JP2886576B2 - シクロヘキサンカルボン酸誘導体の製法 - Google Patents

シクロヘキサンカルボン酸誘導体の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は胃炎、胃潰瘍治療剤及び抗プラスミン剤とし
て優れた作用を有するトランス−4−アミノメチルシク
ロヘキサンカルボン酸−4′−(2″−カルボキシエチ
ル)フェニルエステル(以下、CEPエステルと称する)
の新規且つ工業的に有利な製法に関する。
<従来の技術> CEPエステルの製造法は従来より多くの方法が知ら
れ、その中でも、末端のカルボキシル基を保護した原料
化合物より保護基を脱離させる方法が工業的に有利であ
る。該方法としては(1)接触還元による方法(特公昭
46−19950及び特公昭52−48978)、(2)酸−アルカリ
加水分解による方法(特開昭52−17447及び特開昭53−5
6642)、(3)ルイス酸−求核試剤による方法(特開昭
56−167648)及び(4)カビ菌体もしくは、その抽出
物、市販酵素製剤による方法(特開昭62−294091)を挙
げることができる。
しかしながら、これらの方法は以下のような欠点を有
する。
即ち、(1)の方法では、パラジウム等の高価な触媒
が必要であり、又水素ガスを使用することより安全性上
問題が有り、更に特殊な装置を必要とする。(2)の方
法えは、CEPエステルの分子中央部のエステルが加水分
解され低収率であり、又原料化合物の回収が繁雑であ
る。(3)の方法では、使用する金属類の後処理が繁雑
である。(4)の方法では、ベンジル基は良好に水解さ
れるが、原料が安価で工業的に有利な低級アルキル基は
ベンジル基より水解されにくく、且つ基質濃度も通常8
%以下と低い等の欠点があった。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、本発明を完成した。
<発明の構成> 本発明は一般式(I) (式中、Rは低級アルキル基、置換基を有することもあ
るベンジル基又はフェニル基を示す。)で表される化合
物又はその塩を、キャンディダ属の微生物菌体、培養物
もしくは抽出物又は動物の膵臓破砕物もしくは抽出物の
存在下処理することを特徴とするCEPエステルの製造法
に関する。
式(I)においてアルキル置換基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等をあげることが
できる。又、ベンジル基又はフェニル基の置換基として
は、ニトロ基、低級アルコキシ又はアルキル基、ハロゲ
ン原子等をあげることができる。
式(I)の化合物の塩とては、塩酸、硫酸等の鉱酸や
酢酸、シュウ酸等の有機酸との酸付加塩があげられる。
又、CEPエステルの塩としては、塩酸、硫酸等の鉱酸や
酢酸、シュウ酸等の有機酸との酸付加塩をあげることが
できる。
本発明で使用されるキャンディダ属の好ましい種とし
てはキャンディダ シリンドラセア(Candida cylindra
cea)等をあげることができる。菌体としては、培養液
より集菌洗浄したもの、乾燥もしくはアセトンパウダー
処理したもの等をあげることができる。培養物としては
キャンディダ属の微生物を適当な培地で培養したものを
あげることができる。更に、抽出物としては、前記菌体
又は培養物を自己消化後、水もしくは適当な緩衝液で抽
出したもの、該抽出液に硫安もしくはアルコールを加え
ることにより得られる沈殿物及び該抽出液を限外濾過、
ゲル濾過、疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー等を用いて分画したものをあげることがで
きるが該抽出液については酵素製剤として市販されてい
るものがあり、これを使用することが簡便性の点から好
ましい。このような市販酵素製剤のうち好ましいものと
しては、リパーゼOF、リパーゼMY(名糖産業)、リパー
ゼAY(天野製薬)、リパーゼ・タイプVII(シグマ)等
をあげることができる。
また、本発明で使用される動物の膵臓としては豚、
牛、ウサギ、鶏等の膵臓をあげることができる。このよ
うな膵臓は通常の方法で破砕後前記と同様の方法で分
画、抽出することにより、膵臓の破砕物及び抽出物を得
ることができる。該抽出物についても市販酵素製剤が市
販されており、これを使用することが簡便性の観点から
好ましい。該市販酵素製剤の内、好ましいものとして
は、コレステロールエステラーゼ(シグマ)等をあげる
ことができる。
本発明の反応は、通常、水又は適当な緩衝液中pHを約
4〜7に保ちながら20〜40℃の温度、好ましくは25〜30
℃で5〜20時間、好ましくは10〜15時間行われる。前記
緩衝液としてはクエン酸、及びリン酸緩衝液等があげら
れる。原料である式(I)の化合物の反応液中における
濃度は通常5〜30%(w/v),好ましくは10〜20%が適
当である。使用する微生物の菌体、培養物又は膵臓の破
砕物、抽出物の使用量は特に限定されず、例えば市販の
酵素製剤を使用した場合には、目安として、これを原料
に対して、0.01ないし0.5倍重量部程度を使用するのが
一般的であるが、反応条件によってはこれより少なくと
もよい。
反応終了後、反応液のpHを7付近に調整するとCEPエ
ステルが析出するので、これを濾取する。次いで得られ
た結晶に当量の塩酸を加え、水等を用いて晶析すること
により高純度のCEPエステルを得ることができる。
<発明の効果> 本発明は、安価な基質と取り扱いが簡便な市販酵素製
剤を用いることができ、高基質濃度かつ緩和な条件下に
て、副反応を伴うこともなく、目的とするCEPエステル
を高純度かつ高収率で得ることができる。さらには操作
上特別な装置を必要とすることなく、安全性に優れ、か
つ後処理の面でも有利である。従って、本発明は工業的
製法として極めて有用である。
次に本発明を参考例及び実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
尚、実施例中においてトランス−4−アミノメチルシ
クロヘキサンカルボン酸−4′−(2″−カルボキシエ
チル)フェニルエステルをCEPエステルと、その塩酸塩
をCEPエステル塩酸塩と記す。
実施例1 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸−4′−(2″−メチルオキシカルボニルエチル)フ
ェニルエステル塩酸塩(以下、化合物Aと略す)25gを
水250mlに懸濁し、リパーゼOF 6.3gを加え、30℃で5時
間撹拌した。反応系内は1N水酸化ナトリウムでpH5.5〜
6に保った。
反応終了液を高速液体クロマトグラフィーで分析した
ところ、CPEエステルの生成率は99.1%であった。
反応液に10%NaOHを加えpH7に調整し、析出結晶をろ
取した。洗浄後乾燥して、CEPエステル20.8g(収率97.0
%)を得た。
得られたCEPエステルをイソプロピルアルコール−水
混液に懸濁し塩酸でpH2.2に調整し、活性炭処理した。
澄明ろ液を減圧濃縮し、析出晶をろ取、乾燥してCEPエ
ステル塩酸塩23.1g(収率96.2%)を得た。
本品の薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフ
ィー、IR、NMRは標品と完全に一致した。
本品の純度を液体クロマトグラフィーで検討したとこ
ろ100%であった。
実施例2 トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸−4′−(2″−エチルオキシカルボニルエチル)フ
ェニルエステル塩酸塩25gを水250mlに懸濁し、リパーゼ
OFを加え、30℃で6時間撹拌した。反応系内は1N水酸化
ナトリウムでpH5.5〜6に保った。
反応終了液を高速液体クロマトグラフィーで分析した
ところCPEエステルの生成率は99.0%であった。
得られた反応液を実施例1と同様に処理してCPEエス
テル塩酸塩22.2gを得た。
実施例3 実施例1のリパーゼOF 6.3gの代わりに、下記の市販
酵素を使用し、実施例1と同様に反応を行った。
反応終了液を高速液体クロマトグラフィーで分析し表
−1の結果を得た。
反応液を実施例1と同様に処理するとCEPエステル塩
酸塩を得ることが出来た。
実施例4 実施例1の化合物Aの代わりに、下記の基質を使用し
実施例1と同様に反応を行った。
反応終了液を高速液体クロマトグラフィーで分析し表
−2の結果を得た。
反応液を実施例1と同様に処理するとCEPエステル塩
酸塩を得ることが出来た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中、Rは低級アルキル基、置換基を有することもあ
    るベンジル基又はフェニル基を示す。)で表される化合
    物又はその塩をキャンディダ属の微生物の菌体、培養物
    もしくはその抽出物又は動物の膵臓の破砕物もしくは抽
    出物の存在下処理することを特徴とするトランス−4−
    アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸−4′−(2″
    −カルボキシエチル)フェニルエステル及びその塩の製
    造法。
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