JPH08504453A - 皮革のカゼイン仕上げ方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 皮革のカゼイン仕上げのための方法において、トランスグルタミナーゼがカゼイン溶液に添加され、しかる後このようにして得られた溶液を皮革に適用し、これを乾燥する。非毒性のトランスグルタミナーゼは本発明方法において硬化剤として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】 皮革のカゼイン仕上げ方法 本発明は皮革のカゼイン仕上げ方法を含んでなる。皮革が硬化剤、例えばアル デヒド、アジリジン又はイソシアネートを用いて硬化されるカゼインの仕上りを もって提供できることは公知である。これらの従来技術の硬化剤は、しかし、そ れらが毒性であるか又は極めて毒性である欠点を有している。このことは最も未 所望の欠点である；何故なら皮革仕上りプラントにおける操作者はアレルギーを 得る傾向にありそして粘液膜の攻撃を受ける。 従って、本発明の目的は前記欠点から苦しむことなく、硬化剤を用いる、皮革 のカゼイン仕上げ方法を提供することにある。 皮革のカゼイン仕上げのための本発明に係る方法は、トランスグルタミナーゼ をカゼイン又は部分分解カゼインの溶液に添加し、次いでトランスグルタミナー ゼ含有溶液を皮革に被膜として適用し、しかる後仕上げられる皮革を乾燥するこ とを特徴とする。 従って、本発明方法において、トランスグルタミナーゼを硬化剤として用いる 。トランスグルタミナーゼは毒性物質ではない。 通常、溶液へのトランスグルタミナーゼの添加は、５〜９のpH値および10〜50 ℃のピーク温度で行なわれる。 全ての起源のトランスグルタミナーゼが本発明において使用できる。 溶液中のCa⁺⁺の濃度は、トランスグルタミナーゼの満足な活性を確保するため 少なくとも0.1−10ミリモルであるべきである。 請求の範囲と共にこの明細書において、部分分解カゼインは、15％までの加水 分解程度（DH）を有するカゼイン（アルファ、ベータ ーおよび／又はカッパーカゼイン）を意味し、DHは、例えばエンスアルダー−ニ ッセンによる「Enzyme Hydrolysis of Food Proteins」、エルシーバー アプラ イド サイエンス出版会社、1986，12−13頁に記載されている。 請求の範囲と共に本明細書において、「被膜として皮革に適用される」とは次 のタイプの被膜：下塗、トップコートおよび中間被膜の１又はそれ以上を包含す る。 前記から次の内容が明らかにされる；すなわち本発明方法は３程：１）トラン スグルタミナーゼの溶液への添加、２）トランスグルタミナーゼ含有溶液の皮革 への適用、および３）仕上げられる皮革の乾燥、を含んでなる。これらの３つの 工程は互いの後に直接行うことができ、又は工程１）と工程２）の間に幾分時間 をおいてよく、そしてもしも工程２）において溶液の粘度が取扱いの容易さに対 し高すぎる場合、粘度が更に増加するのを防止するためトランスグルタミナーゼ を不活性化することが必要であるか又は推賞され得る。適程工程（すなわち工程 ２））の終了後、通常トランスグルタミナーゼの不活性化は推賞できない；何故 なら、カゼイン仕上げの特徴は重合度の増加と伴に改善されるからである。工程 ３）の乾燥工程中、しかしもしも乾燥が高温度で行われる場合、トランスグルタ ミナーゼは不活性化されるであろう。通常工程１）を行い、約１時間待ちそして 工程２）を行いその後直ちに工程３）を行うのが好ましい。 カゼインがトランスグルタミナーゼの添加によりゲルを形成し得ることは従来 技術に属することは認められている；日本特許公開公報第58−149645号参照。し かし、この公報は、本願プロセスが皮革分野に適用できることは何ら開示も示唆 もしていない。 本発明方法の好ましい態様には、カゼインの溶液又は部分分解カ ゼインの溶液がこの皮革仕上げ組成物中に１種又はそれ以上の通常の添加剤を含 有することを特徴とする。皮革仕上げ組成物中の通常の添加剤の典型的例は、ポ リウレタン（結合剤又はラッカー）、アクリレート（ラッカー）、ワックス（ワ ックス又は絹様感触を生成するための試剤）、乳化剤および増粘剤、例えばBASF からのアモラン（Amollan）およびヘンケルからのパードン（Perdon）、又は艷 消剤、例えばサンズズーキニからのMattierung SN様シリケート製品である。こ の方法により、特異的に選択された性質を有する皮革が製造できる。 本発明方法の好ましい態様は、トランスグルタミナーゼを、カゼインタンパク 質基準で活性トランスグルタミナーゼの0.01％（ｗ／ｗ）〜２％（ｗ／ｗ）に相 当する量で添加することを特徴とする。もしもトランスグルタミナーゼを、カゼ インタンパク質基準で活性トランスグルタミナーゼの0.01％（ｗ／ｗ）未満の量 で添加されると、被膜の硬化は不当に長時間を必要とするであろう。カゼイン基 準で活性トランスグルタミナーゼの２％（ｗ／ｗ）超で添加される如何なるトラ ンスグルタミナーゼは技術的に興味がないであろう；何故なら更に固着を生ぜし めないからである。 本発明は次の三つの実施例によって説明される。３種のカゼインが用いられた ：１）非変性カゼイン、すなわちＭＤフード（ビビー、デンマーク）からのミプ ロダン（Miprodan）（略してCAS）、２）ヘンケルからのエピサン（Episan）TO5 （略してEPI）、および３）BASFからのルロン（Luron）（略してLU）。 ５mMのCa⁺⁺濃度およびpH7.0を有する7.5％のカゼイン溶液（乾燥物質を基準に 計算された）を調製した。 トランスグルタミナーゼは因子XIIIaでありそしてカゼインタンパク質基準で0 .4％の活性トランスグルタミナーゼの量で加えられ た。 14cm×25cmの寸法を有する複数の皮革試験片に、２気圧の空気圧で吹付ペンシ ルを用い各６回対角線に吹付けた。粘度は製品によって変化しそして粘度は架橋 により増加するので、表面に付着された仕上げの量は試験片によって平均約10μ ｍ〜100μｍと、幾分変化した。適用後、試験片を煙霧室内で乾燥せしめた。日 の最後に、全てのサンプルを仕上げのため30℃のインキュベーター内に置き１日 および２日硬化させた。 全ての皮革試験片をDIN53339規準に従がい乾燥および湿潤フェルトによる摩擦 堅牢度に対し試験した。フェルト片により乾燥の塗着の程度を測定した。付着が 少なければ少ない程度、品質はより良い。 実験条件および残りの結果を次表に示す。 前記表から次の内容は明らかである；すなわちトランスグルタミナーゼ硬化仕 上りはいかなる場合も、従来技術の仕上りに比較して摩擦堅牢度に関し劣った特 性は示していない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペテルセン，ベント リベル デンマーク国，デーコー―2100 コーベン ハウンエー，ストランドベンゲット １ (72)発明者 セーレンセン，ニールス ヘンリック デンマーク国，デーコー―3320 スケビン エ，シレルンデン １

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．皮革のカゼイン仕上げのための方法であって、トランスグルタミナーゼを カゼイン又は部分分解カゼインの溶液に添加し、次いでトランスグルタミナーゼ 含有溶液を皮革に被膜として適用し、しかる後仕上げられる皮革を乾燥すること を特徴とする、前記方法。 ２．カゼイン又は部分分解カゼインの溶液がまた、皮革仕上げ組成物中に１種 又はそれ以上の通常の添加剤を含有する、請求の範囲第１項記載の方法。 ３．トランスグルタミナーゼを、カゼインタンパク質基準で0.01％（ｗ／ｗ） 〜２％（ｗ／ｗ）の活性トランスグルタミナーゼタンパク質に対応する量で添加 する、請求の範囲第１項又は第２項記載の方法。