーブル網908は、たとえば、銅線または光ファイバのいずれでも用いることができる。この配置においては、マスター発振器914がインターフェイス・ユニットに含まれ、ケーブル網908を介してのデータ伝送のための基本バスデータレートを提供する。伝送データの適切なエンコード(マンチェスター・エンコードの使用等)により、信号には、常に、ビットレートに対応した強い周波数成分が含まれる。このビットレートは、ヘッドユニット904の位相ロックループによって、コマンド受信と同時に再現される。したがって、ケーブル網908は、コマンド伝送と同時に同期変調周波数の伝送機能を提供する。
【0074】
この発明を特定の実施例と共に説明した、そしてその範囲内において多数の変更が可能である。たとえば、フィードバック電流変調およびACバイアス電流に加えて、種々の他の低周波ノイズ・リダクション手法を実施することができる。Tの実施例では、ここで述べた種々の原理を、RF SQUIDに拡張して用いることができる。これらの変更やその他の変更は、クレームの範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
【図2】図2は、SQUIDプローブを記号化して示している。
【図3A】図3Aは、図1のヘッドユニットの1つのブロック図である。
【図3B】図3Bは、図1のヘッドユニットの1つのブロック図である。
【図4】図4は、図3の積分器の模式図である。
【図5】図5は、図3の選択抵抗の模式図である。
【図6】図6は、図3の移相器の模式図である。
【図7A】図7Aは、図1のインターフェイス・ユニットのブロック図である。
【図7B】図7Bは、図1のインターフェイス・ユニットのブロック図である。
【図8】図8は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
【図9】図9は、この発明によるSQUIDシステムのための全体的配置を示している。
Claims (9)
- 複数のSQUIDプローブとともに用いるためのSQUID制御装置であって下記を備えたもの:
複数のヘッドユニットであって、それぞれが、前記SQUIDプローブの一つにに対応しており、前記ヘッドユニットのそれぞれは、それぞれの変調周波数で動作する非極低温変調磁束ロックループ・フィードバック回路を含んでおり;および全ての前記ヘッドユニットに結合され、前記ヘッドユニットを制御する制御信号を供給する供給手段を含むベースユニットを備えたもの
において、全ての前記変調磁束ロックループフィードバック回路の変調周波数は同期していること。 - 複数のSQUIDプローブとともに用いるSQUID制御装置であって下記を備えたもの:
それぞれが各々一つの前記SQUIDプローブに対応する複数のヘッドユニット、
別個の変調周波数で動作する非極低温変調磁束ロックループフィードバック回路を含んでおり;および
全ての前記ヘッドユニットに結合され、前記ヘッドユニットを制御する制御信号を供給する供給手段を含むベースユニット、
全ての前記変調磁束ロックループフィードバック回路の変調周波数を同期させる同期手段。 - 請求項2の装置であって、前記同期手段は、下記を備えたもの:
全ての前記ヘッドユニットと結合する出力を有する主変調発振器;および前記主変調発振器の前記出力から各々のヘッドユニットの変調周波数を引き出す前記ヘッドユニットのそれぞれにおける引き出し手段。 - 請求項3の装置において、前記主変調発振器は、前記ヘッドユニットの一つの内に配列され、前記主変調発振器の前記出力は、前記ヘッドユニットの他の全てに、ひとつながりの鎖状(デイジー・チェイン)になって結合されていることを特徴とするもの。
- 請求項3の装置において、前記変調発振器は前記ベースユニット内に配列されることを特徴とするもの。
- 請求項3の装置において、前記主変調発振器は前記ベースユニット内に配置され、前記ベースユニットは、さらに、少なくとも幾つかの前記制御信号を伝達するディジタルビットストリームの送信を含む形式で前記ヘッドユニットに対して前記制御信号を送信し、前記主変調発振器の前記出力に反応する周波数で動作する送信手段、
前記ヘッドユニットのそれぞれにおける前記引き出し手段は、前記ディジタルビットストリームから前記それぞれのヘッドユニット変調周波数を引出す手段を含んでいること。 - 複数のSQUIDプローブとともに用いるSQUID制御装置であって、前記プローブの一つに対応する主ヘッドユニットおよび前記プローブの他の全てに対応する従ヘッドユニットを備えており、前記主ヘッドユニットは下記を備えていること:
主変調周波数により動作する主変調磁束ロックループフィードバック回路;
前記主変調磁束ロックループフィードバック回路に対し主変調周波数を供給するために結合された主変調発振器;および
前記主変調発信器から前記主変調周波数を伝送するため結合された従出力、
前記従ヘッドユニットのそれぞれは下記を備えていること:
従変調周波数により動作する従変調磁束ロックループフィードバック回路;
前記従変調磁束ロックループフィードバック回路に対して前記従変調周波数を供給するため結合された主入力、
前記SQUID制御装置は、さらに、前記主ヘッドユニットの前記従出力が前記従ヘッドユニットの最初の一の前記主入力と結合するケーブルネットワークを備えている。 - 請求項7の装置において、前記各従ヘッドユニットは、さらに、前記それぞれのヘッドユニットの主入力からの従変調周波数を伝送するために結合された従出力を備えており、前記ケーブルネットワークは、鎖状につながれた従前の一の前記ヘッドユニットの従出力を受けるために、前記各従ヘッドユニットの主入力を結合し、前記従変調周波数の全ては、前記主ヘッドユニットの前記従出力から最大限に引き出される。
- 請求項の7のSQUID制御装置において、前記各ヘッドユニットは、対応するプローブに対して外部的に印加された磁束を示すアナログ信号を作り出し、前記制御装置は、さらにベースユニットおよび前記ベースユニット前記各ヘッドユニットに結合するケーブルネットワークを備えており、前記ヘッドユニットから前記ケーブルネットワークを超えて前記アナログ出力信号を受け、前記ヘッドユニットを制御するために制御信号を前記ケーブルネットワークを超えて供給する前記ベースユニットを備えている。
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