【発明の詳細な説明】
化粧品組成物
技術分野
本発明は化粧品組成物に関する。特に、優れたすり込み(rub-in)及び吸収特
性と共に、改善された潤い、皮膚感及びスキンケア効果並びに低い脂性を呈する
、エマルジョン又はローション形態の化粧品組成物に関する。その組成物は常温
及び高温で優れた安定特性も示す。
発明の背景
皮膚は、その構造の骨格を形成するケラチン及びコラーゲン繊維タンパク質を
コートして保護する数層の細胞から構成されている。角質層と呼ばれるこれらの
層の最外部は8nm厚層で囲まれた25nmタンパク質束からなると知られている。
アニオン系界面活性剤及び有機溶媒は典型的には角質層膜に浸透して、脱脂(即
ち、角質層から脂肪の除去)によりその一体性を破壊する。皮膚表面形態のこの
破壊はざらざらした感触を生じ、ついには界面活性剤又は溶媒をケラチンと相互
作用させて、刺激を起こす。
角質層で適正な水勾配を維持することはその機能性にとり重要であることが現
在認識されている。ときには角質層可塑剤であると考えられるこの水のほとんど
は、体内からくる。湿度が寒冷地方のように低すぎると、組織を適正に可塑化す
る上で不十分な水が角質層の外層に留まり、皮膚はスケール化し始めて、かゆみ
だす。皮膚浸透性も角質層の水が不十分であるときやや減少する。他方、皮膚の
外側に水が多すぎると、最終的には角質層にそれ自体の重量の3〜5倍の結合水
を吸収させてしまう。これは皮膚を膨潤及びしわよせさせ、水及び他の極性分子
に対する皮膚の浸透性を約2〜3倍増加させる。
このため、皮膚が洗浄、作業及び娯楽で遭遇する有害な相互作用にもかかわら
ず、角質層が最良性能でそのバリア及び保水機能を維持するように助ける組成物
の必要性が存在している。
例えばSagarin,Cosmetics Science and Technology,2nd Edition,Vol.1,Wiley
Interscience(1972)及びEncyclopaedia of Chemical Technology,Third Editio
n,Volume7で記載されているような慣用的化粧クリーム及びローション組成物は
、様々な程度で皮膚軟化、バリア及び保水(潤い)効果を示すことが知られてい
る。しかしながら、それらは皮膚感触に関してかなり否定的な面も有し(即ち、
それらはしがしば皮膚で非常にべとついて感じる)、しかもすり込み、吸収及び
残留特性に乏しい。
したがって、本発明は潤い、吸収、皮膚感及びスキンケア特性で改善を示し、
特に改善された短期及び長期潤い効力を示し、同時に粘着性を減少させて皮膚上
の脂性感を避けた、スキンケア化粧品組成物を提供する。その組成物は常温及び
高温双方で優れた安定特性も示す。
発明の要旨
したがって、本発明の一面において、第一油相が約4〜約16重量%のレベル
で存在し、組成物が水中で液晶を形成できる乳化剤約2〜約10%を配合し、乳
化剤がソルビタン脂肪酸エステル及びスクロース脂肪酸エステルの混合物に基づ
く脂肪酸エステルブレンドであり、第一油相対脂肪酸エステル乳化剤の比率が約
6:1〜約1:1の範囲である、1以上の別々な油相を含む水中油型分散液の形
態をしたスキンケア組成物が提供される。
本発明のこの面の組成物は、1以上の別々な乳化又は分散油相及び必須乳化剤
成分と、後記のような様々な任意成分を含有した水中油型エマルジョン又は分散
液の形態をしている。すべてのレベル及び比率は、他で指摘されないかぎり、全
組成物の重量による。鎖長及びエトキシル化度も重量平均ベースで示されている
。
本発明の第一面によれば、本組成物の第一必須成分は本明細書で第一油相と称
される油相であり、これは混和又は均一形で単一の油性成分又は油性成分の混合
物を含むことができる。これは好ましくは組成物の約4〜約16重量%、更に好
ましくは約5〜約11%の量で存在する。第一油相成分のレベルは最良の潤い及
び脂性特性を出すために本発明では重要であることがわかっている。第一油相は
、皮膚軟化化粧性質を有する鉱物、植物及び動物油、脂肪及びロウ、脂肪酸エス
テル、脂肪アルコール、脂肪酸とそれらの混合物から選択される天然又は合成油
を通常含んでいる。第一油相成分は好ましくは本質的にシリコーンを含まず、即
ち約10重量%以下、好ましくは約5重量%以下のシリコーンベース物質を含有
している。油相は少ないレベル(例えば、約25%以内、好ましくは10%)の
油相可溶性乳化剤成分を含有してもよいことが理解される。このような成分は油
相レベル及び所要HLBを決定する観点から油相成分として考えられない。好ま
しい態様において、油相の全体所要HLBは約8〜約12、特に約9〜約11で
あり、所要HLBは油相中のW/W%を掛けた油相の各成分に関する個別所要HL
B値を合計することにより決定される(HLB系についてICI文献参照)。
本発明で使用上適した第一油相成分には、例えば場合によりヒドロキシ置換さ
れたC8‐C50不飽和脂肪酸及びそのエステル、C8‐C30飽和脂肪酸のC1‐C2 4
エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル及びオクチ
ルドデシルミリステート〔ウィケノール(Wickenol)142〕、蜜ロウ、飽和及び
不飽和脂肪アルコール、例えばベヘニルアルコール及びセチルアルコール、炭化
水素、例えば鉱油、ワセリン及びスクアラン、脂肪ソルビタンエステル(197
6年10月26日付で発行されたSeidenの米国特許第3988255号明細書参
照)、ラノリン及びラノリン誘導体、動物及び植物トリグリセリド、例えばアー
モンド油、ピーナツ油、小麦麦芽油、亜麻仁油、ハホバ油、アプリコットピット
(pit)油、クルミ油、パームナッツ油、ピスタシオナッツ油、ゴマ種子油、菜
種油、ケード(cade)油、コーン油、ピーチピット油、ケシ種子油、マツ油、ヒ
マシ油、大豆油、アボカド油、サフラワー油、ココナツ油、ハシバミ実油、オリ
ーブ油、ブドウ種子油及びヒマワリ種子油と、ダイマー及びトリマー酸のC1‐
C24エステル、例えばジイソプロピルダイメレート(dimerate)、ジイソステア
リルマレート、ジイソステアリルダイメレート及びトリイソステアリルトリメレ
ート(trimerate)がある。上記の中では、鉱油、ワセリン、不飽和脂肪酸及び
そのエステルとそれらの混合物が高度に好ましい。
本組成物は好ましくは第二油相も含み、これは好ましい態様において組成物の
約0.1〜約20重量%、特に約1〜約10%のレベルで存在する。更に、第一
油相は好ましくは第二油相より重量過剰に存在する。第二油相成分は好ましくは
シリコーンベースである。本発明で適切なシリコーン成分には不揮発性ポリアル
キル及びポリアリールシロキサンゴム及び液体、揮発性環状及び直鎖ポリアルキ
ルシロキサン、ポリアルコキシル化シリコーン、アミノ及び四級アンモニウム改
質シリコーン、硬質架橋及び強化シリコーンとそれらの混合物を含めた非水溶性
シリコーンがある。好ましい態様において、シリコーン成分は約200,000
〜約4,000,000の分子量を有するシリコーンゴム、又は該シリコーンゴ
ムを含めたシリコーンの混合物である。混合物において、シリコーンゴムは好ま
しくはシリコーン混合物の約5〜約40重量%、特に約10〜20%である。シ
リコーン又はシリコーン混合物は、好ましくは組成物の約0.1〜約20重量%
、更に好ましくは約0.5〜約15%、特に約1〜約10%である。
本発明で使用上好ましいシリコーン成分は:
(i)ジメチコノール、フルオロシリコーン、ジメチコン及びそれらの混合物か
ら選択される、約200,000〜約4,000,000の分子量を有するシリ
コーン;及び
(ii)約0.65〜約100mm2/sの粘度を有するシリコーンベースキャリア
から本質的になり、i)対ii)の比率は約10:90〜約20:80であり、上記
シリコーン成分は約500〜約10,000mm2/sの最終粘度を有する。
本発明で使用に適したジメチコノールベースシリコーンは下記化学構造(II)
を有する:
HO(CH3)2SiO〔(CH3)2SiO〕n(CH3)2SiOH
上記においてnは約2000〜約40,000、好ましくは約3000〜約30
,000である。
本発明で有用なフルオロシリコーンは約200,000〜約300,000、
好ましくは約240,000〜約260,000、最も好ましくは約250,0
00の分子量を有する。
シリコーンゴムには、1979年5月1日付Spitzerらの米国特許第4,15
2,416号明細書とNoll,Walter,Chemistry and Technology of Silicones,Ne
w York.Academic Press,1968を含めたPetrarch及びその他により記載されている
ようなジメチコンがある。ゼネラル・エレクトリック・シリコーンゴム製品デー
タシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30
、SE33、SE54及びSE76もシリコーンゴムについて記載している。本
発明で有用な“シリコーンゴム”物質とは、約200,000以上、好ましくは
約200,000〜約4,000,000の質量平均分子量を有する高分子量物
質を表す。典型的には、それらは25℃で約1,000,000mm2/s以上の粘
度を有する。具体例にはポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)
(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェ
ニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー及びそれらの混合物がある。
本発明で使用に適したシリコーンベースキャリアにはあるシリコーン液体があ
る。シリコーン液体にはポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポ
リアルキルアリールシロキサン又はポリエーテルシロキサンコポリマーがある。
これら液体の混合物も使用でき、ある実施にとり好ましい。
使用できるポリアルキルシロキサン液体には、例えば粘度が25℃で約0.6
5〜600,000mm2/s、ましくは約0.65〜約10,000mm2/s範囲のポ
リジメチルシロキサンがある。これらのシロキサンは、例えばゼネラル・エレク
トリック社からビスカシル(Viscasil)(RTM)シリーズ及びダウ・コーニング
(Dow Corning)からダウ・コーニング200シリーズとして入手できる。使用
できる本質的に不揮発性のポリアルキルアリールシロキサン液体には、例えば2
5℃で約0.65〜30,000mm2/sの粘度を有するポリメチルフェニルシロ
キサンがある。これらのシロキサンは、例えばゼネラル・エレクトリック社から
SF1075メチルフェニル液体又はダウ・コーニングから556コスメチック
・グレード液体(Cosmetic Grade Fluid)として入手できる。約3〜約7つの(
CH3)2SiO部分を含む環構造を有したある揮発性環状ポリジメチルシロキサ
ンも本発明で使用に適している。
粘度はDow Corning Corporate Test Method CTM0004,July 29,1970で示される
ようなガラスキャピラリー粘度計により測定できる。好ましくは、第二油相を構
成するシリコーンブレンドの粘度は約500〜約100,000mm2/s、好まし
くは約1000〜約10,000mm2/sの範囲である。
本発明で使用上最も好ましいシリコーン成分は、粘度約0.65〜100mm2/
sのシリコーンキャリアと一緒にした、約200,000〜約4,000,00
0の分子量を有するジメチコノールゴムである。このシリコーン成分の例は、ダ
ウ・コーニングから入手できるダウ・コーニングQ2‐1403(85%5mm2/
sジメチコン液体/15%ジメチコノール)及びダウ・コーニングQ2−140
1である。
シリコーン成分は、組成物の知覚皮膚感を変えるために、液晶形成乳化剤と一
緒にすると本発明では有益である。この面で高度に好ましいのは、
200,000〜4,000,000の分子量を有するシリコーンゴムである。
このため本発明のもう1つの面によれば、0.1〜20重量%のレベルでシリコ
ーン又はシリコーンの混合物を含み、シリコーン又はシリコーン混合物が約20
0,000〜約4,000,000の分子量を有するシリコーンゴムを含んだ、
水中油型分散液の形態をしたスキンケア組成物が提供され、その組成物は更に水
中で液晶を形成できる乳化剤約2〜約10%を配合しており、乳化剤はソルビタ
ン脂肪酸エステル及びスクロース脂肪酸エステルの混合物に基づく脂肪酸エステ
ルブレンドである。各場合における脂肪酸エステルは好ましくはC8‐C24、更
に好ましくはC10‐C20である。シリコーン又はシリコーン混合物は組成物の約
0.5〜約15重量%、好ましくは約1〜約10%のレベルで存在することが好
ましく、このレベルはゴム及び非ゴムシリコーン物質の全ブレンドに基づいてい
る。好ましい態様において、本発明のこの面の組成物は、シリコーンゴムを含む
第二油相と一緒に、本質的にシリコーンを含まない第一油相からなる。第一油相
は上記で詳細に記載されている。
本発明で好ましい態様では、約0.1〜約10重量%の不飽和脂肪酸又はエス
テルを含む。本発明で使用上好ましい不飽和脂肪酸及びエステルは、場合により
ヒドロキシ置換されたC8‐C50不飽和脂肪酸及びエステル、特にリシノール酸
のエステルである。不飽和脂肪酸又はエステル成分は、組成物の皮膚感及びすり
込み特性を改善するために、液晶形成乳化剤と一緒にすると本発明では有益であ
る。この面で高度に好ましいのはリシノール酸セチルである。
このため本発明のもう1つの面によれば、組成物が水中で液晶を形成できる乳
化剤約2〜約10重量%を配合した水中油型分散液の形態をとるスキンケア組成
物が提供され、乳化剤はソルビタン脂肪酸エステル及びスクロース脂肪酸エステ
ルの混合物に基づく脂肪酸エステルブレンドであり、その組成物は場合によりヒ
ドロキシ置換されたC8‐C50不飽和脂肪酸又はそのエステル、好ましくはリシ
ノール酸のエステル約0.1〜約10%を更に配合している。
本組成物中における第二必須成分は、水中で液晶を形成できる乳化剤である。
乳化剤は、組成物の約2〜約10重量%、好ましくは約3〜約7%の量で組成物
中に配合されることが好ましい。本発明で使用上好ましい乳化剤はソルビタン又
はソルビトール脂肪酸エステル及びスクロース脂肪酸エステルの混合物に基づく
脂肪酸エステルブレンドであり、各場合における脂肪酸は好ましくはC8‐C24
、更に好ましくはC10‐C20である。潤いの観点から好ましい脂肪酸エステル乳
化剤はソルビタン又はソルビトールC16‐C20脂肪酸エステルとスクロースC10
‐C16脂肪酸エステルのブレンド、特にソルビタンステアレート及びスクロース
ココエートである。これはICIから商品名アーラトン(Arlatone)2121と
して市販されている。アーラトン2121から誘導される処方の安定化メカニズ
ムは、油相が分散された水相中における分離液晶構造の形成に基づいている。低
い脂性と共に最良の潤い、吸収及び皮膚感を出すために、第一油対脂肪酸エステ
ル乳化剤の比率は約6:1〜約1:1、好ましくは約4:1〜約1:1の範囲内
にあることが望ましい。
非閉塞性モイスチャライザー、保湿剤、ゲル化剤、中和剤、香料、着色剤及び
界面活性剤のような様々な任意成分が本発明のスキン組成物に添加できる。
本組成物は保湿剤を含むことができる。本発明で使用上適切な保湿剤にはソル
ビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール
、エトキシル化グルコース誘導体、ヘキサントリオール、グリセリン、水溶性ポ
リグリセリルメタクリレート滑沢剤及びパンテノール類がある。本発明で好まし
い保湿剤はグリセリン(ときにはグリセロール又はグリセリンとして知られる)
である。化学的にグリセリンは1,2,3‐プロパントリオールであって、市販
製品である。その物質の1つの大きな供給源は石鹸の製造においてである。ブチ
レングリコールも本発明で使用上好ましい。
本組成物において、保湿剤は好ましくは組成物の約0.1〜約20重量%、更
に好ましくは約1〜約10%、特に約2〜約5%のレベルで存在する。
本発明の組成物で使用上適切なポリグリセリルメタクリレート滑沢剤はガーデ
ィアン・ケミカル社(Guardian Chemical Corporation),230Marcus Blvd.,Hau
ppage,N.Y.11787から商標名ルブラジェル(Lubrajel)(RTM)として入手できる
。一般的に、ルブラジェルはグリセリン酸ナトリウムとメタクリル酸ポリマーと
の反応により形成される水和物又は包接体として記載することができる。その後
、水和物又は包接体は少量のプロピレングリコールで安定化され、次いで得られ
た生成物の制御的水和が行われる。ルブラジェルはグリセレート:ポリマー比率
及び粘度を変えたいくつかのグレードで販売されている。適切なルブラジェルに
はルブラジェルTW、ルブラジェルCG、ルブラジェルMS、ルブラジェルWA
、ルブラジェルDV及びいわゆるルブラジェルオイルがある。
本発明の組成物は、好ましくは約0.01〜約10%、更に好ましくは約0.
02〜約2%、特に約0.02〜約0.5%のレベルで親水性ゲル化剤も含有す
ることができる。ゲル化剤は、好ましくは少くとも約4000mPa.s、更に好ま
しくは少くとも約10,000mPa.s、に少くとも50,000mPa.sの粘度(1
%水溶液、20℃、ブルックフィールド(Brookfield)RVT)を有する。
適切な親水性ゲル化剤は通常水溶性又はコロイド水溶性ポリマーとして記載で
き、それにはセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン
、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム及びキサ
ンタンガムがある。
しかしながら、本発明で好ましい親水性ゲル化剤は、カルボポール(Carbopol
)樹脂の商標名でB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)により販売
され
るカルボキシビニルポリマーとアクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーである
。これらの樹脂は、例えばポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリトリ
トールのような架橋剤0.75〜2.00%で架橋されたアクリル酸のコロイド
水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから本質的になる。例としては
カルボポール934、カルボポール940、カルボポール950、カルボポール
980、カルボポール951及びカルボポール981がある。カルボポール93
4は各スクロース分子当たり平均で約5.8のアリル基を有するスクロースのポ
リアリルエーテル約1%で架橋されたアクリル酸の水溶性ポリマーである。最も
好ましいポリマーはカルボポール951である。商品名カルボポール1382、
カルボポール1342及びペムレン(Pemulen)TR‐1として入手しうる両親
媒性質を有したアクリル酸の疎水性改質架橋ポリマー(CTFA名:アクリレー
ト/10‐30アルキルアクリレートクロスポリマー)も本発明で使用に適して
いる。ポリアルケニルポリエーテル架橋アクリル酸ポリマー及び疎水性改質架橋
アクリル酸ポリマーの組合せも本発明で使用上適切で好ましい。本発明のゲル化
剤は常温及び高温双方で優れた安定性特徴を示す上で特に有益である。
本発明で酸性基保有親水性ゲル化剤を中和する上で使用に適した中和剤には水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン
、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがある。
本発明の組成物はエマルジョン形をとり、好ましくは少くとも約4000mPa.
s、好ましくは約4000〜約300,000mPa.s、更に好ましくは約8000
〜約200,000mPa.s、特に約10,000〜約50,000mPa.s(25℃、
ニート、ブルックフィールドRVTスピンドルNo.5)範囲の製品粘度を有する
ように処方されることが好ましい。
本発明の組成物は約0.1〜約10%、好ましくは約1〜約5%のパンテノー
ルモイスチャライザーも含有することができる。パンテノールモイスチャライザ
ーはD‐パンテノール〔(R)‐2,4‐ジヒドロキシ‐N‐(3‐ヒドロキシ
プロピル)‐3,3‐ジメチルブタミド〕、DL‐パンテノール、パントテン酸
カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエ
ーテル、パンガミン酸、ピリドキシン、パントイルラクトース及びビタミンB複
合体から選択できる。スキンケア及び粘着減少の観点からはD‐パンテノールが
高度に好ましい。
本発明の組成物は約0.001〜約0.5重量%、好ましくは約0.002〜
約0.05%、更に好ましくは約0.005〜約0.02%のカルボキシメチル
キチンを更に含むことができる。キチンはロブスター及びカニの外殻に存在する
多糖であって、N‐アセチル‐D‐グルコサミンのβ(1‐4)結合鎖を有する
ムコ多糖である。カルボキシメチルキチンは精製キチン物質をアルカリ、その後
モノクロロ酢酸で処理することにより製造される。それはA&Eコノック社(A&
E Connock Ltd.),Fordingbridge,Hampshire,Englandから入手しうる名称キチン
液(Chitin Liquid)で希(約0.1〜0.5重量%)水溶液の形態で市販され
ている。
他の任意物質には、サリチル酸のような角質溶解剤;タンパク質、ポリペプチ
ド及びそれらの誘導体;ジャーマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸の
メチル、エチル、プロピル及びブチルエステル、ベンジルアルコール、EDTA
、ユーキシル(Euxyl)(RTM)K400、ブロモポール(2‐ブロモ‐2‐ニト
ロプロパン‐1,3‐ジオール)とフェノキシプロパノールのような水溶性又は
可溶性保存剤;アーガサン(Irgasan)(RTM)及びフェノキシエタノールのよう
な抗菌剤(好ましくは0.1〜約5%のレベル);デンプングラフト化ナトリウ
ムポリアクリレート、例えばセラニーズ・スーパーアブゾーベント・マテリアル
ズ(Celanese Superabsorbent Materials),Portsmith,VA,USAから入手しうる米
国特許第4,076,663号明細書で記載されたサンウェット(Sanwet)(RT
M)
IM‐1000、IM‐1500及びIM‐2500とヒアルロン酸のような可
溶性又はコロイド可溶性モイスチャライジング剤;着色剤;香料及び香料溶解剤
;脂肪アルコールエトキシレート、エトキシル化ポリオール脂肪酸エステルのよ
うな追加界面活性剤/乳化剤(ポリオールはグリセリン、プロピレングリコール
、エチレングリコール、ソルビトール、ソルビタン、ポリプロピレングリコール
、グルコース及びスクロースから選択できる)がある。例としてはグリセリルモ
ノヒドロキシステアレート、アルコールモル当たり平均エチレンオキシド10〜
200モルでエトキシル化されたステアリルアルコール及びPEG‐6カプリル
/カプリングリセリドがある。
本発明の好ましい態様では、約0.1〜約5重量%のデンプンオクテニルコハ
ク酸アルミニウムを更に含む。デンプンオクテニルコハク酸アルミニウムは無水
オクテニルコハク酸とデンプンとの反応生成物のアルミニウム塩であり、ナショ
ナル・スターチ&ケミカル社(National Starch & Chemical Ltd.)から商品名
ドライ・フロ(Dry Flo)として市販されている。ドライ・フロは皮膚感及び塗
布特性の観点から本発明では有用である。
本発明で他の任意物質には顔料がある。本発明の組成物で使用に適した顔料は
有機及び/又は無機である。顔料という用語の中には、艶消仕上剤及び光散乱剤
のような低い色又は艶を有する物質も含まれる。適切な顔料の例は酸化鉄、アシ
ルグルタメート酸化鉄、群青、D&C色素、カルミン及びそれらの混合物である
。組成物のタイプに依存して、顔料の混合物が通常用いられる。潤い、皮膚感、
皮膚外観及びエマルジョン適合性の観点から本発明で使用上好ましい顔料は処理
顔料である。顔料はアミノ酸、シリコーン、レシチン及びエステル油のような化
合物で処理できる。
組成物のpHは好ましくは約4〜約9、更に好ましくは約5〜約7.5である
。
本発明は下記例で説明される。例I〜V
1.グリセリルモノヒドロキシステアレート
組成物は下記のように作る:
増粘剤、アーラトン2121及び他の水溶性成分の第一プレミックスを水中で
混ぜて加熱することにより作る。シリコーンゴム以外の油相成分の第二プレミッ
クスをミックス及び加熱することにより作り、水性プレミックスに加える。
得られた混合液を冷却する。次いでシリコーンゴムを得られた水中油型エマル
ジョンに加え、混合液を冷却してから、副成分を加える。組成物は直ちにパッケ
ージ化できる。
組成物は、低い脂性、優れたすり込み及び吸収特性と共に、改善された潤い、
皮膚感及びスキンケア特性を示す。
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フロントページの続き
(72)発明者 ナワズ,ザヒド
イギリス国バッキンガムシア、ハイ、ウィ
コウム、ヒューアンダン、アベニュ、64
(72)発明者 ロールス,リチャード ジョージ エー.
イギリス国ミドルセックス、ベッドフォン
ト、エングルハート、ドライブ、43