JPH0850815A - 透明導電体及びその製造方法 - Google Patents

透明導電体及びその製造方法

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JPH0850815A
JPH0850815A JP18455694A JP18455694A JPH0850815A JP H0850815 A JPH0850815 A JP H0850815A JP 18455694 A JP18455694 A JP 18455694A JP 18455694 A JP18455694 A JP 18455694A JP H0850815 A JPH0850815 A JP H0850815A
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JP
Japan
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group
target
zno
conductive film
transparent conductive
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Application number
JP18455694A
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English (en)
Inventor
Makoto Kitamura
真 北村
Tomoshige Tsutao
友重 蔦尾
Kazuaki Miyamoto
和明 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温高湿下で使用しても電気抵抗値の経時変化
が小さく、信頼性の優れた透明導電体を提供する。 【構成】周期律表VB族又はVIB族の元素がドープされ
た酸化亜鉛膜からなり、該元素を元素原子と亜鉛原子と
の合計原子数に対して0.1〜10原子%含有する透明
導電膜が基材上に積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は信頼性に優れた透明導電
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、錫ドープ酸化インジウム(以下I
TOという)に代わる透明導電膜材料として、材料コス
トが安価であるZnOが注目されている。ZnO単独で
はITOに比べると高い抵抗値を示し、ITOと同レベ
ルの導電性を得るためには周期律表第III 族の元素をド
ープすればよいことが開示されている(特公平4−92
9号公報、特公平3−72011号公報)。このような
第III 族の元素としては、アルミニウム、ホウ素、スカ
ンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、タリ
ウム等が挙げられる。
【0003】さらに、周期律表第IV族の元素をドープし
ても、ITOと同等の導電性と光学特性が得られること
が開示されており、このような第IV族の元素としては、
ケイ素、ゲルマニウム、ジルコニウム等が挙げられる
(特公平5−6766号公報)。この方法では、SiO
2 、GeO2 、ZrO2 の高純度粉末をZnO粉末に添
加して加圧成形後、焼結させた焼結体をターゲット(6
cm×10cmの長方形)として用いており、アルゴン
ガス圧が6.5Pa、ターゲットに投入する高周波電力
が120W(ターゲット1cm2 当たりの電力2W/c
2 )のスパッタリング条件により、ガラス基材上にS
i、Ge、ZrがドープされたZnO透明導電層を成膜
する。
【0004】しかしながら、これらの不純物がドープさ
れたZnO膜を、例えば、温度60℃、相対湿度96%
の高温高湿下で放置すると、電気抵抗値が経時的に変化
し導電性が低下する現象が起こることが知られており、
上記透明導電膜を高温高湿下で使用する場合、その信頼
性が問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、高温高湿下で
使用しても電気抵抗値の経時変化が小さく、信頼性の優
れた透明導電体ならびにその製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の透明導電体は、
周期律表VB族又はVIB族の元素がドープされた酸化亜
鉛からなる透明導電膜が、基材上に積層されたものであ
る。
【0007】上記基材としては、ガラス、プラスチッ
ク、金属、セラミックス等が挙げられるが、透明性の点
からガラス、プラスチックが好ましい。また、プラスチ
ックとしては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シート又
はプレートが好ましい。
【0008】上記周期律表VB族に属する元素として
は、V、Ta、Nbが挙げられ、上記周期律表VIB族に
属する元素としては、Cr、Mo、Wが挙げられる。
【0009】上記酸化亜鉛膜においてVB族又はVIB族
に属する元素の含有量は、亜鉛原子と該元素原子の合計
原子数に対して0.1〜10原子%であり、VB族の場
合は0.5〜5原子%が好ましく、VIB族の場合は2〜
8原子%が好ましい。その理由は、VB族又はVIB族に
属する元素の含有量が少なくなると、ドープによる低抵
抗化の効果が十分に発現しないため優れた導電性が得ら
れず、さらに、高温高湿下での電気抵抗値の経時変化が
大きくなるため信頼性が低下する、また、VB族又はVI
B族に属する元素の含有量が多くなると、結晶性が著し
く低下し、電気抵抗値が急増するからである。
【0010】上記酸化亜鉛膜には、VB族又はVIB族に
属する元素以外に、第III 族の元素又は第IV族の元素が
同時にドープされてもよい。上記第III 族の元素として
は、Al、B、Sc、Ga、Y、In、Tl等が挙げら
れ、上記第IV族の元素としては、Si、Ge、Zr等が
挙げられる。
【0011】上記酸化亜鉛膜を形成する方法としては、
スパッタリング法が好ましいが、イオンプレーティング
法、真空蒸着法、化学気相成長法など任意の公知の薄膜
形成技術を用いても形成することができる。
【0012】上記酸化亜鉛膜中にVB族又はVIB族に属
する元素をドープさせる方法としては、酸化亜鉛膜形成
の原材料(例えば、スパッタリング法の場合であればタ
ーゲット、真空蒸着法の場合であれば蒸発原料)となる
亜鉛及び酸化亜鉛に、予めVB族又はVIB族に属する元
素を金属のままの形態か、あるいは金属酸化物、金属窒
化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物の形態で混合して
置く方法が挙げられる。
【0013】上記酸化亜鉛膜をスパッタリング法により
形成する場合は、VB族又はVIB族に属する元素を含有
する酸化亜鉛のターゲットを用いるか、あるいは酸化亜
鉛とは別にVB族又はVIB族に属する元素又はそれらの
酸化物からなるターゲットを酸化亜鉛からなるターゲッ
トと同時にスパッタリングする方法が挙げられる。上記
VB族又はVIB族に属する元素の含有量を0.1〜10
原子%の範囲に制御するには、前者の方法ではターゲッ
トに添加する該元素の添加量を制御し、後者の方法では
両方のターゲットに投入する電力値を制御する方法が好
ましい。
【0014】次に、基材上に本発明の透明導電膜の製造
方法について説明する。上記透明導電膜の製造には、例
えば、図2に概要図が示された高周波スパッタリング装
置が使用される。図中、11は真空槽を示し、真空槽1
1は油回転ポンプとクライオポンプとの組合わせによる
排気装置(図示せず)により、所定の圧力(具体的には
1×10 -5Torr以下)に排気される。上記真空槽1
1の下部には、ターゲットAが配置されており、ターゲ
ットAは円板状のZnO上には、VB族又はVIB族に属
する元素の薄板Bが載置されている。
【0015】ターゲットAはマッチングボックス12及
び高周波電源13に接続されており、Aは高周波電源1
3によってスパッタリングを行うことができる。また、
このスパッタリング装置は、ターゲットA上に設けられ
た薄板Bの面積を変えることによって、ZnO中にVB
族又はVIB族に属する元素が所定濃度にドープされた透
明導電膜を得ることができる。
【0016】上記真空槽11内の上部には、ターゲット
Aと対向する位置に、透明導電膜を設ける基材Cを取り
付けるためのスパッタテーブル15が配置されている。
また、スパッタテーブル15と、ターゲットAとの間に
はシャッター17が設けられている。
【0017】基材Cへの成膜は、基材Cを取り付けたス
パッタテーブル15を回転させながら行ってもよく、ス
パッタテーブル15を回転させずに固定したままで行っ
てもよい。
【0018】上記真空槽11内の下部には、基材C加熱
用の赤外線ランプ20が設けられており、この赤外線ラ
ンプ20に電力を供給することにより、基材Cを所定の
温度まで輻射加熱することが可能である。基材Cを加熱
することなく室温での成膜も可能であるが、透明導電膜
の信頼性を向上させるためには、赤外線ランプ20によ
って基材Cを100〜400℃に加熱しながら成膜する
のが好ましい。但し、プラスチック等の低融点材料を基
材として使用する場合は、基材の耐熱温度を考慮して加
熱するのが好ましい。
【0019】実際に、スパッタッタリングを行うには、
まず、ターゲットAに円板状のZnOを、さらにZnO
上にVB族又はVIB族に属する元素をそれぞれ取り付け
た後、スパッタテーブル15に基材Cを取り付ける。ま
た、基材Cの加熱を行う場合は、赤外線ランプ20によ
って基材Cを100〜400℃の所定温度に加熱する。
なお、この時点でシャッター17は閉じたままの状態
として置く。
【0020】次いで、排気装置(図示せず)によって、
真空槽11内を1×10-5Torr以下に排気した後、
ガス導入バルブ18を開くことによって、アルゴン、ヘ
リウム又はネオン等の不活性ガスを真空槽1内へ導入す
る。真空槽11内の圧力は不活性ガスの導入量をマスフ
ローコントローラー19で調節することによって制御す
るが、成膜時の真空槽11内の圧力は、1×10-3〜1
×10-1Torrの範囲が好ましい。真空槽11内の圧
力がこの範囲を外れると、不活性ガスによるスパッタッ
タリングが効率よく行われないため、成膜速度が著しく
低下し成膜が困難となる。
【0021】続いて、基材加熱を行う場合であれば、基
材温度が設定温度に達した後で、ターゲットAに高周波
電源13から高周波電力を投入することにより放電を形
成させ、ターゲットのスパッタリングを行う。各ターゲ
ットへの投入電力を所定の電力値に設定した後、シャッ
ター17を開け、基材C上への成膜を開始し、基材C上
へVB族又はVIB族に属する元素がドープされたZnO
透明導電膜を形成する。
【0022】次に、本発明2の透明導電膜の製造方法に
ついて説明する。本発明2は本発明の透明導電膜の製造
方法であり、酸化亜鉛(ZnO)ターゲットと周期律表
VB族又はVIB族に属する元素の酸化物ターゲットに、
別々の高周波電力を投入して二元同時スパッタリングを
行うことにより、基材上に上記VB族又はVIB族に属す
る元素がドープされたZnOからなる透明導電膜を形成
する。
【0023】上記周期律表VB族又はVIB族に属する元
素としては、本発明で用いられるものと同様な元素が挙
げられる。
【0024】上記基材としては、本発明と同様なプラス
チック、金属、セラミックス等が挙げられる。
【0025】上記プラスチックを基材として用いる場合
は、成膜中に基材表面から水分が蒸発し、これが透明導
電膜内部に混入して導電性を劣化させることが予測され
るため、基材表面を予めハードコート処理を施しておく
のが好ましい。このようなハードコート処理法として
は、SiO2 、ZrO2 等の金属酸化物被膜をスパッタ
リングや真空蒸着等によって形成する方法や、市販され
ているシリコン系又はアクリル系のハードコート剤を使
用してハードコート被膜を形成する方法が挙げられる。
【0026】上記透明導電膜は、上記VB族又はVIB族
に属する元素がドープされたZnO膜から形成される。
この透明導電膜を形成する方法としては、ZnOターゲ
ットとVB族又はVIB族に属する元素の酸化物のターゲ
ットとを別々に設け、それぞれのターゲットに独立した
高周波電力を投入して同時にスパッタリングを行う多元
同時スパッタリング法が挙げられる。上記多元同時スパ
ッタリング法には、平行平板型の多元同時スパッタリン
グ装置や、カルーセル型の多元同時スパッタリング装置
が好適に用いられる。
【0027】上記スパッタリング法において、VB族又
はVIB族に属する元素の酸化物のターゲットに投入する
ターゲット単位面積当たりの高周波電力は、小さくなる
と透明導電膜に含まれるVB族又はVIB族に属する元素
の含有量が少なくなり過ぎるため、高温高湿下での抵抗
値の経時変化が大きくなって信頼性が低下しする。ま
た、VB族又はVIB族に属する元素のターゲットに投入
するターゲット単位面積当たりの高周波電力は、大きく
なると透明導電膜に含まれるVB族又はVIB族に属する
元素の含有量が過剰にとなって結晶性が著しく低下する
ため、抵抗値が急増し優れた導電性が得られなくなる。
従って、VB族又はVIB族に属する元素の酸化物のター
ゲットに投入する高周波電力は、ZnOターゲットに投
入するターゲット単位面積当たりの高周波電力の1/2
0倍〜1/3倍に制限され、好ましくは1/12倍〜1
/6倍である。
【0028】以下、本発明2で用いられる多元同時スパ
ッタリング装置につき、図1に示された概要図の基づき
説明する。図中、1は真空槽を示し、真空槽1は油回転
ポンプとクライオポンプとの組合わせによる排気装置
(図示せず)により、所定の圧力(具体的には1×10
-5Torr以下)に排気される。上記真空槽1の下部に
は、2個のターゲットA及びBが別々に設けられてお
り、一方がZnOであり、他方がVB族又はVIB族に属
する元素の酸化物のターゲットである。
【0029】ターゲットA及びBは各々別々のマッチン
グボックス2及び高周波電源3に接続されており、A及
びBはそれぞれ異なった高周波電源3によってスパッタ
リングを行うことができる。また、このスパッタリング
装置は、ターゲットA及びBへの投入電力を個別に制御
することによって、ZnOとVB族又はVIB族に属する
元素の酸化物の成膜速度を個別に制御することができる
ので、ZnO中にVB族又はVIB族に属する元素が所定
濃度にドープされた透明導電膜が得られる。
【0030】上記真空槽1内の上部には、ターゲットA
及びBと対向する位置に、透明導電膜を設ける基材Cを
取り付けるためのスパッタテーブル5が配置されてい
る。このスパッタテーブル5は、モーター6によって一
定の回転速度で回転可能となされている。また、スパッ
タテーブル5と、ターゲットA及びBとの間にはシャッ
ター7が設けられている。
【0031】基材Cへの成膜は、基材Cを取り付けたス
パッタテーブル5を回転させながら行ってもよく、スパ
ッタテーブル5を回転させずに固定したままで行っても
よい。但し、基材Cを回転させずに成膜を行う場合は、
ターゲットA及びBの両スパッー粒子が到達する領域内
に基材Cを取り付けるのが好ましい。また、得られる透
明導電膜の抵抗値の面内分布をより均一にするために
は、10〜100rpmの回転速度で基材Cを回転させ
ながら成膜するのが好ましい。
【0032】上記真空槽1内の下部には、基材C加熱用
の赤外線ランプ10が設けられており、この赤外線ラン
プ10に電力を供給することにより、基材Cを所定の温
度まで輻射加熱することが可能である。基材Cを加熱す
ることなく室温での成膜も可能であるが、透明導電膜の
信頼性を向上させるためには、赤外線ランプ10によっ
て基材Cを100〜400℃に加熱しながら成膜するの
が好ましい。但し、プラスチック等の低融点材料を基材
として使用する場合は、基材の耐熱温度を考慮して加熱
するのが好ましい。
【0033】実際に、スパッタッタリングを行うには、
まず、ターゲットAにZnOを、ターゲットBにVB族
又はVIB族に属する元素の酸化物をそれぞれ取り付けた
後、スパッタテーブル5に基材Cを取り付ける。基材C
を回転させる場合は、モーター6によってスパッタテー
ブル5を、10〜100rpmの回転速度で回転させ
る。 また、基材Cの加熱を行う場合は、赤外線ランプ
10によって基材Cを100〜400℃の所定温度に加
熱する。なお、この時点でシャッター7は閉じたままの
状態として置く。
【0034】次いで、排気装置(図示せず)によって、
真空槽1内を1×10-5Torr以下に排気した後、ガ
ス導入バルブ8を開くことによって、アルゴン、ヘリウ
ム又はネオン等の不活性ガスを真空槽1内へ導入する。
真空槽1内の圧力は不活性ガスの導入量をマスフローコ
ントローラー9で調節することによって制御するが、成
膜時の真空槽1内の圧力は、1×10-3〜1×10-1
orrの範囲が好ましい。真空槽1内の圧力がこの範囲
を外れると、不活性ガスによるスパッタリングが効率よ
く行われないため、成膜速度が著しく低下し成膜が困難
となる。
【0035】続いて、基材加熱を行う場合であれば、基
材温度が設定温度に達した後で、ターゲットA及びB
に、各々独立した高周波電源3から高周波電力を投入す
ることにより放電を形成させ、各ターゲットをスパッタ
リングする。各ターゲットへの投入電力を各々上記範囲
の電力値に設定した後、シャッター7を開け、基材C上
への成膜を開始する。成膜開始後、ターゲットA及びB
への投入電力を制御することにより、ZnO及びVB族
又はVIB族に属する元素の酸化物の成膜速度を制御し、
基材C上へVB族又はVIB族に属する元素がドープされ
たZnO透明導電膜を形成する。
【0036】上記透明導電膜の膜厚は、薄くなると60
℃、相対湿度96%の高温高湿環境下で十分な信頼性が
得られず、厚くなると干渉色が目立つなど光学特性に問
題が生じるので、200〜3000Åが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1〜9、比較例1、2)図1に示した多元同時
スパッタリング装置(芝浦製作所製「CFS−8EP−
55」)を使用して、スパッタテーブル5に、基材Cと
してスライドガラス(マツナミ社製「S1111」、サ
イズ80×30×1mm)をターゲットA、Bから等距
離となる位置に取り付けた。また、ターゲットA、Bに
は、直径が5インチの円板状で表面積が125cm 2
ZnO、Ta2 5 をそれぞれ取り付けた。
【0038】次いで、真空槽1内を1×10-5Torr
以下に真空排気した後、ガス導入バルブ8を開きスパッ
ターガスとしてArガスをマスフローコントローラー9
を用いて真空槽1内に50SCCM導入し、真空槽1内
圧力を5×10-3Torrとした。さらに、真空槽1内
の底部に配置された赤外線ランプ10によりスライドガ
ラスを100℃の設定温度になるまで加熱した。
【0039】さらに、スパッタテーブル5をモーター6
によって、回転速度20rpmで回転させながら、ター
ゲットA及びBに高周波電力(発振周波数13.56M
Hz)を投入し、シャッター7を開けることにより成膜
を開始し、スライドガラス上にTaがドープされたZn
O透明導電膜を形成した。尚、成膜時の各ターゲットに
投入する高周波電力、基材Cの加熱温度及び成膜時間を
表1に示した。
【0040】但し、実施例9については、基材Cとして
表面にシリコン系樹脂のハードコート被膜(3.7μ
m)が積層されたポリカーボネート板(三菱ガス化学社
製「MR−3」、サイズ80×30×1mm)を使用し
た。
【0041】(比較例3)ターゲットBを全く使用せず
ターゲットAとして、2.5重量%のSiO2 を含有す
る、直径が5インチの円板状で表面積が125cm2
ZnOを使用し、表1に示した高周波電力、基材Cの加
熱温度及び成膜時間としたこと以外は、実施例1と同様
にして、基材C上にSiを含有するZnO透明導電膜を
形成した。
【0042】
【表1】
【0043】透明導電膜の性能評価 上記実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた透明導電
膜につき下記の性能評価を行い、その結果を表2に示し
た。 (1)膜厚測定 基材Cの一部をマスキングして設けた段差を触針式の膜
厚計(スローン社製「Dektak3030」)によっ
て読み取り、この値を透明導電膜の膜厚とした。
【0044】(2)Ta含有量 蛍光エックス線装置(島津製作所製「SXF−1200
BF」)を使用して蛍光エックス線による定量分析によ
り、以下の計算式よりZnO透明導電膜中のTa含有量
を求めた。 Ta含有量(%)=Ta原子(原子%)/〔(Zn原子
(原子%)+Ta原子(原子%)〕×100
【0045】(3)シート抵抗 成膜直後の透明導電膜のシート抵抗を抵抗率計(三菱油
化社製「ロレスタMCP−T500」)を用いて四端子
法により測定した。尚、測定は基材上の6点で行い、こ
れらの平均値をシート抵抗(初期値)とした。
【0046】(4)信頼性試験 (3)で得られた透明導電膜を、温度60℃、相対湿度
96%の恒温恒湿槽(東洋製作所製「アテンプターAG
−2型」)内で1000時間放置した後、(3)と同様
にしてシート抵抗を測定し、信頼性試験後のシート抵抗
値とした。
【0047】(5)光線透過率 透明導電膜の波長550nmにおける光線透過率を、自
記分光光度計(島津製作所製「UV−3101PC」)
を用いて測定した。
【0048】
【表2】
【0049】(実施例10〜17)図2に示した高周波
スパッタリング装置(日本真空技術社製「SH−10
0」)を使用して、スパッタテーブル5に、基材Cとし
てスライドガラス(マツナミ社製「S1111」、サイ
ズ80×30×1mm)をターゲットAと対向する位置
に取り付けた。ターゲットAには、直径が5インチの円
板状で表面積が125cm2 の不純物を全く含まないZ
nOを取り付けた。また、表3に示した所定の面積を有
するTa薄板(厚さ2mm)Bを、図3及び4に示すよ
うにターゲットA上に配置した。
【0050】次いで、真空槽1内を1×10-5Torr
以下に真空排気した後、ガス導入バルブ8を開きスパッ
ターガスとしてArガスをマスフローコントローラー9
を用いて真空槽1内に50SCCM導入し、真空槽1内
圧力を5×10-3Torrとした。さらに、真空槽1内
の底部に配置された赤外線ランプ10によりスライドガ
ラスを100℃の設定温度になるまで加熱した。
【0051】次に、ターゲットAに350Wの高周波電
力(発振周波数13.56MHz)を投入し、シャッタ
ー7を開けることにより20分間成膜を開始し、スライ
ドガラス上にTaがドープされたZnO透明導電膜を形
成した。
【0052】但し、実施例17については、基材Cとし
て表面にシリコン系樹脂のハードコート被膜(3.7μ
m)が積層されたポリカーボネート板(三菱ガス化学社
製「MR−3」、サイズ80×30×1mm)を使用し
た。
【0053】(実施例18)ターゲットAとして、直径
が5インチの円板状で表面積が125cm2 、2重量%
のSiO2 を含有するZnOを使用したこと以外は、実
施例10と同様にして成膜し、TaとSiがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。
【0054】(比較例4〜6)表3に示した面積の異な
るTa薄板BをターゲットA上に配置したこと以外は、
実施例10と同様にして成膜し、TaがドープされたZ
nO透明導電膜を形成した。
【0055】(比較例7)ターゲットAとして、直径が
5インチの円板状で表面積が125cm2 、2重量%の
Al2 3 を含有するZnOを使用したこと以外は、実
施例10と同様にして成膜し、Alのみがドープされた
ZnO透明導電膜を形成した。
【0056】(比較例8)ターゲットAとして、直径が
5インチの円板状で表面積が125cm2 、2重量%の
SiO2 を含有するZnOを使用したこと以外は、実施
例10と同様にして成膜し、SiのみがドープされたZ
nO透明導電膜を形成した。
【0057】
【表3】
【0058】上記実施例10〜18及び比較例4〜8で
得られた透明導電膜につき、実施例1〜7と同様な性能
評価を行い、その結果を表4に示した。
【0059】
【表4】
【0060】(実施例19〜26)ターゲットAとし
て、直径が5インチの円板状で表面積が125cm2
不純物を全く含まないZnOを取り付け、図3及び4に
示すように、表5に示した所定の面積を有するNb薄板
(厚さ2mm)BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例10と同様にして成膜し、Nbがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。但し、実施例26につ
いては、基材Cとして表面にシリコン系樹脂のハードコ
ート被膜(3.7μm)が積層されたポリカーボネート
板(三菱ガス化学社製「MR−3」、サイズ80×30
×1mm)を使用した。
【0061】(実施例27)ターゲットAとして、直径
が5インチの円板状で表面積が125cm2 、2重量%
のSiO2 を含有するZnOを使用したこと以外は、実
施例19と同様にして成膜し、NbとSiがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。
【0062】(比較例9〜11)表5に示した面積の異
なるNb薄板BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例19と同様にして成膜し、Nbがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。
【0063】
【表5】
【0064】上記実施例19〜27及び比較例9〜11
で得られた透明導電膜につき、実施例1〜7と同様な評
価を行い、その結果を表6に示した。
【0065】
【表6】
【0066】(実施例28〜35)ターゲットAとし
て、直径が5インチの円板状で表面積が125cm2
不純物を全く含まないZnOを取り付け、図3及び4に
示すように、表7に示した所定の面積を有するMo薄板
(厚さ2mm)BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例10と同様にして成膜し、Moがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。但し、実施例35につ
いては、基材Cとして表面にシリコン系樹脂のハードコ
ート被膜(3.7μm)が積層されたポリカーボネート
板(三菱ガス化学社製「MR−3」、サイズ80×30
×1mm)を使用した。
【0067】(比較例12〜14)表7に示した面積の
異なるMo薄板BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例28と同様にして成膜し、Moがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。
【0068】
【表7】
【0069】上記実施例28〜35及び比較例12〜1
4で得られた透明導電膜につき、実施例1〜7と同様な
評価を行い、その結果を表8に示した。
【0070】
【表8】
【0071】(実施例36〜43)ターゲットAとし
て、直径が5インチの円板状で表面積が125cm2
不純物を全く含まないZnOを取り付け、図3及び4に
示すように、表9に示した所定の面積を有するW薄板
(厚さ2mm)BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例10と同様にして成膜し、Wがドープされた
ZnO透明導電膜を形成した。但し、実施例43につい
ては、基材Cとして表面にシリコン系樹脂のハードコー
ト被膜(3.7μm)が積層されたポリカーボネート板
(三菱ガス化学社製「MR−3」、サイズ80×30×
1mm)を使用した。
【0072】(実施例44)ターゲットAとして、直径
が5インチの円板状で表面積が125cm2 、2重量%
のSiO2 を含有するZnOを使用したこと以外は、実
施例36と同様にして成膜し、WとSiとがドープされ
たZnO透明導電膜を形成した。
【0073】(比較例15〜17)表9に示した面積の
異なるW薄板BをターゲットA上に配置したこと以外
は、実施例36と同様にして成膜し、Wがドープされた
ZnO透明導電膜を形成した。
【0074】
【表9】
【0075】上記実施例36〜44及び比較例15〜1
7で得られた透明導電膜につき、実施例1〜7と同様な
評価を行い、その結果を表10に示した。
【0076】
【表10】
【0077】
【発明の効果】本発明の透明導電膜の構成は、上述の通
りであり、周期律表VB族又はVIB族の元素がドープさ
れた酸化亜鉛膜から形成されることにより、高温高湿下
で使用しても電気抵抗値の経時変化が小さく優れた信頼
性を有する。
【0078】本発明2の透明導電膜の製造方法は、上述
の通りであり、ターゲットとして酸化亜鉛を使用し、タ
ーゲットBとして周期律表VB族又はVIB族の元素の酸
化物を使用し、各ターゲットに異なる高周波電力を投入
してスパッタリングすることにより、透明導電膜中にお
けるVB族又はVIB族の元素の量を制御することがで
き、高温高湿下で使用しても電気抵抗値の経時変化が小
さく優れた信頼性を有する透明導電膜を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用される多元同時スパッタ
リング装置を示す概要図である。
【図2】図2は、本発明で使用される高周波スパッタリ
ング装置を示す概要図である。
【図3】図3は、本発明で使用されるターゲットAの構
成を示す側面である。
【図4】図4は、本発明で使用されるターゲットAの構
成を示す上面図である。
【符号の説明】
A,B ターゲット C 基材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期律表VB族又はVIB族の元素がドープ
    された酸化亜鉛からなり、該元素を元素原子と亜鉛原子
    との合計原子数に対して0.1〜10原子%含有する透
    明導電膜が基材上に積層されていることを特徴とする透
    明導電体。
  2. 【請求項2】酸化亜鉛(ZnO)ターゲットと周期律表
    VB族又はVIB族の元素の酸化物ターゲットに、別々の
    高周波電力を投入して二元同時スパッタリングにより、
    基材上に上記元素がドープされた酸化亜鉛(ZnO)か
    らなる透明導電膜を形成する際に、上記元素の酸化物タ
    ーゲットに投入するターゲット単位面積当たりの高周波
    電力を、酸化亜鉛(ZnO)に投入するターゲット単位
    面積当たりの高周波電力の1/20倍〜1/3倍とする
    ことを特徴とする請求項1記載の透明導電体の製造方
    法。
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