JPH08504881A - ポリマーの製造 - Google Patents

ポリマーの製造

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JPH08504881A JP7509341A JP50934195A JPH08504881A JP H08504881 A JPH08504881 A JP H08504881A JP 7509341 A JP7509341 A JP 7509341A JP 50934195 A JP50934195 A JP 50934195A JP H08504881 A JPH08504881 A JP H08504881A
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Abstract

(57)【要約】 衝撃強さと剛性の良好なバランスを持つポリプロピレンコポリマーを製造する2段階気相法において、第1反応器の第1段階リサイクルループを通過する実質的に気体状の物質に、少量の少なくとも1種の低減化合物を加えることにより、第2反応器におけるポリマーの凝集性、汚染およびゲル生成を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマーの製造 技術分野 本発明は、良好な衝撃強さおよび低いゲル含有量を有するポリオレフィン組成 物の製造に関する。さらに詳しくは、本発明は、汚染の程度、ゲル生成およびポ リマーの凝集性が実質的に低下したプロピレン/C2〜C8α−オレフィンコポリ マーの改良された気相製造方法に関する。 背景技術 重合体ポリプロピレン組成物は、比較的低価格であり、望ましい性質を示すの で、広く商業的に受け入れられており、多くの用途で使用されている。しかし、 ポリプロピレンホモポリマーは、特に低温において、低い耐衝撃性を示し脆いと いう欠点がある。衝撃強さを改良する目的でポリプロピレンホモポリマーの性質 を改変する為に提案された手法の多くは、ホモポリマーポリプロピレン中にポリ プロピレン/他のα−オレフィンコポリマー相を供給することを含む。プロピレ ン/エチレンコポリマー相は、この目的に特に有用である。そのような生成物の 構造は、完全には明らかにされていないが、ある情報によればブロックコポリマ ーであり、別の情報によれば他の構造である。けれども、そのような物質はよく 知られており、実際商業的に重要である。そのような物質は、その構造の詳細な 性質に拘わらず、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーと呼ばれ、ホモポリマー相 (しばしば、ポリプロピレンホモポリマー)とゴム相(コポリマー相)とを含む と言われている。耐衝撃性コポリマー生成物を形成する場合、ノッチ付き靭性の 向上および良好な剛性の維持の為に、ゴム相とホモポリマー相との固有粘度比( β/αで示す)を2の近辺またはそれ以上として重合を行うのが望ましい。 耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーの典型的な製造方法は、少なくとも2段階 で行われる。最初に、ホモポリマー相が、1個またはそれ以上の反応器において 常套の方法で製造され、この第1段階の生成物を未反応モノマーと共に第2段階 へ送り、そこでコポリマー相を製造する。全体の方法にとって工程上の困難さの 大部分が生じるのは、この第2段階においてである。スラリー、バルク、または 他の溶媒/希釈剤系の方法において、第2段階のゴム状生成物の膨潤および部分 溶解が起こり得る。その結果、第2段階のポリマー生成物は、「粘着性」(tack y)または「他着性」(sticky)となり、反応器の内壁および他の内部表面、例 えば攪拌翼に付着する。 この方法のコポリマー製品から形成される押出フィルム中にゲルを生成するの は、高い粘度(エチレン−プロピレンゴム対ホモポリマーの固有粘度比が2を越 える)のエチレン−プロピレンゴムから主として成る粒子が含まれるからである 。ゴム含有量(Fc)、特にコポリマーのβ/αがある臨界領域を越えて増加す ると、コポリマーのゲル含有量が増加する。ゲルは、重合体異質物であり、その 寸法が30ミクロン(μm)のオーダーまたはそれ以上であると、重要な性質に 影響を与えることがある。押出フィルム中に多数のゲルが存在することは、劣っ た機械的性質、特に衝撃強さの不足の指標である。さらに、押出フィルムの使用 を直接含む消費者用途においては、ゲルは、美観上好ましくない。 流動床気相法において、反応系汚染は、第2段階の反応器、及び第2段階反応 器の熱交換器において問題となり得る。ホモポリマー部分とコポリマー部分の相 対割合を制御し、かつある程度第2段階反応器中の汚染の程度を制御することは 、第2反応器に種々の物質を加えることにより行うことができる。一般に、その ような物質には、触媒を「殺す」または触媒活性を低下させる触媒失活剤が含ま れる。 タカユキ(Takayuki)らの米国特許第4,551,509号は、触媒を失活さ せる為に、エチレンホモポリマーまたはコポリマーを製造する反応器系の反応混 合物にポリアルキレングリコールを添加することを開示している。レブレッス( Levresse)らの米国特許第4,650,841号は、同様の目的の為に、ある種 のアミド、ポリアルキレンポリオールまたはエポキシドを用いることを開示して いるが、添加剤は、ポリマー生成物の流れから取り出した後のモノマーリサイク ル流に導入されている。ウィーマー(Weimer)らの米国特許第3,962,19 6号は、重合槽の内部壁上へのポリマーの堆積を減少する為に、N−ビニルピロ リドンのような複素環添加剤を用いている。 ヨーロッパ特許出願公開225 099によると、耐衝撃性ポリプロピレンコ ポリマーの性質は、重合触媒のチタン成分の量に関連した特定量のポリアルキレ ングリコールエーテルにより触媒を失活させることによって改良されると言われ ている。方法は、液相バッチ法であり、グリコールエーテルは、第1段階と第2 段階との間で、または第2段階反応器に直接導入された。グリコールエーテルを 添加することの総体の効果の一部として、第2段階での重合触媒の活性が、添加 前の触媒活性の30〜80%に低下する。 関連した方法が、チバ(Chiba)らの特開昭63−46211号公報(198 8年2月27日公開)に開示されている。気相法であってよいこの方法では、チ タンに対して特定の比でポリアルキレングリコールエーテルが第2段階反応器に 連続的に加えられる。この方法の気相改変法では、熱交換器からの第2段階リサ イクルループ下流にグリコールエーテルを添加するのが好ましいと記載されてい る。この方法でも、第2段階の重合触媒の活性は、グリコールエーテルの添加前 の活性の30〜80%に低下される。 熱除去の為のリサイクル系を含む気相法を熟知した技術者なら、ループ内の大 部分ガス状の物質は、触媒粒子および部分的に反応した粒子から主として生じる 連行微粒物を含んでいることをよく知っている。これら粒子の連行程度は、気相 速度、触媒の種類と形状寸法、他の反応器条件などを含む種々の要因に依存して いる。第1反応器でホモポリマーを作る通常の場合、部分的に反応した粒子はホ モポリマー状であると言われることがある。 第2段階反応器へ送られた触媒粒子および/または部分的に重合した粒子は、 生成物中に望ましくないゲルを生じるかもしれない。第1段階反応器から第2段 階反応器へ送られる活性触媒粒子および/または部分的に重合された粒子の量を 著しく少なくする改良された重合方法を提供することが望ましい。そのような重 合方法は、第2反応器でのゲル生成を減少させ、第2反応器での汚染を少なくし 、第2反応器でのポリマーの粘着性(凝集性)を低減することにより、1.8ま たはそれ以上のβ/α値およびより高いゴム含有量(Fc)における重合操作を 可能にするのが望ましい。 発明の開示 本発明は、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーの改良された製造方法を提供す る。特に、本発明は、第2反応器に送られる触媒微粒子および/または部分的に 重合された粒子の反応性を、少なくとも1種の低減成分(すなわち、触媒失活成 分)の第1反応器への導入により実質的に低下させる、耐衝撃性ポリプロピレン コポリマーの改良された2段階気相製造方法を提供する。 低揮発性低減成分を第1反応器に添加することには実質的な利点がある。第1 段階反応器の粒子床上を循環している主として気体状の物質に連行されて存在す る重合触媒の量は、必然的に少なく、触媒微粒物と部分的に重合した粒子(すな わち、ポリマーの部分被覆または包含物のみを含む粒子)から主として成る。そ の結果、第1段階のリサイクルループ中に存在する触媒微粒物および部分的に重 合した粒子の活性を減少させ、従って第2反応器に送られる活性触媒微粒子の量 を減少させ、実質的にゲル(またはゲル前駆体)の生成を少なくするのに必要な 低減成分の量も少なくなる。特に低減成分が効果的である場合、第1または第2 段階の反応器の活性は、粒子床と接触することがある低減成分のいかなる割合に よっても、実質的に悪影響を受けない。 発明を実施するための最良の形態 オレフィン重合方法は、広く、非重合性液体希釈剤を用い、あるいは液体希釈 剤として重合用モノマー、特にプロピレンを用いる。特に望ましい性質の組み合 わせを有する本発明の耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーを製造する為には、気 相法を採用することが必要である。 重合は、立体規則性オレフィン重合触媒の存在下に行われる。そのような触媒 は、広く知られ、常用されており、立体規則性生成物を製造する為の炭素数3ま たはそれ以上のα−オレフィンの重合に用いられる。そのような触媒を記述する のに通常用いられている表現では、高活性の立体規則性触媒は、チタン含有固体 、一般にハロゲン化チタン含有固体である前触媒を第1成分として含み、多くの 場合、電子供与体を含む。適当な電子供与体には、エーテル、エステル、ケトン 、フェノール、アミン、アミド、イミド、ニトリル、ホスフィン、ホスファイト 、アルシン、リンアミド、およびアルコラート、並びにこれらの組み合わせが包 含される。好ましい電子供与体は、芳香族エステルであり、特に好ましいのは安 息香酸エチルおよびフタル酸イソブチルである。 触媒の第2成分は、助触媒とも呼ばれ、通常選択性制御剤と言われる第3触媒 成分により部分的または完全に錯化されてよい有機アルミニウム化合物である。 選択性制御剤の例には、芳香族エステル、アミン、特にヒンダードアミン、脂肪 族エステル、ホスファイト、ホスフェート、シラン、特にアルコキシシランおよ びアリールオキシシラン、ヒンダードフェノール、並びにこれらの混合物が包含 される。 そのような立体規則性オレフィン重合触媒は、ネストレロード(Nestlerode) らの米国特許第4,728,705号、グッドール(Goodall)らの米国特許第 4,414,132号およびウイルソン(Wilson)らの米国特許第4,971, 936号(これらの開示を参照して引用する)を含む多くの特許および他の文献 に記載されている。多くの種類の化合物が重合触媒の成分として有用であるが、 典型的な立体規則性オレフィン重合触媒は、前触媒として、ハロゲン化マグネシ ウム、ハロゲン化チタンおよび電子供与体、例えばエチルまたはジイソブチルフ タレートを有して成る固体を含んでいる。そのような前触媒のハライド残基は、 一般にクロライド残基である。助触媒は、典型的には、トリエチルアルミニウム またはトリイソブチルアルミニウムであり、これは、しばしば選択性制御剤とし ての芳香族エステル、例えばp−エトキシ安息香酸エチルまたはp−メチル安息 香酸メチル若しくはシラン、例えばジイソブチルジメトキシシラン、オクタデシ ルトリエトキシシランまたはn−プロピルトリメトキシシランにより少なくとも 部分的に錯化されている。この種の触媒の使用により、3個またはそれ以上の炭 素原子を持つα−オレフィンを重合した場合、立体規則性ポリマー生成物が得ら れる。立体規則性オレフィン重合触媒の多くは、脱灰(deash)工程において触 媒残渣を除去する必要性がない望ましい性質のポリマーの形成を触媒することが できる高活性触媒と認識されている。 本発明を適用する重合方法は、ポリマー粒子の流動床を利用する気相法または 部分的に凝縮したモノマーを利用する気相法である。多数の適当な気相法が知ら れているが、そのような方法の例の1つがゲーケ(Goeke)らの米国特許第4, 379,759号に記載されている。この方法は、流動床および連続気相法を含 む。その開示を参照して引用する。ゲーケらの特許および気相法に関連してそこ に引用された文献を参照して引用する。 気相法は、典型的には、適当な反応器に予備形成されたポリマー粒子のある量 およびそれより少量の触媒成分を仕込むことにより実施される。重合されるオレ フィンまたはオレフィン類は、重合開始するのに十分な温度および圧力の重合条 件下、粒子の床を高速で通過するガスとして供給される。粒子床を通過すると、 未反応ガスは反応器から取り出され、補充原料ガスと共にリサイクルされる。ポ リマー生成物中に少量の触媒が含まれることにより触媒が失われるので、多くの 場合窒素またはアルゴンのような不活性輸送ガスを用いて、追加の触媒を反応器 に供給する。反応温度は、約30℃〜約120℃の範囲、好ましくは約50℃〜 約90℃の範囲にあるのが適当であり、60℃〜80℃の範囲の反応温度が最も 好ましい。 種々の方法が、反応温度をこの範囲に保つのに有用である。本発明によれば、 この目的は、1つまたはそれ以上のリサイクルループ系を使用することにより少 なくとも部分的には達成される。主として気体状物質である未反応ガス流を反応 器から取り出し、粒子床を通過した後、触媒微粒物と部分的に重合した粒子を主 として含む連行触媒少量と共に、導管、すなわちリサイクルループ系を通過する 。この系は、圧縮機および熱交換器を含む。冷却された主として気体状の物質は 、更にポリマー粒子床を更に通過させる為に反応器に戻される。リサイクルルー プ系の機能は、熱交換器により熱を除去して所望の反応温度を維持し、この種の 気相重合用の床流動化の為のガス流を供給することである。圧縮機は、リサイク ルループ内を気体状物質が移動するように気体状物質に圧力を与え、攪拌する。 プロセスおよび生成物を制御する付加的な手段は、反応器に、従って重合系に分 子状水素を加えることにより達成される。分子状水素の添加は、ポリマー生成物 の分子量を制御し、第2段階反応器では、ホモポリマー部分とコポリマー部分の 相対分子量を制御するのに役立つ。特定の理論に拘束されることを望むものでは ないが、分子状水素は、連鎖移動剤として役立っているのかも知れない。反応条 件の厳密な制御、触媒の添加速度、供給ガス及び分子状水素、さらに未反応モノ マーのリサイクル速度は、広く技術水準のものである。 本発明によれば、本発明の気相法は、2段階法として操作され、各段階は、1 つまたはそれ以上の反応器により気相で実施される。第1段階において、ホモポ リマー相(すなわち、第1相)が製造される。この第1相は、必ずしもそうでは ないが、主としてプロピレンホモポリマーである。特定の性質の生成物を得る為 、ホモポリマー部分に、少量の、例えば約6重量%まで、好ましくは4重量%ま での第2のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、またはより高分子 量のα−オレフィン)を組み合わせることも有用であろう。他のα−オレフィン の任意の組み合わせは、常套の技術であり、第1段階のホモポリマー部分の性質 を実質的には変化させないが、変性するのに役立つ。 少量の他のα−オレフィンが存在する場合、ポリマー生成物は、技術的にはコ ポリマーであるにも拘わらず、なお第1段階のホモポリマー相または第1相生成 物と呼ばれる。実質的に全体がポリプロピレンから作られたホモポリマー相、す なわち他のα−オレフィンの実質的不存在下に製造された相が好ましい。 第1段階反応器のオレフィン供給物および循環ガスは、粒子床を通過し、所望 のポリマー生成物は、反応器に供給された触媒粒子を部分的または完全に覆った ポリマー粒子上にポリマー生成物を成長させることにより形成される。オレフィ ン及び循環気体状物質は、触媒微粒物および部分的に重合された粒子を主として 含む連行触媒少量と共に、反応器から、熱交換器および圧縮機を含む第1リサイ クロループへ送られる。ポリマー生成物は、第1段階反応器から取り出され、ポ リマー製造速度と実質的に等しい速度で、通常の手段により、第2段階反応器へ 移送される。 1つまたはそれ以上の反応器により実施してよい第2段階の反応器の生成物は 、主としてエチレンとプロピレンのコポリマーであるが、場合により少量の他の α−オレフィンが存在していてもよい。第1段階反応器からの未反応プロピレン の量と共重合反応器に供給されるエチレンの量を制御することにより、エチレン /プロピレンコポリマー相中のエチレン割合を変化させることができ、またそう するのが常套である。本発明により製造された耐衝撃性コポリマーでは、コポリ マー相中のエチレンの割合は、適切には、全コポリマー相または第2相に対して 約35重量%から約95重量%までである。好ましくは、コポリマー相中のエチ レンの割合は、同じ基準に対して約35重量%から約65重量%までであり、3 8 重量%〜60重量%が最も好ましい。分子状水素の導入によりコポリマー部分の 分子量を制御すること、およびホモポリマー相とコポリマー相との相対量を制御 することも常套のことである。全耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーのコポリマ ー相は、適切には全耐衝撃性コポリマー組成物に対して約5重量%から約60重 量%までである。好ましくは、コポリマー相の割合は、同じ基準に対して約10 重量%から約40重量%までであり、12重量%〜約35重量%が最も好ましい 。 循環する主として気体状の物質は、ポリマー粒子床を通過してきた未反応モノ マーガスを主成分として含む。しかし、この物質は、活性触媒の連行粒子、特に しばしば「微粒物」と呼ばれる小さい不規則触媒粒子を、ポリマー生成物により 完全ではないが部分的に被覆または吸収されている触媒粒子、すなわち部分的に 重合した粒子を共に含んでいることもある。このモノマーと活性触媒の混合物が 、反応器のリサイクルループ、特に熱交換器の比較的小径の管の汚染(fouling )を引き起こす。この汚染の可能性は、第1および第2段階の反応器のリサイク ルループ両者に存在するが、第2段階反応器のコポリマー生成物の性質は、汚染 がより重大な問題となるようなものである。 第2段階反応器の生成物は、かなりゴム質であり、幾分「粘着性」または「他 着性」であるので、第2段階反応器のリサイクルループを構成する導管の壁に付 着でき、また付着することがある。時間の経過につれ、そのような望ましくない ポリマーの蓄積が、熱交換器の管を汚染し、最後には詰まらせる。熱交換器の管 に汚染沈着物が堆積すると、熱交換器内での圧力降下が増し、絶縁境界を形成す るので、沈着物は熱交換器の冷却効率を低下させる。連続して運転すると、熱交 換器内ので圧力降下が圧縮機の運転限界を越えるか、または熱交換器の効率が許 容限界を下まわるかのいずれかが起こる点に到達する。いずれの場合にも、重合 装置を停止しなければならない。 本発明では、第1段階反応器に少なくとも1種の揮発性、すなわち液体の、低 減成分を導入する。好ましくは、低減成分(すなわち、触媒失活剤)は、第1段 階リサイクルループの入口近くに導入する。熱交換器よりも前で第1段階リサイ クルループに低減成分を導入するのが、より好ましい。低減成分は、触媒微粒物 およびわずかに反応した粒子、すなわち、第1段階リサイクルループを含む第1 段階反応器を循環している主として気体状の物質に連行された触媒を「殺す」目 的で、第1段階反応器系に導入される。その結果、第1反応器から第2反応器へ 移送される高活性触媒微粒物の量は、実質的に減少する。そうして、第2反応器 でのゴム状コポリマーの形成中のゲル前駆体の生成および第2反応器リサイクル 系の汚染が実質的に抑制される。 本発明の1つの態様によれば、低減成分は、第1段階反応器からループへの入 口と圧縮機および/または熱交換器との間の点で第1段階リサイクルループに導 入する。厳密な導入箇所は、重要ではないが、圧縮機がリサイクルループ内で熱 交換器より前に位置している場合、導入箇所が圧縮機入口の近くである時、最良 の結果が得られる。リサイクルループ中の活性重合触媒の量はかなり少ないので 、低減成分の量も少なく、第1または第2段階反応器内の触媒活性を必要以上に 低減することはない。 従って、本発明の改良された方法は、第1段階反応器に導入される低減成分と してある種の電子供与体物質を用いることを含む。低減成分を第1段階リサイク ルループ内またはその入口付近に導入するのが好ましい。より好ましくは、低減 成分を、リサイクルループに入り循環する重合触媒の触媒活性を実質的に低減ま たは消失するのに十分な量で、圧縮機および/または熱交換器より前に導入する 。連続的に添加される低減成分の量は、一般に、微粒物によりリサイクルループ に持ち越されたアルキルアルミニウムとほぼ等モル量を越えてはならない(好ま しくは、失活剤と反応器に添加されたアルキルアルミニウムのモル比は、0.0 01〜12.0、より好ましくは0.005〜8.0、最も好ましくは0.01 〜2.0である。) 適切には、触媒失活成分または低減成分は、第1段階リサイクルループに未反 応モノマーを通過させるのと同時に導入することにより添加する。物質が第1段 階リサイクルループを通過する限り、添加は、好ましくは連続的に行うが、低減 成分を、短い間隔で増加させながら添加するのもよい。触媒失活剤は、実質的に 液体の低減成分を、リサイクルループに入って来る実質的に気体状物質に連続的 または間歇的に注入することにより供給できる。この低減成分と連行触媒粒子の 接触により、そのような粒子の触媒活性を低減または消失でき、その結果、第2 段階反応器でのゲル前駆体の生成が抑制され、第2段階反応器内での粘着性ポリ マーの生成に起因する汚染が低減される。 第1段階反応器および/または第1段階リサイクルループに供給される低減成 分は、電子供与性化合物、例えば、アルキレン化合物、ケトン化合物、炭素原子 数12までの3級アミン、エステル化合物、リン酸アミド化合物を含む酸アミド 化合物、アルコール、およびこれらの組み合わせである。適当なアルコール化合 物には、アルキレングリコール化合物またはアルキレンジアミンのアルキレング リコール誘導体、もしくはこれらのエーテルまたはエステル誘導体が包含される 。有機電子供与体として使用できる典型的な3級アミン化合物は、12までの炭 素原子を持つ炭化水素基の3級アミンである。そのような3級アミンの例は、ト リエチルアミン、トリブチルアミンおよびトリヘキシルアミンであってよい。 本発明におけるアルコールは、合計で15までの炭素原子を有する。適当なア ルコールには、エタノール、メタノールおよびこれらの組み合わせが包含される 。 本発明に望ましいケトン化合物は、合計炭素原子数が20を越えない化合物で ある。このようなケトン化合物の典型的な例は、メチルエチルケトン、シクロヘ キサノン、アセトフェノンおよびジブチルケトンであってよい。 本発明に望ましいエステル化合物は、合計炭素原子数が30を越えない化合物 である。このようなエステル化合物の例は、酢酸エチル、酪酸ブチル、安息香酸 エチル、フタル酸ジエチルおよびσ−ブチロラクトンである。 電子供与体として使用できるエーテル化合物の中で、本発明に望ましいものは 、合計炭素原子数が20を越えないエーテルである。望ましいエーテルの典型的 な例は、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、アニソ ールおよびジフェニルエーテルである。 さらに、本発明に適している酸アミド化合物は、合計炭素原子数が20を越え ないN,N−ジアルキルアミド化合物である。適している酸アミドの典型的な例 は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N− ジメチルベンズアミドおよびN,N−ジメチルアクリルアミドである。 加えて、本発明に望ましいリン酸アミド化合物は、ヘキサメチルリン酸トリア ミドおよびヘキサエチルリン酸トリアミドなどのN,N−ジアルキルリン酸アミ ド化合物である。 アルキレングリコール化合物またはその誘導体は、式: R-O-(Cn2n-O-)x-R (I) [式中、nは2または3、Rはそれぞれ、水素、炭素原子数20までのアルキ ルまたは炭素原子数20までのアシル、もしくはそれらの組み合わせ、xは、あ らゆる組み合わせを含む1〜約10の数である。] で示される。更に、本発明は、異なるアルキレンオキシド種、例えばプロピレン オキシドおよびエチレンオキシドの(統計的な意味で)ランダムな組み合わせま たはブロック鎖が構造の部分として共重合された化合物も包含する。少なくとも 1つのRは、好ましくはアルキルまたはアシルである。アルキレンジアミドまた はその誘導体のアルキレングリコール誘導体は、式: [式中、R、nおよびxは前記と同意義である。] で示され、ランダムまたはブロックアルキレンオキシド鎖を有する上記化合物を 含む。窒素原子上の各側鎖について、xは異なっていてよく、3個までの側鎖に ついてゼロに等しくてもよい。後者の場合、結合する基が水素により置換された ものと理解される。 水素以外のR基の例は、メチル、エチル、ヘキシル、オクチルおよびテトラデ シルのようなアルキル基、並びにアセチル、ブチリルおよびドデカノイルのよう なアシル基である。添字nは、それぞれ2または3である。添字xは、存在する アルキレンオキシド残基の合計数を表し、整数であってよいが、化合物混合物中 にあるアルキレンオキシド残基の平均であってもよいから、xは必ずしも整数で はない。 適するアルキレングリコール化合物並びにそれらのエーテルおよびエステル誘 導体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ ール、テトラプロピレングリコール、ヘキサエチレングリコール、デカプロピレ ングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール ジヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、テトラ デカエチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノアセテー ト、ジプロピレングリコールジブチレート、テトラエチレングリコールモノヘキ サノエートおよびヘキサプロピレングリコールジデカノエートが例示できる。上 述の、特にモノ-およびジエステル並びにエーテルの混合物が本発明において考 えられる。一般に、アルキレングリコールエーテルおよびエステルが、対応する アルキレングリコールよりも好ましい。xが1〜4の整数およびnがそれぞれ2 または3であるアルキレングリコール化合物またはそれらのエーテルおよびエス テル誘導体も好ましい。ジプロピレングリコールモノ-およびジエステル、並び にジエチレングリコールモノ-およびジエステルが特に好ましい。 アルキレンジアミンのアルキレングリコール誘導体としては、N,N,N’,N ’-テトラ(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンおよびN,N,N’,N’-テ トラ(3-ヒドロキシプロピル)-1,3-プロピレンジアミン、N,N’-ジ(2- メトキシエチル)-エチレンジアミン、N,N,N’-トリ(3-プロパノイルプロピ ル)プロピレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N’-ジ(2-プロピ ルオキシエチル)-エチレンジアミン並びにN,N,N’,N’-テトラ(2-アセチ ルオキシエチル)-プロピレンジアミンのような化合物が挙げられる。これらの アルキレンジアミンのアルキレングリコール誘導体の場合、エチレンジアミン誘 導体のように、Rがそれぞれ水素である式(II)の化合物が好ましい。そのよう な化合物の特に好ましい種類は、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドと エチレンジアミンとの連続的な反応により製造される。ある種のこの化合物は市 販品であり、テトロニック(TETR0NIC)ポリオールという登録商標でビー・エー ・エス・エフ(BASF)/ウィアンドット(Wyandotte)より市販されている。 低減成分を直接第1段階リサイクルループに入れると、低減成分が、第1段階 リサイクルループの壁およびリサイクルループを通過する気体状の物質に連行さ れた触媒粒子を被覆するのに役立ち、それによってリサイクルループ内の触媒微 粒物および部分的に重合したポリマー粒子の活性を実質上低下または消失するも のと考えられる。第2段階反応器に入った失活したホモポリマー微粒子は、高い ゴム含量(Fc)の粒子を被覆し、それによりポリマー粒子の凝集性を低下させ て、より大きなFcでの操作を可能にする。しかしながら、いずれにしても、( 第 2反応器リサイクルループを含む)第2段階反応器の汚染、およびポリマーの凝 集性が実質的に低減する。このことは、堆積した汚染を除去するために停止させ ることなく製造操作を延ばすことができる。さらに、コポリマー相中でのゲルの 生成が実質的に減少する。その上、第1段階反応器のリサイクルループを通過し て第2段階反応器へ移る低減成分の量は、十分に小さいため、第2段階反応器内 の触媒の活性をほとんど低下させない。これらの改良点は、総体的な重合工程の 改良された経済面において最も容易に認められる。 さらに、以下に比較例を包含する本発明の詳細な実施例を示すが、本発明はこ れらに限定されるものではない。 実施例I 第1段階の反応器中で本発明の成分を少量使用することの効果を実証するため に、本発明に参照して引用した米国特許第4,983,562号に記載された2 段階連続気相法において、耐衝撃性ポリプロピレンコポリマーを市販の高活性立 体規則性オレフィン重合触媒を用いて製造する製造システムを実行した。 各重合において、鉱物油中5重量%分散液としての前触媒成分を気相反応器に 送り込んだ。同時にかつ連続的に、トリエチルアルミニウム助触媒の25重量% イソペンタン溶液および選択性制御剤としてのn-プロピルトリメトキシシラン の4重量%イソペンタン溶液を第1段階反応器に入れた。(約4.5dg/分の メルトフローを維持するように)製造したポリマーの分子量を調節するために十 分な水素を導入した。少量の窒素も存在させた。第1段階反応器中のプロピレン の分圧は約340psiであった。滞留時間1.5〜2時間で、重合温度は65 ℃であった。製造したホモポリマー約2〜3ポンドを、第1段階反応器から第2 段階反応器へ断続的に移送した。第2段階反応器中のプロピレン分圧は約30〜 約80psiの範囲であった。55〜60重量%のエチレンを含有するゴム分を 製造するために、第2段階反応器に十分なエチレンを入れた。第2段階反応器中 の全圧を約200〜約300psiに保った。 成分と触媒粒子のアルミニウム含量との望ましいモル比を得るために、熱交換 器から、リサイクルループを通る蒸気に乗せて、第1または第2反応器ループの 上流へ成分を様々な量で入れた。キャリアーとしてのイソペンタンに成分を分散 した。 イソペンタン中の希釈溶液として、以下の成分を使用した。 ペゴスパーズ(Pegosperse、登録商標)100Lラウリン酸ジエチレングリ コール[ニュージャージー州フェアー・ローン(Fair Lawn)のロンザ(Lonza, Inc.)より入手] メチルジプロパゾール 1-ヘキシン トリエチルアルミニウム(「TEAL」) 1-デシン ASTM D-1238に従って、ポリマー生成物の「メルトフロー」を測定す る(条件:230/2.16)。メルトフローの関数としての「β/α」比を、 以下の関係式: β/α=1+[(1/Fc){(MFhomo/MFwhole0.213−1}] (式中、Fcはエチレン/プロピレンコポリマーゴム相の重量分率、MFhomoは 第1反応器のホモポリマー相のメルトフロー、およびMFwholeは耐衝撃性コポ リマーのメルトフローである。) に従って算出した。固有粘度の関数としてのβ/αを、以下の関係式: β/α=1+[(1/Fc){(IV1/IV2)−1}] (式中、Fcはエチレン/プロピレンコポリマーゴム相の重量分率、IV1は耐 衝撃性コポリマーの固有粘度、およびはIV2はホモポリマーの固有粘度である 。) に従って算出する。ビスコ−テック(Viscotek)相対粘度計モデルNo.Y50 1を用いて、(ハギンズ定数0.30を用い、130℃デカリン中)固有粘度を 測定する。結果を表1に示す。 表1中の注: a)Fcは、%Wまたは重量分率で表されるコポリマーのゴム含量である。 b)β/αは、コポリマー相の固有粘度(直接的には測定できない)をホモポリ マー相の固有粘度で割った比率であって、全ポリマーおよびホモポリマーに基つ いて測定した固有粘度(IV)とメルトフロー(MF)の両方の関数として決定 する。 c)R1=第1段階リサイクルループ;R2=第2段階リサイクルループ。 d)第1段階反応器に添加する失活剤のモルとアルキルアルミニウム化合物(ト リエチルアルミニウム)のモルとの比率。 e)高静電荷の発生により反応が停止し、ポリマーシートが形成された。 f)イソペンタン中のトリエチルアルミニウムを第2リサイクルループに添加し た。 g)低減成分を第1および第2段階リサイクルループの両方に添加した。 第2反応器ループへの成分の添加が、第2反応器内で生じた予期しなかった過 剰の静電荷を引き起こしたことは注目される(パート3および6と表1参照)。 結果として、溶融したポリマーの塊(たとえばシート)が反応器内で形成され、 それぞれの場合に操業を終了しなければならず、反応器を開けて洗浄した。しか しながら、第1反応器ループへの同じ成分の添加は第1または第2反応器のどち らにおいてもシート形成を引き起こさなかった。それ故に、低減成分を第1反応 器および/または第1リサイクルループに添加するのが、明らかに有利である。 少なくとも一つの効果的な低減成分(1−ヘキシンおよび1−デシンは有効で はなかった)を用いて、(両方のβ/αを測定して)約2.0またはそれ以上の 固有粘度を有する高耐衝撃性ポリプロピレン試料を、中程度ないし低ゲル含量で 調製した。どちらか一方のβ/αの測定による2.0未満のβ/αの値は、過剰 のゲルの徴候が起こり得るが、実際には、特別な溶融剪断環境に関する種々のフ ァクターの結果としては生じない限界領域を表わしている。さらに、27重量% 近傍のゴム含量(Fc)を有するポリマーが、分散した粉末の凝集性(すなわち 、粘着性/凝集性)を示すことなく得られた。 すべてのポリマー試料をスクリュー直径35mmのワーナー-フライダラー( Werner-Pfleiderer)製2軸スクリュー押出機(溶融温度229〜235℃)で 押出成形した。アーバーグ(Arburg)往復スクリュー25トン型締め成型機(モ デルNo.221-55-250)で射出成型を行った。試料の試験は、一般に、ポ リマー成型から少なくとも3週間後に行った。 キリオン(Killion)冷却ロールを装備したスクリュー直径3/4インチのブラ ベンダーで、フィルム押出を行った。使用したスクリーンパックはメッシュ寸法 20/60/120/20[バレル端から押出ダイへ]であった。押出溶融温度 は260〜270℃であった。 成型したポリマー製品の「曲げ弾性率」(0.05インチ/分で1%割線)を 、ASTM D−709A(ISO178)に従って測定した。ASTM D− 3029、方法Gに従って、−30℃でのガードナー衝撃強さを測定した。−2 0℃と23℃の両方の温度でのノッチ付きアイゾット衝撃強さを、ASTM D −256に従って測定した。ゲル測定のために、長さ約12インチ、幅6インチ 、および厚さ1〜2ミルの流延フィルム片を4等分に切り分けた。4等分したも のからそれぞれ、光学顕微鏡観察用に小さな試料を分取した。写真はいずれも、 ニコン(Nikon)ラボフォト-ポル(Labophto-pol)顕微鏡を使用し、ポラロイド (Pola−roid)57型フィルムを用いて透過光(100×)で撮った。結果を表 2にまとめる。 メチルジプロパゾールでの処理が、ゲル生成および対応する改良した23℃で のノッチ付きアイゾット衝撃強さに顕著な影響を与えることは明らかである。2 3℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強さに見られる改良は、−30℃でのガード ナー衝撃強さに見られる改良に対応している。明らかに、ゲルは、表2に示した ように、−20℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強さには、ほとんど影響を与え なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グードゥ、マーク・グレゴリー アメリカ合衆国 25177 ウエスト・ヴァ ージニア、セント・アルバンズ、エルンハ ースト・ドライヴ 933番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ホモポリマー相を第1段階で製造し、プロピレンおよび他のα−オレフィ ンを重合することによりコポリマー相を第2段階で製造する2段階気相法により 剛性と衝撃強さの良好なバランスを持つポリプロピレンコポリマーを製造する方 法において、第1段階反応器に少なくとも1種の低減成分を導入することにより 、第2段階反応器におけるゲル生成を減少させる改良方法。 2.ホモポリマー相を第1段階で製造し、プロピレンおよび他のα−オレフィ ンを重合することによりコポリマー相を第2段階で製造し、ポリマー粒子床から 流れてきた主として気体状の物質の一部を取り出し、その物質を、圧縮機および 熱交換器を有する第1段階リサイクルループに通し、冷却された物質を反応器に 戻すことにより第1段階から熱を除去する2段階気相法により剛性と衝撃強さの 良好なバランスを持つポリプロピレンコポリマーを製造する方法において、第1 段階リサイクルループに、第1段階反応器の出口と熱交換器との間の点において 、少なくとも1種の低減成分を導入することにより、第2段階反応器におけるゲ ル生成を減少させる改良方法。 3.少なくとも1種の低減成分が電子供与性化合物である請求の範囲2に記載 の方法。 4.電子供与性化合物が、ケトン化合物、アルキレン化合物、炭素原子数12 までの3級アミン、エステル化合物、リン酸アミド化合物を含む酸アミド化合物 、アルコール、またはこれらの組み合わせである請求の範囲3に記載の方法。 5.電子供与性化合物が、式: R-O-(Cn2n-O-)x-R で示されるアルキレングリコール化合物、または式: [式中、Rはそれぞれ、水素、炭素原子数20までのアルキルまたは炭素原子 数20までのアシル、nは2または3、xはそれぞれ1〜約10の数である。] で示されるアルキレンジアミンのアルキレングリコール誘導体 から選択されるアルキレン化合物である請求の範囲4に記載の方法。 6.アルキレン化合物が、アルキレングリコール化合物である請求の範囲4に 記載の方法。 7.電子供与性化合物が、炭素原子数20までのケトン化合物である請求の範 囲4に記載の方法。 8.ケトン化合物が、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノ ン、ジブチルケトンおよびこれらの組み合わせから選択される請求の範囲7に記 載の方法。 9.電子供与性化合物が、炭素原子数30までのエステル化合物である請求の 範囲4に記載の方法。 10.エステル化合物が、酢酸エチル、酪酸ブチル、フタル酸ジエチル、σ− ブチロラクトンおよびこれらの組み合わせである請求の範囲9に記載の方法。 11.電子供与性化合物が、炭素原子数20までのエーテル化合物である請求 の範囲4に記載の方法。 12.エーテル化合物が、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミ ルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルおよびこれらの組み合わせから選 択される請求の範囲11に記載の方法。 13.電子供与性化合物が、アルキレンジアミンのアルキレングリコール誘導 体であるアルキレン化合物である請求の範囲4に記載の方法。 14.電子供与性化合物が、炭素原子数20までの酸アミド化合物である請求 の範囲4に記載の方法。 15.酸アミド化合物が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル アセトアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ ドおよびこれらの組み合わせから選択される請求の範囲14に記載の方法。 16.電子供与性化合物が、エタノール、メタノールおよびこれらの組み合わ せから選択されるアルコールである請求の範囲14に記載の方法。
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