JP2718827B2 - 分泌Mac−2結合糖タンパク質 - Google Patents

分泌Mac−2結合糖タンパク質

Info

Publication number
JP2718827B2
JP2718827B2 JP5507843A JP50784392A JP2718827B2 JP 2718827 B2 JP2718827 B2 JP 2718827B2 JP 5507843 A JP5507843 A JP 5507843A JP 50784392 A JP50784392 A JP 50784392A JP 2718827 B2 JP2718827 B2 JP 2718827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subunit
complex
protein
antibody
purified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5507843A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06510790A (ja
Inventor
イー. コース,カーストン
ヘレンベック,ロバート
ダブリュー. テイラー,エリック
エム. ワン,アリス
エル. カシピット,クレイトン
Original Assignee
カイロン コーポレーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カイロン コーポレーション filed Critical カイロン コーポレーション
Publication of JPH06510790A publication Critical patent/JPH06510790A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2718827B2 publication Critical patent/JP2718827B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70546Integrin superfamily
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10S436/811Test for named disease, body condition or organ function
    • Y10S436/813Cancer

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、分子生物学/生化学の領域に属し、そして
ヒトレクチンMac-2に結合して細胞表面で相互作用イベ
ントに重要な役割を担う精製糖タンパク質、このタンパ
ク質をコードするDNA配列、およびそれを発現する発現
系を提供する。このタンパク質は、免疫反応に関係する
細胞表面相互作用の調節、病原体/ホスト細胞相互作
用、転移、および細胞接着と細胞移動を含む医学的応用
およびプレ抗体免疫のような発生的機能の多様性を持っ
ている。
細胞表面分子は、ウイルスおよび他の病原体の標的細
胞に対する感染力において要となる役割を果たす。例え
ば、インテグリン結合のための内皮細胞レセプターであ
るICAM-1はまたライノウイルス結合のレセプターでもあ
る。ライノウイルスは、ピコルナウイルス科の一種であ
り、ヒトの普通の風邪の約50%の原因となっている。そ
のような相互作用のもう一つの古典的例は、インフルエ
ンザ血球凝集素、つまり感染の第一段階でホスト細胞上
のシアル酸に結合するレクチンである。このように、普
通の風邪を防ぐ予防的アプローチは、ライノウイルス
が、細胞に結合しているICAM-1に結合することを、可溶
性結合競合物をホストレセプターに投与することにより
防げることである。
レクチンは、炭水化物を特異的に、そして非共有結合
的に結合するタンパク質のクラスである。Lis,HおよびS
haron,N.1986,Annual Review of Biochemistry55:3
5。非常に多数のレクチンが、高等動物において、膜結
合性および可溶性の双方について確認され、そして、そ
れらの転移における役割に加えて、さまざまな細胞認識
現象に関係した。
レクチンは一般に、結合特性がカルシウム依存性であ
り、構造的にアシアロ糖タンパク質レセプターに関係す
るC型、または、チオール依存性レクチンであるS型の
どちらかに分類される。しかしながら、これらの分類に
は明らかに当てはまらないが、レクチンの性質を有する
他のタンパク質、例えばフィブロネクチンおよびラミニ
ンようなタンパク質があることに留意するべきである。
Drickamar,K.,1988,J.Biol.Chem.263:9557. レクチンは、原形質膜のレベルで開始される細胞イベ
ントを調節する役割を行っていると考えられている。例
えば、原形質膜に結合した分子は、リンパ球様細胞、特
にTリンパ球のさまざまなサブセットの活性化に関係
し、細胞表面分子はこれら細胞を活性化し、結果として
免疫反応の間、それらの応答の原因になることが知られ
ている。この現象は、白血球凝集性植物凝集素(PHA)
およびコンカナバリンA(con A)のようなさまざまな
植物性レクチンを用いて研究されてきた。これらの分子
は、Tリンパ球細胞表面上の特定の分子と会合する炭水
化物の一部分に結合することによってT細胞を活性化す
ると考えられている。
ある既知のヒトレクチンは、元来は細胞会合マクロフ
ァージ抗原と記述されるが、「Mac-2」と呼ばれる。Ho
およびSpringer,J.Immunol.,(1982)128:1221-1228。
32kDレクチンMac-2は、常在性マクロファージでなくチ
オグリコレート誘導マウスマクロファージにおいて著し
い量が発現され、細胞接着または免疫応答に関与し得
る。ヒトMac-2同族体は、クローニングされ、そしてリ
ーダー配列がないにも関わらず外在化されたラクトース
/ガラクトース特異的レクチンであることが示された。
Odaら、Gene(1991)99:279-283;Cherayilら、PNAS(US
A)(1990)87:7324-7438。Mac-2は、他の以前に記載さ
れたタンパク質と同一または密接に関連している:EBP、
新しい型の細胞接着をすると考えられるタンパク質(Fr
igeriおよびLiu、J.Immunol.,(1992)148:861-86
7)、CBP35、ガラクトース結合レクチン(JaiおよびWan
g、J.Biol.Chem.(1988)263:6009-6011)、非インテグ
リンであるラミニン結合タンパク質(Wooら、J.Biol.Ch
em.(1990)265:7097-7099)、RL-29、ラクトース特異
的肺レクチン(LefflerおよびBarondes、J.Biol.Chem.
(1986)261:10119-10126)、およびL-34すなわち新生
形質転換および転移に相互に関係するガラクトース結合
レクチン(Razら、Int.J.Cancer(1990)46:871-87
7)。Mac-2は、ヒト病原体のコロニー形成の標的となり
得る腸柔突起の先端にかなりの濃度で存在する。
数人の研究者が、さまざまなレクチンに対するリガン
ドとして働く糖タンパク質を単離精製した。例えば、タ
ム・ホースフォール糖タンパク質と呼ばれるタンパク質
は、Phaseolus vulgaris由来の白血球凝集素および赤
血球凝集素を含む数種のレクチンによって誘起されるリ
ンパ球の活性化を阻害することを示した。Serafini-Ces
si,F.ら、1979,Biochemical Journal183:381-388。
さらに、PHA結合因子として働く糖タンパク質が、ブタ
の脾リンパ球から部分的に精製された。さらなる研究も
またブタのリンパ球のPHA活性化が部分的に精製糖タン
パク質によって阻害されることを示す。(Dupuis,G.
ら、1985.Canadian Journal of Biochemistry & Cell B
iology63:932-940)。これらの研究者は、阻害活性を
示す、正確な分子量を持った種を同定できなかった。む
しろ、かれらは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリル
アミドゲルのクーマシーブルー染色で示されるように、
部分的精製調整物においてある分子量分布を持った種を
報告した。主要なバンドが、約50-55、75、95、130、お
よび155kDの見かけの分子量を持っていることが観察さ
れた。付随している微量種は、約42、45、60-65、175、
および200-250kDの見かけの分子量を示した。
他の研究者による類似の研究は、他のPHA結合分子の
存在を示した。例えば、子ブタの腸間膜リンパ節由来の
PHA結合因子が単離され、約100kDの分子質量を持ってい
ることが示された。Allan,D.およびCrumpton,N.J.,197
3,Exp.Cell.Res.78:271-278。子ブタの下顎リンパ節
リンパ球由来の原形質膜に存在するPHA結合分子は、94k
Dより大きい見かけの分子質量を示すことが示された。A
lexander,S.ら、1978,Biochemical Biophys.Acta.,512:
350-364。他のPHA結合リガンドが、アフィニティークロ
マトグラフィーによってヒト末梢血液から単離され、20
-35、43、60、および70kDの範囲の分子質量を有するこ
とが見いだされた。Skoog,B.らは、1980,Scand.Journal
Immun.11:369-376。他の研究者らは、ノイラミダー
ゼ処理した末梢ヒトTリンパ球に、分子量が43から250k
Dの範囲にある白血球凝集素レセプター糖タンパク質が
存在することを報告した。
ヒトの母乳の健康上の利点がずっと認められてきた。
最近、胃腸の感染症防止において、母乳の予防効果が記
載された。Gerrard,J.,1974,Pediatrics54:757-764。
少なくともいくぶん、これは、母乳に存在して、新生児
をウイルスまたは細菌の感染から守る結合特性を有する
非免疫グロブリン糖タンパク質によるものである。Lonn
erdal,B.,1985,Am.J.Clin.42:1299-1317およびHolmgr
en,J.ら、1983,Infect.Immun.33:459-463。これらの
タンパク質は、少なくともいくぶん、細菌性粘着性物質
またはウイルス性赤血球凝集素に結合することによって
細菌またはウイルスの腸上皮への接着を妨げるか破壊す
ることで、効果を及ぼすと考えられている。細菌性粘着
性物質およびウイルス性赤血球凝集素は、感染の初期段
階でこれらの生物の上皮細胞表面への接着を容易にする
表面分子である。この過程に関与する母乳タンパク質
は、まだよく特性がわかっていない。Holmgren,J.ら,19
83,Infect.Immun.33:459-463。しかしながら、400,00
0より大きい分子量を有する糖タンパク質は、呼吸融合
ウイルス(respiratory syncytial virus)を得ること
ができることが記載されている。Laegreid,A.ら,1986,A
cta Paediatric.Scand.75:696-701。そのようなタン
パク質により提供される免疫保護および抗感染機能に加
えて、他のヒトの母乳タンパク質は特殊な栄養のキャリ
アとして特別な役割を演じている。
同様に、A型肝炎のウイルスのさまざまな細胞系への
付着および感染を妨げる高分子量物質が、ヒトの血清中
に確認された。Zajac,A.ら,1991,J.of Gen.Virol72:1
667-1675。この物質は、精製されておらず、さらなる性
質も明らかにされていない。
Rosenbergら、J.Biol.Chem.(1991)266:18731-18736
は、結腸癌細胞由来のMac-2結合タンパク質を記載し、
そして一部分のN末端のタンパク質配列を報告してい
る。Linsleyら、Biochem.(1986)25:2978-2986は、似
ているが同一ではないN末端のタンパク質配列を有する
肺癌タンパク質L3の特徴を明らかにした。いまだにヒト
Mac-2レクチンに特異的である新規な糖タンパク質の全
アミノ酸配列は確認されておらず、およびそのような配
列をコードするcDNAのクローニングもされていない。
本発明の目的は、Mac-2に結合する実質的に精製され
たタンパク質の記載にある。この「Mac-2結合タンパク
質」は、1200kDを越える見かけの固有分子量、約25Sの
沈降値を持ち、そして約567アミノ酸残基を有するグル
コシル化されたサブユニットにより構成される。供給源
とグリコシル化の程度に依存して、タンパク質分解され
ないサブユニットのSDSゲル電気泳動で示される見かけ
の分子量は、約85-97kDである。
本発明の第二の目的は、サブユニットをコードするDN
A配列およびその配列でコードされるタンパク質を発現
させるためのベクターの記載にある。
本発明の第三の目的は、標的細胞の細胞表面に病気を
起こす薬剤が結合する結果起こる病気を治療または予防
するのに有用なレクチン結合タンパク質からなる薬物の
記載にある。
本発明の第四の目的は、生物学的液体中のgp85-97タ
ンパク質濃度を決定するための、好ましくは抗体の性質
を有する、医療診断用薬の記載にあり、この情報は個人
の病気に対する感受性を含む個人の健康状態を予測し得
る。好ましい用途は、小児が最大の健康上の恩恵を受け
るのに適切な量のgp85-97タンパク質を得ているかどう
か決定するため、ヒトの母乳中のgp85-97タンパク質濃
度をモニターすることにある。
本発明の第五の目的は、gp85-97タンパク質によって
与えられる医療上の恩恵を必要とする小児に与え得る、
組換えまたは精製された天然のタンパク質が補給された
小児人工栄養からなる組成物にある。
本発明の第六の目的は、癌治療に有効な濃度にその分
子を投与することからなる癌、好ましくは乳癌の治療方
法を提供することにある。
本発明の第七の目的は、患者の感染病、好ましくは鼻
道または腸上皮にコロニーを形成する病原体によって起
こる感染病の治療方法にあり、この方法は治療上有効な
量のgp85-97タンパク質および薬学的に受容し得るキャ
リヤーの投与治療を必要とする患者に、そうした治療を
施すことからなる。
本発明のこれらおよび他の目的は、本発明の以下の記
載を読むと明らかとなる。
第1図は、SK-BR-3分泌gp97の分析用フェニル−TSK H
PLCクロマトグラフィープロフィールを示す。PHA被刺激
細胞の増殖活性の阻害をアッセイして、gp97を含有する
画分を明らかにした。
図2は、抗gp85-97抗体による非変性ドットブロット
アッセイを用いて検出された精製SK-BR-3 gp97のスクロ
ース勾配遠心分離プロフィールを示す。SDS-PAGEによる
精製gp97の代表的な調製品の分析も示される。
図3は、セファロース6サイズ排除HPLCカラム上のク
ロマトグラフィーを経て決定されたSK-BR3細胞から単離
されたgp97の見かけの固有分子質量を示す。
図4は、部分的に精製されたトリプシン消化または未
消化のSK-BR-3 gp97のBio-Sil SEC 250サイズ排除HPLC
クロマトグラフィープロフィールを示す。
図5は、COS細胞発現gp85-97のウエスタンブロット分
析を示す。
図6は、ピーク画分のSDS-PAGE分析と共に、ヒトの母
乳由来のgp85のフェニルTSK HPLCクロマトグラフィープ
ロフィールを示す。
図7は、抗gp85-97抗体の存在下でのさまざまなヒト
体液のウエスタンブロット分析を示す。
図8は、HT-29およびHL-60細胞由来のgp85-97の共沈
澱物のウエスタンブロット分析を示す。
表1は、SK-BR-3細胞による3H−チミジン取り込みに
おける抗gp85-97抗体の効果を示す。
本明細書に記載された発明は、先に発行された文献お
よび係属中の特許出願と関連する。例を通して、そのよ
うな文献は、科学論文、特許、または係属中の特許出願
からなる。以上または以下に引用したこれら全ての発行
物および出願は、本明細書中では全部参考文献に取り入
れる。
本明細書中では「gp85-97」は、以下に記載するよう
にレクチン結合特性および生物学的活性を有する構造的
に相同な分子クラスを意味すると定義される。「構造的
相同」とは、gp85-97遺伝子でコードされ、そして細胞
酵素でタンパク質分解的に処理されてリーダー配列が除
去されることにより「成熟」N末端を発現する、実質的
に同一のポリペプチド骨格を含有するタンパク質を意味
すると定義される。タンパク質のこの形は、さらにタン
パク質分解的にニックされ得るかまたはニックされ得な
い、そしてそのアミノ酸側鎖および/またはグリコシル
化部位もまた、さまざまな程度に改変され得る。gp85-9
7の正確な化学的構造は多くの要因に依存する。そのク
ラスの二つの構成部分は、SK-BR-3細胞培養上清および
ヒト母乳から単離され、それぞれ「gp97」および「gp8
5」と定義される。それらの本来の形では、「gp85-97」
中に存在するサブユニットは、1200kD越える見かけの分
子量を有し、そして約25S±2Sのスクロース速度勾配沈
降値を有する天然の「複合体」中に存在すると理解さ
れ、gp85-97サブユニットを含有する複合体の見かけの
固有分子質量を実験上特定する。
「沈降値」は、実施例に記載の5-20%スクロース勾配
において分析される既知の沈降値および分子量の標準品
の沈降挙動から、外挿されるgp85-97についての値と定
義される。天然のタンパク質の沈降値すなわちS値は、
一定の条件下では再現性があり、そしてタンパク質およ
び複合体の分子質量を見積るために用いられてきた。大
きな複合体の分子質量の正確な決定は、困難であること
が知られ、溶液中の複合体密度およびその形状に影響さ
れ得る。イオンになり得るアミノ基およびカルボキシル
基が分子内に存在しているので、gp85-97は、酸性塩、
塩基性塩、または中性塩の形で得られ得る。適切な環境
条件下に置かれた場合、活性を保持するような全ての調
製物は、本明細書中でのタンパク質の定義に含まれる。
さらに、タンパク質のアミノ酸一次配列は、サッカリ
ド、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリオキ
シエチレングリコール(POG)との結合だけでなく、糖
部分を用いた誘導体化(グリコシル化)または脂質、リ
ン酸塩、アセチル基などのような他の付加分子によって
増加し得る。そのような増加の一面は、生産ホストの翻
訳後処理系を介して成し遂げられる;他のそのような改
変はインビトロで導入され得る。いずれにせよ、そのよ
うな改変は、gp85-97の定義に包含される。もちろん、
そのような改変は、さまざまなアッセイにおいてタンパ
ク質の活性を高めるかまたは低下させることによって、
量的または質的にその活性に影響し得ることが予想され
る。さらに、鎖の個々のアミノ酸残基は、酸化、還元、
または他の誘導体化によって改変され得、そしてそのタ
ンパク質は、開裂され得て活性を保持するフラグメント
が得られる。翻訳の間に配列に取り込まれたアミノ酸の
除去、付加、または置換による一次配列自身への一定の
改変は、タンパク質の活性を損なわずになされ得る。活
性を損なわないような置換は、定義からタンパク質を排
除せず、実質的に等価なアミノ酸配列を持っていると考
えられる。さらに、N末端およびC末端の除去および融
合は、既知の変異誘発法を用いて成され得る。
天然のgp85-97は糖タンパク質であること、およびSDS
ポリアクリルアミド電気泳動法(SDS-PAGE)での見かけ
の分子量を基に単に定義することは困難であることを認
識することは特に重要である。例えば、以下に記載する
ように、その分子のグリコシダーゼ処理は、SDS-PAGEで
示されるように分子量の減少をもたらす。したがって、
さらに、異なる供給源から単離されたgp85-97は、いく
ぶん一定しないグリコシル化の結果、SDS-PAGEで決定す
る場合、異なった分子量を示し得ることが認識される。
本明細書中で用いられるように、「クロマトグラフィ
ー」は、化合物の混合物を含有する溶液の、吸着剤また
は、通常、グラジエント剤または他の連続的溶出剤と共
に溶出される他の支持物質への適用を含有すると定義さ
れる。支持マトリックスから溶出される物質は、溶出物
で指定される。連続的溶出は、カラム中の支持マトリッ
クスを単離し、そして、支持マトリックスに対する親和
性を変える溶出溶液を、マトリックスに、段階的にまた
は好ましくは勾配によって、通過させることで最も慣例
的に行われる。「クロマトグラフィー」の定義に、フィ
ルター中の支持マトリックスの位置決め、および溶出剤
をフィルターを通して、またはバッチ式に、連続的投与
することが包含されることが認識される。
「疎水性相互作用マトリックス」という句は、ポリス
チレン樹脂ビーズ、ゴム、シリカをコートしたシリカゲ
ル、または疎水的にするために疎水性基で十分に置換さ
れた架橋アガロースのような疎水性固体である吸着剤を
意味すると定義される。例えば、フェニルまたはオクチ
ルアガロースのようなアルキル置換アガロースおよびア
リール置換アガロースは、代表的な疎水性材料である。
疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックス上でク
ロマトグラフィーを用いて分離される物質の混合物は、
一般に、高塩濃度溶液において最初にマトリックスに吸
着され、そして、続いて低塩濃度溶液、またはピロール
のような疎水性溶媒中で溶出によってマトリックスから
脱吸着される。
「陰イオン交換マトリックス」は、水溶液中で帯電す
る固体またはゲル支持マトリックスを意味すると定義さ
れる。支持マトリックスは、水溶液中で正味電荷を有す
るように十分にアミン官能基で置換されたアガロースで
あり得る。吸着される材料は、一般に、低塩濃度溶液中
で陰イオン交換マトリックスに結合され、そして一般
に、陰イオン交換マトリックスに結合し、吸着材料と置
き換わる塩化物イオンのような陰イオンを含有する高塩
濃度溶出剤中で陰イオン交換マトリックスから溶出され
る。
「高塩濃度条件」という句は、イオン物質が高イオン
強度条件を創出するために与えられる水溶液を意味す
る。イオン強度は、当該技術分野で一般に理解されてい
るように定義され、活性定数により修正される溶液中に
存在するさまざまなイオンの推定濃度から計算され得
る。慣例的に使用される高塩濃度は、高濃度の硫酸アン
モニウムを含有する溶液で代表される;しかしながら、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸
ナトリウム、またはリン酸ナトリウムのような他の塩も
また使用される。
「アフィニティークロマトグラフィー」の定義は、Wi
lchekら、1984,Methods in Enzymology,104:3の定義と
類似であると理解される。「アフィニティークロマトグ
ラフィー」は、「生物学的認識に基づいた精製方法」と
定義される。簡単には、その手順は、リガンドを固体支
持体にカップリングし、そしてリガンドと結合するリガ
ンド認識分子を含有する溶液とリガンドを接触させるこ
とを含む。続いて、そのリガンド認識分子は、リガンド
から遊離され、そして純粋な形で単離される。Wilchek
らが議論しているように、多様なリガンドがアフィニテ
ィークロマトグラフィーに使用され得、そしてこれらの
例は、レクチン、抗体、レセプター結合タンパク質およ
びアミノ酸を含むことが理解される。
「細胞」または「組換えホスト」または「ホスト細
胞」は、文脈から明らかであるように、交互に交換して
用いられる。これらの用語は、直接対象となる細胞およ
び、もちろん、それらの子孫細胞を含む。全ての子孫細
胞が、偶発突然変異または環境の違いにより親細胞と全
く同一ではないことが理解される。しかしながら、上記
用語を用いるときは、そのような変化した子孫が含まれ
る。
以下は、本発明の抗体の特徴に関する。
本明細書で用いる「抗体」は、ポリクローナル、モノ
クローナル、および組換え構築物を指して言う。このよ
うに、この用語は、これらの抗原結合フラグメントはも
ちろん全ての免疫グロブリンを含む。
本発明は、以下にgp85-97を指して言うのに十分に精
製した分子のクラス、分子のクラスの構成物をコードす
るDNA配列、および材料の記載、およびそれらを同定し
単離する方法を提供する。さらに、DNA配列を発現させ
るためのベクターもまた示す。gp85-97の構成物、ある
いはそれに起源する活性フラグメントは、いろいろな病
気の治療または予防の薬剤として有用である。
本gp85-97DNA配列の同定および単離は、gp97から得ら
れたタンパク質配列によって予想されたDNA配列に実質
的に相同であるDNAオリゴヌクレオチドプローブの設計
によって可能となった。そのようなプローブは、gp97の
部分アミノ酸配列の知識を基にして生み出されたので、
本発明の議論の順序は以下である:gp85-97のアッセイ方
法;gp97の精製;gp97の部分アミノ酸配列;gp85-97をコー
ドする遺伝子の新規なgp97プローブを用いたクローニン
グ;そして、サブクローニングを一緒に行う、cDNAライ
ブラリー中のgp97DNA配列の同定;およびその配列の発
現。
I. gp85-97活性に対するアッセイ gp85-97の特性の一つは、植物凝集素(PHA)に刺激さ
れた胸腺細胞の有糸分裂促進反応を阻害する能力であ
る。ConAのような、特定の他の有糸分裂促進レクチン
は、測定し得るほどにgp85-97によって阻害されず、PHA
に対する大きな特異性を示唆している。PHAは見かけ上
多数のリンパ球細胞群で、DNA合成を刺激するが(リン
パ球の小細胞群の有糸分裂促進反応を引き起こす真の抗
原刺激とは似ていない)、被験体のリンパ球のPHA刺激
への感受性は、患者の全体的な免疫応答性と相互に関係
することが示された。このように、このアッセイは免疫
応答性の研究に広く用いられる。
植物凝集素増殖アッセイ(PHA/PBL)を実行する手順
は、当業者に周知である。簡単に言えば、それは、単離
されたヒトリンパ球および適切な量のPHAを含む適当な
生理学的溶液中で、適切な数の細胞をインキューベート
することからなる。トリチウム化されたチミジンが48時
間後に加えられ、そして細胞を洗浄して計数する前に、
24時間インキューベートする。PHAとのインキュベーシ
ョンに先だつさまざまのgp85-97希釈物の添加は刺激を
阻害し、放射性のチミジンのDNAへの取り込みが減少す
るので、アッセイされる溶液中のgp85-97の相対濃度の
評価ができる。
第二のアッセイ(PHA/IL-1)は、gp85-97が、PHAとIL
-1の存在下で刺激されてIL-2を生産する細胞系からのIL
-2産生を阻害する能力を基づいてgp85-97活性を測定す
ることからなる。多様な細胞系が、この性質を持ってい
ることが知られており、好ましい細胞系は、LBRMと呼ば
れるムリンT細胞系である。IL-2は、いくつかのアッセ
イによって測定され得、好ましいアッセイは18-24時間
期後に見いだされる生存能力のあるHT-2細胞の計数であ
る。HT-2細胞系は、IL-2がないと死ぬIL-2依存性マウス
ヘルパーTリンパ細胞系である。そのアッセイは、Gill
isら1978,J.of Immunol.120:2027によって記載されて
いる。簡単に言えば、IL-2に反応してのHT-2細胞の増殖
は、[3H]チミジン([3H]TdR)取り込みマイクロア
ッセイによって測定される。HT-2細胞を、洗浄し、そし
て10%FBSを含有するRPMI1640培養液に2x105/ml濃度で
再懸濁する。等量の細胞および一連の組換えIL-2を含有
する希釈物を、96−ウエルのマイクロタイタープレート
(Falcon/Becton-Dickinson Labware,Oxnard,CA U.S.
A)に入れる。24時間後、インキュベートした培養物
を、1μCi[3H]TdR(特異的活性,70Ci/mmol;New Engl
and Nuclear,Boston,MA,U.S.A)で5時間パルスし、ワ
ットマンGF/Cフィルター(Whatman Laboratory Product
s,Inc.,Clifton,NJ,U.S.A)上に採取し、そして液体シ
ンチレーションカウンターで放射能を測定した。未知試
料のIL-2活性は、国際単位にダイアルを合わせ、組換え
ヒトIL-2標準品と比較して測定した。
gp85-97を測定するための他の方法は、天然または変
性のgp85-97が、125I標識PHAに、125I標識抗gp85-97抗
体に、またはECLキット(Amersham)を用いてHRP結合ヤ
ギ抗−ウサギ抗体により発生する蛍光によって検出され
る抗gp85-97抗体に結合する能力に基づいた。およそのg
p85-97の濃度は、SDS-PAGEブッロットのオートラジオグ
ラムまたは上記リガンドでプローブされた非変性ドット
ブッロットアッセイから測定した。
II. gp85-97の供給源 多様な生物学的材料は、gp85-97の供給源として役に
立つ。確立された細胞系は、利用し得、そして実際にそ
れらはたやすく取り扱われ、そしてスケールアップされ
得るので好ましい供給源である。いくつかの細胞系につ
いては、gp85-97が分泌され、それゆえ培地中に大量に
存在している。このように培地はこの分子の主要な供給
源で有り得る。例えば、gp97は、SK-BR-3細胞培養液か
ら好ましく単離される。gp85-97の付加的な構成物は、
他の生物学的供給源から単離され得る;例えば、ヒトの
母乳はgp85の供給源である。抗gp85-97Abと反応するPHA
結合タンパク質は、また、A375ヒトメラノーマ細胞系由
来の上清中に検出された。
III. gp85-97の精製 gp85-97の好ましい精製法は、沈降速度勾配およびサ
イズ排除HPLCのようなクロマトグラフィーおよび分子質
量に基づいた分離のさまざまな用途を含む。電荷の違い
に基づいた分子構造の分離に効果があり、そして本発明
に使用し得るクロマトグラフィーの一例は、陰イオン交
換クロマトグラフィーである。多様な陰イオン交換クロ
マトグラフィー材料が使用し得るとはいえ、Pharmacia
LKB Biotechnology,Inc.から入手し得るDEAE−セファロ
ースが好ましい。
陰イオン交換体からタンパク質を溶出する方法は、一
般に文献に詳細に記載されている。例えば、gp85-97は
適切に緩衝化された塩グラジエントを用いてDEAEから溶
出され得る。塩の性質およびグラジエントの傾斜は経験
的に決められ得る。効果的な塩グラジエントの典型例
は、約0から0.8モル変化する塩化ナトリウムである。
第二のクロマトグラフィー技法は、特に本発明で好ま
しく、疎水性相互作用クロマトグラフィーの形である。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、フェニ
ルTSK HPLCカラムビーズのように固体表面に付着したア
ルキル基へ結合することによって、一般にタンパク質の
疎水的性質に基づいて、そのタンパク質の分離に影響を
及ぼすクロマトグラフィーと定義される。タンパク質
は、適切な溶媒で固体表面から別々に溶出され得る。HI
Cは、一般に初めのクロマトグラフィーの段階(複数)
に続いて使用され、そしてgp85-97および汚染タンパク
質のサブセットを高塩濃度で疎水性マトリックスに結合
させることによってgp85-97をさらに精製する。汚染タ
ンパク質およびgp85-97は、そこから塩濃度の低下によ
って溶出し得る。疎水性クロマトグラフィーを利用する
ための材料および方法は、Shaltiel S.,1984,Methods i
n Enzymology104:69により記載される。gp85-97の精
製に使用し得る多くの疎水性クロマトグラフィー材料お
よび固体支持体があることは明らかではあるが、本発明
者らはフェニルTSKが好ましいことを見いだした。だ
が、フェニルセファロースもまた効果的である。
別のクロマトグラフィー手法、高性能液体クロマトグ
ラフィーまたはHPLC、はgp85-97の精製度を高めるのに
適用し得る。HPLCは、gp85-97の精製に適用されるHPLC
の好ましいバージョンが、疎水性クロマトグラフィー材
料を使用する上記の第三の手法に関係する。この方法
は、少なくとも一観点で上記の疎水性クロマトグラフィ
ー段階とは異なる。クロマトグラフィーは、適切な塩濃
度下、高圧下で起こる。使用され得る材料のタイプおよ
び方法は、Regnier,F.,1983,Methods in Enzymology9
1:137によって記載される。本発明で好ましく使用され
るのは、フェニル残基を有するクロマトグラフィー材料
である。さらに好ましくは、BioRad Corporationから入
手可能であり、フェニルTSKという名で販売されている
調製用および分析用HPLCに用いるクロマトグラフィー材
料である。
上記のクロマトグラフィー技術に加えて、使用される
クロマトグラフィー材料から予め決められたサイズの構
造体を排除するのに効果的である一方、そのクロマトグ
ラフィー材料がより小さなサイズの構造物を保持するサ
イズ排除クロマトグラフィーもまた本発明中で使用され
得ることが明らかになる。排除カラムを構築するのに用
いられるクロマトグラフィー材料は、広く利用でき、そ
して多くの商品名で販売されている。一例としてPharma
cia LKB Biotechnology,Inc.で売られている種々のセフ
ァクリルがある。適切なクロマトグラフィー材料を使用
することで、gp85-97は他のタンパク質から分離され得
る。高純度でgp85-97を得るため、サイズ排除クロマト
グラフィーおよび/または速度勾配遠心分離が、イオン
交換および上記の疎水性クロマトグラフィーと併用され
得る。スクロース速度勾配精製が好ましいが、グリセロ
ールのような他のグラジエントもまた使用され得る。
選ばれた精製方法にかかわらず、そしてgp85-97が精
製された形態である生物学的材料の性質に依存して、さ
まざまな精製溶液に1つかそれ以上のプロテアーゼ阻害
剤、例えば、EDTA、PMSF、およびロイペプチンなどが存
在することが望ましい。さらに、当該技術分野で知られ
ているように、ある精製段階は、gp85-97タンパク質分
解のリスクを減少させる温度で行われ得る。
ウエスタンブロッティングまたはPHAアフィニティー
ブロッティングは、gp85-97を含有する調製物を、還元
または非還元条件下(Laemmli,U.,1970,Nature227:68
0-685)でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド
ゲル電気泳動にかけ、そしてゲルをgp85-97への抗体、B
urnette,1981,Anal.Bio.Chem.112:195によって一般に
記載される標識されたPHA、またはBurnette法の改変方
法でブロッティングおよびプローブすることにより、gp
85-97の精製をモニターすることに用いられ得る。本来
のgp85-97は、また、未変性タンパク質のドットブロテ
ィングおよび抗体または標識されたPHAをもちいてプロ
ーブすることにより検出され得る。
IV. gp85-97のクローニング A. 一般的方法; 1)ポリメラーゼ連鎖反応を用いたクローニング 特定の核酸配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、
そして非相補末端上に制限部位を含有する配列を増幅す
るプライマーを持ちいてベクターにクローニングされ
る。PCRは、1987年7月28日発行の米国特許第4,683,195
号、1987年7月28日発行の米国特許第4,683,202号、お
よび1989年1月24日発行の米国特許第4,800,159号に記
載される。一般に、PCRによるDNA配列の合成/増幅は、
特定のDNA配列を指数的量で生産する酵素的連鎖反応を
包含する。この場合、配列末端が、それにハイブリダイ
ズするオリゴヌクレオチドプライマーが合成され得るよ
うに十分詳細に知られており、そして配列の一部分が連
鎖反応を開始するのに利用され得るという条件が必要で
ある。プライマーは、変性DNAにアニールされ、続い
て、DNAポリメラーゼIの大きなフラグメント(クレノ
ー)、または好ましくは界面活性剤およびヌクレオチド
の存在下で安定なDNAポリメラーゼのような、適切なDNA
ポリメラーゼ酵素を持いて伸長され、その結果標的配列
を含有する新たに合成された+鎖および−鎖が生じる。
代わりに、耐熱性菌中に存在する熱安定酵素が用いられ
得る。その酵素は、1989年12月26日発行の米国特許第4,
889,818号に記載のDNA組換え技術を用いて生産され得
る。PCR合成反応で新たに合成された配列は、また、プ
ライマーのテンプレートになるので、変性、プライマー
アニーリングおよび伸長のサイクルの繰返しの結果、プ
ライマーの隣接する領域の指数的蓄積が生じる。このよ
うに、PCRは、使用した特定のプライマーの末端に対応
する末端を有するcDNA挿入物の離散的な核酸2本鎖を産
生する。
また、本明細書中では全体が参考文献として援用され
る1987年9月9日に公開された欧州公開特許第236,069
号に記載のサーマルサイクル装置(Thermal Cycler ins
trument)(Perkin-Elmer Cetus Instruments)も有用
である。
gp85-97をコードするプラスミドDNAまたはそのフラグ
メントをPCR用のテンプレートとしての使用に代わるも
のは、米国特許第4,800,159号に記載されているPCR用の
テンプレートとしてこれら分子を生産するあらゆる細胞
由来のRNAを使用することである。RNAが出発材料として
利用できるならば、1つのプライマーから合成された伸
長産物は、その相補物から分離されると、他のプライマ
ー伸長産物の合成のテンプレートとして働き得る。前記
のそれぞれのプライマーは、その5′端の近くに他のプ
ライマー上の制限部位と同一または異なる制限部位を含
有する。十分な増幅が起こった後、増幅産物は、適切な
制限酵素(複数)で処理されて、制限切断物中に開裂産
物が得られる。次に、クローニングすることが所望され
るフラグメントは、単離され、適切なクローニングベク
ター中に連結される。
PCRは多様な反応条件を用いて遂行され得るが、上記
の参考文献に記載されるように、好ましい反応条件は次
の通りである。特定のプローブにハイブダイズするプラ
ークは、0.5mlの水または好適に緩衝化された溶液に溶
出され、そして50μlの溶出液が、10μlの10×PCR緩
衝液、1.5μlの10mM dNTP、それぞれ約20pmol濃度の1
μlの1次および2次プライマー、活性1単位に等しい
0.2μlのTaqポリメラーゼと一緒にされる。最終容積は
100μlである。PCR 10×緩衝液は、500mMのKCl、200mM
のTris-HCl,pH8.4、25mMのMgCl2、および1mg/mlからな
る。
所望のgp85-97をコードする配列を含有する好適なベ
クターの構築は、標準的な連結反応および当該技術分野
で周知の制限技術を使用する。単離されたベクター、DN
A配列、または合成オリゴヌクレオチドは、開裂され、
改変され、そして所望の形に再連結される。いくつかの
これら方法の簡単な記載を、本明細書中にあげる。一般
的なクローニングおよび分子生物学的技術が、Maniati
s,T.ら、1989,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor
Lab., Cold Spring Habor,N.Y.、第1巻および第2巻)
により記載される。
部位特異的DNA開裂は、そして、その詳細がこれらの
市販の制限酵素の製造者によって特定される当該技術分
野で一般に理解される条件下で、適切な制限酵素(複
数)を用いて、そのDNAを処理することで行う。例え
ば、New England Biolabsの製品カタログを参照のこ
と。一般的に、約1μgのプラスミド、またはDNA配列
は、約20μlの緩衝液中で酵素1単位により切断され
る。本明細書中の実施例においては、典型的には過剰な
制限酵素が、DNA基質の完全な消化を確実にするために
用いられる。条件の変動は容認し得るが、インキュベー
ション時間は約37℃で約1〜2時間でよい。各インキュ
ベーション後、タンパク質はフェノール/クロロホルム
を用いる抽出により取り除かれ、引続きエーテル抽出さ
れ得る。そして核酸は、エタノール沈澱により水層画分
から回収し、続いて、Sephadex G-50スピンカラムを用
いたクロマトグラフィーに供した。所望されれば開裂フ
ラグメントの、サイズ分離は、標準的な技法を用いて、
ポリアクリルアミドゲル、またはアガロースゲル電気泳
動によって実施され得る。サイズ分離の一般的記載は、
Methods in Enzymology65:499-560(1980)中に見ら
れる。
制限フラグメントは、4つのデオキシヌクレオチド3
リン酸(dNTP)存在下で、50mMのトリスpH7.6、50mMのN
aCl、6mMのMgCl2、6mMのDTT、および10mMのdNTP中で20
〜25℃、インキュベーション時間約15〜25分で、E.coli
のDNAポリメラーゼIの大きなフラグメント、つまりク
レノーフラグメントで処理することによって、平滑末端
化し得る。クレノーで処理した後、混合物はフェノール
/クロロホルムで抽出され、そして、エタノール沈澱さ
れる。適当な条件下でのS1ヌクレアーゼ処理は、一本鎖
部分の加水分解に用いられ得る。
連結反応は、以下の標準的条件および温度下の15〜30
μl容量中で一般的に行なう:20mMのTris-ClpH7.5、10m
MのMgCl2、10mMのDTT、33μg/mlのBSA、10mM〜50mMのNa
Cl、および「付着末端」連結反応については、0℃で、
1〜40μMのATP、0.01〜0.02(Weiss)単位のT4 DNAリ
ガーゼ、または「平滑末端」連結反応については、1mM
ATPおよび0.3〜0.6(Weiss)単位のT4リガーゼを14℃で
用いた。分子間「付着末端」連結反応は、通常33〜100
μg/mlの総DNA濃度で行なう。平滑末端連結反応では、
該末端の総DNA濃度は、約1μMである。
「ベクターフラグメント」を用いるベクター構築で
は、5′リン酸基の除去およびベクターの再連結反応を
防ぐために、ベクターフラグメントを、一般にバクテリ
ア由来アルカリ性ホスファターゼ(BAP)で処理する。B
AP消化は、pH8で約150mMのトリス中、Na+およびMg2+
存在下、ベクター1μgあたり約1単位のBAPを用い
て、60℃で約1時間反応させて行う。核酸フラグメント
は、上記調製物をフェノール/クロロホルムで抽出し、
続いてエタール沈澱により回収する。あるいは、不要な
フラグメントの追加の制限酵素消化により、2重に切断
されたベクター中で、再連結が防止され得る。
以下に示す構築では、最初に適切なE.coli株を連結反
応混合物で形質転換することによって正しい連結反応が
確認される。成功した形質転換体は、アンピシリン、テ
トラサイクリン、または他の抗生物質に対する耐性、あ
るいは当該技術分野で理解されているプラスミド構築様
式に依存する他のマーカーの使用により選別される。少
量調製(Miniprep)DNAは、D.Ish-Howowiczら、1981,Nu
cleic Acids Res.:2989の方法によって上記形質転
換体から調製され得、そして、制限(restriction)に
よって分析され得、および/または、F.Sangerら、197
7,PNAS(USA)74:5463、さらにMessingら、1981,Nuclei
c Acids Res.:309により記載されるジデオキシ法、
またはMaxamら、1980,Methods in Enzymology65:499
の方法により配列決定され得る。
E.coliのK12株のDG98のようなファージに感染しやす
いE.coli株からなるM13へのクローニングに使用される
ホスト株が用いられる。このDG98株は、1984年7月13日
にATCCに寄託され、その受託番号は1965である。
形質転換は、選択されたホスト細胞に適切な標準技術
を用いて行われる。S.N.Cohen,1972,PNAS(USA)69:211
0により記載された塩化物を用いたカルシウム処理、ま
たはManiatisら、1982,Molecular Cloning:A Laborator
y Manual Cold Spring Harbor Press,254頁に記載のRbC
l2法を、原核生物に用い得る。例えばSf9細胞のような
昆虫細胞のトランスフェクションは、リン酸カルシムウ
沈澱技術(Graham,F.L.ら、1973,Virology52:456)
の、昆虫細胞に適合(J.P.Burandら、1980,Virology1
01;E.B.Casstensら、1980,Virology101:311)する修
正法を用いることで成し遂げられ得る。
B. オリゴヌクレオチド合成: 合成オリゴヌクレオチドは、Matteucciら、1981,J.Am
Chem.Soc.103:3185のトリエステル法または市販の自
動オリゴヌクレオチド合成機を用いて調製され得る。ア
ニーリングする前の、または標識化のための一本鎖のリ
ン酸化を、50mM Tris、pH7.6、10mM MgCl2、5mMジチオ
スレイトール、1〜2mM ATP、1.7pmolλ 32P-ATP(2.9
mCi/mmol)、0.1mMスペルミジン、0.1mM EDTAの存在下
で、0.1nmolの基質に対して過剰の(例えば、約10単位
の)ポリヌクレオチドキナーゼを用いて行う。
以下に記載した部分N−末端および内部のgp85-97ア
ミノ酸配列、およびそれに加えて既知のコドン縮重を用
いて、以下に記載のように、DNAオリゴヌクレオチドを
合成し、gp85-97をコードする配列に対するcDNAライブ
ラリーをプローブするためのプローブとして、またはPC
R反応を行うためのプライマーとして用いた。
C. gp85-97 DNA配列の同定および単離: gp85-97のDNA配列を同定するのに適切であり得る手順
としては、いくつかの手順が利用可能である。1つの手
順は、上記のように同定および合成したオリゴヌクレオ
チドプローブを用いて、cDNAライブラリーをスクリーニ
ングすることである。cDNAライブラリーは、当該分野に
おいて周知の技法を用いて構築され得るか、または市販
のものが用いられ得る。
gp85-97配列を含むcDNAライブラリーを作製する例示
的な手順は、適切な開始材料から得た全細胞質RNAを単
離する工程とさらにそれからメッセンジャーRNAを単離
する工程とからなり得る。後者のメッセンジャーRNA
は、さらにポリ(A+)メッセンジャーRNAに分画され
得、これは、順にgp85-97メッセンジャーRNAを含むポリ
(A+)メッセンジャーRNA画分にさらに分画される。
次いで、目的とするgp85-97メッセンジャーRNAを逆転写
し、適切なベクター中にクローニングしてcDNAライブラ
リーを作製し得る。
さらに詳細には、開始材料(すなわち、組織、細胞)
をリン酸緩衝生理食塩水で、そして非イオン性デタージ
ェント(例えば、エチレンオキシドのポリマー)で洗浄
する。例えば、NP-40を、細胞膜を溶解する量で、好ま
しくは通常約0.3%で、加える。次いで、1,000×gで10
分間の遠心分離にかけて核を取り除き得る。核を取り除
いた後の上清を、等量のTE(10mM Tris、1mMエチレンジ
アミンテトラ酢酸(EDTA)pH7.5)で飽和した、0.5%ド
デシル硫酸ナトリウム(SDS)および10mM EDTAを含有す
るフェノール/クロロホルム(1:1)に加える。この上
清を4回再抽出し、2,000×gで120分間の遠心分離によ
り水層を分離する。試料を0.25M NaClに調整し、2倍量
の100%エタノールを加え、−20℃で貯蔵することによ
り、RNAを沈澱させる。次いで、このRNAを5,000×gで3
0分間でペレット化し、70%および100%のエタノールで
洗浄し、乾燥する。これにより、全細胞質RNAが得られ
る。ポリアデニル化(ポリA+)メッセンジャーRNA(m
RNA)は、オリゴ(dT)セルロースでのクロマトグラフ
ィーにより、全細胞質RNAから得られ得る(J.Avivら、1
972,PNAS69:1408-1412)。RNAは、2mg/mlの濃度でETS
(10mM Tris、1mM EDTA、0.5% SDS、pH7.5)に溶解す
る。この溶液を65℃に5分間加熱し、次いで4℃に急冷
する。RNA溶液を室温に戻した後、この溶液を0.4M NaCl
に調整し、結合緩衝液(500mM NaCl、10mM Tris、1mM E
DTA、pH7.5)で予め平衡化したオリゴ(dT)セルロース
カラム中にゆっくりと通す。流した溶液をさらに2回カ
ラムに通し、そしてカラムを10倍量の結合緩衝液で洗浄
する。ポリ(A+)mRNAを、ETSのアリコートで溶出
し、TE飽和フェノールクロロホルムで1回抽出し、NaCl
を0.2Mに調整して2倍量の100%エタノールを加えるこ
とにより沈澱させる。このRNAを2回再沈澱し、乾燥前
に70%エタノールで1回、次いで100%エタノールで洗
浄する。次いで、ポリ(A+)mRNAを用いて、cDNAライ
ブラリーを作製し得る。
cDNAは、Okayama,H.,ら、1983,Mol.Cell Biol.:2
80の方法(本明細書中に参考として援用されている)を
用いて、ポリAテイルのオリゴ(dT)プライミングおよ
びAMV逆転写酵素を用い、mRNAが富化された画分から作
製され得る。
cDNAライブラリーを調製する他の方法もまた、もちろ
ん当該分野において周知である。1つの方法は、オリゴ
(dT)プライマー、逆転写酵素、ポリ(dG)での二本鎖
cDNAの末尾付加(テーリング)、およびpBR322またはそ
れらの誘導体のような適切なベクターへのアニーリング
を用い、この方法により、所望の制限部位で切断され、
ポリ(dC)で末尾付加される。この代替となる方法の詳
細な記載は、例えば、欧州特許第109,748号に見いださ
れる。この特許は、1983年4月13日に公開され、同一譲
渡人に譲渡されており、本明細書中に参考として援用さ
れている。実際、この方法は好ましく、ベクターpCDL-S
Rα296を用いてTHP-1細胞系からcDNAライブラリーを作
製するのに用い、gp85-97のDNA配列を同定し、単離し
た。
好ましいcDNAライブラリーは、上記の方法により、ヒ
ト単球性白血病細胞系のTHP-1(Res.Inst.for Tubercul
osis and Cancer,Tohoku Univ.JapanのDr.Tsuchiga)か
らのmRNAを用いて作製される。
最も好ましくは、メゼリン(mezerin)処理THP−1細
胞から単離したmRNA、およびベクターpCDL SRα‐296を
用いてcDNAライブラリーを構築することである。pCDLSR
α‐296は、DNAX Corporationから入手し得、Takebe
ら、1988,Molecular and Cellular Biology(1):
466により;および米国特許第4,695,542号中に記載され
ている。
最後に、上述のように、cDNAライブラリーは市販され
ており、所望のgp85-97 DNA配列を同定し単離するため
に、これを購入して用い得る。特に有用なライブラリー
は、Clontechにより販売されている(カタログ番号#L
H1008)。これは、全ポリ(A+)メッセンジャーRNAか
ら作製されたλgt11ヒト胎盤cDNAライブラリーである。
V. gp85-97に対する抗体 gp85-97に対するポリクローナル、モノクローナル、
または組換え抗体は、種々の技法を用いて生成され得
る。非ヒト抗体でも十分に働くが、抗体は、好ましく
は、ヒトまたはヒト形化したものである。高力価中和ポ
リクローナル抗体の調製は、種々の種を免疫感作し、い
くつかの異なる免疫感作レジメのうち1つを用いること
により行われ得る。本発明の好ましい方法は、完全フロ
イントアジュバント中で調製したgp85-97で、ウサギを
免疫感作することである。85〜97kDの分子および/また
はそれらに由来するフラグメントを含む天然複合体が、
免疫原として利用され得る。動物には、続いて複数回の
不完全フロイントアジュバントでのブースト(目的とす
る分子の元の量の約半分を含む)を、約21日の期間をあ
けて行う。それぞれの約21日期間から約10日後に、20〜
30mlの血液を採り、血清を単離し、そこから抗体を単離
する。この手順は、数カ月間行われ得る。
モノクローナル抗体は、天然gp85-97複合体、そのサ
ブユニット、またはそれら由来のフラグメントを免疫原
として用いて産生され得る。その手順は、Kohler,G.お
よびMilstein,C.,1975,Nature256:495により記載の手
順、または当該分野において周知であるそれらの改変法
が用いられ得る。
上記のKohlerおよびMilsteinの研究は、マウスリンパ
球と薬剤選択性プラズマ細胞腫とを融合してハイブリド
ーマを生成することに関わる。適切なプラズマ細胞腫
は、Sp 2/0-Ag14であり、当業者に広く用いられてい
る。KohlerおよびMilsteinの研究以後、ハイブリドーマ
技法は、ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリッ
ド細胞系を生成するために用いられている。最近では、
Abrams,P,1986,Methods in Enzymology121:107に記載
の手法が一般的に用いられるが、他の改変法は、当業者
に周知である。
産生される抗体がマウスまたはヒト抗体であるかどう
かに関わらず、抗体分泌細胞を融合パートナーと組合
せ、その細胞を適切な融合剤、好ましくはポリエチレン
グリコール、より好ましくはポリエチレングリコール10
00で融合する。この融合剤を、抗体分泌細胞を含む細胞
ペレットおよび融合パートナーに、短時間穏やかに攪拌
しながら少量加える。融合剤を加えた後、細胞混合物を
洗浄して融合剤および細胞デブリを除去し、そして融合
細胞および非融合細胞からなる細胞混合物を選択増殖培
地を含む適切な細胞培養チャンバーに播種する。数週間
後、ハイブリッド細胞が見られ、目的とする抗体産生に
対してスクリーニングし、サブクローニングして、安定
なハイブリッド細胞系を確実に得られるようにし得る。
細胞はまた、当該分野において周知である電気融合法を
用いても融合され得る。
好ましい抗体は、gp85-97材料により感作されたリン
パ球から調製され得るヒトモノクローナル抗体である。
この抗体の調製は、上記の細胞融合法を用いて、インビ
ボまたはインビトロのいずれかで、抗体産生ハイブリッ
ド細胞系を不朽化し、それにより所望の抗体の永久源を
得ることにより行われる。あるいは、感作リンパ球は、
2つの技法、ウイルス形質転換および細胞融合、の組合
せにより不朽化され得る。好ましい組合せは、エプスタ
イン・バールウイルスでの抗体産生細胞の形質転換と、
次いで行われる適切な融合パートナーへの形質転換細胞
の融合とからなる。このような融合パートナーは当該分
野において周知であり、例えば、融合パートナーは、マ
ウス骨髄腫細胞系、異種骨髄腫系(heteromyeloma lin
e)、またはヒト骨髄腫系、または他の不朽化細胞系で
あり得る。PCT特許出願第81/00957号;Schlomら、1980,P
NAS USA77:6841;Croceら、1980,Nature288:488。好
ましい融合パートナーは、マウス−ヒト異種ハイブリッ
ドであり、より好ましくは、F3B6と称される細胞系であ
る。この細胞系は、American Type Culture Collectio
n、受託番号HB8785として寄託されている。これは1985
年4月18日に寄託された。F3B6を作製する手順は、欧州
特許出願、公開番号第174,204号に記載されている。エ
プスタイン・バールウイルス形質転換の使用および不朽
化抗体分泌細胞系の産生に適した技法は、Roder,J.ら、
1986,Methods in Enzymology121:140に示されてい
る。
上述のように、本発明の好ましい実施態様は、gp85-9
7モノクローナル抗体を不活性化することであるが、こ
のような抗体は改変されて生物学的活性を維持し得るこ
とが、当業者に明らかである。従って、本発明の範囲内
には、例えばF(ab′)2、Fab、Fvなどのような種々の
サイズのフラグメントに還元(reduction)することに
より改変された抗体が含まれる。また、抗体を産生する
ハイブリッド細胞系は、所望の抗体をコードするDNAの
供給源であるとみなされ、これらは、遺伝的に工作され
た抗体を産生するために、既知の遺伝子技術により単離
されて細胞に転移され得る。後者の例は、本明細書中に
記載のハイブリドーマの抗体結合部位を有する一本鎖抗
体を産生することである。一本鎖抗体は、米国特許第4,
704,692号に記載されている。
遺伝子的に工作された抗体の2番目の例は、組換え抗
体、またはキメラ抗体である。組換え抗体を産生する方
法は、Cabillyらによる米国特許第4,816,567号;1984年
8月15日に出願された日本特許出願番号第84-169370号;
1984年9月3日に出願された英国特許出願8422238;1985
年10月28日に出願された日本特許出願第85-239543号に
示されている。また、1986年3月27日に出願された英国
特許出願第867679号には、軽鎖または重鎖の可変ドメイ
ンの相補的決定領域(CDRs)の少なくとも一部分が、異
なる特異性の抗体由来のCDRの相似部分により置換され
ている改変抗体を産生する方法が記載されている。その
明細書中に記載されている手順を用いることにより、あ
る種において、置換されたCDR領域を有する別の種に由
来の抗体に融合したCDR領域を有するような組換え抗体
を構築することが可能である。
出願人が彼らの発明であると考えていることを記載し
ており、ヒト乳およびSK-BR-3細胞からそれぞれ単離さ
れたgp85およびgp97に関連する以下の実施例は、本発明
を説明するものであり、本発明の範囲を限定するように
構築されるものではない。例えば、起源、種類、または
方法における変更は、本発明の範囲から逸脱することな
く用いられ得る。
実施例1 SK-BR-3 gp97のアッセイ/精製/特性付け I. gp85-97に対するアッセイ A. 増殖アッセイ gp85-97の活性を、2つのPHA−刺激細胞アッセイのう
ち1つを用いて測定した。ヒト末梢血単核細胞を、Fico
ll-Hypaque(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.)を用
いる密度遠心分離により、新鮮なヘパリン処理血液から
単離した。単核細胞を、界面から単離し、1%L−グル
タミン、ペニシリン(100単位/ml)、ストレプトマイシ
ン(100μg/ml)を補足したRoswell Park Memorial Ins
titute 1640(RPMI 1640)培地で3回洗浄し、そして得
られた細胞を、アッセイの実施に用いられる培地に再懸
濁した。
この単核細胞を、以下を含むアッセイ混合物中に、細
胞0.67×106個/mlの濃度で再懸濁した:25mMヘペス、10
%熱不活性化ウシ胎児血清、1%L−グルタミン、およ
び2%ペニシリン(200単位/ml)およびストレプトマイ
シン(200μg/ml)を含むRPMI 1640。
次に、PHA(0.25μg/ml)を含む単核細胞懸濁液150μ
lを、96ウェルのU底の組織培養プレート(Coster)の
ウェル中に加えた。この懸濁液は、細胞を1×105個/
ウェル含んでいた。この混合物を、gp85-97活性をアッ
セイする試料50μl、またはコントロール緩衝液50μl
のいずれかを含むウェルに加えた。
この96ウェルプレートを、37℃で3日間組織培養イン
キュベーター中でインキュベートした。アッセイを完了
する18時間前に、細胞培養物を0.5uCi/ウェルの3H−チ
ミジン(2Ci/mmol)で標識した。18時間の放射線標識の
後、96ウェルプレートからの細胞を、自動細胞採集機
(automated cell harvester)(Skarton,Inc.,Sterlin
g,Virginia)で採集し、液体シンチレーション計数を行
った。LKBβプレートシンチレーションカウンター(Pha
rmacia LKB Biotechnology,Inc.)を用い、DNAへの3H−
チミジンの取り込みを測定した。図に示したデータは、
コントロール緩衝液を含む培地で処理したコントロール
細胞と比較した、増殖の阻害パーセントとして表してい
る。
上記の増殖アッセイに加えて、gp85-97活性を、その
分子の、LBRM-33細胞からのIL-2の産生を阻害する能力
を測定することによりアッセイした。PHAおよびIL-1の
存在下で、この細胞系がIL-2を分泌するので、増殖のた
めにIL-2を必要とするHT-2細胞でアッセイされ得る。
このアッセイは、96ウェル組織培養プレート(Falcon
Corp.,3072)で行った。gp85-97に対して試験しようと
するクロマトグラフィー画分をPBS中で透析し、10%ウ
シ胎児血清および5×10-5M β−メルカプトエタノー
ルを補足したRPMI 1640からなるアッセイ培地に希釈し
た。最終容量は、50μl/ウェルであった。アッセイの前
に、プレートを紫外線照射により滅菌した。次に、LBRM
-33細胞を上記のアッセイ培地にml当たり5×105個に希
釈し、そしてPHA-L(Sigma L-4144)を最終濃度が2.5μ
g/mlになるように加えた。100μl/ウェルのLBRM-33細胞
を試料に加え、gp97活性に対して試験した。IL-1を加え
る前に、この混合物を37℃で1時間インキュベートし
た。1時間インキュベートした後、最終濃度が0.08単位
/mlとなるように、IL-1を50μl/ウェルで各ウェルに加
えた。IL-1は、アッセイ培地中で、0.312単位/mlの濃度
になった。IL-1を与えないコントロール試料には、50μ
l/ウェルのアッセイ培地のみを与えた。ウェル中のIL-1
の最終濃度は、0.08単位/mlであった。コントロール
は、PHAを与えずLBRM-33細胞を含むウェルと、LBRM-33
細胞およびPHAの両方を含まないウェルとを包含する。
次いで、組織培養インキュベーター中で37℃で18〜24
時間、ウェルをインキュベートした。このプレートを1,
000rpmで10分間遠心分離することにより細胞をペレット
化し、各ウェルの上清の最上部分50μlを新しいウェル
に移した。HT-2細胞は、アッセイ培地で細胞2×105個/
mlの濃度にまで生成され、このうち50μlを、ウェルに
対して50μlの上清を含むように加えた。HT-2細胞を37
℃で18〜24時間インキュベートし、1uCi/ウェルの3H−
チミジン(50μl/ウェル、NEN No.NET-027A)でのパル
スを3〜4時間行った。ウェルを自動細胞採集機で採集
し、液体シンチレーション計数を行った。
B. ウエスタンブロッティングおよびアフィニティーブ
ロッティング: gp85-97の精製をモニターするために、ウエスタンブ
ロッティング、またはPHAアフィニティーブロッティン
グを用いた。このブロッティングは、その分子を含む調
製物を、還元下、または「非還元」条件下で(Laemmli,
U.,1970 Nature227:680-685)ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかける工
程、および、ブロットし、そのブロットをgp85-97また
は標識PHAに対する抗体でプローブする工程からなる。
これらは、一般的にはBurnette,1981,Anal.Bio.Chem.
112:195に記載の方法、または、Burnette法の改変法に
より行われる。試料を、0.45μm Immobilon P(Millipo
re)上にブロットし、0.02%アジド、0.1%ウシ血清ア
ルブミン、0.1%オボアルブミン、および0.1% Tween 2
0が加えられた、3mM KCl、0.14M CaCl、1.5mM K2HPO4
8mM NaH2PO4、pH7.4(PBS)からなるウエスタン緩衝液
でブロックし、125I-PHA-L(Pierce Iodo-Beadsを用い
て標識した)でプローブし、洗浄し、マルチワイヤー比
例検出器(multi-wire proportional detector)(自動
化されたMicrobiology Systems,Inc.)で計数した。
いくつかの場合において、gp85-97の濃度を、順に画
分を希釈し、ポリビニリデンジフルオライド紙上にドッ
トブロットし、抗gp85-97Abでプローブし、そしてgp97
の希釈に対して標準化したオートラジオグラムの定量走
査を行うことによってもまた測定した。比重測定は、Ab
aton Scanプログラムで、Apple Macintosh IIコンピュ
ーターおよび16ビットAppleスキャナーを用いて行っ
た。選択されたドットブロット希釈のオートラジオグラ
ムを走査して、相対的なgp85-97濃度を、ドットの平均
密度に対する生成物サイズのドット倍から、Image 1.3.
5.プログラムを用いて測定した。絶対的なgp85-97濃度
は、次いで、同じオートラジオグラム上で、既知の量の
精製gp85-97の希釈を走査することにより測定され得
る。
抗gp85-97抗体ドットブロットのために、精製された
天然gp97に対するポリクローナルウサギ抗体を、Berkel
ey Antibody Companyにより調製し、プロテインAセフ
ァロースクロマトグラフィーにより、次いで97kDおよび
70kDのSK-BR-3 gp97サブユニット(高性能電気泳動クロ
マトグラフィーにより精製された)を用いるアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製した。これらのサブ
ユニットは、BioRad Affigel 10/15に結合しており、pH
2での0.1Mグリシンで溶出した。gp85-97濃度は、順に希
釈した試料をドットブロットし、ブロックし(上記と同
様)、125I−標識抗gp85-97抗体でプローブし、そして
オートラジオグラムでの定量比重測定を行うことにより
測定した。
gp85-97のN末端気相配列決定は、精製した物質の以
下のSDS-PAGEおよびPVDFメンブレンへの転移に続いて行
われ得る。内部アミノ酸配列は、適当な酵素(例えば、
Lys-Cプロテアーゼ)でgp85-97を消化し、次いでSDS-PA
GEにかけ、PVDFメンブレン上に移し、ABI気相シークエ
ンサーを用いて配列決定することにより得られ得る。
II. gp97の精製 gp97の精製の供給源として、10リットルのSK-BR-3細
胞培養上清を用いた。培地を採集する前に、細胞を血清
フリーおよびインスリンフリーのDMEM培地で3日間培養
した。
馴化培地を種々のプロテアーゼインヒビターを含むよ
うに調整した。このインヒビターには、1mM EDTA、1μ
g/mlロイペプチン、および200μm PMSFが含まれる。精
製の間を通して、これらの濃度でのこれらのインヒビタ
ーを全ての緩衝液中で用いた。
馴化培地を、Amicon YM10 Spiral Cartrige濃縮器で2
0倍に濃縮した。保持物質を25mMトリス緩衝液、pH8.5中
で透析し、5×20cmの大きさのDEAE−セファロース(Ph
armacia)カラムを通してクロマトグラフィーにかけ
た。タンパク質を、全容量1.5リットルを10ml/分の速度
で流した塩化ナトリウムの0〜0.7Mのグラジエントで溶
出した。gp97を富化したこれらの画分を、次のクロマト
グラフィー手順を開始する前に、プールして、硫酸アン
モニウム、pH7.0で0.8Mにした。
DEAE−セファロースプール画分から得た全量150mgの
タンパク質をそれぞれ含有する3つのアリコートを、2
1.5×150mmの大きさのBioRadの調製用フェニル−TSK HP
LCカラムにそれぞれ別々にかけた。タンパク質を、硫酸
アンモニウムを減少させ(0.8Mで開始)エチレングリコ
ールを0から30%に増加させる十字交差型グラジエント
で、3ml/分でカラムから溶出した。3つのDEAE−セファ
ロースアリコートのそれぞれをこの方法で処理し、続い
てフェニル−TSKカラムからgp97の単一ピークを得た。
この段階での精製のフェニル−TSKクロマトグラフィー
の代表例を、図1に示す。これらのフェニル−TSKカラ
ム画分をプールし、リン酸緩衝生理食塩水中で透析し、
YM10メンブレンを用いるAmicon stir cellで20倍に濃縮
した。
次に、濃縮した物質の2mlアリコートを、リン酸緩衝
生理食塩水で緩衝させた5から50%のスクロースグラジ
エント37mlで展開し、10℃、24,000rpmで39時間、Beckm
an SW28ローターで遠心分離した。チューブの底に穴を
開け、そこから画分を採取した。この精製gp97を、プロ
テアーゼインヒビターを含まないリン酸緩衝生理食塩水
中で透析し、0.45μm acrodiscフィルター(Gelman Sci
ences)を用いて濾過滅菌し、そして4℃で貯蔵した。S
K-BR-3細胞の3日間培養から得た馴化培地から始まる精
製プロトコルにより、3.3mgのgp97が得られ、この画分
は、70kDおよび27kDのフラグメントに切断されていた。
これは、300倍精製に相当し、回収率は20%であった。
本質的に同一の精製から得られた精製gp97タンパク質
を、PBSに対して透析し、Amicon YM30限外濾過により0.
5mg/mlに濃縮した。これを、0.1Mトリス、pH8.9および
0.1% SDSおよび0.1mMチオグリコレート中で1時間予め
電気泳動し、次いで緩衝液(0.1mMチオグリコレートを
含む)を流してゲルを回復させた8%還元SDS-PAGEに流
し、試料を分離した。タンパク質のバンドをPVDFメンブ
レン(Pro-Blot、Applied Biosystems,Inc.)に移し、
簡単なクーマシーブルー染色により可視化した。優勢な
70kDのバンドを検出し、次いで気相シークエンサー(Ap
plied Biosystems)を用いて配列決定した。以下のN末
端配列が得られた:VNDGDM?LAD。97kDの分子量のバンド
もまた、本質的に同一の3番目のgp97調製物から配列決
定し、以下のN末端配列を得た:(配列番号:1)。
A. 特性付け; 精製SK-BR-3複合体の見かけの固有分子量は、2.5mM E
DTA、0.2mMフェニルメチルスルホニルフルオライド、お
よび2μg/mlロイペプチンを含むリン酸緩衝生理食塩水
中の5から20%のスクロース(w/v)グラジエント12ml
を用いる沈降速度法により推定した。精製SK-BK-3 gp97
(6μg)を、0.2mgのウシ血清アルブミンと、全部で2
00μlのPBS中で混合し、15℃、28Krpmで16時間、SW40
ローターで遠心分離した。画分を底から採集し、BioRad
アッセイによりマーカータンパク質に対してアッセイし
た(595nmで読み取る)。200μl PBS中に400μg BSAお
よび600μg IgM T88を含むコントロールグラジエントも
また、平行して行った。gp97のピークは、各画分10μl
のウサギ抗p85-97/ヤギ抗ウサギHRP抗体検出により位置
を突き止め、続いてこれを希釈し、PVDFメンブレンにド
ットブロットし、蛍光により可視化した。オートラジオ
グラムを走査して、相対的なgp97濃度を定量し、ピーク
の位置を決定した。巨大分子の沈降係数は、固有分子量
を決定するために用いられた。gp97のS値は、約25であ
った。
SK-BR-3細胞培養上清から単離したgp97の見かけの固
有分子量はまた、移動相として0.5ml/分のリン酸緩衝生
理食塩水を用いるセファロース6サイズ排除HPLCカラム
(Pharmacia)でのクロマトグラフィーにより推定し
た。図3に結果を示す。上記のような125I-PHAドットブ
ロットアッセイを用いて、gp97を含む画分を同定した。
見かけの固有分子量は、最も大きい標準であるIgM T88
よりも大きく、1200kDを超えると推定される。IgM T88
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマは、Amer
ican Type Culture Collectionに受託番号HB7431で寄託
されている。
精製SK-BR-3 gp97複合体の密度は、平衡密度遠心分離
により測定した。ここで、30μgのgp97を、密度1.35gm
/mlでCsClを含むリン酸緩衝生理食塩水14ml中に混合し
た。この混合物を、5℃、28,000rpmで70時間、Beckman
SW40ローターで遠心分離した。チューブの底に穴を開
け、0.5mlの画分を採取し、各画分の密度を、密閉した
3組のチューブの画分のアリコートを計量することによ
り測定した。精製SK-BR-3 gp97の密度は、約1.35gm/ml
であると決定された。
部分的に精製したgp97のトリプシン消化に対する感受
性を決定するために、実験を行った。gp97天然複合体
を、トリプシンを用いて、1:10の割合(w/w、全タンパ
ク質に対するトリプシン)で37℃で60分間処理した。図
4は、消化前と後の物質のBio-Sil SEC-250サイズ排除H
PLCクロマトグラフィープロフィールを示す。これら2
つの調製物のSDS-PAGEにより、半精製gp97は、比較的プ
ロテアーゼ抵抗性(トリプシンでの限定的な消化を行っ
た後)であり70kDと27kDのフラグメントになるが、他の
バンドはさらに広範囲に分解した。70kdバンドのN末端
配列(PVDFメンブレンに移した後)が、上記の精製SK-B
R-3 gp97の配列に相当した。
レクチン結合の研究をgp97(70kDおよび27kDのフラグ
メントを含む)で行い、この糖タンパク質の糖成分を部
分的に特性付けた。用いたレクチンの糖の特徴は以下の
ように報告されている:1)con A(α−D−マンノース
およびα−D−グルコサミン)、2)レンズマメレクチ
ン(α−D−マンノース)、3)コムギ胚芽アグルチニ
ン[(D-glcNAc)2およびNeuNAc]、および4)フィトヘ
マグルチニン、白血球特異性(オリゴ糖)。精製gp97
(PBS 300μl中50ng)を、種々のアガロースビーズ
(インキュベーションにつきビーズ25μl)に固定した
種々のレクチンと共に、室温で2時間攪拌しながらイン
キュベートした。遠心分離によりビーズを取り除いた
後、上清中で残渣と結合していないgp97を、上記の抗gp
85-97抗体ドットブロットアッセイにより測定した。PHA
-Lおよびコムギ胚芽アグルチニンのみが顕著な量でgp97
と結合した。
SDS-PAGE上に流し、PVDF紙にブロットしたgp97に結合
する125I標識PHA-Lを用い、同様の研究を行った。グリ
コシダーゼでの前処理による影響についてもまた、この
システムにおいて研究し、gp97中の糖の結合についての
部分的な特性付けを行った。各グリコシダーゼ反応は、
ph7.0で100mMへペス中に2−メルカプトエタノールを含
有する0.1%ドデシル硫酸ナトリウム中で5分間煮沸す
ることにより変性させた精製gp97 6マイクログラムで行
った。NP40を最終濃度が1%(w/v)になるように加
え、そして個々の60マイクロリットルの反応液を、以下
の酵素単位を加えた後、37℃で18時間インキュベートし
た:1)2ミリ単位のノイラミニダーゼ(Boehringer Man
nheim Biochemicals);2)2ミリ単位のノイラミニダー
ゼと1ミリ単位の0−グリカン−ペプチド−ヒドロラー
ゼ(Boehringer Mannheim);および3)0.5ミリ単位の
N−グリカナーゼ(Genzyme)。ノイラミニダーゼを含
有する反応液中に、CaCl2を4mMとなるように加えた。コ
ントロール反応液を含む各反応液について、20マイクロ
リットルアリコートを3組でSDS-PAGEを行った。生成物
を、それぞれ以下の方法により可視化した:1)クーマシ
ーブル染色;2)ブロッティングし、125I−プロテインA
で標識した抗SK-BR-3gp97抗体でプローブすること:お
よび3)ブロッティングし、125I-PHAでプローブするこ
と。
3つの検出法はすべて、グリコシダーゼ処理後のSDS-
PAGEにおいて、分子の分子量が変化することを示した。
ノイラミニダーゼ処理によりわずかな移動が生じたの
で、シアル酸が存在することが示される。0−グリカン
−ペプチド−ヒドロラーゼ処理ではいかなる影響も生じ
なかったので、明らかな0−グリコシル化は起こってい
ないと考えられる。N−グリカナーゼ処理では、分子量
の大きな移動が生じたため、明らかなN−結合グリコシ
ル化が起こっていると考えられる。125I-PHAでは、N−
グリカナーゼで処理した物質以外の全ての抗体反応バン
ドに結合することが観察されたので、PHA-Lはgp97のN
−結合糖成分に結合すると考えられる。
実施例2 ヒトgp97をコードする遺伝子のクローニング ヒトgp85-97をコードする遺伝子は、以下の一般的方
法を用いてクローン化した。まず、部分的にタンパク質
分解された形で回収したSK-BR-3 gp97を、変性し、還元
し、そして、97kDおよび70kDの分子を、0.1%のSDSで、
サイズ排除HPLCを用いて精製した。この97kDおよび70kD
の分子を、Lys-Cプロテアーゼで消化し、そして得られ
たペプチドを精製し、配列決定した。次に、ペプチドの
一つであるペプチドIのアミノ酸配列を基に、縮重した
オリゴヌクレオチドプライマーを合成し、SK-BR-3 mRNA
上でのPCR反応に用いた。ここで得たDNA配列は、順次、
結局、cDNAライブラリーをスクリーニングするための特
異的DNAプローブを合成するための、他のオリゴヌクレ
オチドプライマーを合成するために使用され、SK-BR-3
gp97をコードする全長のcDNA配列を得た。
より明確には、1mgの部分的にタンパク質分解したSK-
BR-3 gp97を、2%のドデシル硫酸ナトリウムで変性
し、そして40mMのジチオスレイトールで還元した。混合
物を10分間50℃に加熱し、Pharmacia Superose 6サイズ
排除−HPLCカラム上で、1mM EDTAを含む25mMのトリス
(pH8.5)中の0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを移動相
に用い、0.6ml/分の速度でクロマトグラフィーを行っ
た。精製した97kDのサブユニットおよび70kDのフラグメ
ントは、別々に5%(w/w)のLys-Cプロテアーゼで、37
℃、18時間処理した。消化およびペプチド生成の程度を
決定するために、97kDおよび70kDの消化物の3分の1
を、14%アクリルアミドTricine緩衝化ゲルを用いて、
還元SDS-PAGEで電気泳動した。ゲルは、PVDFメンブレン
(Pro-Blot,Applied Biosystems)を用いてブロット
し、クーマシーブルー染色で可視化した。2組のレーン
を、125I-PHA結合に対して分析した。各消化物の残りの
3分の2は、アセトニトリル/TFAを移動相として、Vyda
c C4カラムを用いるRP-HPLCによりクロマトグラフィー
を行った。各カラム画分のアリコートを、凍結乾燥し、
14%アクリルアミドTricine緩衝化ゲルで、SDS-PAGEに
より分析し、各画分の残りのタンパク質を、N末端から
配列決定した。97kDおよび70kDの両方の分子をLys-Cプ
ロテアーゼで消化すると、同様の消化パターンを示し、
これらの分子が構造上関係がある証拠を得た。4つのRP
-HPLCのピークを選び、そしてピークIと命名したその
1つを、PVDFメンブレンに移しApplied Biosystemsの気
相シークエンサーを用いて配列決定した。ピークIのペ
プチドから得られたN末端のアミノ酸配列を、(配列番
号:2)に示す。
ペプチドIのアミノ酸配列から、3つの縮重オリゴヌ
クレオチドプライマーを、一部がペプチドの種々の領域
に対応するように合成した。オリゴヌクレチドを、SK-B
R-3ポリA+mRNA上のプライムPCR反応に使用した。縮重
は、いくつかの選択したゆらぎの位置をイノシンで置換
することにより、幾分減少した。オリゴヌクレオチド
は、下記の配列:(配列番号:3);(配列番号:4);お
よび(配列番号:5)を有する。
アンダーラインは、(配列番号:3)についてはHind I
IIの、および(配列番号:4)および(配列番号:5)につ
いてはEcoR Iの制限部位の位置を示す。制限部位は、pU
CベクターへPCR生成物を容易にクローニングするような
プライマーの設計を含んだ。
PCR反応は、(配列番号:4)または(配列番号:5)と
組合せて、(配列番号:3)を用いて行った。
簡単にいえば、PCRは総量50μl中、最終濃度1×PCR
緩衝液、50μMのdNTP、1μMの5′および3′の各プ
ライマー、および1単位のTaqポリメラーゼで行った。T
aqポリメラーゼを加える前に、反応混合物を80℃に加熱
した。増幅は2つの結合したサイクル方式を用いて行っ
た。増幅の最初の5サイクルは、95℃で30秒の変性、45
℃で30秒のアニーリング、および72℃で30秒の伸長から
なる。これに続いて、それは、95℃で30秒の変性、55℃
で30秒のアニーリング、および72℃で30秒の伸長からな
る、30サイクルの増幅を行った。
予測したPCR生成物は、約24塩基対が異なると予測さ
れ、そして実際に、ゲル電気泳動の移動度から判断し、
得られた生成物は約97及び121塩基対の長さであった。
SK-BR-3 gp97のアミノ末端のアミノ酸配列を、上記の
ように決定し、そしてこれらのデータを用いて、さらに
他のオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、それらの
プライマーを、(配列番号:4)および(配列番号:5)の
プライマーを用いた、以下のPCR反応に用いた。
一部アミノ末端の配列に基づくオリゴヌクレオチドプ
ライマーを、(配列番号:6)に記載し、上記のように設
計した。
(配列番号:6)と(配列番号:4)または(配列番号:
5)のどちらかとを用いたPCR反応により、それぞれ、約
740および765塩基のDNA配列を得た。
DNA配列を、上記PCR反応によって生成した物質から得
た。この配列に基づいて、さらに2つのオリゴヌクレオ
チド配列を合成し、THP-1 cDNAライブラリーをプローブ
するのに用いて、gp97の全長をコードする配列を有する
クローンを同定した。これらのオリゴヌクレオチド配列
は、(配列番号:7)および(配列番号:8)である。それ
らの配列は、以下の(配列番号:7)および(配列番号:
8)である。
実施例3 gp85-97に対するcDNAライブラリーのスクリーニング cDNAライブラリーを、100ng/mlのメゼレイン(mezere
in)で24時間誘導した、THP-1細胞から単離したmRNAか
ら作成した。その手順は、上記の手順を用いてmRNAを単
離する工程、および直鎖状にしたプラスミド、pcDL-SR
α296に共有結合したオリゴ(dT)でプライムすること
により一本鎖cDNAの合成を行う工程からなる。
ポリ(dT)テイル化は、10×ターミナルデオキシヌク
レオチジルトランスフェラーゼ緩衝液(本願明細書で
は、以下10×TdT緩衝液と称す)を用いて行った。この
緩衝液は、以下のように調製した:13.8gのカコジル酸
を、3.0gのトリス塩基を溶解した60mlの水に加える。固
体のKOHをゆっくり加えることにより溶液をpH7.6に調整
し、その後容量を水で88mlに増やす。次に、溶液を0℃
に冷却し、それから溶液を一定に攪拌しながら、0.1M D
TTを2ml加えた後、0.1MのMnCl2を10ml滴下する。20μl
の10×TdT緩衝液に、5.0μlの10mMのdTTP、および、20
0μgのKpnエンドヌクレアーゼ消化pcDL-SRα296プラス
ミドを加える。溶液の総量が200μlになるように、水
を加える。溶液を37℃に15分間暖め、約3μl中の360
単位のTdTを加えて、37℃で5分間インキュベートす
る。
次に、cDNA合成を当該分野で公知のように、逆転写酵
素を用いて行い、新たに合成したcDNAの3′ヒドロキシ
ル末端に(dC)テイルを付加する。pcDL-SRα296の3′
末端に、反応中に付加した(dC)テイルを、Hind III
消化して除去した。100μlの逆転写酵素反応は、10μ
gのポリ(A+)THP-1 RNA、20mMのトリス−HCl、pH8.
3、2.5mMのMgCl2、50mMのKCl、1mMのDTT、0.5mMの各100
単位のRNAsin、5μgのポリ(dT)単一テイル化ベクタ
ー−プライマーDNA、および100単位の逆転写酵素を含
む。反応は、37℃で30分間行った。
最終的に、オリゴ(dC)テイル化cDNA-mRNAプラスミ
ドは、SRαプロモーター−リンカーで環状にした。それ
は、一方の端のHind III部位、および他方のホモポリマ
ーテイルのdGで行った。アニーリング反応は、10×アニ
ーリング緩衝液からなるアニーリング溶液を用いて、標
準条件下で行った。10×アニーリング緩衝液は、0.1Mの
Tris-HCL、pH7.6、1.0MのNaCl、10mMのEDTAからなる。m
RNA鎖は、連続的にE.coliのRNase H、DNAポリメラーゼ
I、およびDNAリガーゼを用いて、DNAに置き換えた。次
いでDNAを、DH5-α細菌内へと形質転換した。(DH5-α
細菌は、Bethesda Research Laboratories,Research Pr
oducts Division,Life Technologies,Inc.,Gaithersbur
g,MD 20877,Cat.No.82585Aから得る:Max Efficiency DH
5-α感応細胞) 上記で得たcDNAライブラリーを、当該分野では周知の
手順を用いて増幅し得、ライブラリーを−70℃で、LB培
地中12.5%グリセロール中で細胞ペレットを懸濁して保
存し得る。
cDNAライブラリーは、1.65×105個の形質転換体を平
板培養し、(配列番号:8)を有するオリゴヌクレオチド
を用いることによりスクリーニングした。31個のコロニ
ーはポジティブであり、プライマー(配列番号:7)およ
び(配列番号:8)を用いるPCRにより、さらに分析し
た。31個のポジティブなコロニーのうち、7個のコロニ
ーはおおよそ予測した塩基対の数である437を有するこ
とが見いだされた。7個のコロニーのうち2個の、クロ
ーン17および18を選択し、さらに研究した。
クローン18の両方の鎖を、上記のα-35SおよびSanger
ジデオキシ法を用いて、配列決定した。シーケネース
を、ポリメラーゼとして使用した。クローン由来のDNA
配列は、(配列番号:9)に示す。180-1934残基は、gp85
-97のプロ型をコードする。234-1934残基は、gp85-97の
成熟型をコートする。推定したアミノ酸配列を、(配列
番号:10)に示す。アミノ酸1-18は推定リーダー配列を
形成する。
gp85-97遺伝子のDNA配列は、多数の機能を有すると予
測され得る、十分な大きさおよび複雑度を有する成熟タ
ンパク質をコードする。DNAおよびタンパク質のデータ
ベースのホモロジー検索から、ヒトgp85-97のN末端領
域に、著しく保存されたドメインが存在することが示さ
れる。成熟gp85-97タンパク質の最初の105個のアミノ酸
は、タイプIヒトマクロファージスカベンジャーレセプ
ターの、細胞外末端配列と50%以上一致している。Koda
ma,T.ら,1990,Nature343:531-535。このドメインの正
確な機能は、現在未知である。しかし、スカベンジャー
レセプターの他のドメインは、酸化された低密度リポタ
ンパク質、細菌リポ多糖、および一本鎖の核酸などの、
望ましくない分子を除去することを、明らかに包含す
る。この同じドメインは、gp85-97と、精子の表面に複
製物が見いだされるウニとの間で高度に保存され、そし
て、精子−活性化卵ペプチドに対するレセプターとして
機能している。Dangott,L.ら,1989,PNAS(USA)86:212
8。gp85-97のN末端ドメインもまた、リンパ球糖タンパ
ク質CD6のような他のヒトタンパク質と、著しく相同で
ある。従って、gp85-97は、例えば、感染病に対して応
答すること、または免疫応答を促進することを含む、こ
れらの相同タンパク質と同様の機能を示し得る。成熟N
末端配列、およびgp85-97の見かけの分子量は、まだク
ローン化していない、肺癌の糖タンパク質であるL3抗原
の分子量と同一である。Linsleyら,Biochemistry(198
6)25:2978-2986。
実施例4 SK-BR-3 gp97の発現 全長を有する二つのクローンである。クローン17およ
び18を、細胞系Cos A2中にトランスフェクトした。細胞
系「Cos A2」はCos-1細胞の軟寒天サブクローン(Gluzm
an,Y.,1981,Cell23:175-182)である。対数増殖期の
細胞は、適切なプラスミドと、0.05%のDEAE Dextran
(Sompayrac,L.M.ら,1981,PNAS(USA),78:7575-7578)を
用いてトランスフェクトした。細胞を、室温で1時間イ
ンキュベートし、次いで洗浄して、DEAE−プラスミドの
残基を除去し、100uMのクロロキンを含む増殖培地を添
加した。5%CO2/95%空気雰囲気中で、37℃4時間イン
キュベートした後、培地を除去し、クロロキンを含まな
い新鮮な増殖培地に取り替えた。細胞を組織培養インキ
ュベーター中でインキュベートし、培地を24、48、およ
び72時間後に採集した。
72時間インキュベーション物由来の培地は、採集後た
だちに遠心分離によって透明にし、さらに分析するため
に凍結した。培養上清1ml中のgp97タンパク質を、40μ
lのAffigel 10ビーズ(BioRad)と結合した、精製抗−
gp85-97抗体に結合することにより、免疫沈降した。結
合タンパク質を、20μlの非還元SDS-PAGE試料緩衝液中
で煮沸することによりペレット化し、洗浄したビーズか
ら遊離した。ビーズを除去した後、試料を、添加した2
−メルカプトエタノール(1%)の存在下で、煮沸によ
って還元し、上記のようにアファニティー精製125I−標
識抗−gp85-97抗体を用いて、ウエスタンブロットによ
りアッセイした。抗体を以下に記載のように産生した。
結果を図5に示す。図から明らかなように、gp97抗体反
応性物質は、両方のクローンにより産生する。糖鎖形成
に相違があるので、観測した85kDの分子量がSK-BR-3 gp
97の分子量と異なる可能性がある。
実施例5 SK-BR-3 gp97に対する抗体 天然のSK-BR-3 gp97(スクロース勾配工程を通して上
記のように精製した)を用いる免疫化の手順は、数カ月
以上かかって行った。免疫化は、約200μgの物質で開
始した。この免疫化の約20日後、ウサギを約100μgの
物質でブーストし、10日後に採血した。このブースト/
採血の手順は、数カ月にわたって行った。約200μgの
最初の免疫化を、完全フロイントアジュバントでニュー
ジーランド白ウサギの膝後面の節に注入して行った。そ
の後のブーストを、不完全フロイントアジュバントで筋
肉内に投与した。7カ月目の最後に、ウサギを瀉血し、
血清を単離した。抗体を、プロテインAセファロースカ
ラム(Pharmacia LKB Biotechnology,Inc.)で、アフィ
ニティークロマトグラフィーにより精製した。いくつか
の実験では、gp85-97抗体を、高性能電気泳動クロマト
グラフィーで精製し、Affigel 10/15(BioRad)に結合
させた、97kDおよび70kDの糖ペプチドを利用した、リガ
ンドアフィニティークロマトグラフィーによって、さら
に精製した。精製した抗体を、グリシン/HCl、pH2で溶
出した。
SK-BR-3 gp97に対して生成した抗体が、中和活性を有
するかどうかを決定するために、研究を行った。抗体
を、2つの細胞に基づくアッセイ、および、上記の125I
-PHAドットブロットアッセイにおいて、gp97に対する中
和力価について試験した。1/40の希釈で、抗体は、細胞
に基づく生物学的アッセイで測定したように、gp97の20
μg/ml溶液の50%を中和し得た。gp97の非存在下で、抗
体はアッセイにおいて効力を有しないので、抗体はgp97
の効力を中和することが明らかである。抗体の比較的低
い中和力価は、大きな多−サブユニットタンパク質複合
体であると考えられているものの上に、多くの結合部位
を有することを示し得る。同様に希釈した抗体は、固定
化した天然のgp97の同量に結合した125I-PHAを中和し
た。
SK-BR-3 gp97に対する抗体を、種々の生物学的試料中
で、gp85-97と反応する能力について試験した。ウエス
タンブロット、またはドットブロット分析を用いて、抗
体を、ヒト血清由来の半精製した物質、およびヒト乳由
来の精製物質と反応した。新鮮ヒト血清由来の物質を、
SEC-HPLCて、ボイドボリュームまたはそれに近い容量で
溶出し、従って、SK-BR-3細胞から精製した物質と同様
であった。
実施例6 ヒト母乳からのgp85の精製 400ミリリットルのヒト乳を多くの匿名の提供者から
プールし、これらはHIVおよびB型肝炎ウイルスに対し
て陰性を示す。乳は、1mMのEDTA、1μg/mlのロイペプ
チン、および200μMのPMSFを含むように調整した。こ
れらのインヒビターを、これらの濃度で、精製期間中通
して使用した。
乳は、4℃で25,000×g、30分間、2回の遠心分離に
よって脂肪分を除去し、上部の脂肪層を除去した後、水
層をグラスファイバーフィルターを通して濾過し、続い
てGelman 50A 5μmフィルターを通して濾過した。濾液
は、硫酸アンモニウム(pH7.0)で0.5Mにして、5×20c
mのフェニル−Sepharose(Pharmacia)カラムでクロマ
トグラフィーを行った。タンパク質を、硫酸アンモニウ
ムが減少し、エチレングリコールが0-30%増加する十字
交差型グラジエントで、10ml/分でカラムから溶出し
た。カラムを通した流出物は、同じカラムで再びクロマ
トグラフィーを行った。gp85を富化した画分を、両方の
カラムからプールし、PBS中で透析し、YM30メンブレン
を用いてAmicon stir cellで30倍に濃縮した。
Amicon濃縮物質は、2つの25mlアリコートに分割し、
それぞれを別々に5×90cmの大きさを有するS300 Sepha
cryl(Pharmacia)サイズ排除カラムでクロマトグラフ
ィーを行った。タンパク質を、5ml/分でカラムから溶出
した。gp85のピーク画分をプールして、上記のように30
倍に濃縮した。
次に、濃縮物質のうち2mlアリコートを、PBSで緩衝化
した37mlの5-50%スクロースグラジエントに積層し、Be
ckman SW28ローターで、15℃、23時間、27,000rpmで遠
心分離した。チューブの底に穴を開け、画分をそこから
採取した。
gp85のピーク画分の5分の2を、1mMの代わりに0.1mM
のEDTAを含む50mMのトリスpH8、150mMのNaCl中で透析し
た。保持物質を、MgCl2、CaCl2、およびMnCl2で1mMに調
整し、続いて、前洗浄したLentil Lectin Sepharose(P
harmacia)のベッドボリューム20mlを加えた。混合物を
4℃で3時間振盪しながらインキュベートし、2.6cm直
径のカラムに注ぎ、周囲の温度で、EDTAを除いた50mMの
トリスpH8、150mMのNaClで洗浄した。カラムは、同じ緩
衝液中の200mMのα−メチル−D−マンノピラノシドで
溶出した。溶出したgp85を、硫酸アンモニウムpH7.0で
0.8Mにして、7.5×75mmの大きさを有する分析用フェニ
ル−TSK HPLCカラム(BioRad)でクロマトグラフィーを
行った。タンパク質を、上記の条件下で、1ml/分の流速
でカラムから溶出した。SDS-PAGE分析のために、全部の
画分を1mMのトリスpH7.5で緩衝化した0.1% SDS中で透
析し、凍結乾燥し、15μlの還元試料緩衝液で再懸濁し
た。バンドを、クーマシーブリリアントブルーで染色し
て可視化した。カラムプロフィールおよびSDS-PAGE分析
を図6に示す。約60kD〜100kDを越える見かけのサブユ
ニット分子量の不均一分布は、おそらくグリコシル化に
おける不均一性を反映している。
精製調製物の2番目のアリコートを、上記のようにSD
S-PAGEで分画し、実施例1のSK-BR-3 70kDフラグメント
の単離に記載のようにPVDFメンブレンに転移した。Appl
ied Biosystems 470A気相シークエンサーを用いて得た
N末端配列は、以下の(配列番号:11)である。
スクロースグラジエント画分の残りの5分の3は、上
記のようなレンズマメ−レクチンクロマトグラフィーを
行った。ただし、カラムを4℃で溶出し、続いてさらに
結合したタンパク質が解離する周囲の温度での同様の溶
出は行わなかった。4℃で溶出したgp85を、上記の分析
用Phenyl-TSK HPLCを用いて、クロマトグラフィーを行
った。gp85を富化した画分をプールし、PBS中で透析
し、10倍に濃縮して−20℃で保存した。周囲の温度で溶
出したgp85を、Amicon YM30メンブレンを用いて75倍に
濃縮し、保持物質を、Pharmacia Superose 6サイズ排除
FPLCカラムでクロマトグラフィーを行った。タンパク質
を、PBSの移動相で0.5ml/分でカラムから溶出した。gp8
5のピーク画分をプールし、2倍に濃縮し、フィルター
滅菌して4℃で保存した。精製プロトコールで、脱脂肪
して濾過したヒト乳から始めて、約6%の回収率で1300
倍に精製した400μgのgp85を得た。
上記のgp85の特性に加えて、Superose6クロマトグラ
フィーによって精製した物質を、実施例1に記載のよう
にスクロースグラジエント沈降速度によって分析した。
ドットブロットアッセイにおいて、抗gp85-97と反応し
た物質の沈降値は、約25であった。他の反応性物質は、
30を越える沈降値で検出した。
実施例7 胸部癌細胞の増殖阻害 実施例5に記載したようにして得た中和固体を、癌細
胞の増殖阻害活性について試験した。アッセイは、チミ
ジン取り込み機能としての細胞増殖におけるプロテイン
A精製抗−gp85-97抗体の有効希釈を決定する工程から
なる。ヒトの胸部腫瘍細胞系SK-BR-3は、栄養欠失培地
(ウシ胎児血清を制限したRPMI)での最小刺激条件下
で、試験した。抗−GAPポリクローナル抗体(Halenbec
k,R.ら,1990,J.Biol.Chem.265:21922-21928)は、以
下の同一のプロテインA精製にコントロールとして用い
た。
チミジンアッセイを、以下のように行った:SK-BR-3細
胞増殖は、2μCi/ウェル当たりの3H−チミジンを加
え、37℃で4時間細胞をインキュベートし、その後、細
胞を洗浄し、採集し、標準物を用いて計数することによ
り測定した。5組でアッセイした全ての試料について、
2回アッセイした。結果を表1に示す。
最初の実施例では、抗体または抗体gp97を産生するの
に用いる抗原を欠く培地からなるコントロールに比べ
て、1:10および1:40の抗体希釈では、それぞれ、3H−チ
ミジン取り込み量で68%および60%の減少がみられた。
コントロール抗体は、3H−チミジン取り込みに本質的に
効果がない、または刺激効果を有することを示した。
2番目の実施例では、3H−チミジン取り込み量におい
て、1:10および1:40の抗体希釈で、それぞれ、57%およ
び49%の減少がみられた。
実施例8 ヒト体液中のgp85-97の検出 分類したヒト体液を、抗gp85-97抗体(上記のように
調製した)で免疫沈降し、ウエスタン分析をした(図
7)。レーン1−7はそれぞれ:緩衝液コントール;精
液、0.5ml;母乳、0.05ml;血漿、1.0ml;唾液、0.5ml;
涙、0.2ml;および尿、1.0mlである。試料を、最終容量1
mlのPBS中で、0.1mMのPMSFおよび2μg/mlのロイペプチ
ンになるよう調整した。これらの溶液を、免疫沈降し、
実施例1−Bに記載のようにアフィニティー精製125I−
標識抗gp85-97抗体を用いて、非還元SDS-PAGEおよびウ
エスタン分析を行った。免疫反応物質は、大きさおよび
複雑度が幾分変化したが、通常は60および100kDa Mr
間の2つのバンドを含んだ。母乳の免疫反応物質を、ア
ッセイ検出のための同じ抗体を用いて精製し、gp85-97
のN末端配列を有することは(上記参照のこと)、別の
ヒト体液で、同様のサイズの免疫反応バンドもgp85-97
を表すことを示す。
実施例9 gp85-97の共沈 本質的には既に記述されているように(Rosenberg
ら,J.Biol.Chem.(1991)266:18731-18736)、HT-29細
胞(ATCC HTB 38)を増殖し、0.5%のTriton X-100で溶
解し、遠心分離して細胞およびデブリを除去し、抗Mac-
2モノクローナル抗体(M3/38,Boehringer Mannheim)お
よびプロテインG Sepharose(Pharmacia)を用いて免疫
沈降した。免疫沈降はまた、Affigel 10に固定化したgp
85-97に対する、精製ポリクローナルウサギ抗体を用い
て行った。HL-60細胞(ATCC CCL 240)を、80mMのホル
ボール12−ミリステート13−アセテートで72時間分化
し、上記のように溶解した。
免疫沈降物を、非還元型または還元型(Mac-2抗体で
プローブしたレーン)SDS-PAGE、および図8に示すよう
125I−標識抗体(プローブAb)でのウエスタン分析に
より分析した。(+lac)および(+man)で印をつけた
試料には、それぞれ0.25Mのラクトースまたはマンノー
スを沈降前に与えた。各パネルの最初のレーンは、溶解
緩衝液の免疫沈降由来のバックグラウンドを示す。A)
ヒト結腸癌HT-29の溶解物(1.5mg/レーン)。B)ヒト
前骨髄腫白血病HL-60の溶解物と混合した精製gp97(5
μg)(0.8mg/レーン)。図8は、gp85-97が、ラクト
ースと解離し得、炭水化物と結合する性質を通じて、ヒ
トMac-2レクチンにより結合することを示す。
培養物の寄託 ベクター 寄託日 ATCC受託番号 pSKBR3-gp97 1991年4月30日 68608 本発明は、特定の実施態様に関して記述されている。
しかしながら、本出願は、添付の請求の範囲およびその
意図から逸脱せずに、当業者により成され得る本発明の
改変および置換を網羅するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 38/00 ADU 9282−4B C12N 15/00 ZNAA ADZ A61K 37/02 ADU 39/395 ABA ADZ 前置審査 (72)発明者 テイラー,エリック ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94708,バークレー,フェアローン ド ライブ 209 (72)発明者 ワン,アリス エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94549,ラファイエット,クアント ロ ード 1246 (72)発明者 カシピット,クレイトン エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94544,ヘイワード,イースト テンス ストリート 28074 (56)参考文献 J.Biol.Chem.Vol. 266,No.28(1991)P.18731−36 Bio Chemistry,Vo l.25(1986)P.2978−86

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精製糖タンパク質複合体であって、以下の
    特性: a)見かけの分子量が1200kD以上、およびスクロース速
    度勾配沈降値が約25Sである特性; b)サブユニット構造であって、該サブユニットが、還
    元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動において、約85-
    97kDであり、該サブユニットが、成熟N末端アミノ酸配
    列(配列番号:1)を有する、特性;および c)リンパ球のPHA依存活性化を妨げる能力を有する特
    性、 を包含する、精製糖タンパク質複合体。
  2. 【請求項2】前記還元されたサブユニットが、約85kDで
    あり、そしてタンパク質分解によって約60kDおよび25kD
    の減少した分子量のフラグメントに分解し得る、請求項
    1に記載の精製糖タンパク質複合体。
  3. 【請求項3】前記サブユニットが約97kDであり、そして
    タンパク質分解によって約70kDおよび27kDの減少した分
    子量のフラグメントに分解し得る、請求項1に記載の精
    製糖タンパク質複合体。
  4. 【請求項4】前記精製糖タンパク質複合体がポリペプチ
    ドを含み、該ポリペプチドが(配列番号:10)に記載の
    アミノ酸19-585を含む、請求項1に記載の精製糖タンパ
    ク質複合体。
  5. 【請求項5】溶液から、1200kDを越える見かけの固有分
    子量、および約25Sの沈降値を有し、そしてリンパ球のP
    HA依存活性化を妨げ、そのサブユニットが、成熟N末端
    アミノ酸配列(配列番号:1)を有する、糖タンパク質複
    合体を精製する方法であって、該方法が以下の工程: a)該溶液を陰イオン交換クロマトグラフ用物質と、該
    糖タンパク質複合体が該物質と結合するのに十分な時
    間、接触させる工程; b)該クロマトグラフ用物質から該複合体を溶出するこ
    とにより該糖タンパク質複合体を含有する1次溶出液を
    形成する工程;および c)該1次溶出液を、該糖タンパク質複合体を結合する
    疎水性クロマトグラフ用物質と接触させ、そして該糖タ
    ンパク質複合体を該疎水性クロマトグラフ用物質から溶
    出することにより2次溶出液を形成する工程、 を包含する、糖タンパク質複合体の精製方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の85-97kDタンパク質サブ
    ユニットをコードする単離されたDNA。
  7. 【請求項7】前記単離されたDNAが(配列番号:9)を含
    有する、請求項6に記載のDNA。
  8. 【請求項8】1200kDを越える見かけの固有分子量および
    約25Sの沈降値を有する組換えタンパク質複合体を発現
    する方法であって、該タンパク質複合体が85-97kDサブ
    ユニットを含有し、該方法が以下の工程: a)請求項6に記載の単離されたDNAのヌクレオチド配
    列を、細胞に挿入する工程;および b)該タンパク質複合体を発現するために該ヌクレオチ
    ド配列を含む該細胞を増殖する工程、 を包含する、方法。
  9. 【請求項9】生物学的試料中のgp85-97サブユニットま
    たは該gp85-97サブユニットを含む天然のgp85-97複合体
    の、変化したレベルを検出する方法であって、ここで、
    該生物学的試料は、ヒト母乳であり、該方法が以下の工
    程:該生物学的試料を抗体と共にgp85-97に接触させてg
    p85-97サブユニットまたは該天然のgp85-97複合体を含
    有する抗原−抗体複合体を形成する工程;および、該抗
    体に結合した該gp85-97kDサブユニットまたは該天然のg
    p85-97複合体の量を検出する工程、を包含する、方法。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の単離されたDNAのヌク
    レオチド配列を含む、American Type Culture Collecti
    onに受託番号68608で寄託されているプラスミドpSKBR3-
    gp97。
JP5507843A 1991-10-16 1992-10-15 分泌Mac−2結合糖タンパク質 Expired - Lifetime JP2718827B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US77712191A 1991-10-16 1991-10-16
US777,121 1991-10-16
US96140492A 1992-10-15 1992-10-15
US961,404 1992-10-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06510790A JPH06510790A (ja) 1994-12-01
JP2718827B2 true JP2718827B2 (ja) 1998-02-25

Family

ID=27119280

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5507843A Expired - Lifetime JP2718827B2 (ja) 1991-10-16 1992-10-15 分泌Mac−2結合糖タンパク質
JP9161725A Pending JPH10110000A (ja) 1991-10-16 1997-06-18 分泌Mac−2結合糖タンパク質

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9161725A Pending JPH10110000A (ja) 1991-10-16 1997-06-18 分泌Mac−2結合糖タンパク質

Country Status (8)

Country Link
US (4) US5965382A (ja)
EP (1) EP0625990B1 (ja)
JP (2) JP2718827B2 (ja)
AT (1) ATE169028T1 (ja)
AU (1) AU673810B2 (ja)
CA (1) CA2121256C (ja)
DE (1) DE69226448T2 (ja)
WO (1) WO1993008215A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9408573D0 (en) * 1994-04-29 1994-06-22 Gatsby Charitable Foundation Identification, production and use of saponin gylcosyl hydrolases
WO2001065928A1 (en) * 2000-03-09 2001-09-13 Yves Chicheportiche A method for increasing the in vitro production of cystic embryoid bodies from mammalian embryonic stem cells
AU2001265039B2 (en) * 2000-05-26 2007-03-29 Board Of Trustees Of The University Of Illinois Reagents and methods for identifying and modulating expression of genes regulated by retinoids
ES2288358B1 (es) * 2005-07-01 2008-11-16 Proyecto De Biomedicina Cima, S.L. Marcadores de fibrosis.
US7858363B2 (en) * 2006-07-22 2010-12-28 Zymo Research Corporation Plasmid DNA isolation
US9616114B1 (en) 2014-09-18 2017-04-11 David Gordon Bermudes Modified bacteria having improved pharmacokinetics and tumor colonization enhancing antitumor activity
CN107541790B (zh) * 2016-06-24 2021-07-06 上海交通大学 一种糖基化检测的人凝集素/类人凝集素芯片及制备方法
US11180535B1 (en) 2016-12-07 2021-11-23 David Gordon Bermudes Saccharide binding, tumor penetration, and cytotoxic antitumor chimeric peptides from therapeutic bacteria
US11129906B1 (en) 2016-12-07 2021-09-28 David Gordon Bermudes Chimeric protein toxins for expression by therapeutic bacteria
US20220348900A1 (en) * 2019-08-14 2022-11-03 Modernatx, Inc. Processes for purifying downstream products of in vitro transcription

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5304636A (en) * 1987-04-14 1994-04-19 Boehringer Ingelheim International Gmbh Receptor for the human rhinovirus minor group
US5169936A (en) * 1989-04-14 1992-12-08 Biogen, Inc. Protein purification on immobilized metal affinity resins effected by elution using a weak ligand
IT1239719B (it) * 1990-04-23 1993-11-15 Univ Degli Studi Annunzio Uso dell'anticorpo monoclonale sp-2 nella diagnostica clinica ed il monitoraggio del progredire dell'infezione hiv
JPH06201699A (ja) * 1990-04-23 1994-07-22 Consiglio Nazi Ricerche 臨床診断及びhiv感染進行のモニタリングに対するsp−2モノクローナル抗体の使用
US5422265A (en) * 1990-12-07 1995-06-06 State Of Oregon, Acting By And Through The State Board Of Higher Education On Behalf Of The Oregon Health Sciences University DNA sequence for the human dopamine receptor D4 and expression thereof in mammalian cells
WO1993016183A1 (en) * 1992-02-07 1993-08-19 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Jr. University Cyclophilin associated membrane proteins dna sequences
US5492899A (en) * 1994-01-10 1996-02-20 Abbott Laboratories Infant nutritional formula with ribo-nucleotides

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Bio Chemistry,Vol.25(1986)P.2978−86
J.Biol.Chem.Vol.266,No.28(1991)P.18731−36

Also Published As

Publication number Publication date
DE69226448D1 (de) 1998-09-03
EP0625990A1 (en) 1994-11-30
US5736340A (en) 1998-04-07
JPH10110000A (ja) 1998-04-28
AU673810B2 (en) 1996-11-28
DE69226448T2 (de) 1999-04-08
CA2121256C (en) 2002-05-28
US6069127A (en) 2000-05-30
WO1993008215A1 (en) 1993-04-29
US5965382A (en) 1999-10-12
US5644035A (en) 1997-07-01
ATE169028T1 (de) 1998-08-15
AU2896392A (en) 1993-05-21
JPH06510790A (ja) 1994-12-01
CA2121256A1 (en) 1993-04-29
EP0625990B1 (en) 1998-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3542127B2 (ja) ヒトインターフェロン―β2/インターロイキン―6受容体
JP3484189B2 (ja) ヒトC3b/C4bレセプター (CR1)
WO1996013593A2 (en) Soluble single chain t cell receptors
CA2181062A1 (en) Diagnosis of metastatic cancer by the mts-1 gene
WO1989009277A1 (en) Mutant human angiogenin (angiogenesis factor with superior angiogenin activity) genes therefor and methods of expression
JP2005245469A (ja) 腫瘍サプレッサ遺伝子、並びに癌の検出、腫瘍進行のモニタおよび癌処置のための方法
EP0491878B1 (en) Compositions for the inhibition of protein hormone formation and uses thereof
JP2718827B2 (ja) 分泌Mac−2結合糖タンパク質
JP2000507232A (ja) 慢性関節リウマチの病理発生に必要な関節炎誘発性ペプチドに対して免疫防御を誘発するために有用なワクチン組成物と方法
AU1103495A (en) Chaperonin 10
US5677182A (en) Cleavage site blocking antibody to prohormone proteins and uses thereof
US5552537A (en) IgE isoforms and methods of use
JPH03155787A (ja) Ebzd蛋白質発現系
US5208144A (en) Method for detection of human dna containing the gene encoding low density lipoprotein receptor
US5837811A (en) Proteins active in lymphocyte-mediated cytotoxicity
US5786154A (en) Human phospholipase activating protein and methods for diagnosis of rheumatoid arthritis
US5723582A (en) Antigen-specific human glycosylation inhibiting factor
AU708987B2 (en) Secreted glycoprotein
EP0358977A1 (en) Cloned nephritis antigen
JPH06125784A (ja) モノクローナル抗体,ハイブリドーマ,その製造法および用途
CA1341536C (en) Transforming growth factor peptides
JPH1072495A (ja) 免疫関連因子