JPH08507212A - 突然変異型タンパク質並びにそれを製造及び用いるための方法及び物質 - Google Patents

突然変異型タンパク質並びにそれを製造及び用いるための方法及び物質

Info

Publication number
JPH08507212A
JPH08507212A JP6519333A JP51933394A JPH08507212A JP H08507212 A JPH08507212 A JP H08507212A JP 6519333 A JP6519333 A JP 6519333A JP 51933394 A JP51933394 A JP 51933394A JP H08507212 A JPH08507212 A JP H08507212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crp
mutant
protein
amino acid
mutant protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6519333A
Other languages
English (en)
Inventor
ローレンス エイ ポテンパ
ハンス エイチ リアウ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Immtech International Inc
Original Assignee
Immtech International Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Immtech International Inc filed Critical Immtech International Inc
Publication of JPH08507212A publication Critical patent/JPH08507212A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4737C-reactive protein
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、非突然変異型C反応性タンパク質(CRP)サブユニット又は非突然変異型プレCRPの少なくとも1のアミノ酸が欠失しているか、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPの少なくとも1のアミノ酸が他のアミノ酸により置換されているか、少なくとも1のアミノ酸が非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPに付加しているか、又はかかる変換の組み合わせがなされていることを除いて、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPと同じアミノ酸配列を有する突然変異型タンパク質を提供する。付加、欠失及び/又は置換されるアミノ酸は、突然変異型タンパク質がその非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPよりも共有結合で架橋した凝集塊をあまり形成しそうにないように選ばれる。この突然変異型タンパク質も修飾CRPの少なくとも1の生物活性を示す。本発明は、本発明の突然変異型タンパク質をコードするDNA分子、該突然変異型タンパク質の発現のためのベクター、該突然変異型タンパク質を発現できるように形質変換された宿主細胞、及び該形質転換宿主細胞を培養することを含む本発明の突然変異型タンパク質を製造する方法も提供する。最後に、本発明は、該突然変異型タンパク質を使用するための方法及物質を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 突然変異型タンパク質並びにそれを製造 及び用いるための方法及び物質 発明の分野 この発明は、修飾C反応性タンパク質の少なくとも1の生物活性を有する突然 変異型タンパク質及び該突然変異型タンパク質を組換えDNA法により製造する ための方法及び物質に関する。本発明は、該突然変異型タンパク質を用いるため の方法及び物質にも関する。発明の背景 C反応性タンパク質は、急性病患者からの血清が肺炎レンサ球菌の細胞壁のC ポリサッカライドと一緒に沈殿することを観察したTillett及びFrancis[J.Exp .Med.,52,561-71(1930)]により最初に記載された。その後、他の人達がこ の反応性血清因子をタンパク質として同定したことから“C反応性タンパク質” と名付けられた。 C反応性タンパク質(CRP)は肝臓で合成され、血清中でのその濃度は、急 性期反応の間に1,000倍にも増加し得る。Gewurzら,Adv.Int.Med.,27, 345-372(1982);Kushner,Ann.N.Y.Acad.Sci.,389,39-48(1982);Pepy sら,Adv.Immunol.,34,141-212(1983)を参照のこと。急性期反応における CRPの正確な役割は知られていないが、宿主防御において重要な部分を演じて いると考えられる。例えば、次の事柄が報告されている:(1)CRPはホスホ リルコリンに結合するが、これは露出したホスホリルコリン基を有する微生物及 び損傷した組織のためのオプソニンとしてのCRPについての役割を示唆してい る;(2)CRPはクロマチンに結合するが、これはCRPが細胞溶解により放 出されたクロマチンを捕捉するように働き得ることを示唆している;(3)CR Pは血小板活性化因子を中和するが、これはCRPが血小板及び好中球活性の調 節物質として機能し得ることを示唆している;及び(4)一定の他の分子又はリ ポソームと複合化したCRPは補体を活性化するが、これはCRPが補体カスケ ード の引き金を引き得ることを示唆している。Kaplanら,J.Immunol.,112,2135-21 47(1974);Volanakisら,J.Immunol.,113,9-17(1974);Siegelら,J.Ex p.Med.,140,631-47(1974);Siegelら,J.Exp.Med.,142,709-21(1975 );Moldら,J.Exp.Med.,154,1703-1708(1981);Narkatesら,Proc.N.Y .Acad.Sci.,389,172-182(1982);Nakayamaら,Clin.Exp.Immunol.,54 ,319-326(1983);Robeyら,J.Biol.Chem.,259,7311-7316(1984);Robe yら,J.Exp.Med.,161,1344-56(1985);Vigo,J.Biol.Chem.,260,3418 -3422(1985);Shephardら,Clin.Exp.Immunol.,63,718-27(1986);Horo witsら,J.Immunol.,138,2598-2603(1987);Tatsumiら,Clinica Chimica Acta,172,85-92(1988);DuClosら,J.Immunol.,141,4266-4260(1988) ;DuClosら,J.Immunol.,146,1220-1225(1991);Xiaら,FASEB J.,6,134 4a(1992)を参照のこと。 CRPは、それぞれが約23,500の分子量を有する5つの同一のサブユニ ットからなる五量体である。このCRPの五量体型は、ときどき“天然CRP” といわれる。 1983年頃に“修飾CRP”又は“mCRP”といわれるCRPのもう一つ の型が発見された。修飾CRPは、天然CRPと比べて有意に相違する電荷、大 きさ、溶解性及び抗原性を有する。Potempaら,Mol.Immunol.,20,1165-75(1 983)。修飾CRPは、結合性においても天然CRPと相違する;例えば、mC RPはホスホリルコリンに結合しない。同文献;Chudwinら,J.AllergyClin.I mmunol.,77,216a(1986)。最後に、mCRPは、その生物活性において天然 CRPと相違する。Potempaら,Protides Biol.Fluids,34,287-290(1986) ;Potempaら,Inflammation,12,391-405(1988)を参照のこと。 mCRPの特色ある抗原性は“ネオCRP”といわれている。ネオCRP抗原 性は、 1)適当な条件(以下に記載)を用いて調製された変性CRP; 2)CRPをコードするDNAの一次翻訳産物(プレCRP);及び 3)固体表面上に固定化されたCRP 上で発現される。Potempaら,Mol.Immunol.,20,1165-75(1983); Mantzouranisら,Ped.Res.,18,260a(1984);Samolsら,Biochem.J.,227 ,759-65(1985);Chudwinら,J.Allergy Clin.Immunol.,77,216a(1986) ;Potempaら,Inflammation,12,391-405(1988)。 このネオCRP抗原性は抗体で検出することができる。例えば、ネオCRPに 特異性にした抗血清を用いることができる。Potempaら,Mol.Immunol.,24,53 1-41(1987)を参照のこと。一方、mCRPのユニークな抗原決定基は、モノク ローナル抗体で検出することができる。適するモノクローナル抗体は、1991 年1月24日に公開された公開PCT出願WO91/00872(1989年6 月27日に出願され今は放棄された米国出願第07/372,442号の一部継 続出願である1989年6月29日に出願された係属中の米国出願第07/37 4,166号に対応する)及びYingら,J.Immunol.,143,221-228(1989)、Y ingら,Immunol.,76,324-330(1992)、及びYingら,Molec.Immunol.,29,6 77-687(1992)に記載されている。 ネオCRPに対して特異性の抗血清と反応性の分子が、10〜25%の末梢血 リンパ球(主にNK及びB細胞)、80%の単球及び60%の好中球の表面上、 及び組織傷害部位で同定されている。Potempaら,FASEB J.,2,731a(1988); Brayら,Clin.Immunol.Newsletter,8,137-140(1987);Reesら,Fed.Proc .,45,263a(1986)。加えて、mCRPは単球細胞毒性の発生に影響を及ぼし 、単球の補助細胞機能を向上させ、凝集IgG誘発食細胞酸化代謝を増強し、そ して単球によるインターロイキン1、プロスタグランジンE及びリポキシゲナー ゼ産物の産生を増加することができると報告されている。Potempaら,Protides Biol.Fluids,34,287-290(1987);Chuら,Proc.Amer.Acad.Cancer Res. ,28,344a(1987);Potempaら,Proc.Amer.Acad.Cancer Res.,28,344a( 1987);Zellerら,Fed.Proc.,46,1033a(1987);Potempaら,Inflammation ,12,391-405(1988);Chuら,Proc.Amer.Acad.Cancer Res.,29,371a(1 988)。Chudwinら,J.Allergy Clin.Immunol.,77,216a(1986)は、mCR Pがグラム陽性型7F肺炎レンサ球菌で攻撃誘発されたマウスにおいて保護作用 を有し得ることを教示している。 mCRPの他の活性が発見され、一定の係属中の米国特許出願及び公開PCT 出願に記載されている。特に、mCRPは免疫複合体及び凝集イムノグロブリン に結合するので、液体から免疫複合体及び凝集イムノグロブリンを除去するのに 及び免疫複合体を定量するのに用いることができることが発見された。1988 年4月4日に出願され今は放棄された米国出願第07/176,923号の一部 継続出願である1990年10月3日に出願された係属中の米国出願第07/5 82,884号に対応する1989年10月19日に公開された公開PCT出願 WO89/09628を参照のこと。修飾CRPがウィルス感染症(1991年 11月27日に出願された係属中の米国出願第07/799,448号を参照の こと)、非レンサ球菌感染症及びエンドトキシンショック(1991年11月2 7日に出願された係属中の米国出願第07/800,508号を参照のこと)、 及び癌(1992年4月24日に出願された係属中の米国出願第07/874, 263号を参照のこと)の治療に有効であることも見出されている。 CRP及びmCRPの簡潔な委細については、Gotschlich,Ann.N.Y.Acad. Sci.,557,9-18(1989)を参照のこと。KilpatrikとVolanakis,Immunol.Res. ,10,43-53(1991)はCRPの最近の委細を提供している。 本発明より前には、mCRPは、好ましくは出発原料として精製CRPを用い て作られた。一般に、mCRPはCRPを変性することによりCRPから調製さ れた。例えば、CRPは、(1)慣用的なキレート剤(好ましくは、エチレンジ アミン四酢酸(EDTA)又はクエン酸)の存在下で有効量の尿素(好ましくは 8M)で処理するか;(2)CRPのpHを約3未満又は約11〜12より上に 調節するか;又は(3)CRPを変性させるのに十分な時間カルシウムの不存在 下で又は上に列挙したものの如きキレート剤の存在下で50℃以上に加熱するこ とにより変性することができた。尿素処理が好ましい方法である。更に、mCR Pは、固体表面上にCRPを吸着させることによりCRPから調製することがで きる。CRPから調製されるmCRPは、5つのCRPサブユニットが解離し、 次いでそれらそれぞれが自発的コンフォメーション変化を受けてmCRPを形成 することにより形成されると考えられる。Brayら,Clin.Immunol.Newsletter ,8,137-140(1987)を参照のこと。 CRPの生物学的供給源及びそれら供給源からそれを精製する方法は周知であ るが、かかる供給源からでは精製CRPは限られた量でしか得られない。従って 、CRPからはmCRPを商業的な量で製造することができなかった。 ヒト、マウス、及びウサギCRPをコードするゲノミック及びcDNAクロー ンが単離されている。Tucciら,J.Immunol.,131,2416-2419(1983);Whiteh eadら,Science,221,69-71(1983);Leiら,J.Biol.Chem.,260,13377-83 (1985);Wooら,J.Biol.Chem.,260,13384-88(1985);Huら,Biochem., 25,7834-39(1986);SamolsとHu,Protides Biol.Fluids,34,263-66(1986 );Syinら,J.Biol.Chem.,261,5473-79(1986);Cilibertoら,Nucleic A cids Res.,15,5895(1987);Huら,J.Biol.Chem.,263,1500-1504(1988 );Whiteheadら,Biochem.J.,266,283-90(1990)。五量体天然CRPを得 るには、真核宿主細胞、好ましくは哺乳動物宿主細胞を用いるべきである。Samo lsとHu,Protides Biol.Fluids,34,263-66(1986);Huら,J.Biol.Chem. ,263,1500-1504(1988)を参照のこと。かくして、組換えDNA法により天然 CRPを大量に製造してから、上記のようにしてmCRPに転化できよう。しか しながら、mCRP又はmCRPの生物活性を有する分子を組換えDNA法によ り製造する直接法を持つことが便利であろう。 上述のように、CRPmRNAの一次翻訳産物(プレCRP)がネオCRP抗 原性を発現することが分かっている。従って、mCRPは、宿主細胞内でCRP サブユニットを五量体天然CRPに組み立てないような条件を選択することによ って調製することができよう。これは、原核性宿主内でCRPゲノミック又はc DNAクローンを発現することによって達成できる。SamolsとHu,Prot.Biol. Fluids,34,263-66(1986)を参照のこと。 このようにしてmCRPを製造しようとして、本発明者らは、大腸菌内で発現 されるCRPcDNAクローンの産物が、CRPサブユニット及び/又はプレC RP及びCRP断片の凝集塊、並びにフリーのCRPサブユニット及び/又はプ レCRPからなることを発見した。このcDNA産物は極端に不溶性なので精製 に問題があることが分かった。特に、本発明者らは、これら調製物中の相当な割 合の凝集塊が共有結合の架橋により形成されていること、及びかかる架橋凝集塊 を捨てなければならず、それによって収率がかなり低下することを発見した。 従って、mCRPの生物活性を有するが、非突然変異型のそのタンパク質より も共有結合で架橋した凝集塊をあまり形成しそうにない突然変異型CRPサブユ ニット又はプレCRP分子を製造することができれば、処理及び精製をより簡単 にかつ効率的にするのに非常に望ましいであろう。本発明は、これら特徴を有す る突然変異型タンパク質を提供するものであり、これら突然変異型タンパク質は 、以下に更に詳細に説明するCRPcDNA又はゲノミッククローンの部位特異 的突然変異誘発法により製造することができる。 Agrawalら,FASEB J.,6,1427a(1992)は、CRPのホスホリルコリン結合 部位の構造決定基を探知するためにCRPcDNAクローンの部位特異的突然変 異誘発法を用いることを報告している。次の8つの突然変異型組換えCRPが調 製された:Tyr40-->Phe;Glu42-->Gln;Tyr40-->PheとGlu42-->Gln;Lys57-->Gl n;Arg58-->Gly;Lys57-->GlnとArg58-->Gly;Trp67-->Lys;及びLys57-->Glnと Arg58-->GlyとTrp67-->Lys。この著者は、Trp67はCRPのホスホリルコリン結 合部位の構造にとって臨界的であり、Lys57及びArg58もこの結合部位の形成に関 係しており、そしてテトラペプチド39-Phe-Tyr-Thr-Glnはこの結合部位の形成に 僅かしか又は何の役割も有していないと結論した。発明の要旨 本発明は、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPの少 なくとも1のアミノ酸が欠失しているか、非突然変異型CRPサブユニット又は 非突然変異型プレCRPの少なくとも1のアミノ酸が他のアミノ酸により置換さ れているか、少なくとも1のアミノ酸が非突然変異型CRPサブユニット又は非 突然変異型プレCRPに付加しているか、又はかかる変換の組み合わせがなされ ていることを除いて、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレC RPと同じアミノ酸配列を有する突然変異型タンパク質を提供する。付加、欠失 及び/又は置換されるアミノ酸は、この突然変異型タンパク質がその非突然変異 型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPよりも共有結合で架橋した凝 集塊をあまり形成しそうにないように選ばれる。この突然変異型タンパク質もm CRPの少なくとも1の生物活性を示す。 本発明は、更に、本発明の突然変異型タンパク質をコードするDNA分子及び 該突然変異型タンパク質の発現のためのベクターを提供する。このベクターは、 発現制御配列に発効的に連結した本発明の突然変異型タンパク質をコードするD NA配列を含む。 本発明の突然変異型タンパク質をコードするDNAを含有するように形質変換 された宿主細胞も提供する。本突然変異型タンパク質をコードするこのDNAは 、発現制御配列に発効的に連結している。 本発明は、更に、本発明の突然変異型タンパク質を製造する方法を提供する。 この方法は、突然変異型タンパク質をコードするDNAを含有するように形質変 換された宿主細胞を培養することを含む。本突然変異型タンパク質をコードする DNAは、発現制御配列に発効的に連結している。この培養は、本突然変異型タ ンパク質を発現できる条件下で起こる。 本発明は、本発明の突然変異型タンパク質を用いる方法も提供する。特に、本 発明の突然変異型タンパク質は、mCRPの少なくとも1の生物活性を有するで あろうから、mCRPが用いられる場合に用いることができる。例えば、本発明 の突然変異型タンパク質は、凝集イムノグロブリン及び免疫複合体に結合する。 従って、それらを、mCRPのように、液体から凝集イムノグロブリン及び免疫 複合体を除去するのに、免疫複合体を定量するのに、及びそうすることを必要と する哺乳動物中の免疫複合体のレベルを低下させるのに用いることができる。本 発明の突然変異型タンパク質は、ウィルス感染症、細菌感染症、エンドトキシン ショック及び癌を治療するのに用いることもできる。 本発明は、更に、液体から凝集イムノグロブリン及び免疫複合体を除去する装 置を提供する。この装置は、本発明の突然変異型タンパク質が結合している固体 表面を含む。この装置は、液体がこの固体表面に接触できるようにその固体表面 を包む手段も含む。 本発明は、免疫複合体を定量するキットも提供する。このキットは、本発明の 突然変異型タンパク質の1種の容器を含む。 最後に、本発明は、本発明の突然変異型タンパク質を薬学的に許容できるキャ リヤーと共に含む治療用組成物及び哺乳動物内の免疫複合体又は癌細胞の検出が 可能なように標識された本発明の突然変異型タンパク質を含む造影剤を提供する 。図面の簡単な説明 図1Aは、本発明の突然変異型タンパク質を製造するために用いた一連のポリ メラーゼ連鎖反応の図解である。 図1Bは、プラスミドpIT4の制限酵素地図である。 図2A及び2Bは、プラスミドpIT3の調製を説明するものである。 図3A〜Dは、Q-Sepharose Fast FlowR(Pharmacia)カラムでクロマトグラ フィーに付した物質の溶離プロフィールである。図3Aは天然CRPであり、図 3BはmCRPであり、図3Cは野生型組換えCRPであり、そして図3Dは本 発明による突然変異型タンパク質である。 図4は、クマシーブルーで染色したPhastGelRSDS−PAGEゲル(Pharmac ia)である。 図5A〜Bは、野生型組換えCRP上での天然CRP及びmCRP抗原決定基 の存在を検出するためのELISA検査の結果のグラフである。 図5C〜Dは、その両方ともをQ-Sepharose Fast FlowRカラムに通すことによ って精製した野生型組換えCRP及び本発明による突然変異型タンパク質上での mCRP抗原決定基の存在を検出するためのELISA検査の結果のグラフであ る。 図6A〜Bは、凝集IgG及び単量体IgGへの結合を検出するためのELI SA検査の結果のグラフである。現時点で好ましい態様の詳細な説明 本発明の突然変異型タンパク質は、非突然変異型CRPサブユニット又は非突 然変異型プレCRPに比較して、付加、欠失又は置換した少なくと1のアミノ酸 を有する。しかしながら、本突然変異型タンパク質は、非突然変異型CRPサブ ユニット又は非突然変異型プレCRPに比較して、幾つかのアミノ酸変換を有す る。例えば、本突然変異型タンパク質は、非突然変異型CRPサブユニット又は プレCRPに比較して、幾つかの付加アミノ酸、幾つかの欠失アミノ酸、幾つか の置換アミノ酸、又は付加、欠失若しくは置換アミノ酸の組み合わせを有するこ とができる。 付加、欠失及び/又は置換したアミノ酸は、本突然変異型タンパク質が、その 非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPよりも共有結合で 架橋した凝集塊をあまり形成しそうにないように選ばれる。適するアミノ酸変換 には、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRP中の少なく とも1のシステイン、好ましくは全てのシステインの欠失又は置換が含まれる。 CRPサブユニットは2のシステインを含有しそしてプレCRPは3のシステイ ンを含有するので、これらシステインの幾つかが分子間ジスルフィド結合を形成 し、それによって共有結合で架橋した凝集塊の形成に寄与すると考えられる。従 って、これらシステインの一方又は好ましくは両方を欠失又は置換するのが望ま しい。システインを他のアミノ酸と置換するときには、それらを好ましくはグリ シン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン又はメ チオニンと置換するが、あらゆるアミノ酸を用いることができる。最も好ましい のはアラニンとの置換である。 リシン及び誘導化リシン残基も、分子間共有架橋結合に寄与し得る。従って、 適するアミノ酸変換には、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プ レCRP中の少なくとも1のリシンの欠失又は置換も含まれ得る。 それらにおけるアミノ酸変換の結果として、本発明の突然変異型タンパク質は 、非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPよりも精製がよ り容易となり、収率もずっと高くなる。また、最終生成物は、非突然変異型CR Pサブユニット又は非突然変異型プレCRPで得られるものよりもずっと純粋で あり、凝集塊及び断片もずっと少なくなる(例えば、実施例1を参照のこと)。 全ての変換を組み合わせた効果で分子間共有架橋結合が少なくなる限り、必ず しも全てのアミノ酸付加、欠失及び置換が、共有結合で架橋した凝集塊を形成す る可能性を少なくするのに寄与する必要なない。例えば、本突然変異型タンパク 質を製造するために用いられる組換えDNA操作で、CRPサブユニットのアミ ノ又はカルボキシ末端においてアミノ酸が付加されてもよい。これは、これらア ミノ酸が共有結合で架橋した凝集塊の生成に寄与しない限り許容できる(例えば 、 実施例1を参照のこと)。加えて、幾つかのアミノ酸変換を他の目的のために行 ってもよい。例えば、生成する突然変異型タンパク質の水性媒質中での溶解性を 増すアミノ酸変換を行うのが望ましい。というのは、より可溶性の突然変異型タ ンパク質は精製及び処理がより容易だからである。溶解性を増すのに適するアミ ノ酸変換には、1又は2以上の疎水性アミノ酸を欠失すること、1又は2以上の 疎水性アミノ酸を荷電アミノ酸と置換すること、1又は2以上の荷電アミノ酸を 付加すること、又はこれら変換の組み合わせが含まれる。しかしながら、上述の 理由から、リシン残基の付加は避けるのが望ましいといえる。水性媒質には、水 、食塩水、緩衝液、培地、及び体液が含まれる。 本発明の突然変異型タンパク質は、mCRPの少なくとも1の生物活性も示す 。ここで用いる場合“生物活性”とはmCRPの物理的及び化学的特性以外の特 性をいう。mCRPの生物活性には、凝集イムノグロブリン及び免疫複合体に結 合するその能力が含まれ、この能力が液体(抗体試薬又は体液の如きもの)から 凝集イムノグロブリン及び免疫複合体を除去するのに、及びそうすることを必要 とする哺乳動物中の免疫複合体のレベルを低下させるのにmCRPを用いるのを 可能にする。mCRPの生物活性には、ウィルス感染症、細菌感染症、エンドト キシンショック及び癌の治療におけるその有効性も含まれる。 例えば、本発明の突然変異型タンパク質が凝集イムノグロブリン及び免疫複合 体に結合できることが分かった。凝集イムノグロブリン又は免疫複合体の結合は 、凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を含有する液体に突然変異型タンパク質 を直接添加することによっても、突然変異型タンパク質をまず固体支持体上に固 定化してから凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を含有する液体に接触させて も達成することができる。本突然変異型タンパク質を固体支持体上に結合させる 場合、診断検査に用いるときには液体を固定化突然変異型タンパク質上で静的に インキュベートしてよく、又治療のために用いて体液中の免疫複合体に結合させ るときには液体を体外装置中の固定化突然変異型タンパク質中に起動的に通して もよい。 本発明で用いるのに適する固体支持体物質は、アガロースを基剤とする樹脂、 ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスルホ ン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ラテックス、デキ ストラン、ガラス、ナイロン、ポリビニルアルコール、ゲル、粘土、セルロース 誘導体、及び他のあらゆる疎水性又は親水性ポリマー物質でできていてもよい。 この固体支持体は、カラムで用いるためのビーズの形であっても、マイクロタイ タープレートのウェルの形であっても、ホローファイバー膜の形であっても、又 は以下に説明するような他の形をとってもよい。カラム及び固相物質は、合衆国 内ではBio Rad Laboratories(Richmond,CA);Pierce Chemical Co.(Rockfor d,IL);Pall Biosupport(Glen Cove,NY);Micro Membranes(Newark,NJ) ;Pharmacia Fine Chemicals(Uppsala,Sweden);及びその他から市販されて いる。 本突然変異型タンパク質は、固体支持体への共有結合により固定化されていて も非共有結合により固定化されていてもよい。固体支持体上にタンパク質を固定 化する方法は当該技術分野で周知である。例えば、突然変異型タンパク質を固体 支持体と共に単にインキュベートして突然変異型タンパク質を吸着させることに よって固体支持体上に固定化することができる。 本突然変異型タンパク質への凝集イムノグロブリン又は免疫複合体の結合が最 大となるのを確保するために、結合剤を用いてポリマー物質への突然変異型タン パク質の結合を確実にしてもよい。本突然変異型タンパク質を結合剤でポリマー 物質の表面上に非共有結合で固定化しても共有結合で固定化してもよい。この発 明の目的のためには、結合剤は、突然変異型タンパク質を添加する前に、ポリマ ー固体表面の一部として組み入れられるか、又はポリマー固体表面上に誘導化さ れる。これら結合剤は慣用的なものであって、それらには、ジイミドエステル、 カルボジイミド、過ヨウ素酸塩、アルキルハライド、ジメチルピメリミデート及 びジマレイミドが含まれる[Blait,A.H.とGhose,T.I.,J.Immunol.Methods ,59:129(1983);Blair,A.H.とGhose,T.I.,Cancer Res.,41:2700(1981 );Gauthierら,J.Expr.Med.,156:766-777(1982)を参照のこと]。 結合剤への本突然変異型タンパク質の結合には、一般に、タンパク質アミノ酸 R基の事前修飾又は架橋剤又はその両方を要する。かかる修飾は、R基を選択的 に活性化(例えば、カルボジイミド−O−アシル尿素;アスパラギン酸、グルタ ミン酸、及びC末端カルボキシ残基での中間体形成)して、適切な利用可能結合 剤の官能基(カルボジイミドの場合にはアミノ基)と反応できるようにするのに 役立ち得る。修飾には、リシンε−アミノ残基上にピリジルジチオ基を導入する 新たな反応性部分(例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ )−プロピオネート)の導入も含まれ得る。これは、タンパク質と結合剤の間の ジスルフィド結合形成を可能にする。ある場合には、興味の対象であるタンパク 質R基と結合剤の間に橋を形成する二官能性カップリング試薬を用いる。 本突然変異型タンパク質は、研究のために、治療手順において、又は診断試験 において用いられる液体、例えば、モノクローナル抗体、抗血清、誘導化試薬、 静脈内γグロブリン、又は単離血液成分を含有する溶液から、凝集イムノグロブ リン又は免疫複合体を除去するのに用いることができる。かかる液体中での凝集 イムノグロブリンの存在は、補体を不活性化するための抗血清の熱処理の如きこ れら液体を作るのに用いられる加工工程からして考え得ることである。かかる液 体から凝集又は複合化イムノグロブリンを除去するために、本突然変異型タンパ ク質を固体支持体上に結合させることができる。適する固体支持体は上記したも のであり、本突然変異型タンパク質をそれらに上記のようにして結合させる。ま た、凝集又は複合化イムノグロブリンを除去するために、本突然変異型タンパク 質をかかる液体に直接添加してもよい。 本発明の突然変異型タンパク質を用いて、体液を本突然変異型タンパク質と接 触させることにより、全血又は血漿の如き体液から免疫複合体を除去することも できる。本突然変異型タンパク質を体液に直接添加しても、固体支持体上に固定 化してから体液と接触させてもよい。適する固体支持体は上記したものであり、 本突然変異型タンパク質をそれらに上記のようにして結合させる。 癌、自己免疫疾患、関節炎、及び感染症の如き疾患では高レベルの免疫複合体 がなかなか解消しないことがあり得る。血行中での免疫複合体の継続的存在及び それらの組織内への堆積は、免疫系機能の弱体化及び炎症性異常の一因となる。 従って、免疫複合体のレベルを低下させるのは有益な筈である。Theofilopoulos ら,Adv.Immunol.,28,90-220(1979);Theofilopoulosら,Immnodiaqnostic s of Cancer,p.896(1979)を参照のこと。 かかる治療用途のために、本突然変異型タンパク質で被覆された固体支持体を 有する体外装置に血液、血漿又は他の液体を通すことにより、本突然変異型タン パク質を体液と接触させてもよい。この装置は、固体支持体に結合した本突然変 異型タンパク質に液体が接触できるように固体支持体を包む手段も有するであろ う。血液、血漿又は他の液体は起動的にこの装置を循環して、そこに含有される 免疫複合体が結合し、例えば、慣用的な血漿交換法や血液透析法におけるように 除去される。液体は、血液置換治療の必要がなければ身体に戻され得る。 この体外装置の固体支持体及び包み込み手段は、どのような生体適合性物質で できていてもよい。例えば、固体支持体は、本突然変異型タンパク質で被覆され た膜表面であっても、アガロースを基剤とするビーズであっても、ホローファイ バーであってもよい。体外装置は、ビーズを詰めたカラムであってもホローファ イバー膜を包むシリンダーであってもよい。この装置は、液体をこの装置に通し て患者に戻すため及び空気が系に入り込むのを阻止するために、この装置を患者 及びポンプに繋ぐのに適切なチュービングも含むことができる。特に、慣用的な 血漿交換装置を本発明の実施に用いることができ、それは、本突然変異型タンパ ク質を固定化した固体支持体を含有できるようにそれらに手を加えることによっ てできる。例えば、慣用的な血漿交換装置を記載しているRandersonら,Art.Or gans,6,43-49(1982);Smithら,Cleve.Clin.Q.,51,135-142(1984);N ilssonら,Plasma Ther.Transfus.Technol.,5,127-134(1984);Nilssonら ,Affinity Adsorption of Inhibitorsにおけるpp.223-241(Hoyer編,1984);O pportunities In The Oncology Marketplaceで提出されたLiberti,“Developme nt Of A Universal Immune Specific Filtration Device(Blood Filter),”; Mittelmanら,Seminars in Hematology,26,15-18(1989);1984年2月2 1日に発行された米国特許第4,432,871号;1985年11月5日に発行 された米国特許第4,551,435号;1986年9月30日に発行した米国特 許第4,614,513号を参照のこと。 この装置は、治療用途のためには滅菌されていなくてはならない。滅菌は、ス チーム、熱、酸化エチレンでのパージング又は照射の如き慣用的な方法で行うこ とができる。 本発明は、免疫複合体を検出又は定量する方法であって、該免疫複合体を本発 明の突然変異型タンパク質に、該免疫複合体が該突然変異型タンパク質に結合す るように接触させることを含む方法も包含する。本突然変異型タンパク質を、免 疫複合体を含有する液体に直接添加して、該液体中の免疫複合体を検出又は定量 することができる。また、本突然変異型タンパク質を固体支持体上に固定化して からそれを免疫複合体を含有する液体に接触させてもよい。本突然変異型タンパ ク質をその上に免疫複合体を有する細胞又は組織サンプルに直接添加してもよく 、また標識した突然変異型タンパク質を哺乳動物に注射して、免疫複合体が見出 される炎症領域の如き哺乳動物の身体の領域にそれを局在化させてもよい。 適する固体支持体物質は上記したものであり、突然変異型タンパク質をそれら に上記のようにして固定化される。診断検査用では、適する固体支持体には、免 疫検査に慣用的に用いられるものが含まれる。例えば、この固体支持体は、試験 管、マイクロタイタープレートのウェル、ラテックスビーズ、ガラスビーズ、そ の他のビーズ、濾紙、ガラスファイバー製濾紙、又は、例えば、ポリカーボネー ト、ポリスルホン又はラテックス製のディップスティックであってもよい。 免疫複合体を検出又は定量するには、標識突然変異型タンパク質を用いること ができる。本発明で有用な標識は、酵素、蛍光、生物発光、化学発光、及び放射 性標識及びビオチンの如き当該技術分野で公知のものである。 また、免疫複合体は、慣用的な免疫検査法を用いて、免疫複合体に結合する標 識成分を添加することにより検出又は定量することができる。適する標識成分に は、免疫検査で用いられる慣用的な試薬が含まれる。例えば、免疫複合体中のイ ムノグロブリン又は抗原に対する標識抗体が用いられよう。さもなければイムノ グロブリンのFc部分に結合する標識プロテインAが用いられよう。用いられる 標識は上記したものである。 適する慣用的な免疫検査法には、凝集検査法、放射性免疫検査法、酵素免疫検 査法及び蛍光検査法が含まれる。例えば、本突然変異型タンパク質を、凝集検査 に用いるためにラテックスビーズ上に被覆しても、定量的又は半定量的免疫検査 に用いるためにディップスティック上に被覆してもよい。酵素結合免疫吸着検査 法(EIA)が好ましい。というのは、それらは免疫複合体のレベルの感度のよ い定量手段を提供するからである。一般に、観察可能な特性変化をもたらすあら ゆる免疫検査法を用いることができる。 試薬の比濃度、インキュベーションの温度及び時間、並びに他の検査条件は、 検査が免疫複合体の検出に用いらようと定量に用いられようと、サンプル中の免 疫複合体の濃度、サンプルの性質等の如き要因に依存して変動してもよい。当業 者は、日常的な実験を用いながら各測定について有効で最適な条件を決めること ができるよう。哺乳動物からの体液は普通は一定の免疫複合体を含有しているの で、哺乳動物からの試験サンプル中の免疫複合体のレベルの比較は、疾患状態の 指標となる免疫複合体のレベルを同定するには、正常体に見出されるレベルに対 してなされなければならないだろう。 免疫複合体を検出又は定量するための試験キットも本発明の一部である。この キットは、突然変異型タンパク質の溶液又は固体支持体に付着した突然変異型タ ンパク質を保持する容器を含む。これら固体支持体は上記したタイプのものであ り、突然変異型タンパク質を上記の通りに付着させる。かくして、その容器は、 突然変異型タンパク質の溶液を保持するボトル、保護パッケージ内に包まれた突 然変異型タンパク質で被覆されたディップスティック、突然変異型タンパク質で 被覆されたラテックスビーズを保持するボトル、又は突然変異型タンパク質でウ ェルが被覆されたマイクロタイタープレートとなろう。 本突然変異型タンパク質は、それを免疫複合体の検出又は定量に用いる場合は 標識されてもよい。また、このキットは、更に、免疫複合体に又は本突然変異型 タンパク質に結合することによって免疫複合体の検出又は定量を可能にする標識 成分を保持する容器を含むことができる。適する標識成分は上記したものである 。 本発明の突然変異型タンパク質は、哺乳動物に投与して該哺乳動物中の免疫複 合体のレベルを低下させることができる。免疫複合体を含有する哺乳動物の体液 中に本突然変異型タンパク質を導入すると、可溶性免疫複合体の物理的サイズが より大きく成長して沈殿する(溶液からの沈降)か又は食細胞によるそれらの除 去が促進されるように修飾されるだろう。哺乳動物中の免疫複合体のレベルを低 下させるには、有効量の突然変異型タンパク質を、注射、好ましくは静脈内注射 によって該哺乳動物に投与する。 本発明の突然変異型タンパク質を用いてウィルス感染症を治療することもでき る。それらを用いてレトロウィルス科の感染症の如きあらゆるタイプのウィルス 感染症を治療することができる。レトロウィルス科は、3つの亜科、つまりオン コウィルス亜科、スプマウィルス亜科及びレンチウィルス亜科を含む球状の外膜 があるRNAウィルスの科である。Hullら,Virology:Directory & Dictionary of Animal,Bacterial and Plant Viruses,p.191(Stockton Press 1989)。 複製は、宿主の染色体DNA内に取り込まれるDNAへのウィルスRNAの逆転 写で始まる。同文献。内因性オンコウィルスは脊椎動物の間に広く存在しており 、多くの疾患と関係している。同文献。レンチウィルスにはHIV−1及びSI Vが含まれる。Fauci,Science,239,617-622(1988)。 哺乳動物のウィルス感染症を治療するには、有効量の突然変異型タンパク質を 該哺乳動物に投与する。好ましくは、感染症があまりに重くならないうちに突然 変異型タンパク質を哺乳動物に投与する。最も好ましくは、ウィルス感染症の最 初の徴候で本突然変異型タンパク質を投与するか又はウィルス感染症にかかる恐 れのある哺乳動物に予防的に投与する。例えば、HIV−1若しくは肝炎ウィル スの如きウィルスで汚染された血液を輸血される血友病患者又は外科患者に本突 然変異型タンパク質を予防的に投与してもよい。もちろん、既にウィルス感染症 にかかった哺乳動物に突然変異型タンパク質を投与してもよい。 本突然変異型タンパク質は、一般に、ウィルス感染症にかかっている哺乳動物 に注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内)により投与されるであろう。 好ましくは静脈内注射が用いられる。本突然変異型タンパク質を液体で注射して もリポソーム内に封入してもよい。また、本突然変異型タンパク質を、例えば、 創傷部位又は他の感染部位に局所適用してもよい。最後に、本突然変異型タンパ ク質をスプレーによって投与して呼吸器系感染症を治療するのも可能な筈である 。 本発明の突然変異型タンパク質は、細菌感染症、特にグラム陰性菌感染症、及 びエンドトキシンショックを治療するのにも用いることができる。エンドトキシ ンは、敗血症及びグラム陰性菌血症において多くの全身有害作用及び重い後遺症 を引き起こすグラム陰性菌の外膜のリポポリサッカライド成分である。 哺乳動物の細菌感染症又はエンドトキシンショックを治療するには、有効量の 突然変異型タンパク質を該哺乳動物に投与する。好ましくは、細菌感染症があま りに重くならないうちに及び敗血症性ショック又はエンドトキシンショックが発 症する前に本突然変異型タンパク質を哺乳動物に投与する。最も好ましくは、細 菌感染症の最初の徴候で本突然変異型タンパク質を投与するか又は細菌感染症に かかる恐れのある哺乳動物に予防的に投与する。例えば、突然変異型タンパク質 を外科患者又は細菌感染症にかかる恐れのある集中治療中の患者に予防的に投与 してもよい。もちろん、既に細菌感染症にかかっているか又は既に敗血症性ショ ック若しくはエンドトキシンショックにかかっている哺乳動物に本突然変異型タ ンパク質を投与してもよい。 本突然変異型タンパク質は、一般に、細菌感染症又はエンドトキシンショック にかかっている哺乳動物に注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内)によ り投与されるであろう。好ましくは静脈内注射により投与される。本突然変異型 タンパク質を液体で投与してもリポソーム内に封入してもよい。また、本突然変 異型タンパク質を、例えば、創傷部位又は他の感染部位に局所適用してもよく、 本突然変異型タンパク質をスプレーによって投与して呼吸器系感染症を治療する のも可能な筈である。 最後に、本発明の突然変異型タンパク質を用いて癌を治療することができる。 本発明の突然変異型タンパク質を用いて、腺癌、リンパ腫、線維肉腫、及び白血 病を含むがこれらに限定されない種々の癌を治療すること及び転移を抑えること を意図している。哺乳動物中での癌細胞の存在が最初に検出されたときに本突然 変異型タンパク質をその哺乳動物に投与すべきである。 癌の治療には、本突然変異型タンパク質を哺乳動物に好ましくは注射(例えば 、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内)により投与する。本突然変異型タンパク質を 液体で投与してもリポソーム内に封入してもよい。 治療のために哺乳動物に投与されなければならない突然変異型タンパク質の投 与量は、該突然変異型タンパク質を投与される哺乳動物、該突然変異型タンパク 質を投与する理由(例えば、免疫複合体のレベルを低下させるため、ウィルス感 染症を治療するため、細菌感染症を治療するため、エンドトキシンショックを治 療するため、癌を治療するため)、哺乳動物の症状の重さ、投与ルート、及び哺 乳動物に投与される他の何らかの薬剤の個性に依存して変動するであろうことは 当業者に理解される。1回投与を越えて本突然変異型タンパク質を投与する必要 があり得ることも理解される。 本突然変異型タンパク質の投与の有効量及びスケジュールは経験的に決めるこ とができ、かかる決定は当該技術分野の熟練に属する。体重1kg当たり約5μ g〜約150mg、好ましくは1kg当たり約100μg〜約20mgの量の突 然変異型タンパク質が、免疫複合体のレベルを低下させるのに、ウィルス感染症 を治療するのに、細菌感染症を治療するのに、エンドトキシンショックを治療す るのに又は癌を治療するのに有効であろう。癌を治療するには、投与量は、最も 好ましくは1kg当たり約2mg〜約10mgである。一般に、細菌感染症又は エンドトキシンショックを治療するには1回の投与で十分である。免疫複合体の レベルの低下、ウィルス感染症の治療及び癌の治療には、多数回投与が一般に必 要であろう。多数回投与が必要な場合には、投与と投与の間隔は、好ましくは約 1日〜約7日である。癌を治療するには、最も好ましくは、約1日〜約3日離し て多数回投与が行われる。突然変異型タンパク質の投与は、免疫複合体のレベル が正常に戻るまで又は健康が元に戻るまでその哺乳動物に対して継続すべきであ る。 本突然変異型タンパク質は、薬学的に許容できるキャリヤー中で哺乳動物に投 与される。薬学的に許容できるキャリヤーは周知である。例えば、本発明の突然 変異型タンパク質の投与に適するキャリヤーには、水、食塩水及び緩衝液の如き 液体が含まれる。免疫複合体のレベルを低下させるために用いる場合を除いて、 本突然変異型タンパク質をリポソーム内に封入して投与することもできる[Deod harら,Cancer Research,42,5084-5088(1982);Thombreら,Cancer Immunol .Immunother.,16,145-150(1984);Barnaら,Cancer Research,44,305-31 0(1984)を参照のこと]。癌の治療には、本突然変異型タンパク質を好ましく はリポソーム内に封入して投与する。“リポソーム”という用語は、突然変異型 タンパク質を封入することができるあらゆる袋状又は空の小嚢状構造のことをい い、多層小嚢、単層小嚢、及び赤血球形骸を含む。リポソームを調製する方法及 びそれらの中に分子を封入する方法は当該技術分野で周知である。好ましくは、 突然変異型タンパク質を含有するリポソームは、MacDonaldら, Biochim.Biophys.Acta,1061:297-301(1991)に記載された通りに調製できる 押出品により形成される単層小嚢である。局所適用には、適切な場合には、当該 技術分野で周知のように、本突然変異型タンパク質をローション、ゲル、クリー ム等の中に混入させてもよい。許容できかつ最適なキャリヤー及び投与のルート を決めるのは当該技術分野の熟練に属する。 本突然変異型タンパク質は、哺乳動物に単独で投与しても他の薬剤と組み合わ せて投与してもよい。例えば、本突然変異型タンパク質を細菌感染症を治療する ために用いるときは抗生物質と組み合わせて用いてもよく、癌を治療するために 用いるときは他の抗癌剤と一緒に用いてもよい。本突然変異型タンパク質を投与 する有効量とスケジュール及びこれら他の薬剤は、上述のように経験的に決める ことができる。癌を治療するために突然変異型タンパク質と抗癌剤を組み合わせ て用いるときは、それらを別々に用いるときに比べて類似の量の突然変異型タン パク質と抗癌剤(50%又はそれ未満)を用いることができると考えられる。本 突然変異型タンパク質と他の薬剤を組み合わせて使用する場合のそれらについて の許容できかつ最適なキャリヤー及び投与ルートを決めるのも当該技術分野の熟 練に属する。 本突然変異型タンパク質と組み合わせて用いることができる他の抗癌剤には、 チオテパ、ブスルファン、シクロホスファミド、メトトレキセート、シタラビン 、ブレオマイシン、シスプラチン、ドキソルビシン、メルファラン、メルカプト プリン、ビンブラスチン、及び5−フルオロウラシルの如き当該技術分野で公知 の細胞毒性化学療法化合物が含まれる。他の適する化学療法化合物は、Krakoff ,CA-A Cancer Journal For Clinicians,41:264-278(1991)に列挙されている 。典型的には、細胞毒物質は、細胞の破壊及び/又はそれらの増殖の阻止に機能 するので、癌を治療するのに有用である。この他の抗癌剤は、免疫アジュバント であってもサイトカインであってもよい。“生体応答調整物質”ともいわれる免 疫アジュバント及びサイトカインは、当該技術分野で公知である。一般に、かか る分子は宿主防御メカニズムを刺激又は増進するのに有用であるので、抗癌治療 に有用である。投与することができる免疫アジュバント又はサイトカインの例に は、インターフェロン、コロニー刺激因子(CSF)、腫瘍壊死因子(TNF) 、ス テロイドの如きホルモン、及びIL−1、IL−2及びIL−6の如きインター ロイキンが含まれる。 本突然変異型タンパク質は、免疫複合体又は癌細胞をin vivoで検出するため の造影剤としても用いることができる。そうするには、標識突然変異型タンパク 質を哺乳動物に注射して、免疫複合体が堆積している(炎症の領域の如き)領域 又は癌細胞が占拠している領域に局在させることになろう。また、未標識突然変 異型タンパク質を注射してもよい。次いで、この突然変異型タンパク質に結合す る結合する標識物質を注射し、そしてこの標識物質をその突然変異型タンパク質 に、それが局在している領域で結合させる。造影剤及びそれらに適する標識を作 る方法及び使用する方法は、当該技術分野で周知である。 本発明の突然変異型タンパク質は、形質転換宿主細胞内でのそれらをコードす るDNAの発現により調製することができる。本発明による突然変異型タンパク 質をコードするDNAは、CRPゲノミック又はcDNAクローンのin vitro突 然変異誘発法により調製しても化学的に合成してもよい。 発明の背景の節で説明したように、ヒト、マウス、及びウサギCRPをコード するゲノミック及びcDNAクローンが単離されている。異なる種からのCRP のアミノ酸配列の間には大きな相同性がある。例えば、種々の哺乳動物種からの CRPの間には約50から約80%の配列相同性がある。Huら,Biochem.,25, 7834-39(1986);Whiteheadら,Biochem.J.,266,283-90(1990);Kilpatrik とVolanakis,Immunol.Res.,10,43-53(1991)。異なる種からのCRPの間 に大きな相同性があるので、他の種からのCRPをコードするゲノミック及びc DNAクローンを単離することができるプローブを容易に調製することができる 。かかるプローブを調製する方法及びゲノミック及びcDNAクローンを単離す る方法は周知である。例えば、Leiら,J.Biol.Chem.,260,13377-83(1985) ;Wooら,J.Biol.Chem.,260,13384-88(1985);Huら,Biochem.,25,7834 -39(1986);Huら,J.Biol.Chem.,263,1500-1504(1988);Whiteheadら, Biochem.J.,266,283-90(1990)を参照のこと。 公知のクローンの1つ又は新たに単離したクローンを用いて、本発明による突 然変異型タンパク質をコードするDNAを慣用的で周知のin vitro突然変異誘 発法を用いて調製することができる。特に好ましいのは、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)増幅法を用いる部位特異的突然変異誘発法である。実施例1を参照の こと。次の参考文献は、本発明の突然変異型タンパク質をコードするDNAを産 生させるのに用いることができる他の部位特異的突然変異誘発法を記載している :Current Protocools In Molecular Biology,Chapter 8,(Ansubel編.1987 );Smith & Gilliam,Genetic Engineering Principles And Methods,3,1-32 (1981);Zoller & Smith,Nucleic Acids Res.,10,6487-6500(1982);Zol lerら,Methods Enzymol.,100,468-500(1983);Zoller & Smith,DNA,3,479 -88(1984);Brakeら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,4642-46(1984);B io/Technology,pp.634-39(July 1984);Botsteinら,Science,229,1193(1 985);Kunkelら,Methods Enzymol.,154,367-82(1987)。 本発明の突然変異型タンパク質をコードするDNAは、化学合成により調製す ることもできる。特定の配列を有するDNAを化学的に合成する方法は、当該技 術分野で周知である。かかる方法には、ホスホラミダイト法(例えば、Beaucage とCaruthers,Tetrahedron Letters,22,1859(1981);MatteucciとCaruthers ,Tetrahedron Letters,21,719(1980);及びMatteucciとCaruthers,J.Ame r.Chem.Soc.,103,3185(1981)を参照のこと)及びホスホトリエステルアプ ローチ(例えば、Itoら,Nucleic Acids Res.,10,1755-69(1982)を参照のこ と)が含まれる。 本発明は、本発明による突然変異型タンパク質をコードするDNA配列を含む ベクターも包含する。このDNAコーディング配列は、このベクター内で適切な 発現制御配列に発効的に連結される。この発効的連結(operative linking)を もたらす方法は、本突然変異型タンパク質をコードするDNAをベクター内に挿 入する前であっても後であっても周知である。発現制御配列には、プロモーター 、アクチベーター、エンハンサー、オペレーター、停止シグナル、キャップシグ ナル、ポリアデニル化シグナル、及び転写の制御に関与する他のシグナルが含ま れる。 このベクターは、プロモーター及び転写終結シグナルを含有しなければならず 、これら両方はこのDNA配列に発効的に連結している、即ち、プロモーターは こ のDNA配列の上流にあって転写終結シグナルはそれから下流にある。プロモー ターは、宿主細胞内で転写活性を示す如何なるDNA配列であってもよく、アミ ラーゼ、グリコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、及び解糖酵 素の如き同種又は異種のタンパク質であって細胞外又は細胞内のタンパク質をコ ードする遺伝子から誘導することができる。また、T7RNAポリメラーゼによ り認識されるプロモーターも、その宿主もT7RNAポリメラーゼをコードする 遺伝子を含有するように処理されているなら、用いることができる。プロモータ ーは、上流又は下流にアクチベーター及びエンハンサー配列を含有してもよい。 所望により、オペレーター配列もプロモーターの下流に含まれてもよい。 しかしながら、プロモーターはいずれかの天然に存在するプロモーターと同一 でなくてもよい。それは、種々のプロモーターの部分から構成されていても、部 分的に又は完全に合成されたものであってもよい。プロモーターのデザインの手 引きは、HarleyとReynolds,Nucleic Acids Res.,15,2343-61(1987)のもの の如きプロモーター構造の研究により与えられる。また、転写開始に関するプロ モーターの位置を最適化することができる。Robertsら,Proc.Natl.Acad.Sci .USA,76,760-4(1979)を参照のこと。 本発明で用いるのに適する発現制御配列は周知である。それらには、大腸菌l ac系、大腸菌trp系、TAC系及びTRC系のもの;バクテリオファージλ の主要なオペレーター及びプロモーター領域;糸状一本鎖DNAファージの制御 領域;他の細菌の発現制御配列;サッカロミセス・セレビシエTPI、ADH、 PGK及びα因子をコードする遺伝子から誘導されるプロモーター:アスペルギ ルス・オリザエ(oryzae)TAKAアミラーゼ及びアスペルギルス・ニガーグリ コアミラーゼ、中性α−アミラーゼ及び酸安定α−アミラーゼをコードする遺伝 子から誘導されるプロモーター;リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei )アスパラギン酸プロテイナーゼ及びリパーゼをコードする遺伝子から誘導され るプロモーター;マウス乳腺癌プロモーター;SV40プロモーター;アクチン プロモーター;及び、原核細胞、真核細胞、それらのウィルスの遺伝子の発現を 制御することが知られている他の配列、又はそれらの組み合わせが含まれる。 このベクターは自己複製ベクターであっても組込みベクターであってもよい。 このベクターが自己複製ベクターである場合、それは、宿主細胞内でそれが複製 するのを可能にする1又は2以上の複製系を含有しなければならない。特に、宿 主が酵母である場合、このベクターは酵母2u複製遺伝子REP1−3及び複製 起点を含有すべきである。 このベクターが自己複製ベクターである場合、それは好ましくは高レベルの発 現が得られるように高コピー数プラスミドである。ここで用いる場合“高コピー 数プラスミド”とは、細胞当たり約100コピー又はそれを越えて存在するもの である。多くの適する高コピー数プラスミドが公知であり、pUCの如き細菌性 プラスミド及びpCの如き酵母プラスミドが含まれる。 一方、本突然変異型タンパク質をコードするDNAの宿主細胞染色体内への組 込みが可能な組込みベクターを用いてもよい。宿主細胞内でのコーディング配列 のコピー数は自己複製ベクターを用いる場合よりも低いであろうが、それらの染 色体内に組込まれた配列を有する形質転換体は一般に至極安定である。 このベクターは、更に、そのベクター内にDNA配列を挿入するための1又は 2以上の制限酵素部位を含むべきであり、好ましくは、そのベクターが宿主細胞 内に存在する場合に表れる選択可能な又は同定可能な表現型特性をコードするD NA配列(選択マーカー)を含有する。適する選択マーカーは当該技術分野で公 知である。 本発明で用いるのに適するベクターは周知である。それらには、レトロウィル スベクター、ワクシニアベクター、pUC(pUC8及びpUC4Kの如きもの )、pBR(pBR322及びpBR328の如きもの)、pTZ(pTZ18 Rの如きもの)、pUR(pUR288の如きもの)、ファージλ、YEp(Y Ep24の如き)プラスミド、及びこれらベクターの誘導体が含まれる。 シグナル又はシグナルリーダー配列をコードするDNAは、本突然変異型タン パク質をコードするDNAの上流に位置してもよい。シグナル又はシグナルリー ダー配列は、タンパク質のアミノ末端におけるアミノ酸配列であって、それが結 合しているそのタンパク質がそれを産生する細胞から分泌されるのを可能にする アミノ酸配列である。適するシグナル又はシグナルリーダー配列は周知であり、 CRPプレ配列(発明の背景の節を参照のこと)、酵母α−因子シグナル配列 (米国特許第4,546,082号及び4,870,008号を参照のこと)、酵母 BAR1分泌系(米国特許第4,613,572号を参照のこと)、クリーベロミ セス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)シグナルリーダー配列、及び酵母イン ベルターゼシグナル配列(Stetlerら,Bio/Technology,7:55-60(1989)、Smit hら,Science,299:1219-1229(1985))が含まれる。分泌されたタンパク質は 、分泌の不存在化で得ることができるものよりも精製するのがより容易であるこ とが多いが、発現レベルはずっと低い。 本発明の突然変異タンパク質をコードするDNA及び他の配列の化学合成は、 幾つかの理由で好ましい。第1に、化学合成は、DNA配列を発現することにな る宿主により好まれるコドンを用いて本突然変異型タンパク質の発現を最高にす ることができるので望ましい。向上した発現を得るためには必ずしも全てのコド ンを変異するに及ばないが、50%より多く、最も好ましくは少なくとも約80 %のコドンが宿主好みのコドンに変換されるべきである。 大腸菌、酵母、及び他の原核細胞及び真核細胞を含む多くの宿主細胞のコドン の好みは知られている。Maximizing Gene Expression,pp.225-85(Reznikoff & Gold,編,1986)を参照のこと。他の宿主細胞のコドンの好みは、当該技術分野 で公知の方法により推定することができる。特に、次の方法が広く用いられる。 まず、意図する宿主細胞内で高度に発現される約12のタンパク質をコードする 遺伝子内のコドン利用度を確認する。次いで、その宿主細胞内で低レベルでしか 発現されない約12のタンパク質をコードする遺伝子内のコドン利用度を確認す る。これら結果を吟味することにより、頻繁に用いられるコドンと稀にしか用い られないコドンを同定する。高度に発現される遺伝子内で最も頻繁に用いられる コドンが好ましい。高度に発現される遺伝子内で稀にしか用いられないか又は低 レベルでしか発現されない遺伝子内で用いられるコドンは、好ましくは用いられ ない。 化学的に合成されたDNAを用いても、その配列内の都合のよい点で特有の又 は殆ど特有の制限部位を与える目的でコドンを選択するのが可能である。これら 部位の使用は、合成コーディング配列を構築する便利な手段を提供し、カセット 突然変異誘発により配列の迅速な変換が容易になる。加えて、メッセンジャーR NA(mRNA)転写産物により形成される第二構造が転写又は翻訳を妨害する 場合は、コドン選択を変更することによってそれらを排除することができる。 化学合成で、本突然変異型タンパク質をコードするDNA配列で最適化された 発現制御配列を用いるのも可能になる。このようにして、本突然変異型タンパク 質の最高の発現が得られる。例えば、上述のように、プロモーターを化学的に合 成して転写開始に関してそれらの位置を最適化することができる。同様に、最適 化したリボソーム結合部位及びスペーサーを化学的に合成して、原核細胞内で発 現されるべきコーディング配列と共に用いることができる。 原核性mRNAでは、リボソームがこのメッセンジャーに結合する部位は3〜 9プリンの配列を含む。この一続きのコンセンサス配列は5’-AGGAGG-3’であり 、それはしばしばシャイン・ダルガーノ配列といわれている。リボソーム結合部 位のこの配列を修飾して発現を変化させてもよい。HuiとDeBoer,Proc.Natl.A cad.Sci.USA,84,4762-66(1987)を参照のこと。Schererら,Nucleic Acids Res.,8,3895-3907(1987)の研究の如きリボソーム結合部位の比較研究が、 適する塩基変換についての手引きを提供することができる。 リボソーム結合部位は開始コドン(AUG)の上流3〜12塩基にある。リボ ソーム結合部位と翻訳開始コドンの間の正確な距離及びこの“スペーサー”領域 の塩基配列は翻訳の効率に影響するものであって、経験的に最適化することがで きる。原核細胞内での本発明の突然変異型タンパク質の最高の発現を達成するに は、原核宿主細胞内で効率的な翻訳を与えるリボソーム結合部位及びスペーサー が与えられるべきである。大腸菌内での最適な翻訳に好ましいリボソーム結合部 位及びスペーサー配列は、SpringerとSligar,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84 ,8961-65(1987)及びvon Bodmanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,9443- 47(1986)に記載されている。 真核細胞の翻訳開始配列についてのコンサンセス配列は、C(A/G)CCAUGGである とKozak(Cell,44,283-292(1986))により定義されている。この配列からの 逸脱、特に−3位(A又はG)における逸脱は、特定のmRNAの翻訳に大きな 影響を有している。殆ど全ての高度発現哺乳動物遺伝子はこの配列を使用してい る。一方、高度発現酵母mRNAは、この配列とは異なって代わりに配列(A/ Y)A(A/U)AAUGUCUを使用している(CiganとDonahue,Gene,59,1-18(1987)) 。特定の宿主細胞内で用いるのに最適な配列を決めるためにこれら配列を経験的 に変化させてもよい。 本発明による突然変異型タンパク質を発現することができる宿主細胞は、その 突然変異型タンパク質をコードするDNA配列を含むベクターでその細胞を形質 転換することにより調製することができる。また、突然変異型タンパク質をコー ドするDNA分子を用いて宿主細胞を形質転換してもよい。細胞をベクター又は DNAで形質転換する方法は当該技術分野で周知である。 入手可能で周知の多くの宿主細胞のうちのいずれもこの発明の実施に用いるこ とができる。特定の宿主の選択は、当該技術分野で認識されている幾つかの要因 に依存する。これらには、例えば、選んだ発現ベクターとの適合性、DNA配列 によりコードされる本突然変異型タンパク質のそれに対する毒性、形質転換の比 率、発現特性、生物安全性及びコストが含まれる。これら要因のバランスは、必 ずしも全ての宿主が特定の突然変異型タンパク質の発現に等しく有効であるとは 限らないという知見と突き合わせなければならない。 これら一般的な手引きの範囲内で、有用な宿主には、細菌(大腸菌種の如きも の)、酵母(サッカロミセス種の如きもの)及び他の真菌、昆虫、植物、動物( ヒトを含む)、又は当該技術分野で公知の他の宿主が含まれる。 本発明の突然変異型タンパク質は、該突然変異型タンパク質の発現ができる条 件下で、選んだ宿主細胞を培養することによって産生させることができる。培養 の方法及び培地は当該技術分野で周知であるが、ずっと高い収率が得られるので (最小培地よりはむしろ)富化培地を用いるのが好ましい。 実施例 以下の実施例で用いる制限酵素は、種々の市販の供給源から得てそのメーカー の使用説明書に従って又は標準的緩衝液系(Maniatisら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1982))を利用することによって使用した。 実施例1:Cys36→Ala,Cys97→Ala突然変異型 C−反応性タンパク質サブユニットの調製 この実施例は、位置36及び97(Wooら,J.Biol.Chem.,260,13384-1338 8(1985)の番号割当方式を用いた)における2つのシステイン残基をアラニン 残基と置換し、そしてメチオニンをそのアミノ末端に付加した突然変異型ヒトC RPサブユニットをコードする組換えDNA分子の調製を記載するものである。 この実施例は、発現制御配列に発効的に連結した組換えDNA分子を含有するベ クターの調製及び大腸菌内での突然変異型CRPサブユニットの発現も記載する ものである。 A. ポリメラーゼ連鎖反応法を用いるCRPコーディング配列中の システイン36及びシステイン97のコドンの置換 成熟ヒトCRPサブユニットのコーディング配列中のシステイン36及びシス テイン97のコドンのアラニンのコドンとの置換をポリメラーゼ連鎖反応(PC R;Saikiら,Science,239,487-491(1988))に基づくHortonら,BioTechniq ues,8,528-535(1990)の方法を用いて行った。2つの独立した変換が望まし かったので、図1Aに示す通り合計で5のPCR反応を組み入れられるようにこ のプロセスに手を加えた。表1は、このPCR反応においてプライマーとして用 いたオリゴヌクレオチドの配列を示す。 イタリックを使用した塩基は制限酵素認識部位を示す。 太字の塩基は突然変異コドン及びイニシエーターATGコドンを示す。 下線を付した塩基はCRPcDNA配列に相補的である。 図1Aに示すように、これら5反応は:(1)PCR産物Aを生成するための プレCRPをコードするcDNAクローンとプライマー1及び2との反応;(2 )PCR産物Bを生成するためのプレCRPをコードするcDNAとプライマー 3及び4との反応;(3)PCR産物Cを生成するためのプレCRPをコードす るcDNAとプライマー5及び6との反応;(4)PCR産物D1を生成するた めのプライマー1と4の存在下での産物AとBとの反応;及び(5)最終産物D 2を生成するためのプライマー1と6の存在下での産物D1とCとの反応であっ た。D2は、N−末端にメチオニンが付加してシステイン36及びシステイン9 7がアラニンにより置換されていることを除いては、ヒトCRPサブユニットの 成熟配列(プレ配列は排除されている)をコードする。 これらPCR反応の出発原料として用いたヒトプレCRPをコードするDNA は、pCRP5をEcoRIで消化して直鎖状(非環状)DNAを生成させるこ とにより得たものである。プラスミドpCRP5は、ミズーリ州セントルイスの Washington University School of MedicineのBruce DowtonとHarvey Colten両 博士から得た。pCRP5は、Tucciら,J.Immunol.,131,2416-19(1983)に 記載された通りに、ヒト肝臓cDNAライブラリーから単離したものである。p CRP5のcDNAのヌクレオチド配列及びそれによりコードされるプレCRP のアミノ酸配列は、Wooら,J.Biol.Chem,260,13384-13388(1985)に示され ている。 これらPCR反応は、VENTポリメラーゼ(New England Biolabs)を用い て行って塩基の誤った取り込みによる不要な突然変異を最小限にし、そしてこの PCR反応を20サイクルを用いて行った。各サイクルは、94℃で1分間;3 7℃、42℃又は60℃で1分間(アニーリング温度はプライマーの配列に依存 する);及び74℃で3分間からなるものであった。この増幅工程に続いて、こ の反応体を更に74℃で5分間インキュベートして二本鎖DNAの合成を完了 させた。各産物をHortonらの前記文献に記載された通りにアガロースゲル電気泳 動により精製した。鋳型が2つの重複配列(図1AのPCR D1及びPCR D2)からなるPCR反応については、反応体をプライマーなしで4サイクルイ ンキュベートして、正常な増幅を行う前に完全長鋳型の形成ができるようにした 。 PCR産物を制限エンドヌクレアーゼHhaI及びNruI(表1を参照のこ と)で消化して、それら産物が所期の突然変異を組み込んだことを確認した。 B. 突然変異型CRPサブユニットの過剰発現用プラスミドの構築 最終PCR産物D2をCentricon 30装置(Amicon,Beverly,MA)での濾過に より濃縮してから、Denneyら,Amplifications,4,25-26(1990)に記載された 通りに、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Pharmacia,Piscataway,NJ)及びT 4DNAリガーゼ(New England Biolabs,Inc.)で処理した。得られた物質を NdeIとBglIIで消化して突然変異型CRPコーディング配列を放出させ、 そしてその放出したコーディング配列を、NdeIとBamHIで消化した発現 ベクターpETVに連結し、子ウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(Promega,Mad ison,WI)で処理した。この連結混合液を用いて大腸菌DH5α(Gibco BRL L ife Technologies,Inc.)を形質転換し、そして形質転換体をBirnboimら,Nucl eic Acids Res.,7,1513-1523(1979)に記載された通りに行ったミニプレップ ス(minipreps)によりスクリーニングして間違いのないプラスミドpIT4を 同定した。pIT4の制限酵素地図を図1Bに示す。図1Bに示すように、突然 変異型CRPコーディング配列は、T7プロモーターの制御下にある。 プラスミドpETVはpET3aの誘導体である。pET3aの調製はRosenb ergら,Gene,56,125-135(1987)に記載されている。プラスミドpET3aは 、ニューヨーク州UptonのBrookhaven National LaboratoryのW.Studier博士から 得た。プラスミドpET3aは、2つのNheI制限酵素部位を有する。1つは 、突然変異型CRPコーディング配列を挿入することが望まれるT7遺伝子10 翻訳開始部位に位置している。第2NheI部位は、EcoRV部位により両端 を結び合わされた190−bp断片内に位置している。この第 2NheI部位はEcoRVでの消化により取り除かれ、そのプラスミドが再環 状化してpETVが生成した。pETVの発現系とpIT4中の突然変異型CR Pサブユニットのコーディング領域の間の連結部の予測配列は、次のようにDN A配列分析により確認した。プラスミドpIT4をXbaI及びKpnIで消化 し、関連断片をM13mp18RF内にサブクローン化した(Yanisch-Perronら ,Gene,33,103-119(1985))。M13mp18RFを保持する培養物から一 本鎖DNAを得て、Applied Biosystems Model 370A Automated DNA Sequencer を用いてSangerら,J.Mol.Biol.,94,441-558(1975)に記載されている通り に配列決定した。 C. 突然変異型CRPサブユニットの発現及び精製 プラスミドpIT4を用いて、lacUV5オペレーター及びプロモーターの 発現制御下でファージT7RNAポリメラーゼ遺伝子を保持する大腸菌BL21 (DE3)(調製はStudierら,J.Mol.Biol.,189,113-130(1986)に記載さ れている)を形質転換した。コンピテント大腸菌BL21(DE3)は、ウィス コンシン州マジソンのNovogenから得たものである。形質転換体を50μg/m lアンピシリンを含有するLB培地(Miller,Experiments In Molecular Genet ics(1972))上で選択した。 形質転換細胞を100μg/mlアンピシリンを含有するM9ZB培地(Stud ierら,J.Mol.Biol.,189,113-130(1986))中で37℃で小スケール実験の ために生育させた。10リッター培養液をNew Brunswick Microgen SF-116発酵 器内で2YT培地(Miller,Experiments In Molecular Genetics(1972))+ 0.4%(w/v)グルコース及び100μg/mlアンピシリン中、37℃で 分当たり10リッターの速度の圧縮空気を用いてエアレーションしながら生育さ せた。 T7RNAポリメラーゼの合成、引いては突然変異型CRPサブユニットの合 成を細胞密度がOD600=4に達したときに1mM(最終濃度)イソプロピル− β−D−チオガラクトシド(IPTG:Boehringer Mannheim)で誘発した。培 養液を等容量の氷と素早く混合し、Durapore0.5μM膜を装着した Millipore Pellicon装置を用いて濾過することにより細胞を濃縮し、そしてBeck mann JA10ローター中で10,000rpmで細胞を20分間遠心分離することに よって、誘発後3時間で細胞を採取した。 採取した細胞を5mM EDTA(500ml中40g)を含有する20mM トリス−HCl(pH7.5)中に懸濁して、10,000psiでManton- Gaul inホモジナイザに3回通すことによって崩壊させた。その抽出物をBeckmann JA1 0ローター中で8,000rpmで20分間2℃で遠心分離した。不溶性突然変異 型CRPサブユニットを含有するペレットを0.5%(v/v)トリトンX−1 00(Bio-Rad)を含有する20mlの同じ緩衝液で2回洗浄した後、JA18ロー ター中で9,000rpmで20分間遠心分離してこの可溶性物質を除去した。 約5〜6mgの最終ペレットを10mMトリス−HCl(pH7.5〜8.0) 中の8M超純粋尿素(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)50〜70m l中に再懸濁して、混合しながら4℃で一晩インキュベートして突然変異型CR Pサブユニットを可溶化した(以下、この物質を“突然変異型rCRP封入体調 製物”という)。次に、この物質を10mMトリス−HCl(pH7.5〜8.0 )で6M尿素の最終濃度まで希釈してから、40ccのQ-Sepharose Fast FlowR アニオン交換樹脂(Pharmacia)を含有するカラム上に分当たり6mlで充填し た。結合した物質を6M尿素及び1M NaClを含有する10mMトリス−H Cl(pH7.5〜8.0)を用いて一次NaCl勾配で溶離した。BioPilotR自 動クロマトグラフィーシステム(Pharmacia)を用いて280nmの吸光度を測 定し、溶離プロフィールを得た。 比較のため、天然CRP、mCRP及びCRPcDNAクローンの一次翻訳産 物(以下“野生型rCRP”という)もQ-Sepharose Fast FlowRでクロマトグラ フィーに付した。天然CRP、mCRP及び野生型rCRPは、次のようにして 調製しクロマトグラフィーに付した。 天然CRPは、Volanakisら[J.Immunol.,113,9-17(1978)]に記載され ている通りにホスホリルコリン置換BioGelRA0.5m(Bio-Rad Laboratoriesから 得られるアガロースを基剤とする樹脂)を用いるカルシウム依存アフィニティク ロマトグラフィーにより胸膜液又は腹水から単離して、Potempaら[Mol.Immunol .,24,531-41(1987)]により修飾した。簡単に説明すると、胸膜液又は腹水 をホスホリルコリン置換カラムに通してCRPを結合させた。次いで、このカラ ムを2mM CaCl2を含有する75mMトリス−HCl緩衝生理食塩水(p H7.2)で280nmの吸光度が0.02未満になるまで徹底的に洗浄した。C RPを75mMトリス,7.5mMクエン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)で溶離 した。この高濃度のトリスは、アフィニティ精製CRP調製物をしばしば汚染す る非特定的吸着タンパク質を有意に減少させる。CRP含有画分をプールし、脱 イオン水で3〜5倍に希釈し、Q-Sepharose Fast FlowRイオン交換樹脂に吸着さ せ、次いで10mMトリス−HCl(pH7.4)中の0〜1M NaClの一 次塩勾配で溶離した。CRP含有画分をプールし、(適当量の1M溶液を添加す ることにより)2〜5mMCaCl2まで再カルシウム化し、そして未置換BioGe lRA0.5mカラムに適用して残留血清アミロイドP成分(SAP)を除去した。次 いで、10〜20psi窒素下での超濾過(Amicon;PM30膜)を用いてこの CRPを1mg/mlに濃縮した。1.98のCRP吸光率(mg/ml)を用 いて濃度を決めた。次に、この濃縮したCRPを2mM CaCl2を含有する1 0mMトリス−HCl緩衝生理食塩水(pH7.2)に対して徹底的に透析した 。この調製物はSDS−PAGE電気泳動上で単一のMr23,000バンドを もたらし、SAP、IgG及び抗原性を試験した他の全てのタンパク質を含まず 99%を越えるものであった。 Q-Sepharose Fast FlowRカラム用に、5mgの精製天然CRPを含有する5m lの最終濃縮CRP溶液を約30mlの10mMトリス−HCl(pH7.4) で希釈して、得られた溶液をQ-Sepharose Fast Flowカラム上に分当たり6ml で充填した。結合した物質を1M NaClを含有する10mMトリス−HCl (pH7.4)を用いて一次NaCl勾配で溶離した。BioPilotR自動クロマトグ ラフィーシステムを用いてA280を測定した。 mCRPを作るため、上記の通りに調製した精製天然CRPを1mg/mlで 8M超純粋尿素中、10mM EDTAの存在下で37℃で1時間インキュベー トした。Q-Sepharose Fast FlowRカラムについては、6mgのmCRPを含有 する6mlのこの物質を6M超純粋尿素を含有する約30mlの10mMトリス −HCl(pH7.5〜8.0)で希釈して、得られた溶液をQ-Sepharose Fast F lowRカラム上に分当たり6mlで充填した。結合した物質を6M尿素と1MNa Clを含有する10mMトリス−HCl(pH7.5〜8.0)を用いて一次Na Cl勾配で溶離した。BioPilotR自動クロマトグラフィーシステムを用いてA280 を測定した。 野生型rCRPは、大腸菌BL21(DE3)内でのpIT3の発現により調 製した。プラスミドpIT3は、pCRP5をMscI及びBglIIで開裂させ ることによって調製した(図2Aを参照のこと)。次に、pETVをNheI及 びBamHIで開裂して、それら消化pETV及びpCRP5を混合して連結し た(図2Aを参照のこと)。この連結混合液を用いて大腸菌株DH5αを形質転 換して、所期の発現プラスミドpIT3を保持するコロニーを同定して、全てp IT4について上記した通りに行った。プラスミドpIT3は、N−末端におい てペプチドMet Ala Serを有することを除いては、非突然変異型ヒトCRPサブ ユニットの配列を有するCRPサブユニットをコードする(図2Bを参照のこと )。大腸菌BL21(DE3)をpIT3で形質転換してpIT4について上記 した通りに培養した。これら培養物を誘発し、細胞を採取し、そして野生型rC RPを含有するペレットを得て、全て上記した通りに行った。約7.4mgのペ レットを10mMトリス−HCl(pH7.5〜8.0)中の8M尿素50〜70 ml中に再懸濁して、混合しながら4℃で一晩インキュベートした(以下、この 物質を“野生型rCRP封入体調製物”という)。この可溶化封入体調製物を濾 紙に通して非可溶化デブリを除去した。次に、この物質を10mMトリス−HC l(pH7.5〜8.0)で6M超純粋尿素の最終濃度まで希釈してから、Q-Se pharose Fast FlowRカラム上に分当たり6mlで充填した。結合した物質を6M 尿素と1M NaClを含有する10mMトリス−HCl(pH8.0)を用いて 一次NaCl勾配で溶離した。BioPilotRシステムを用いてA280nmを測定した。 天然CRP、mCRP、野生型rCRP及び突然変異型CRPサブユニットに ついてBioPilotRシステムにより生じた溶離プロフィールを図3A−Dに示す。 このBioPilotRシステムは、それぞれの場合に用いた塩勾配が直接比較できるよ うにプログラムされたものである。 図3Aに示すように、天然CRPは1本だけの有意な溶離ピークを示した。そ れは47.76分の溶離時間を有した。このピークを25mMトリス−HCl、 0.15M NaCl、2mM CaCl2(pH7.4)に対して透析してから、 次の節に記載した試験をするためにAmicon濾過を用いて約1mg/mlまで濃縮 した。この濃縮ピーク物質を以下“天然CRPQ”という。 図3Bは、mCRPについての溶離プロフィールを示す。その主ピークは、3 6.18分の溶離時間を有する。このピークを低イオン強度緩衝液(25mMト リス−HCl、0.015M NaCl(pH7.4))に対して透析してから 、Amicon濾過を用いて濃縮し、そして次の節に記載した通りに試験をした。この 濃縮ピーク物質を以下“mCRPQ”という。次の節に記載した試験をして、こ のピーク中の物質がmCRPであることが証明された。このことから、mCRP は天然CRPよりもずっと早くQ-SepharoseRから溶離する(約11.5分早い) 。 図3Cは、野生型rCRPについての溶離プロフィールを示す。その主ピーク は34.55分で溶離し、この溶離時間はmCRPのものと殆ど同一で天然CR Pの溶離時間とは非常に離れている。この主ピーク中のタンパク質を低イオン強 度緩衝液に対して透析してから、次の節に記載した通りに更に試験するためにAm icon濾過を用いて濃縮した。この濃縮ピーク物質を以下“野生型rCRPQ”と いう。 最後に、図3Dは、突然変異型CRPサブユニットについての溶離プロフィー ルを示す。その主ピークは34.55分で溶離し、この溶離時間は野生型rCR P及びmCRPのものと本質的に同一で、天然CRPのものとは離れている。こ の主ピークを低イオン強度緩衝液に対して透析してから、次の節に記載した通り に更に試験するためにAmicon濾過を用いて濃縮した。この濃縮ピーク物質を以下 “突然変異型rCRPQ”という。 タンパク質をNaCl段階勾配(0.1〜1.0M NaCl)でQ-Sepharose Fast FlowRカラムから溶離してもよい。組換え突然変異型CRPタンパク質を カラムに流して段階勾配で溶離すると、そのA280読み取り値から、殆どのタン パク質が0.1〜0.2M NaClでカラムから溶離したことが分かった。天然 CRPをカラムに流して段階勾配で溶離すると、そのA280読み取り値から、殆 どのタンパク質が0.4M NaClで溶離したことが分かった。 D. Q-Sepharose Fast FlowRカラムから溶離した画分の特性決定 Q-Sepharose Fast Flow カラムからのピークを、ドットブロット、ウェスタン ブロット、SDS−PAGE及びELISAにより分析した。野生型rCRP及 び突然変異型rCRP封入体調製物もときどき試験した。天然CRP及びmCR Pをときどきコントロールとして用いた。これら物質の全ての調製は、先の節に 記載されている。 1.ドットブロット検査 Zhang,J.Immunol.,138,575(1987)の操作に手を加えた操作に従って、ニ トロセルロース膜(Schleicher & Schuell,Keene,NH)をTBS(25mMトリ ス−HCl、0.15M NaCl(pH7.4))中に予め30分間浸して、過 剰の緩衝液を濾紙で除去した。次いで、この膜をBio-DotTM微量濾過装置(Bio-R ad)の中に嵌めた。5μg/mlの種々の試験タンパク質のアリコート(50μ l)をこの膜上に付点し、4℃で一晩インキュベートし、次いで減圧濾過してウ ェルから全ての液体を除去した。ブロッキング溶液(TBS中1%BSAを10 0μl)をそれらウェルに添加して室温(RT)で30分間インキュベートし、 そしてその膜を通して減圧濾過した。ウェルを1%BSAと0.05%ツィーン 20を含有するTBS(TBS洗浄用緩衝液)で3回洗浄した。マウスモノクロ ーナル抗体(mAb)3H12及び抗血清LP3−HRPを添加してRTで30 分間インキュベートした後に洗浄した。モノクローナル抗体3H12は標識しな いで用い、ホースラディッシュペルオキシダーゼで標識したウサギ抗マウスIg GF(ab’)2(Southern Biotechnology Associates,Birmingham,AL)を添 加することにより像を出現させ、RTで30分間インキュベートし、指示(Bio- Rad)通りに調製したメタノール及びH22を含有する10mMトリス−HCl 、0.15M NaCl中のペルオキシダーゼ基質4−クロロ−2−ナ フトール(Bio-Rad)を添加し、そしてRTで30分間インキュベートして発色 させた。LP3−HRPをホースラディッシュペルオキシダーゼで標識し、4− クロロ−2−ナフトールを添加することによりそれらブロットの像を出現させた 後、発色のためにRTで30分間インキュベートした。 モノクローナル抗体3H12は、mCRP上で見出されるが天然CRP上で見 出されない抗原決定基に対して特異性のIgG抗体である。その調製及び特性は 、公開されたPCT出願WO91/00872及びYingら,J.Immunol.,143, 221-228(1989)に記載されている。抗血清LP3は、ヤギを完全フロイントア ジュバント中でmCRPで免疫感作してから、その採取した抗血清をmCRPで 置き換えられた臭化シアン活性化BioGelRのカラムに通すことにより親和精製す ることによって調製される抗血清である。得られた親和精製抗ネオCRP抗血清 LP3は、mCRPにより発現されるが天然CRPによっては発現されないネオ CRP抗原性に対して単一特異性であった。LP3は、Potempaら,Molec.Immu nol.,24,531-541(1987)に記載された通りにホースラディッシュペルオキシ ダーゼで標識した。 ドットブロットから、mCRP、mCRPQ、野生型rCRPQ及び突然変異型 rCRPQはモノクローナル抗体3H12及び単一特異性抗ネオCRP LP3 −HRPと反応したことが分かり、これら全ての物質が、mCRP上で見出され るが天然CRP上では見出されない抗原決定基を発現することを示している。天 然CRP及び天然CRPQは予想通り抗体3H12及びLP3−HRPと反応し なかった。 2.ウェスタンブロット これらピークをウェスタンブロットによっても分析した。ウェスタンブロット を行うために、5〜10μlのピーク濃縮物を12%SDS−PAGEゲル上で 還元及び非還元条件下で電気泳動した。電気泳動後、JKA Biotech(デンマーク )Semidryエレクトロブロッターを用いてタンパク質をニトロセルロース膜に転 写した。残りの操作は、3種のマウスmAb(3H12、2C10及び8C10 )を用いたことを除いて、ドットブロットについて上記したのと同じであった。 3H12について先の節で記載した通りに発色させた。 モノクローナル抗体3H12は上に記載している。モノクローナル抗体8C1 0はmCRP上にしか見出されない決定基と反応するのに反して、2C10は天 然CRP上とmCRP上の両方で見出される決定基と反応する。2C10及び8 C10の調製及び特性は、公開されたPCT出願WO91/00872及びYing ら,J.Immunol.,143,221-228(1989)に記載されている。 このウェスタンブロットの結果から、mCRP、mCRPQ、野生型rCRPQ 及び突然変異型rCRPQは3種全てのmAbと反応することが分かった。これ は、これら全ての物質がmCRP上で見出される抗原決定基を発現することを示 している。天然CRP及び天然CRPQはmAb2C10と反応したが、mAb 3H12及び8C10とは反応しなかった。これから、これら物質は天然CRP でありそれら抗体は予想通り反応したことが確認された。 このウェスタンブロットの結果から、突然変異型rCRPQ中に存在する主要 物質(突然変異型CRPサブユニットをQ-Sepharose Fast FlowRでクロマトグラ フィーに付したときに得られる主ピーク)はフリーの単量体サブユニットである ことも分かった。mCRP決定基に特異性の抗体と反応性の幾つかの多量体及び 断片が存在するが、かかる不要なバンドの数は野生型rCRPQで認められるよ りもずっと少なくなった。これは、CRPサブユニット中のシステイン残基を置 換することによって、得られる組換え産物がより効率的に処理されてより純粋で より明瞭な産物を与えることを示している。 3.SDS−PAGE これらピーク濃縮物をPhastGelR SDS−PAGEゲル(Pharmacia)で流し た。8〜25%勾配アクリルアミドの勾配を用いた。電気泳動が完了した後、ゲ ルをクマシーブルーで染色した。 その結果を図4に示す。図4において、レーン1はmCRPを含有する。約2 7,000分子量の単一バンドが得られた。 レーン2は、突然変異型rCRP封入体調製物を含有する。単一mCRPバン ドと大体同じ位置の1本(約27,000のMr)を含む2本の主バンドがある ことに注目のこと。このバンドはmCRP決定基に対して特異性の抗体と抗原的 に反応性であることが、ウェスタンブロット分析により証明された。 レーン3は、突然変異型rCRPQ(Q-Sepharose Fast FlowRでクロマトグラ フィーに付された突然変異型rCRP封入体調製物)を含有する。約27,00 0の分子量、つまり所期のフリーの突然変異型CRPサブユニットの分子量を有 するただ1つの主バンドが得られたことに注目のこと。見ての通り、突然変異型 rCRP封入体調製物(レーン2)に比べてバンドがずっと少なく、残りの汚染 物質、特に18,000未満のMrを有する1つの主汚染物質の量は相当減少し ている。かくして、突然変異型CRPサブユニットの純度は、この一工程Q-Seph aroseクロマトグラフィー操作により大きく向上した。 レーン4は、野生型rCRP封入体調製物を含有する。見ての通り、多数のタ ンパク質バンドが存在する。このレーンの約80%下方のバンドは、フリーの無 傷野生型rCRPサブユニット(約27,000のMr)である。主バンドがな く、このレーンの下部のバンドの方が強度が大きいことに注目のこと。 レーン5は、野生型rCRPQ(Q-Sepharose Fast FlowRでクロマトグラフィ ーに付された野生型rCRP封入体調製物)を含有する。見ての通り、クロマト グラフィーに付された封入体調製物(レーン4)に比較して多数のバンドが依然 として存在する。実際、その正体が不明である幾つかの新たなバンドが(約45 ,000及び14,000の分子量のところに)現れており、幾つかのバンドの強 度は増加している。かくして、Q-Sepharose Fast FlowRカラムを用いても野生型 rCRPの精製に何の改善もなかった。レーンの約80%下方のバンドは、フリ ーのサブユニットである。このバンド及びその他の多くのバンドは、ウェスタン ブロット分析によりmCRP決定基に対して特異性の抗体と反応性であった。こ のことは、Q-Sepharose Fast FlowRカラムでの野生型rCRP調製物のクロマト グラフィー後に回収された殆どのタンパク質は野生型rCRPであるが、多量体 化及び断片化の問題があることを示している。 レーン6は、Prestained BioGelR分子量スタンダード(BioRad)を含有する。 最上部から最下部にかけて、これらバンドは、凡その分子量106,000、8 0,000、49,500、32,500、27,500及び18,500のバ ンドである。 4.ELISA 最後に、ELISAを行ってQ-Sepharose Fast FlowRカラムから溶離したピー ク中の物質への天然CRP及びmCRPに特異性の抗体の結合を検出した。直接 結合ELISA(direct binding ELISA)をmCRP及び組換えCRP調製物に ついて用いた。天然CRP調製物については、リガンド捕捉ELISA(ligand capture ELISA)を用いた。 直接ELISAでは、50mM重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)中の各 試験タンパク質(5μg/ml)100μlをNuncポリスチレンプレート(Scie ntific Supply,Shiller Park,IL)のウェルに入れて37℃で2時間又は4℃ で一晩インキュベートした。これらウェルを1%ウシ血清アルブミン(BSA) を含有するTBS(25mMトリス−HCl、0.15M NaCl(pH7. 4))(TBS−A)で37℃で60〜120分間ブロック処理した。これらウ ェルを0.05%ツィーン20を含有するTBS(TBS洗浄用緩衝液)で洗浄 した。抗体をTBS−Aで順次希釈し、100μlアリコートをウェルに添加し て37℃で60分間インキュベートした後、洗浄した。TBS−A中のペルオキ シダーゼ結合ウサギ抗マウスIgG(Southern Biotech)を37℃で60分間で これらウェルに添加した。洗浄後、ウェル当たり100μlのABTS基質(2, 2’−アジノビス(3−エチルベンジルチアゾリン−6−スルホン酸,Sigma Che mical Co.)を添加してRTで約5〜15分間インキュベートした。TitertekR マルチスキャンプレートリーダー(フィンランド,ヘルシンキのFlow Laborator ies)上で414nmの吸光度を読み取った。 リガンド捕捉ELISAについては、プレートを重炭酸緩衝液中のPC−KL H(5μg/ml)100μl/ウェルと共に37℃で2時間又は4℃で一晩イ ンキュベートした。上記の通りに2mM CaCl2を含有するTBS−Aでウェ ルをブロック処理した。ブロック後、2mMCaCl2を含有するTBS−A中 の天然CRP(5μg/ml)100μl/ウェルを添加して37℃で60分間 インキュベートした。洗浄後、全ての緩衝液に2mM CaCl2を含めたことを 除いては、この検査の残りを上記の通り行った。PC−KLHは、ホスホリルコ リン(PC)置換キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)である。 それは、KLH(Sigma Chemical Co.)をChesebroとMetzger,Biochemistry,1 1,766(1972)に記載された通りにジアゾ化したp−ニトロフェニルホスホリル コリン(Sigma Chemical Co.)と共にインキュベートすることによって調製され たものである。この最後の誘導化で、1×10-5KLHのMr当たり28〜52 モルPCになった。 これらELISAの結果を図5A〜Dに示す。図5Aは、mCRP、野生型r CRP封入体調製物及び天然CRPのmAb 3H12との反応性を示す。予想 通り、mAb 3H12はmCRPと反応したが、天然CRPとは反応しなかっ た。また、野生型rCRP封入体調製物も、mCRPと同じくそして天然CRP とは異なり反応した。このことは、mAb 3H12により認識されるmCRP エピトープ(CRPサブユニットのカルボキシ末端オクタペプチド)は野生型r CRP上で発現されることを示している。 図5Bは、mCRP、野生型rCRP封入体調製物及び天然CRPのmAb1 D6との反応性を示す。モノクローナル抗体1D6は、天然CRP上でのみ見出 される抗原決定基に対して特異性である。その調製及び特性は、公開されたPC T出願WO91/00872及びYingら,J.Immunol.,143,221-228(1989) に記載されている。予想通り、mAb 1D6は、天然CRPと反応したがmC RPとは反応しなかった。示すように、野生型rCRP封入体調製物は、mCR Pと同じくmAb 1D6と反応しなかった。このことは、mAb 1D6によ り認識される天然CRPエピトープは野生型rCRP上では発現されないことを 示している。 図5Cは、mCRP、野生型rCRPQ及び突然変異型rCRPQのmAb 8 C10との反応性を示す。モノクローナル抗体8C10はmCRP上でのみ見出 されるエピトープと反応するが、mAb 3H12が反応するのとは異なるmC RP上のピトープと反応する。このELISAについては、各試験タンパク質を 、1000ngのタンパク質がポリスチレンELISAプレートの最初のウェル 上に固定化されるように調節した。次いで、これら試験タンパク質を順次希釈し てウェル当たりのタンパク質が次第に減少してゆくように固定化した。ウェル当 たりに固定化したタンパク質の量を図5Cのグラフの横座標に示す。示される ように、野生型rCRPQと突然変異型rCRPQの両方が、mCRPと同じよう にmAb 8C10と反応した。このことは、この組換えタンパク質が、mCR P上で見出されるのと類似の8C10特異性エピトープを発現することを示唆し ている。 図5Dは、mCRP、野生型rCRPQ及び突然変異型rCRPQのネオCRP 抗原性に特異性の親和精製抗血清LP3−HRPとの反応性を示す。このELI SA用に、各試験タンパク質を、1000ngのタンパク質がポリスチレンEL ISAプレートの最初のウェル上に固定化されるように調節した。次いで、これ ら試験タンパク質を順次希釈してウェル当たりのタンパク質が次第に減少してゆ くように固定化した。ウェル当たりに固定化したタンパク質の量を図5Dのグラ フの横軸に示す。示すように、野生型rCRPQと突然変異型rCRPQの両方が 、mCRPと同じようにヤギ抗ネオCRP LP3−HRPと反応した。このこ とは、この組換えタンパク質がmCRPに抗原的に非常に似ていることを示唆し ている。 E. 突然変異型CRPサブユニットの生物活性の評価 最後に、Q-Sepharose Fast FlowRカラムからのピーク中の物質の凝集IgGへ の結合を検出するためにELISAを行った。凝集イムノグロブリン及び免疫複 合体への結合は、凝集イムノグロブリン及び免疫複合体を液体から除去するのに 及び免疫複合体を定量するのにmCRPを用いれるようにしているmCRPの重 要な活性である。このELISAは次の通りに行った。 10mM重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)中の各試験タンパク質(10 μg/ml)100μlをポリスチレンマイクロタイタープレートのウェルに入 れて37℃で2時間又は4℃で一晩インキュベートした。これらウェルをTBS −Aで37℃で60−120分間ブロック処理した。これらウェルをTBS洗浄 用緩衝液で洗浄した。次いで、100μlの凝集ヒトIgG又は単量体IgGを TBS−Aで濃度を変動させて添加し、37℃で60分間インキュベートした。 ヒト免疫グロブリン(U.S.P.-GammerR,Armour Pharmaceutical Co.)をpH9 .0の緩衝液で20mg/mlに希釈して63℃に約30分間加熱することに より凝集させた。25mMトリス−HCl、0.3M NaCl(pH7.4) でのBioGelRA1.5mを用いる4℃でのモレキュラーシーブクロマトグラフィーによ り未凝集単量体IgGを凝集IgGから分離した。単量体IgG又は凝集IgG を試験タンパク質被覆ウェル上でインキュベートした後、ウェルをTBS洗浄用 緩衝液で洗浄し、そしてTBS−A中のペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG F(ab')2(Cappel,Durham,NC)100μlをウェルに添加して37℃で 60分間インキュベートした。洗浄後、ウェル当たり100μlのABTS基質 を添加してRTで5〜15分間インキュベートした。TitertekRマルチスキャン プレートリーダー上で414nmの吸光度を読み取った。 これら結果を図6A〜Bに示す。図6Aに示すように、野生型rCRP封入体 調製物は凝集IgGに結合したが、単量体IgGには結合しなかった。その反応 性は、mCRPのものと類似していた。図6Bは、Q-Sepharose分画野生型rC RPQと突然変異型rCRPQのいずれもが凝集IgGに結合したが、単量体Ig Gには結合しなかったことを示している。このことから、野生型と突然変異型の いずれの組換えCRPも、凝集イムノグロブリンに選択的に結合するそれらの能 力において機能的にmCRPと同じように反応する。凝集イムノグロブリンは免 疫複合体の標準的モデルなので、これら結果は、本発明の突然変異型タンパク質 が免疫複合体に結合するであろうこと及び単量体イムノグロブリンの存在下でそ れらに選択的に結合するであろうことも示している。 配列表 (1)配列番号:1の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:28塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:1: (1)配列番号:2の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:20塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:2: (1)配列番号:3の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:16塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:3: (1)配列番号:4の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:19塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:4: (1)配列番号:5の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:17塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:5: (1)配列番号:6の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:24塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列;配列番号:6: (1)配列番号:7の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:12塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (xi)配列;配列番号:7: (1)配列番号:8の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:15塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (xi)配列;配列番号:8: (1)配列番号:9の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:21塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (xi)配列;配列番号:9: (1)配列番号:10の情報: (i)配列の特性: (A)長さ:24塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (xi)配列;配列番号:10:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 49/00 A 7431−4C 49/04 A 7431−4C 51/00 C07K 14/435 8318−4H C12N 1/21 8828−4B 15/09 ZNA G01N 33/53 X 8310−2J 33/574 A 8310−2J A61K 37/02 ADU 7431−4C 49/02 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV ,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SK,UA,UZ,VN (72)発明者 リアウ ハンス エイチ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53717 マディソン ノース ハーウッド サークル 2 【要約の続き】 び該形質転換宿主細胞を培養することを含む本発明の突 然変異型タンパク質を製造する方法も提供する。最後 に、本発明は、該突然変異型タンパク質を使用するため の方法及物質を提供する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記(i)〜(iv)の場合を除いて非突然変異型C反応性タンパク質(CR P)サブユニット又は非突然変異型プレCRPのアミノ酸配列と同じアミノ酸配 列を有する突然変異型タンパク質。 (i)該非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPの少 なくとも1のアミノ酸が欠失しているか、 (ii)該非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPの少 なくとも1のアミノ酸が他のアミノ酸により置換されているか、 (iii)少なくとも1のアミノ酸が該非突然変異型CRPサブユニット又は非 突然変異型プレCRPに付加しているか、又は (iv)かかる変換の組み合わせがなされていること。 この際、付加するアミノ酸、欠失するアミノ酸及び置換されるアミノ酸は、 該突然変異型タンパク質がその非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異 型プレCRPよりも共有結合で架橋した凝集塊をあまり形成しそうにないように 選ばれ、該突然変異型タンパク質も修飾CRPの少なくとも1の生物活性を示す 。 2.付加するアミノ酸、欠失するアミノ酸及び置換されるアミノ酸が、突然変異 型タンパク質がその非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCR Pよりも水性媒質中でより可溶性になるようにも選ばれる、請求項1の突然変異 型タンパク質。 3.非突然変異型CRPサブユニット又は非突然変異型プレCRPの少なくとも 1のシステインが欠失しているか又は他のアミノ酸により置換されている、請求 項1の突然変異型タンパク質。 4.下記(i)〜(iv)の場合を除いて非突然変異型C反応性タンパク質(CR P)サブユニットのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する突然変異型タンパ ク質。 (i)該非突然変異型CRPサブユニットの少なくとも1のアミノ酸が欠失 しているか、 (ii)該非突然変異型CRPサブユニットの少なくとも1のアミノ酸が他の アミノ酸により置換されているか、 (iii)少なくとも1のアミノ酸が該非突然変異型CRPサブユニットに付加 しているか、又は (iv)かかる変換の組み合わせがなされていること。 この際、付加するアミノ酸、欠失するアミノ酸及び置換されるアミノ酸は、 該突然変異型タンパク質がその非突然変異型CRPサブユニットよりも共有結合 で架橋した凝集塊をあまり形成しそうにないように選ばれ、該突然変異型タンパ ク質も修飾CRPの少なくとも1の生物活性を示す。 5.非突然変異型CRPサブユニットの少なくとも1のシステインが欠失してい るか又は他のアミノ酸により置換されている、請求項4の突然変異型タンパク質 。 6.非突然変異型CRPサブユニットの全てのシステインが欠失しているか又は 他のアミノ酸により置換されている、請求項5の突然変異型タンパク質。 7.非突然変異型CRPサブユニットの少なくとも1のシステインがアラニンに より置換されている、請求項5の突然変異型タンパク質。 8.非突然変異型CRPサブユニットの全てのシステインがアラニンにより置換 されている、請求項7の突然変異型タンパク質。 9.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質をコードするDNA分 子。 10.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質の発現のためのベクタ ーであって、発現制御配列に機能し得るように連結している該突然変異型タンパ ク質をコードするDNAを含むベクター。 11.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質をコードするDNAを 含有するように形質転換された宿主細胞であって、該突然変異型タンパク質をコ ードする該DNAが発現制御配列に機能し得るように連結している宿主細胞。 12.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質を製造する方法であっ て、該突然変異型タンパク質をコードするDNAを含有するように形質転換され た宿主細胞を培養することを含み、該突然変異型タンパク質をコードする該 DNAが発現制御配列に機能し得るように連結しており、該培養が該突然変異型 タンパク質を発現できる条件下で起こる方法。 13.凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を結合させる方法であって、該凝集イ ムノグロブリン又は免疫複合体を請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タン パク質と接触させることを含む方法。 14.液体から凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を除去する方法であって、該 凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を請求項1〜8のいずれか1項の突然変異 型タンパク質と接触させることを含む方法。 15.免疫複合体を定量する方法であって、該免疫複合体を請求項1〜8のいずれ か1項の突然変異型タンパク質と接触させることを含む方法。 16.液体から凝集イムノグロブリン又は免疫複合体を除去する装置であって、 固体表面に結合した請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質; 及び 該液体が該固体表面に接触できるように該固体表面を包む手段; を含む装置。 17.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質の容器を含む、免疫複 合体を定量するためのキット。 18.請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質及び薬学的に許容でき るキャリヤーを含む医薬組成物。 19.免疫複合体のレベルの低下を必要とする哺乳動物中の免疫複合体のレベルを 低下させる方法であって、該哺乳動物に有効量の請求項1〜8のいずれか1項の 突然変異型タンパク質を投与することを含む方法。 20.ウィルス感染症にかかっている哺乳動物のウィルス感染症を治療する方法で あって、該哺乳動物に有効量の請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパ ク質を投与することを含む方法。 21.細菌感染症にかかっている哺乳動物の細菌感染症を治療する方法であって、 該哺乳動物に有効量の請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質を投 与することを含む方法。 22.エンドトキシンショックにかかっている哺乳動物のエンドトキシンショック を治療する方法であって、該哺乳動物に有効量の請求項1〜8のいずれか1項の 突然変異型タンパク質を投与することを含む方法。 23.癌にかかっている哺乳動物の癌を治療する方法であって、該哺乳動物に有効 量の請求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質を投与することを含む 方法。 24.哺乳動物中の免疫複合体又は癌細胞の検出が可能になるように標識された請 求項1〜8のいずれか1項の突然変異型タンパク質を含む造影剤。
JP6519333A 1993-02-26 1994-02-24 突然変異型タンパク質並びにそれを製造及び用いるための方法及び物質 Pending JPH08507212A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US2395293A 1993-02-26 1993-02-26
US08/023,952 1993-02-26
PCT/US1994/002181 WO1994018999A1 (en) 1993-02-26 1994-02-24 A mutant protein and methods and materials for making and using it

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08507212A true JPH08507212A (ja) 1996-08-06

Family

ID=21818104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6519333A Pending JPH08507212A (ja) 1993-02-26 1994-02-24 突然変異型タンパク質並びにそれを製造及び用いるための方法及び物質

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0688224B1 (ja)
JP (1) JPH08507212A (ja)
AT (1) ATE196649T1 (ja)
AU (1) AU6252294A (ja)
DE (1) DE69426018T2 (ja)
ES (1) ES2152976T3 (ja)
WO (1) WO1994018999A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510268A (ja) * 2014-03-31 2017-04-13 ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲーエムベーハーBoehringer Ingelheim Vetmedica GmbH 改善されたモジュール型抗原輸送分子及びその使用

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2675100A1 (en) * 2007-01-20 2008-07-24 Boehringer Ingelheim International Gmbh C-reactive protein (crp) knockout mouse
MX2018003850A (es) 2015-09-30 2018-06-15 Boehringer Ingelheim Vetmedica Gmbh Moleculas de transporte de antigeno modular mejoradas y sus usos en animales.
CN115785193B (zh) * 2022-11-25 2023-11-21 天津鸿宇泰生物科技有限公司 一种用于包涵体蛋白复性的复性缓冲液以及方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989009628A1 (en) * 1988-04-04 1989-10-19 Potempa Lawrence A Binding of immune complexes by modified forms of c-reactive protein

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017510268A (ja) * 2014-03-31 2017-04-13 ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ ゲーエムベーハーBoehringer Ingelheim Vetmedica GmbH 改善されたモジュール型抗原輸送分子及びその使用

Also Published As

Publication number Publication date
ATE196649T1 (de) 2000-10-15
EP0688224A1 (en) 1995-12-27
ES2152976T3 (es) 2001-02-16
DE69426018T2 (de) 2001-02-22
EP0688224B1 (en) 2000-09-27
AU6252294A (en) 1994-09-14
WO1994018999A1 (en) 1994-09-01
EP0688224A4 (en) 1997-09-10
DE69426018D1 (de) 2000-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6267964B1 (en) Stabilized protein or peptide conjugates able to bond albumin having extended biological half-lives
US5874238A (en) Mutant protein and methods and materials for making and using it
US5820866A (en) Product and process for T cell regulation
US5547931A (en) Methods of stimulatory thrombocytopoiesis using modified C-reactive protein
US5717074A (en) Macrophage-derived inflammatory mediator (MIP-2)
JPH05501399A (ja) 敗血症治療用組成物
JPH05507197A (ja) 結合部位を含む可溶性ペプチド類縁体
RU2183215C2 (ru) Конъюгат для стимулирования иммунной реакции против клетки-мишени, способ лечения злокачественных опухолей у млекопитающего
US5624904A (en) Method for treating gram positive septicemia
Devlin et al. Secretion of a soluble class I molecule encoded by the Q10 gene of the C57BL/10 mouse.
AU6942994A (en) Recombinant bpi-based and lbp-based proteins, nucleic acid molecules encoding same, methods of producing same, and uses thereof
US6703219B1 (en) Mutant protein and methods and materials for making and using it
Wilson et al. Clusterin enhances the formation of insoluble immune complexes
JPH05503512A (ja) 白血球接着阻害因子としての[ala il―8]↓7↓7
JPH03505279A (ja) インターロイキン―1インヒビター
JPH034796A (ja) T細胞増殖促進因子
KR19990036440A (ko) 알러젠-xcd32융합 단백질
WO1996006624A1 (en) A mutant protein and methods and materials for making and using it
CN117500518A (zh) Il-2突变蛋白及包含其的药物
JPH10509038A (ja) 免疫、精製及び検出適用のためのたんぱく質、ペプチド及び複合物の高い水準の発現と容易な精製
NL8820676A (nl) Biologische materialen, werkwijzen ter bereiding van biologische materialen en de toepassing van dergelijke materialen in therapie.
JP2718827B2 (ja) 分泌Mac−2結合糖タンパク質
JPH03155787A (ja) Ebzd蛋白質発現系
JPH08507212A (ja) 突然変異型タンパク質並びにそれを製造及び用いるための方法及び物質
JP2559035B2 (ja) 細胞生長調節因子