JPH08503753A - 可溶化コラーゲンで強化された紙およびこれを作成する方法 - Google Patents

可溶化コラーゲンで強化された紙およびこれを作成する方法

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JPH08503753A JP7501881A JP50188195A JPH08503753A JP H08503753 A JPH08503753 A JP H08503753A JP 7501881 A JP7501881 A JP 7501881A JP 50188195 A JP50188195 A JP 50188195A JP H08503753 A JPH08503753 A JP H08503753A
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ジェイ. フィンク,デイビッド
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ランパック コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 以下の工程によって、コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法:セルロースパルプスラリーを提供する工程;可溶化コラーゲンをパルプスラリーに添加し、そしてセルロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとが相互作用するのに効果的な時間、混合する工程;相互作用したセルロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとをシートに形成する工程;および、該シートを乾燥する工程。さらに、以下の工程によって、可溶化コラーゲンを紙の強化のために使用する方法:可溶化コラーゲンをセルロースパルプスラリーと混合する工程;およびこの混合物からセルロースパルプ製品を作成し、そして乾燥する工程。

Description

【発明の詳細な説明】 可溶化コラーゲンで強化された紙およびこれを作成する方法発明の分野 本発明は、可溶化コラーゲンの作成方法、および、可溶化コラーゲン強化紙を 作成する方法に関する。この方法は、改良された紙を作成する他の公知の方法に 比べて有利な点がある。本発明はまた、改良された可溶化コラーゲン、およびこ の方法によって作成される改良された紙に関する。本発明は、低コストの可溶化 コラーゲンの作成、およびセルロース製品のためのバインダーに有用であり、特 に、改良された機械的性質を有し、そして低コストである再生セルロース紙の製 造に有用である。発明の背景 動物の生皮を処理してなめし革を製造することは古くからの技術であり、そし て現在では非常に完成された工業である。なめし革製造の化学に関するMcLaugli n,G.D.らのThe Chemistry of Leather Manufacture、Reinhold Publishing Co rp, N.Y.(1945)、およびコラーゲンの反応性に関するGustavson,K.H.,The Ch emistry and Reactivity of Collagen 、Academic Press Inc.,N.Y.(1956)は 優れた参考文献であるが、1940年代および1950年代に出され、そして現在でも実 践されてい る技術の基本的な説明といえる。「コロイド」という用語がギリシャ語で「にか わ状」を意味するのと同様に、「コラーゲン」という名称は、にかわに対応する ギリシャ語に由来する。 皮膚は4つの異なる層からなり、これらは外側から内側へ順に:(1)「表皮 」と称される、上皮からなる薄い外層で、コラーゲンではなく、ケラチンという タンパク質に富む;(2)コラーゲンに富むち密な層で、「皮膚(dermal)」ま たは「グレイン(grain)」層と称され、古い文献では「サーモスタット(therm ostat)」層をも呼ばれる;(3)あまりち密ではなく、コラーゲンに富む結合 組織からなるより厚い層で、「真皮」層と称される;および(4)「皮下組織」 からなる内部層で、製革業者には「フレッシュ(flesh)」として知られ、これ により皮膚はその下にある組織に結合する。 生皮は、微生物による分解を止めるために、塩および/または他の殺菌溶液中 で単に「保存(cured)」され得るが、なめし革製造に使用されようとする生皮 の多くは、「石灰処理(limed)」される。これは水和石灰(水酸化カルシウム )および水の飽和溶液中に浸漬することである。石灰処理プロセスにより、表皮 および皮下組織層がゆるみはじめ、そして石灰処理プロセスは脱毛(dehairing )プロセスの最初の工程である。石灰処理が完了した後、毛、表皮、および他の 残ったフレッシュ、脂肪、および表面の筋肉は、機械的な剥離によって除去され 、皮膚(dermal)層は、最終的ななめし革に必要とされ る厚みを与えるのに充分な真皮層と共に、残りの内部真皮層から機械的に切り取 られる。 なめし革製造における主要な関心事は、真皮層の約25%の厚みである、ち密な 、コラーゲンに富む皮膚(dermal)層にある。なめし革製造のプロセスのあいだ 、皮膚(dermal)層は、コラーゲン構造を安定させるために、個別の化学的処理 およびなめし処理を受ける。 皮膚(dermal)層から分離された、真皮層の残りの部分は「石灰処理スプリッ ト(limed split)」と称され、なめし革製造プロセスの副生成廃棄物である。 これらのライム処理スプリットが、例えば、ソーセージのケーシング製造のため のコラーゲンに富む原料となり、そして、本明細書中の実施例のためのコラーゲ ンの源として用いられる。 ライム処理プロセスの間、皮膚は水を吸収し、そして水と結合して、高度に膨 潤する;このプロセスでは、非常にアルカリ性のpH約12.5となる。ライム処理 プロセスの化学はとてもよく理解されている。さらなるなめし革の処理に先だっ て、そして本明細書で考慮されるコラーゲン製造プロセスの間、酸または塩溶液 中に浸漬することによって皮膚は「脱石灰(delimed)」される。 天然資源を保護し、そしてコストを低下させるためのセルロース材料の再生は 、現在、望ましい環境上の目的である。 再生セルロース材料は、好ましくは、歴史的にバージンセルロース材料を使用し てきた最終製品を置き換えて使用される。 残念ながら、再生セルロース材料から作成された製品は、通常、バージン材料か ら作成された製品とは物理的性質が異なる。これらの重要な性質のうちのひとつ は強度であり、これはしばしば、顕著に低下する。 紙の強度を向上させるための先行の試みとしては、Youngの特許、US3,532,593 に記載されたものがある。Youngは、あらかじめ存在するゲル化したコラーゲン 繊維を単離するための機械的方法を記載するが、本発明のような、コラーゲンを 可溶化するための酵素的方法は記載しない。この特許はコラーゲンから脂肪を除 去する方法を記載する。コラーゲンは、酸溶液中でのビーティングによって機械 的に処理されるが、不溶のままである。この不溶の機械的に処理されたコラーゲ ンは、次に、セルロースのビーティングされたパルプと合わされ、そして紙シー トに作成される。 G.Sauretらによる、フランスの雑誌記事、Le collagne ans la fabrication du papier,Revue A.T.P.I.,第33巻、第8号、1979年10月、374〜365頁は、Tur mix-Waringブレンダーを用いる、コラーゲンの調製のための機械的方法を開示す る。この機械的に処理されたコラーゲンは不溶である。これは、セルロースパル プと合わされ、そして紙シートに作成される。 対照的に、本発明は、本明細書中でさらに記載するように、少量の可溶コラー ゲンをセルロース材料と合わせる方法を用いる。発明の要旨 本発明の典型的な実施態様は、以下の工程によって可溶化コラーゲンの水溶液 を製造する方法である。(a)不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供し、そ して、後に添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、スラリーのpH を調節する工程;(b)pHを調節したスラリーに、タンパク質分解酵素を添加 する工程;(c)工程bのスラリーおよび酵素、および/または工程eのリサイ クルされた不溶コラーゲンおよび酵素を、可溶化コラーゲンが増加した溶液を形 成するのに効果的な温度Tおよび時間tで、反応させる工程;(d)追加の水と 不溶コラーゲンとを、工程(c)の溶液に添加し、そして混合する工程;(e) 可溶化コラーゲンを含む工程dの溶液の少なくともいくらかを、不溶コラーゲン から分離する工程(ここで、不溶コラーゲンおよびタンパク質分解酵素の少なく とも一部はリサイクルされて工程cに戻され、そして可溶化コラーゲンを含む分 離された溶液は、生成物として取り除かれる)。他の典型的な実施態様は、リサ イクル工程を使用しないが、可溶化コラーゲンを、酵素を除去することなく直接 使用する。典型的には、工程cは、2回、3回、4回、またはそれ以上繰り返さ れ得る。追加の酵素を、工程eからリサイクルされた不溶コラーゲンに添加し得 る。この酵素は、生成物を取り除くことで除去された酵素を実質的に置き換える か、あるいは、リサイクルにおける反応速度が所定のレベルを下回って低下した ときに添加し得る。ひと つの典型的な実施態様では、この方法は連続プロセスで操作される。 反応は、典型的には、pHをタンパク質分解酵素が実質的に不活性なpHに調 節することによって;および/または、温度をタンパク質分解酵素が実質的に不 活性な温度まで低下させることによって、停止され得る。他の典型的な実施態様 では、工程aにおいて、湿式粉砕スラリーの液体含有量または固形分含有量は、 好ましくは、固形分が約0.1から約1.0wt%の濃度に調節されるように調節される ;工程cにおいて、温度Tは、好ましくは約5℃から約30℃であり、そしてより 好ましくは、約15℃から約28℃である。他の好ましい実施態様では、固形分濃度 は約0.3から0.35wt%であり、そして工程cの反応は約10から約30℃の温度、お よび10から72時間で行われる;より好ましくは、この温度は15℃と28℃との間で ある。典型的なタンパク質分解酵素は、ブタ粘膜ペプシン、ブロメライン、キモ パパイン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、フィシン、パパィン、ペプチダーゼ 、プロテイナーゼA、プロテイナーゼK、トリプシン、微生物プロテアーゼ、お よびこのような酵素の組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、 このタンパク質分解酵素はペプシンまたは微生物酸プロテアーゼである。ブタ粘 膜ペプシンが選択される場合、pHは好ましくは約1.5〜3.0であり、そして温度 は約15℃から約28℃である。典型的には、不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が 、数平均分子量300,000ダルトン以上の可溶コラ ーゲンに転換される;より好ましくは、不溶コラーゲンの少なくとも90wt%が可 溶コラーゲンに転換され、そして数平均分子量は1,000,000ダルトンを超える。 さらなる本発明の典型的な実施態様は、以下の工程によって可溶化コラーゲン の水溶液を製造する方法を包含する。(a)不溶コラーゲンの水性粉砕スラリー を提供する工程;(b)この湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を 調節する工程(ここで不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲ ンの濃度を実質的に最大にすることを促進する濃度である);(c)工程dにお いて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程bからのスラリー のpHを調節する工程;(d)pHを調節したスラリーにタンパク質分解酵素を 添加し、そして混合する工程;(e)工程dのスラリー、および/または工程g のリサイクルされた不溶コラーゲンを、不溶コラーゲン粒子由来の可溶化コラー ゲンを含有する溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび時間tで、反応させる 工程;(f)追加の水および不溶コラーゲンを、可溶化コラーゲンを含む工程e の溶液に添加し、そして混合する工程;(g)可溶化コラーゲンを含む工程fの 溶液の少なくともいくらかを、不溶コラーゲンから分離し、そして不溶コラーゲ ンを工程eに戻す工程(ここで、タンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイ クルされ、そして可溶化コラーゲンを含む分離された溶液は、生成物として取り 除かれる)。他の典型的な実施態様は、リサイクル工程を使 用しないが、可溶化コラーゲンを、酵素を除去することなく直接使用する。典型 的には、工程eは、2回、3回、4回、またはそれ以上繰り返され得る。追加の 酵素を、工程eからリサイクルされた不溶コラーゲンに添加し得る。この酵素は 、生成物を取り除くことで除去された酵素を実質的に置き換えるか、あるいは、 リサイクルにおける反応速度が所定のレベルを下回って低下したときに添加し得 る。ひとつの典型的な実施態様では、この方法は連続プロセスで操作される。反 応は、典型的には、pHをタンパク質分解酵素が実質的に不活性なpHに調節す ることによって;および/または、温度をタンパク質分解酵素が実質的に不活性 な温度まで低下させることによって、停止される。他の典型的な実施態様では、 工程bにおいて、湿式粉砕スラリーの液体含有量または固形分含有量は、好まし くは、固形分が約0.1から約1.0wt%の濃度に調節されるように調節される;工程 eにおいて、温度Tは、好ましくは約5℃から約30℃であり、そしてより好まし くは、約15℃から約28℃である。他の好ましい実施態様では、固形分濃度は約0. 3から0.35wt%であり、そして工程eの反応は約10から約30℃の温度、および10 から72時間で行われる;より好ましくは、この温度は15℃と28℃との間である。 典型的なタンパク質分解酵素は、ブタ粘膜ペプシン、ブロメライン、キモパパイ ン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、フィシン、パパイン、ペプチダーゼ、プロ テイナーゼA、プロテイナーゼK、トリプシン、微生物プロテアーゼ、およびこ のような 酵素の組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、このタンパク質 分解酵素はペプシンまたは微生物酸プロテアーゼである。ブタ粘膜ペプシンが選 択される場合、pHは好ましくは約1.5〜3.0であり、そして温度は約15℃から約 28℃である。 典型的には、不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が可溶コラーゲンに転換され 、その数平均分子量は300,000ダルトンを超える;より好ましくは、不溶コラー ゲンの少なくとも90wt%が可溶コラーゲンに転換される。 本発明の他の実施態様は、以下の工程によって可溶化コラーゲンの水溶液を製 造する方法である。不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供する工程;この湿 式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調節する工程(ここで不溶コラ ーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲンの濃度を実質的に最大にする ことを促進する濃度であり、これは紙を強化するのに適している);工程dにお いて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程bからのスラリー のpHを調節する工程;pHを調節したスラリーにタンパク質分解酵素を添加し 、そして、不溶コラーゲン粒子由来の可溶化コラーゲンを形成するのに効果的な 温度Tおよび時間tで、反応させる工程;高濃度の可溶コラーゲンを得るために 、可溶化コラーゲンの濃度および可溶化コラーゲンの分子量を測定することによ って、反応の条件を制御する工程(ここで反応は、300,000ダルトンを超える数 平均分子量画分および濃 度が実質的に最大になったとき完了する);および、可溶化コラーゲンの水溶液 を、生成物として取り除く工程。 このプロセスのための供給原料は、その原料が比較的清浄で、かつ比較的小さ い粒子サイズのコラーゲン含有材料を有する限りは、典型的には種々の源に由来 し得る。例えば、後述のKomanowskyらの方法を参照のこと。動物組織から、不溶 コラーゲンの湿式粉砕スラリーの供給原料を調製するための、ひとつの典型的な 方法は、以下の工程を包含する:(a)コラーゲンを含有する、動物の軟組織を 提供する工程;(b)このコラーゲン含有組織を清浄化して、毛、脂肪、炭水化 物、および他の不純物を除去する工程;(c)清浄化されたコラーゲン含有組織 を切断して小片にする工程;(d)小片を水と混合して、スラリーを得る工程; (e)スラリーのpHを、組織からのコラーゲンの等電点の実質的に近傍に調節 する工程;(f)上記で得られたpHを調節したスラリーを湿式粉砕して、不溶 コラーゲンのスラリーを得る工程。この方法のpHは典型的には、約3から約7 である。本発明はさらに、上記の方法によって製造された、可溶化コラーゲンの 特有の水溶液を包含する。 またさらなる本発明の実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化セルロ ースシートを作成する方法を包含する:(a)セルロースパルプスラリーを提供 する工程;(b)可溶化コラーゲンをこのパルプスラリーに添加し、そしてセル ロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとが相互作用する のに効果的な時間、混合する工程;(c)相互作用したセルロースパルプスラリ ーと可溶化コラーゲンとをシートに形成する工程;および(d)シートを乾燥す る工程。典型的には、形成されるシートは、紙のようなシートであり得る。他の 実施態様は、可溶化コラーゲンをセルロースパルプスラリーと混合する工程、こ の混合物を成形しそして乾燥する工程によって、可溶化コラーゲンを紙の強化に 用いる方法を包含する。 さらに他の実施態様は、可溶化コラーゲンとセルロースパルプとの混合物の反 応生成物の乾燥物の、強化セルロースパルプ組成物を包含する。他の典型的な実 施態様は、可溶化コラーゲンとセルロースパルプとの混合物から調製される、強 化紙製品である。 また他の典型的な実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化セルロース シートを作成する方法を包含する:(a)バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用 紙、回収カートン容器、またはそれらの混合物からなる群から選択されるセルロ ース材料を、水または水と苛性アルカリ(caustic)とを含有する溶液と混合し 、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt%から約6wt%のコンシステンシ ー(consistency)を有するパルプスラリーが形成されるまで、機械的にパルピ ングする工程;(b)パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt %から約3wt%のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節 する工程;(c)約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロース材料の乾燥重量を 基準にして)の 間の可溶コラーゲンを、希釈したパルプスラリーに添加し、そして希釈したパル プスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作用するのに効果的な剪断速度お よび時間で混合する工程(ここで、可溶コラーゲンの少なくとも実質的部分が紙 パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリーを形成する);(d)コラーゲン −パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコンシステンシーに希 釈する工程;(e)コラーゲン−パルプスラリーをシートに形成し、そしてシー トを乾燥する工程。典型的には、上記工程cにおける混合は約15分間である。上 記pHは、カン水酸(muriatic acid)、HCI、HNO3、H2SO4、および酢酸からな る群から選択される酸で調節され得る。所望であれば、この方法は、工程eのシ ートを、乾燥の前にサイジング剤(sizing)でコートする付加的な工程を包含し 得る。典型的には、サイジング剤は、さらに、数平均分子量が100,000ダルトン 以下のコラーゲン加水分解物であり得る。乾燥したシートはカレンダ加工され得 る。典型的には、工程aにおける苛性アルカリば、セルロースパルプ固形分の乾 燥重量を基準にして約0.25wt%から約1.00wt%の濃度で、かつpHが10〜14の範囲 のNaOH溶液であり得る。 典型的には、上記可溶化コラーゲンは300,000ダルトンを超える数平均分子量 を有し、そして最も好ましくは約1,000,000ダルトンを超える数平均分子量を有 する。混合剪断速度および他の条件は、コラーゲンの3重らせん構造を変性する ことなくコラーゲン−パルプ相互作用を促進するのに適している。 いくつかの応用では、上記コラーゲン−紙スラリーは、好ましくは約0.5乾燥wt% のコンシステンシーを有する。所望であれば、工程aのパルピングの後、または 工程bの希釈の後、またはリファインの後、みょうばん/ロジン添加物が添加さ れる。また、工程eにおけるシートの形成の後、乾燥の前に、形成されたシート を湿式プレスして所定の厚みとし得る。 ひとつの典型的な実施態様では、工程aにおいて水のみを選択した場合におい て、工程eのシート形成にあたって選択された自由度を得るためにセルロース繊 維をフィブリル化するために、工程aからのパルプ/水スラリーをリファインす る付加的な工程が好ましい。実質的に回収新聞用紙を選択した場合、上記自由度 は好ましくは約100CSFと約150CSFとの間であり、そして実質的に回収カートン容 器が選択された場合、上記自由度は好ましくは約300CSFと約400CSFとの間である 。 またさらなる実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化セルロースシー トを作成する方法を包含する。(a)バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、 回収カートン容器、またはそれらの混合物からなる群から選択されるセルロース 材料を、水または水とNaOHとを含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形 分を基準にして約3wt%から約6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリー が形成されるまで、機械的にパルピングする工程;(b)パルプスラリーを、乾 燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt%のコンシステンシーに希釈し、 そしてpHを約3.5から約7.0に調節する 工程;(c)工程aのパルピングの後でパルプスラリーに、または工程bの希釈 の後で希釈されたパルプスラリーに、みょうばん/ロジン添加物を添加する工程 ;(d)みょうばん、ロジンを含有する希釈されたパルプスラリーを、シートに 形成する工程;(e)100,000ダルトン以下の数平均分子量を有するコラーゲン 加水分解物で、シートの片面または両面をコートする工程;およびシートを乾燥 する工程。 他の典型的な実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化セルロースシー トを作成する方法を包含する:(a)バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、 回収カートン容器、またはそれらの混合物からなる群から選択されるセルロース 材料を、水または水とNaOHとを含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形 分を基準にして約3wt%から約6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリー が形成されるまで、機械的にパルピングする工程;(b)パルプスラリーを、乾 燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt%のコンシステンシーに希釈し、 そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程;(c)不溶コラーゲンの水性粉砕 スラリーを提供する工程;(d)この湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分 含有量を調節する工程(ここで不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化 コラーゲンの濃度および分子量を実質的に最大にすることを促進する濃度である );(e)工程fにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、 工程dからのスラリーのpHを調節する工程;(f)pHを 調節したスラリーにタンパク質分解酵素を添加し、そして、不溶コラーゲン粒子 から高分子量の可溶化コラーゲンの溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび時 間tで、反応させる工程;(g)コラーゲンの高度の可溶化、および可溶化コラ ーゲンの分子量(ここでコラーゲンはセルロースパルプと結合可能である)を得 るために、可溶化コラーゲンの濃度および可溶化コラーゲンの分子量を同時に測 定することによって、反応を制御する工程(ここで反応は、該分子量および該濃 度が実質的に最大になったとき完了する);(h)不溶コラーゲンを追加の水と 共にまたは水なしで、高分子量の可溶化コラーゲンを含む、工程fの溶液に添加 し、そして混合する工程;(i)高分子量の可溶化コラーゲンを含む溶液の少な くともいくらかを、不溶コラーゲンから分離し、そして不溶コラーゲンを工程d に戻す工程(ここで、タンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイクルされ、 そして高分子量の可溶コラーゲンを含む分離された溶液は取り除かれる);(j )約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロース材料の乾燥重量を基準にして)の 間の可溶コラーゲンを含有する、工程iの分離された溶液を、希釈したパルプス ラリーに添加し、そして希釈したパルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが 相互作用するのに効果的な剪断速度および時間で混合する工程(ここで、可溶コ ラーゲンの少なくとも実質的部分が紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラ リーを形成する);(k)コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾 燥wt%との間のコンシステンシーに希釈する工程;(l)コラーゲン−パルプス ラリーをシートに形成する工程;およびシートを乾燥する工程。 また更なる実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化シートを製造する 方法を包含する:(a)不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供し、そして、 工程bにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、スラリーの pHを調節する工程;(b)pHを調節したスラリーに、タンパク質分解酵素を 添加する工程;(c)工程bまたは工程eのスラリーおよび酵素を、高分子量の 可溶化コラーゲンが増加した溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび時間tで 、反応させる工程;(d)不溶コラーゲンを追加の水と共にまたは水なしで、工 程cの溶液に添加し、そして混合する工程;(e)高分子量の可溶化コラーゲン を含む工程dの溶液の少なくともいくらかを、不溶コラーゲンから分離する工程 (ここで、タンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイクルされて工程cに戻 され、そして高分子量の可溶化コラーゲンを含む分離された溶液は、生成物とし て取り除かれる);(f)バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カート ン容器、またはそれらの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水 または水と苛性アルカリとを含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分 を基準にして約3wt%から約6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが 形成されるまで、機械的にパルピングする工程;(g)パル プスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt%のコンシステ ンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程;(h)工程eか らの可溶コラーゲンを、約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロース材料の乾燥 重量を基準にして)の間の量で、希釈したパルプスラリーに添加し、そして希釈 した該パルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作用するのに効果的な 剪断速度および時間で混合する工程(ここで、可溶コラーゲンの少なくとも実質 的部分が紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリーを形成する);(i) コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコンシステ ンシーに希釈する工程;および(j)コラーゲン−パルプスラリーをシートに形 成し、そして乾燥する工程。 他の典型的な実施態様は、以下の工程によって高分子量の可溶化コラーゲンの 水溶液を製造する方法を包含する:(a)不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを 提供する工程;(b)この湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調 節する工程(ここで不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲン の濃度および分子量を実質的に最大にすることを促進する濃度である);(c) 工程dにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程bから のスラリーのpHを調節する工程;(d)pHを調節したスラリーに、タンパク 質分解酵素を添加し、そして混合する工程;(e)工程dのスラリーを、不溶コ ラーゲン粒子に由来す る高分子量の可溶化コラーゲンを含む溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび 時間tで、反応させる工程;(f)追加の水および不溶コラーゲンを、高分子量 の可溶化コラーゲンを含む工程eの溶液に添加し、そして混合する工程;(g) 高分子量の可溶化コラーゲンを含む工程fの溶液の少なくともいくらかを、不溶 コラーゲンから分離し、そして不溶コラーゲンを工程eに戻す工程(ここで、タ ンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイクルされ、そして高分子量の可溶化 コラーゲンを含む分離された溶液は、生成物として取り除かれる);(h)バー ジン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれらの混合物 からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水とNaOHとを含有する溶 液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt%から約6wt%のコン システンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機械的にパルピングす る工程;(i)パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から 約3wt%のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する 工程;(j)工程eからの可溶コラーゲンを、約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%( セルロース材料の乾燥重量を基準にして)の間の量で、希釈したパルプスラリー に添加し、そして希釈したパルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作 用するのに効果的な剪断速度および時間で混合する工程(ここで、可溶コラーゲ ンの少なくとも実質的部分が紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリーを 形成する) ;(k)コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコ ンシステンシーに希釈する工程;および(l)コラーゲン−パルプスラリーをシ ートに形成し、そして乾燥する工程。 本発明のさらなる実施態様は、以下の工程によってコラーゲン強化セルロース シートを作成する方法を包含する:(a)セルロースパルプスラリーを提供する 工程;(b)可溶化コラーゲンをこのパルプスラリーに添加し(ここでセルロー スパルプおよび可溶化コラーゲンは約2wt%を超えるコンシステンシーを有する )、そしてセルロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとが相互作用するのに 効果的な時間、混合する工程(ここで混合は約35℃を超え、より好ましくは40℃ を超える温度で行われる);(d)相互作用したセルロースパルプスラリーおよ び可溶化コラーゲンをシートに形成する工程;および(e)シートを乾燥する工 程。図面の簡単な説明 図1Aは、コラーゲン溶液の非ニュートン流体的挙動を示すプロットである。 本発明の可溶化コラーゲンの希釈溶液(A)およびBA-1コラーゲン溶液(B)の、 2種の剪断速度(20および100rpm)における粘度である。センチポイズで表す粘 度を縦軸(垂直軸)にプロットし、そしてmg/mLで表す固形分濃度の近似値を横 軸(水平軸)にプロットした。 図1Bは、20rpmで測定された粘度の100rpmで測定された粘 度に対する比(ここでは「粘度比」という)を示すプロットである。このデータ は、本発明の可溶化コラーゲン(A)またはBA-1コラーゲン溶液(B)の両方につ いて、図1Aのデータから計算した。粘度比を縦軸(垂直軸)にプロットし、そ してmg/mLで示す固形分濃度の近似値を横軸(水平軸)にプロットした。 図2は、実施例1Aについての20rpmおよび100rpmにおける粘度を示すデータ のプロットである。センチポイズで表す粘度を縦軸(垂直軸)にプロットし、そ して時間(hours)で示す反応の経過を横軸(水平軸)にプロットした。 図3は、実施例3Aのペプシンリサイクルを示す小規模のバッチでのコラーゲ ン可溶化反応のプロットである。粘度比を縦軸(垂直軸)にプロットし、そして 時間(hours)で示す反応時間を横軸(水平軸)にプロットした。 図4は、実施例5A(Aで示す)および6A(Bで示す)における粘度比の変 化のプロットである。粘度比を縦軸(垂直軸)にプロットし、そして時間(hour s)で示す反応時間を横軸(水平軸)にプロットした。発明の詳細な説明 製紙プロセスの前にセルロースパルプに添加された(すなわち、機械の容器( chest)中でセルロースパルプ繊維に混合された)可溶化コラーゲン材料によっ て、紙−コラーゲン複合体の強度が顕著に増大することが認められた。この結果 は驚 くべきものである。なぜなら先行技術は、ウシの生皮の機械的な減少(diminuti on)によって製造されるような、より大きな不溶のコラーゲン凝集物を必要とす ることを教示するからである。可溶コラーゲンを製紙に使用することが考慮され てこなかったことの原因のひとつは、製紙で用いられる流体温度(約40℃より高 い)では可溶コラーゲンは熱変性を起こすと予期し得たからである。変性したコ ラーゲンは、天然型(native)のコラーゲン凝集物ほど有用ではないと考えられ る。上記の結果がさらに驚くべきなのは、セルロースパルプは、水溶性のもので はなく、より大きなサイズの粒子(例えば、セルロースパルプそれ自体と同じぐ らいの大きさの粒子)によって互いに良好に結合すると予想されたからである。 本明細書の実施例に示されるように、実質的にすべての不溶性物質を除去するよ うな非常に高い重力で遠心分離した可溶化コラーゲンは、紙の強度を高めるのに 非常に効果的であった。さらに、現在、この種のコスト効率のよいコラーゲン溶 液のための大規模な用途、または商業的な源はない。可溶コラーゲンのための小 規模な用途は、食品、化粧品、および製薬工業に存在するが、このような用途の ための製品は、本発明の、セルロースパルプおよび紙の用途で受け入れ得る程度 よりはるかに高価である。定義 以下の定義は、本明細書の開示を読み取るにあたり有用で ある: 酸性化コラーゲン−酸で処理されたかまたは酸溶液で抽出されたコラーゲン。 ビーティング−パルプ繊維を分離し、かつパルプ繊維のサイズを膨張させるため に、紙パルプを比較的高い剪断速度で混合すること。 損紙(Broke)−製紙プロセスからでたスクラップ紙 カレンダ処理−紙の表面を平滑にし、かつ堅くするためのプロセスであり、典型 的には(対向回転)シリンダー間でのオンラインの圧縮により行われる。 セルロースパルプ−セルロース材料からの繊維であって、湿っていても乾いてい てもよく、そして機械的手段、化学的手段、または他の手段によって製造される 。 コラーゲンゲル−その天然型の分子状態で存在する、連続的な高度に水和した繊 維状網目構造であるコラーゲン。 コラーゲンサイジング処理−紙シートが作成された後、コーティングとして加え られるコラーゲン 自由度−製造の間、紙シートから水が排出される容易さ(自由さ)の測定値であ って、標準化された試験装置によって行われる;工業的に認められている標準の ひとつはCanadian Standard Freeness(CSF)である。 機械的パルピング−特別に設計された高剪断ミキサーによる、セルロース繊維の 機械的分離。 機械的ワーキング−粒子サイズを低下させ、かつゲル形成を開始させるために、 コラーゲンに富む材料を機械的に剪断変形させること。 コラーゲンおよびセルロース(例えば紙パルプ)の混合−可溶化コラーゲンのセ ルロースパルプとの相互作用を得るように、高分子量コラーゲンのセルロースパ ルプとの反応を助ける比較的低い(ビーティングと比べて)剪断速度で混合する こと。 分子量−この用語は、本明細書中では、特に規定しない限りは数平均分子量のこ とをいう。 天然または天然型コラーゲン−α鎖の正常な3重らせんのアセンブリを保持して いるコラーゲン分子。 古段ボール容器−再生段ボール容器、または同様のクラフト紙(Kraft)パルピ ングプロセス源からの、二次セルロース繊維。 古新聞用紙−再生新聞紙および同様の源からの二次繊維 回収紙(reclaimed paper)−リサイクル作業から受け取ったままの紙。 再生紙(recycled paper)−再処理され、そして新しい使用可能な紙に作成され た、回収紙。 リファインする−紙パルプのための前処理であって、セルロースパルプ繊維を膨 張させ、かつ分離する。 可溶化コラーゲン−可溶にするためにコラーゲンフィブリルを分離する処理が行 われているが、天然型コラーゲンの正常な3重らせんアセンブリは保持している コラーゲン;より小さなコラーゲン分子が溶解し得るように、コラーゲンフィブ リル間の共有結合は切断される;これに対して、機械的ワーキングをしたコラー ゲンおよび/または酸処理されたコラーゲンでは、単にコラーゲンの断片が物理 的に小さくされるがフィブリル間の共有結合は切断されない;本明細書中で用い られる可溶化コラーゲンは、コラーゲンフィブリル間の共有結合を切断する酵素 処理によって可溶化される。 粘度比−異なる2種の剪断速度における、ある溶液の2つの粘度測定値の比。こ れは、不溶コラーゲンのスラリーから生成する可溶化コラーゲンの増加または減 少に起因する粘度の上昇または低下を追跡するための、ひとつの典型的な方法で ある。他の典型的な方法は、単なる粘度測定で可溶化コラーゲンの増大または減 少を追跡する方法である。A.第1の一般的な実施態様 第1の一般的な実施態様のひとつの典型的な実施態様によれば、通常は可溶コ ラーゲン生成物溶液を除去する際に、失われる酵素を取り戻し、かつ再使用する リサイクル工程を利用することによって、低コストの操作が達成される。第1の 一般的な実施態様の、他の典型的な実施態様でも低コストの操作が達成されるが 、酵素を取り戻すためのリサイクル工程は利用しない。後者の実施態様では、可 溶化コラーゲンは直接、製紙のようなその最終使用目的に向けて送られ、酵素の 除去、あるいはそれ以外の可溶化コラーゲンの精製の試みは行われない。 本発明の第1の一般的な実施態様の利点は:(1)粉砕した皮膚材料から、可 溶高分子の最大量までの処理を直接行うことによって、可溶コラーゲンの調製の コストを最小にすること;および(2)同時に、パルプ繊維への結合効果を増大 させるために、セルロースパルプに結合し得る可溶コラーゲ ン材料への転換度を最大にし、可溶コラーゲン材料の分子量を制御する。このこ とによって、得られる、紙製品の引っ張り強度および/または他の機械的性質を 最大にする。紙のようなセルロース製品の製造において、可溶化コラーゲンを使 用する、先行技術の、不溶のより大きな凝集物と比較した、他の主要な利点は、 セルロースパルプ中のコラーゲンの分配の均一性がより高いことである。 本明細書中の実施例では、コラーゲン源としてウシの皮膚を選択した。なぜな ら、皮膚からのコラーゲンの調製方法は、広く報告されており、かつこの材料は 、主要工業である牛肉生産およびなめし革製造の、大量の副生成物だからである ;しかし、他の源(例えば、腰)から得られるコラーゲンもまた、このプロセス において良好に機能することが予期される。 皮膚のコラーゲンの可溶化は、動物の胃の酵素(例えばペプシン)および他の 種々の酵素で、酵素的加水分解することによって、他のいかなる精製工程をも経 ることなく達成された。このプロセスの結果、酸性溶液中、室温、10〜30時間で 、粉砕した生皮調製物はほとんど完全に溶解した。他の(試験していない)酵素 は、より速く、あるいはより安くコラーゲン含有組織の転換をなし得、そしてこ のプロセスは必ずしも酵素の必要量および製造時間を最小にするための最適化を なされていない。現時点では、このプロセスは0.3〜0.4%コラーゲン溶液を約50 0ガロン製造する規模にまでされており、比較的容易に制御できることが実証さ れている。 実施例 新規な組成物およびそれらを調製する新規な方法の例示として、以下の実施例 を示すが、本発明がそれに限定されることを意図しない。 材料 使用したペプシンは、Sigma Chemical Company、St.Louis、MOから購入した ブタの胃の粘膜由来の粗(比較的未精製の)粉末(カタログ番号P7125)である 。実施例に用いた、ロット番号070H0437のこの製品は、約15%のタンパク質(UV による)を含有し、活性は91ペプシンユニット/mg固形分、および620ユニット /mgタンパク質である。調製物中の残りの固形分は、沈殿塩、緩衝塩および/ま たは炭水化物の組み合わせと考えられる。結晶化ペプシンは、約3500ユニット/ mgタンパク質の最大特異的活性を有する。 さらなる試験を、以下を用いて行った:ペプシン(Sigma Chemical Companyの 粗粉末);AFP 2000(Solvay EnzymesのAspergillus niger株由来の酸菌類プロ テアーゼ);Aspergillus niger株由来のNewlase A、および(Amano Enzyme U.S .A.のRhizopus niveus株由来の)Newlase II;Quest AP(Quest International のAspergillus niger株由来のクエスト(quest)酸プロテアーゼ);EDC-APAお よびEDC-APB(Enzyme Development CorporationのEDC酸プロテアーゼAおよびED C酸プロテァーゼB)。 実施例1A〜6Aのために本明細書中で用いたコラーゲンのスラリーは、ウシ の皮膚の粉砕された石灰処理スプリットから調製した。このコラーゲンは、Teep ak's Sandy Run Plant、Columbia、SCから入手した。実施例6Aの材料の典型的 な分析では、pH=6.4;固形分含有量=15.67%;ゼラチン含有量=2.62%;脂肪含 有量=2.1%である。Komanowsky,M.らによる1974年のUSDAの報告、「新規の適用 のための細片化コラーゲンの製造」、J.American Leather Chem.Assoc.、6、41 0-422(1974)は、石灰処理スプリットのプレスライシング、酸性化、および湿 式粉砕して、粉砕の程度、ならびに得られる粒径およびテスクチャーにより分類 される5種類の「細片化」(粉砕化)コラーゲン生成物を生成する技術を記載し ている。その後のTurkotらによる1978年の文献、「細片化コラーゲン:工業的製 造の概算コスト」、Food Tech.、48-57(1978年4月)は、これらの同じ5種類 の生成物の製造コストの経済学的分析を提示している。このプラントからの生産 は、本明細書中の実施例でコラーゲンの源として用いられる粉砕した石灰処理ス プリット材料に非常に近い。 実施例7A〜11Aにおいて、他に条件がない限り、コラーゲンの酵素可溶化 を以下のように行った。0.06インチのカッティングヘッドで、実施例7Aに記載 のように粉砕した、水スラリー状のコラーゲン源(粉砕した生皮、または粉砕し た石灰処理スプリットのいずれか)を、4℃にて、Beckman J2-21遠心分離器(J A-20ローター)中で、10,0O0rpmにて20分 間回転させ、過剰の液体を除去した。この遠心分離は、rpmの重力に対する比が 約1:1なので、10,OOOrpmで、G力は重力の約10,000倍であった。上澄み液を除去 し、そして遠心分離した固形分(7.5g)を、脱イオン水(750mL)を入れた1リ ットルのエーレンマイヤ−フラスコに加えた。この懸濁液を、2インチの磁気撹 拌子で撹拌し、そしてpHを、濃塩酸を用いて調節した。次いで、酵素をフラスコ に添加し、所望の温度に設定したインキュベーター中に置いた。ビーカー中に各 反応混合物約100mLを注ぎ、そして室温にすることにより、粘度測定を行った。 粘度をBrookfield Synchro-lectric Viscometer model RVTを用いて測定した。 測定をスピンドルNo.3を用いて20rpmおよび100rpmで行った。3つの読み取りを 、各スピードで取り込み、そして平均して、センチポアズでの粘度の計算を行っ た。粘度測定のために特定の時間にアリコートを取り出し、次いで、それらを元 のフラスコに戻した。 実施例でコントロール溶液として用いるコラーゲン溶液(「BA-1」)は、可溶 皮膚製品Secolan BA-1としてKensey Nash Biomaterials、Exton、PAから入手した 。このコラーゲン溶液は、典型的には乳白色であり;pH=3.1〜3.3であり;全固 形分=1%±0.2%であり;活性コラーゲンが0.67%より多い(実施例においては 通常1%)。この製品は、受け取ったままの状態では、しばしばゲル化している 。しかし、電気泳動分析で観察されるパターンによれば、BA-1は、酸抽出処理に よって製造されたものであり、本発明で行うような酵素的反 応によって生成されたものではないと考えられる。 コラーゲン含有固形分の可溶化は、溶液粘度の定期的な測定により効果的にモ ニターされ得ることを見出した。流体粘度(fluid viscosity)は、実施例で用 いたBrookfield Model #RVT粘度計(#3スピンドル)のような多くの比較的単純 な方法により、好都合に測定され得る。このBrookfieldシステムにおいて、流体 によってディスク上に加えられた力(そのディスクは流体中で一定の回転速度で 回転する)を用いて、流体粘度を概算する。本明細書中に記載のコラーゲン溶液 において、流体粘度は可溶化コラーゲンの濃度、可溶コラーゲンの分子量分布お よび流体温度に強く依存し、そしてそれより依存の程度は低いが、流体のpHおよ びイオン強度に依存する。 粘度が、印加した力(剪断)から独立である場合には、流体は「ニュートン流 体」であると言われる。多くの高分子の溶液(本明細書中で考慮される棒状のコ ラーゲン分子を包含する)において、溶液粘度は、液体に印加した力に強く依存 し、このような液体は「非ニュートン流体」であると呼ばれる。可溶化した高分 子が高度に伸長し、そして(回転速度に比例する)剪断速度が充分高い場合には 、分子は流体の流線方向に配向し、そして流体粘度におけるその影響は、剪断速 度に強く依存する様に減少する傾向にある。 コラーゲン溶液の非ニュートン流体的挙動を、図1A中に要約した実験で示す 。可溶化コラーゲンの調製物およびBA-1の粘度を、溶液を蒸留水で連続的に希釈 して、室温で測定し た。サンプルを希釈したので、この実験では溶液のpHでいくつかの未補正の上昇 が生じ得た;しかし、そのデータの傾向は確かである。 各溶液について、粘度を2つの回転速度20rpmおよび100rp 20rpmおよび100rpmでの本発明の可溶化コラーゲンのデータを表す。白四角(-□ -)および黒四角(-■-)は、それぞれ20rpmおよび100rpmでのBA-1コラーゲンコ ントロールのデータを表す。両方の溶液とも、予測したようにより低い回転速度 でより粘性を有した。実施例で製造したコラーゲンの粘度およびBA-1調製物は、 実質的に異なり、製造したコラーゲン溶液では、より低いコラーゲン濃度および 非常に高い粘度を有し、そして急勾配であった。これらの効果は、主として2つ の溶液におけるコラーゲン分子の平均分子量の違いに依存すると考えられる。本 発明のコラーゲン溶液は、より大きい数平均分子サイズを有する。この比較によ って、本発明の方法がより低濃度でより高い粘度のコラーゲン材料(従って、数 平均分子量がより高いことを示す)を製造することに成功したことを示す。 20rpmで測定した粘度の100rpmでの粘度に対する比(本明細書中において「粘 度比」と呼ぶ)は、この非ニュートン性、分子量依存効果の便利な指標である。 このことを図1Bに示す。ここで粘度比は、BA-1よりも本発明のコラーゲン溶液 可溶化コラーゲンのデータを表し、そして白四角(-□-)は、BA-1コラーゲン溶 液のデータを表す。本明細書中で用いられる粘度比は、固形コラーゲン材料から 可溶性コラーゲン分子への「転換の度合い」の指標であり、そしてまた分子量の 指標でもある。ここで高い値の粘度比は、溶解したコラーゲンの所望のより高い 数平均分子量と互いに相関する。図1Bでは、材料が希釈されるので、粘度比の 増加は、可溶コラーゲンの濃度の増加を示していることを留意することが重要で ある。なぜなら材料の分子量はかわらないからである。以下の実施例の試験では 、粘度および粘度比における変化は濃度における変化を示す。所望であれば、可 溶コラーゲン含有量のピークが、クロマトグラフィーおよび電気泳動法により測 定され得る。 あるいは、可溶化コラーゲン組成の分析を、β-メルカプトエタノールとの煮 沸による変性後、3%スタッキングゲル;6%ランニングゲルを用いたSDSポリ アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により常法で行った。いくらかの不可逆的 沈殿物が、変性処理の間に生じる。ゲルを、クーマシーブルー染料で染色し、そ して染色用緩衝液のみで脱染した。 この手法で得られるPAGEの結果は、BA-1溶液が主としてトロポコラーゲンモノ マー(300,000ダルトン)凝集体を含有することを示す(結果は本明細書中には 示していない)。受容可能な、紙を結合する特性を有する、本発明の処理によっ て生成されるコラーゲン溶液は、PAGEによって明示されるよう に、少なくとも300,000ダルトンの数平均分子量を有し、いくつかの成分はα鎖 、β鎖およびγ鎖の完全な3重らせんを有し、他の調製物は分裂したらせんを有 し得ると思われる。 可溶化コラーゲン組成の分析もまた、Pharmacia PhastGel Systemを用いてSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により常法で行った。PhastGel勾配が 4%〜15%のポリァクリルアミドゲルを用いた。ゲル中の緩衝液系は、0.112Mト リスアセテート、pH6.4である。pH8.1で、0.2Mトリシン、0.2Mトリス、および0. 55%SDSを含有するPhastGel SDSバッファーストリップを用いて、ゲルを泳動し た。分離方法は、PhastSystem Separation Techniqueファイル番号130(表2) であった。 サンプルを、SDSの濃縮したストック溶液(20%)および緩衝液(ストック溶 液の5倍)の添加により、ゲル電気泳動用に調製した。最終濃度は、10mMトリス /HCl(pH 8.0)、1mMEDTA)2%〜2.5%SDS、および0.01%ブロモフェノール ブルーであった。次いで、各サンプルを、100℃で5分間加熱し、そして約1μL をゲルに付した。いくつかの早期の実験において、2-メルカプトエタノール( 還元剤)を、加熱の前にサンプルに添加した。2-メルカプトエタノールの添加 は、ゲルのパターンに影響を及ぼさなかった。 電気泳動の完了時に、1つまたは複数のゲルを、Pharmacia Silver Kitを用い て染色した。用いた染色方法は、PhastSystem Silver Kit Instruction Manual の表2の方法であった。 展開時間およびバックグラウンドの減少時間を、ゲルの可視度を良くするために 2倍にした。 ゲル中のSDS界面活性剤は、全ての非共有結合コラーゲン凝集体を分散させ、 共有結合的に結合した分子のみを残す。これらの分子がゲル上を移動する程度は 、それらの分子量と相関し、そしておよその分子量が同じゲルで分子量標準と共 電気泳動することにより、このコラーゲンのバンドにおおよその分子量を同定す る。可溶化コラーゲンのPAGE分析は、〜100,000ダルトン(α-コラーゲン)、〜 200,000ダルトン(β-コラーゲン)、〜300,000ダルトン(γ-コラーゲン)、お よび300,000ダルトンより大きいバンドで、バンドを示す。バンドの強度は、そ れらの分子量の順序と逆である。 可溶性または不溶性コラーゲンの分析は、典型的には、サンプル中のヒドロキ シプロリンの量を最初に測定し、次いで、この濃度をコラーゲンと相関させるこ とにより行った。ヒドロキシプロリンを、ポリプロプレン管中で125℃で乾燥さ せた0.1mLのサンプルで測定した。サンプルを、0.05mLの4M水酸化ナトリウム中 に溶解し、ふたをして、次いで、30分間オートクレーブ中に置いた。クエン酸( 1.4M溶液0.05mL)およびクロラミンT試薬(1.41gのクロラミンT、10mLの1-プ ロパノール、10mLの脱イオン水、および30mLのpH6のクエン酸/酢酸緩衝液を含 有する溶液の1mL)を、各管に添加し、次いで、室温で20分間インキュベートし た。PDAB溶液(15gのp-ジメチルアミノベンズアルデヒド、62mLのイソプロピル アル コール、および26mLの60%過塩素酸を含有する溶液の1mL)を、次いで、添加し た。このサンプルを、65℃で20分間インキュベートし、この時間の後、各サンプ ルの0.2mLを、マイクロタイタープレートリーダーに移し、そして吸光度を570nm で読みとった。3.0mg/mLのコラーゲンを含有する精製したコラーゲンのサンプル (Vitrogen 100TM;Celtrix)が、0.33mg/mLのヒドロキシプロリンを含有するこ とがわかった。標準としてこのコラーゲン調製物を用いたとき、ヒドロキシプロ リン濃度にファクター9.1を掛けると、コラーゲン濃度を与える。 高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を行い、完全な可溶コラーゲンの分子量 分布の分析を行った。HPLCを、Waters 650 Advanced Protein Purification Sys temでTOSOHAASTSK-GEK G6000PWカラム(30cm×7.8mm)を用いて行った。吸光度 を、流速0.25mL/分で、220nmでモニターした(他に指示がない場合)。移動相 は、10mMの塩酸を含有した。カラムプレフィルターを10umフリットと共に用いた 。 HPLCピークを含む溶離液画分を、PAGE電気泳動により分析し、構成するコラー ゲン分子のサイズを決定した。ゲル中のSDSがコラーゲン凝集体を分解するので 、共有結合的に結合した分子の分子量のみを、この方法により決定し得る。最初 の溶離ピーク(ピーク1)は、300,000ダルトンより大きい数平均分子量を有す る分子を、約200,000ダルトンおよび約100,000ダルトンの数平均分子量を有する 分子と共に含有する。より小さい分子は、SDSによって分解したより大きい凝集 体の構 成物と思われる。第2の溶離ピーク(ピーク2)は、約300,000ダルトン、約200 ,000ダルトンおよび約100,000ダルトンの数平均分子量を有する分子を含有して いた。200,000ダルトンおよび100,000ダルトンの分子は、SDS界面活性剤により 分解した300,000の凝集体の一部のようである。第3の溶離HPLCピーク(ピーク 3)は、約100,000未満の数平均分子量を有するコラーゲンフラグメントを含有 する。 以下の実施例において、ウシの生皮の粉砕した石灰処理スプリットは、pHが2. 0〜2.2の範囲でペプシンの加水分解を行うと、ほとんど完全に可溶化し得ること がわかった。バッチ反応の時間は、室温(22℃〜26℃)で典型的には10時間〜30 時間である。このプロセスで典型的に生成される可溶コラーゲンの最大濃度は、 約0.30%〜0.40%(3〜4mg可溶化コラーゲン/ml)である。このプロセスは、 以下に示すように、2.0リットル規模までそして本質的に同様の方法で約500ガロ ン(gal)規模で、実証された。微生物プロテアーゼは、以下で述べるように同 様の結果を示した。実施例1A 湿ったTeepakコラーゲン固形分の約15gを、室温で750mlのオハイオ州Columbu sの水道水中でマグネッチクスターラーにより懸濁させた。溶液のpHを、約65滴 〜70滴の濃塩酸(HCl)で2.1に調節した。次いで、粗ペプシン粉末(0.38g)を 、コラーゲン懸濁液中に撹拌しながら添加し、反応を開始させた。 懸濁液を、26℃〜27℃、またはスターラープレートからの伝導により時折生じる より高い温度で溶液を加熱して、一晩撹拌した。溶液の粘度を、粘度比における 最大値が達成されるまで、反応の第2日目の間、定期的に測定した(20rpmおよ び100rpm)。その時点で、pHを3.0〜3.5に上昇させる、および/または冷蔵庫中 に溶液を置くことにより、溶液を安定化させた。pHが4.0を上回ると、コラーゲ ン溶液の不可逆的なゲル化が開始し得る。 実施例1Aの結果を、図2にプロットした。図2は、反応時間(時間(hour) )の関数としての粘度のプロット(センチポアズ)を示す。粘度測定を20rpm( 四角)および100rpm(丸)で行った。pH2.1での反応が完了した後に、3つのサ ンプルを取り出し、そしてpHを、2.1(-■-)、2.8(-●-)、および によって、pH=3.5でのサンプルが、実際より安定であり、そしてpH=2.1のサンプ ルよりもより多くの元の粘度を保つことが確証された。実施例2A 30℃〜35℃の間の温度で、Teepakコラーゲンの加水分解を、一連のおよそ10種 の実験で検討し、可溶化プロセスにおいて、ペプシンの使用を最少にするための 可能性を決定した。典型的には、酵素触媒の反応速度は、温度が5℃〜10℃増加 するごとに2倍になる。これらの実験において、4リットルのス テンレススチール製のビーカーを、ヒーティングテープで包み、次いで、アスベ ストテープで絶縁した。溶液の温度を、ヒーティングテープに接続したVariacに より約±1℃〜2℃に制御した。上記のプロセスを、2リットルの反応容量まで で、かつより低いペプシン濃度の範囲で評価し、そして熱プロファイルを検討し た。ほとんど全ての場合において、Teepak固形分の完全な可溶化を、10時間〜15 時間で達成した。そして可溶化した生成物中で、粘度が実質的に向上する場合は なかった。 10種の実験の典型的なものは以下の通りである:2リットルの水をビーカーに 添加し、40gのTeepakコラーゲンを添加し、次いでpHを濃HClで2.13に調節し、 そして最終的に1.0gの粗ペプシンを添加した。最初、浴温度は30.0℃であり、 約2.5時間後の温度は33℃、そして100rpmでの粘度は19cpsであり、そして約5.5 時間後の温度は36.5℃であり、8cpsの粘度を有した。より高い分子量材料の生 成を示す粘度の上昇を示すサンプルは、33℃〜36℃にて8時間未満で完全に可溶 化した。これらの実験は、初めの加水分解処理の間でさえ、より高い反応温度で 操作すると、このプロセスにおいてペプシンを保護することがより困難であると 予測されることを示す。この特に大きな分子量のコラーゲンを蓄積する最大の実 行可能温度は、約30℃と考えられる。実施例3A このプロセスにおけるペプシンの使用を最小限にするための別のアプローチを 、図3に要約した実験により示す。この実験において、上記の方法(750mlのオ ハイオ州Columbusの水道水、15.5gのTeepakコラーゲン、0.38gのペプシン、pH =2.1)を、2リットルのフラスコ中で室温にて0日目で混合して、反応を開始し た(ローマ数字I)。約1日後、さらに750mlの水、および、さらにTeepakコラ ーゲン固形分(16.1g)を添加したが、追加のペプシンは反応器に添加しなかっ た(ローマ数字II)。フラスコを、約5分間撹拌して含有物を混合し、そしてpH を、濃HCl 30滴で調節し、次いで、スターラーを止め、そして固形分を沈降させ た。約30分後、750mlの上澄み液(「第1日目(Day 1)」の上澄み液(D1))を 、別のフラスコにデカントし、そして、両方のフラスコの撹拌を再び続けた。第 1日目の上澄み液は、いくつかの微細なコラーゲン粒子を含有したが、底部の画 分よりも少ない懸濁した固形分ロード(load)しか含有しなかった。同様の希釈 (755mlの水)、コラーゲン固形分の添加(15.2gのTeepakコラーゲン)、濃HCl 30滴でのpHの調節(ローマ数字III)、および「第2日目」の上澄み液(D2)の 上澄み液のデカンテーションのプロセスを、反応の約2日後、最初のフラスコで 繰り返した。 加水分解反応の進行を、図3において実線(-x-)で示す。丸 トを示し、あるいは四角(-□-)は、第2日目の上澄み液のプロットを示す。本 実施例において、加水分解の速度は各サ イクルで減少すると思われるが、Teepakコラーゲンの3回の典型的な添加は、ペ プシンの1回の添加により加水分解された。第1日目の上澄み液と第2日目の上 澄み液の粘度比は両方とも、それらを主反応器からデカントした後に明らかに増 加するので、いくらかのペプシンおよび不溶コラーゲンが、上澄み液と共に移動 することは明らかである。しかし、ペプシンは、可溶コラーゲンよりも固形のコ ラーゲン粒子に高い親和性を有すると考えられ、従って、ほとんどの酵素が、そ の系から取り除かれる前に数回リサイクルされ得、このことにより、この試薬の コストを最小限とする。好ましくは、その上澄み液が遠心分離によって不溶性の コラーゲンから分離される場合、液体および固形分のより良好な分離がなされる 。 最も好ましくは、この処理するリサイクル工程において、定常状態が所望され る。これは、リサイクル工程での反応速度が所定のレベルを下回ったときに、生 成物除去工程の後に追加の酵素を添加することにより達成される。最も好ましく は、追加の酵素を、生成物の除去で失われた酵素とちょうど置き換わるように添 加する。実施例4A 750mlの白水(製紙工程からのリサイクル水)を、上記の実施例3Aの標準の 方法の水道水に置換して、実験を行った。次いで、15.5gのTeepakコラーゲンを 添加し、pHを40滴の濃HClで2.14に調製し、そして0.375gのペプシンを添加した 。 室温がこの実験の間上昇したので、反応は、29℃〜31℃で行われた。そして、可 溶化は明らかに、25℃〜26℃での標準の反応よりも早く進行した。この1回の反 応で、優れた粘度が得られ、固形分がほとんど完全に可溶化し、そしてこの溶液 中でプロセスを行うことは問題がないと思われた(表1Aを参照のこと)。この 方法による製紙プロセスからの白水のリサイクルは、このプロセスに導入される 水の量を非常に減少させる。 実施例5A 本実施例において、500ガロンのジョージア州、Savannahの水道水を、二重パ ドルの600ガロンのステンレススチール製のタンクに送り込み、そして75#のTee pakコラーゲン(13.5#固形分@18%固形分)を、この水中に分散させた。約1.4 リットルの濃HClを添加して、pHを2.14にした。ペプシン(1.01k g;Sigmaロット番号70H0437)を、ゆっくりと添加し、次いで、タンクをポリエ チレンフィルムで覆い、そしてタンクを一晩撹拌した。約20時間後では、加水分 解は不十分であった(粘度比=1.32)。液温および室温が、比較的低かった(約2 0℃)ので、タンクの外側の底に生蒸気を与えることにより、液温を上昇させる 試みを行った。蒸気を約2.5時間用い、その時間での液温は23℃、粘度比は2.15 であり、そして蒸気加熱を中止した。 約31時間で、粘度比は、この反応では比較的高い2.43であった。約450gのNaO Hフレークを添加することにより、タンク内のpHを約3.0に調節して、翌日の紙で の使用のために溶液を安定化(ペプシン反応を遅くする/中止する)させること にした。約55ガロンのpH=2.1の溶液を、pHを調節する前に5ガロンの容器(複数 )に保存した。pH=3.0の溶液(黒丸-●-) -)は、粘度比が一晩でわずかに低下したので、pHの調節は、室温で保存する間 、可能な最も高い分子量を生成物中に維持する点で有用であると結論される。 約24時間の反応の後、いくつかの浮遊固形物質(低密度なので脂肪と推察され る)が、ミキサーシャフト付近のコラーゲン溶液の上表面に観察された。この実 験では、この残渣を除去することを試みなかったが、脂肪残渣が、コラーゲンの 特性にとって有害であることが見出された場合には、調製物から容易にすくい取 り得る。 本実施例、および以下に記載の実施例6Aにおいて生成されたコラーゲン溶液 を用いる前に、溶液を、約1×3mmの開口部を有するプラスチック製ニットスク リーンに通して濾過を行い、少量の非常にゆっくりと分解する皮膚粒子を取り除 いた。これらの粒子は、特徴的に、ペプシンによって最後に溶解する物質であり 、そして3mm〜5mmの大きさの範囲でしばしば見出され得る。これらの残渣の粒 子の大きなサンプルを、コラーゲン溶液から濾過し、そしてその乾燥重量を測定 した。このサンプルからを、コラーゲン溶液のバッチ全体を計算すると、最初の 固形分の95%より多くがこの処理中に可溶化すると見積もられる。実施例6A 本実施例において、同様のタンクを500ガロンのジョージア州Savannahの水道 水で満たした。1月は非常に寒く、約11℃であった。Teepakコラーゲン(乾燥重 量で15.67%の79.5#;12.5#の固形分)を、この水中に分散させ、次いで、1.5 リットルの濃HClを添加して、pHを2.18にした。ペプシン(1.01kg;Sigmaロット 番号70H0437)をゆっくりと添加し、次いで、タンクをポリエチレンフィルムで 覆った。生蒸気を、約4時間タンクの外部の底にあてて、液温を11.5℃から25℃ に上昇させた。このときのpHは2.40であった;さらに0.4リットルの濃HClを添加 してpHを2.29に下げた。タンクを、ポリエチレンフィルムで包み、タンクを一晩 絶縁した。約28時間後、pH=2. 46、約22℃の温度で、粘度比は2.51であった。約600gのフレーク状NaOHを添加 してタンクの含有物をpH=2.98にし、タンクを上記のように覆い、そして一晩撹 拌した。最終的な粘度比は2.61であった。結果を図4にB(-x-)で示す。 実施例6Aのコラーゲン溶液は、実施例5Aのものよりも最初の日の間、約2 ℃〜3℃高い反応温度で生成したので、反応はより急速に進行し、約4時間〜5 時間早く完了したと思われる。pHを約3.0に調節すると、最終の溶液は、酵素反 応が遅くなるようであり、可溶生成物の分解が一晩ほとんど観察されなかった。 このプロセスは、酵素加水分解反応を用いて、ウシの生皮をコラーゲン溶液に ほとんど完全に転換させることを意図している。このプロセスの目的は、可溶コ ラーゲン生成物を最大の収率で生成し、一方で、転換コストおよび固定資産の経 費を最小限にすることである。このプロセスは、食品または医療用グレードの可 溶コラーゲンの生成を意図しておらず、従って、清浄な溶液を生成する必要性は 、最小限であり、そして可溶コラーゲンの精製は期待されていない。コラーゲン よりもより低い濃度で粉砕化スプリット供給原料中に存在する他の皮膚成分(脂 肪、プロテオグリカン、他のタンパク質、塩など)の残余物を除去する試みも行 わなかった。 このプロセスは、供給原料の石灰処理スプリットを、可溶コラーゲンに容易に 転換され得る細かく裁断した材料にするために、一連のカッターとグラインダー を必要とする。上記 のように、このプロセスの「前端(front end)」は、粉砕したコラーゲンを生 成するためのUSDA工程に類似すると思われる。微生物の成長を妨げるために用い られる生皮の前処理に依存して、生皮を脱石灰化または酸性化することが必要と され得、残留するカルシウム塩または他の生物毒を除去する。次いで、粉砕した 固形分を処理水(恐らく、製紙工場からの固形分を減少させた白水)と混合し、 pHを滴定して2.0〜2.2にして、酵素を添加して可溶化プロセスを開始する。転換 の後、可溶性の固形分は、直接製紙工程にポンプで送り込まれ、そしてリファイ ンしたパルプ固形分と混合され、あるいは安定化させ、そして貯蔵され得る。 小規模の試験では、コラーゲンとパルプ固形分との間の最大の相互作用は、溶 液のpHが約4.0またはそれ未満であり、そしてパルプのコンシステンシーが1.0% またはそれ未満であると、達成されると思われる。従って、紙がより安定である ため典型的にはpH5〜6で稼動されるけれども、保存タンク中のパルプを、pH約 4.0またはそれ以下に調節することが有用であると考えられる。実施例7A 「USDA」供給コラーゲン材料を、本明細書中で引用したKomanowskyらの方法を 用いて、以下のように調製した。2枚の石灰処理スプリットおよび1枚の脱毛処 理および石灰処理した生皮を、巻き取り、そしてカットして12インチの幅のスト リップを得た。これらのストリップを、ストリップカッターに通し、次いで、回 転ナイフカッターに通した。酸性溶液を、1021.5gのプロピオン酸に102.15gの 安息香酸を溶解することにより、調製した。203ポンドの水および521gの上記の 酸溶液を、石灰処理した生皮スプリットからの材料に添加すること、ならびに23 5ポンドの水および603gの酸溶液を、全型の生皮材料に添加することにより、55 ガロンのステンレススチール製の回転(tumbling)ドラム中で、酸性化を行った 。ドラムを、1時間当たり15分間で4時間回転させた。最終のpHの値は、それぞ れ5.1および5.2であった。最後に、両方の材料の一部を、0.06インチのカッティ ングヘッドを有するUrschel Comitrolに通した。残りの部分を、0.200インチの カッティングヘッドに通した。生成物を、小さなプラスチック製の袋に注ぎ、そ して後の使用のために-20℃で冷凍庫中に置いた。実施例8A USDA粉砕化石灰処理スプリットを、4℃で20分間10,000rpmにて遠心分離にか けた。上澄み液を除去し、そして遠心分離にかけたこの石灰処理スプリット(15 g)を、脱イオン水(1500mL)を入れた2Lのエーレンマイヤーフラスコに添加 した。上澄み液をマグネチックスターラー(2インチの撹拌子)で撹拌し、そし てpHを濃塩酸でpH2.1に調節した。ペプシン(0.76g)をフラスコに添加し、次 いで、18℃に設定したインキュベーター中で撹拌した。反応物のアリコート(10 0mL)を、異 なる時間で取り出し、そして粘度を分析した(表2A)。各アリコートのpHを、 pH3とpH3.5との間に調節し、そしてサンプルを4℃で保存した。最後のアリコ ートを取り出した後(50時間)、分析用のサンプル(0.7mL)を、pH3.5の酢酸( 1.4mL)と合わせ、そして4℃で45,000rpmにて1時間超遠心分離にかけた。(元 の容量の緩衝液で再懸濁させた後に)上澄み液およびペレットを、表2Aに示す ようにヒドロキシプロリンについて分析した。 異なる画分のより大きなサンプル(50mL)を、pH3.5の酢酸(100mL)と合わせ 、そして20,000rpmで4時間、4℃にて遠心分離にかけた。サンプルを4℃で9 日間〜10日間(サンプルを製紙に用いるとき)保存した。 このデータは、コラーゲンがこの反応で約15時間までに増加的に可溶化したこ とを示す。これは、上澄み液中のヒドロキシプロリンの増加、遠心分離における ペレットの大きさおよびヒドロキシプロリンの減少、ならびに粘度の初期の増加 により、明示される。可溶コラーゲンの増加は、コラーゲンを添加した紙の引張 強度の増大と関係する。ここで、ΔTSは、コラーゲンを添加しないコントロー ルの紙に対しての引張強度の増大の%を表す。実施例9A Teepak石灰処理スプリットを、4℃で20分間10,000rpmにて遠心分離にかけた 。上澄み液を除去し、そして遠心分離にかけた石灰処理スプリット(35g)を、 脱イオン水(3500mL)を入れた4Lのエーレンマイヤーフラスコに添加した。上 澄み液をマグネチックスターラー(2インチの撹拌子)で撹拌し、そしてpHを濃 塩酸でpH2.1に調節した。ペプシン(1.75g)をフラスコに添加し、次いで、20. 5℃に設定したインキュベーター中で撹拌した。反応物のアリコート(200mL)を 、異なる時間で取り出し、そして粘度を分析した(表2A)。各アリコートのpH を、pH3とpH3.5との間に調節し、そしてサンプルを、製紙に用いるまで4℃で 保存した。 20.5℃での27時間の後、インキュベートしたコラーゲンサンプルの3分の1を 、取り出し、そして室温で撹拌した。次いで、インキュベーターの温度を、30℃ に調節し、そして残 りのサンプルを、この温度で撹拌した。特定の時間で、200mlのサンプルを取り 出し、pHを調節した。そしてサンプルを上記のように4℃で保存する。最後のア リコートを取り出した後、分析用のサンプル(0.7mL)を、pH3.5の酢酸(1.4mL )と合わせ、そして4℃で45,000rpmにて1時間超遠心分離にかけた。(元の容 量の緩衝液で再懸濁させた後に)上澄み液およびペレットを、ヒドロキシプロリ ン含有量について分析した。上澄み液はまた、表3Aに示すようにサイズ排除HP LCによっても分析した。 このデータは、上澄み液画分中の粘度およびヒドロキシプロリン濃度の増加に より示されるような、反応全体にわたる可溶性コラーゲンの増加を示す。可溶コ ラーゲンの増加は、このコラーゲンを添加した紙の引張強度の増大に関係する。 反応の27時間後まで30℃に保ったサンプルは、高分子量のコラーゲンが分解生成 物に連続的に転換することを示した(HPLCのピーク3の増大)が、この場合にお いては、より低い分子量による、添加した紙の引張強度の同様の減少を生じなか った。後者の効果は、材料のうちのいくらかが分解して比較的低い分子量になっ たときでさえ、コラーゲンが紙に良い影響を与えることを示した。ゲル電気泳動 は、30℃で18.5時間の反応の後でさえ、約200,000ダルトンのコラーゲンおよび 約100,000ダルトンのコラーゲンが顕著な濃度で存在することを示す。従って、 界面活性剤の非存在下では、顕著な量の300,000、またはより高い分子量の物質 が存在し得る。実質的に高分子量のコラーゲンが存在したことは、脚注および により示されるサンプル中で、HPLCピーク1および2が高いピーク面積で存在 することによって証明される。実施例10A 可溶化コラーゲンの2つの調製物を、以下のように組み合わせた。各調製物を 、4℃で20分間10,000rpmにて遠心分離にかけたTeepak石灰処理スプリットから 作成した。上澄み液を除去し、そして遠心分離にかけた石灰処理スプリット(35 g) を、脱イオン水(3500mL)を入れた4リットルのエーレンマイヤーフラスコに添 加した。上澄み液をマグネチックスターラー(2インチの撹拌子)で撹拌し、そ してpHを濃塩酸でpH2.1に調節した。ペプシン(1.75g)をフラスコに添加し、 次いで、19℃に設定したインキュベーター中で撹拌した。一方の調製物を、31.5 時間インキュベートし(20rpmでの最終的な粘度は1160cpsであった)、そして他 方の調製物を、21時間インキュベートした(20rpmでの最終粘度は、1025cpsであ った)。2つの調製物を、pHを調節することなく4℃で6日間保存し、次いで、 各調製物の1.5リットルを、4リットルのフラスコ中で合わせ、撹拌して混合し 、次いで、水浴中で約30℃まで急激に加熱した。次いで、フラスコを、32℃のイ ンキュベーター中で撹拌し、そして、特定の時間で、200mlのサンプルを取り出 し、pHを3.0と3.5との間に調節し、そしてサンプルを4℃で保存した。この反応 の結果およびこれらの材料で製造された紙の引張試験を行った結果を、以下の表 4Aに示す。 このデータは、全てのコラーゲンは最初から可溶性でない(ヒドロキシプロリ ンの測定値は反応全体を通じて増加した)が、例えば、粘度の減少およびHPLCの ピーク3の面積の増加により示されるように30℃の反応の経過にわたってコラー ゲン数平均分子量の急激な減少があったことを示す。この分子量における減少は 、HPLCのピーク1(数平均分子量は300,000ダルトンを超える)の全ておよびHPL Cのピーク2(数平均分子量は〜300,000ダルトン)のほとんど全てが、より小さ いフ ラグメントに転換されるまで、引張強度における増大に影響を及ぼさなかった。 ゲル電気泳動は、32℃での25.5時間後でさえ、少量の〜100,000ダルトンの分子 量が存在することを示す。ほとんどのコラーゲンは、この時間により100,000ダ ルトン未満の数平均分子量を有するフラグメントに転換された。このサンプルの HPLC分析は(界面活性剤の非存在下で行われる)、ピーク1がなく、そして小さ いピーク2を示す。ゲル上で見られる残りの100,000ダルトンの数平均分子量は 、恐らく界面活性剤の非存在下で凝集して、HPLCのピーク2として観察されるよ うな300,000ダルトンの3重らせんを形成する。紙の特性を向上することに寄与 すると思われるのは、この3重らせんのコラーゲンである。 実施例12A 上記の石灰処理スプリットからのコラーゲンと微生物プロテアーゼとの反応は 、表5Aおよび表6Aにまとめたものであった。 微生物プロテアーゼを、17℃で、2つの源から粉砕化石灰処理スプリットと反 応させた。プロテアーゼ濃度およびpHに関する最適の結果のまとめを表5Aに示 す。 全ての微生物プロテアーゼは、顕著な粘性を有するコラーゲン溶液を生成し、粉 砕化石灰処理スプリットからのコラーゲンを可溶化する用途を示す。 上記の実施例によって調製されたコラーゲン溶液は、室温で12時間〜24時間、 明らかに安定であり、そして安定性は溶液のpHを3.0〜3.5に増加させること、お よび/または溶液の温度を5℃〜10℃に減少させることにより向上し得る。 このプロセスは、ウシの生皮のコラーゲン(粉砕化石灰処理スプリット)の実 質的に完全な可溶化による、低コストの可溶コラーゲン生成物の製造の実用性を 示した。このプロセスは、ほぼ周囲の(ambient)条件で行われ得、そして制御 が比較的容易である。比較的高価なタンパク質分解酵素のコストを減少させるこ のリサイクル方法は、特に興味深いものであ る。B.第2の一般的な実施態様 第2の一般的な実施態様は、代表的には、第1の一般的な実施態様において 産生された可溶化コラーゲンを用いるかまたは必要に応じ可溶化コラーゲンは他 の方法により得られ得る。第1の一般的な実施態様の可溶化コラーゲンを用いる 1つの主な利点は、もちろん、そのように生産された材料の低コストである。こ のコスト要因は製紙業界での主な利点である。 本発明は再生紙、従来紙、およびそれらの混合物の強度を改善する。本発明は 、再生紙を産生するのに特に有用である。何故なら、再生セルロースファイバー から作られた再生紙は、バージンセルロースファイバーから作られた紙より一般 的に弱いからである。本明細書で用いられる本発明の供給ストックは、代表的に は:非再生材料から作られた紙パルプであるバージン紙パルプ:製紙プラントで スクラップにされた損紙(broke):再生新聞用紙および同様の紙である回収新 聞用紙:再生古段ボール箱および同様の材料である回収段ボール箱;同様のセル ロースベースの紙;およびそれらの混合物である。 本発明は、セルロースファイバーから作られた紙タイプ産物の強度および他の 特性を改善するための、酵素で可溶化されたコラーゲンの使用を開示する。代表 的には、コラーゲン強化紙を作る方法は、供給ストックを水、または水および苛 性アルカリ(例えばNaOH)と混合する工程、およびパルプスラリーが形成される まで機械的にパルプピングする工程を含む。好ましくは、このパルプスラリーは 、乾燥パルプ固形分を基準として約3wt%から約6wt%のコンシステンシーを有 する。次いでこのパルプスラリーを乾燥パルプ固形分を基準として約1wt%から 約3wt%のコンシステンシーにまで希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調整す る。約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%の間の可溶化コラーゲンを希釈したパルプ スラリーに加え、そして得られたスラリーを、希釈したパルプスラリーの固形分 と可溶化コラーゲンとが相互作用するのに効果的な剪断速度および時間で混合し 、それにより可溶化コラーゲンの実質的部分が、紙パルプに結合してコラーゲン −パルプスラリーを形成する。次いでこのコラーゲン−パルプスラリーを、好ま しくは約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコンシステンシーまで希釈して、そ して最終的にはコラーゲン−パルプスラリーをシートに形成して、乾燥する。実施例1B コーティングとしてのコラーゲン溶液。 古新聞用紙(ONP)または古段ボール箱(OCC)を裁断し、そして1%の水酸化 ナトリウム溶液に一晩浸漬した。裁断した材料をTappi崩壊機(disintegrator) で15分間パルピングした。このパルプを追加の水と混合し、シートをNoble and Woodヘッドボックス中でDuotex 162-DD-226形成布(forming fabric) で形成した。このシートをNoble and Wood上で湿式プレスし、次いでカレンダ処 理して密度を増加させた(吸水紙を両側に用い、そしてカレンダロールのギャッ プを0.76ミルにセットした)。このシートを約100℃の表面温度のホットプレー ト上で、引張りながら1分間乾燥した。Secol(Exton,PA)により供給されるコ ラーゲン加水分解物(分子量2000ダルトン未満)、またはGattefosse’Corp.( Elmsford,NY)により供給される可溶性天然コラーゲン(分子量300,000を超え る)を、10号または20号のいずれかのワイヤーを巻きつけたロッドを用いて再生 紙のシートに付与した。このコートされたシートを、100°Fの強制エアオーブン (forced air oven)中で乾燥するか、または大気中で一晩放置して乾燥した。 このコートされたシートを、表1Bに報告したように、重量、バースト強度、お よび引張り特性に基づいて評価した。この表はまた、用いられたパルプの量およ びコーティング重量を詳述する。 試験した全サンプルで引張り強度の増加分を観察し、それは、コラーゲンなし の適当な対照を超える約125〜300%からの範囲にわたった。対照のONPおよびOCC は標準のクラフト紙のたった約25%の強度であったが、いくつかのコーティング されたサンプルは、標準のクラフト紙と同じくらい強いかまたはより強かった。 実施例2B ヘッドボックス中のパルプに加えた天然型コラーゲン。 ONPまたはOCCを裁断し、そして1%の水酸化ナトリウム溶液中で一晩浸漬した 。この裁断された材料をTappi崩壊機中で15分間パルピングした。このパルプをN obel and Woodのヘッドボックス中に入れ、種々の温度(14〜17℃または36〜38 ℃)の水を加えた。スラリーのpHは7であった。種々の量の天然型コラーゲン溶 液(固形分が0.3%)を加えた。このスラリーを沈降させ、そして4から10分間 静置した。このシートをDuotex 162-DD-226形成布上で形成した。このシートをN oble and Wood上で湿式プレスし、次いでカレンダ処理して密度を増加させた( 吸水紙を各側に用い、そしてカレンダロールのギャップを0.762mmにセットした )。このシートをホットプレート上で1分間乾燥した。形成したシートを、表2 Bに報告したように基礎重量、バースト強度、および引張り特性に基づいて評価 した。この表はまた、用いたパルプおよびコラーゲン添加物の量を詳述する。試 験した全サンプルで引張り強度の増加分を観察し、それは、可溶化コラーゲンを 含まない適当な対照を超える約140〜350%の範囲にわたった。対照のONPおよびO CCは、標準のクラフト紙の約25%の強度であったが、いくつかのサンプルは、標 準のクラフト紙より強かった。添加したコラーゲンの量と引張り強度の改善との 間に相関性は観察されなかった。 実施例3B 下記の実施例は:(1)古段ボール箱(OCC)および古新聞用紙(ONP)から調 製したファイバーストック;(2)紙製シートが形成される前後のいずれかの、 これらのストックへの1%可溶化コラーゲンの添加を例示する。この供給ストッ クは、軽重量(13.6kg/279m2)ベースの重量の紙を調製するのに用いた。いくつ かのストックを、苛性ソーダで室温の水温で処理した。乾燥パルプ固形分の1% の割合で紙製造の前に、可溶化コラーゲンを、ストック箱(stock chest)に加 え、そして39℃未満の温度で少なくとも15分間混合した。紙を以下のように製造 した: A.材料 1.実施例5Aにおけるように調製された可溶化コラーゲン。 2.使用後の古新聞用紙(ONP)。 3.古段ボール箱(OCC)として使われた平板(ロール)は、段ボール媒質 −ストーンコンテナ(corrugated medium-Stone Container)、Savannah,GA− を含まない。しかし、このパルプ化材料は、段ボール材料を使っているかのよう であった。 4.濃塩酸(31%)。 B.設備: 1.B1ack Clawson 2.4m HCVY Hydrapulper 61cm bottom Vokesローターおよびドライブアセンブリ−7570リットル容量。 2.D5B053モーター端部(end)およびD5B054コントロール端部のプレート を装備した、Sprout-Waldron30cmツインフロー(Twin-F1ow)リファイナー(ref iner)−1770rpm。 3.Sandy Hill Corporation製造(1967)の、97cmワイヤー幅を有するFour drinierタイプ製紙機。このテーブルは、44.3メートルの形成長さ(forming len gth)を有する。スライス幅は84cmであり、この機械は縁反りで操作される。機 械のプレス部分は2つのプレスからなり、第一プレス部分は真直に全体に2重の フェルトを張ったプレスであり、第2の部分は底にフェルトを張ったリバースプ レスである。各プレスニップ(press nip)は2.06MPaに制限される。底のプレス ロールはゴム製のベンタニップカバー(rubber venta nip cover)を有する。第 2のプレスの上部ロールは、ストナイトカバー(stonite cover)を有する。こ の機械のドライヤー部分は、2列の直径91cmのドライヤーカン、第1の部分の7 つのカン、および第2の部分の5つのカンからなる。ドライヤー部分の間に、水 平ユニットまたは垂直ユニットとして働き得 るサイズプレス装置がある。適正なロールを装着すると、このユニットはまたブ レーカースタック(breaker stack)として用いられ得る。続く第2のドライヤ ー部分は、8つのロール、7つのニップカレンダスタックである。直径102cmま での巻かれた紙がリール上に巻取られ得る。 C.紙ストック: 100% OCC/530kg(オーブン乾燥) 古段ボール箱をパルピング装置(pulper)No.1を用いて、室温の水中で分散さ せた。この分散化古段ボール箱ストックを、26,500リットルのリファイナー容器 にポンプで送り込み、そして145分間で644 Canadian standard freeness(CSF) から325CSFまでリファインした。 100% ONP/552kg(オーブン乾燥) 古新聞用紙をパルピング装置No.1を用いて、66℃の水中で分散させた。この分 散化古新聞用紙ストックを、26,500リットルのリファイナー容器にポンプで送り 込み、そして30分間で135CSFから107CSFまでリファインした。 100% OCC/854kg(オーブン乾燥) 1.古段ボール箱をパルピング装置No.1を用いて、室温の水中で分散させ た。 2.分散化ストックを、26,500リットルのリファイナー容器にポンプで送り 込んだ。 3.ストックを200分間で638CSFから353CSFまでリファインした。 100% ONP/871kg(オーブン乾燥) 1.ONPをパルピング装置No.1を用いて、66℃の水中で分散させた。 2.分散化ストックを7000ガロンのリファイナー容器に送り込んだ。 3.ストックを42分間で119CSFから99CSFにリファインした。 D.製紙機の操作: 製紙機の容器からのストックを、Fischer-Porterフローコントローラーを介し てファンポンプ(fanpump)の吸引側にポンプで送り込んだ。次いでこの濃厚な ストックを白水で希釈し、ストックフローシステムを操作した。機械での製造速 度は、ファンポンプに流入する濃厚なストックの量によりコントロールされた。 次いでこのストックは、最初のヘッドボックスへ破砕チャンバーマニホールドを 通ってポンプで送り込まれた。このヘッドボックスは上に穴のあいたロールを有 し、真空下で働いた。機械の速度は約175ft/分であり、その結果、約3001bs/時 間の紙の製造量であった。ワイヤーの組み立て 91cmのFourdrinier製紙機上の形成布は、デザイン463 Monof1ex JDL 145×120 メッシュ 2重層であり、形成ボード、3つの直径7.6cmのテーブルロール、各 々4つの箔を有する5つの箔箱、真空の調節が可能な4つの平箱を伴う。 紙の特性(例えば、引張り特性、引裂き強度、バースト強度)の改良が1%の 可溶化コラーゲンの添加から得られた(表4B)。混合ファイバーストックにつ いて、機械方向の引張り強度の改善は25%〜30%の範囲であり、一方100%の古 段ボール箱および古新聞用紙ストックでの改善は15%〜20%の範囲であった。 混合ファイバーへの可溶化コラーゲン添加による生物学的酸素要求量(BOD) の効果が、プレーンなファイバー紙そのものより本質的に改善され、このことは 、可溶化コラーゲンを添加した場合に紙の固形分の保持力が増加したことを示す 。 検討の間に製造された全ての紙の表面pH測定は、1月中、製紙設備での水が平 均でpH7(水の供給では典型的である)である場合でさえ酸性であった。この可 溶化コラーゲン含有紙は他紙よりいくらか低いpH(より酸性)を示した。いくつ かの最終的な適用のために、紙が形成された後に可溶化コラーゲン含有紙のpHを より中性域にするのが最終的には望ましい。 実施例4B.ヘッドボックスに先立つ可溶性コラーゲンおよびパルプファイバー の混合 可溶化コラーゲンサンプルの7つのアリコートを(実施例8Aにおいて記載さ れたように調製し、16または20時間後に集めた)プールし、コラーゲン固形分約 3.5mg/mlで20rpmにおいて1150cpsの粘度を有するコラーゲン溶液を得た。この溶 液のアリコートを蒸留水で8倍、4倍、または2倍のいずれかに希釈したかまた は希釈しないで、約0.44、1.75、および3.5mg/mlコラーゲン固形分の濃度範囲に した。 材料を裁断し、1%NaOH中にそれらを一晩浸漬し、浸漬後の固形物を水道水中 ですすぎ、そしてすすいだ固形物をTappi崩壊機中で15分間パルピングすること により、パルプスラリーをONPおよびOCC紙ストックから3%のコンシステンシー で調製した。 パルプスラリーを、手動でかき混ぜながらホットプレート上で約120〜125°F に熱した。熱したパルプスラリー(183g)のアリコートを希釈したコラーゲン 溶液(63g)の1つのアリコートと合わせて、そして合わせたコラーゲンパルプ スラリーをブレードタイプ(b1ade-type)のミキサーで15分間撹拌した。得られ たスラリー中のパルプコンシステンシーは約2.2%であった。従って、これらの 実験において、このコラーゲン固形分のパルプ固形分に対する割合は、約0.5% 、1%、2%、および4%であった。パルプ−コラーゲンスラリーの最初の温度 は、約106゜F+/-3゜F(41℃+/-2℃)であり、そしてこの温 度は撹拌期間の最後までに約95゜Fに低下した。 撹拌期間の最後に、コラーゲン−パルプスラリーをNoble and Woodハンドシー トシステム(handsheet system)のヘッドボックス中に入れ、そしてDuotex162- DD-226形成布を通して排水することにより集めた。この形成したシートを湿式プ レスし、次いで吸水紙の間でカレンダのギャップを30ミルにセットしてカレンダ 処理した。次いでこのシートを、ホットプレート上で引張り力を加えながら1分 間乾燥した。ハンドシートをコントロールされた環境の室(72゜F/50%RH)で一 晩平衡化し、次いで基礎重量(BW)および引張り強度(TS)を評価した。3つの シートを調製し、各サンプルの状態を試験した。結果を表5Bにまとめる。 この実施例は、所定量の第2のパルプファイバーに加えて溶解コラーゲン濃度 を増加させると、一般的にこの配合から形成されたシートの引張り強度が増加す る。この表4Bのデータにおける唯一の例外は、0.5%コラーゲンを追加したOCC シートについてであり、これは対照のOCC引張り強度(-8.1%)より少し低い修 正平均引張り強度(TS/BW)を生じた。この一見矛盾する値は、コラーゲンを含 む紙は一貫して基礎重量が高い(対照のOCCシートより約15%高い)結果と考え られており、それはこれらのサンプル中のパルプファイン(小さいパルプファイ バー)の保有量が増加した結果と考えられる。ファインがより多いと、一般的に より弱い紙が製造され、引用した0.5%OCCのデータにおけるように、得られた紙 の強度を押さえる 傾向がある。このデータは、紙の形の保持を補助するためのコラーゲン添加物の 一般特性をはっきりと例示している。 *3つのハンドシートの平均 **対照のハンドシート BW=基礎重量、1bs/3000スクエアフィート(sq.ft.)の紙; TS=引張り強度 いずれかのパルプスラリーにさらにコラーゲンを加えるにつれて、得られた紙 の強度は増加するが、強度の増加分は加えたコラーゲンの量に正比例せず;強度 の増加はコラーゲン/パルプ比の増加で減少する傾向にあった。この所見は、可 溶 性コラーゲン分子とパルプファイバーとの相互作用の工程(その結果、吸着した コラーゲン分子がファイバー表面を飽和する)と矛盾しない。この結合工程に見 られる強度の増加は、可溶性コラーゲン分子により形成されたファイバー間架橋 の結果と考えられ;結合コラーゲンでのファイバー表面の飽和は、このようなフ ァイバー間架橋の程度を制限し、従ってこの工程によって加えられた最大の強度 の増加が制限される傾向にある。 ここで述べられている実施例において、観察される見かけの飽和化工程は、可 溶性コラーゲン分子とパルプファイバー表面との間の相互作用が、強度の増加の 有力なメカニズムであることを確認すると解釈され、これらは、同じ割合で混合 した不溶性ファイバーの2群間で相互作用がない場合に予期される直接的に加わ る強度の増加作用と反対である。表5Bにまとめた実施例において、このOCCフ ァイバーは、ONPファイバーより、低いコラーゲン−パルプ固形分比で飽和する ようである。 この実施例はまた、可溶性コラーゲンとパルプファイバーとの間の相互作用に 起因する強度の増加が、40℃を超える温度で起こり得ることを示す。40℃を越え る温度においては、コラーゲン分子が一般的に温度により変性することが予期さ れる。従来の技術においては、紙へのコラーゲンの添加は、この変性温度未満で されなければならないことが示されている(G.Sauretら、Le collagne ans la fabrication du papie r、Revue A.T.P.I.,Vol 33,No.8,1979年10月(Octobre),374-365頁)。予 備的な一連の実験において(本明細書中にデータを含まない)、パルプスラリー およびコラーゲン溶液を約40℃でまたはそれ以上で、低いパルプスラリーコンシ ステンシー(例えば、0.5%パルプ固形分)で混合すると、このコラーゲンはパ ルプファイバーと結合する前に溶液から沈降する傾向にあり、不満足な(斑入り の)紙表面を生じ、そして引張り強度の有意な増強を引き起こさなかった。他方 、このパルプスラリーおよびコラーゲン溶液を高パルプコンシステンシー(例え ば、表5Bでのような2.2%パルプ固形分)で混合した場合に、このコラーゲン は沈澱せずにパルプファイバーにうまく結合した。 コラーゲン調製における30゜を越える温度の効果についての追加の実施例を以 下の実施例で提供する。USDA粉砕石灰処理スプリット(0.06インチの裁断ヘッド )を4℃で20分間10,000×gで遠心分離し、そして上清を取り除いた。この遠心 分離した石灰処理スプリットを7.5gずつを、それぞれ脱イオン水を750mL含んだ 2つの1リットルのエーレンマイヤーフラスコに加えた。この懸濁液をマグネテ ィックスターラー(2インチの撹拌子)で撹拌し、pHを濃塩酸を用いてpH2.1に 調整し、そして0.19gのペプシンを各フラスコに加えた。一方のフラスコを19℃ で撹拌し、そして他方のフラスコを32℃で撹拌した。60時間後、フラスコのpHを 3.5付近に調整し、そして粘度を20rpmで測定した。19℃での反応の粘度は62Ocps であり、そし て32℃での反応の粘度は10cpsであった。 両方のコラーゲン調製物をパルプに加え(コラーゲンがパルプの約1%である )、そしてこれらの調製物が紙の特性を改良する能力を測定した。この19゜で作 られた調製物は引張り強度/基礎重量の増加を提供しなかった。 これは、完全に加水分解した可溶性のコラーゲンは引張り強度の増加に寄与し ないようであることを示す。約20cps未満の粘度の測定は、これらの溶液で作ら れた紙の強度の増加の程度を予測するに十分ではないようである。 上記の種々の実施例は製紙に焦点を当てているが、本発明はまた、セルロース パルプが可溶化コラーゲンにより結合され得る成形体または紙製ボードのような 、種々の生産物の製造に用いられ得る。 種々のタイプの水、例えばColumbus、OH水道水;Savannah、GA水道水、製紙工 程由来の白水;および固形分の含量が減少した白水が用いられた;従って、水の タイプはコラーゲン製造工程または製紙工程のいずれについても本発明で重要で はないようであり、水の供給については広い自由度が可能である。 本明細書に開示された本発明の形態は、現在好ましい実施態様を構成し、多く の他の形態が可能である。本発明の全ての可能な同等の形態または関連態様を言 及することは本明細書中で意図していない。本明細書中で用いられた用語は、限 定するのではなくむしろ単に記載しているだけであり、本発 明の範囲の主旨から離れることなく種々の変更が行われ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KG,KP,K R,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO ,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ, TT,UA,UZ,VN (72)発明者 フィンク,デイビッド ジェイ. アメリカ合衆国 オハイオ 44120,シェ イカー ハイツ,ワーリントン ロード 2891 (72)発明者 ピケット,ゴードン イー. アメリカ合衆国 オハイオ 43068,レイ ノルズバーグ,メダリオン コート 7137 (72)発明者 メッツ,バーバラ エイ. アメリカ合衆国 オハイオ 43105,バル ティモア,ステーメン ロード 5430 (72)発明者 ジェマー,ポール エム. アメリカ合衆国 オハイオ 43214,コロ ンバス,ノース ハイ ストリート 4040 (72)発明者 ブロディ,リチャード エス. アメリカ合衆国 オハイオ 43085,ウォ ーシントン,アロウェイ ストリート 6775

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法であって、以下の工程を 包含する方法: a.セルロースパルプスラリーを提供する工程; b.可溶化コラーゲンを該パルプスラリーに添加し、そして該セルロースパル プスラリーと可溶化コラーゲンとが相互作用するのに効果的な時間、混合する工 程; c.相互作用した該セルロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとをシート に形成する工程;および d.該シートを乾燥する工程。 2.前記シートが紙シートである、請求項1に記載の方法。 3.紙を強化するために、可溶化コラーゲンを使用する方法であって、以下の 工程を包含する方法: 該可溶化コラーゲンをセルロースパルプスラリーと混合する工程; 該混合物を成形し、そして乾燥する工程。 4.乾燥した、可溶化コラーゲンとセルロースパルプとの混合物の反応生成物 を含有する、強化セルロースパルプ組成物。 5.可溶化コラーゲンとセルロースパルプとの混合物から調製される紙を含有 する、強化紙製品。 6.コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法であて、以下の工程を包 含する方法: a.バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれ らの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水と苛性アル カリとを含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt %から約6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機 械的にパルピングする工程; b.該パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt% のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程; c.約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロース材料の乾燥重量を基準にして )の間の可溶コラーゲンを、希釈した該パルプスラリーに添加し、そして希釈し た該パルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作用するのに効果的な剪 断速度および時間で混合する工程(ここで、該可溶コラーゲンの少なくとも実質 的部分が該紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリーを形成する); d.該コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコ ンシステンシーに希釈する工程; e.該コラーゲン−パルプスラリーをシートに形成する工程;および f.該シートを乾燥する工程。 7.工程cにおける前記混合を少なくとも15分間行う、請求項6に記載の方法 。 8.カン水酸、HCl、HNO3、H2SO4、および酢酸からなる群 から選択される酸で、前記pHを調節する、請求項6に記載の方法。 9.工程eのシートを、乾燥の前にサイジング剤でコートする付加的な工程を 包含する、請求項6に記載の方法。 10.前記サイジング剤が、数平均分子量が100,000ダルトン以下のコラーゲ ン加水分解物を、さらに含有する、請求項6に記載の方法。 11.乾燥した前記シートをカレンダ加工する工程を、さらに包含する、請求 項6に記載の方法。 12.工程aにおけるNa0H溶液が、固形分の乾燥重量を基準にして約0.25wt% から約1.00wt%の濃度であり、かつpHが10〜14の範囲である、請求項6に記載 の方法。 13.前記可溶化コラーゲンが、300,000ダルトンを超える数平均分子量を有 する、請求項6に記載の方法。 14.前記可溶化コラーゲンが、1,000,000ダルトンを超える数平均分子量を 有する、請求項6に記載の方法。 15.前記混合工程が、コラーゲンの3重らせん構造を変性することなくコラ ーゲン−パルプ相互作用を促進するのに適した剪断速度で行われる、請求項6に 記載の方法。 16.前記コラーゲン−紙スラリーが約0.5乾燥wt%のコンシステンシーを有す る、請求項6に記載の方法。 17.工程aのパルピングの後、または工程bの希釈の後、みょうばん/ロジ ン添加物が添加される、請求項6に記載の方法。 18.工程eにおけるシートの形成の後、乾燥の前に、形成された該シートを 湿式プレスして所定の厚みとする、請求項6に記載の方法。 19.工程aにおいて水のみを選択した場合において、さらに以下の付加的な 工程を包含する、請求項6に記載の方法: a1.工程aからの前記パルプ/水スラリーをリファインして、前記スラリー 中のセルロース繊維をフィブリル化し、 (工程eにおいてシートを形成する際 に)選択された排水を得るような自由度を得る工程。 20.実質的に回収新聞用紙を選択した場合、前記自由度が約100CSFと約150C SFとの間であり、そして実質的に回収カートン容器が選択された場合、前記自由 度が約300CSFと約400CSFとの間である、請求項19に記載の方法。 21.工程a1のリファインの後にみょうばん/ロジン添加物が添加される、 請求項19に記載の方法。 22.コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法であって、以下の工程 を包含する方法: a.バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれ らの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水とNaOHとを 含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt%から約 6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機械的に パルピングする工程; b.該パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt% のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程; c.工程aのパルピングの後で該パルプスラリーに、または工程bの希釈の後 で希釈された該パルプスラリーに、みょうばん/ロジン添加物を添加する工程; d.みょうばん、ロジンを含有する希釈された該パルプスラリーを、シートに 形成する工程; e.100,000ダルトン以下の数平均分子量を有するコラーゲン加水分解物で、 該シートの片面または両面をコートする工程;および f.該シートを乾燥する工程。 23.コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法であって、以下の工程 を包含する方法: a.バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれ らの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水とNaOHとを 含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt%から約 6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機械的に パルピングする工程; b.該パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt% のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程; c.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供する工程; d.該湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調節する工程(ここで 該不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲンの濃度および分子 量を実質的に最大にすることを促進する濃度である); e.工程fにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程 dからの該スラリーのpHを調節する工程; f.pHを調節した該スラリーに該タンパク質分解酵素を添加し、そして、該 不溶コラーゲン粒子から高分子量の可溶化コラーゲンの溶液を形成するのに効果 的な温度Tおよび時間tで、反応させる工程; g.コラーゲンの高度の可溶化、および該可溶化コラーゲンの分子量(ここで 該コラーゲンはセルロースパルプと結合可能である)を得るために、可溶化コラ ーゲンの濃度および該可溶化コラーゲンの分子量を同時に測定することによって 、該反応を制御する工程(ここで該反応は、該分子量および該濃度が実質的に最 大になったとき完了する); h.不溶コラーゲンを追加の水と共にまたは水なしで、高分子量の可溶化コラ ーゲンを含む工程fの溶液に添加し、そして混合する工程; i.高分子量の可溶化コラーゲンを含む溶液の少なくともいくらかを、不溶コ ラーゲンから分離し、そして該不溶コラーゲンを工程dに戻す工程(ここで、タ ンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイクルされ、そして高分子量の可溶コ ラーゲンを含む分離された溶液は取り除かれる); j.約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロース材料の乾燥重量を基準にして )の間の可溶コラーゲンを含有する、工程iの分離された該溶液を、希釈した該 パルプスラリーに添加し、そして希釈した該パルプスラリーの固形分と可溶コラ ーゲンとが相互作用するのに効果的な剪断速度および時間で混合する工程(ここ で、該可溶コラーゲンの少なくとも実質的部分が該紙パルプに結合し、コラーゲ ン−パルプスラリーを形成する); k.該コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコ ンシステンシーに希釈する工程; l.該コラーゲン−パルプスラリーをシートに形成する工程;および m.該シートを乾燥する工程。 24.コラーゲン強化シートを製造する方法であって、以下の工程を包含する 方法: a.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供し、そして、工程bにおいて添 加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、該スラリーのpHを調節する 工程; b.pHを調節した該スラリーに、該タンパク質分解酵素を添加する工程; c.工程bまたは工程eのスラリーおよび酵素を、高分子量の可溶化コラーゲ ンが増加した溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび時間tで、反応させる工 程; d.不溶コラーゲンを追加の水と共にまたは水なしで、工程cの該溶液に添加 し、そして混合する工程; e.高分子量の可溶化コラーゲンを含む工程dの溶液の少なくともいくらかを 、不溶コラーゲンから分離する工程(ここで、タンパク質分解酵素の少なくとも 一部はリサイクルされて工程cに戻され、そして高分子量の可溶化コラーゲンを 含む分離された溶液は、生成物として取り除かれる); f.バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれ らの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水と苛性アル カリとを含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt %から約6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機 械的にパルピングする工程; g.該パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt% のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程; h.工程eからの可溶コラーゲンを、約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロ ース材料の乾燥重量を基準にして)の間の量で、希釈した該パルプスラリーに添 加し、そして希釈した該パルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作用 するのに効果的な剪断速度および時間で混合する工程(ここで、該可溶コラーゲ ンの少なくとも実質的部分が該紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリー を形成する); i.該コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1 乾燥wt%との間のコンシステンシーに希釈する工程;および j.該コラーゲン−パルプスラリーをシートに形成し、そして乾燥する工程。 25.高分子量の可溶化コラーゲンの水溶液を製造する方法であって、以下の 工程を包含する方法: a.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供する工程; b.該湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調節する工程(ここ で該不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲンの濃度および分 子量を実質的に最大にすることを促進する濃度である); c.工程dにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程 bからの該スラリーのpHを調節する工程; d.pHを調節した該スラリーに、該タンパク質分解酵素を添加し、そして混 合する工程; e.工程dの該スラリーを、該不溶コラーゲン粒子に由来する高分子量の可溶 化コラーゲンを含む溶液を形成するのに効果的な温度Tおよび時間tで、反応さ せる工程; f.追加の水および不溶コラーゲンを、高分子量の可溶化コラーゲンを含む工 程eの該溶液に添加し、そして混合する工程; g.高分子量の可溶化コラーゲンを含む工程fの溶液の少なくともいくらかを 、不溶コラーゲンから分離し、そして該不溶コラーゲンを工程eに戻す工程(こ こで、タンパク質分 解酵素の少なくとも一部はリサイクルされ、そして高分子量の可溶化コラーゲン を含む分離された溶液は、生成物として取り除かれる); h.バージン紙パルプ、損紙、回収新聞用紙、回収カートン容器、またはそれ らの混合物からなる群から選択されるセルロース材料を、水または水とNaOHとを 含有する溶液と混合し、そして、乾燥パルプ固形分を基準にして約3wt%から約 6wt%のコンシステンシーを有するパルプスラリーが形成されるまで、機械的に パルピングする工程; i.該パルプスラリーを、乾燥パルプ固形分を基準にして約1wt%から約3wt% のコンシステンシーに希釈し、そしてpHを約3.5から約7.0に調節する工程; j.工程eからの可溶コラーゲンを、約0.1乾燥wt%から約2乾燥wt%(セルロ ース材料の乾燥重量を基準にして)の間の量で、希釈した該パルプスラリーに添 加し、そして希釈した該パルプスラリーの固形分と可溶コラーゲンとが相互作用 するのに効果的な剪断速度および時間で混合する工程(ここで、該可溶コラーゲ ンの少なくとも実質的部分が該紙パルプに結合し、コラーゲン−パルプスラリー を形成する): k.該コラーゲン−パルプスラリーを、約0.1乾燥wt%と1乾燥wt%との間のコ ンシステンシーに希釈する工程;および l.該コラーゲン−パルプスラリーをシートに形成し、そして乾燥する工程。 26.コラーゲン強化セルロースシートを作成する方法で あって、以下の工程を包含する方法: a.セルロースパルプスラリーを提供する工程; b.可溶化コラーゲンを該パルプスラリーに添加し(ここで該セルロースパル プおよび該可溶化コラーゲンは約2wt%を超えるコンシステンシーを有する)、 そして該セルロースパルプスラリーと可溶化コラーゲンとが相互作用するのに効 果的な時間、混合する工程(ここで該混合は約40℃を超える温度で行われる); c.相互作用した該セルロースパルプスラリーおよび可溶化コラーゲンをシー トに形成する工程;および d.該シートを乾燥する工程。 27.可溶化コラーゲンの水溶液を製造する方法であって、以下の工程を包含 する方法: a.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供し、そして、工程bにおいて添 加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、該スラリーのpHを調節する 工程; b. pHを調節した該スラリーに、該タンパク質分解酵素を添加する工程; c.工程bの該スラリーおよび酵素、および/または工程eのリサイクルされ た不溶コラーゲンおよび酵素を、可溶化コラーゲンが増加した溶液を形成するの に効果的な温度Tおよび時間tで、反応させる工程; d.不溶コラーゲンを追加の水と共にまたは水なしで、工程cの該溶液に添加 し、そして混合する工程; e.可溶化コラーゲンを含む工程dの溶液の少なくともいくらかを、不溶コラ ーゲンから分離する工程(ここで、該不溶コラーゲンおよびタンパク質分解酵素 の少なくとも一部はリサイクルされて工程cに戻され、そして可溶化コラーゲン を含む分離された溶液は、生成物として取り除かれる)。 28.工程c、工程d、および工程eを2回またはそれ以上繰り返すことをさ らに包含する、請求項27に記載の方法。 29.連続プロセスを包含する、請求項27に記載の方法。 30.生成物を取り除くことで除去された酵素に実質的に置き換わる追加の酵 素を、工程eからリサイクルされた不溶コラーゲンに添加する工程をさらに包含 する、請求項27に記載の方法。 31.リサイクルにおける反応速度が、所定のレベルを下回って低下したとき に、工程eからリサイクルされた不溶コラーゲンに追加の酵素を添加する工程を さらに包含する、請求項27に記載の方法。 32.以下の(1)および/または(2)によって、前記反応を停止させる工 程を包含する、請求項27に記載の方法: (1)前記pHを、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性なpHに調節す る;および/または (2)前記温度を、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性な温度まで低下 させる。 33.工程aにおいて、前記湿式粉砕スラリーの液体含有 量または固形分含有量を、該固形分が約0.1wt%から約1.Owt%の濃度に調節される ように、調節する工程をさらに包含する、請求項27に記載の方法。 34.前記温度Tが約5℃から約30℃を含む、請求項27に記載の方法。 35.前記温度Tが約15℃から約28℃を含む、請求項27に記載の方法。 36.前記固形分濃度が約0.3wt%から0.35wt%であり、そして工程cの前記反 応が約10℃から約30℃の温度、および12時間から72時間で行われる、請求項33 に記載の方法。 37.前記温度が15℃と28℃との間である、請求項36に記載の方法。 38.ブタ粘膜ペプシン、ブロメライン、キモパパイン、キモトリプシン、コ ラゲナーゼ、フィシン、パパイン、ペプチダーゼ、プロテイナーゼA、プロテイ ナーゼK、トリプシン、微生物プロテアーゼ類、およびこのような酵素の組み合 わせからなる群から前記タンパク質分解酵素を選択する工程をさらに包含する、 請求項27に記載の方法。 39.前記タンパク質分解酵素が微生物酸プロテアーゼである、請求項27に 記載の方法。 40.ブタ粘膜ペプシンが選択される場合、前記pHを約1.5〜3.0に調節し、 そして前記温度を約18℃から約28℃に調節することをさらに包含する、請求項3 8に記載の方法。 41.前記不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が可溶コラー ゲンに転換され、そして数平均分子量が300,000ダルトンを超える、請求項27 に記載の方法。 42.前記不溶コラーゲンの少なくとも90wt%が可溶コラーゲンに転換される 、請求項27に記載の方法。 43.可溶化コラーゲンの水溶液を製造する方法であって、以下の工程を包含 する方法: a.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供する工程; b.該湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調節する工程(ここ で該不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲンの濃度および分 子量を実質的に最大にすることを促進する濃度てある); c.工程dにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程 bからの該スラリーのpHを調節する工程; d.pHを調節した該スラリーに該タンパク質分解酵素を添加し、そして混合 する工程; e.工程dのスラリー、および/または工程gのリサイクルされた不溶コラー ゲンを、該不溶コラーゲン粒子由来の可溶化コラーゲンを含有する溶液を形成す るのに効果的な温度Tおよび時間tで、反応させる工程; f.不溶コラーゲンを追加の水と共にまたは水なしで、可溶化コラーゲンを含 む工程eの該溶液に添加し、そして混合する工程; g.可溶化コラーゲンを含む工程fの溶液の少なくともい くらかを、不溶コラーゲンから分離し、そして該不溶コラーゲンを工程eに戻す 工程(ここで、該タンパク質分解酵素の少なくとも一部はリサイクルされ、そし て可溶化コラーゲンを含む分離された溶液は、生成物として取り除かれる)。 44.工程eから工程fまでを2回またはそれ以上繰り返すことをさらに包含 する、請求項43に記載の方法。 45.以下の(1)および/または(2)によって、前記反応を停止させる工 程を包含する、請求項43に記載の方法: (1)前記pHを、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性なpHに調節す る;および/または (2)前記温度を、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性な温度まで低下 させる。 46.生成物を取り除くことで除去された酵素に実質的に置き換わる追加の酵 素を、工程eからの前記不溶コラーゲンに添加する工程をさらに包含する、請求 項43に記載の方法。 47.リサイクルにおける反応速度が、所定のレベルを下回って低下したとき に、工程eからの前記不溶コラーゲンに追加の酵素を添加する工程をさらに包含 する、請求項43に記載の方法。 48.工程bにおいて、前記湿式粉砕スラリーの液体含有量または固形分含有 量を、該固形分が約0.1wt%から約1.0wt%の濃度に調節されるように、調節する工 程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。 49.工程eにおいて、前記温度Tが約5℃から約30℃を含む、請求項43に 記載の方法。 50.工程eにおいて、前記温度Tが約15℃から約28℃を含む、請求項43に 記載の方法。 51.工程bにおいて、前記固形分濃度が約0.3wt%から0.35wt%であり、そし て、工程eにおいて、前記反応が約10℃から約30℃の温度、および12時間から72 時間で行われる、請求項43に記載の方法。 52.前記温度が15℃と28℃との間である、請求項51に記載の方法。 53.ブタ粘膜ペプシン、ブロメライン、キモパパイン、キモトリプシン、コ ラゲナーゼ、フィシン、パパイン、ペプチダーゼ、プロテイナーゼA、プロテイ ナーゼK、トリプシン、微生物プロテアーゼ類、およびこのような酵素の組み合 わせからなる群から前記タンパク質分解酵素を選択する工程をさらに包含する、 請求項43に記載の方法。 54.前記タンパク質分解酵素が微生物酸プロテアーゼである、請求項43に 記載の方法。 55.ブタ粘膜ペプシンが選択される場合、工程cにおいて、前記pHを約1. 5〜3.0に調節し、そして、工程eにおいて、前記温度を約18℃から約28℃に調節 することをさらに包含する、請求項43に記載の方法。 56.前記不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が可溶コラーゲンに転換され、 そして数平均分子量が300,000ダルトンを超 える、請求項43に記載の方法。 57.前記不溶コラーゲンの少なくとも90wt%が可溶コラーゲンに転換される 、請求項43に記載の方法。 58.可溶化コラーゲンの水溶液を製造する方法であって、以下の工程を包含 する方法: a.不溶コラーゲンの水性粉砕スラリーを提供する工程; b.該湿式粉砕スラリーの水含有量または固形分含有量を調節する工程(ここ で該不溶コラーゲンの濃度は、最終生成物中の可溶化コラーゲンの濃度を実質的 に最大にすることを促進する濃度であり、これは紙を強化するのに適している) ; c.工程dにおいて添加されるタンパク質分解酵素の活性を得るために、工程 bからの該スラリーのpHを調節する工程; d.pHを調節した該スラリーに該タンパク質分解酵素を添加し、そして、該 不溶コラーゲン粒子由来の可溶化コラーゲンを形成するのに効果的な温度Tおよ び時間tで、反応させる工程; e.高濃度の可溶コラーゲンを得るために、可溶化コラーゲンの濃度および該 可溶化コラーゲンの分子量を測定することによって、該反応の条件を制御する工 程(ここで該反応は、300,000ダルトンを超える数平均分子量画分および該濃度 が実質的に最大になったとき完了する);および f.可溶化コラーゲンの該水溶液を、生成物として取り除 く工程。 59.以下の(1)および/または(2)によって、前記反応を停止させる工 程を包含する、請求項58に記載の方法: (1)前記pHを、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性なpHに調節す る;および/または (2)前記温度を、前記タンパク質分解酵素が実質的に不活性な温度まで低下 させる。 60.前記粘度が、少なくとも最大の75%であることを、さらに包含する、請 求項58に記載の方法。 61.工程bにおいて、前記湿式粉砕スラリーの液体含有量または固形分含有 量を、該固形分が約0.1wt%から約1.0wt%の濃度に調節されるように、調節する工 程をさらに包含する、請求項58に記載の方法。 62.前記温度Tが約5℃から約30℃を含む、請求項58に記載の方法。 63.前記温度Tが約15℃から約30℃を含む、請求項58に記載の方法。 64.工程bにおいて、前記固形分濃度が約0.3wt%から0.35wt%であり、そし て、工程eにおいて、前記反応が約15℃から約30℃の温度、および10時間から48 時間で制御される、請求項58に記載の方法。 65.ブタ粘膜ペプシン、ブロメライン、キモパパイン、キモトリプシン、コ ラゲナーゼ、フィシン、パパイン、ペプ チダーゼ、プロテイナーゼA、プロテイナーゼK、トリプシン、微生物プロテア ーゼ類、およびこのような酵素の組み合わせからなる群から前記タンパク質分解 酵素を選択する工程をさらに包含する、請求項58に記載の方法。 66.ブタ粘膜ペプシンが選択される場合、前記pHを約1.5から約3.0に調節 し、そして前記温度を約15℃から約28℃に調節することをさらに包含する、請求 項58に記載の方法。 67.前記不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が可溶コラーゲンに転換され、 そして数平均分子量が300,000ダルトンを超える、請求項58に記載の方法。 68.前記不溶コラーゲンの少なくとも80wt%が可溶コラーゲンに転換される 、請求項58に記載の方法。 69.前記不溶コラーゲンの少なくとも90wt%が可溶コラーゲンに転換される 、請求項58に記載の方法。
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