JPH08505683A - 直動軸受けエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 軸受けエレメントがガイドレール（５）の走行面（４）に支承されていて、かつ、両端面の少なくとも一方に、軸受けエレメント（１）内に潤滑材を抑止するために端部範囲で走行面（４）に接触するワイパ（７）を備えている、直動軸受けエレメントにおいて、本発明によれば、軸受けエレメント（１）に又は軸受けエレメント（１）内に、潤滑材用の少なくとも１つの調量弁（１３）が配置されていて、この調量弁が流入側で供給導管（９）に接続されかつ流出側で軸受け範囲（２）又は走行面（４）に接続されている。このような構成に基づき、転がり軸受け内への汚染物の進入を阻止できかつ規定された最小の潤滑材量を漏れ損失なしに軸受けエレメント（１）内の走行面（４）及び転がり軸受け範囲に供給できる、コンパクトなワイパユニットが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 直動軸受けエレメント 【技術分野】 本発明は、軸受けエレメントがガイドレールの走行面に支承されていて、かつ 、両端面の少なくとも一方に、軸受けエレメント内に潤滑材を抑止するために端 部範囲で走行面に接触するワイパを備えている、直動軸受けエレメントに関する 。 【背景技術】 西ドイツ国特許第２１３０４２０号明細書から、簡単かつ安価な手段によって 転がり軸受けを常時調量して潤滑する、ワイパユニットを備えた軸受けエレメン トが公知である。この軸受けエレメントはワイパ縁部を備えたポリマー材料から 成るワイパを有していて、前記ワイパ縁部は、ころ循環シューとして構成された 軸受けエレメントの往復運動中に走行面を拭き取って、転がり軸受けから汚染物 を除去すると共に、軸受けエレメントからの潤滑材の流出を阻止する。この場合 、潤滑材は軸受けの外側から、走行面に接触するワイパ縁部を取り囲む吸収作用 を有する材料から成るエレメントを介して、軸受けエレメントの内部に搬送され る。この場合、潤滑材と共に走行面上に位置する不都合なエマルジョンも軸受け 内に搬送される。 【発明の開示】 本発明の課題は、汚染物の進入を阻止できかつ規定された最小の潤滑材量を漏 れ損失なしに軸受けエレメント内の走行面及び軸受け範囲に供給できる、コンパ クトなワイパユニットを備えた直動軸受けを提供することにある。 このようなワイパユニットを装備することによって潤滑材は軸受けエレメント の往復運動中にできる限り完全に軸受けエレメント内に維持され、これにより後 潤滑のために所要の潤滑材量が著しく減少されねばならない。また、このように して法的な環境保護基準を申し分なく満たすように、ワイパユニットを備えた軸 受けを有する装置が運転されねばならない。 前記課題は本発明によれば、軸受けエレメントに又は軸受けエレメント内に、 潤滑材用の少なくとも１つの調量弁が配置されていて、この調量弁が流入側で供 給導管に接続されかつ流出側で軸受け範囲又は走行面に接続されていることによ って解決された。 調量弁は、集中注油設備において使用される市販の構成部材である。調量弁は 供給される潤滑材の圧力に関連して開閉される。 軸受けエレメントにおいてはそれぞれのアダプタ体はガイドレールを取り囲む Ｕ字形横断面の構成部材として構成でき、この構成部材内には調量弁を備えた多 数のチャンバが配置されている。 ワイパはプレート状の構成部材として構成できかつアダプタ体と軸受けエレメ ントとの間に配置される。この場合、有利にはワイパ内に流過開口が配置され、 この流過開口を介して調量弁は流出側で軸受け範囲に接続される。更に、ワイパ を軸受けエレメントとは反対側のアダプタ体の端面に配置することもできる。 更に、調量弁用のそれぞれのチャンバが袋孔としてアダプタ体内に形成される 場合には、製作が簡単になる。 調量弁は、軸方向で相前後して配置された範囲、つまり流入開口、配量室、排 出室及び流出開口を備えたスリーブ状の構成部材として構成されている。更に、 調量弁をアダプタ体のチャンバ内部で、チャンバの流入範囲を排出範囲から分離 するシールリングによって取り囲むことができる。調量弁の軸方向移動は円筒ピ ンによって阻止され、この円筒ピンはアダプタ体の孔内に圧入されかつ調量弁の 環状溝内に係合する。軸方向で固定するために調量弁を、少なくとも部分的にね じ孔として構成されたチャンバ内にねじ込むこともできる。 更に、調量弁を例えば軸線を平行にして並置されたスリーブ状の２つの構成部 材から構成することもできる。この場合、相前後して一方の構成部材内に流入開 口及び配量室が配置されかつ他方の構成部材内に排出室及び流出開口が配置され 、かつ、構成部材は配量室 及び排出室用の端面側の接続部を有している。調量弁の両構成部材をアダプタ体 と軸受けエレメントとに分割することもできる。 【図面の簡単な説明】 第１図は、ガイドレールに配置されたワイパユニットを有する軸受けエレメン トを部分的に正面図でかつ部分的に横断面図で図示した図、第２図は、軸受けエ レメント及びこれに設けられたワイパユニットの第１図II−II線に沿つた断面図 、第３図は、異なるワイパユニットを有する軸受けエレメントの第２図に相応す る断面図、第４図は、別のワイパユニットの正面図、第５図はワイパユニットの 平面図、第６図は、第４図VI−VIに沿ったワイパユニットの垂直方向断面図、第 ７図は、調量弁の縦断面図、第８図は、別のワイパユニットの縦断面図、第９図 は、第８図IX−IX線に沿ったワイパユニットの横断面図、第１０図は、２つの区 分を有するワイパユニットの平面図である。 【発明を実施するための最良の形態】 第１図乃至第７図から明らかなように、本発明による軸受けエレメント１の端 面側にはワイパユニットが固定されている。軸受けエレメント１は支持体２９と 端面側で支持体に接する偏向体２１とを有している。更に、軸受けエレメント１ は転動体３を備えた軸受け範囲２を有していて、これら転動体によって軸受けエ レメント１はガイドレール５の走行面４に支持される。 ワイパユニットはアダプタ体から構成されていて、このアダプタ体は調量弁１３ を受容するための支持体として構成されていてかつアダプタ体にはプレート状の ワイパ７が配置されている。ガイドレール５に沿って軸受けエレメント１が往復 運動する場合にはワイパリップ８の端部がガイドレール５の走行面４に沿って摺 動しかつ軸受け範囲２からの潤滑材の流出及び軸受け内への汚染物の進入を阻止 する。 第２図によればワイパ７は、軸受けエレメント１とは反対側のアダプタ体６の 端面に固定されている。これに対して第３図によるワイパユニットは、アダプタ 体６と軸受けエレメント１との間で端面側に設けられたワイパ７を有している。 潤滑材は供給導管９を介して外部からワイパユニットに供給される。このため にアダプタ体６内に分配通路１０が設けられていて、この分配通路１０は孔とし て構成されかつ閉鎖ねじ１１によって外部から閉鎖される。分配通路は袋孔とし て構成されたチャンバ１２に連通し、このチャンバ内にはそれぞれ調量弁１３が 設けられている。 調量弁１３は、軸方向で相前後して流入開口１４、配量室１５、排出室１６及 び流出開口１７を有するスリーブ状の構成部材として構成される。ばね負荷され たピストン１８を有する配量室１５と排出室１６との間には、閉鎖機構としてば ね負荷された球体１９を有 する逆止弁が配置されている。 それぞれの調量弁１３は次ぎのようにチャンバ１２内に配置されている、即ち 、調量弁１３の流入開口１４が流れ方向でみて隣接する分配通路１０に続いて設 けられるのに対して、流出開口１７がワイパ７に隣接して設けられ、この個所で 潤滑材が流過開口２０を介してアダプタ体６から流出しかつ１つの支持体２９と ２つの偏向体２１とから成る軸受けエレメント１内に流入するように（第３図乃 至第６図参照）、調量弁１３はチャンバ１２内に配置されている。軸受けエレメ ント１の転動体３用の、支持体２９に接する偏向体２１は同様に、ワイパ７の流 過開口２０に連通する流過開口２２を有している。第２図の構成では偏向体２２ の流過開口２２は直接調量弁１３の流出開口１７に接続されている。 それぞれの調量弁１３はチャンバ１２内でシールリング２３によってシールさ れて配置されている。シールリング２３はチャンバ１２の流入開口側をチャンバ １２の流出開口側に対してシールしている。シールリング２３は、調量弁１３の 周方向溝内に差し嵌められる環状シールとして構成されている。 更に、調量弁１３は外表面に第２の環状溝２４を有していて、この場合、周方 向の所定の個所で、アダプタ体６の孔内に位置する円筒ピン２５が環状溝２４内 に係合していて、これにより調量弁１３の軸方向移動 が阻止される。 軸受け範囲２への潤滑材の供給は、供給導管９及び分配通路１０を介して潤滑 材が圧力パルスでチャンバ１２内及び調量弁１３の流入開口１４内に搬送される ことによって、行われる。この場合、ピストン１８は配量室１５内で圧縮ばねの 作用に抗して移動しかつ配量室１５内を占める潤滑材を逆止弁に向けて搬送せし める。これにより、球体１９はその圧縮ばねの作用に抗して弁座から持ち上げら れかつ潤滑材は排出室１６内に達する。つまり、このような圧力パルスが生じた 場合、調量弁のケーシング孔内で遊びを以って案内されたピストン１８は静止位 置から移動して、ピストンの前方に設けられた潤滑材を逆止弁を介して排出室１ ６内かつ排出室１６から流出開口１７を介して軸受け範囲２内に押し退ける。ピ ストン先端は終端位置に達した場合に配量室１５を逆止弁の方向でシールする。 圧力が減少するとピストン用の圧縮ばねによってピストン１８は静止位置に戻さ れ、この場合、配量室１５はピストン１８と調量弁１３のケーシング孔との間の 環状ギャップを介して再び潤滑材で充填される。逆止弁は潤滑材の逆流を阻止す る。 ガイドレール５に面したアダプタ体６の内部輸郭は、ガイドレール５に対して 小さなギャップを有しひいてはチップ及び別の大きな汚染物用の掻取り体として 用いられるように、構成されている。第６図によれば流 過開口２０のシール及びアダプタ体６とワイパ７との間の接合は、アダプタ体６ とワイパ７との間に配置されたシールプレート２６によって行われる。 更に、調量弁１３を流出開口１７の側で、アダプタ体６に端面側で固定される 付加的なプレート２７を介して支持することもできる。調量弁１３の軸方向の圧 縮力を吸収するために、プレート２７をアダプタ体６にねじ結合することができ る。このような構成は第３図で図示されている。この場合、プレート２７と調量 弁１３との間には有利にはシールリング２８が配置される。第２図の構成でも調 量弁１３用のシールリング２８が設けられる。 アダプタ体６の軸方向の構造長さを減少させるために、調量弁は並置された軸 平行な２つのスリーブから構成でき、この場合、一方のスリーブ内には配量室１ ５がかつ他方のスリーブ内には排出室１６が配置されている。この場合、両チャ ンバには、両チャンバを互いに接続するオーバーフロー通路が設けられねばなら ない。配量室１５を有するスリーブ及び排出室１６を有するスリーブは受容孔内 に圧入される。 アダプタ体６とワイパ７とは互いに結合されて分離不能のユニットを成してい てかつ高耐性のプラスチック、例えばグラスファイバーで補強されたボリアミド から製作される。アダプタ体６とワイパ７とは超音波溶接によって互いに結合す ることができる。この場合、 アダプタ体６とワイパ７との間のシール手段が省かれる。この場合、ワイパリッ プ８はワイパ７に射出成形される。更に、ワイパリップ８を受容溝内に配置して 、アダプタ体６とワイパ７との間に締付け固定するか又はアダプタ体６とワイパ ７との間で別の形式で形状接続式に固定することもできる。 別の構成では、配量室１５及び排出室１６を直接軸受けエレメント１の偏向体 ２１内に配置することができる。この場合、配量室１５及び排出室１６は直列接 続並びに並列接続され、この場合、逆止弁はスペースを節減する板ばねを有する 球体によって形成される。特に、調量弁１３のために特別なスリーブを使用する のではなく、配量室１５及び排出室１６をアダプタ体６又は偏向体２１の材料内 に成形する場合には、安価な構成ユニットが得られる。公知の形式の市販の調量 弁の代りに、調量弁を別の公知の構造形式で、例えば板弁又はマグネット弁とし て使用することもできる。アダプタ体６、ワイパリップ８を備えたワイパ７及び 偏向体２１を一体の構成部材として構成することもできる。 調量弁１３の配量室１５、排出室１６、配量室と排出室とを互いに接続する通 路又は流出開口１７に案内された通路内に、圧力センサ、マイクロスイッチ又は 接近スイッチとしての監視構成部材を組み込むことができる。 第８図乃至第１０図による別のワイパユニットはアダプタ体３０と、アダプタ 体に端面側で接する、ワイパリップ３２を備えた２つのワイパ３１とから構成さ れている。ワイパ３１はアダプタ体３０と共に、中央のねじ３３及び別のねじ３ ４を介して軸受けエレメント１に固定されている。アダプタ体３０の内部で延び る潤滑材用の分配通路１０は外向きに案内された多数の孔を介して選択的に供給 導管９に接続される。実施例ではこれら孔のうち２つの水平な孔が閉鎖ねじ１１ によって閉鎖されているのに対して、シールリング３５によって取り囲まれた垂 直な孔３６は、交換スリーブ３８の大きな環状溝３７を介して、調量弁１３に案 内された水平な分配通路１０に接続されている。 交換スリーブ３８はアダプタ体３０の孔内に適合して嵌め込まれていてかつ中 央のねじ３３を取り囲んでいる。大きな環状溝３７の他に交換スリーブ３８には 、外表面から出発する２つの別の小さな環状溝３９が軸方向間隔を置いて相前後 して配置されていて、これにより、交換スリーブ３８をアダプタ体３０から取出 し、スリーブ軸線に対して直角な軸線を中心として１８０度だけ交換スリーブ３ ８を転回しかつこの新たな位置で交換スリーブ３８をアダプタ体３０内に再挿入 した後では、孔３６は環状溝と整合しなくなる。これによって、外向きに案内さ れた孔３６と分配通路１０との間の接続が遮断される。 このような配置形式は、閉鎖ねじ１１をねじ外した後でこれにより形成された 適当な分配通路の開口を介して潤滑材をアダプタ体３０内に搬送しようとする場 合に、行われる。交換スリーブ３８のこの新たな位置では、それぞれ孔３６の横 に配置されるが孔３６には接続されない小さな両環状溝３９を介して、中央のね じ３３の両側で延びる両分配通路１０が接続される。アダプタ体３０の所定の個 所に供給導管９を介して流入する潤滑材はアダプタ体３０内に配置された全ての 調量弁１３に達する。 本発明は、転がり軸受けされた直動軸受けエレメントに限定されるものではな く、滑り軸受けを有する軸受けエレメントにも適用できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．軸受けエレメントがガイドレールの走行面に支承されていて、かつ、両端面 の少なくとも一方に、軸受けエレメント内に潤滑材を抑止するために端部範囲で 走行面に接触するワイパを備えている、直動軸受けエレメントにおいて、軸受け エレメント（１）に又は軸受けエレメント（１）内に、潤滑材用の少なくとも１ つの調量弁（１３）が配置されていて、この調量弁が流入側で供給導管（９）に 接続されかつ流出側で軸受け範囲（２）又は走行面（４）に接続されていること を特徴とする、直動軸受けエレメント。 ２．調量弁（１３）が、軸受けエレメント（１）の端面に固定されたアダプタ体 （６，３０）内又はアダプタ体（６，３０）に配置されている、請求項１記載の 軸受けエレメント。 ３．調量弁（１３）用のそれぞれ１つのチャンバが袋孔としてアダプタ体（６， ３０）内に構成されている、請求項２記載の軸受けエレメント。 ４．調量弁（１３）に接続される軸受け範囲（２）が、軸受けエレメント（１） の１つの支持体（２９）及び２つの偏向体（２１）内に設けられた転動体循環路 として構成されている、請求項１記載の軸受けエレメント。 ５．調量弁（１３）が支持体（２９）内に配置されている、請求項４記載の軸受 けエレメント。 ６．調量弁（１３）が両偏向体（２１）の一方内に配置されている、請求項４記 載の軸受けエレメント。 ７．それぞれのアダプタ体（６，３０）がガイドレール（５）を取り囲むほぼＵ 字形横断面の構成部材として構成されていて、この構成部材内に調量弁（１３） を備えた多数のチャンバ（１２）が配置されている、請求項２記載の軸受けエレ メント。 ８．ワイパ（７，３１）がプレート状の構成部材として構成されかつアダプタ体 （６，３０）と軸受けエレメント（１）との間に配置されている、請求項２記載 の軸受けエレメント。 ９．ワイパ（７，３１）が軸受けエレメント（１）とは反対側のアダプタ体（６ ，３０）の端面に配置されている、請求項２記載の軸受けエレメント。 10．ワイパ（７）内に流過開口（２０）が配置されていて、この流過開口を介し て調量弁（１３）が流出側で、軸受けエレメント（１）とガイドレール（５）と によって形成された軸受け範囲（２）に接続されている、請求項２記載の軸受け エレメント。 11．調量弁（１３）が、軸方向で相前後して配置された範囲、つまり流入開口（ １４）、配量室（１５）、排出室（１６）及び流出開口（１７）を備えたスリー ブ状の構成部材として構成されている、請求項１ 記載の軸受けエレメント。 12．調量弁（１３）がアダプタ体（６）のチャンバ内部で、チャンバ（１２）の 流入範囲をチャンバ（１２）の排出範囲から分離するシールリング（２３）によ って取り囲まれている、請求項３記載の軸受けエレメント。 13．調量弁（１３）が軸線を平行にして並置されたスリーブ状の２つの構成部材 から構成されていて、この場合、相前後して一方の構成部材内に流入開口及び配 量室が配置されかつ他方の構成部材内に排出室及び流出開口が配置されていて、 かつ、構成部材が配量室及び排出室用の端面側の接続部を有している、請求項１ 記載の軸受けエレメント。 14．アダプタ体（３０）内に調量弁（１３）用のチャンバ（１２）と供給導管（ ９）との間で、潤滑材用の分配通路（１０）が配置されていて、この分配通路が アダプタ体（３０）の受容孔内に適合して嵌め込まれた交換スリーブ（３８）の 環状溝（３７，３９）を介して互いに接続されている、請求項３記載の軸受けエ レメント。 15．交換スリーブ（３８）が、軸方向間隔を置いて相前後して配置された交換ス リーブ外表面から出発する多数の環状溝、つまり１つの大きな環状溝（３７）及 び２つの小さな環状溝（３９）を有している、請求項１４記載の軸受けエレメン ト。 16．アダプタ体（３０）内に差し嵌められた交換スリーブ（３８）の所定の位置 で大きな環状溝（３７）がアダプタ体（３０）の孔（３６）を介して外部に開放 されている、請求項１５記載の軸受けエレメント。