JP2003111600A - 光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の製造法

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JP2003111600A
JP2003111600A JP2002198138A JP2002198138A JP2003111600A JP 2003111600 A JP2003111600 A JP 2003111600A JP 2002198138 A JP2002198138 A JP 2002198138A JP 2002198138 A JP2002198138 A JP 2002198138A JP 2003111600 A JP2003111600 A JP 2003111600A
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JP2002198138A
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Takeshi Tsubuki
猛 津吹
Masahiro Aono
雅博 青野
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Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵素を作用させることを特徴とする工業的に
有用な光学活性ピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 ピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の
ラセミ化合物に、不斉加水分解能を有する酵素を作用さ
せ、光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体に
光学分割し、さらに必要ならばピリダジノン環2位置換
基を脱離することを特徴とする一般式(3) (式中、R2は低級アルキル基を、*は光学活性な不斉炭
素原子の所在位置を表す。)で表されるR−配置又はS−
配置を有する光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン
誘導体の工業生産に有用な製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品として有用で
あるピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の光学活性体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ピラゾロピリジンピリダジノン誘導体は
ホスホジエステラーゼ阻害活性を有し、気管支拡張剤と
して有用であることが知られている(WO98/14448)。こ
の出願では、光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン
誘導体の製造にあたり、光学活性カラムによる対掌体の
分離が報告されているが、実生産向き方法ではなかっ
た。
【0003】また光学活性な置換ピリダジノン誘導体の
製法としては、特開平3-163050に4-(4-アミノフェニル)
-3-メチル-4-オキシブテン酸から不斉還元法により合成
する方法が報告されているが、高圧、高価な触媒を必要と
するため、工業的には不向きである。また、特開平10-10
9977に置換ピリダジノン誘導体のラセミ体をL-又はD-酒
石酸を分割剤として光学分割方法が報告されているが、
光学純度が低く工業生産には不十分である。更には、光
学活性な置換ピリダジノン誘導体の中間体である3-メチ
ル-4-オキシブチル酸誘導体の光学活性体の製造方法と
して光学活性化合物から全合成的に製造する方法(ジャ
ーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー56巻, 1963
頁1991年)、フェネチルアミン誘導体を分割剤として使
用する方法(特開平10-101629)及び酵素を用いた分割法
が報告されているが光学純度が低いもしくは製造工程が
長い等の理由により、いずれも実用的なものとは言えな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業生産に
有用な光学活性ピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便で経
済性に優れた方法で光学純度の高いピラゾロピリジンピ
リダジノン誘導体を製造する方法として、容易に入手で
きる安価なラセミ混合物を原料として、それに酵素を作
用させて製造する新しい方法を考案すべく、各種の酵素
及びその反応条件を鋭意検討した結果、ピラゾロピリジ
ンピリダジノン誘導体に対して極めて高い不斉認識力を
有し、収率良く不斉加水分解を触媒するエステル加水分
解酵素を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体
を酵素使用により、有効に製造する方法である。
【0006】本発明を更に詳細に述べる。すなわち本発
明は、一般式(1) (式中、R1はアシルオキシメチル基を表し、R2は低級ア
ルキル基を表す。)で表されるピラゾロピリジンピリダ
ジノン誘導体のラセミ化合物に、不斉加水分解する能力
を有する酵素を作用させ、光学活性な一般式(2) (式中、R2は低級アルキル基を表し、R3は水素原子、ア
シルオキシメチル基又はヒドロキシメチル基を表し、*
は光学活性な不斉炭素原子の所在位置を表す。)で表さ
れる光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体に
光学分割し、さらに必要ならばピリダジノン環2位置換
基を脱離することを特徴とする一般式(3) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるR−
配置又はS−配置を有する光学活性な置換ピリダジノン
誘導体の製造法に関する。
【0007】原料となるピラゾロピリジンピリダジノン
誘導体のラセミ化合物は、特許(WO98/14448)記載の方
法により容易に合成できる。
【0008】光学分割の原料となる一般式(1) (式中、R1はアシルオキシメチル基を表し、R2は低級ア
ルキル基を表す。)で表されるピラゾロピリジンピリダ
ジノン誘導体の2位アシルオキシメチル誘導体は、一般
式(4) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるピラ
ゾロピリジンピリダジノン誘導体を塩化アシロキシメチ
ルと常法により反応させて合成できる。ここに示される
一般式(1)の化合物は新規化合物である。これらの原
料化合物は入手の容易な点でラセミ体(対掌体の等量混
合物)が好ましいが対掌体混合比率は特に限定されるも
のではなく、いかなる混合比でもよい。
【0009】本発明で使用される加水分解酵素は、エス
テル加水分解酵素に分類されるものであり、微生物の生
産するリパーゼ、微生物の生産するリポプロテインリパ
ーゼ、動物組織由来のエステラーゼ等が例示される。市
販の酵素、例えばリパーゼA、AK、AY、F-AP15、M及びP
S、プロテアーゼA、M、N、P及びS、プロレザー、ブロメ
ラインF、パパインW-40、パンクレアチンF及びニューラ
ーゼF(以上天野製薬製)、リパーゼ及びリポプロテイ
ンリパーゼ(和光純薬製)、リパーゼ、リパーゼタイプ
I、I-A、II、VI-S、VII、VII-A、XI、XII、XIII及び豚
肝臓由来エステラーゼ(以上シグマ製)、耐熱性リパーゼ
(栗田工業製)、リパーゼLP(東洋醸造製)等を利用するこ
とができる。酵素の利用形態として、精製酵素、粗製酵
素あるいは菌体や組織に含まれた状態等があり、いずれ
の形態を利用しても良い。また、固相担体に固定して用
いることも可能である。
【0010】本発明の酵素反応を行う場合、均一系例え
ば水溶液、通常は基質である一般式(1)の溶解度を上
げるため水と混和する有機溶媒を加える、もしくは不均
一系例えば水と混和しない非極性又は極性な含水有機溶
媒を用いて行うことができる。水と混和する有機溶媒と
しては、アセトンのようなケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル
類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルのような非
プロトン性極性溶媒等を例示することができる。また水
と混和しない非極性又は極性な含水溶媒としては、炭化
水素のような非極性溶媒又はイソプロピルエーテルのよ
うなエーテル系非プロトン溶媒に水を加えた含水溶媒等
が挙げられ、更には界面活性剤を加えて反応させても良
い。溶媒中の基質濃度は、通常 0.1〜50%であり、好ま
しくは1〜10%である。反応を行う際のpHは、使用する
酵素の至適pH付近が最適であるが、それを中心として
±2程度は許容され、通常は適切な緩衝液を用いるのが
好ましい。反応温度は、使用酵素によって決まるが、通常
0〜60℃、好ましくは5〜55℃である。酵素の使用量
は、酵素の種類や比活性、基質濃度により異なるが基質に
対して、通常0.1〜50%で行う。反応は、攪拌下又は振と
う下に行うことが好ましいが、静置状態で行っても良
い。
【0011】反応終了後、不溶物をろ過又は遠心分離等
の操作によって除いた後、必要ならば溶媒を減圧留去し
たのち、有機溶媒で抽出する。再結晶あるいはカラムク
ロマトグラフィー等の通常の精製法を適用して分離精製
することにより一般式(2)で表される光学活性体を取
得することができる。一旦得られた光学活性体は、必要
ならば加水分解した後その立体配置を保ったまま脱アシ
ロキシメチル化もしくは脱ヒドロキシメチル化すること
ことにより一般式(3)で表されるR−配置又はS−配置
を有する光学活性体に導くことができる。
【0012】また上記操作によって分割された光学活性
体は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液等の
強塩基もしくは濃塩酸又は濃硫酸等の存在下室温〜還流
下、数分〜一晩攪拌することによりラセミ化し、一般式
(4) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるピラ
ゾロピリジンピリダジノン誘導体のラセミ体を得ること
ができる。これをさらに光学分割に利用することができ
るので、工業的に有利である。
【0013】また本発明の一般式(1)において、「低
級アルキル基」とは、メチル、エチル、プロピル等、直鎖も
しくは分岐した炭素数1〜4の炭化水素を表し、「アシ
ルオキシメチル」とはアセチルオキシ、プロピオニルオ
キシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリル
オキシ、イソバレリルオキシ、ピバロイルオキシ等の炭
素数2〜5のアシロキシ基が置換したメチル基を表す。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
述べるが、本発明はこれらの実施例のみによって限定さ
れるものではない。
【0015】<実施例1〜3> [光学分割] (±)-3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2
-プロピオニルオキシメチルピリダジン-6-イル)-2-イソ
プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジンを水で飽和したイソ
プロピルエーテル中に溶解し、1mg/mL(基質/溶媒)にな
るように溶液を調製、0.2mLをミクロチューブに採取し
た。これに各種酵素をミクロスパーテルで1杯加え、室
温で24時間攪拌した。反応液を酢酸0.5mLで希釈、更に遠
心分離した後上清を減圧濃縮した。得られた残さにエタ
ノール50μLを加え溶解させた溶液を調製、高速液体クロ
マトグラフィー(カラム:CHIRALCEL OD(ダイセル化
学工業)、移動相:2-プロピルアルコール:ヘキサン=
5:95、流速:1.0mL/min.、カラム温度:室温、検出
波長:230nm)で得られた光学活性置換ピリダジノン誘
導体(3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソピ
リダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリ
ジン(I)、3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-2-ヒドロキシメチ
ル-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-イソプロ
ピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(II)、3-(2,3,4,5-テトラ
ヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニルオキシメチ
ルピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]
ピリジン(III))の化学収率、光学収率を求め表1の結
果を得た。
【0016】
【表1】 CY*:化学収率、OY**:光学収率、( )***:立体配置
【0017】<実施例4> [(R)-3-(2,3,4,5-テトラ
ヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-イソ
プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン] (±)- 3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-
プロピオニルオキシメチルピリダジン-6-イル)-2-イソ
プロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(27.1g)をアセトニト
リル(905mL)に溶解、この溶液に精製水(13.6g)及びリパ
ーゼAK (106g)を加え、室温で42時間攪拌した。反応液を
ろ過、ろ液を減圧濃縮、得られた残さを酢酸エチル(800m
L)に溶解した。溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧留去、得られた残さをカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1次いで
酢酸エチル)で分離精製、淡黄色油状物として(R)-3-(2,
3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニ
ルオキシメチルピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピ
ラゾロ[1,5-a]ピリジン(13.5g)及び(S)-3-(2,3,4,5-
テトラヒドロ-2-ヒドロキシメチル-5-メチル-3-オキソ
ピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピ
リジン(11.3g)をそれぞれ得た。(R)-3-(2,3,4,5-テト
ラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニルオキシメ
チルピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-
a]ピリジン(13.5g)をメタノール(300mL)に溶解、更
に25%アンモニア水(30mL)を加え、室温で16時間放置
した。反応液を減圧濃縮後、残さに炭酸水素ナトリウム
水溶液を加え、塩化メチレン抽出した。抽出液を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残さを
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレ
ン:メタノール=40:1)にて精製、無色固体の(R)-3-
(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-
6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(8.8
3g)を得た。同様にして得られた(R)-3-(2,3,4,5-テト
ラヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-イ
ソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(5.00g)を合わせ
(13.83g)、塩化メチレン-イソプロパノール-イソプロ
ピルエーテルより再結晶、無色針状晶として目的物(1
2.5g)を得た。 融点:158-159℃. 旋光度:[α]D 24 -185°(c=1.07、クロロホル
ム). 元素分析:C15H18N4Oとして計算値C,66.65;H,6.71;N,2
0.73、測定値C,66.28;H,6.85;N,20.63. マススペクトルm/z:270(M+). 400MHz 1H-NMR(CDCl3)δ:1.24 (3H,d, J=7.3Hz),1.37
(3H,d,J=6.8Hz), 1.43(3H,d,J=6.8Hz),2.51(1H,dd,J=2.
4,16.6Hz),2.81(1H,dd,J=6.8,16.6Hz),3.29(1H,dquinte
t,J=2.4,7.3Hz),3.45(1H,septet,J=6.8Hz),6.79(1H,dt,
J=1.0,6.8Hz),7.20(1H,ddd,J=1.0,6.8,8.8Hz),7.71(1H,
dt,J=1.0,8.8Hz),8.44(1H,dt,J=1.0,6.8Hz), 8.62(1H,b
r s). 光学純度(HPLC):98%ee、カラムCHIRALCEL OD、
移動相 ヘキサン:イソプロパノール=9:1、流速:
0.5mL/min.カラム温度:室温、検出波長:230nm.
【0018】<実施例5> [(±)- 3-(2,3,4,5-テト
ラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニルオキシメ
チルピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-
a]ピリジン] (方法1)水素化ナトリウム(20.0g)をジメチルホル
ムアミド(400mL)に懸濁、室温攪拌下(±)-3-(2,3,4,5-
テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2
-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(100g)のジメ
チルホルムアミド(400mL)溶解液を滴下、更に1時間攪
拌した。攪拌液にプロピオニルオキシメチルクロリド
(61.3g)をゆっくり滴下、滴下後更に2時間攪拌し、一
晩放置した。反応液を氷水(3L)に加え、酢酸エチル抽
出した。有機層を水洗、次いで飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得ら
れた残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1次いで酢酸エチル)にて精
製、淡黄色油状物として(±)- 3-(2,3,4,5-テトラヒドロ
-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニルオキシメチルピリ
ダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジ
ン(70.0g)を得るとともに、原料(±)- 3-(2,3,4,5-テ
トラヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-
イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(33.3g)を回収
した。 90MHz 1H-NMR(CDCl3)δ:1.16 (3H,t, J=7.5Hz),1.22(3
H,d,J=7.0Hz),1.37(3H,d,J=6.8Hz),1.44(3H,d,J=6.8H
z),2.39(2H,q,J=7.5Hz),2.54(1H,dd,J=2.6,16.5Hz),2.8
6(1H,dd,J=5.9,16.5Hz),3.20-3.62(2H,m),5.80(1H,d,J=
9.7Hz),5.94(1H,d,J=9.7Hz),6.80(1H,dt,J=1.5,6.8HZ),
7.23(1H,ddd,1.1,6.8,9.0Hz),7.78(1H,dt,J=1.1,9.0H
z),8.44(1H,dt,J=1.1,6.8Hz). (方法2)(±)- 3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-
オキソピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,
5-a]ピリジン(71.9g)、炭酸カリウム(217g)、ジメ
チルホルムアミド(800mL)懸濁液に室温攪拌下プロピ
オニルオキシメチルクロリド(71.8g)を滴下、滴下後
更に19時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液に氷水(3
L)を加え、酢酸エチル抽出した。有機層を水洗、次いで
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。溶媒を減圧留去、得られた残さをカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:
1)にて精製、淡黄色油状物として(±)- 3-(2,3,4,5-テ
トラヒドロ-5-メチル-3-オキソ-2-プロピオニルオキシ
メチルピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,
5-a]ピリジン(84.8g)を得た。
【0019】<実施例6> [ラセミ化法] (方法1)実施例4で得られた(S)-3-(2,3,4,5-テトラヒ
ドロ-2-ヒドロキシメチル-5-メチル-3-オキソピリダジ
ン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン
(162g)のメタノール(2L)溶液に25%アンモニア水(3
00mL)を加え一晩放置した。反応液を減圧濃縮し、残さ
に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え塩化メチレン抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、
得られた残さをカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、塩化メチレン:メタノール=40:1)にて精製、更
に塩化メチレン-イソプロパノール-イソプロピルエーテ
ルより再結晶し、淡褐色針状晶として(S)-3-(2,3,4,5-
テトラヒドロ-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2
-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(104g)を得
た。光学純度(HPLC):38%ee(カラム、CHIRALCEL
OD、移動相 ヘキサン:イソプロパノール=9:1、流
速:0.7mL/min.カラム温度:室温、検出波長:230nm)得
られた(S)-3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-メチル-3-オキ
ソピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]
ピリジン(104g)をエタノール(1L)に溶解後、10%水
酸化ナトリウム水溶液(50mL)を加え、18時間放置し
た。反応液を減圧濃縮し、残さにリン酸水溶液を加えpH
3とし、塩化メチレン抽出した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮、更に残さを塩化メチレ
ン-イソプロパノール-イソプロピルエーテルより再結晶
し、淡褐色粉末晶として(±)-3-(2,3,4,5-テトラヒドロ
-5-メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-イソプロピ
ルピラゾロ[1,5-a]ピリジン(74.0g)を得た。 90MHz 1H-NMR(CDCl3)δ:1.24 (3H,d, J=7.0Hz),1.37(3
H,d,J=6.8Hz),1.44(3H,d,J=6.8Hz),2.49(1H,dd,J=2.6,1
6.7Hz),2.83(1H,dd,J=6.2,16.7Hz),3.12-3.61(2H,m),6.
78(1H,dt,J=1.3,6.8Hz),7.19(1H,ddd,J=1.3,6.8,9.0H
z),7.71(1H,dt,J=1.3,9.0Hz),8.44(1H,dt,J=1.3,6.8H
z),8.87(1H,br s). (方法2)実施例4と同様にして得られた(S)-3-(2,3,4,5
-テトラヒドロ-2-ヒドロキシメチル-5-メチル-3-オキソ
ピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピ
リジン(2.01g)のエタノール(80mL)溶液に20%水酸化
ナトリウム水溶液(80mL)を加え、18時間攪拌した。反
応液を水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル抽出した。有機
層を水(400mL)、次いで飽和食塩水(400mL)で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去す
ると白色粉末として(±)-3-(2,3,4,5-テトラヒドロ-5-
メチル-3-オキソピリダジン-6-イル)-2-イソプロピルピ
ラゾロ[1,5-a]ピリジン(1.63g)を得た。 融点:130-132℃. 400MHz 1H-NMR(CDCl3)δ:1.24 (3H,d, J=6.8Hz),1.37,
1.43(3Hx2,d,J=6.8Hz),2.51(1H,dd,J=2.4,16.6Hz),2.80
(1H,dd,J=6.8,16.6Hz),3.29(1H,d quintet,J=2.4,6.8 H
z),3.45(1H,septet,J=6.8Hz),6.79(1H,dt,J=1.5,6.8H
z),7.21(1H,ddd,J=1.0,6.8,8.8Hz),7.71(1H,dd,J=1.5,
8.8Hz),8.43(1H,dd,J=1.0,6.8Hz),8.51(1H,brs).
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に容易に入手で
きる安価なラセミ化合物を原料として不斉分解能を有す
る酵素を使用することにより工業的に有用な光学活性ピ
ラゾロピリジンピリダジノン誘導体を有利に製造する方
法を提供でき、光学活性ピラゾロピリジンピリダジノン
誘導体の工業生産上極めて有利である。
【0021】また、本発明により光学分割された不要の
光学活性な誘導体はラセミ化し、再び本発明法によって
光学分割して入用の光学活性な誘導体に変換できるの
で、最終的な光学収率の面でも有利である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B064 AE01 CA21 CB02 CD27 4C065 AA03 BB05 CC01 DD02 EE02 HH01 JJ01 KK02 LL01 PP14 QQ07 4H006 AA02 AC82 4H039 CA42 CJ20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (式中、R1はアシルオキシメチル基を表し、R2は低級ア
    ルキル基を表す。)で表されるピラゾロピリジンピリダ
    ジノン誘導体のラセミ化合物に、不斉加水分解能を有す
    る酵素を作用させ、光学活性な一般式(2) (式中、R2は低級アルキル基を表し、R3は水素原子、ア
    シルオキシメチル基又はヒドロキシメチル基を表し、*
    は光学活性な不斉炭素原子の所在位置を表す。)で表さ
    れる光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体に
    光学分割することを特徴とするR−配置又はS−配置を有
    する光学活性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 光学活性な一般式(2)’ (式中、R2は低級アルキル基を表し、R3はアシルオキシ
    メチル基又はヒドロキシメチル基を表し、*は光学活性
    な不斉炭素原子の所在位置を表す。)で表される光学活
    性なピラゾロピリジンピリダジノン誘導体のピリダジノ
    ン環2位置換基を脱離することを特徴とする 一般式(3) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるR−
    配置又はS−配置を有する光学活性なピラゾロピリジン
    ピリダジノン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酵素がリパーゼである請求項1記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1) (式中、R1はアシルオキシメチル基を表し、R2は低級ア
    ルキル基を表す。)で表される請求項1記載のピラゾロ
    ピリジンピリダジノン誘導体のラセミ化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(4) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるピラ
    ゾロピリジンピリダジノン誘導体に塩化アシルオキシメ
    チルを反応させることを特徴とする一般式(1) (式中、R1はアシルオキシメチル基を表し、R2は低級ア
    ルキル基を表す。)で表される請求項1記載のピラゾロ
    ピリジンピリダジノン誘導体のラセミ化合物を製造する
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1により光学分割され、不要のR-
    配置またはS-配置を有する光学活性な一般式(2) (式中、R2は低級アルキル基を表し、R3は水素原子、ア
    シルオキシメチル基又はヒドロキシメチル基を表し、*
    は光学活性な不斉炭素原子の所在位置を表す。)で表さ
    れる単一もしくはこれらの混合物であるピラゾロピリジ
    ンピリダジノン誘導体を酸又は塩基の存在下でラセミ化
    することを特徴とする一般式(4) (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で表されるピラ
    ゾロピリジンピリダジノン誘導体のラセミ体製造方法。
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