JPH08502901A - 真核細胞における、治療を目的とした遺伝子の移入と発現のためのレトロウィルスベクター - Google Patents

真核細胞における、治療を目的とした遺伝子の移入と発現のためのレトロウィルスベクター

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JPH08502901A JP7503325A JP50332595A JPH08502901A JP H08502901 A JPH08502901 A JP H08502901A JP 7503325 A JP7503325 A JP 7503325A JP 50332595 A JP50332595 A JP 50332595A JP H08502901 A JPH08502901 A JP H08502901A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、外因性ヌクレオチド配列をクローニングおよび/または発現および/または移入するための組替えレトロウィルスベクターであって、図1に示した配列におけるヌクレオチド番号7702と1527との間に略位置するClaI−PvuIIフラグメント中に含まれる何れかの配列から成り、ヌクレオチド番号7842と144の間に含まれるLTR配列、ヌクレオチド番号145から始まるPBS部位、LTR配列の末端に続く250ヌクレオチドの配列に含まれるパッケージング配列を具備し、前記配列は、その転写方向がウイルスの転写方向に関して何れの転写方向であっても、前記外因性配列のクローニングおよび/または発現および/または移入を制御できることを特徴とする組替えレトロウィルスベクターに関する。また、本発明は特に治療の目的での、遺伝子の導入および/またはクローニングおよび/または発現のための上記ベクターの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 真核細胞における、治療を目的とした 遺伝子の移入と発現のためのレトロウィルスベクター 本発明の目的は、特に真核細胞での治療を目的とした、遺伝子の移入と発現の ための新規なレトロウィルスベクターである。この点で、本発明は、特に医学的 治療、予防、診断のための遺伝子の移入に適したベクターを提案する。 分子遺伝学の急速な進歩は、人の疾病の原因となる多くの分子異常を同定して きた。遺伝子から構成される機能単位の中では、生物学的なシグナルの発現のた めの領域と、その調節のための領域とは隣り合っている。これらの領域はそれぞ れ、合成の質的または量的な異常の原因となっている病理学的変化の場所になり やすい。これら異常の検出は、それらのスクリーニングを可能とするが、おもな 目的はやなり治療である。 治療を目的とした遺伝子の移入または体の“遺伝子治療”は、“治療”遺伝子 を生物の体細胞に挿入して内因性遺伝子の機能不良を補い、或いは更に治療目的 のための新しい機能を付加する。生じた遺伝子的変化は、処理した細胞の娘細胞 に遺伝しそうだが、遺伝されないであろう。従って、損傷されたDNA配列の正 常な対応物は医薬になる。 遺伝子治療の分野は、今日非常に活発に発展しており、臨床的なアッセイ(患 者数は未だ極く僅かである)と、治療的核酸配列のベクター化や遺伝子発現のよ うな事項における非 常に基礎的な研究との結合が行われている。現在使われているベクターは、レト ロウィルス若しくはアデノウイルスのような不活化されたウィルス、または巨大 分子複合体に由来している。レトロウィルスは、生体外で扱うことのできる一群 の幹細胞を含んだ標的組織における使用にはより適している。一方、目標の組織 が最終的に分化した細胞で構成されているか、或いは構造的な束縛が機能的に重 要性である器官(例えば肺)の中に密接に取り込まれているときには、遺伝子の 移入は生体内において、例えばアデノウイルスを使って行なわなけらばなければ ならない。遺伝子治療は、デュシェーヌ筋障害(Duchennne′s myopathy)、リ ソゾーム性疾患,膵臓繊維症(mucovisadosis)のような、一つの遺伝子が変化 による種々の遺伝病、或いはAIDS、癌、血栓塞栓症(thrombo-embolic dise ase)、変性神経病(degenerative neurological disease)、体質的血液疾患( constitutional hematological diseases)のような後天的な病気に適用される 。 しかし、このように遺伝子の移入の潜在的な用途は非常に大きいにもかかわら ず、この方法の治療的な発展と適用は、いまだ技術的な困難に直面している。 この点において、現存のベクターよりも効力のあるレトロウィルスベクターの 開発が主な目的である。実際に、レトロウィルスベクターは、移入の標的細胞が 古典的に有糸分裂の主体であり、理想的には一群の幹細胞を含んでいるシステム において、その効果が立証されている。しかし、主に、使用したウィルスの感染 性が不十分であることと、転写レベルが 低いことに関連した制限がある。この目的のためには、有用なベクターは、特に ベクターの感染力価を考慮して選択することができる。 本発明の目的は、現在のベクターよりも効果的なベクターを提供することにあ る。現在するベクターの殆どは、モロニー・ネズミ白血病ウィルスのバックボー ンに由来する。 本発明は、特にフレンドウイルス(Friend virus)の毒性株から始まった研究 に基づいている。環境栄養性(ecotropic)のフレンド.マウス白血病ウィルス の単離体I−5は、赤血球増加症(polycythemia)(FV−P)を誘起するフレ ンドウィルス複合体を感染させた骨髄の長期培養株から得られた(Mathieu-Mahu l el al.,1982)。この単離I−5から誘導されたF−MuLV(フレンド−マ ウス白血病ウィルス)のFB29株(Sitbon el al.,1986)は、赤血球に対し て細胞破壊や白血病誘発効果を引き起こす原因となり、誕生時に接種した感受性 の強いマウスでは、初期の重篤な溶血性貧血を引き起こし、後期には赤白血病を 引き起こす。赤白血病を引き起こす領域は、ウィルスのLTRのU3領域の中に ある(Sitbon el al.,1986;Sitbon et al.,1991)。溶血性貧血のおもな同定 法は、FB29株に特異的なエンヴェロープ配列に頼っているようだ。その厳密 性は3つの異なる領域、即ち、エンヴェロープの構造セグメント、U3領域にあ る転写エンハンサー配列、およびU5−gag−pol領域の配列によって影響 され得る(Silbon et al.,1990)。 さらに、電子顕微鏡によるウィルス粒子の分析によって、 非常に高いパッケージング容量(1.5〜2 log)が確認された。 発明者は、このFB29株の特異な性質に興味をもち、これをレトロウィルス ベクターを定義するために用いた。 第一の態様によると、本発明の目的は、外因性ヌクレオチド配列をクローニン グおよび/または発現および/または移入するための組替えレトロウィルスベク ターであって、図1に示した配列のヌクレオチド番号7702と1527との間に位置す るClaI−PvuIIフラグメント中に含まれる何れかの配列から成り、ヌクレ オチド番号7842と144の間に含まれているLTR配列、ヌクレオチド番号145から 始まるPBS部位、LTR配列の末端に続く250ヌクレオチドの配列に含まれる パッケージング配列を具備し、前記配列は前記外因性配列のクローニングおよび /または発現および/または移入を制御できることを特徴とする、組替えレトロ ウィルスベクターである。 本発明の他の態様によると、この組み替えベクターの特徴は、図1に示したヌ クレオチド7702〜310を含むClaIBamHIフラグメントに含まれる何れ かの配列からなっており、ヌクレオチド番号7842と310の間にあるLTR配列、 ヌクレオチド番号145から始まるPBS部位、LTR配列の末端に続く250ヌクレ オチドの配列中に含まれるパッケージング配列を具備し、前記配列は、その転写 方向がウィルスの転写方向に関して何れの方向であっても、前記外因性配列のク ローニングおよび/またはは発現および/または移入をコ ントロールすることができる。 従って本発明のこの2番目の態様によれば、該ベクターは、図1に示した配列 のヌクレオチド番号で略7702〜310の間にあるClaIBamHIフラグメン ト中に含まれる何れかの配列からなり、該配列は外因性配列をクローニングおよ び/または発現および/または移入する能力を有する、外因性ヌクレオチド配列 をクローニングおよび/または発現および/または移入するためのレトロウィル スベクターである。 上記のClaI部位およびBamHI部位は、FB29株に起源を有する。 レトロウィルスベクター又はパッケージングラインを生成するべく運命付けら れたベクターを構築する際に、これらの部位は修飾され、特に置換されて、任意 に異なった酵素開裂部位が創製され得る。 従って、ClaIBamHIフラグメントを含むベクターは、同じウィルス 起源の二つのLTR配列、即ち、5´LTRおよび3´LTRを有する。このベ クターは、5´LTRおよび3´LTR配列の上流および/または下流に存在す るウイルスエンヴェロープ配列の一部または全部を削除することによって修飾さ れ得る。このタイプのベクターは、例えば図7に記載したpFOCH29−PL である。 これらのLTR配列類は、ベクター内においては、前述のgag配列の存在に よって、および/または移入、クローニング若しくは発現が望まれる外因性ヌク レオチド配列によって隔てられている。 本発明の魅力的な態様によると、この組み替えベクターは、ClaI−Puv II フラグメントの全部からなり、図1に示した配列のヌクレオチド7702〜1527を 含んでいることを特徴とする。 他の好ましいレトロウイルスベクターは、ClaIBamHIフラグメント (7702〜310)の全てからなる。 本発明のレトロウイルスベクターは、患者に臨床上重要なヌクレオチド配列を 移入して、診断または治療の目的で使用することができる。実際、本発明のベク ターは、この用途に要求される有効性と安全性を示している。 好都合なことに、本発明に従えば、ウィルスの転写方向に関してこの配列の転 写方向が何れであっても、外因性配列のクローニング、発現または移入の制御を 達成することができる。 本発明に従う外因性のヌクレオチド配列は、ベクターを構成する遺伝物質(特 に発現、クローニングまたは移入の制御に必要な配列)には本来含まれていない 。これは、天然もしくは合成の配列、特にハイブリッド配列であり得る。 「外因性ヌクレオチド配列の移入」の表現は、ベクターに担持された配列を、 このベクターによって形質転換した細胞のゲノム或いはそのサテライト中に組み 込むことを意味する。そのような移入は、組み替え(特に相同性組み替え)の結 果であり得る。 従って、本発明のベクターは、標的細胞のゲノム中に融合される性質があるた めに選択された外因性ヌクレオチドの、 標的細胞のゲノム内における恒久的な発現を可能にすることができる。 本発明の魅力的な態様によれば、外因性の配列は、既述のClaIPvuII フラグメント、ClaIBamHIフラグメント又は上記フラグメント類の一 つに含まれる配列と共に、例えばプラスミドPuc19、プラスミドPuc18 または適合する他の何れかのプラスミドに挿入される。 好ましくは、この組み替えベクターは更に、図5に示す配列のヌクレオチド61 9〜2245の間にあるgag配列の一部、特に図1に示す配列のヌクレオチド619〜 1527の間の配列を含んでいる。 gag配列の一部または全部の存在は、得られた該ベクターの安定性に寄与し 得る。 このgag配列は、フレンドウィルスの核蛋白質をコードしており、少なくと も基部におけるパッケージング効果を増大する。 しかしながら、本発明のベクター中に存在するgag配列の一部を制限するこ とは、ベクターに導入される外因性配列のサイズの機能として、より高いウィル ス感染力価を得るために、並びにウィルス蛋白の生産を抑制し且つ複製拮抗ウィ ルス産生の危険性を抑制するために有用であり得る。好ましくは、ベクターに存 在するgag配列部分は、通常のgag配列の約2/3より小さくすべきである 。好都合なことに、保存されたgag配列は、得られたレトロウィルスベクター のパッケージング段階に関係する該配列の一部である。 本発明の有用なベクターは、本質的には、ウィルス配列であるpolおよび/ またはenvを欠失していることである。 一方、図5に示すFB29株のpol配列およびgag配列は、パッケージン グラインの生産のために、LTRの下流に保存され得る(例えば図23を参照の こと)。 pol配列およびgag配列の発現は、ウィルスLTR(その後削除される) とは異なるプロモーターによって調節され得る。 従って本発明の目的は、既述のClaIPvuIIフラグメントに含まれる配 列を含み、更にパッケージングラインを生産するのに十分なgag及びpol配 列またはこれら配列の一部を含んだ、上述の構築体にある。 これらのラインは、本発明のレトロウィルスベクターのパッケージングに使用 され得る。 ClaIPvuIIフラグメント(独特なLTR配列を持つ)と、gag配列 およびpolの配列またはこれら配列の一部の何れをも有するベクターは、とく に生体外または生体内の遺伝子移入のためのパッケージングラインの調製に関連 して使用され得る。なお、前記遺伝子は外因性のヌクレオチド配列で表される。 envウィルス配列の一部がベクター内に存在するときは、複製競合ウィルス を生産し易い組み替えのためには、未だ不十分である。 エンヴェロープの配列を欠く本発明の有用なベクターは、 図1に示した配列のヌクレオチド7806〜1527を含むフラグメントからなる。 本発明はまた、ClaI−PvuIIフラグメント(7702〜1527)に含まれる配 列および/またはこのフラグメントおよび/またはClaI−BamHIフラグ メント(7102〜310)に含まれる配列および/またはこのフラグメントが、高度 に厳格な条件下で上記のフラグメントに相当する配列とハイブリッド形成する配 列で置換され、或いは少なくとも上記のフラグメントと95%のヌクレオチド相 同性を有し、U3配列の場合は少なくとも85%のヌクレオチド相同性を有する 配列で置換された組み替えベクターに関する。 ハイブリッド形成は、実験の部に記述したのと同じハイブリッド形成溶液の中 で行った。但し、1×SSC、0.1SDS溶液中での2回の洗浄(夫々65℃ で10分間)、並びに0.1×SSC、0.1SDS溶液中での2回の洗浄(夫 々65℃で10分間)を加えた。 ヌクレオチドの命名は、図1に示したウィルスの配列のヌクレオチド番号を参 照することによって、上に与えられている。 任意的に、F−MuLVウィルス(フレンドウィルスのFB29株)の配列か ら始まる先に定義した二つのLTR配列の一つは、他のウイルス、例えばモロニ ー・ネズミ白血病ウィルス(Mo−MuLV)由来のLTR配列によって置換さ れ得る。 同様に、本発明の組み替えベクターは、以上に述べた以外 の他のレトロウィルス配列をも含み得る。それらの配列は、図5に示した配列を 有する同じF−MuLVウィルス由来であってもよく、他のウィルス由来であっ てもよい。 本発明の目的はまた、更に、ベクターに含まれる部位に関してユニークな制限 部位を有する少くとも一つのポリリンカーを具備したことを特徴とする組み替え ベクターである。 特にこのようなアダプター、好ましくは多重部位(ポリリンカー)によって、 移入、クローニングまたは発現が望まれる一以上の外因性の配列の挿入が可能に なる。 特に有用なベクターは、E.coli SCS1株のpFOCH29-SCS1という名称で、1993年 6月30日に、No.I-1326の番号でC.N.C.Mに供託されたプラスミドpFO CH29であることを特徴とするベクターである。 E.coli SCS1株はストラタジーン社によって市販されている。 本発明のベクターはまた、例えばネオマイシン抵抗性遺伝子のようなマーカー 遺伝子またはその一部を含んでいる。このマーカー遺伝子の存在によって、特に 組み替え細胞におけるベクターの存在を容易に検出することができる。 本発明の目的はまた、LTRのU3領域が少なくとも一部削除されていて、U 3に含まれる転写配列、とくにプロモーターおよび/またはエンハンサーの少な くとも一部が不活化または修飾されている、先の記述に従う組替えベクターであ る。 この場合、このベクターは自動的に活性化することができ るか、或いはSINベクター(自己不活化ベクター)である。このように構築さ れたSINベクターは、含有している外因性配列の発現を可能にする。これが可 能なのは、その外因性配列が、ウイルス性または非ウイルス性いわゆる“内部プ ロモーター”、任意にはこの配列のプロモーター、或いはEGF(上皮成長因子 )レセプターのプロモータ、またはホスホグリセレートキナーゼの遍在PKGプ ロモーターのようなプロモータの制御下に置かれたときである。 本発明の優位性は、安全性の改善にある(繁殖がなく、隣接配列の活性化の危 険性が減少する)。他の利点は、レトロウイルスに媒介された一体化の利益が得 られるが、内部プロモータによって転写が特定またはターゲットされることであ る。 同様に、U5配列(もし必要なら配列Rも)は、少なくとも一部が削除され得 る。 この削除は、このベクターに存在する独特のLTR配列で行われ得るし、或い はこのベクターの各LTR配列で任意に行われ得る。 しかしながら、これによって頻繁にウィルス粒子の力価が減少し、更に、もし U5が欠損していれば、標的細胞のゲノムに組み込まれなくなる。 本発明のその他の態様によれば、外因性のヌクレオチド配列は、外因性の(ま たは内部の)プロモーターの制御下にある。 “外因性のプロモーター”は、天然にはベクターに存在し ないプロモーターを意味する。このようなプロモーターは、外因性配列の天然の プロモーターであろう。これは、本来的プロモーターまたは誘導プロモーターで あり得る。 前に定義した組み替えベクターは、好ましくは、例えばトランスフェクション やエレクトロポレーションによってパッケージングラインに導入される。このト ランスフェクションは、ベクターに含まれる外因性ヌクレオチド配列のクローニ ング、移入または発現のための標的細胞内において、形質移入による組み替え体 の製造に固有のウィルス粒子構築を可能にする。 従って、とくに有用なベクターはpsi−CRIP系にトランスフェクトされ 得る。 もし、ベクターに含まれるプロウィルスDNAから野生型ウィルス粒子の生産 を生じる組み替えがもたらされないならば、パッケージングラインpsi−CR Eまたは他の系を用いることも可能である。 本発明の他の態様によれば、この組み替えベクターは、リポソームまたは巨大 分子複合体に移入され得る(Monsigny M et al.M/S 1993)。 F−MuMVベクターは、McLachlin JR et al.,1990に説明されている方法 に従って、このようなパッケージングラインを生産するために利用され得る。か かるラインは、gagenvおよびpol遺伝子の配列から構築され得、その パッケージング配列は削除され、またgagpol、またはenv配列の少な くとも一つは、蛋白質の生産に悪影響を与え ないポイントミューテーションを受ける。 本発明のベクターは、一以上の外因性配列を含み得る。これらの配列は、上記 の通りClaIBamHIフラグメントまたはBamHIBamHIフラグ メントの外側に挿入され得るし、或いは、これらのフラグメントの中(特にLT R配列内)に挿入され得る。 これらのベクターはまた、特定の細胞内におけるベクターの組み込みに適応す るための、細胞ターゲッティング要素を含み得る。 好都合なことに、本発明によるレトロウィルスベクター構造は、標的細胞への 感染に際して、ネオマイシン遺伝子をコードする外因性ヌクレオチド配列をこの ベクターの中に挿入して測定すると、ウィルス力価を104pfu/ml以上に まで高める。 このベクターは多種多様な用途を有しており、特にこれらベクターは臨床的に (治療上または診断上)重要なヌクレオチド配列のクローニング、発現および/ または移入に用いることができる。 従って、如何なる病気または疾患に関する治療目的においても、本発明のベク ターは、遺伝子を細胞(例えば体細胞)に移入するために使うことが可能である 。 ここで述べた治療上重要な配列とは、例えば、ある病気におけて機能しなくな っている遺伝子の正常な等価物に対応する配列、ある遺伝子のアンチセンス配列 もしくは負の優性変異種、ある遺伝子の機能阻害物質をコードする配列、並びに マーカー遺伝子の利用をコードしている配列である。 従って、本発明のベクターは、遺伝子修復技術または腫瘍細胞破壊ストラテジ ーの改良を適用した、癌の遺伝子治療において適している。最初の方法に従えば 、癌の遺伝的な素質、ras癌遺伝子とその同族体に媒介される経路のような信 号変換の異常、癌遺伝子のエンハンサー異常、癌抑制遺伝子の阻害異常、遺伝子 の不安定性を促進する異常、DNA修復に影響する異常等における構造的変異を 直すために、本発明のベクターを使うことが可能である。 2番目の方法によれば、このベクターは、ガンシクロビル(Ganciclovir)ま たはアシクロビル(Acyclovir)を細胞毒性のある薬物に変換するヘルペスウィ ルスのチミジンキナーゼ遺伝子、または5−フルオロウラシルの前駆物質を活性 薬物に転換するシトシンデアミナーゼ遺伝子の場合のように、プロドラッグを活 性化するために用いられ得る。或いは、例えばサイトカイン遺伝子を使って癌細 胞を操作したり、抗原提示細胞やその前駆体(造血幹細胞)を操作したり、免疫 エフェクター細胞、T細胞、B細胞、LAK、TILを操作したりすることによ って、免疫系を誘導または刺激するために使用され得る。 遺伝子病および貧血の治療に関しては、本発明は、例えば生まれつきの代謝欠 陥、サラセミア、鎌状赤血球貧血のようなヘモグロビンの病気、止血と凝固の病 気、脱髄もしくは筋障害の遺伝病に対して適用できる。 本発明のベクターは、患者を、病理学的物質にたいして一 時的もしくは永続的に予防接種するためにも適している。 本発明における移入は、細胞、組織、器官または微生物中への形質導入によっ て達成される。 本発明の他の態様によれば、外因性ヌクレオチド配列は抗原または抗原決定基 をコードする。 そのような抗原決定基を有するベクターは、永久的または一時的なワクチンと して使用されるに違いないし、或いは治療プロトコルの中で任意に、例えば免疫 を誘導するために使用されるに違いない。 例えば、HIVレトロウィルス抗原の配列が、本発明のベクターに組み込まれ 得る。 この点に関して、本発明のレトロウィルスベクターは、CD4、Tat、Re v、Gp120の超優性な突然変異体を用いることにより、細胞内免疫のために 使用することができ、TARのような調節たんぱく、ウィルス配列またはアンチ センス遺伝子の特異的リボザイムの過剰な合成を誘導することができる。 これと同じ方法は、他のレトロウィルス感染を治療するためにも利用され得る 。 先に述べた外因性ヌクレオチド配列は、ゲノムDNAの配列、cDNA配列、 或いはRNA配列であり得る。 同様に、この配列は天然のものでもよく、或いは合成のものでもよい。 本発明の目的はまた、本発明の組み替えベクターによって修飾されていること を特徴とする、組み替え真核細胞または 組み替え原核細胞である。好都合なことに、この種の細胞は内因性レトロウィル スを持っていない。 このような細胞は哺乳類細胞、特にヒトの細胞であるのが有利である。 同様に、これは全部分化した細胞または前駆体細胞である。例えば、本発明の ベクターは、特に造血細胞および造血前駆体細胞、またはリンパ骨髄の分化全能 性細胞株の修飾に適合している。 さらに、神経膠(グリア)細胞または神経ニューロン細胞もまた、本発明のベ クターによって修飾され得る。 また、例えばTリンパ球もしくはBリンパ球、あるいは他の細胞性免疫メディ エータ、腫瘍細胞、髄質ストロマ細胞、内皮細胞、または間充織細胞も、本発明 のベクターによって修飾され得る。 本発明による組み替えベクターは、繊維芽細胞、皮膚細胞、肝細胞または筋肉 細胞を修飾するためにも使用され得る。 他の標的細胞も、本発明のベクターによって形質転換され得る。特に言及すべ きは、上皮細胞(例えば、乳上皮または胞状上皮)、腫瘍細胞、稀突起細胞また はシュワン細胞の前駆体のような神経系の付随細胞である。 また、Jurkat Tリンパ球系、YT2C2のようなNK細胞系、単細胞マクロファー ジ系(例えばU937)、または赤芽巨大核細胞系(例えばK562)のような細胞系 も修飾することができる。 本発明の他の特徴と有用性は、以下の実施例および添付の 図面において更に明らかになるであろう。 図1:ベクターFOCH29を構築するために使ったウィルスDNAの配列 図2: A:ベクターFOCH29の制限地図 FB29の参照配列 B:FOCH 29の制限地図。部位は図1に示したFB29配列の番号と、 こうして達成された構造に固有の番号(かっこ内の番号)を使って指示した。 図3:ベクターFOCH29−Neoの制限地図。 neo遺伝子はポリリンカーにクローニングした。ポリリンカー内で使 える酵素は、Xba、Sal、SphIである。 切断:−BglII 2070 5300 −Bam 1392 1500 4456 −Sal/BglII 300 2070 5000 図4:プラスミドpUC19の制限地図 図5:F−MuLVの配列 図6〜24: レトロウィルスベクターFOCH29から作られた構造の制限地図 実施例 A)レトロウィルスベクターの調製 <材料および方法> 1.ウィルスゲノム材料の供給源 プロウィルスのゲノムDNAを、pBR322(Sitbon et al.,1986)中 にクローニングした。ウィルス配列の7702位にあるClaI部位をEcoRI部 位に置換した後、ウィルスの長い末端繰返し配列(LTR)の全てを含む2110塩 基対(bp)を、Puc19のポリリンカーのEcoRIおよびSmaI部位に サブクローニングした。 2.レトロウィルスベクターFOCH29の構築 EcoRIPvuIIフラグメントを含むpUC19のポリリンカーのHi ndIII 部位を、BglIIで置換した。HindIIIで開いた後、E.coliの DNAポリメラーゼ (クレノウフラグメント)の長いフラグメントで埋め、HindIIIを再生しな いBglIIアダプターに連結した。BglII部位は、フレンドウィルスの本来の LTRの2番目のコピーを含む865塩基対のBamHIBamHIフラグメン トを組込むために導入された。このフラグメントは、下流のLTR(または3´ LTR)を構成するように運命付けられている。このBamHIBamHIフ ラグメントは、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントによって末端を埋め た後、EcoRIを再生しないリンカーによって、Puc19のEcoRI部位 を上流のBamHI部位に置換することによって単離された。下流のBamHI 部位は、ウィルス配列に対して内因性である。 このフラグメントは、骨格(Puc19)と連結することによって導入された 。この骨格をBglIIで開くことによって、その付着端をBamHIで生じる末 端と結合すること可能となった。こうして得られたプラスミドをpFOCH29 と称する。 3.マーカー遺伝子の導入 レトロトランスポゾン Tn5(NeoR)由来のネオマイシン抵抗性をもつ 遺伝子のBglIIBamHI cDNAフラグメント(1500塩基対)は、次の 3つのフラグメントを連結した後に、2つのウィルスLTRの間に導入された。 この3つのフラグメントは、Puc19−5´・LTR・BglII、NeoR・ BglII−BamHI、および3´LTR・BamHI−BamHIである。そ の結果できたプラスミ ドは、pFOCH29−Neoと称する。 4.パッケージングラインpsi−CRIPのトランスフェクションと、繊維 芽細胞の感染 Danos et al.,(1988)に記述されているように、プラスミドpFOCH29 −Neoは、両栄養性パッケージング系のpsi−CRIP中に、DNA担体を 使わない標準の方法に従って、燐酸カルシウム沈殿を用いたトランスフェクショ ンにより導入された。10μgのプラスミドを、一日前に5×104の細胞を植 えた直径35mmの培養皿に載置した。 psi−CRIP細胞を、10%の新生仔牛の血清(Hyclone)を加え たダルベッコ修正イーグル培地(DMEM,Gibco−BRL)で培養した。 トランスフェクションの二日後に、細胞をトリプシン処理し、1/20に希釈し 、培地1ミリリットル当たり1ミリグラムの最終濃度のジェネティシン(geneti cin)存在下で選別した。12日後に現れたコロニーを選別し、24ウェルの培 養皿に、一つのウェルに一つのクローンという濃度になるように再接種した。 集密状態になったウェルの細胞培養上清をとり、0.45μmのフィルターを 通して上清中の細胞を除去し、別個に8μg/mlのポリブレン(polybrene)存 在下で24ウェルの培養皿に接種されたマウス繊維芽細胞(NIH3T3)を感 染させるために用いた。 NIH3T3は、10%胎児牛血清(FCS)を加えたDMEMで培養した。 ウィルスの組込みについては、集密状態に達したNIH3T3の細胞溶解物をP CRで分析した 5.ポリメラーゼチェーン反応(PCR) 24ウェル培養皿のウェルで集密状態になったNIH3T3を溶解した上清 を100μl,10μlで回収し、これをPCR反応に用いた。PCRは次の緩 衝液中で行われた。即ち、25mMのMgCl2を含む10×標準PCR緩衝液 (Perkin-Elmer/Roche MS);夫々のプライマー100ng、2μlのdNTP 類10mM(初期濃度10mM、即ち各々2.5mMでのヌクレオチド類の等モ ル混合物);40サイクルためのクローン化Taqポリメラーゼ(Perkin-Elmer /Roche MS)を2単位、1単位で25サイクル;最終量は50μlである。 2対のプライマーを使用した。使用したオリゴヌクレオチドは次の通りである 。 1゜)第一の対: 2゜)第二の対: 増幅したシークエンスのサイズは、第一の対の場合には、end−gag/N eoR遺伝子の基端部2/3:900塩基 対である。第二の対の場合は、NeoR遺伝子先端部の1/3/3´LTRの基端 部半分:610塩基対である。 ジーンアンプ(GeneAmp)PCR・9600を用い、94℃で5分間の変性を 40サイクル行った。1サイクルは、94℃で30秒間の変性を、55℃で15 秒間のアニーリング、72℃で30秒間のエロンゲーション、最後に10分間の 末端エロンゲーションからなる。 サンプル(50μl中、15μl)を、1.2%アガロースゲル(Seakem,FMC )に乗せ、80ボルトで45分間水平電気泳動にかけた。シグナルの検出は、エ チジウムブロマイド(BET)蛍光濃度の分析に基づいて行った。 6.感染力価の測定 NIH3T3に感染する能力について試験された各クローンを増幅し、必要 に応じ、PCRによる感染効果の分析に先立って凍結した。 PCRの後、2つの主なクローンを選択し、NIH3T3を感染するために標 準的な方法を用いて増幅した。 直径35mmの皿の夫々のクローンから、16時間培養した上清を1ml集め て、懸濁液中の産生細胞を除去するために、0.45μmのフィルターで濾過し た。上清は同じ直径(35mm)の培養皿の中に入れ、培地1ミリリットル当た り8μgの濃度のポリブレン存在下において、50%集密状態のNIH3T3細 胞に接触させた。細胞は37℃で約2時間30分培養した。培地は30分ごとに 攪拌した。2時間30分後に新しい培地を3倍量加えた。 ウィルスの感染力価 初めの上清の連続した希釈液を、NIH3T3細胞に感染させるために用い た。上清原液と、希釈倍率1/10、1/1000、1/100000の上清である。感染の2日後 に細胞をトリプシン処理し、直径100mmの3つの培養皿上において約1/2 0で継代培養し、ジェネティシン(1mg/ml)を上清に加えて選択した。 この実験方法は、次の点でより厳密に行われた。一方では、感染後に非常に素 早く薬剤を加えた。また他方では、細胞をトリプシン処理しないで選択するによ って、生産したコロニー数の人工的な増加が阻害され、感染細胞から派生し娘細 胞は集合して、原位置で一つのコロニーのみを形成した。逆に、細胞をトリプシ ン処理したときは、娘細胞は培養皿に拡散して人為的に独立したコロニーを形成 し、これは、もし計数すれば、力価を人工的に増大する。 サザンブロット 希釈しない上清で感染させた2日後、NIH3T3をトリプシン処理し、約 1/20を3つの直径100mmの培養皿で継代培養し、そのうちの一つをジェ ネティシン(geneticin)で選択した。 集密状態において、選別後または選別しないで、2つのクローンの夫々の感染 細胞のゲノムDNAを抽出し、量を測った。 このDNAを、サザンブロットをするためにPstIおよびKpnIの2つの 制限酵素で分解した。分解の質を調節し、 各ウェルに同量のDNAを入れた後、ハイボンドNナイロンN膜(Amersham社) 上で転写した。ハイブリッド形成は、全てのウィルスLTR配列をすべて含み、 その上流に100塩基、下流に100塩基が隣接しているプローブを用いて行わ れた。このプローブは、比活性が5×108cpm/μgのα−32P標識dCT Pを用いたプライマー伸長によってラベルされた(Feinberg and Vogelstein,1 983,1984)。 ハイブリッド形成は、50%の脱イオン化したホルムアミド、5×SSEP、 1×デンハート、5%の硫酸デキストランおよび0.2mg/mlの音波処理したサ ケDNAからなる培地中において、42℃で20時間行われた。あまり厳密でな い溶液中で次のように簡単に洗浄した;2×SSEP/0.1%SDS、室温で5分間 、65℃で10分間。その後、LI+強化スクリーン(Dupont-NEN)で、コダッ ク−XAR−5フィルムに−80℃で3日間露出した。 7.ヘルパーウィルス生産の検索 この検索は、3T3BAG系でのモビライゼーション試験(mobilization t est)により(Danos et al.,1988;Danos,1991)。 最初に、3T3BAG細胞を、感染パッケイジング系の非希釈上清で感染させ た。この試験を増感するために、感染されていない3T3BAGを、先に感染し た3T3BAGの上清を用いて幾つか連続したサイクルで感染させ。 <結果> 1.レトロウィルスベクターFOCH29の構築 フレンド・ネズミ白血病ウィルスのFB29ウィルス株が単離され(Mathie u-Mahul et al.,1982)、組込まれたプロウィルスのゲノムDNAがpBR32 2にクローニングされた(Silbon et al.,1986)。このゲノムDNAは完全に 配列を決定されている(Perryman et al.,1991)。2120塩基対のClaI vuII ゲノムフラグメントが、pBR322にクローニングされた。このフラグ メントは、ウィルスエンヴェロープのp15Eをコードする配列の最後のヌクレ オチド、全ての長い末端繰返し構造(LTR)およびgag配列の3/5を含ん でいる。これはベクターの構造のマトリックスを構成している。 ClaI部位をEcoRI部位に置換した後、このEcoRIPvuIIフラ グメントを、Puc19のポリリンカーのEcoRISmaI中にサブクロー ン化した。一方において、このクローンは上流LTR(または5´LTR)、ウ ィルス転写のイニシエイター結合部位(プライマー結合部位またはPBS)、パ ッケージング配列、gag配列およびEcoRI/SmaI分解を受けたPuc 19のポリリンカー断片を含むベクターの基本的な構造を形成するために、その まま保持された。なお、これには問題の遺伝子が挿入される。 他方、BamHIBamHIフラグメントは、上流のEcoRI部位をBa mHI 部位で置き換えることによって、 またドナー継ぎ目部位の直ぐ下流にあるウィルスの内因性BamHI部位を利用 することによって得られる。このフラグメントは、ポリリンカーのHindIII 部位を予めBglII部位に置換した基本的な枠組みに中に導入された。なお、該BglII 部位は、BamHI酵素によってできた末端と付着する末端を生じる。 ネオマイシン抵抗性(NeoR)を与えるレトロトランスポゾンTn5から得 たマーカー遺伝子を、2つのLTRの間に導入した。存在する配列の可能な再構 成を阻害するために優性な負の組替え酵素表現型の超コンピーテント(supercom petant)なバクテリア株に対して形質転換した後、全構造を調査した伸長した制 限地図に基づいて、期待される構造の形質転換株選別した。その内の一つはpF OCH29と命名され、ウィルス粒子を形成するヘルパー系トランスフェクショ ンに使用すべき材料の入手可能な十分な供給源を得るために、増幅および精製さ れた。 2.不完全ウィルスの産生クローンの単離 psi−CRIPパッケージング系のトランスフェクション:プラスミドp FOCH29−Neoが、担体DNAを用いない標準法に従う燐酸カルシウム沈 殿を使用したトランスフェクションによって、Danos et al.,(1988)に記載さ れた両栄養性パッケージング系のpsi−CRIPに導入された。 ジェネチシンによる選別の後、形成されたコロニーのうちの40個が採取され 、培養上清はマウスの繊維芽細胞(NI H3T3)の感染に用いられた。一連の最も生産性の高い、不完全に包まれたウ ィルス粒子クローンの初めの選別方法は、ポリメラーゼチェーン反応による遺伝 子増幅の方法の使用に基づいていた。ウィルスの組込みを、集密状態に達したN IH3T3の溶解物についてのPCRによって分析した。 2つの異なる対のPCRプライマーが使われた。第一の対は、構造内のgag 配列の末端断片と、ネオマイシン抵抗性遺伝子の略2/3を増幅させる。第二の 対は、ネオマイシン抵抗性遺伝子の末端の1/3と、下流のLTR(3´)の半 分を増幅させる。 4つのクローンが、他の36より強いPCRシグナルに基づいて選ばれた。こ の方法の繰り返しによって、2個のクローンのシグナルが著しく強いという初め のデータが確認された。量的な構築効率を評価するために、これらの2つのクロ ーンを増幅して、産生細胞の培養上清を、NIH3T3の大スケールでの感染に 用いた。 3.産生クローンの評価 定量的PCR NeoR遺伝子の末端1/3から下流のLTR(3´LTR)の中央部分に 相当する領域を増幅させるプライマー対を使って、PCRによる半定量的な分析 を行った。各クローンについて、希釈していない上清で感染させたNIH3T3 細胞から、ネオマイシンによる選別の後または選別をしないで抽出した1μgと 3μgのゲノムDNAを使用した。夫々の分析を2回行った。プラスミドpFO CH29−Neoの 幾つかの希釈液についての試験を、夫々が1μgのゲノムDNAと等価な導入遺 伝子の0.1コピー、0.5コピー及び1コピー;即ち7164塩基対のプラスミドの0.11 5pg,0.575pg,1.15pgに相当するように計算して、並行して行った。 PCRは24サイクル行ったが、これはまだ反応の指数増殖期に相当する。読 取りは、エチジウムブロマイド蛍光のコンピューター化された光学密度計測分析 器(Cybertech社)によって行われ(表参照)。 最初のクローンの場合には、選別された感染細胞と選別されなかった感染細胞 から得たシグナルの強度の間で、はっきりした違いが観察された。1μg(選別 された細胞に関するシグナルの70%)のサンプルでは、検出システムがシグナ ル強度で飽和されてしまう3μgのサンプルに比較して、もっと明快であった。 二番目のクローンの場合には、選別された細胞と選別されなかった細胞とのシ グナルの強さに違いはなく、1μgのサンプルと3μgのサンプルについても相 違はなかった。これは100%に近いNIH3T3細胞が、生産クローンの希釈 しない上清によって感染されたことを示している。培養上清で感染させたNIH 3T3をネオマイシンで選別したとき、細胞の死亡率がないという観察によると 、このクローンの高い感染性は疑わしい。 サザンブロット 感染したNIH3T3細胞のDNAは、KpnIおよび PstIの2つの制限酵素によって加水分解された。ウィルスの組込みの後、予 想されるバンドのサイズは使用したプローブに応じて変化する。LTRの中とP uc19のポリリンカーとの中間を切断するKpnI酵素の場合には、LTRプ ローブは3610塩基の一定サイズのフラグメントと、内因性ゲノムのKpnI 部位と組込み部位との距離によってサイズが変わる二つのフラグメントを示した 。末端1/3のNeoR/基端部LTR断片のプライマーを用いたPCRによって 誘導されたプローブでは、同じ大きさ(3610塩基)のフラグメントと、一方の組 み込みが他方の組み込みとは異なる前記他の二つのフラグメントのうちの片方だ けが示された。 gagの中間を2度、Puc19のポリリンカーを1度切断するPstI酵素 の場合は、組込みの後、先の2つのプローブによって同定されたフラグメントは 様々な大きさでなければならない。PCRによって第二のプライマー対から生成 されたプローブは、790塩基対の一定のフラグメントを同定する。 KpnIおよびPstIで分解されたプラスミドpFOCH29−Neoの幾 つかの希釈液は、サザンブロットによって分析された。これらの希釈液は、10 μgのゲノムDNAについて、夫々0.1、0.5、1.0コピーのプラスミドに相当す る。 更に、ネオマイシンで選別されなかった感染細胞のDNAは、該構築物の感染 性を定量するために、系統的に整列させて載置された。選択を受けた細胞を、1 00%感染のコント ロールとする。 [滴定]:ウィルス希釈液による感染ウィルスの力価 初めの上清液の連続希釈系列を、NIH3T3の感染に用いた。即ち、非希 釈上清と、1/10、1/1000、1/100000に希釈した上清である。直径35mmのウェ ル当たり0.5mlのウイルス上清によって細胞を感染させた。感染の後、細胞を トリプシン処理することなく、選別薬品を正確に20時間、培養皿に直接加えた 。選別された感染力価は、コロニーが現れた最後の希釈で観察されたコロニーの 数に対してこの希釈倍率の逆数をかけたものに相当する。 最初のクローンの場合、初期産生細胞の力価は2×106pfu/mlである。 二番目のクローンの場合、力価は106pfu/mlである。 この二つの生産クローンは、一部は初期の継代(passage)を保存するために 凍結されると共に、残りは連続培養で数ケ月間維持された。連続滴定(ウイルス の上清の希釈液)によって、力価の減少を同定することができた。初めのクロー ンの場合、力価は、2か月の連続培養の間に、2×106以上からたった101に 変化した。この急激な力価の減少には、培養中の細胞の増殖が同心円的になり且 つ容易に分離するという変化が伴われた。二番めのクローンでは、2か月の連続 培養の間に力価は106以上から105に変化し、3.5ケ月後には103から104 に減少した。この緩やかな力価の減少は、培養中の形態または細胞増殖の何れに おいても変化を伴わなかった。 4.3T3.BAGに対するヘルパー活性分析 この研究は、3T3・BAG系(Danos et al.,1988;Danos et al.,1991 )に対するモビライゼーション試験(mobilization test)によって行った。 先ず、3T3・BAG細胞を、感染したパッケイジング系の非希釈上清によっ て感染させた。感染していない3T3・BAGを、予め感染させた3T3・BA Gの上清液を用いた幾つかの連続サイクルで感染させて分析の感度を上げたが、 感染していないことがわかった。更に、感染していないNIH3T3を、ネオマ イシンで選別した感染NIH3T3の上清と接触させた後には、ネオマイシン抵 抗性細胞のコロニーは検出できなかった。 5.組込み部位 感染後のウィルスの組込み部位の数を決定するために、ヒトと非ヒト霊長類 の細胞を利用した。マウス細胞は、レトロウイルス配列またはレトロウイルス様 配列の多重組み込みに関連する重要なバックグラウンドである細胞に存在するの と同様の、非常に温和な質を示した。 この目的のために、サルVERO細胞を、ウイルス上清の幾つかの希釈液で感 染させた。10-2の希釈の場合には、独立したクローンが得られたが、その夫々 は単一のウイルス組み込みプロファイルから出発したものである。一方では、ウ イルスの構築物を切断する制限酵素と、他方では宿主細胞のゲノムDNAの中を 組込み部位から様々な距離で切断する制限酵素によって、組込みがあったのと同 じくらい多くの様々 な大きさの制限フラグメントを得ることができた。この場合、XbaI酵素およ びSalI酵素を使った。 6.ウイルスの力価安定性 (マスターバンクシステム(MASTER BANK SYSTEM)) 生体内で起こりうる病原発生を研究するために、同系統のウイルス産生細胞 が構築され、複製しやすいウィルスをなくすために、次のような方法によって広 範囲にわたって制御された。 3T3・BAG細胞に対するモビリゼーション試験 NIH3T3で増幅 新生マウスの腹膜内接種 この細胞バンク(“Master Cell Bank”;MCB)から出発して、実際に役立 つ細胞バンクが作られた。得られたウイルス力価は数か月安定であり、その次数 は、20×106から3×107cfu/mlである(初期の稀釈は、10-6でのみ 系統的に増殖された)。結果は、10-7の希釈液を含んだアッセイでも得られる 。このレベルの強度において、力価は数か月間著しく安定である。 <考察> 1゜.ウイルスの構築 ウイルスの構築は、PBS、パッケージング配列、供与継ぎ目部位といった 重要な配列の保存の原理に基づいており、また他の著者が示したように、維持す ることによって転写物の安定性に寄与する長いgag断片の保存に基づいている (McLachlin et al.,1989に概説されている)。 同じレトロウイルス骨格から誘導された幾つかの他の構築物が、以前に作成さ れている。その初期のものは、3´LTRの上流および下流に長いレトロウイル ス配列が隣接しており、Puc19およびPuc18の2つのポリリンカーが存 在している。この構築物は非常に不安定で、感染性も控え目であった。 FOCH29に類似した変形が組み立てられた。これは、フレンドウィルス“ クローン57”株の受容体スプライシング部位を含む大きな配列の挿入を除けば 、全ての点において類似していた(Sitbon et al.)。その結果得られたプラス ミドは、pFOCH29SA−Neoと命名された。この構築物の感染性は、p FOCH29−Neoよりも顕著ではないことが分かった。しかし、この相違は PCRによる初期のスクリーニングのデータで認められているだけである。 2゜.生産クローンの選択 結果の章でのべた方法による生産クローンの一次選別では、ポリメラーゼチ ェーン反応が用いられる。使った条件によって、この方法の分析能力は、最小の レトロウイルス力価が略104pfu/mlに相当する閾値に制限される。この方 法の潜在的な欠点は、特に40サイクル増幅するとき、PCRが厳密に定量的特 徴をもっていないことと結び付いている。結局、高生産クローンを失う可能性は 僅かではない。この不利益を一部補うために、PCRのための独立した二つのプ ライマー対に基づく一次選別法が採用された。 3゜.感染効率とウイルスの安定性 PCRについて、で、夫々が予想される寸法の増幅物を生じる二つのプライ マー対を使うことによって、分析した断片の中への組込みの後に、ウイルスゲノ ムの全体の転位(再構成)がなかったことを確かめることが可能となる。 この要素は、サザンブロット法によって最良に検査できる。この方法において は、数および大きさの両方において不適当なバンドのない場合に、大きな転位が なかったことが確認され、並びにヘルパーウィルスの存在を示唆する同じクロー ンから得た細胞内で種々の組込みが行われなかったことが確認される。 最後に、構築に悪影響を及ぼし易い大きな転位がないことは、機能的なアッセ イによって最も良く評価できる。このアッセイでは、マーカー遺伝子を染色体に 組込んだ後に、ネオマイシン抵抗性の表現型を獲得したことが立証される。 感染の効力は、ここでは3つの重要なパラメーターで評価された。即ち、1) 力価が106pfu/ml以上であることを証明できる従来のウイルス滴定;2) 導入遺伝子の生産物が抵抗性を与える薬物で選別され、または選別されない感染 細胞から得たゲノムDNAの10μgの加水分解物とハイブリダイズさせた後に 、得られたシグナルの強度を比較するサザンブロット。もし理論的に計算された 量のプラスミド希釈物を加えたならば、ここで述べたよりも不十分な標準値が得 られていたであろう。事実、プラスミドの希釈物は、扱うときのわずかな不正確 さによって、まったく異なる誤った結果 をもたらす。 半定量的なPCRの実験(3゜)に加味されたこれらの要素はすべて、二番目 のクローンの非希釈上清が、マウスの繊維芽細胞に対して100%に近い効力で 感染することを示している。 しかし、最初のクローンの場合には、力価が急激に低下し、最良のものでも徐 々に減少した。この現象は、連続的な継代と共に初期のパッケージング能力を喪 失すると思われる産生細胞を扱うときに、よく見られる観察結果である。この欠 点は、初めに細胞を大量に生産すること、並びに注意深く凍結することによって 補うことが可能である。それでも、力価は系統的に、繰り返して検査しなければ ならない。 更に、両栄養性の生産系が選択された。しかし、環境栄養性生産細胞の初めの トランスフェクションは、多分「ピンポン機構」(McLLachlin JR)(2つのタ イプの細胞が混ざることを防ぐために濾過した上清によって)によって、互いに 何度も繰り返して、両栄養性細胞系の感染を可能にしたであろう。後者は、産生 細胞感染力の増加だけでなく、レトロウィルス力価の安定にも寄与しただろう。 しかし、ヘルパーウィルスが系統的に生産されていることが観察されており、こ の方法は動物や診療には使えない。 この構築物の全く特別な効力は、特に次の理由から、強調に値するものである 。即ち、これはフレンドウィルスのFB29株の骨格は、パッケージング系を確 立するのに使われた骨格と異なっているからである。複製能力のあるウィルスを 生産するような潜在的組み替えの危険性はかなり低減されているので、取扱いの 安全性は更に一層改善されている。 マーカー遺伝子、センス若しくはアンチセンスのcDNA配列、または標的細 胞内でイントロンを除去されてcDNAを派生するような7kb以下の小さく且 つ複雑でない(イントロンの数が少ない)ゲノムDNAフラグメントの導入は、 前述の方法から出発することによって達成され得る。 安定な転写物の生産のためにイントロン配列の保存が重要である場合には、7 kb以下の前記小さいゲノムフラグメントは、ウィルスの転写に関して逆の転写 方向で導入することが必要であろう。一番良いのは、3´LTRをU3から削除 し、ゲノムフラグメントを転写プロモーターおよび/またはエンハンサーと同じ 方向に置いた構造を用いて、ウイルスのLTRに依存したセンス転写と、追加し たプロモーターに依存するアンチセンス転写とを拮抗させないようにすることで ある。 3´LTRのU3領域のプロモーターまたはエンハンサー配列の全てか一部を 削除することは、レトロウィルスの組込みの後の顕著な安全性を保証する。この 場合、導入された遺伝子の発現は、構築物内における外因性のプロモーターおよ び/またはエンハンサーの制御下に置かれる必要がある。 4゜.組込み部位 霊長類細胞に感染した後のウィルスの組込み部位の数の研究によって、高い 感染力価をもった不完全なウィルスの生理学や、これらのウィルスをヒトの治療 に適用する安全性と に非常に関連した情報が提供された。 B)追加のレトロウィルス構築物 B1)一般的な概念と多方面にわたる利用 1.自己不活化レトロウィルス構造(SIN) 命名:図6に示したFOCH29−de1U3。 レトロウィルスのゲノム遺伝物質の複製生理学の観点から、転写のエンハンサ ーウィルス配列を削除するような修飾を、3´LTRに導入した。ウイルス複製 は、感染の標的細胞のレベルにおいて、その二つのLTRが初期3´LTRの配 列から発生する組み込まれたプロウイルスを導く。 従って、この欠損は、3´LTR配列を含むBamHIBamHIフラグメ ントを有するプラスミドに作られた。こうして得られた339塩基対を短縮され たBamHIBamHIフラグメントが切除され、基本のベクターと同じ方法 に従って、5´LTRとその隣接配列を有するプラスミドに連結された。実際に は、ウィルス転写が起こって“読み通し”転写が行われるように、5´LTRの エンハンサー配列はそのまま残された。こうして、感染ウィルス粒子はパッケー ジング系のレベルで形成された。 選ばれた構造設計において、TATAボックスは粒子中に残したが、CAAT ボックス(Yu et al.,1986)については、CAATボックスを取り除くBss HII酵素(生来のウィルス配列の8203における独特の部位)を用いて取り除い た。BssHII酵素によって生成した突出した5´付着端は、 デオキシヌクレオチドの存在下において、DNAポリメラーゼIのクレノウフラ グメントによって埋められ、“鈍端”にされた。 上流に使われた制限酵素は次の通りである。 ・7864位のEspI(=iso−CelII)は。これは、逆方向反復塩基配列 (IR)の開始点のすぐ後に位置している。EspI酵素によって生成した突出 した5´付着端は、デオキシヌクレオチドの存在下においてDNAポリメラーゼ Iのクレノウフラグメントによって埋められ、“鈍端”にされた。 ・7984位のEcoRVoこれは、切断が中断される直接反復塩基配列の中間に 位置している。EcoRIV酵素によって生成した末端は鈍端である。 上流と下流の末端は両方とも鈍端であるので、この構築物は直接連結して閉鎖 することが可能であり、その後はU3領域に大きな欠損を有することになる。 第一バージョンのdelU3(5´でEspI欠落/3´でIso・CelII 欠落)を機能について研究した:即ち、ウィルスの感染および組み込みと、残余 発現(residual expression)である。生じた欠損によって、事実上、ウィルス のU3配列の全部が除去された。これはレトロウィルス構築物の安全性の点にお いて理想的である。 我々は、核の位置シグナルをもったβ−ガラクトシダーゼマーカー遺伝子をこ の構造に導入することは、パッケージング系でのウィルスの転写に悪影響を及さ ないことを示すこと ができた。事実、この生産細胞は、トランスフェクションの後に、レトロウィル ス構造の遺伝子の存在だけでなく、その転移遺伝子の発現をも確認する青色を呈 する。 遺伝子の組込みは、分子的方法、特に次のプライマーを用いたPCRで研究さ れた。 下記配列をもったβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の中に存在するオリゴ・センス : 5´−CGA CTC CTG GAG CCC GTC AGT ATC−3´ ウィルスのLTRの中に存在し、RとU5の開始点(LTR−508)の間と 重なるオリゴ・アンチセンス:EspI/BssHIIの削除によって調製され た領域にある 5´−CAG CGA GAC CAC GAG TCG GAT GC−3´ 例えば、EcoRVによる欠損の場合のように、ウィルスのエンハンサーを不 活化し、むしろ短い欠損を作る代わりの構造は、感染の標的細胞内でウィルスが バックグラウンド転写活性の保持を導く。一方、1U3の第一バージョンと称す る変形における配列に対して、更にTATAボックスを取り除く欠損を加えるこ とは、安全装置を追加することを意味する。しかし、このような構築物が形成さ れれば、かなりの力価の減少が起こるかもしれない(Yee et al.,1987)。 内部プロモータを有するSIN構築物 これらの構造を作るのに使われる内部のプロモーターは、例えば、プラスミ ドpERCAT2DE(c)(Maekawa et al.,1989)から得たEGF(上皮成長因子)レセプターのプロモーターである 。上流のヌクレオチド-2200及び-15の間に位置するプロモーター配列(2.2kbの EcoRI−SstIフラグメント)だけが選択された。プラスミドpERCA T2DE(c)に含まれる、下流エンハンサー配列は含めてられていない。他の プロモーターは、遍在するPGKプロモーター(ホスホグリセレートキナーゼ) である。 2.現存する構築物の定義 2゜−1: 特に、3´LTRから上流にあるLTRを更にもっと小さくして構造を作り 、FOCH29−PLと命名し(FOCH29 ure・TRsについて) 、これを図7に示した。 この構築物により、ウィルスLTRの上流にあるエンベロープ末端の104を含 む140塩基を切除することの、遺伝子的安定性に関する有用性を評価すること が可能になった。 この構築物は、B1−1で述べたEcoRI−PvuIIフラグメントを含むプ ラスミドPuc19から作成された。制限酵素EspI(またはIsoCelII )によって、7864(即ち、ウィルスLTRの+23)の位置を酵素的に切断した 。5´末端において、EcoRI切断によって生成した塩基は、LTRの23塩 基に相補的な標準的の合成二本鎖オリゴヌクレオチド(140塩基で、その103塩基 はエンヴェロープの塩基)に人工的に加えられた。3´末端において、このオリ ゴヌクレオチドはSpeIの付着端に相補的である。こ のオリゴヌクレオチド配列は次の通りである。 オリゴ・センス: 5´−AAT TCA ATG AAA GAC CCC AAA TTG C−3´ オリゴ・アンチセンス: 5´−TAA CCA ATT CGG TGG GGT CTT TCA TTG−3´ 2°−2. パッケージング配列は無傷で保存しながら、GAGを短縮した。これをFOC H29−SG(FOCH29 hort AG)と命名し、図8に示した。 基本的な構造FOCH29は、GAG配列の半分を残している。MAp15お よびpp12の転写と、多分その翻訳は保持されている。 GAGの重要な部分を保持することは、レトロウィルス構造の安定性に有益で あるといわれている。しかし、一方では、外因性配列のベクター化に利用し得る 余地の点において不利かも知れない。他方では、構築物の安全性の関しても、複 製能力のあるウィルス粒子を生成するレトロウィルス配列との組替えを促進する 可能性が非常に増大する点でも不利であろう。 FOCH29は、FB29株のGAG配列の半分よりも多くない配列を有して おり、非常に顕著な効能の点で有利である。 FOCH29の産生クローンの培養は、18か月維持した ときに、複製能力のあるウィルス粒子を形成し、従って使用の安全性にとって有 害なレトロウィルス配列との組替えをもたらさなかった。 ウィルスの安全性を改善する観点から、FB29のGAGを、1031位にある独 特のAhaIII(またはisoDral)部位で切断して、代わりの構造を作成 した。この場合、GAG配列の1/4のみが保存された。AhaIIIで生成した 断片は、FOCH29のクローニングで使われたPvuIIと同じように鈍端を有 しており、その構造は正確に重ねられる。上流のクローニング部位は修飾されて おらず、Puc19のポリリンカーの下流の鈍端SmaI部位が使われた。 2゜−3. ポリシストロニック・メッセンジャーRNAに導くIRE S(Intra Ribosome Entry SiteまたはRibosome Landin g Pads)を含む構造 IRESを含むレトロウィルスの構造は、原理的には、問題の幾つかの遺伝 子の導入のために設計されており、ここでは転写が一つのプロモーターから始ま るので、転写レベルが均衡することが望ましい(Morgan et al.,1992)。最適 な例証となる実例は、ヘテロ二量体または三量体における機能的分子の異なる鎖 をコードしている配列の導入である。 ポリシストロニック(polycistronic)ベクターは、インターロイキン12ま たはIL12の二つの鎖(一方はp35で他方はp40)を導入するために作ら れた。 導入されたp35フラグメントは、次のようなフラグメントであった。5´: イン・フェーズ(in phase)の2つのATG(メチオニン)コドン配列(100-10 2、202-204)の+187位にあるPstI(使われたのは202-204である)。3´:+ 1065位置にあるEcoRI(ストップコドンTGAは904-906)。 導入されたp40フラグメントは、隣接する5´配列または3´配列を欠いて いる。配列の+1位置(ATGは+9)にあるXbaI部位;そして、3´:+100 7(ストップコドンTAGは993-995)のEcoRI。p40に対する相補的なD NAは、最適化されたAUGコドン(配列Kozak CCATGG;NcoI制限部 位に相当する)を有する。 次の2つのタイプのIRESが使われた(Borman et al.,1992;1993)。 ・ポリオウィルスから誘導された正確な位置を必要とするIRES。リボゾ ーム結合部位は560で、AUGは743に結合する。 これは、p35(FOCH29−NIRIL12)の上流、またはネオマイシ ン抵抗性遺伝子(FOCH29−IL12−30IR4ON)上流の何れかに使 用された、フラグメントKpnI(+70位置)/BalI(+630)である。 ・EMCV(脳炎心筋ウィルス)から誘導されたIRES。ここでは、EM CV由来のIRES配列は、発現する遺伝子のイン・フェーズでの非常に正確な 位置決め要求する(EMCV由来のIRES配列は、キャップ非依存性翻訳エ ンハンサーのためのpCITE(Novogen,USA)の名称で市販されており、ここ で使われているのとよく似ている)。p40のAUGの最適化された性質の観点 からは、どのような構造であろうとIRES−EMCVと結合するのはこの鎖で ある。使用したEMCVフラグメントは、上流にEcoRI部位(+280の位置) を含み、下流のAUGの直後にNcoI部位を含んでいる(4番目のコドンの2 つ目の塩基に相当するC残基を残している)。 下記の3つの構築物が作成された。 図9 1)FOCH−IL12:p35/ポリオウィルスのIRES/p4 0:LTRプロモータ 図10 2)FOCH29−NIRIL12:ネオマイシン抵抗性遺伝子/ポ リオウィルスのIRES/p35/EMCVのIRES/p40 図11 3)FOCH29−30IR40N:p30/E MCVのIRES/p40ポリオウィルスの IRES/ネオマイシン抵抗性遺伝子 これらの構造はすべて、Puc18の中間構造を利用している。ここで、 1゜)NotI部位はポリリンカーの夫々の末端、即ち、上流のHindII Iと下流のEcoRIに導入された。 2゜)SalI部位は、ポリリンカーの下流のEcoRI部位とNotI部 位の間に導入された。 3゜)塩基モチーフ(Puc18−base)はクローニングされ、p35 /ポリオウィルスのIRES/p40を 含んでいる。この塩基モチーフから始めると、FOCH−IL12の構造は、N otIによる分解による切除によって得られる。得られたフラグメントと、No tIで開かれたベクターFOCH29とが結合し、リンカーはXbaI部位に導 入された。 FOCH29−NIRIL12およびFOCH29−IL12−30IR40 Nの構築物は、夫々“Puc18−塩基”の上流にあるSphI部位にネオマイ シン抵抗性遺伝子/ポリオウィルスのIRESの断片を加えた後に、およびPu c18−塩基”の下流にあるSalI部位にポリオウィルスのIRES/ネオマ イシン抵抗性遺伝子の断片を付加した後に得られた。 2゜−4. GAG−POL構造の新規なパッケージングラインの開発への寄与 ヌクレオキャプシッド蛋白質および逆転写酵素は、相補ラインのFB29株 の配列から誘導された。 現在マウス細胞由来の入手可能なパッケージングラインには、次のような欠点 がある。 ・不完全な構造に伴う、内因性レトロウィルス配列(MCF、VL30、トラ ンスポゾン)の同時パッケージングである。これらの同時パッケージされる配列 は、導入または転移の標的細胞に感染の後、同様に組み込まれるらしい。 ・これらのラインにおいて、レトロウィルスLTRによって導かれる相補性蛋 白質、特にエンヴェロープ蛋白の発現。 3番目に生成したラインは、幾つか変異と欠損部位を含む相補的なレトロウィル ス構造を用いるが、LTR配列の保存はそれ自体が潜在的に不利であり、事実、 相補されるべき不完全な構造と遺伝的組み替えを生じる可能性がある。 これらのすべての要索は、レトロウィルスベクターを用いた遺伝子導入の条件 を改善する試みにつながる。パッケージングラインは、3番目の生成ラインの原 理に基づいて開発された。つまり、2つの部分(2つの連続したトランスフェク ション段階)において、相補蛋白質の配列の切断を伴う。 2゜−4−1. 初めの段階では、フレンドウィルスのFB29株から誘導された配列の使用 を含む段階が記述される。特に、基本的細胞“DOGP29”の開発である。 DOGP29は、以下に詳述するLTR−SD−欠損psi−GAG/POL 構造(および選別したフレオマイシン抵抗性遺伝子の同時トランスフェクション )の、犬胎児細胞でのトランスフェクションによって得られ、次の基準によって 最適化された:1−内生レトロウィルスの欠如。2−粘着細胞。3−早い成長。 4−安定で均質な形態。5−簡単にトランスフェクションすること。6−非常に 多くの継代に耐えること(アッセイのための強い人工的な継代)。7−任意にL TC−IC(ヘマト)を維持することができること。 マスター細胞バンクシステム(Master Cell Bank System)は、ウィルスの相 補蛋白質合成の強度と逆転写酵素(POL)の安定性にしたがって、選別選ばれ た犬細胞のクローンから 作られた。 ヌクレオキャプシッド蛋白質および逆転写酵素のための相補的なgag/po l構造は、フレンドウィルスのFB29株から誘導される。 基本構築物は、パラグラフで述べた構築物(LTRが残っているか、またはR AR−ベータプロモーターの配列に置換された構造)から組み立てられた。 gagキャプシッド核蛋白質をコードする配列(+619から始まる)の上流にあ る、パッケージング配列の大きな削除は次のように行われた。+280の独特の部位 (またはIsocelII)をSpeIで切断し、PstIで+560-561を切断して 280塩基を除去した。合成リンカーのSpeI−PstI、5´−CTAGTG CA−3´が合成された。プラスミドにアニーリングして、HindIIIで再び 切断した。GAG配列およびPOL配列の主要な部分を含む、3番目のフラグメ ントPstI−HindIIIとの結合が行われた。 その後、2番目の段階(形質転換と正の組替え体の選別の後)において、GA GのATGを含むPstI−PstI(561-737)は、GAG配列の全体を再構 築するために、本来の位置であるPstI部位にクローニングされた。この小さ な対称なPstI−PstIフラグメントのクローニングの方向は、HaeII( 720位;2番目の部位は4291にあるが方向を妨げない)、AhaIII(完全なFB 29内の独特の部位で、1031にある)またはEspI(完全なFB29内の独特 な部位で、LTRの7864にある)による酵素分解によって 確立された。Puc19のHindIII部位での、完全なFB29ゲノムに相当 するDNA配列のクローニングに用いた方法の結果として、POL配列の末端は 次のようにして回復され。最初にHindIII(5060)とSnaI(=iso Bst11 071)(6335における独特の部位)で切断した。精製の後、このフラグメントを 再びSmaI(6079)で切断し、最小のエンヴェロープ配列(244塩基)を含む1 019塩基のフラグメントを得た。このフラグメントは、Puc18のポリリンカ ーにおけるHindIII−HindIIIにサブクローン化された。SV40のポリ アデニレーションシグナルは、この構造の下流に並置された(プラスミドpCR IPgag−2から切り取られた:Danos and Mulligan,1988)。POLおよび ポリA配列は、1単位としてpUC18から切り取られ、先のパラグラフで述べ たように、プラスミドpUC19/部分的に削除されたLTR/del−psi /GAG/2/3−POLと結合された。。 2゜−4−2. ごく普通の両栄養性エンヴェロープ配列が、psi−CRIP系で使われたの と同様に、SV40の下流のポリアデニレーション部位をもつウィルスの5´L TRの転写による配列の補充に用いられた(Danos and Mulligan,1988)。 B2)重要な遺伝子の取り込み 次の何れによって構築するか: ・生来のLTRをもつ基本のベクターか、ウィルスのエ ンハンサーを削除したSINの変形を使い、 ・SINベクターから誘導された構築物のために、様々な内部プロモーター を使い、 ・重要な遺伝子を、ウィルスの転写に関してセンスまたはアンチセンスの転 写方向に位置付ける。 1゜. 核位置シグナルを伴うβ−ガラクトシダーゼをコードしているcDN A(図12、13) 2゜. 細胞毒性を持つ薬品にたいする多面的な抵抗性遺伝子から誘導された gp170をコードするcDNA(例えばpMDR1から誘導された挿入物)( 図15) 3゜. ゲノム配列とメタロチオネインIIAをコードするcDNA(図16、 17、18、19) 4゜. 相補性グループCのファンコーニ病の患者に欠けている、プロモータ ー要素を含み又は含まないFACC遺伝子のcDNA FOCH29レトロウィルスの骨格は、次a)またはb)のようにして使用さ れた。 a)ウィルスの長い末端繰り返し構造(LTRs)の活性によって規定される 、転写を伴う生来の形で使われる。この構築によって、フレンドウィルスのLT Rsによる造血細胞内でのFACC遺伝子の発現の効果を評価することが可能に なった。 b)ウィルスエンハンサーのU3欠損バージョンで使われる。これによっては 、転写命令の有用性を、遍在的に機能している普通の安定した基本的機能の遺伝 子から得た内部プロ モーターによってテストすることを可能にした。これは、FACC遺伝子自体の プロモーターか、MT・IIA(メタロチオネインIIA)プロモーターか、PGK (ホスホグリセレートキナーゼ)プロモーターの何れかである。得られた発現の レベルが表現型の修正に適合するならば、FACC遺伝子のプロモーターを使っ た構築物は好ましいものである。 cDNAの選択 3つのタイプのメッセンジャーRNAに相当する3つの異なった一本鎖DN Aが、ファンコーニ病の相補性グループCのためにクローニングされた。一本鎖 DNAには関係なく、オープンリーディングフレームは同一である(Strathdee et al.,1992)。 メッセンジャーの一つは、培養株の細胞の中で非常に優性である。5´末端は 、エキソン1の一部を含むだけである。一方、コードされていない3´末端はと ても大きい。隣接している3´配列は、転写の安定性にとって決定的に重要と思 われる。 何れの一本鎖DNAを選んだとしても、後者はBamHI/XhoIでの切断 によって切除され、次のようにして、アンチセンス方向でレトロウィルス構造中 に導入される。上流では、XhuIがSalI切断によってできた末端と接着す る。下流では、SphI部位は鈍端であるから、同じく鈍端であるBamHI部 位に付着される。 1. 多くの一本鎖DNAは、4.5kb(略レトロウィルスベクターの上限 に相当する大きさ)である。 2. 他の2つのメッセンジャーの一つに対して相補的なDNAは、エンハン サーのないレトロウィルス構造(del−U3)の中で、隣接する5´配列およ び-1エキソンをFACC遺伝子の発現に使うことの潜在的な利点を調べるために 、センス方向に用いられた。クローニングに際しては、上流ではXbaIで切断 することによりBamHIに適合する鈍端とし、下流では、SalI−XhoI の付着が行われた。 3. 最後に、もっと簡単に、5´と3´に隣接する領域をもたないFACC 遺伝子をコードする領域に相当する、相補鎖DNAを、 ・生来のレトロウィルスベクターの中に、レトロウィルスLTRSに制御され た転写においてセンスの位置に、 ・或いは、エンハンサーの存在しないレトロウィルスベクター中に、遍在する メタロチオネイン又はPGK(ホスホグリセレートキナーゼ)のプロモーターに 支配された転写に関してセンスの方向に導入した。 5゜. ペリツェウス・メツバッハー病(Pelizaeus-Metzbacher Disease)( Dautigny et al.,1986;Hutson LD et al.,1989;Morello et al.,1986)の 患者の、PLP遺伝子を欠損したcDNA 高い特異性をもった熱帯の天然のプロモーターの制御下でグルココルチコイド に誘導されるPLP遺伝子を発現するためと、脳に固定移植した後に、インビボ でPLPを発現しているオリゴデンドロサイト又はシュワン細胞の監視を可能と するために、構築物(図24)が組み立てられた。 この目的で、核位置シグナル(nls−Lacz)を具備したβ−ガラクトシ ダーゼ遺伝子を、LTRの直接の制御下に置いた。PLPプロモーター/相補鎖 DNA−PLP配列は、ポリリンカーの下流に置かれた。nls−LaczのB amHI−BamHIフラグメントは、pSPT18のポリリンカーのBamH I部位にクローニングされた。PLPプロモーターを有するAluI/BamH Iと、PLPに相補的なDNAを有するBamHI/EcoRIフラグメント( dNTPsの存在下でクレノウで処理した)は、結合の後、上流のSmaI部位 (AluIの場合)と、pSPT18の下流のEcoRI部位にクローニングさ れた。 挿入物の全体が、下流のEcoRIで除去して挿入物の末端をクレノウ(鈍端 )で処理し、次いで上流のSalIで切断することによって切除された。そして 、FOCH29のポリリンカーの上流のSalIに適合させ、下流のSphIは クレノウで処理された(鈍端)。 FOCH29のU3欠損バージョンのその他の構造は、逆の方向で、PLPプ ロモーターと、これに続く相補鎖DNA関連遺伝子の初めのイントロンを含む配 列とを含むように計画される。このイントロンの存在によって、転写物の安定性 および発現が改善され、別のスプライシングPLP−DM20が可能になる。 6゜. インターロイキン12の夫々の鎖のcDNA:ポリシストロン性ベク ター内のp35とp40、IRESを含む構造の例として前述した構築物。 例えば次のような遺伝子を含むことによって、他の構築物を得ることができよ う。 7゜. TIMP:メタロプロテイナーゼの組織インヒビター 8゜. TNF:腫瘍壊死因子 9゜. IFN−ガンマ:ガンマインターフェロン 10゜.IFN−B:ベータインターフェロン 11゜.例えばインターロイキンのようなサイトカイン遺伝子 C)標的細胞 本発明のベクターは、異なる幹細胞をトランスフェクトするために使用された 。例として、次の細胞があげられる。 a. ヒト由来の造血幹細胞 レトロウィルスベクターFOCH29が初め作られたのは、通常使われてい るベクターを用いるよりも、より効率良く造血幹細胞に感染し、これらの細胞の 中で問題の遺伝子の高い発現を導くウィルス株を研究するためであった。この想 定された効果は、ウィルスの調節配列、特にLTRのU3配列の特別な誘発の結 果として期待された。 ネオマイシン抵抗性の遺伝子(トランスポゾンTn5から得たネオマイシン燐 酸転移酵素)が、前に述べたベクターFOCH29−Neoを作るために導入さ れ、遺伝子マーカーとして利用された。 一年間、ヒト由来のCD34+造血幹細胞の形質導入のた めにの最適条件が研究され、次のものから得られた様々な方法に従って選択され た:11)臍帯の血液、21)骨髄(同種異系移植)、31)化学療法と成長因 子の組み合わせによって動く末梢血液の幹細胞。 次の2つの問題に直面した。 (1)異なるウィルス感染の進行の比較 1−1.ウィルスの上清の使用と、共培養(ウィルスを連続的に培養する パッケージング細胞に対するもの) 1−2.成長因子の異なった組み合わせによる細胞の刺激 (2)導入成果の評価 2−1.形質導入した細胞がどの分化の段階にあっても、絶対的に生物学 的および分子的方法 2−2.長期培養の進展に伴って多機能性を示すことができる細胞、特に マウス由来の異種ストロマと、細胞のクローン原性の配列分析 得られた結果(詳細は以下に述べる)は、特にウィルス上清から出発する場 合に、レトロウィルスベクターが造血前駆物質に対して顕著な効果をもたらすと いう初めの仮説を立証した。 実験プロトコール、並びに得られた結果の詳細を以下に示す。 <実験のプロトコール> (1)異なるウィルス感染の進行の比較 1−1. ウィルスを連続的に産生するパッケージング細胞についての、ウィ ルスの上清の使用と共培養 実際は、共培養の使用は、次の点において、ヒトで使用するには大きく不利で あることが示された。 1)異種細胞による、造血細胞の潜在的な雑菌混入 2)共培養で使用する前にX線を照射(または細胞毒性薬剤による処理) したにもかかわらず、これらの生産細胞の増殖が潜在的に持続すること 3)欠陥のあるウィルスを補なう配列がある結果、複製能力のあるウィル スの生成の危険が非常に増し、内因性レトロウィルス配列、または培地内で偶然 に混入したウィルスと相同組替えおよび非相同組替えを誘導する可能性がある( Temin et al.,1990)。 並行して、唯一の細胞源(臍帯の血液の独特のsacから、またはサイタフレ イシス(cytapheresis)から選択されたCD34+の幹細胞)の感染の比較を行 ない、これらをあらゆる点から見て、2つの等しいサンプルに分けた。その一つ は、ウィルス生産細胞の接着性サブ層と接触させた。このウイルス産生細胞は、 1%のゼラチン上で、2mg/mlのポリブレン存在下に48時間、80%集密 状態にまで増殖したものである。他のサンプルについては、同じ濃度のポリブレ ン存在下で培養フラスコの中に入れ、産生細胞の培地から新しく集めて0.45μm 膜(上清とともに取った可能性のある細胞全部を除去した)を通して濾過したウ ィルス上清(培地を加えて薄めなかった)で覆った。ウィルス上清による感染の プロ トコールは、36時間にわたる4サイクルの繰り返しに基づいている。つまり、 一日に2サイクルを8時間おきに2日続ける。造血細胞は入れずに、上清を単純 に培養ウェルに加えた。 ウィルス感染に使用した培地は、感染様式の如何にかかわらず、造血幹細胞に ついて最適化された培地である。すなわち、仔牛胎児血清(Boehringer-Mannhei m)を10%、馬血清(GIBCO-BRL)を10%補充したIscoveの修飾DMEM(GI BCO-BRL)である。 夫々のパラメータは、少なくとも2つのウェルで同時に2回テストされた。 感染の後、細胞は異種ストロマ上での長期培養のために移植された。 1−2. 成長因子の異なった組み合わせによる細胞の刺激 成長因子は、感染するであろう造血前駆細胞の全能性を最高に保持するため に、最低量を使用した。その目的は、既に自然にサイクルに入っている細胞を最 良に取り扱うことである。 比較は、以下の同じ感染条件のもとで同じ細胞源について行われた。 1゜.成長因子の異なった組み合わせ (幹細胞因子:SCF;白血病阻害因子:LIF; インターロイキン3:IL3; エリスロポエチン:Epo; 顆粒細胞マクロファージ刺激因子:GM−CSF) すなわち、 ・SCF+LIF ・SCF+LIF+IL3 ・SCF+LIF+IL3+Epo ・SCF+LIF+IL3+GMC−SF 2゜.これらの異なる因子の、異なる濃度 ・SCF:50ng/ml;25ng/ml; 10ng/ml;5ng/ml ・LIF:10U/ml;5U/ml; 1U/ml ・IL3:10U/ml;IU/ml; 0.1U/ml ・GM−CSF:10ng/ml (2) 導入成果の評価 2−1.感染後すぐ全ての細胞を一緒にとり、分子、生物学手法に基づいて、ト ランスフェクションした細胞の初めの割合を調べた。 ・二つの形式に従ったCFU−GEMM(顆粒−赤芽球−単球−巨核細胞の混 合コロニーの存在のアッセイ) ・選別なし ・ネオマイシンを初めに大量に(1mg/ml)使うことによる薬理学的選別 ・夫々のコロニーでの、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応) 非選択培養で継代したメチルセルロース上でのCFU−GEMMのアッセイから 始めた。継代培養の後、各コロニーを、成長因子による刺激によって、1ウェル あたり約105細胞にまで増幅した。成長因子は、SCF 50ng/ml;GM− CSF 50ng/ml;IL3 10U/ml;Epo 2U/mlを含む。次いで 細胞を溶解し、分析した(該当部分に示したプロトコールとPCRプライマーを 参照のこと)。 2−2 多能性を示しそうな細胞において: マウス由来の(MS5系)異種ストロマでの長期培養のアッセイが使用され 、細胞のクローン原性の配列分析を行った。 異種ストロマでの長期培養、予め1%ゼラチン膜に作られた接着性の単層。こ れらの培養株は、表面積が9cm2の“スライドフラスコ”(Nunc)のなかで 60日間成育された。毎週表面の上清の半分を除去し、最低量の成長因子(幹細 胞CEII因子:SCF 5ng/ml;白血病阻害因子:LIF 5U/ml; インターロイキン3:IL3 0.1U/ml、及びエリスロポエチン:Epo 0 .1U/ml)を含む新しい培地にとりかえた。 長期培養株は、通常の培地または選択培地中において、ネオマイシン抵抗性に するためにPGK−neoプラスミドでトランスフェクトされたストロマと共に 増殖された。 長期培養の評価は、次の基準に基づいている。 ・ストロマ細胞の表面に造血細胞の小島があるかの観察(Cobblestone) ・ネオマイシン抵抗性遺伝子の存在について、薬理学的選択を伴うか又は伴 わないで、決まった時間にCFU−GEMM配列アッセイを始めること。抽出さ れた細胞を計数し、分析ウェル当り1000細胞を接種した。細胞は、次のようにし て、一般に毎週取られている表面上清からか、或いは同様にストロマ(特にD6 0長期培養が終わったとき)についた造血小島を分離するために回収した上清か ら得た。上清を全て取り、次いで培養皿をカルシウムを含まない1×PBSで1 分から2分覆った。これによって、一部接着した細胞を引き離す。この2番目の 上清を取り除いて1番目と一緒にし、殆ど壊れやすい細胞を保護する牛胎児血清 の緩衝材を使って、全体を非常に遅い速度(1000回転/分)で遠心分離した。細 胞沈殿物の一部をCFU−GEMMのために移植し、その他の細胞は異種ストロ マに再接種し、長期培養した。 ・ウィルス組込みの分子的特徴付けを、CFU−GEMMから取った個々の コロニーについて配列のPCRアッセイで分析した(上記参照)。 ・最初、十分な数の細胞が得られたときに、長期培養株が多く残ったときは 、細胞の一部をFACS分析に使った。 <結果> 1).長期培養 培養株は60日間連続して維持され、この期間、ストロマを変えなかった。 その日に培養を止め、残っていたすべての細胞をCFU−GEMMに接種した。 これによって、効果 的な造血前駆細胞の形質導入が長期培養で維持され、造血前駆細胞内のFOCH 構造によって、遺伝子の発現が数か月に亘って保存されることが確かめられた。 2).異なるウィルス感染の比較 2−1 ウィルス上清の使用と、共培養 細胞を加工することなく、2日間4サイクル繰り返す上清による感染は、パ ッキングラインとの48時間の共培養に比べて著しい効果を示した。 これらのデータは、次の事実によって確証された。 1゜ ネオマイシン抵抗性のストロマに対するネオマイシンによる選別の存 在下で、長期培養が維持されたこと。D60において、上清で感染された細胞株 は生産性であったが、共培養によって感染されたウェルは非生産性であった。 2゜ コロニー、特に混合コロニーの数のCFU−GEMMアッセイは、上 清による感染の後には、4倍から5倍多かった。 3゜ 継代培養してCFU−GEMNから増幅した夫々のコロニーについて のPCRによる、ウィルス組込みの分子評価。初めのアッセイの場合、上清によ る感染後には90%に上る導入が検出された。 2−2 成長因子の異なった組み合わせによる細胞の刺激 実験のプロトコールの章に挙げた多数の異なった組み合わせの中で、最小濃度 で選択された成長因子(GFs)の最小混合物は、SCF 10ng/ml+LI F 10U/mlであ る。 事実、1U/ml〜10U/ml濃度のIL3存在下で感染させた後には、有為な 長期培養は維持されなかった。これは、生産的な長期培養株が維持されずに、顕 著な初期増殖が生じたことによる。 更に、マウスの細胞による潜在的な汚染を除いて、異種ストロマによる前処理 は効果がなかった。 これらの結果は、次のことを示している。 1゜.共培養ではなくウィルスの上清から出発することによって、長期培養 の初期可能性を危険にさらすことなく、生産的なレトロウィルス感染を実行可能 であること。 2゜.FOCH29構築物によってCD34+細胞から誘導したヒト造血前 駆細胞のウィルス形質導入の効率、並びにこれら同じ細胞において、この構造物 から出発した長期培養による問題の遺伝子の発現の効率。 これらの要素は、ヒト造血幹細胞において、このレトロウィルスベクターを治 療に使用する可能性があることを立証している。これは、移植ラベリング(graf t labelling)の臨床実験プロトコールで確認されるべきである。 b)上皮細胞 1゜胞状上皮 ・ラット、犬、猿 ・ヒト起源 2゜乳房の上皮 ・ラット ・ヒト起源 c)腫瘍細胞 1゜胞状腫瘍 ・ラット ・ヒト起源 2゜乳癌の細胞 ・ヒト起源 d)神経系の付随細胞 1゜稀突起細胞前駆体 2゜シュワン細胞 これらの2つのタイプのマウス由来細胞を、レトロウィルスLTRの神経親和 性向性(neurotropic tropism)を評価するために、FOCH29−Neo構築 物で感染させた。問題の遺伝子の発現は、レトロウィルスLTRによって制御さ れている。 稀突起細胞は初期の培養から誘導された。シュワン細胞の場合はMSC80系 が使われた。感染の後、MSC80細胞は連続培養で維持され、4か月の間ネオ マイシンによる選別を受けた。特徴的な細胞形態は、この長期培養の間維持され た。 これら神経親和性細胞の感染およびFOCHベクターに担持されたマーカー遺 伝子の十分な発現の維持が成功したという予備的な証拠によって、治療に向けて た研究の持続が導かれる。ベクターFOCH29−PLPの構築が達成された。 事実、ペリツェウス・メツバッハー病(Pelizaeus-Metzbach er disease)の患者にはこの遺伝子が欠けている(Saugier-Veber et al.,1994 )。中枢神経系のミエリン合成に関与している膠幹細胞、または遺伝的に変化し たシュワン細胞に対して、レトロウィルスによって正常な形の遺伝子を導入する ことが治療上有効であることは、ヒトの病気のマウスモデルにおいて評価されて いる(Jimpy mouse,Jimpy/MSD(Pham-Dinh et al.,1992) and Rumpshaker)。 我々は現在、遺伝的に変化させたMSC80細胞の、脳に脳固定再移植した後の 生体内での運命を監視している。 e)繊維芽細胞 1゜マウス起源 2゜イヌ起源 3゜非ヒト霊長類起源 4゜ヒト起源 f)造血ストロマの細胞 1゜マウス起源、MS5系において、造血幹細胞の長期培養に使われ、1 年以上発現した。 2゜研究所で確立された胎児骨髄繊維芽細胞の一次培養のイヌ起源 3゜非ヒト霊長類起源 4°ヒト起源 g)内皮細胞 h)間充織細胞 i)ケラチン細胞 j)肝細胞 1)ヒト起源の系 1゜Tリンパ球:Jurkat 2゜ナチュラルキラー細胞:YT2C2 3゜単球マクロファージ:U937 4゜赤血球巨大核細胞:K562 これらの4つの細胞系は、1サイクルの感染または4サイクルの感染(2つの サイクルは8時間の間隔をおいて連続2日間)の何れかにおいて、ウィルス上清 で感染された。感染の16時間後に、細胞は下記の種々の濃度のネオマイシンで 選別された:0.3mg/ml;0.5mg/ml;1mg/ml。 トリチウム化チミジンによる標識分析は、感染1週間後に行った(つまり、選 別の5日後)。このアッセイは、これら細胞系(Jurkat及びK562)が 、使用したネオマイシンが如何なる濃度であっても迅速に増殖することを積極的 に示した。 ネオマイシンによる3週間の選別の後、異なる濃度で選別されたウェルと、選 別されていないコントロールのウェルとの間の細胞の生存率(懸濁液の細胞)の 比較分析によって、実際に形質導入されたネオマイシン抵抗性を有する細胞の高 い割合が示された。 T細胞腫瘍系JURKATT:75〜80% NK細胞YT2C2:30〜50% 単球マクロファージU937:40〜60% 赤血球巨大核細胞K562:75〜80% 膀胱癌に対するレトロウィルス転移の適用 のためのインビボのモデル 膀胱は中が空洞の器官であり、簡単な尿道内プローブによって接近しやすいの で、投薬の形式と、インビボでの直接内胞注入による遺伝子転移の効果とを逐一 評価した。この評価には、幾つかのパラメーター系が含まれる。 1゜“レポータ(reporter)”構造を輸送するウィルス上清の生体内内胞注 入による、小胞ウロテリウム(urothelium)のレトロウィルス導入の効果 2゜機械的な手術および上皮細胞への導入の無害性 3゜ウィルス粒子の全身的拡散の欠如 4゜健康な上皮と比較した、腫瘍細胞への優先的感染 実際は、小胞性ウロテリウム(vesicular urothelium)を犠牲にして進行した 表面の膀胱ガン(このケースでは90%を占める)は、内視鏡の手術による完全 な切除の後に再発する傾向を特徴とした進行を示す。再発および進行の危険性の 高いグループは、pT1段階の腫瘍、pTa段階の多病巣性腫瘍、イン・サイト のカルシノーマまたは関連する異形成、および腫瘍の多重再発を定義し、または これを含む。 このグループでは、内胞経路(endovesicular rout)による非特異的化学療法 と免疫療法が、内視鏡手術の後の再発防止のための処置として用いられる。しか し、現在行われている内胞処置は、多様な腫瘍の再発を撲滅することはできず、 あるケースでは腫瘍の進行も止められなかった。従って、前述のように、腫瘍の 侵入を抑制するか(TIMP遺伝子、FO CH29構造)、または内因性の免疫応答を刺激でき(既述のFOCH29−I L12、およびFOCH29−IFN−ガンマ構造)、あるいは腫瘍細胞の増殖 のエンハンサーシグナルの形質導入を妨げる遺伝子の導入に基づく独自の治療プ ロトコルが提案されるべきである。 パッケージングを欠くウィルス粒子の生体液の中での保持耐久性 これに関連して、等量の尿(0.45μm膜で濾過し又は濾過しない)の存在 下に37℃でインキュベートした後のウイルス粒子の感染性を、所定容量につい て連続して分析した。これら分析の間隔は、5分、10分、15分、20分、3 0分、45分、60分、75分、90分、120分、150分、180分であっ た。 β−ガラクトシダーゼマーカー遺伝子および核位置シグナルを用いることによ って、ウイルス力価が初めの3時間は変化しないことを証明することができた。 生体内の内胞注入によるアプローチが、水の摂取制限と関連性を有することが確 認された。 参照文献
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 48/00 8314−4C C07H 21/04 B 8615−4C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,L K,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO ,RU,SD,SK,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.外因性ヌクレオチド配列をクローニングおよび/または発現および/また は移入するための組替えレトロウィルスベクターであって、図1に示した配列に おけるヌクレオチド番号7702と1527との間に略位置するClaI−PvuIIフラ グメント中に含まれる何れかの配列から成り、ヌクレオチド番号7842と144の間 に含まれるLTR配列、ヌクレオチド番号145から始まるPBS部位、LTR配 列の末端に続く250ヌクレオチドの配列に含まれるパッケージング配列を具備し 、前記配列は、その転写方向がウイルスの転写方向に関して何れの転写方向であ っても、前記外因性配列のクローニングおよび/または発現および/または移入 を制御できることを特徴とする組替えレトロウィルスベクター。 2.請求項1に記載の組換えレトロウイルスベクターであって、外因性ヌクレ オチド配列をクローニングおよび/または発現および/または移入するための、 図1に示した配列のヌクレオチド7702〜310に略位置するClaIBamHI フラグメントに含まれる何れかの配列からなっており、ヌクレオチド番号7842と 310の間に夫々含まれる5´LTR配列および3´LTR配列、並びにヌクレオ チド番号145から始まるPBS部位、LTR配列の末端に続く250ヌクレオチドの 配列中に含まれるパッケージング配列を具備し、前記配列は、その転写方向がウ ィルスの転写方向に関して何れの方向であっても、前記外因性配列のクローニン グおよび/または は発現および/または移入をコントロールすることができる組換えレトロウイル スベクター。 3.請求項1または2に記載の組換えベクターであって、更に、図5に示す配 列のヌクレオチド619〜2245の間に位置するgag配列の全部又は一部、特に図 1で示す配列のヌクレオチド619〜1527の間の配列を具備する組換えベクター。 4.請求項1または2に記載の組替えベクターであって、図1に示した配列の ヌクレオチド7702〜1527を含むClaI−PvuIIフラグメントからなることを 特徴とする組換えベクター。 5.請求項2〜4の何れか1項に記載の組替えベクターであって、図1に示し た配列のヌクレオチド7702〜310を含むClaI−BamHIフラグメントから なることを特徴とする組換えベクター。 6.請求項1〜5の何れか1項に記載の組替えベクターであって、更に、該ベ クターに含まれる部位に関して独特な制限部位を有する少なくとも一つのポリリ ンカーを含むことを特徴とする組替えベクター。 7.第I-1326の番号で、1993年6月30日にCNCMに寄託されたプラスミド pFOCH29であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の組替 えベクター。 8.請求項1〜7の何れか1項に記載の組替えベクターであって、更に、例え ばネオマイシン抵抗性遺伝子のような、マーカー遺伝子又はその一部を含むこと を特徴とする組替えベクター。 9.請求項1〜8の何れか1項に記載の組替えベクターであって、LTRのU 3領域が少なくとも一部削除されていて、U3に含まれるプロモーターおよび/ またはエンハンサーが、少なくとも一部不活化あるいは修飾されていることを特 徴とする組替えベクター。 10.請求項1〜8の何れか1項に記載の組替えベクターであって、LTRC のU5領域が少なくとも一部削除されていることを特徴とする組替えベクター。 11.請求項1〜9の何れか1項に記載の組替えベクターであって、ClaI −PvuIIフラグメントに含まれる配列および/またはこのフラグメント、およ び/またはClaI−BamHIに含まれる配列および/またはこのフラグメン トが、高度に厳格な条件下で上記のフラグメントに相当する配列とハイブリッド 形成する配列で置換され、或いは少なくとも上記フラグメントと95%のヌクレ オチド相同性を有する配列またはU3配列と少なくとも85%のヌクレオチド相 同性を有する配列で置換された組み替えベクター。 12.請求項1〜11の何れか1項に記載の組替えベクターであって、FB2 9株のgag配列およびpol配列を含むことを特徴とする組換えベクター。 13.請求項1〜11の何れか1項に記載の組替えベクターであって、前記外 因性ヌクレオチド配列が前記外因性プロモーターの制御下にあることを特徴とす る組替えベクター。 14.請求項1〜12の何れか1項に記載の組替えベクターであって、パッケ ージング系に導入されることを特徴とす る組替えベクター 15.請求項1〜13の何れか1項に記載の組替えベクターであって、psi −CRIP系にパッケージされることを特徴とする組替えベクター。 16.請求項1〜13の何れか1項に記載の組替えベクターであって、psi −CRE系にパッケージされることを特徴とする組替えベクター。 17.請求項1〜15の何れか1項に記載の組替えベクターであって、幾つか の幾つかの外因性配列を含むことを特徴とする組替えベクター。 18.請求項1〜16の何れか1項に記載の組替えベクターであって、少なく とも一つの外因性配列LTRに挿入されていることを特徴とする組替えベクター 。 19.請求項1〜17の何れか1項に記載の組替えベクターであって、前記外 因性配列が治療上重要な配列であることを特徴とする組替えベクター。 20.請求項1〜17の何れか1項に記載の組替えベクターであって、前記外 因性配列が抗原または抗原決定基をコードしていることを特徴とする組替えベク ター。 21.請求項1〜9の何れか1項に記載の組替えベクターであって、前記外因 性配列がゲノムDNA配列、cDNA配列またはRNAシークエンスであること を特徴とする組替えベクター。 22.原核組替え細胞または真核組替え細胞であって、請求項1〜20の何れ か1項に記載の組替えベクターによって 修飾されており、特に内因性レトロウィルスを欠失している細胞種。 23.請求項22に記載の組換え細胞であって、哺乳動物細胞、特にヒト細胞 であることを特徴とする組替え細胞。 24.請求項22に記載の組換え細胞であって、造血細胞、特に造血前駆体ま たはリンパミエロイド全能性幹細胞であることを特徴とする組替え細胞 25.請求項22に記載の組換え細胞であって、神経細胞、特に神経細胞もし くは膠細胞、繊維芽細胞、肝細胞、皮膚細胞もしくは筋肉細胞、TもしくはBリ ンパ球、他の細胞免疫メディエイター、腫瘍細胞、骨髄のストロマ、内皮細胞、 間充織細胞であることを特徴とする組替え細胞。 26.真核細胞を生体外または生体内でトランスフェクトする方法であて、前 記真核生物が請求項1〜20の何れか1項に記載のレトロウィルスベクターで感 染されることを特徴とする方法。
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