JP2761067B2 - 超伝導装置 - Google Patents

超伝導装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 超伝導装置に関し、 測定の精度を維持しつつ、室温側の回路とつなぐ信号
線の数を十分に減らして実装を容易にすることのできる
超伝導装置を提供することを目的とし、 磁束を取り出す超伝導ループからなるピックアップコ
イルに磁界結合され、取り出された磁束を交流バイアス
によりパルス化して出力するディジタル超伝導量子干渉
素子ないし、アナログ動作する超伝導量子干渉素子に超
伝導コンパレータを接続し、パルスを出力するようにし
た超伝導量子干渉素子の一方若しくは両方を複数配置す
るとともに、各超伝導量子干渉素子から出力されたパル
スを計測し、この計測結果に応じた磁束量子を磁界結合
を通して各超伝導量子干渉素子の入力側にフィードバッ
クする複数の超伝導フィードバック手段と、各超伝導量
子干渉素子から出力されるパルスに基づいてピックアッ
プコイルに鎖交する磁束を測定する処理を行う多チャン
ネルディジタル方式の出力処理手段とを備えた超伝導装
置において、前記複数の超伝導量子干渉素子のうちの1
つを順次選択して選択信号を出力する選択手段と、前記
複数の超伝導量子干渉素子からの出力パルスを選択手段
からの選択信号に基づいて1つずつ順次選択して切り換
えて前記超伝導フィードバック手段および出力処理手段
に伝達する切換手段とを設け、前記出力処理手段は、切
換手段により選択された超伝導量子干渉素子からの出力
パルスを読み込んで測定処理を行うように構成する。
〔産業上の利用分野〕
本は、高感度磁界センサとして用いられる超伝導装置
に係り、詳しくは、パルスを出力するSQUID(Supercond
ucting Quantum Interfernce Device;超伝導量子干渉素
子)センサを使用した多チャンネルディジタル方式の超
伝導装置に関する。
生体磁気測定などの分野でSQUID(以下、スクイドと
いう)は不可欠のデバイスとして用いられており、この
分野では、脳や心臓などの臓器の磁界分布を短時間で測
定するため、スクイドを多数並べた多チャンネルスクイ
ドシステムが要望され、開発が進められている。
このような多チャンネルスクイドを実現するために
は、ディジタルスクイドが有益と考えられている。これ
は、従来の多数のスクイドが、いわゆるdc−SQUIDで、
アナログ動作であったのに対し、ディジタルスクイドは
パルスを出力するものであり、出力S/Nを増やし、その
ままディジタル処理が可能であるという利点がある。
また、フィードバック回路を超伝導回路で実現した、
いわゆるワンチップスクイドを本出願人は先に提案して
おり(特開昭62−177515号参照)、これはフィードバッ
ク回路をスクイドセンサと同一チップ上に集積化したも
ので、室温側とのフィードバック線を無くし、チャンネ
ル間のクロストークを減らすという利点を持っている。
〔従来の技術〕
従来の超伝導装置でアナログ動作スクイドを多チャン
ネル化する方法としては、例えばスクイドセンサと同数
のフィードバック回路を室温側に用意し、各々の出力を
プロセッサなどによって処理し、結果を表示するものが
ある。この場合、センサ数をnとすると、n本の出力線
と、n本のフィードバック線を必要とする。出力線を減
らす方法として、各スクイドセンサを周波数変調して出
力線を1本に多重化し、室温側で復調した後、センサと
同じ数のフィードバック回路に信号を分配するという方
法が提案されている。この方法では、フィードバック線
数がn本、出力線数は1本ですむ。
一方、ディジタル動作するスクイドとしては、2接合
量子干渉素子からなるスクイドセンサを交流バイアス
し、パルス出力するスクイド(文献:Fujimaki et al.IE
EE Trans.Electron Devices,vol.35,No.12,(1988)pp.
2412−2418)やアナログ動作するdc−スクイドの電圧出
力を超伝導コンパレータ若しくは1ビットのA/D変換器
に加えてパルス出力を得るものが知られている(例え
ば、技術文献としてはD.Drung.Cryogenics vol.26pp.62
3−627.1986参照)。
これらのディジタル動作スクイドに超伝導フィードバ
ック回路など、低温環境下にフィードバック回路を設け
ることは、室温からのフィードバック線を無くすもので
あり、これを多チャンネル化する方法としては、例えば
第9図に示すような従来装置がある。この装置では、ス
クイドセンサ1a〜1n、超伝導のフィードバック回路2a〜
2nおよびn本のフィードバック線3a〜3nを低温側に設
け、室温側にはフィードバック回路2a〜2nからの出力を
n本の出力線4a〜4nで受ける出力処理・表示回路5を配
置している。
これに対して、出力線を減らすものとしては、例えば
第10図に示すようなものもあり、この装置は外部フィー
ドバック方式での多チャンネルスクイドなるもので、ス
クイドセンサ1a〜1nの出力を多重化回路(マルチプレク
サ)11で受けてセンサ出力を順に1つのフィードバック
回路12に送り、さらにフィードバック回路12の出力をメ
モリ13で処理(前回との差などの記憶処理)して再びn
本のフィードバック線14a〜14nを介してそれぞれのスク
イドセンサ1a〜1nに返している。これらの制御は制御回
路15によって行われ、メモリ13の出力は1本の出力線16
を介して出力処理・表示回路17に送られる。そして、ス
クイドセンサ1a〜1nおよびフィードバック線14a〜14n以
外は室温側に配置し、特にフィードバック回路の数を減
らし1つにするという利点を得ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来の超伝導装置にあって
は、次のような理由から、測定の精度を維持しつつ、室
温側の回路とつなぐ信号線の数を十分に減らすことがで
きず、実装を容易にすることが困難であるという問題点
があった。
すなわち、スクイドセンサは液体ヘリウム温度などの
低温環境下におかれるため、多チャンネルシステムにお
いて、特に100チャンネル以上の多チャンネルなどの場
合、液体ヘリウムの消費量を減らし、実装を容易にする
ためには室温側の回路とつなぐ信号線の数を十分に減ら
すことが必要とされる。
しかし、第10図に示す外部フィードバック回路を用い
るものの場合、多重化回路を超伝導回路によって実現
し、出力線数を1本に減らしたとしても、フィードバッ
ク線の数はやはりn本必要であり、問題点を解決できな
い。
一方、フィードバック回路をスクイドセンサと同一チ
ップ上に含むワンチップスクイドセンサなど、いわゆる
内部フィードバック方式では室温側からのフィードバッ
ク線が不要となり、この点では有利である。ところが、
この内部フィードバック方式において、出力を多重化す
る方式を用いようとしても、選択されていないスクイド
センサのパルス出力は無視され、その間内蔵するフィー
ドバック回路が動作してフィードバック量が変化するた
め、情報が失われ正しい測定はできず、精度が保てな
い。したがって、第10図のような出力の多重化による方
法は内部フィードバック方式には使えない。
そこで本発明は、測定の精度を維持しつつ、室温側の
回路つなぐ信号線の数を十分に減らして実装を容易にす
ることのできる超伝導装置を提供することを目的として
いる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による超伝導装置は上記目的達成のため、磁束
を取り出す超伝導ループからなるピックアップコイルに
磁界結合され、取り出された磁束を交流バイアスにより
パルス化して出力するディジタル超伝導量子干渉素子な
いし、アナログ動作する超伝導量子干渉素子に超伝導コ
ンパレータを接続し、パルスを出力するようにした超伝
導量子干渉素子の一方若しくは両方を複数配置するとと
もに、各超伝導量子干渉素子から出力されたパルスを計
測し、この計測結果に応じた磁束量子を磁界結合を通し
て各超伝導量子干渉素子の入力側にフィードバックする
複数の超伝導フィードバック手段と、各超伝導量子干渉
素子から出力されるパルスに基づいてピックアップコイ
ルに鎖交する磁束を測定する処理を行う多チャンネルデ
ィジタル方式の出力処理手段とを備えた超伝導装置にお
いて、前記複数の超伝導量子干渉素子のうちの1つを順
次選択して選択信号を出力する選択手段と、前記複数の
超伝導量子干渉素子からの出力パルスを選択手段からの
選択信号に基づいて1つずつ順次選択して切り換えて前
記超伝導フィードバック手段および出力処理手段に伝達
する切換手段とを設け、前記出力処理手段は、切換手段
により選択された超伝導量子干渉素子からの出力パルス
を読み込んで測定処理を行うように構成している。
また、前記超伝導フィードバック手段は、ワンチップ
で超伝導量子干渉素子とともに構成されることを特徴と
し、前記超伝導フィードバック手段は、超伝導インダク
タと、これに磁束量子を加える超伝導ゲートを含むこと
を特徴とする。
〔作用〕
本発明では、複数の超伝導量子干渉素子からの出力パ
ルスは選択手段からの選択信号に基づき切換手段により
1つずつ順次選択して切り換えられ、超伝導フィードバ
ック手段および出力処理手段に伝達される。そして、出
力処理手段は切換手段により選択された超伝導量子干渉
素子からの出力パルスを読み込んで測定処理を行う。
したがって、内部フィードバック方式となって室温側
からのフィードバック線がなくなるとともに、出力が少
ない線数に多重化され、しかも選択されない超伝導フィ
ードバック手段にはフィードバック量が入力されないの
で、選択されない間に情報が捨てられることもなく、測
定の精度を維持しつつ、室温側の回路とつなぐ信号線の
数が減る。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第1〜4図は本発明に係る超伝導装置の第1実施例を
示す図である。第1図は本装置のブロック図であり、こ
の図において、21a〜21nはスクイドセンサ(超伝導量子
干渉素子)、22a〜22nは超伝導のフィードバック回路
(超伝導フィードバック手段に相当)、23a〜23nは超伝
導の切換回路(切換手段に相当)、24a〜24nはフィード
バック線、25a〜25nは出力線で、途中に抵抗26a〜26nが
介挿されるとともに、その後1つにまとめられて出力線
27として出力処理・表示回路(出力処理手段に相当)28
に接続されるもの、29a〜29mは各切換回路23a〜23nに選
択回路(選択手段に相当)30からの制御信号1〜nをそ
れぞれ送る制御線であり、これらは低温側に設けられて
いる。一方、出力処理・表示回路28および選択回路30は
高温側に設けられている。
スクイドセンサ21a〜21nとしてはデジタル動作するも
のが用いられ、超伝導のフィードバック回路22a〜22nと
ワンチップ化されており、その具体的回路は第2図のよ
うに示される。第2図は1つのスクイドセンサ21aおよ
びフィードバック回路22aを示すものである。第2図に
おいて、31a、31bは超伝導ループからなり測定したい磁
束(被測定磁束)をピックアップするためにループ内に
鎖交する磁束を取り出す一対のピックアップコイル、32
は入力コイルでピックアップコイル31a、31bと共に超伝
導ループ33を構成している。入力コイル32はスクイドセ
ンサ21aの一部を構成し、超伝導ループ33に生じた磁束
をスクイドセンサ21aに付与する。
スクイドセンサ21aは2接合量子干渉素子を交流バイ
アスするものが用いられ、超伝導ループ34にジョセフソ
ン接合J1、J2および超伝導インダクタンス35を含んで構
成され、入力コイル32から付与された被測定信号磁束Φ
(結合係数はM1)とフィードバック磁束ΦFBの差を受
け、これを交流バイアス36によりパルス化して入力磁束
(Φ−ΦFB)に応じた電流パルスを切換回路23aを介
してフィードバック回路22aに出力する。
フィードバック回路22aとしては、例えば超伝導ルー
プ37にジョセフソン接合J3、J4および第1のインダクタ
ンス38を含むとともに、第1のインダクタンス38と磁界
結合(結合係数はM2)する第2のインダクタンス39を有
し、スクイドセンサ21aから切換回路23aを介して送られ
るパルスを磁束量子に変換する書込みゲート40と、書込
みゲート40を通過したパルスを磁束量子に変換して蓄え
る超伝導インダクタ41からなる超伝導の蓄積ループ42を
用いたものが使用される。また、超伝導インダクタ41の
磁束量子は磁界結合しているフィードバックループ43を
通してフィードバック磁束としてスクイドセンサ21aの
入力側に戻される。したがって、フィードバック回路22
aはスクイドセンサ21aから出力されるパルスを計測し、
この計測結果に応じた磁束量子をフィードバックループ
43による磁界結合を通してスクイドセンサ21aの入力側
にフィードバックする。
切換回路23aは論理積ゲート44および論理和ゲート4
5、46により構成され、選択回路30からの制御信号1が
“1"であるとき、論理積ゲート44を開いてスクイドセン
サ21aからの出力パルスをフィードバック回路22aおよび
出力処理・表示回路28に伝達する。
再び第1図に戻り、選択回路30はスクイドセンサ21a
〜21nのうちの1つを順次選択して選択信号を出力する
もので、例えばn=256としてスクイドセンサ21a〜21n
が256個あるとすると、制御線29a〜29nを256本とし、制
御信号1〜nを切換回路23a〜23nにそれぞれ出力する。
また、選択回路30は出力処理・表示回路28に対しても上
記同様に8ビットのバスライン51a〜51mと52a〜52mを介
して接続されている。出力処理・表示回路28は切換回路
23a〜23nによって選択されたスクイドセンサ21a〜21nの
うちの1つの出力パルスを順次読み込んでピックアップ
コイル31a、31bの近傍の磁束を測定する処理を行う。
ここで、選択回路30の詳細は第3図のように示され、
選択回路30は256個の選択ゲートQ1〜Q256を有してお
り、各選択ゲートQ1〜Q256にはA1〜Amからなる8ビット
の信号が入力され、これらの8ビット信号A1〜Amから25
6個を選択可能な制御信号1〜n(A1〜Amの論理積)が
生成される。一例として1つの選択ゲートQ1の構成は第
4図のように示され、選択ゲートQ1は4ビットの信号A1
〜A4(本来は8ビットであるが、4ビットのみ示すも
の)をそれぞれ論理和ゲート61〜64で受けるとともに、
内部に論理和ゲート65〜67……および論理積ゲート71、
72……を有し、A1〜A4の論理積からなる信号を生成す
る。
以上の構成において、スクイドセンサ21a〜21nは加え
られた磁束に依存するパルス列を生じ、このパルス列は
それぞれ切換回路23a〜23nに送られるが、このとき選択
回路30によって1つのみを選択する制御信号が切換回路
(23a〜23nのうちの1つ)および出力処理・表示回路28
に与えられ、該切換回路によって室温側の出力処理・表
示回路28には選択されたスクイドセンサの出力のみが送
られるとともに、同じく選択されたスクイドセンサの出
力のみがフィードバック回路に送られる。そして、スク
イドセンサの出力パルスはフィードバック回路によって
カウントされ、その結果は比例した磁束はスクイドセン
サにフィードバックされる。したがって、フィードバッ
クループはピックアップコイル31a、31bが拾う被測定磁
束を、常にフィードバック磁束で打ち消すように動作
し、フィードバック量を見ると、被測定磁束の大きさが
わかり、これは出力線25a〜25nおよび途中の抵抗26a〜2
6nを介してその後1つにまとめられた出力線27を通して
出力処理・表示回路28に送られ、ここで選択された1つ
のスクイドセンサによる測定磁束として算出される。
一方、他の切換回路23a〜23nには制御信号のレベルと
して“0"が与えられるので、他のフィードバック回路22
a〜22nには非選択のスクイドセンサ21a〜21nの出力パル
スが入力されない。したがって、フィードバック量が変
化せず、選択されない間に情報が捨てられることがな
く、測定の精度を十分に維持することができる。
したがって、内部フィードバック方式となって室温側
からのフィードバック線がなくなるとともに、出力が少
ない線数(1つの出力線27のみ)に多重化され、かつ制
御線51a〜51mと52a〜52mの16本ですみ、しかも選択され
ない超伝導フィードバック回路22a〜22nにはフィードバ
ック量が入力されないので、選択されない間に情報が捨
てられることもなく、測定の精度を維持しつつ、室温側
の回路とつなぐ信号線の数を大幅に減らすことができ、
実装を容易にすることができる。
なお、選択回路30は室温側にあってもよく、この場
合、室温と低温側の間をつなぐ制御線数が多いが、パル
ス信号を伝える線であるため、フィードバック線などに
比べ、クロストークを減らす利点を有する。
次に、第5図は本発明の第2実施例を示す図であり、
本実施例は従来型のdc−SQUIDセンサのアナログ出力を
超伝導コイパレータに入力し、パルスを得るものに適用
した例である。
第1実施例と共通部分には同一符号を付している。本
実施例では、スクイドセンサ81にはdc−SQUIDが用いら
れ、スクイドセンサ81は超伝導ループ34にジョセフソン
接合J1、J2、抵抗82、83および超伝導インダクタンス35
を含んで構成され、入力コイル32から付与された被測定
信号磁束Φ(結合係数はM1)とフィードバック磁束Φ
FBの差を受け、これを直流バイアス84により電圧出力に
変え抵抗85を介して超伝導コンパレータ86に送る。超伝
導コンパレータ86は超伝導ループ87にジョセフソン接合
J5、J6および第1のインダクタンス88を含むとともに、
第1のインダクタンス88と磁界結合(結合係数はM3)す
る第2のインダクタンス89を有し、スクイドセンサ81の
出力を交流バイアス90に応答して比較し、ディジタルの
電流パルスを切換回路23aを介して出力処理・表示回路2
8および超伝導ディジタルフィードバック回路91に出力
する。超伝導ディジタルフィードバック回路91は超伝導
コンパレータ86から出力されるパルスを計測し、この計
測結果に応じた磁束量子をフィードバックループ92によ
る磁界結合を通してスクイドセンサ81の入力側にフィー
ドバックするもので、例えば、ジョセフソン回路などに
より構成したアップダウンカウンタやD/A変換器を含む
ものであり、さらに必要に応じてフイルタなどの回路を
含むことも可能である。
第6図は本発明の第3実施例を示す図であり、本実施
例はパルス動作するスクイドセンサ21aに前記実施例と
同様の超伝導ディジタルフィードバック回路91を付けた
例である。超伝導ディジタルフィードバック回路91は室
温側においても本発明の方法は使えるが、超伝導ディジ
タルフィードバック回路91を内蔵する内部フィードバッ
ク方式ではフィードバック線の数を減らせるという利点
がある。一方、選択回路も室温回路であってもかまわな
いが、室温からの選択信号線数を減らすためには超伝導
回路などにより、スクイドセンサ21aと同じ液体エリウ
ム中で動作することが好ましい。この回路は同一チップ
上でもよいし、また別チップに作ってもよい。
第7図は本発明の第4実施例を示す図であり、本実施
例は選択回路の変形例である。
第7図は1つの2相ないし3相電源で駆動される選択
ゲートを示し、8ビットの信号A1〜Amは抵抗93a〜93mを
介して論理和ゲート94に伝えられ、論理和ゲート94は抵
抗95を介して供給される二ないし三相クロックのうちの
Φで動作し、論理和ゲート94の出力は抵抗96を介して
供給される二ないし三相クロックのうちのΦで動作す
るタイムド・インバータ97から8ビット信号A1〜Amの論
理積として出力される。本実施例では選択回路のゲート
の数が少なくて済むという利点がある。なお、選択回路
としては、例えば半導体の回路であっても液体ヘリウム
で動作すれば、これを用いてもよい。この場合も室温側
からの選択信号線は少なくてすむ。
第8図は本発明の第5実施例を示す図であり、本実施
例はスクイドセンサ21a〜21nの出力を直ちに室温側に伝
えるのではなく、例えばジョセフソン回路からなるアッ
プダウンカウンタ100に伝え、さらにジョセフソンプロ
セッサ101を用いてデータ処理も液体ヘリウムで行い、
処理後のデータのみを室温側に送るものである。液体ヘ
リウム内でどの処理を行うかは、いろいろな可能性があ
る。例えば、フーリエ変換や磁界源の逆算、あるいは各
種の測定における補正などが可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、磁束測定の精度を維持しつつ、室温
側の回路とつなぐ信号線の数を大幅に減らすことがで
き、実装を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明に係る超伝導装置の第1実施例を示
す図であり、 第1図はその構成図、 第2図はそのスクイドセンサおよびフィードバック回路
の回路図、 第3図はその選択回路の構成図、 第4図はその選択回路における1つの選択ゲートの回路
図、 第5図は本発明に係る超伝導装置の第2実施例のスクイ
ドセンサおよびフィードバック回路の回路図、 第6図は本発明に係る超伝導装置の第3実施例のスクイ
ドセンサおよびフィードバック回路の回路図、 第7図は本発明に係る超伝導装置の第4実施例の選択回
路における1つの選択ゲートの回路図、 第8図は本発明に係る超伝導装置の第5実施例の構成
図、 第9図は従来の超伝導装置の構成図、 第10図は従来の超伝導装置の他の構成図である。 21a〜21n、81……スクイドセンサ(超伝導量子干渉素
子)、22a〜22n……フィードバック回路(超伝導フィー
ドバック手段)、23a〜23n……切換回路(切換手段)、
24a〜24n……フィードバック線、25a〜25n……出力線、
27……出力線、28……出力処理・表示回路(出力処理手
段)、29a〜29m……制御線、30……選択回路(選択手
段)、31a、31b……ピックアップコイル、32……入力コ
イル、33、34、37、87……超伝導ループ、35……超伝導
インダクタンス、38、88……第1のインダクタンス、3
9、89……第2のインダクタンス、40……書き込みゲー
ト、41……超伝導インダクタ、42……超伝導の蓄積ルー
プ、43、92……フィードバックループ、44、71、72……
論理積ゲート、45、46、61〜64、94……論理和ゲート、
86……超伝導コンパレータ、91……超伝導ディジタルフ
ィードバック回路、97……タイムド・インバータ、100
……アップダウンカウンタ、101……ジョセフソンプロ
セッサ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁束を取り出す超伝導ループからなるピッ
    クアップコイルに磁界結合され、取り出された磁束を交
    流バイアスによりパルス化して出力するディジタル超伝
    導量子干渉素子ないし、 アナログ動作する超伝導量子干渉素子に超伝導コンパレ
    ータを接続し、パルスを出力するようにした超伝導量子
    干渉素子の一方若しくは両方を複数配置するとともに、 各超伝導量子干渉素子から出力されたパルスを計測し、
    この計測結果に応じた磁束量子を磁界結合を通して各超
    伝導量子干渉素子の入力側にフィードバックする複数の
    超伝導フィードバック手段と、 各超伝導量子干渉素子から出力されるパルスに基づいて
    ピックアップコイルに鎖交する磁束を測定する処理を行
    う多チャンネルディジタル方式の出力処理手段とを備え
    た超伝導装置において、 前記複数の超伝導量子干渉素子のうちの1つを順次選択
    して選択信号を出力する選択手段と、 前記複数の超伝導量子干渉素子からの出力パルスを選択
    手段からの選択信号に基づいて1つずつ順次選択して切
    り換えて前記超伝導フィードバック手段および出力処理
    手段に伝達する切換手段とを設け、 前記出力処理手段は、切換手段により選択された超伝導
    量子干渉素子からの出力パルスを読み込んで測定処理を
    行うように構成したことを特徴とする超伝導装置。
  2. 【請求項2】前記超伝導フィードバック手段は、ワンチ
    ップで超伝導量子干渉素子とともに構成されることを特
    徴とする請求項1記載の超伝導装置。
  3. 【請求項3】前記超伝導フィードバック手段は、超伝導
    インダクタと、これに磁束量子を加える超伝導ゲートを
    含むことを特徴とする請求項1記載の超伝導装置。
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