JPH08508882A - ヒドロラーゼによる第三アルコールのキラル合成 - Google Patents
ヒドロラーゼによる第三アルコールのキラル合成Info
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Abstract
(57)【要約】
式(I)(式中、RおよびR1は独立して、場合によりそれぞれ置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但し、RおよびR1は同じではないし、*は光学活性なキラル中心であるという条件付きである)を有する光学活性化合物を、対応するラセミエステルまたはジオールからヒドロラーゼ酵素による処理によって製造する方法。
Description
【発明の詳細な説明】
ヒドロラーゼによる第三アルコールのキラル合成
本発明は、第三アルコールのキラル分割の方法および該方法において有用な新
規の化合物に関する。
ある種の第三アルコールは、薬学的および農薬学的市場において有用な化合物
、例えば、GB1529818号明細書、EP−B−15756号明細書、EP
−B−44605号明細書、EP−B−61835号明細書、EP−B−131
684号明細書、EP−A−47594号明細書、GB2064520号明細書
およびEPA−472392号明細書において開示された化合物である。通常、
これらの化合物は光学活性なキラル中心を有し、該化合物の分割は、光学活性異
性体の一つによるより大きい活性またはより少ない毒性などの利点をもたらすこ
とがある。
欧州特許出願第EPA−472392号明細書は、抗真菌活性を有し且つヒト
および他の動物における真菌感染の治療に有益である化合物(+)−2−(2,
4−ジフルオロフェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テト
ラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル]−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オル
を開示している。また、該化合物を製造するための中間体についても開示してい
る。
EPA−472392号明細書は、式(A)
を有する光学活性エポキシドの2種類の製造法を開示している。
第一の方法は、EPA−472392号明細書の1〜4の工程によって実証さ
れる化学合成である。工程4は、チタンテトライソプロポキシドまたはチタンテ
トラブトキシドなどのチタンテトラアルコキシドおよび酒石酸ジアルキルの存在
下の塩化メチレンなどの有機溶媒中におけるt−ブチルヒドロペルオキシドによ
る2−(2,4−ジフルオロフェニル)アリルアルコールの不斉酸化処理である
。
第二の方法は、EPA−472392号明細書の工程(i)〜(iv)によっ
て実証される。工程(iii)は、緩衝液中においてまたは緩衝液と有機溶媒、例
えば、ジイソプロピルエーテル、エタノール、アセトンまたはジメチルホルムア
ミドとの混合物中においてエステラーゼまたはリパーゼなどのヒドロラーゼを用
いて行なわれる1−アセトキシ−2−(2,4−ジフルオロフェニル−2,3−
エポキシプロパンの酵素的不斉エステル加水分解を必要とする。この工程におい
て、(+)型は選択的にエステル加水分解され、(+)−2−(2,4−ジフル
オロフェニル)−2,3−エポキシプロパノールが得られる。(−)−1−アセ
トキシ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパンはエ
ステル加水分解されず、反応液から高い光学純度で回収される。工程(iv)に
おいて、工程(iii)から回収された(−)−1−アセトキシ−2−(2,4−
ジフルオロフェニル)−2,3-エポキシプロパンは、水酸化カリウムまたは水
酸化ナトリウムなどの塩基を用いる通常のエステル加水分解を受けて、(−)−
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパノールが得られ
る。
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポキシプロパノールの(+
)型も(−)型も、種々の方法を行なって(+)−2−(2,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポ
キシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オルに変換することが
できる。この方法の欠点は、エポキシドが、加水分解および酵素上のアミノ基な
どによる求核攻撃を受けやすい反応性基であることである。これは、酵素を完全
にまたは部分的に失活させると考えられる。
本発明者は、エステルまたはジオールを酵素触媒分割した後に対応する分割さ
れたエポキシドに変換する化学的工程によって前記工程を改良することができる
ことを発見した。
したがって、本発明の第一の態様により、式(I)
(式中、RおよびR1は独立して、場合によりそれぞれ置換されたアルキル、ア
ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ア
リール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但し、
RおよびR1は同じではないし、*は光学活性なキラル中心であるという条件付
きである)
を有する光学活性化合物を製造する方法であって、(a)式(II)
(式中、RおよびR1は前記に定義の通りであり且つR2は、場合によりそれぞれ
置換されたアルキル、アリールまたはアラルキルである)
を有するラセミ化合物をヒドロラーゼで処理するか;または(b)式(III)
(式中、RおよびR1は前記に定義の通りである)
を有するラセミ化合物をアシル供与体存在下においてヒドロラーゼで処理し;そ
して(a)および/または(b)の光学活性生成物を式(I)を有する光学活性
化合物に変換することを含む上記方法を提供する。
RおよびR1のどちらかがアリールである場合、好ましくは、それはフェニル
または置換フェニルである。
RおよびR1のどちらかがアラルキルである場合、好ましくは、それはベンジ
ルまたは置換ベンジルである。
RかまたはR1のどちらかがシクロアルキルである場合、好ましくは、それは
C3〜7シクロアルキル、特に、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘ
キシルである。
RかまたはR1のどちらかがアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ
またはアルコキシアルキルである場合、好ましくは、それは最大10個まで、特
に1〜6個の炭素原子を有する。
RかまたはR1のどちらかが複素環式基または−C1〜C4アルキル複素環であ
る場合、好ましくは、複素環は、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリ
アゾール、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、オキサゾールまたはピラゾー
ルから選択される。複素環は、例えば、アミノ、酸素、SO2R4またはOR4(
但し、Rは水素、C1〜6アルキルまたはフェニルである)で置換されていてよい
。R1が−C1〜C4アルキル複素環である場合、アルキル基はメチルまたはエチ
ルであるのが好ましい。
特に好ましい複素環は、1,2,4−トリアゾールおよびイミダゾールである
。
好ましくは、Rは場合により置換されたアリール基または場合により置換され
たアラルキル基であり、そしてR1は、場合によりそれぞれ置換されたアルキル
、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル
、アリール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但
し、RおよびR1は同じではないという条件付きである。
RおよびR1のどちらかまたは両方が置換されている場合、好ましくは、置換
基は、ハロゲン、好ましくは塩素、フッ素または臭素;アルキル、好ましくは、
C1〜6アルキル、特に、メチル、エチル、プロピルおよびブチル(そのn−、イ
ソ−、第二および第三型);アルコキシ、好ましくは、C1〜6アルコキシ、特に
、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシ;ハロアルキル、好ましくは
、特に塩素またはフッ素で置換されたC1〜6ハロアルキル、具体的には、トリフ
ルオロメチルおよびペンタフルオロエチル;ハロアルコキシ、好ましくは、特に
塩
素またはフッ素で置換されたC1〜6ハロアルコキシ、具体的には、トリフルオロ
メトキシ;シアノ;ニトロ;アミノ;ヒドロキシ;スルホニル;およびフェニル
から選択される。1個またはそれ以上の置換基が存在していてよく、好ましくは
、置換された場合、1〜3個の置換基が存在しうる。
特に好ましい基Rは、1個またはそれ以上のハロゲンによって置換されたフェ
ニル、特に、4−クロロ、4−フルオロ、2,4−ジクロロおよび2,4−ジフ
ルオロフェニルである。
ヒドロラーゼ酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、アミダーゼ
、ペプチダーゼ、スルファターゼ、ニトリラーゼまたはグリコシダーゼでありう
る。酵素は、微生物培養からまたは植物若しくは動物から得ることができる。こ
のような酵素の好ましい例は、ブタ膵リパーゼおよびクロモバクテリウム・ビス
コスム(Chromobacterium viscosum)由来リパーゼで
ある。このような酵素は商業的に入手可能であるしまたは当該技術分野において
知られている方法によって製造することができる。
酵素触媒分割は、下記の経路のいずれか一つによって行なうことができる。
(1)水性反応媒質中の加水分解反応;
(2)混和性有機溶媒を含む水性媒質中の加水分解反応;
(3)水性/有機2相反応媒質中の加水分解反応;
(4)有機反応媒質中のエステル化反応;
(5)有機反応媒質中のエステル交換反応。
光学体の命名法規則のために、エポキシドの立体配置の名称が不斉中心付近の
置換基の性質に依ることは理解される。以下に与えられた一般的且つ具体的な例
において、2種類の形のエポキシドは(R)−(+)および(S)−(−)であ
るが、ジオールおよびエステルの2種類の形は(R)−(−)および(S)−(
+)である。以下の具体的な例によって例証された系は、適当なエステルまたは
ジオールの選択によってエポキシドの両方の立体配置を提供することができると
いうことが更に理解される。
経路(1)〜(3)のいずれかによって行なわれた場合の本発明の方法を、以
下の一般的な反応順序によって要約する。
式中、式(II)および(III)を有する化合物は、(R)−(−)および(
S)−(+)鏡像異性体のラセミ混合物である。式(II)を有する化合物のラ
セミ混合物をヒドロラーゼ、例えば、ブタ膵リパーゼで処理する。ヒドロラーゼ
は、望ましくない(S)−(+)エステルを特異的に式(III)を有する対応
する(S)−(+)ジオールに変換する。少量の式(III)を有する(R)−
(−)ジオールも生成されることがある。この変換は、望ましくない式(II)
を有する(S)−(+)エステルを含まない式(II)を有する(R)−(−)
エステルを残す。式(III)を有する(S)−(+)ジオールを分離し、そし
て捨てるか、或いは変換若しくは部分的に変換して式(III)を有する豊富な
(R)−(−)ジオールを生成するかまたはラセミ化してラセミジオールを生成
することができる。
反応順序(1)〜(3)を、(+)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチ
リル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−3−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オルおよび2−(2,4−ジフル
オロフェニル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プ
ロパノール(薬学的殺真菌薬、一般名フルコナゾール)のトリアゾールエポキシ
ド中間体を用いて更に詳しく例証する。
(4)および(5)によって行なわれた場合の本発明の方法を、以下の一般的
な反応順序によって要約する。
式中、式(III)を有する化合物は(R)−(−)および(S)−(+)鏡像
異性体のラセミ混合物である。ラセミ混合物を、アシル供与体、例えば、アルケ
ニルエステル、例えば、ビニルアシレート、特に、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、酪酸ビニル若しくは安息香酸ビニルまたは酢酸イソプロペニル若しくは酪
酸イソプロペニル、或いはアルキルエステル、例えば、酢酸エチルまたは式RC
O2H(式中、Rはアルキル、好ましくはC1〜6アルキルである)を有する酸、
例えば、酢酸、プロパン酸および酪酸の存在下においてヒドロラーゼ、例えば、
ブタ膵リパーゼによって処理する。
ヒドロラーゼは、望ましくない(S)−(+)ジオールを、特異的に式(II
)を有する対応する(S)−(+)エステルに変換する。少量の式(II)を有
する(R)−(−)エステルも生成されることがある。この変換は、望ましくな
い式(III)の(S)−(+)ジオールを含まないで式(III)の(R)−
(−)ジオールを残す。式(II)を有するエステルを分離し、そして捨てるか
、或いは加水分解し、そして変換若しくは部分的に変換するかまたはラセミ化し
て、式(II)を有する(R)−(−)ジオールまたはラセミジオールを生成す
ることができる。
反応順序(4)および(5)を、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(
1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2-オル(農学的殺真
菌薬、一般名ヘキサコナゾール)のトリアゾールエポキシド中間体を用いて更に
詳しく例証する。
したがって、酵素触媒反応は、式(III)を有するラセミジオールとアシル
供与体、例えば、アルケニルエステル、例えば、ビニルアシレート、酢酸ビニル
、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル若しくは安息香酸ビニルまたは酢酸イソプロ
ペニル若しくは酪酸イソプロペニル、或いはアルキルエステル、例えば、酢酸エ
チルまたは式RCO2H(式中、Rはアルキル、好ましくはC1〜6アルキルであ
る)を有する酸、例えば、酢酸、プロパン酸および酪酸とをヒドロラーゼ酵素存
在下において反応させることによって、前記のような加水分解方向でもエステル
化方向でも操作することができる。このエステル交換経路は、同様の酵素を用い
て加水分解経路によって反応を触媒する場合に得られたのとは反対の立体配置を
有するエステルおよびジオールを提供する。
上記の反応のいずれにおいても、望ましくない鏡像異性体を再循環してより多
い収量を与え且つそれによってかなりの経済的利点を得ることは可能である。加
水分解反応においては(S)−ジオールをラセミジオールに再循環させ、エステ
ル交換反応においては(S)−エステルをラセミジオールに再循環させる。
(S)−エステルは、水酸化ナトリウムなどの水性塩基を加えて(S)−エス
テルを加水分解して(S)−ジオールにすることによって再循環することができ
る。場合により、ジオールは、この段階において溶液を冷却して生成物を晶出さ
せることによって単離することができるしまたは水性塩基溶液中で保持すること
ができる。どちらの場合にも、(S)−ジオールは、場合により置換されたアリ
ールまたはアルキルスルホニルハライド、例えば、塩化p−トルエンスルホニル
、塩化p−ニトロフェニルスルホニル、塩化p−ブロモフェニルスルホニル、塩
化メタンスルホニルまたは塩化トリフルオロメタンスルホニルと、場合により、
臭化テトラブチルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩であるのが好まし
い相間移動触媒の存在下において反応することができる。反応生成物は、実質的
に(S)鏡像異性体である式(I)を有する化合物である。生成物は、場合によ
り用いられた水性塩基濃度に応じて単離されることがある中間体スルホンを介し
て生成される。
(S)−エポキシド(式(S)−(I))は、0〜100℃、好ましくは10
℃〜80℃、そして特に20℃〜70℃の温度で水性酸によって加水分解される
。生成物は、(R)および(S)鏡像異性体の混合物からなる式(III)を有
するジオールであり、その比率は、用いられた水性酸の濃度、加水分解反応の温
度および反応時間に依る。例えば、温度25℃および反応時間24時間で1.5
M硫酸を用いると、生成物中の(R)対(S)鏡像異性体の百分率はそれぞれ7
3.5%および26.5%であった。温度65℃および反応時間20分間で8.
3M硫酸を用いると、生成物中の(R)対(S)鏡像異性体の百分率はそれぞれ
53%および47%であった。
ラセミジオールは、酸性溶液を塩基性にし、トルエンなどの有機溶媒中にジオ
ールを抽出し、そして溶液を濃縮し且つ冷却することによりジオールを結晶化さ
せることによって単離することができる。
(S)−ジオールは、塩基、例えば、アルキルアミン、好ましくはトリエチル
アミンまたはピリジン若しくはN,N−ジメチルアミノピリジン或いは水性塩基
、たとえば、水酸化ナトリウムまたはカリウムを含む溶媒、例えば、トルエン、
キシレン、ベンゼン、ピリジン、メチルイソブチルケトンまたはテトラヒドロフ
ラン中においてアリールまたはアルキルスルホニルハライド、例えば、塩化p−
トルエンスルホニル、塩化p−ニトロフェニルスルホニル、塩化p−ブロモフェ
ニルスルホニル、塩化メタンスルホニルまたは塩化トリフルオロメタンスルホニ
ル
と反応することによって再循環しうる。用いられた塩基の化学量論に応じて、(
S)−1−スルホニルエステルを生成するかまたは過剰の塩基によって式(I)
を有する(S)−エポキシドを生成することができる。好ましくは、過剰の塩基
を用い且つ(S)−エポキシドを生成する。水酸化ナトリウム水溶液を塩基とし
て用いる場合、臭化テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒を用いて反応
を促進することができる。適当な温度は−5℃〜50℃、好ましくは20℃〜4
5℃であり、反応時間は0.25〜24時間、好ましくは0.5〜1時間である
。次に、(S)−エステルの再循環からの(S)−エポキシドについて前記に記
載のように(S)−エポキシドを処理する。
酵素触媒反応(1)〜(3)の一般的な条件は慣用的である。酵素は商業的に
入手可能であり、更に処理することなく受容される反応混合物中で用いられるか
または酵素を緩衝液中に約pH7〜7.5で溶解させ且つ支持体に吸着させるこ
と、例えば、ガラスビーズ、砂、珪藻土(例えば、セライト(Celite)*
)、木炭、アルミナ(Al2O3)、シリカゲル、多孔質珪藻土または樹脂、例え
ば、アンバーライト(Amberlite)*、ダウェクス(Dowex)*、
XAD*樹脂に対して受動的に吸着させることによって予め処理することができ
る。或いは、酵素を支持体、例えば、ポリスチレン、エポキシ樹脂、例えば、ユ
ーパジト(Eupergit)*、プラスチック支持体に対して共有的に吸着さ
せることができる。*は商標または商品名を示す。吸着された酵素は、水の凍結
乾燥(凍結乾燥)によって乾燥させた後、粉砕して均一な粉末にすることができ
る。
適当な緩衝液を用いて、適当なpH、好ましくはpH5〜9、特にpH7.5
を維持する。場合により、水性塩基、例えば、水酸化ナトリウムまたはカリウム
を加えて所望のpHを維持することができる。反応混合物は撹拌する必要がある
。反応混合物の温度は15℃〜35℃が適当であり、好ましくは30℃〜35℃
である。
加水分解反応のための溶媒は水、好ましくは混和性補助溶媒、例えば、アルコ
ール、好ましくは、メタノール若しくはエタノール;アミド、好ましくは、ジメ
チルホルムアミド若しくはジメチルアセトアミド;スルホキシド、好ましくは、
ジメチルスルホキシド;ニトリル、好ましくは、アセトニトリル;エーテル、好
ましくは、テトラヒドロフラン若しくは1,4−ジオキサン;またはケトン、好
ましくは、アセトン若しくは2−ブタノンを含む水である。或いは、不混和性補
助溶媒、例えば、アレン、好ましくは、トルエン、キシレン若しくはベンゼン;
エーテル、好ましくは、t−ブチルメチルエーテル若しくはジエチルエーテル;
またはケトン、好ましくは、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン
若しくは3−ヘキサノンを用いることができる。更に他には、水混和性および不
混和性溶媒の混合物、好ましくは、トルエンおよびメタノール、キシレンおよび
エタノール、t−ブチルメチルエーテルおよびメタノール、2−ペンタノンおよ
びアセトンを用いることができる。特に好ましい溶媒混合物は、水、メタノール
およびトルエンである。混和性補助溶媒の量は、活性酵素および二相混合物両方
を維持するだけの少量であるが、反応物エステルを可溶化するのに十分に多量で
ある。
エステル交換反応のための溶媒は、テトラヒドロフラン、第三ブタノールまた
は短鎖ケトン、例えば、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン(2−
ブタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、メチルイソブチルケト
ン、或いはトルエンまたはビニルアシレート、例えば、酢酸ビニルであるのが適
当である。
エステル交換反応のための溶媒は、好ましくは無水である、すなわち、溶媒は
0.5%(重量%)またはそれ未満の水、好ましくは0.1%またはそれ未満の
水、特に、0.05%またはそれ未満の水を含む。
溶媒中に0.5%またはそれ未満の水が存在する場合、水和した塩若しくは無
水塩またはその混合物を加えることによって、水が0.5%の場合より小さい水
の特定の活性で溶媒を緩衝させることが当該技術分野において知られている。本
効果は、溶媒中において水の活性をより低くおさえることにある。
エステル交換反応系(工程b)に窒素ガスを通気することは好ましく、それは
反応速度の3倍の増加をもたらす。これは、反応時間が減少するかまたはより少
ない酵素を用いることができることを意味し、例えば、25%未満の酵素を用い
ることができることを実証した。これはかなり経済的に有利である。したがって
、本発明の好ましい態様において、式(III)を有するジオールを窒素含有ガ
ス
流存在下においてヒドロラーゼで処理する前記の方法を提供する。
エステル交換反応は比較的低温度、例えば、30℃で行なうことができるが、
50℃〜80℃、好ましくは、60℃〜75℃、特に、65℃〜70℃まで温度
を上昇させるのが好都合であることが分かった。したがって、エステル交換反応
は30℃〜80℃の温度で行なうことができる。
エステル交換反応が完了するまで実施したら(すなわち、(R)−ジオールが
高い光学純度である)、(R)−ジオールは、容易に、酵素を濾去し、そして有
機溶液を濃縮し且つ(R)−ジオールを播種して(R)−ジオールを選択的に混
合物から結晶化させることによってかまたは有機溶媒を除去し且つ得られた油を
別の有機溶媒、好ましくはジクロロメタンで粉末化して、その混合物から(R)
−ジオールを晶出させることによって単離することができる。(R)−ジオール
の光学純度はこの工程中に増加しうる。
酵素触媒加水分解反応経路(1〜3)の生成物の抽出用溶媒としては、任意の
水性不混和性溶媒、例えば、アルカン、例えば、ヘキサン若しくはオクタン、エ
ーテルまたはケトン溶媒、例えば、第三ブチルメチルエーテル、2−ヘキサノン
、ジエチルエーテル、ペンタノン若しくはメチルイソブチルケトン、アレン溶媒
、例えば、トルエン、キシレン若しくはベンゼンがある。特に好ましい溶媒は、
トルエンおよびメチルイソブチルケトンである。
更に、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン、ジクロロメタンまたはそれらの溶媒
混合物などの有機溶媒からの生成物の再結晶は、光学的に純粋な物質を生成する
。特に好ましいのはジクロロメタンであり、この溶媒は、特にエステル交換反応
からの生成物の光学純度を増加させる、すなわち、この溶媒を用いると鏡像異性
体過剰率99.9%を得ることが可能であるという理由による。
トリアゾールエポキシドのラセミ体は、対応するケトンと、ヨウ化トリメチル
オキソスルホニウム(コーリ(Corey)およびチャイコフスキー(Chay
kovsky)、JACS,1965,87,1353〜1364)またはヨウ
化トリメチルスルホニウム(コーリおよびチャイコフスキー、JACS,84,
3782)とを、文献に記載された方法を用いて反応させることを必要とするE
P44605号明細書に記載の方法によって製造することができる。
ケトンは、特許文献、更に詳しくは英国特許第1533705号明細書および同
第1533706号明細書に記載された方法によって製造することができる。
式(I)を有するラセミエポキシドを希酸、例えば、硫酸によって加水分解し
て、式(III)を有するラセミジオールを生成することができる。酸塩化物に
よる式(III)を有するラセミジオールの処理は、第一アルコールのエステル
化を引き起こして、式(II)を有する対応するラセミエステルを生成する。
本発明のトリアゾール置換エステルのラセミ体および鏡像異性体は新規であり
、したがって、本発明のもう一つの態様により、式
(式中、R2は、場合によりどちらも置換されたアルキルまたはアリールであり
、Xはハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シア
ノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、スルホニルまたはフェニルであり;そしてn
は0〜5である)
を有する化合物およびその鏡像異性体を提供する。
好ましくは、R2はC1〜6アルキル、具体的には、メチル、エチル、プロピル
およびブチル(そのn−、イソ−、第二および第三型)である。
Xがハロゲンである場合、好ましくは、それは塩素、フッ素、臭素である。
XがC1〜6アルキルである場合、具体的には、それはメチル、エチル、プロピ
ルまたはブチル(そのn−、イソ−、第二および第三型)であり;C1〜6アルコ
キシである場合、具体的には、それはメトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブ
トキシであり;C1〜6ハロアルキルである場合、好ましくは、ハロゲンは塩素ま
たはフッ素であり、具体的には、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチ
ルであり;またはC1〜6ハロアルコキシである場合、好ましくはハロゲンは塩素
またはフッ素であり、具体的には、トリフルオロメトキシである。
nは、好ましくは0〜3である。
本発明の鏡像異性体エポキシド中間体は、特に、農薬および医薬品の製造にお
ける有用な中間体である。
例えば、Rが2,4−ジフルオロフェニルであり且つR1が−CH2−1,2,
4−トリアゾールである式(III)を有する(R)−(−)ジオールは、EP
A−472392号明細書の工程6の方法によって式(I)を有する対応する(
R)−(+)エポキシドに変換することができる。
Rが2,4−ジフルオロフェニルであり且つR1が-CH2−1,2,4−トリ
アゾールである場合の式(I)を有する(R)−(+)エポキシドは、EPA−
472392号明細書に開示された工程7の方法にしたがって、(+)−2−(
2,4−ジフルオロフェニル)−1−[3−[(E)−4−(2,2,3,3−
テトラフルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1
−イル]−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−
オルを製造するのに用いることができる。
したがって、本発明のもう一つの態様において、式V
(式中、R5は、Rについて前記に定義された基のいずれかであり、Yは任意の
置換基であり、Xはハロゲンであり、そしてnは0〜3である)
を有する化合物の製造法であって、
(i)式(IV)
を有する化合物を、(a)式
を有する化合物をヒドロラーゼで処理するか;または(b)式
を有する化合物をアシル供与体の存在下においてヒドロラーゼで処理し;(c)
(a)および(b)の光学活性生成物を、式(IV)を有する光学活性エポキシ
ドに変換することによって製造し;(ii)式(IV)を有する光学活性エポキ
シドを、炭酸カリウム、重炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムなどの塩基存在
下の有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはエタ
ノール中において式(V)を有する光学活性化合物に変換する工程を含む上記方
法を提供する。
R5は、好ましくは、RおよびR1について前記に定義のアルキル、アリール、
複素環またはアルキル複素環であり、Xは、好ましくは、塩素またはフッ素であ
り、そしてYは任意の置換基である。特に興味深いのは、Xが2,4−ジフルオ
ロ、2,4−ジクロロ、4−クロロおよび4−フルオロであり、R5は、前記に
定義の、場合によりそれぞれ置換されたC1〜4アルキル、フェニルまたはハロフ
ェニル(特に、2,4−ジフルオロ、2,4−ジクロロ、4−クロロおよび4−
フルオロフェニル)、1,2,4−トリアゾールまたは−CH2−1,2,4−
トリアゾールであり、そしてYは、Rについて前記に定義されたものと同じであ
ってよいしまたは前述の2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)スチリル
置換基のように更に複雑であってよい任意の置換基である。
本発明の範囲を制限しない以下の実施例を論及することにより本発明を更に例
証する。実施例1 水性反応媒質中での対応するラセミエステルの加水分解分割による(R)−(− )−2−ヒドロキシ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(1H−1, 2,4−トリアゾール−1−イル)プロピルブチレートの製造
トリス塩酸緩衝液(10mM、pH7.2、8.334リットル)をガラス製
反応器中に入れ、撹拌しながら35℃まで加熱した。これに対してブタ膵リパー
ゼ(5g、バイオカタリスツ(Biocatalysts)、トレフォレスト、
UK)を加え、そして水酸化ナトリウム(2M)を用いてpHをpH7.2に調
整した。
式(I)(R2=C3H7)を有する対応するラセミエステル(140g)をメ
タノール(1.666リットル)中に溶解させた。反応は、酵素水溶液に対して
メタノール溶液を加えることによって開始された。基質をポンプ輸送によって6
7ml/分の速度で加えた。反応pHを監視し、そして水酸化ナトリウム(2M
)による滴定によってpH7.2に自動調整した。
3時間後に反応を止め、それ以上滴定を観察することはしなかった。反応混合
物をトルエン2.5リットルで2回抽出した。トルエンを無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ、そしてトルエンを真空蒸留によって除去した。残留する水性相を酢酸
エチル2.5リットルで2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶
媒を真空蒸留によって除去した。
反応をキラル固定相高速液体クロマトグラフィーによって以下の条件下で監視
した。
カラム :キラルセル(Chiralcel)O.D.(250mmx4.6
mm)
溶離剤 :ヘキサン:2−プロパノール(87.5:12.5)
流量 :0.6ml/分
検出器 :UV吸光度(205nm)
保持時間:(S)−(+)−エステル − 20分間
:(R)−(−)−エステル − 24分間
:(R)−(−)−ジオール − 28分間
:(S)−(+)−ジオール − 36分間
合わせたトルエン抽出物は、以下の組成
:(R)−(−)−エステル − 58.01g
:(S)−(+)−エステル − 検出不能
:(S)−(+)−ジオール − 0.69g
:(R)−(−)−ジオール − 検出不能
を有する油58.7gを生成した。実施例2 水性/有機2相反応混合物中での(R)−(−)−2−ヒドロキシ−2−(2, 4−ジフルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル )プロピルブチレートの製造
式(I)(R2=C3H7)を有する対応するラセミエステル(44kg)を、
メタノール(25リットル)およびトルエン(125リットル)の混合物中に6
0℃まで加熱することによって溶解させた。次に、溶液を35℃まで冷却した。
水性リン酸カリウム緩衝液(50mM、pH7.5、260リットル)を反応
器中に入れ、35+/−1℃まで加熱した。これに対してブタ膵リパーゼ(1.
5kg、予めリン酸緩衝液10リットル中に溶解させた、pH7.5)を加え、
そして反応器を撹拌した。次に、トルエン(50リットル)を反応器に加え、そ
してトルエン/メタノール混合物を酵素水溶液中に3.3リットル/分の速度で
ポンプ輸送することによって反応を開始した。1モル水酸化ナトリウムを加える
ことによって反応混合物をpH7.5+/−0.2で維持した。反応をキラル固
定相高速液体クロマトグラフィーによって実施例1に記載した条件下で監視した
。
反応は4.5時間後に完了した(残留する(S)−(+)−エステルが1%未
満で存在することにより示された)。セライト(5kg)を反応混合物中に撹拌
し、そして反応混合物を濾布に通してタンパク質を除去し且つ相分離を促進させ
た。水性層および有機層を分離した。有機層を温(35℃)水1000リットル
で3回洗浄してジオールを全て除去した。最終有機溶液は(R)−(−)−エス
テルのみを含み、その収量は15kgで且つ鏡像異性体過剰率98%であった。
水性相を酢酸エチル(65リットル)で3回抽出した。合わせた酢酸エチル抽
出液は、鏡像異性体過剰率80%の(S)−(+)−ジオールを15kg含んで
いた。
この実施例を、ブタ膵リパーゼまたはリポラーゼ(ノボ・インダストリー(N
ovo Industri)から入手された)を酵素として用いて繰り返した。
エステル(100mg)をt−ブチルメチルエーテル7.5ml中に溶解させ、
そして前記の水性緩衝液30ml中において酵素と反応させた。結果を表Iに示
す。
実施例3 種々の有機溶媒中でのヒドロラーゼ触媒エステル交換による(R)−(−)−2 −(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール− 1−イル)プロパン−1,2−ジオールの製造
反応混合物は、式(III)を有する対応するラセミジオール25mg;酵素
5mg;および溶媒2mlから成った。反応物は、酵素の不溶性およびジオール
基質の部分可溶性のために溶媒中スラリーを生成した。反応混合物を37℃で1
6時間振とうしながらインキュベートした。酵素をメンブランフィルター(0.
2ミクロン直径細孔)を介する濾過によって除去した。基質または生成物が反応
溶媒中に完全に可溶性でない場合、濾過する前にメタノール(0.25ml)を
混合物に加えた。この結果、懸濁した酵素を濾過によって除去することができた
透明溶液を得た。濾液を実施例1に記載の高速液体クロマトグラフィーによって
分析した。
表IIは、酪酸ビニルを溶媒としておよびアシル供与体を用いる一定範囲のリ
パーゼによるエステル交換反応の結果を示す。
実施例3の方法を、種々の溶媒および酵素クロモバクテリウム・ビスコスムリ
パーゼを用いて繰り返した。反応混合物は、溶媒2ml、酪酸ビニル0.1ml
、ジオール25mg、酵素5mgを含んだ。反応混合物を37℃で16時間振と
うしながらインキュベートした。結果を表IIIに示す。
以下の実施例の分析法は下記の通りであった。ガス液体クロマトグラフィーはヒ
ューレット・パッカード(Hewlett Packard)HP5890およ
び0.25mm毛管、25mmCP.Sil−5CB(クロムパック(Chro
mpack))を備えた積分器を用いて行なった。140℃で2分間の温度/時
間プロフィールに続いて毎分10℃で200℃まで上昇させた後、この温度を5
分間保持した。ジオールは約3.8分間で溶離し、エステルは約5分間で溶離す
る。逆相高速液体クロマトグラフィーは、ヒューレット・パッカードおよびOD
S25cmx4.6mmID分析用カラムを備えた積分器並びにアセトニトリル
47.5%および水52.5%の溶離剤を流量1m./分で用いて行なった。検
出は260nmでの紫外線によった。キラル高速液体クロマトグラフィーは、ヒ
ューレット・パッカードおよびOD25cmx4.6mmID分析用カラムを備
えた積分器並びに無水エタノール10%およびn−ヘキサン90%の溶離剤を流
量1ml/分で用いて行なった。溶離時間はほぼ以下の通りであった。(S)−
エステル14.4分間、(R)−エステル15.8分間、(R)−ジオール20
.7分間、(S)−ジオール23.4分間。実施例4
1重量相当量のラセミジオール、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−1,2−ジオールを
、20容量相当量のメチルイソブチルケトン(MIBK)中に60〜65℃で溶
解させ、混合物を撹拌した。4容量相当量の酢酸ビニルを加えた後、窒素流を半
融ガラスランスによって溶液中に散布した。0.5重量相当量のブタ膵リパーゼ
(バイオカタリスツから入手した)を少量ずつ加えた。反応を、前記に与えられ
た方法であるガス液体クロマトグラフィーによっておよび前記に与えられた方法
である反応キラル高速液体クロマトグラフィーの最後まで監視した。残留する(
S)−ジオールが5%未満になるまで13時間反応を撹拌した。酵素を、半融ガ
ラスフィルターを用いて熱溶液から濾過し且つ少量の冷MIBKで洗浄した。溶
媒をロータリーエバポレーターの減圧下で蒸発させ、そして得られた油を2容量
相当量のジクロロメタンで粉末化した。5℃まで冷却し且つ30分間放置後、生
成されたR−ジオールの白色結晶を濾去し、2容量相当量の冷ジクロロメタンで
洗浄し、そして自然乾燥させた。この手順により、0.44重量相当量の(R)
−(−)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(1H−1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)プロパン−1,2−ジオールが得られ、それがキラル高
速液体クロマトグラフィーによって99.5%を越える(R)−鏡像異性体を生
じた。これは転化率42%を示す。濾液は、(S)−エステル75%、(R)−
エステル7.5%、(R)−ジオール7.4%および(S)−ジオール8.1%
を含む混合物0.8重量相当量を含んでいた。実施例5
1重量相当量のラセミジオール(式III)を5容量相当量のMIBK中に7
0℃で溶解させた。窒素を溶液中に散布し、2.5容量相当量の酢酸ビニルを加
えた後、0.25重量相当量のブタ膵リパーゼ(バイオカタリスツから入手した
)を加えた。混合物を70℃で6〜7時間またはキラル高速液体クロマトグラフ
ィーによる残留する(S)−ジオールが<5%になるまで撹拌した。溶液を熱濾
過し且つ2容量相当量の温MIBKで洗浄した。溶液を3分の1容量まで濃縮し
、ジクロロメタンを加え、そして(R)−ジオールを播種した。結晶を濾去し且
つ自然乾燥させた。この手順により、99.5%を越える(R)−ジオールおよ
び85〜90%を越える強度(ジクロロメタンは結晶質量の約10〜15%であ
ることが分かった)を有する0.44重量相当量の物質が得られた。実施例6
実施例4の方法を、ラセミジオールが部分的にしか可溶性でないトルエン20
容量相当量および1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。反応を4.
5時間撹拌し、その間にラセミジオールの47%が(S)−エステルに変換され
た。実施例7
実施例4の方法を、20容量相当量の第三ブタノールおよび1重量相当量のブ
タ膵リパーゼを用いて行なった。反応混合物を1.5時間撹拌し、その間にラセ
ミジオールの32%が(S)−エステルに変換された。実施例8
実施例4の方法を、4容量相当量の酪酸ビニルを用いて行なった。13時間後
、ラセミジオールの52%が(S)−ブチルエステルに変換されていた。実施例9
実施例4の方法を、1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。2.5
時間後、ラセミジオールの50.6%が(S)−エステルに変換されていた。実施例10
実施例9の方法を、窒素流を省略して行なった。4時間後、ラセミジオールの
41.5%が(S)−エステルに変換されていた。実施例11
実施例4の方法を、10容量相当量のメチルイソブチルケトンおよび4容量相
当量の酢酸ビニルを用いて行なった。23時間後、ラセミジオールの47%が(
S)−エステルに変換されていた。実施例12
実施例11の方法を、80℃の温度を用いて行なった。4.5時間後、ラセミ
ジオールの51%が(S)−エステルに変換されていた。(R)−ジオールを実
施例4に記載のように、97%を越える鏡像異性体過剰率の収量40%で単離し
た。実施例13
実施例4の方法を、13容量相当量のメチルイソブチルケトンおよび2.6容
量相当量の酢酸ビニルおよび0.25重量相当量の無水硫酸ナトリウムを用いて
行なった。3.75時間後、ラセミジオールの37%が(S)−エステルに変換
されていた。実施例14
実施例4の方法を、試薬用MIBKを塩化カルシウム上で撹拌することによっ
て製造された無水メチルイソブチルケトン(測定不能、すなわち、0.05%未
満のH2O)および1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。2時間後
ラセミジオールの52.5%が(S)−エステルに変換されていた。実施例15
実施例4の方法を、試薬用メチルイソブチルケトン(0.5%未満のH2O)
および1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。2.5時間後、ラセミ
ジオールの52%が(S)−エステルに変換されていた。実施例16
実施例4の方法を、無水メチルイソブチルケトンに対して0.1重量%の水を
加えて行なった。3時間後、ラセミジオールの52%が(S)−エステルに変換
されていた。実施例17
実施例4の方法を、無水メチルイソブチルケトンに対して0.5重量%の水を
加えて行なった。5時間後、ラセミジオールの47.7%が(S)−エステルに
変換されていた。実施例18
実施例4の方法を、無水メチルイソブチルケトンに対して2重量%の水を加え
て行なった。3.5時間後、ラセミジオールの11.4%が(S)−エステルに
変換されていた。実施例19
実施例4の方法を、15重量相当量の不活性支持体(表IVを参照されたい)
上に支持された1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。支持されたリ
パーゼは、1重量相当量の酵素を20重量相当量の50mMリン酸カリウム緩衝
液pH7.5中に溶解させ且つ15重量相当量の不活性支持体を加えることによ
って製造された。懸濁液を−78℃で冷凍し且つ周囲温度および圧力0.5mm
Hgで2日間にわたって凍結乾燥させた。得られた乾燥固体を均一になるまで粉
砕し、そして反応において直接的に用いた。
実施例20
実施例4の方法を、0.05重量相当量のユーパジト(TM)上に支持された
1重量相当量のブタ膵リパーゼを用いて行なった。支持されたリパーゼは、1重
量相当量の酵素を2.5容量相当量の50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5
中に溶解させ、0.05重量相当量のユーパジトを加え、そして周囲温度で72
時間撹拌することによって製造された。次に、固体を濾去し、そして実施例19
に記載のように凍結乾燥させた。得られた乾燥固体は反応において直接用いた。
2.5時間後、ラセミジオールの28%が(S)−エステルに変換されていた。実施例21 (S)−エステルの再循環によるラセミ(+/−)−2−(2,4−ジフルオロ フェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−1 ,2−ジオールの合成
1重量相当量の(S)−2−ヒドロキシ−2−(2,4−ジフルオロフェニル
)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピルアセテートを
9容量相当量のトルエン中に80℃で溶解させた。4容量相当量の100TW苛
性アルカリを滴加し、そして混合物を1時間、または有機相から試料採取するこ
とによってガス液体クロマトグラフィーで監視されるように、全エステルが加水
分解されてジオールになるまで激しく撹拌した。混合物を25℃まで冷却し、4
容量相当量のトルエン中の0.7重量相当量の塩化p−トルエンスルホニルを0
.2重量相当量の臭化テトラブチルアンモニウムと一緒に加え、そして有機相の
ガス液体クロマトグラフィー監視によって全ジオールがエポキシドに変換される
まで混合物を周囲温度で激しく撹拌した。水性相を分離し、トルエン溶液を60
℃まで加温し、0.9容量相当量の45%硫酸を滴加し、そして30分間撹拌し
た。反応混合物を25℃まで冷却し、有機層を分離し、そして50容量相当量の
1M苛性アルカリを加えることによって水性層をpH9まで塩基性にした。この
溶液に対して9容量相当量のMIBKを加えた。溶液を65℃まで加温し且つ撹
拌した後、水性層を塩化ナトリウムで塩処理し、撹拌し、そして分離した。MI
BK溶液を冷却し、そしてラセミジオールを晶出させた。結晶を濾過し、冷MI
BKで洗浄し、そして自然乾燥させた。この手順により、0.68重量相当量の
ジオ
ールが得られ、それはキラル高速液体クロマトグラフィーにより鏡像異性体過剰
率5〜10%の(R)−ジオールであることが分かった。実施例22 S−(+)−ジオールのラセミジオールへの再循環
S−(+)−ジオール(1相当量)および塩化p−トルエンスルホニル(1相
当量)を4容量相当量のトルエン中で一緒にスラリーにし且つ撹拌した。4M水
酸化ナトリウム(2.5容量相当量)を周囲温度で30分間にわたって1滴ずつ
加えた。反応混合物を40℃まで加温し、それを30分間保持した。トルエン層
を分離し、同時に残留する水性層を更に1容量相当量のトルエンで再度洗浄した
。トルエン抽出液を合わせ、そして45%(V/V)硫酸溶液(0.3容量相当
量)に対して65℃で10分間にわたって徐々に加えた。この温度を更に10分
間保持した後、25℃まで冷却し、そして100Tw水酸化ナトリウムを用いて
pH9まで塩基性にした。3容量相当量の水を加え、そして4容量相当量の酢酸
エチルで3回洗浄することによってジオールを水溶液から抽出した。抽出液を合
わせ、溶媒を減圧下において50℃で除去した。生成物は、(R)−鏡像異性体
53%および(S)−鏡像異性体47%の0.75相当量のジオールを生じた。実施例23 S(+)−ジオールの豊富な(R)−ジオールへの再循環
S(十)−ジオール(1相当量)、塩化p−トルエンスルホニル(1.1相当
量)および臭化テトラブチルアンモニウム(0.031相当量)を4容量相当量
のトルエン中において周囲温度で一緒にスラリーにした。混合物を激しく撹拌し
、そして4M水酸化ナトリウム溶液(2.5容量相当量)30分間にわたって加
えた。S(+)−ジオールが全部反応するまで更に45分間溶液を撹拌した。全
反応混合物を濾過し、濾過ケーキをトルエン(0.5容量相当量)で洗浄した。
濾液の下方水性相を分離除去し、水(4容量相当量)で希釈した後、濾過ケーキ
を洗浄するのに用いた1.5容量相当量のトルエンで再度洗浄した。次に、この
溶液をセライトによって再度濾過して相を分離させる。トルエン層を分離し且つ
全トルエン画分を合わせた後、水で再度洗浄する。トルエン層を分離し、容量を
3.5容量相当量まで減少させた。25℃の硫酸(1.5M、2.25容量相当
量)
を25℃で1時間にわたってトルエン溶液に加え且つ24時間撹拌した。次に、
反応混合物を65℃まで2時間加熱した後、室温まで冷却した。水性層を分離し
且つ有機層を捨てた。水性層を100Tw水酸化ナトリウムによって塩基性にし
、そして溶液を10℃まで冷却することによってジオールを晶出させ、濾去し、
そして自然乾燥させた。0.79相当量のジオールを回収したが、それはR−ジ
オール73.5%およびS−ジオール26.5%に相当した。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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K,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ホルト,ロバート・アントニー
イギリス国クリーヴランド ティーエス15
9ユーズィー,ヤーム,ウォーデル・ク
ロース 2
(72)発明者 ブルースター,アンドリュー・ジョージ
イギリス国チェシャー エスケイ10 5キ
ューユー,マックレスフィールド,ボリン
トン,シュリグレイ・ロード 18,ニュー
ブリッジ・ハウス
(72)発明者 コープランド,ロバート・ジェフリー
イギリス国マックレスフィールド エスケ
イ10 5ティーエックス,レイナウ,タワ
ー・ヒル・コテッジィズ 1アンド2
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 式(I) (式中、RおよびR1は独立して、場合によりそれぞれ置換されたアルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ア リール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但し、 RおよびR1は同じではないし、*は光学活性なキラル中心であるという条件付 きである) を有する光学活性化合物を製造する方法であって、(a)式(II) (式中、RおよびR1は前記に定義の通りであり且つR2は、場合によりそれぞれ 置換されたアルキル、アリールまたはアラルキルである) を有するラセミ化合物をヒドロラーゼで処理するか;または(b)式(III) (式中、RおよびR1は前記に定義の通りである) を有するラセミ化合物をアシル供与体存在下においてヒドロラーゼで処理し;そ して(a)および/または(b)の光学活性生成物を式(I)を有する光学活性 化合物に変換することを含む上記方法。 2. 式(II)または(III) (式中、RおよびR1は独立して、場合によりそれぞれ置換されたアルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ア リール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但し、 RおよびR1は同じではないし、*は光学活性なキラル中心であるという条件付 きである) を有する光学活性化合物を製造する方法であって、式(II)を有する化合物を ヒドロラーゼで処理するかまたは式(III)を有する化合物をアシル供与体存 在下においてヒドロラーゼで処理し、そして場合により所望の光学活性エステル またはジオールを単離することを含む上記方法。 3. ヒドロラーゼがリパーゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、アミダーゼ 、ペプチダーゼ、スルファターゼ、ニトリラーゼまたはグリコシダーゼである請 求項1または2に記載の方法。 4. ヒドロラーゼがリパーゼまたはエステラーゼである請求項1、2または 3に記載の方法。 5. アシル供与体がアルキルエステル若しくはアルケニルエステルまたは式 RCO2H(式中、Rはアルキルである)を有する酸である請求項1〜4のいず れかに記載の方法。 6. アシル供与体がアルケニルエステルである請求項5に記載の方法。 7. 式(III)を有するラセミジオールを、0.5重量%またはそれ未満 の水を含む溶媒の存在以下においてヒドロラーゼで処理する請求項1〜6のいず れかに記載の方法。 8. 水和した塩若しくは無水塩またはその混合物を溶媒に対して加える請求 項7に記載の方法。 9. 式(III)を有するラセミジオールを、窒素含有ガス流存在下におい てヒドロラーゼで処理する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 10.式(III)を有するジオールのヒドロラーゼによる処理を、30℃〜 80℃の温度で行なう請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 11.式(III)を有する光学活性ジオールを単離し、そして(a)有機溶 液を濃縮し且つ式(III)を有する光学活性ジオールを播種して式(III) を有する光学活性ジオールを混合物から選択的に結晶化させるかまたは(b)有 機溶媒を除去し、得られた油を別の有機溶媒で粉末化することによってその混合 物から所望の式(III)を有する光学活性ジオールを晶出させる請求項1〜1 0のいずれかに記載の方法。 12.別の有機溶媒がジクロロメタンである請求項11に記載の方法。 13.ヒドロラーゼ処理の後に、望ましくない光学活性エステルまたはジオー ルを式(III)を有する対応するラセミジオールに再循環する追加の工程があ る請求項1〜12のいずれかに記載の方法。 14.水性塩基を加えることによって式(II)を有する光学活性エステルを 加水分解し、そして式(III)を有する対応するジオールを単離するかまたは 、水性塩基存在下の対応するジオールを場合により置換されたアリール若しくは アルキルスルホニルハライドで、場合により相間移動触媒存在下において処理し て式(I)を有する対応する光学活性エポキシドを生成し、そして該光学活性エ ポキシドを水性酸で加水分解して式(III)を有するラセミジオールを生成す ることによる、望ましくない式(II)を有する光学活性エステルを式(III )を有する対応するラセミジオールに再循環させる請求項13に記載の方法。 15.式(III)を有する光学活性ジオールとアリールまたはアルキルスル ホニルハライドとを溶媒中および場合により相間移動触媒存在下において反応さ せて式(I)を有する対応する光学活性エポキシドを生成し、そして該光学活性 エポキシドを水性酸で加水分解して式(III)を有するラセミジオールを生成 することによる、望ましくない式(III)を有する光学活性ジオールを式(I II)を有するラセミジオールに再循環させる請求項13に記載の方法。 16.RおよびR1が独立して、場合によりそれぞれ置換されたフェニル、ベ ンジル、C3〜7シクロアルキル、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、C1〜1 0 アルキニル、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルコキシアルキル、1,2,4− トリアゾール、−CH2−1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾー ル、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、オキサゾールまたはピラゾールであ る請求項1〜15のいずれかに記載の方法。 17.式V (式中、R5はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシア ルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4ア ルキル複素環であり、Yは任意の置換基であり、Xはハロゲン、アルキル、アル コキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ 、スルホニルまたはフェニルであり、そしてnは0〜5である) を有する化合物の製造法であって、 (i)式(IV) (式中、Xおよびnは前記に定義の通りである) を有する化合物を、(a)式 (式中、Xおよびnは前記に定義の通りである) を有する化合物をヒドロラーゼで処理するか;または (b)式 (式中、Xおよびnは前記に定義の通りである) を有する化合物をアシル供与体存在下においてヒドロラーゼで処理し;(c)( a)および(b)の光学活性生成物を、式(IV)を有する光学活性エポキシド に変換することによって製造し;(ii)式(IV)を有する光学活性エポキシ ドを塩基存在下の有機溶媒中において式(V)を有する光学活性化合物に変換す る工程を含む上記方法を提供する。 18.式(II)を有する光学活性エステルまたは式(III)を有する光学 活性ジオール (式中、RおよびR1は独立して、場合によりそれぞれ置換されたアルキル、ア ルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ア リール、アラルキル、複素環式基またはC1〜C4アルキル複素環であり、但し、 RおよびR1は同じではないし、*は光学活性なキラル中心であるという条件付 きである) の製造のためのヒドロラーゼの使用。 19.Rがフェニルまたはハロフェニルであり且つR1がC1〜C4アルキル− 1,2,4−トリアゾールである請求項1〜16のいずれかおよび18に記載の 方法または使用。 20.式 (式中、R2はアルキルであり、Xはハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アル コキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、スルホニルま たはフェニルであり;そしてnは0〜5である) を有する化合物およびその鏡像異性体。
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