JPH08503750A - リグノセルロース含有パルプの脱リグニン化法 - Google Patents

リグノセルロース含有パルプの脱リグニン化法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、リグノセルロース含有パルプを過酸またはその塩で脱リグニン化し、ついでパルプを錯化剤で処理し、さらに無塩素漂白剤で漂白する方法に関する。好ましくは脱リグニン化を強酸化性過酢酸で行ない、過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジチオン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の任意の順序または混合系からなる無塩素漂白剤での漂白後の白色度を著しく増大させ、漂白後のカッパー価を著しく減少させるようにする。この白色度増大効果はきわめて選択的なもので、すなわちパルプの粘度は比較的広い範囲に維持される。脱リグニン化および錯化剤での処理の双方を有利に中性pH付近で行うため、pH調整の必要性が少なくなり、使用済み漂白液を例えばパルプ洗浄のため内部的に使用することが可能になる。オゾンと過酸化水素とにより最終漂白を行なうことにより、本発明の方法で白色度が90%ISO以上の針葉樹材パルプを得ることができ、さらにパルプ強度を十分に保ちつつパルプ中のリグニンを実質的に全て除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 リグノセルロース含有パルプの脱リグニン化法 本発明は、リグノセルロース含有パルプを脱リグニン化および漂白する方法に 係わり、特に過酸またはその塩で脱リグニン化し、錯化剤で処理し、ついで無塩 素漂白剤で漂白する方法に関する。好ましくは、脱リグニン化を強酸化性過酢酸 で行ない、これにより過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジチオン酸ナトリウ ムから選ばれる少なくとも1種の任意の順序または混合系からなる無塩素漂白剤 での漂白後の白色度を著しく増大させ、カッパ価を著しく減少させるようにする 。この白色度増大効果はきわめて選択的なもので、すなわちパルプの粘度は比較 的広い範囲に維持される。発明の背景 無塩素漂白剤は機械パルプを漂白するのに長い間、使用されてきた。しかし、 近年、過酸化物またはオゾンのような無塩素漂白剤で化学パルプをも漂白するこ とがますます一般的になっており、これは最初の工程でさえも行なわれている。 また、パルプの特性の劣化および漂白剤の過剰の消費を回避するために、蒸解お よび所望により行なわれる酸素−脱リグニン化工程の直後に、パルプを予備処理 する必要性も考えられている。このパルプの予備処理は主として酸処理、および 錯化剤またはアルカリ土類金属塩、若しくはその双方の組合せによる処理が関与 する。強酸予備処理は好ましくない金属イオンのみならず好ましい金属イオンを パルプ中の当初の位置から除去することになる。しかし、適当な錯化剤による処 理により主として好ましくない金属イオンを除去し、好ましい金属イオンの多く を除去せずに保持させることができる。アルカリ土類金属塩による処理は好まし い金属イオンを維持させ、あるいは再導入させる。 EP−A−0402335には、化学パルプを、蒸解または酸素脱リグニン化 の直後に、錯化剤で予備処理し、これにより、後のアルカリ性過酸化物による漂 白をより効率的にすることが開示されている。 EP−A−0480469は、リグノセルロース含有パルプを酸素で脱リグ ニン化することに関する。ここでパルプは酸素処理工程の前後において、過酸化 水素または過酢酸のような過酸化物含有化合物、二酸化塩素および/またはオゾ ンで脱リグニン化または漂白される。過酢酸および過酸化水素の双方による処理 工程を採用することによりパルプの粘度がかなり減少する。 ますます厳重になっている環境基準とともに、リクノセルロース含有パルプの 脱リグニン化および漂白に、完全な無塩素方式の必要性が増大している。したが って、適当な工程数、適当な漂白剤の消費のもとで、強度特性を維持しつつ十分 に漂白されたパルプを製造するために、強力で厳密に制御された高脱リグニンお よび/または漂白性能を有する漂白剤の使用を検討することが必要となってきて いる。発明の記述 本発明は請求の範囲に記載した条件下でリグノセルロース含有パルプを脱リグ ニン化し漂白する方法を提供するものであり、これにより無塩素漂白剤で漂白す る前でさえも良好な脱リグニン化および漂白効果が得られる。 すなわち、本発明は、リグノセルロース含有パルプを脱リグニン化、漂白する 方法であって、パルプを過酸またはその塩で脱リグニン化し、ついでパルプを錯 化剤で処理し、後に過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジチオン酸ナトリウム の少なくとも1種の任意の順序または混合系からなる無塩素漂白剤を用い漂白す ることからなる方法である。 本発明の方法によれば無塩素漂白の前にパルプを脱リグニン化することができ 、後の錯化剤による処理を、好ましいおよび好ましくない金属イオンを考慮しつ つ、後の無塩素漂白における条件を最適化するために用いることができる。すな わち、アルカリ土類金属のイオンは、特にパルプ中の当初の位置にあるとき、漂 白における選択性および過酸化物含有化合物およびオゾンのような無塩素漂白剤 の消費に好ましい作用を与えることが知られている。 本発明において、過酸またはその塩としては有機過酸、無機過酸またはその塩 を含む。有機過酸としては脂肪族過酸、芳香族過酸またはそれらの塩を使用する ことができる。好ましくは、過酢酸、過ギ酸を使用することができる。無機過酸 の適当な例としては、ペルオキソ一硫酸(カロ酸)、無機過酸の塩、例えばぺル オキソ炭酸塩、種々の可硼酸塩またはぺルオキソ硫酸塩などがある。ナトリウム は塩におけるカチオンとして好適なものである。なぜならばナトリウム塩は通常 、安価で、ナトリウムはパルプ工場における化学的平衡において自然に発生する ものであるからである。好ましくは、過酢酸、ぺルオキソ一硫酸またはその塩が 使用される。過酢酸は製造、使用上の点から特に好ましい。さらに、過酢酸は腐 食性が小さい。全ての廃水、特に過酢酸の劣化生成物は洗浄または化学的回収シ ステムへの循環のために問題なく使用することができる。 本発明によれば、過酢酸は、酢酸と過酸化水素とを反応させ、平衡過酢酸とし て知られるものを生成させ、これを蒸留して過酸化水素、酢酸および硫酸を除去 することにより、あるいは無水酢酸と過酸化水素とを漂白工程で直接反応させ、 現場過酢酸として知られるものを得ることにより製造することができる。一般的 な平衡酢酸は約42%の過酢酸と約6%の過酸化水素、すなわち過酢酸と過酸化 水素とを重量比で約7:1の割合で含む。この平衡酢酸を本発明の方法で使用す る場合は、過酢酸と過酸化水素との重量比は約10:1ないし約1:60、好ま しくは7:1ないし1:15、より好ましくは2.8:1ないし1:2の範囲の 割合でよい。 過酸またはその塩の添加量は、100%過酸またはその塩として計算して、乾 燥パルプ1トン当たり約1ないし約100kgの範囲とすべきであり、好ましく は乾燥パルプ1トン当たり2ないし45kgの範囲、より好ましくは乾燥パルプ 1トン当たり3ないし25kgの範囲である。 過酸またはその塩による脱リグニン化はpHが約2.5ないし約12の範囲で 行なわれる。好ましい態様として、この脱リグニン化を過酢酸またはぺルオキソ 一硫酸を用いて行なう場合は、pHが3ないし10の範囲、好ましくはpH5な いし7.5の範囲で行なわれる。上述の他の過酸またはその塩で脱リグニン化を 行なう場合、それぞれの漂白剤における周知の通常のpH範囲で行なうことがで きる。 パルプにおいて、マンガンイオンはとりわけアルカリ性過酸化化合物またはオ ゾンなどの無塩素漂白剤での漂白に特に悪影響をもたらす。したがって、種々の マンガンイオンと強力な錯体を形成し得る化合物が主として錯化剤として用いら れる。そのような好ましい錯化剤としては含窒素有機化合物、例えば主に含窒素 ポリカルボン酸、含窒素ホスホン酸、含窒素ポリアルコールなどがある。好まし い含窒素ポリカルボン酸としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA )、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)あるいはニトリロトリ酢酸(NT A)などがあり、その内DTPA、EDTAが特に好ましい。なお、ジエチレン トリアミンペンタホスホン酸は好ましい含窒素ホスホン酸である。さらに他の錯 化剤用化合物として、例えばポリカルボン酸、好ましくはシュウ酸、クエン酸、 酒石酸またはホスホン酸を用いることができる。さらに、パルプ処理、とりわけ 無塩素漂白剤でパルプ処理する間に生成する有機酸も錯化剤として使用できる。 錯化剤で処理するときのpHは、好ましくない微量の金属イオンを除去し、同 時に好ましいアルカリ土類金属イオンを保持させるのに極めて重要である。この 適当なpHは、とりわけ、入ってくるパルプのタイプおよび微量金属イオンの量 により左右される。しかし、この発明の方法において、錯化剤による処理はpH が約2.5ないし約11の範囲、好ましくはpH3.5ないし10の範囲、より 好ましくは4.5ないし9の範囲で行なわれる。 錯化剤で処理するときの温度は好ましくない微量金属イオンを除去する上で非 常に重要である。すなわち、錯化剤で処理する際の温度が増大すればするほどマ ンガンイオンの含有量が減少し、これにより白色度が増大し、かつカッパ価が減 少する。例えば、この温度が20℃から90℃へ上昇すると、意外にも粘度もか なり増大することが見出された。すなわち、錯化剤での処理は温度26℃ないし 約120℃、好ましくは26℃ないし約100℃、より好ましくは40℃ないし 95℃、最も好ましくは55℃ないし90℃で行なわれる。 錯化剤の添加量は入ってくるパルプのタイプおよび微量金属イオンの量により 左右される。さらに、この添加量は錯化剤の種類並びに錯化剤で処理される際の 条件、例えば温度、滞留時間およびpHにより左右される。しかし、錯化剤の添 加量は、100%錯化剤として計算して、乾燥パルプ1トン当たり約0.1kg ないし約10kgとすべきである。好ましくはこの添加量は乾燥パルプ1トン当 たり0.3kgないし5kg、より好ましくはこの添加量は乾燥パルプ1トン当 たり0.5kgないし1.8kg(いずれも、100%錯化剤として計算して) の範囲である。 過酸による脱リグニン化並びに錯化剤による処理が中性pH付近で行なわれる 好ましい態様においては、pH調整の必要性を少なくすることができる。その結 果、漂白および処理工程からの廃液も洗浄のために内部的に使用することができ る。これにより廃水の総量を少なくすることができ、パルプ工場においてより高 度の密閉系を達成することができる。 無塩素漂白剤は過酸化物含有化合物またはオゾンからなり、これらを任意の順 序または混合系として用い得る。亜ジチオン酸ナトリウムも無塩素漂白剤として 用いることができる。過酸化物含有化合物は無機質過酸化化合物、例えば過酸化 水素またはぺルオキソ一硫酸(カロ酸)からなる。好ましい過酸化物含有化合物 は過酸化水素または過酸化水素と酸素との混合物である。 過酸化水素が漂白剤として用いられる場合、パルプはpH約7ないし約13、 好ましくはpH8ないし12、より好ましくはpH9.5ないし11.5で処理 される。上述の他の漂白剤での漂白は、それぞれの漂白剤における周知の通常の pH範囲で行なうことができる。 本発明の方法は錯化剤で処理した後の洗浄工程と共に行なうことができる。こ の洗浄工程により、後の無塩素漂白処理に悪影響を与えるような錯化微量金属イ オン、すなわち主としてマンガンイオン、その他銅および鉄イオンなどのイオン を効率的に除去し得る。後の無塩素漂白に好ましい影響を与えるアルカリ土類金 属イオン、主としてマグネシウムおよびカルシウムイオンをパルプ中に保持させ るため、洗浄はpHが少なくとも約4で行なわれる。洗浄工程での好ましいpH は5ないし約11の範囲、より好ましくは6ないし10の範囲である。 洗浄液は新鮮な水、あるいは所望によりこれにpH調整剤を添加して、若しく は1ないしそれ以上の漂白工程または抽出工程からの廃水を用いることができ、 洗浄工程で適切なpHが得られるようにする。さらに、好ましくない金属イオン 、例えばマンガン、鉄、銅などの含量が低いものであれば、洗浄液は他の任意の 精製廃水からなるものであってもよい。 この錯化剤による処理後の洗浄とは、パルプ懸濁液中の使用済み液を多少なり とも完全に置換し、特にこの懸濁液中の溶解微量金属イオンの含量を減少させる ための方法に関係して述べられている。この洗浄方法は、例えば吸引あるいは押 圧により、パルプ濃度の増大を伴うのみならず、例えば洗浄液による希釈により 、パルプ濃度の減少を伴うことがある。さらに、洗浄はパルプ濃度の増大、減少 が1回またはそれ以上、交互に繰り返される組合せおよびその連続に関係する。 本発明において洗浄方法は、溶解している有機物質を除去するだけでなく、錯化 剤での処理により解放された微量金属イオンを除去することを目的とし、同時に 技術並びに経済の観点を考慮して選択される。 洗浄効率は、置換された液相の量と、洗浄の前のパルプ懸濁液に存在していた 液相の量との比較で与えられる。全洗浄効率は各洗浄工程における効率の合計と して計算される。したがって、ある洗浄工程の後、パルプ懸濁液の脱水によりパ ルプ濃度が例えば10%から25%になったとすると、洗浄効率は66.7%と なる。また、パルプが最初に3%に希釈され、ついで25%に脱水されるその後 の洗浄工程後においては溶解不純物に関しての全洗浄効率は96.9%となる。 本発明において洗浄効率は少なくとも約75%、好ましくは90%ないし10 0%、より好ましくは92%ないし100%とすべきである。また、特に好まし い洗浄効率は96%ないし100%である。 本発明の方法を採用することにより、高い白色度、カッパ価の減少、高い粘度 が無塩素漂白剤の消費を最小にして達成し得る無塩素漂白条件が最適化される。 しかも、これを他の補助薬品、例えば安定化剤、保護剤を無塩素漂白に使用せず に達成することが可能である。その他の漂白用薬剤、例えば過酸化水素およびア ルカリは、漂白工程、過酸処理工程、あるいは他の適当な工程において直接、有 利に使用することができ、これによりプロセス技術と生産経済との最適な組合わ せが得られるようにする。 リグノセルロース含有パルプとは、化学的または機械的処理により分離された 繊維、またはリサイクルされた繊維を含むパルプに関係して述べられている。こ れらの繊維は広葉樹材若しくは針葉樹材であってもよい。化学パルプとは硫酸塩 、亜硫酸塩、ソーダ、有機溶剤プロセスにより蒸解されたパルプに関係して述ベ られている。機械パルプとはディスクリファイナーでチップを精製することによ り(リファイナー機械パルプ)、またはグラインダーにより木材を砕くことによ り(砕木パルプ)製造されるパルプに関係して述べられている。 リグノセルロース含有パルプとはさらに上記方法またはプロセスの改良または 組合わせにより製造されるパルプにも関係して述べられている。このようなパル プとしては、サーモメカニカルパルプ、ケミメカニカルパルプ、ケミ・サーモメ ケニカルパルプが含まれる。好ましいリグノセルロース含有パルプは化学的に蒸 解されたパルプ、特に硫酸塩パルプからなるものである。さらに特に好ましくは 、リグノセルロース含有パルプとして針葉樹材からなるものが用いられる。 本発明の方法は、約90%以下の収率、好ましくは30%ないし80%の収率 、より好ましくは45%ないし65%の収率を以てパルプに適用することができ る。 本発明の方法は一連の漂白工程の任意の段階において、例えばパルプの製造直 後に適用することができる。本発明の方法が化学的蒸解パルプに適用されるとき は、過酸で脱リグニン化する前の酸素処理工程にて脱リグニン化することが好ま しい。 本発明の方法は、初期カッパ価が約2ないし約100、好ましくは5ないし6 0、より好ましくは10ないし40の範囲の化学的蒸解パルプに適用することが できる。このカッパ価はSCAN−C 1:77基準法に従って測定される。 本発明の方法において、過酸での脱リグニン化は、温度10℃ないし約140 ℃、好ましくは約10℃ないし約120℃、より好ましくは約10℃ないし約1 00℃、特に好ましくは30℃ないし90℃で行なわれる。なお、温度50℃な いし80℃の範囲が最も好ましい。この過酸での脱リグニン化処理時間は、約1 分ないし約960分間、好ましくは10分ないし270分間、より好ましくは3 0分ないし150分間である。この脱リグニン化処理におけるパルプ濃度は約1 重量%ないし約70重量%、好ましくは3重量%ないし50重量%、より好まし くは8重量%ないし35重量%、最も好ましくは10重量%ないし30重量%の 範囲とする。 本発明の方法において、錯化剤による処理は約1分ないし約960分間、好ま しくは15分ないし240分間、より好ましくは35分ないし120分間行なわ れる。この錯化剤による処理におけるパルプ濃度は約1重量%ないし約60重量 %、好ましくは2.5重量%ないし40重量%、より好ましくは3.5重量%な いし25重量%、最も好ましくは5.5重量%ないし25重量%の範囲とする。 無塩素漂白剤として過酸化水素が用いられた場合は、パルプは温度、約30℃ ないし約140℃、好ましくは約30℃ないし約120℃、より好ましくは約3 0℃ないし約100℃、特に好ましくは60℃ないし90℃で処理され、その処 理時間は約5分ないし約960分間、好ましくは60分ないし420分間、より 好ましくは190分ないし360分間とする。無塩素漂白剤として過酸化水素が 用いられた場合、パルプ濃度は約1重量%ないし約70重量%、好ましくは3重 量%ないし50重量%、より好ましくは8重量%ないし35重量%、最も好まし くは10重量%ないし30重量%の範囲とする。上述の他の無塩素漂白剤での処 理は、それぞれの漂白剤について、周知の温度、時間、パルプ濃度で行なうこと ができる。 無塩素漂白剤として過酸化水素が用いられる好ましい態様において、漂白工程 で添加される過酸化水素の量は、100%過酸化水素として計算して、乾燥パル プ1トン当たり約1kgないし約60kgの範囲とすべきである。この上限は臨 界的なものでなく、経済的理由により設定されたものである。好ましい過酸化水 素の量は、100%過酸化水素として計算して、乾燥パルプ1トン当たり6kg ないし50kgの範囲、好ましくは乾燥パルプ1トン当たり13kgないし40 kgの範囲である。 オゾンを無塩素漂白剤として使用する好ましい態様において、オゾンの量は乾 燥パルプ1トン当たり約0.5kgないし約30kgの範囲、好ましくは乾燥パ ルプ1トン当たり1kgないし15kgの範囲、より好ましくは乾燥パルプ1ト ン当たり1.5kgないし10kgの範囲、最も好ましくは乾燥パルプ1トン当 たり1.5kgないし5kgの範囲とする。 過酸による脱リグニン化、錯化剤による処理、その後の無塩素漂白の後、パル プを紙製造のために直接、使用することができる。その他、パルプを1またはそ れ以上の工程を経て所望の高い白色度とするため最終的に漂白することができる 。好ましくは、この最終漂白も上述のように無塩素漂白剤により行ない、所望に より中間の抽出工程を過酸化物および/または酸素により強化することができる 。このようにして、AOXの形成、排出を完全に排除する。なお、二酸化塩素の ような塩素含有漂白剤を最終漂白で用い、しかもAOXの形成、排出を極めて少 なくすることもできる。なぜならば、パルプ中のリグニンが本発明の方法により すでに著しく減少しているからである。 以下、本発明およびその利点を実施例により詳述するが、これらは単に説明の ためであり、本発明を限定することを意図していない。なお、実施例を含め明細 書中での部、%は別途、明示しない限り、いずれも重量に基づくものである。さ らに、実施例を含め明細書中でのpHは、特に明示しない限り、各処理の後での pHを示すものである。 以下の実施例での、パルプのカッパ価、粘度および白色度はSCAN基準法、 C1:77R、C15−16:62およびC11−75:Rにより、それぞれ判 定されたものである。過酸化水素および過酢酸の消費はチオ硫酸ナトリウム、さ らに過マンガン酸カリウムおよびチオ硫酸ナトリウムによる滴定によりそれぞれ 測定したものである。 実施例1 カッパ価が12.4、白色度が38.4%ISO、粘度が1100dm3/k gの針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを過酢酸(PAA)で脱リグニ ン化し、EDTAで処理し、過酸化水素で漂白した。これは錯化剤による処理に おけるpHの影響を説明するため行なわれた。 添加した過酢酸の量は、100%過酢酸として計算して、乾燥パルプ1トン当 たり22.4kgであった。過酢酸による脱リグニン化は、pH5〜5.5、温 度70℃、処理時間60分、パルプ濃度10重量%で行なわれた。脱リグニン化 ののち、パルプを乾燥パルプ1トン当たり2kgのEDTAで、温度90℃、滞 留時間60分、パルプ濃度10重量%でpHを変化させて処理した。ついでパル プを、温度90℃、滞留時間240分、パルプ濃度10重量%で、過酸化水素を 用いて漂白した。過酸化水素の添加量は100%過酸化水素として計算して、乾 燥パルプ1トン当たり25kgであり、pHは10.5〜11であった。 各処理工程の後にパルプをpH6.0で脱イオン水で洗浄した。この時、パル プを最初に脱水しパルプ濃度25重量%とし、ついで希釈してパルプ濃度を3重 量%とした。数分後、パルプを脱水しパルプ濃度25重量%とした。その結果、 全洗浄効率は約97%であった。過酸化水素による漂白後の結果を下記表に示す 。 上記表から明らかなように、本発明に従い錯化剤でパルプを処理した結果、白 色度のかなりの増大、カッパ価のかなりの減少が認められた。 実施例2 カッパ価が12.4、白色度が49.8%ISO、粘度が1270dm3/k gの広葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを過酢酸で脱リグニン化し、E DTAで処理し、過酸化水素で漂白した。これは錯化剤の重要性、特に別の工程 としての錯化剤による処理の重要性を説明するため行なわれた。 過酢酸による脱リグニン化条件および過酸化水素による漂白条件は、実施例1 と同様とした。EDTAによる処理条件は、全てpHを5.8とした以外は実施 例1と同様とした。 比較のため、パルプを錯化剤を用いずに、pH6.0、温度90℃、滞留時間 を60分として処理した(テスト2)。さらに比較のため、パルプをEDTAな しで過酢酸によりpH5.1で脱リグニン化し、ついで過酸化水素で漂白した( テスト3)。各工程の後、パルプを実施例1に従って洗浄した。過酸化水素によ る漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、本発明に従い錯化剤でパルプを別の工程で処理し た結果、白色度のかなりの増大、カッパ価のかなりの減少が認められ、同時にパ ルプの最も高い粘度を達成することができる。 実施例3 過酢酸によるパルプの初期脱リグニン化がパルプの特性に与える影響を説明す るため、実施例2で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを本発明 に従って処理した。過酢酸による脱リグニン化条件、EDTAによる処理条件、 過酸化水素による漂白条件は実施例2と同様にした。 比較のため、パルプをEDTAで処理し、ついで過酢酸で前もって脱リグニン 化することなしに過酸化水素で漂白した(テスト2)。各工程の後、パルプを実 施例1に従って洗浄した。過酸化水素による漂白後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、錯化剤で処理する前に過酢酸で脱リグニン化し、 過酸化水素で漂白することにより、白色度がかなり高く、リグニン含量が低いパ ルプを得ることができ、同時に粘度の差が比較的小さいパルプを得ることができ る。 実施例4 実施例1で用いた針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを本発明に従っ て処理し、ついでオゾンおよび過酸化水素で漂白した。ここで用いられた一連の 工程は、過酢酸−錯化剤での処理−過酸化水素−オゾン−過酸化水素の順、すな わち、PAA−Q−P−Z−Pであった。過酢酸による脱リグニン化、EDTA による処理、過酸化水素による漂白のそれぞれの条件は実施例2と同様とした。 比較のため、パルプを過酢酸による脱リグニン化処理なしの処理、すなわち、 Q−P−Z−P(テスト2)の処理を行った。オゾン処理工程において、パルプ を温度25℃、接触時間2分間、パルプ濃度37重量%の条件で漂白した。オゾ ンの消費量は2.6kg/トン(乾燥パルプ)であり、pHは2.1であった。 第2の過酸化水素処理工程においては、パルプを温度70℃、接触時間60分間 、パルプ濃度10重量%の条件で漂白した。過酸化水素の添加量は100%過酸 化水素として計算して、5kg/トン(乾燥パルプ)とし、pHは11.0とし た。各処理工程後、パルプを実施例1と同様にして洗浄した。第2の過酸化水素 による漂白工程後の結果を下記表に示す。 上記表から明らかなように、本発明に従いパルプを処理し、ついでオゾンおよ び過酸化水素で漂白した結果、90%ISO以上の完全な無塩素漂白が可能とな り、同時にパルプ中のリグニンをほぼ全部、除去することができ、さらにパルプ 強度を十分に維持することができる。 実施例5 カッパ価が16、白色度が37.1%ISO、粘度が1010dm3/kgの 針葉樹材の酸素−脱リグニン化硫酸塩パルプを本発明に従い、2種類の平衡過酢 酸および量を変化させた過酢酸(PAA)を用いて処理した。これは過酢酸中の 過酸化水素の影響を説明するため行なわれた。過酢酸による脱リグニン化、ED TAによる処理、過酸化水素による漂白のそれぞれの条件は実施例2と同様とし た。平衡過酢酸(PAA−1)の1つにおいて、過酢酸と過酸化水素との重量比 は2.1:1とした。他の1つの平衡過酢酸(PAA−2)において、過酢酸と 過酸化水素との重量比は9.1:1とした。両方の過酢酸を使用した場合は、過 酸化水素の含量に関係なく、それぞれ等量の過酢酸を添加した。各処理工程後、 パルプを実施例1と同様にして洗浄した。過酢酸による脱リグニン化後の粘度は 全てのテストにおいて990〜1000dm3/kgであった。過酸化水素によ る漂白後の粘度は全てのテストにおいて900〜920dm3/kgであった。 過酢酸による脱リグニン化後および過酸化水素による漂白後の結果を下記表に示 す。 上記表から明らかなように、本発明に従いパルプを、高含量の過酸化水素を伴 った平衡過酢酸(PAA−1)で処理することにより、過酢酸による処理後並び に過酸化水素による漂白後の白色度に対し、より高い効果が見られ、同時にパル プの粘度の差を極めて小さくすることができる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年12月19日 【補正内容】 ニン化することに関する。ここでパルプは酸素処理工程の前後において、過酸化 水素または過酢酸のような過酸化物含有化合物、二酸化塩素および/またはオゾ ンで脱リグニン化または漂白される。過酢酸および過酸化水素の双方による処理 工程を採用することによりパルプの粘度がかなり減少する。 US−A−5091054は、パルプが連続した2工程で処理される方法を開 示している。最初の工程でぺルオキソ一硫酸、すなはちカロ酸(硫黄を含む無機 酸)が加えられる。カロ酸を処理するのに錯化剤を加えてもよい。2番目の工程 で、パルプは過酸化物および/または酸素で漂白される。 ますます厳重になっている環境基準とともに、リクノセルロース含有パルプの 脱リグニン化および漂白に、完全な無塩素方式の必要性が増大している。したが って、適当な工程数、適当な漂白剤の消費のもとで、強度特性を維持しつつ十分 に漂白されたパルプを製造するために、強力で厳密に制御された高脱リグニンお よび/または漂白性能を有する漂白剤の使用を検討することが必要となってきて いる。発明の記述 本発明は請求の範囲に記載した条件下でリグノセルロース含有パルプを脱リグ ニン化し漂白する方法を提供するものであり、これにより無塩素漂白剤で漂白す る前でさえも良好な脱リグニン化および漂白効果が得られる。 すなわち、本発明は、リグノセルロース含有パルプを脱リグニン化、漂白する 方法であって、パルプを過酸またはその塩で脱リグニン化し、ついでパルプを錯 化剤で処理し、後に過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジチオン酸ナトリウム から選ばれる少なくとも1種の任意の順序または混合系からなる無塩素漂白剤を 用い漂白することからなる方法である。 本発明の方法によれば無塩素漂白の前にパルプを脱リグニン化することができ 、後の錯化剤による処理を、好ましいおよび好ましくない金属イオンを考慮しつ つ、後の無塩素漂白における条件を最適化するために用いることができる。すな わち、アルカリ土類金属のイオンは、特にパルプ中の当初の位置にあるとき、漂 白における選択性および過酸化物含有化合物およびオゾンのような無塩素漂白剤 の消費に好ましい作用を与えることが知られている。 本発明において、過酸またはその塩としては有機過酸、過酸またはその塩を含 む。有機過酸としては脂肪族過酸、芳香族過酸またはそれらの塩を使用すること ができる。好ましくは過酢酸あるいは過ギ酸が使用される。ナトリウムは塩にお けるカチオンとして好適なものである。なぜならばナトリウム塩は通常、安価で 、ナトリウムはパルプ工場における化学的平衡において自然に発生するものであ るからである。好ましくは、過酢酸、またはその塩が使用される。過酢酸は製造 、使用上の点から特に好ましい。さらに、過酢酸は腐食性が小さい。全ての廃水 、特に過酢酸の劣化生成物は洗浄または化学的回収システムへの循環のために問 題なく使用することができる。 本発明によれば、過酢酸は、酢酸と過酸化水素とを反応させ、平衡過酢酸とし て知られるものを生成させ、これを蒸留して過酸化水素、酢酸および硫酸を除去 することにより、あるいは無水酢酸と過酸化水素とを漂白工程で直接反応させ、 その場で過酢酸として知られているものを得ることにより製造することができる 。典型的な平衡酢酸は約42%の過酢酸と約6%の過酸化水素、すなわち過酢酸 と過酸化水素とを重量比で約7:1の割合で含む。この平衡酢酸は本発明の方法 で有利に使用される。本発明の方法では過酢酸と過酸化水素との重量比は約10 :1ないし約1:60、好ましくは7:1ないし1:15、より好ましくは2. 8:1ないし1:2の範囲の割合でよい。 過酸またはその塩の添加量は、100%過酸またはその塩として計算して、乾 燥パルプ1トン当たり約1ないし約100kgの範囲とすべきであり、好ましく は乾燥パルプ1トン当たり約2ないし約45kgの範囲、より好ましくは乾燥パ ルプ1トン当たり約3ないし約25kgの範囲である。 過酸またはその塩による脱リグニン化はpHが約2.5ないし12の範囲で行 なわれる。好ましい態様として、この脱リグニン化を過酢酸またはペルオキソ一 硫酸を用いて行なう場合は、pHが3ないし10の範囲、好ましくはpH5ない し7.5の範囲で行なわれる。上述の他の過酸またはその塩で脱リグニン化を行 なう場合、それぞれの漂白剤における周知の通常のpH範囲で行なうことができ る。 請求の範囲 1.リグノセルロース含有パルプを有機過酸またはその塩で脱リグニン化し、 ついでパルプを錯化剤で処理し、さらに過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジ チオン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の任意の順序または混合系から なる無塩素漂白剤で漂白することを特徴とするリグノセルロース含有パルプの脱 リグニン化、漂白方法。 2.前記リグノセルロース含有パルプが化学的に蒸解されたパルプであること を特徴とする請求の範囲第1項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン 化、漂白方法。 3.前記過酸が蒸留された平衡過酢酸であることを特徴とする請求の範囲第1 または2項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 4.前記過酢酸による脱リグニン化をpH3ないし10の範囲で行うことを特 徴とする請求の範囲第3項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、 漂白方法。 5.前記過酢酸による脱リグニン化をpH5ないし7.5の範囲で行うことを 特徴とする請求の範囲第4項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化 、漂白方法。 6.前記過酸化物含有化合物が過酸化水素または過酸化水素と酸素との混合物 であることを特徴とする請求の範囲第1ないし4項のいずれかに記載のリグノセ ルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 7.パルプを前記錯化剤で処理後、pHが少なくとも約4で洗浄することを特 徴とする請求の範囲第1ないし5項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パ ルプの脱リグニン化、漂白方法。 8.前記錯化剤が含窒素有機化合物であることを特徴とする請求の範囲第1な いし6項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白 方法。 9.前記含窒素有機化合物がジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)ま たはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)であることを特徴とする請求の範 囲第7項に記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 10.前記錯化剤での処理をpH約2.5ないし約11の範囲で行なうことを 特徴とする請求の範囲第1ないし8項のいずれかに記載のリグノセルロース含有 パルプの脱リグニン化、漂白方法。 11.前記過酸による脱リグニン化処理の前に、酸素処理工程を経ることを特 徴とする請求の範囲第1ないし9項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パ ルプの脱リグニン化、漂白方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG ,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リグノセルロース含有パルプを過酸またはその塩で脱リグニン化し、つい でパルプを錯化剤で処理し、さらに過酸化物含有化合物、オゾンまたは亜ジチオ ン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種の任意の順序または混合系からなる 無塩素漂白剤で漂白することを特徴とするリグノセルロース含有パルプの脱リグ ニン化、漂白方法。 2.前記リグノセルロース含有パルプが化学的に蒸解されたパルプであること を特徴とする請求の範囲第1項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン 化、漂白方法。 3.前記過酸が過酢酸であることを特徴とする請求の範囲第1または2項記載 のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 4.前記過酢酸による脱リグニン化をpH3ないし10の範囲で行うことを特 徴とする請求の範囲第3項記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、 漂白方法。 5.前記過酸化物含有化合物が過酸化水素または過酸化水素と酸素との混合物 であることを特徴とする請求の範囲第1ないし4項のいずれかに記載のリグノセ ルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 6.パルプを前記錯化剤で処理後、pHが少なくとも約4で洗浄することを特 徴とする請求の範囲第1ないし5項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パ ルプの脱リグニン化、漂白方法。 7.前記錯化剤が含窒素有機化合物であることを特徴とする請求の範囲第1な いし6項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白 方法。 8.前記含窒素有機化合物がジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)ま たはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)であることを特徴とする請求の範 囲第7項に記載のリグノセルロース含有パルプの脱リグニン化、漂白方法。 9.前記錯化剤での処理をpH約2.5ないし約11の範囲で行なうことを特 徴とする請求の範囲第1ないし8項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パ ルプの脱リグニン化、漂白方法。 10.前記過酸による脱リグニン化処理の前に、酸素処理工程を経ることを特 徴とする請求の範囲第1ないし9項のいずれかに記載のリグノセルロース含有パ ルプの脱リグニン化、漂白方法。
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