JPH08509442A - ホイールセンサ信号を調整及び評価する回路構成 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ホイールセンサ（Ｓ１ないしＳ４）から発生した信号を調整及び評価する回路構成であって、先ず非常に低いホイール速度（＜ＶO）領域で最も大きな有用信号を発生するセンサが判断される。ホイール速度が速度しきい値（＜ＶO）以下のときに最も感度の高いセンサからの信号が伝送される。しかし、この速度しきい値以上の領域では、駆動車輪に設けられたセンサからの信号が車速信号（ＶFZ）として使用される。この回路はアンチロック及びトラクション滑り制御システム用に特に適しており、車の制御部すなわち管理システムに対して速度信号（ＶFZ）を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ホイールセンサ信号を調整及び評価する回路構成 本発明は車の各ホイールの回転運動を示すセンサ信号を調整及び評価し、車速を 示す信号を発生する回路構成に関し、特に、アンチロック又はトラクション滑り 制御システムに使用され、車制御部又は管理システムで用いる速度信号を提供す る回路構成に関する。 自動車は異なるタイプの電子管理及び制御システムを装備するものが益々増え ている。センサはこれらのシステムの重要な構成部品である。制御されたホイー ルの回転運動を示す電気信号を提供するアンチロックシステム（ＡＢＳ）及びト ラクション滑り制御（ＴＣＳ）用にホイールセンサを使用することは良く知られ ている。各ホイールの回転運動により、車速、コーナリング（cornering）又は 直進、又は車の運動に関する他の情報を判断できる。センサの品質、様々な速度 領域での前記情報の測定精度（超低速は特に難しい）、利用できる信号の大きさ 及びセンサの信頼性及び製造の複雑性は、制御システムの品質及び価格に実際的 に影響する。 ホイールセンサにより制御量として得られる速度情報は、車速コントローラ、 電子速度計及び距離計等の自動車の他の制御及び管理システムにも必要である。 しかし、速度信号に関する要求は各システムで異なっている。例えば、速度を（ 殆ど）０まで測定することが或システムには絶対必要で、 アンチロックシステムでは低速度領域は無視できる。 複数の制御又は管理システムを有する車に関して、開発の目的は通信ネットワ ークを介した複合利用により、センサ、配線、プラグ等を安価にすることである 。 速度信号を複合利用する場合、一方では、殆ど０までの速度が計測されなけれ ばならく、他方では例えば駆動ホイールのスピンは電子速度計に表示されるべき であるという問題がある。 他の問題は、一般に構造的理由及び必要な製造経費により、駆動輪及び非駆動 輪のすべての車輪に同等のなタイプのセンサを装備するのは、実際には不可能で ある。従って、速度に依存するこれらセンサの有用な信号量は、一般に異なって おり、避けられたい製造及び組立の許容量があるので、更に増加される。従って 、０に近い速度域と、速度計に駆動ホイールの速度を表示した後とでは、最も大 きい有用信号に対する要求は、実際の動作では相反している。なぜなら、非駆動 ホイールには、更に感度の高いセンサを装備しなければならないからである。本 発明の目的はこの問題を克服することである。 この目的は請求項１に記載した回路構成により達成できることが解明できた。 この回路構成の特徴は先ず、回路は最も大きい有用な信号を、非常に低いホイー ル速度すなわちホイール速度がほぼ０のときに提供するセンサを自動的に判断し 、所定速度しきい値以下のとき、このセンサの信号は車速信号として伝送され、 この速度しきい値以上では駆動ホイールに 対して配置されたセンサの信号が速度信号として機能することである。 本発明による回路構成を用いた場合、同一タイプのホイールセンサが設けられ たか、または例えば極めて大きい有用な信号を超低速でも提供する特に高品質な センサが非駆動ホイールの一方または両方に登載されたか否かは問題とならない 。一般的なホイールセンサでは有用な信号の振幅はホイール速度に比例するので 、例えば所定速度しきい値以上の高速域でセンサの出力信号を分析するのは難し いことではない。 本発明の好適実施例によれば、最も大きい有用信号を低いホイール速度で提供 するセンサが常に、または車の各スタート時に判断される。自動車の製造時、例 えば組立ラインの最終検査行程または車のメンテナンスまたは修理の後に、この 選択を行うことも可能である。 前記所定速度しきい値は、好適に５及び２０km/hの間、特に８及び１２km/hの 間の範囲である。 本発明の他の特徴及び他の用途は、以下に示す実施例により図面を参照して詳 細に説明される。この図面は本発明による回路構成の一実施例を簡単に示すもの である。 アンチロック及びトラクション滑り制御システム１の電子部の一実施例が示さ れている。このアンチロックシステム（ＡＢＳ）及びトラクション滑り制御シス テム（ＴＣＳ）は、センサＳ１〜Ｓ４を具備し、これらセンサは一般に誘導性変 換器である。ホイールセンサＳ１〜Ｓ４は、車輪と一緒に回転する歯付きディス クに対して配置され、交流信号を提供す る。その周波数はホイールの回転速度すなわち歯付きディスクの回転速度に比例 する。このような周知のセンサでは、誘導性変換器すなわちセンサＳ１〜Ｓ４内 の磁界変化は回転により生じるので、出力信号の振幅は基本的に車速に比例して いる。従って、低速では有用な信号は非常に小さく、避けられない余分な信号と 同程度である。精巧な製造及びエアギャップの正確な調節により、すなわちかな りの時間及び専用装置によって、利用できる十分な信号が非常に低いホイール速 度でも得られる。 ホイールセンサＳ１ないしＳ４の出力信号はトリガ回路２で調整される。本実 施例では、ホイール速度すなわちホイール回転運動に比例するパルス列が生成さ れ、パルス列はＡＢＳ／ＴＣＳロジック３にてその値が判断され、このロジック はブレーキ圧制御信号を発生する。いわゆる車参照速度ＶREFは回路４内でパル ス列すなわち各ホイールの回転運動を比較することにより形成される。各ホイー ルすなわち各センサＳ１ないしＳ４から得られるパルス列を車参照速度ＶREFと 比較することにより、油圧バルブ（図示されず）の動作時間が決定され、この油 圧バルブはブレーキ圧を適当な方法で変調する。いわゆるバルブ制御部は図面中 の参照番号５によって示されている。他の回路ブロック６はエンジン制御システ ムを示し、このシステムによりエンジンのトラクショントルク管理がトラクショ ン滑り制御動作中に行われる。 本発明によれば、ＡＢＳ／ＴＣＳ回路１のトリガ２内で調整された各速度信号 ＶFZは、選択回路７及び切り替えスイッ チ８により出力Ａに発生する。従って速度信号ＶFZは自動車の電子速度計及び他 の制御部すなわち管理システムに提供される。切り替えスイッチ８の端子”ＶO ”は速度しきい値を定義する。この速度しきい値以下、すなわち0km/h付近では 、構造及び（または）好適許容値により、最も大きい有用信号を発生するホイー ルセンサの信号が、切り替えスイッチ８を介して伝送される。しかし、この速度 しきい値ＶO以上では、駆動ホイールに登載されたセンサの調整された信号ＶFZ が、切り替えスイッチ８の出力Ａに提供される。 電子速度計９、駆動速度コントローラ１０及びトランスミッション制御ユニッ ト１１は、本実施例の図面中で、本発明に従って送られた速度信号ＶFZを使用す るブロックとして示されている。 ホイールセンサＳ１ないしＳ４の中で、（低速において）最も大きな有用信号 を提供するセンサを判断する方法は、当業者はいくつかの方法の中から選ぶこと ができる。たとえばマイクロプロセッサを使用して、各センサの出力レベルを、 判断されたホイール速度に関係付けることにより、そのセンサ要素の電圧出力を 速度の関数として計算できる。この動作は例えば、アンチロック制御（ＡＢＳ） またはトラクション滑り制御（ＴＣＳ）動作で既に必要であったマイクロコンピ ュータにより行うことができる。この動作に対応するソフトウエアを除き、他の ハードウエアを追加する必要はない。この方法による他の効果は、この選択動作 が各スタート動作で自動的に繰り返されることである。 一方、自動車組立ラインの最終検査のときに、もっとも敏感なセンサを判断し 、この情報をＡＢＳ／ＴＣＳコントローラに関係するメモリに格納することも可 能である。メンテナンスまたは修理のとき、以前と同一のセンサが最も大きな有 用信号を提供しているか検査するのが望ましい。 １０km/hの所定速度しきい値ＶO以上では、スイッチ８により駆動ホイールか ら発生しているセンサ信号が必ずスピード信号ＶFZとして送られる。従って、速 度計９は（駆動）ホイールの”スピン”を視覚的に知らせる。これは頻繁に要求 されることである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．各車輪の回転運動を示すセンサ信号を調整及び評価し、車速を示す信号を発 生する回路構成であって、特にアンチロックまたはトラクション滑り制御システ ムに使用され、車の制御部すなわち管理システムに用いられる速度信号を発生し 、 非常に低いホイール速度で最も大きな有用信号を発生するセンサ（Ｓ１ないし Ｓ４）が判断され、所定速度しきい値（ＶO）以下の速度ではその判断されたセ ンサの信号が選択され、前記所定速度しきい値（ＶO）以上の速度では駆動車輪 に設けられたセンサの信号が、車速信号（ＶFZ）として選択され、伝送されるこ とを特徴とする回路構成。 ２．前記非常に低いホイール速度で最も大きな有用信号を発生するセンサは、車 の発進時または常に判断されることを特徴とする請求項１記載の回路構成。 ３．前記非常に低いホイール速度で最も大きな有用信号を発生するセンサは、車 の組立ラインの最終検査行程等の製造時に判断され、低速域すなわち速度しきい 値（ＶO）以下の速度域では、前記判断されたセンサ出力が車速信号（ＶFZ）と して選択されるよう設定されることを特徴とする請求項１記載の回路構成。 ４．低いホイール速度のときに最も大きな有用信号を発生す る前記センサは、車のメンテナンスすなわち修理のときに再び検出され設定され ることを特徴とする請求項３記載の回路構成。 ５．５及び２０km/hの間の速度範囲、特に８及び１２km/hの間の速度範囲が前記 速度しきい値（ＶO）として予め設定されることを特徴とする請求項１ないし４ の一項に記載の回路構成。