【発明の詳細な説明】
カチオン性重合体で被覆された固体有機粒子を含有する化粧料組成物
本発明の首題は表面がカチオン性重合体で被覆されている固体有機粒子が導入
されている、固体粒子の分散体を含有する化粧料組成物である。
ルーズ又はコンパクトパウダー、ファンデーション、ブラッシャー、アイシャ
ドー及びリップステイックのごとき種々のメーキャップ製品が、脂肪質バインダ
ー中に固体有機粒子の分散体を含有する組成物の形で提供されることは知られて
いる。これらの組成物は無水組成物であるか又は水中油型又は油中水型エマルジ
ョンであり得る。
組成物の形式に応じて、固体有機粒子は、特に、顔面又は唇の皮膚にある種の
色を付与するため又は組成物自体を着色するための顔料(白色及び/又は着色)
、又は、(特に、粉末の形の組成物においては)充填剤としての作用をする粒子
である。
リップステイックにおいては、適当な脂肪質バインダー中に分散させる固体粒
子は特に着色顔料であり、これは場合により、着色顔料により提供される色に色
合い(shade)を付与することを可能にする白色顔料(例えば二酸化チタンの微
細粒子)と併用される。
かかる着色顔料は、適当な有機溶剤中に被膜形成性重合体と可塑剤を溶解させ
た溶液中の上記顔料の分散体から本質的になるマニキュア組成物においても使用
されている。
固体粒子の分散体を含有する化粧料組成物の調製と使用においては種々の形の
問題が生ずる。上述した全ての組成物の調製に共通な一つの問題は、例えば皮膚
に、均一に塗布されるかつ良好な均質性が保持される適切な化粧を施すための安
定な分散体を得ることが困
難なことである。このため、専門家は特に、湿潤現象及び分散現象に関連する界
面特性を変性するために、使用される粉末に表面処理を行っている。これらの処
理の目的は、しばしば、製剤バインダー及び油類への粉末の配合を容易にするた
め及び凝集及び凝結現象を低減させることにより分散体の安定性を増大させるた
めに粉末を疎水性にすることにある;例えば、シリコーン化(siliconized)重
合体による顔料の被覆について記載する欧州特許279,319号参照。
従って、これらの処理は凝集現象を制限することにより分散体の安定性の問題
を解決することを可能にしている。しかしながら、これらの処理によっては他の
重要な問題、即ち、固体粒子の皮膚への付着性が低いという性質は解決されない
。実際に、粉末の形の組成物中で特に使用される固体粒子は極めて低い皮膚への
付着性を有する。脂肪質バインダー中の分散体の安定性を改善するための表面処
理によっては付着性に関する限り実質的な改善はもたらされない。
更に、顔面及び眼用のメーキャップ製品はしばしばコンパクトパウダー(comp
acted powder)の形で提供されることが知られている。コンパクトパウダーはこ
のパウダーの成分と結合剤とを混合しついで適当な容器内で圧縮することにより
所望の形に変換することにより調製される。
コンパクトパウダーは特殊な硬度特性を示す必要がある。硬度は適用された圧
縮力により変動する。圧縮製品が軟らか過ぎる場合には、この製品は非常に脆弱
であり、適用する際に余りにも多くの量の製品が取出されるであろう。これに対
し、圧縮製品が硬過ぎる場合には、崩壊させることが困難であろう。更に、圧縮
製品は完全に平らな表面を示すべきである。最後に、落下試験に対して良好に応
答すべきである;即ち、標準的な条件下で落下させた場合に、低い重量損失を示
すべきである。
今般、カチオン性重合体により表面が被覆されている固体有機粒
子を化粧料組成物に導入することにより、バインダー中に固体有機顔料の分散体
を含有する化粧料組成物であって、良好な安定性と皮膚又は皮膚付属器(phaner
e)への良好な付着性を有する化粧料組成物を得ることがでできることが発見さ
れた。驚くべきことに、固体有機粒子をカチオン性重合体で被覆した場合、この
カチオン性重合体は親水性被覆を構成するものであるにも拘らず、脂肪質バイン
ダー中での粒子の良好な安定性が阻害されないことが認められた。更に、カチオ
ン性重合体被覆固体粒子を使用して得られた圧縮組成物は驚くべきことに良好な
凝集性(cohesion property)を示し、その結果、落下試験において非常に満足
すべき挙動を示す。更に、かく得られる組成物は、適用後、皮膚又は皮膚付属器
に対する良好な付着性を有する。
従って、本発明の目的は、バインダー中に固体有機粒子の分散体を含有する皮
膚又は皮膚付属物(phanere)用化粧料組成物において、上記有機粒子の少なく
とも一部は、表面が少なくとも1種のカチオン性重合体で被覆されている粒子の
形で組成物中に導入されていることを特徴とする化粧料組成物である。
本発明の化粧料組成物においては、固体有機粒子はその表面がカチオン性重合
体で被覆されている。このことは、適用後、電子顕微鏡により証明されるごとく
、粒子の形態に変化がなく、また、粒子の大きさにも顕著な変化がないことを意
味する。
本明細書において、“カチオン性重合体”という表現はカチオン性基にイオン
化され得る1個又は複数のカチオン性基を含有する重合体を表わす。
好ましいカチオン性重合体は重合体鎖の一部を形成するか又は側部置換基によ
り担持されている、第一、第二、第三及び/又は第四アミン基を含有する単位か
らなるカチオン性重合体から選ばれる。
使用されるカチオン性重合体は約103〜3x106の分子量を有するこ
とが好ましい。
本発明の組成物中で使用される被覆有機粒子は1種(又は数種)のカチオン性
重合体だけで被覆されていることが好ましい。
使用されるカチオン性重合体は、特に、重合体1g当りのカチオン当量(cation
ic equivalent)で表して、少なくとも0.05のカチオンmeq/gの四級化値(quater
nization value)を有するものである。アミン基又は第四アンモニウム基を含有
する単位を、例えば少なくとも10重量%含有するカチオン性重合体が特に使用さ
れる。
カチオン性重合体が側部置換基により担持されているアミン基又は第四アンモ
ニウム基を含有している場合には、重合体鎖は例えばアクリル、ビニル、シリコ
ーン化(siliconized)、フルオロ化(fluorinated)又はサッカリド鎖である。
カチオン性重合体としては、特に、四級化蛋白質(又は蛋白質加水分解物)、
四級化ポリシロキサン及びポリアミン、ポリアミノアミド及び第四ポリアンモニ
ウム型の重合体が挙げられる。これらは既知の製品である。
珪素を含有していないカチオン性重合体、即ち、シリコーン化重合体以外の重
合体を使用することが好ましい。
カチオン性重合体として、イオン化第一、第二又は第三アミン基を含有する重
合体又は第四アンモニウム基を含有する重合体を使用することが特に好ましい。
後者が好ましい。
第四アンモニウム基は特に、アミノ基をハロゲン化アルキル又はアラルキル(
例えば沃化メチル、臭化エチル又は塩化ベンジル)、硫酸アルキル(例えば硫酸
ジメチル)等のごとき慣用の四級化剤で四級化することにより得られる。
イオン化アミン基はアミノ基を塩酸、臭化水素酸、乳酸、酢酸、グリコール酸
等のごとき有機又は無機酸で塩化することにより得られる。
有機粒子の表面に沈着させる重合体の量は被覆のために使用した方法により変
動する。一般的には、被覆粒子の全重量に対するカチオン性重合体の重量割合は
少なくとも0.1%に等しい;カチオン性重合体の量の上限は粒子がその独立性(i
ndividuality)と形状を保持するのに十分な程度に低いものである。換言すれば
、カチオン性重合体は被覆粒子上で、最大でも、1層の薄い(場合により空隙の
ある)層を形成している。多くの場合、被覆粒子中のカチオン性重合体の重量割
合は、被覆粒子の全重量に対して10%以下、特に、8%以下である。
四級化蛋白質又は蛋白質加水分解物は、特に、第四アンモニウム基を鎖の端部
に有するか又はグラフトされている、化学的に変性されたポリペプチドである。
その分子量は例えば1500〜10,000、特に、約2000〜5000の間で変動し得る。これ
らの化合物としては特に下記のものが挙げられる:
−トリエチルアンモニウム基を有するコラーゲンの加水分解物、例えば、Mayb
rook社から“クアト-プロE”(“Quat-Pro E”)の名称で販売されているかつC
TFA辞典で“トリエトニウム ハイドロライズド コラーゲン エトサルフェー
ト”(“Triethonium Hydrolized Collagen Ethosulfate”)と命名されている
製品;
−トリメチルアンモニウム基又はトリメチルステアリルアンモニウムクロライ
ド基を有するコラーゲンの加水分解物、例えば、Maybrook社から“クアト-プロ
S”(“Quat-Pro S”)の名称で販売されているかつCTFA辞典で“ステアルトリ
モニウム ハイドロライズドコラーゲン(“Steartrimonium Hydrolyzed Collag
en” と命名されている製品;
−トリメチルベンジルアンモニウム基を有する動物蛋白質の加水分解物、例え
ば、Croda社から“クロテインBTA”(“CroteinBTA”)の名称で販売されている
かつCTFA辞典で“ベンジルトリモ
ニウムハイドロライズドアニマルプロテイン”(“Benzyltrimonium hydrolyzed
animal protein”)と命名されている製品;
−1〜18個の炭素原子を有するアルキル基の少なくとも1個を有する第四アン
モニウム基をポリペプチド鎖上に有する蛋白質加水分解物。
これらの蛋白質加水分解物としては特に下記のものが挙げられる:
−第四アンモニウム基がC12アルキル基を含有している“クロクアトL“(“C
roquat L”);
−第四アンモニウム基がC10-C18アルキル基を含有している“クロクアトM“;
−第四アンモニウム基がC18アルキル基を含有している“クロクアトS“;
−第四アンモニウム基が1〜18個の炭素原子を含有するアルキル基の少なくと
も1個を含有している“クロテインQ”(“Crotein Q”)。
これらの種々の製品はCroda社から販売されている。
他の四級化蛋白質又は加水分解物は式:
(式中、X-は有機又は無機酸のアニオンであり、Aはコラーゲン蛋白質の加水分
解から誘導される蛋白質残基を表わし、R5は30個までの炭素原子を含有する親油
性基を表わし、R6は1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基を表わす)に相当す
るものである。例えば、Inolex社から“レキセインQX 3000”(“Lexein QX 300
0”)の名
称で販売されているかつCTFA辞典で“ココトリモニウム コラーゲンハイドロリ
ゼート”(“Cocotrimonium Collagn Hydrolysate”)と命名されている製品が
挙げられる。
更に、コムギ、トロウモロコシ又はダイズ蛋白質のごとき四級化植物蛋白質も
挙げられる:四級化コムギ蛋白質としては,Croda社から“ハイドロトリチクムW
Q又はQM”(“Hydrotriticum WQ又はQM”)の名称で販売されかつCTFA辞典で“
ココジモニウム ハイドロライズドホエート プロテイン”(“Cocodimonium H
ydrolyzed wheat protein”)命名されているもの、“ハイドロトリチクムQL”
の名称で販売されかつCTFA辞典で“ラウルジモニウム ハイドロライズドホエー
トプロテイン”(“Laurdimonium Hydrolyzed wheat protein”)命名されてい
るもの、又は“ハイドロトリチクムQS”の名称で販売されかつCTFA辞典で“ステ
アルジモニウムハイドロライズドホエートプロテイン”(“Steardimonium Hydr
olyzed wheat protein”)命名されているものが挙げられる。
他の種類のカチオン性重合体はシリコーン化カチオン性重合体である。これら
の重合体としては下記のものが挙げられる:
(a)CTFA辞典で“アモジメチコーン”(“Amodimethicone”)と命名されて
いるかつ式:
(式中、x'及びy'は分子量に応じて変動する整数であり、この分子
量は一般的には約5000〜10,000である)に相当する四級化ポリシロキサン;
(b)式
R′aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR′2-b)m-O-SiG3-a-R′a (III)
[式中、Gは水素原子又はフェニル、OH又はC1-C8アルキル基例えばメチル基であ
り、aは数0又は1〜3の整数、特に0を表し、bは0又は1、特に、1を表し、m及びn
は(n+m)の合計が特に1〜2000、特に、50〜150の間で変動し得るような数であ
る;nは0〜1999、特に、49〜149の数を表すことができ、mは1〜2000、特に、1〜
10の数を表すことができる;R'は式-CqH2qL(qは2〜8に数であり、Lは例えば下
記の基:
から選ばれた、場合により四級化されたアミノ基であり、R″は水素、フェニル
、ベンジル又は一価飽和炭化水素基、例えば、1〜20
は沃素イオンのごときハロゲンイオンを表す)の一価の基である]に相当するシ
リコーン化カチオン性重合体。
上記の式で表される製品は“トリメチルシリルアモジメチコーン”(“trimet
hylsilylamodimethicone”)と呼ばれるかつ式:
(式中、n及びmは前記と同一の意義を有する;式III参照)に相当する重合体で
ある。かかる重合体は例えば特許出願EP-A-95238号に開示されている。
(c)式
(式中、R7は1〜18個の炭素原子を有する一価炭化水素基、特に、C1-C18アルキ
ル又はC2-C18アルケニル基、例えば、メチル基を表し;R8は二価炭化水素基、特
に、C1-C18アルキレン基又はC1-C18、例えばC1-C8アルキレンオキシ基を表し;Q-
はハロゲンイオン、特に塩素イオンであり;rは2〜20、特に、2〜8の平均統計
値を表し;sは20〜200、特に、20〜50の平均統計値を表わす)に相当するシリコ
ーン化カチオン性重合体である。
かかる重合体は特に米国特許4,185,087号に記載されている。
この種類に属する重合体はUnion Carbide社から“ユーカル シリコーンALE 5
6”(“Ucal Silicone ALE 56”)に名称で販売されている。
これらのシリコーン化カチオン性重合体を使用した場合、特に有
利な方法はこれらの重合体とカチオン性及び/又はノニオン性表面活性剤と併用
することである。例えば、Dow Corning社から“エマルジョンカチオニックDC 92
9”(“Emulsion Cationique DC929”)の名称で販売されている製品を使用し得
る;この製品はアモジメチコーンの他に、式:
(式中、R9はタロー脂肪酸から誘導される、14〜22個の炭素原子を有するアルケ
ニル及び/又はアルキル基を表す)に相当する生成物の混合物からなるカチオン
性表面活性剤と、“ノノキシノール10”(“Nonoxynol 10”)の名称で販売され
ている、式:
C9H19-C6H4-(OC2H4)10-OH
で表されるノニオン性表面活性剤とからなる。
本発明に従って使用し得る他の商業的製品はDow Corning社から“ダウ コー
ニングQ2 7224”(“Dow Corning Q2 7224”)の名称で販売されている製品であ
り、これは式(IV)のトリメチルシリルアモジメチコーン、オクトキシノール-4
0(Octoxynol-40)とも呼ばれる、式:
C8H17-C6H4-(OCH2CH2)n-OH (n=40)
のノニオン性表面活性剤、イソラウレス-6(Isolaureth-6)とも呼ばれる、式:
C12H25-(OCH2CH2)n-OH (n=6)
の他のノニオン性表面活性剤及びグリコールの組合せからなる。
本発明において好都合に使用し得る四級化ポリアミン、ポリアミノアミド及び
ポリアンモニウム型の重合体としてはフランス特許2.505,348号又は2,542,997号
に記載されるものが挙げられる。これ
らの重合体としては下記のものが挙げれれる:
(1)四級化又は非四級化ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタク
リレート−ビニルピロリドン共重合体;例えば、GAF社から“ガフクアト”(“G
afquat”)の名称で販売されている製品、例えば、ガフクアト734,755又はHS 10
0、又は、“コポリマー937”(“Copolymer 937”)の名称で販売されている製
品。これらの重合体はフランス特許2.077,143号及び2,393,573号に記載されてい
る。
(2)フランス特許1,492,597号に記載されている第四アンモニウム基を含有す
るセルロースエーテル誘導体、特に、Union Carbide社から“JR”(JR 400、JR
125、JR 30M)又は“LR”(LR40,LR30M)の名称で販売されている重合体。これ
らの重合体はCTFA辞典にトリメチルアンモニウム基により置換されているエポキ
シドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの第四アンモニウムとも定義され
ている。
(3)カチオン性セルロース誘導体、例えば、水溶性第四アンモニウム単量体
をグラフトさせたセルロース共重合体又はセルロース誘導体、特に米国特許4,13
1,576号に記載されているもの、例えば、特に、メタクリロイルエチルトリメチ
ルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム又はジメチ
ルジアリルアンモニウムの塩をグラフトさせたヒドロキシアルキルセルロース、
例えば、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-又はヒドロキシプロピルセルロ
ース。
この定義に相当する商業的製品は、特に、National Starch社から“セルクア
トL 200”(“Celquat L 200”)及び“セルクアトH 100”の名称で販売されて
いる製品である。
(4)特に米国特許3,589,578号及び4,031,307号に記載されているカチオン性
ポリサッカリド、特に、Meyhall社から“ジャガーC.13S”(“Jaguar C.13 S”
)の名称で販売されている製品。
(5)ピペラジニル単位と、場合により酸素、硫黄又は窒素原子の1種又はそ
れ以上により及び/又は芳香族環又は複素環により中断されている直鎖又は分岐
鎖二価アルキレン又はヒドロキシアルキレン基とからなる重合体並びにこれらの
重合体の酸化及び/又は四級化生成物。かかる重合体は特にフランス特許2,162,0
25号及び2,280,361号に記載されている。
(6)特に、酸性化合物とポリアミンとの重縮合により調製された水溶性ポリ
アミノポリアミド。これらのポリアミノポリアミドはエピハロヒドリン、ジエポ
キシド、二無水物、不飽和無水物、ビス-不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビ
ス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン又はアルキルビス-ハライドによ
り、又は、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミ
ンアルキルビス-ハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド又はビス-不飽和誘
導体と反応性の二官能性化合物との反応により得られるオリゴマーにより架橋さ
せ得る;架橋剤は特にポリアミノポリアミドのアミン基1個当り、0.025〜0.35モ
ルの割合で使用される。
これらのポリアミノポリアミドはアルキル化するか、又はこれらが1個又はそ
れ以上の第3アミン官能基を有する場合には四級化し得る。
かかる重合体は特にフランス特許2,252,840号及び2,368,508号に記載されてい
る。
(7)ポリアルキレンポリアミドとポリカルボン酸とを縮合しついで二官能性
薬剤を使用して得られるポリアミノポリアミド。例えば、アルキル基が1〜4個の
炭素原子を有するアルキル基、特にメチル、エチル又はプロピル基である、アジ
ピン酸-ジアルキルアミノヒドロキシアルキル-ジアルキレン-トリアミン重合体
が挙げられる。かかる重合体はフランス特許1,538,3632号に記載されている。
これらの重合体として、特に、Sandoz社から“カルタレチンF,
F4又はF8”(“Cartaretine F,F4又はF8”)の名称で販売されているアジピン酸
-ジメチルアミノヒドロキシプロピル-ジエチレン-トリアミン重合体が挙げられ
る。
(8)2個の第1アミン基と少なくとも1個の第2アミン基を有するポリアルキレ
ンポリアミンと、例えばジグリコール酸から選ばれたジカルボン酸と、3〜8個の
炭素原子を有する飽和脂肪族ジカルボン酸とを、ポリアルキレンポリアミンとジ
カルボン酸のモル比を0.8:1〜1.4:1として反応させついで得られたポリアミノポ
リアミドとエピクロルヒドリンとを、エピクロルヒドリンとポリアミノポリアミ
ドの第2アミン基のモル比を0.5:1〜1.8:1として反応させることにより得られた
重合体。かかる重合体は特に米国特許3,327,615号及び2,961,347号に記載されて
いる。
この種の重合体はHercules社から“ヘルコセット57”(“Hercosett 57”)の
名称で、又は、Hercules社から“PD 170”又は“デルセット101”(“Delsette
101”)の名称で販売されている。
(9)鎖の主構成成分として、式(VI)又は(VI′):
(式中、k及びtは0又は1に等しく、合計k+t=1であり、R12は水素又はメチルを表
し、R10及びR11は、各々、1〜22個の炭素原子を有するアルキル基、アルキル基
が特に1〜5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、アルキル基が特に1〜6
個の炭素原子を有する低
級アミドアルキル基を表し、かつ、R10とR11はこれらが結合している窒素原子と
共にピペリジル又はモルホリニルのごとき複素環基を表し得る)に相当する単位
を有する単独重合体並びに式(VI)又は(VI′)の単位と、アクリルアミド又は
ジアセトンアクリルアミドから誘導される単位とを有する共重合体のごとき環状
重合体;
イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオン、燐酸
イオン等のごときアニオンである。上記した重合体としては“メルクアト100”
(“Merquat 100”)の名称で販売されているジメチルジアリルアンモニウムク
ロライド単独重合体及びMerck社から“メルクアト550”の名称で販売されている
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド-アクリルアミド共重合体が挙げられ
る。
これらの重合体はフランス特許2,080,759号及びその追加特許2,190,406号に記
載されている。
(10)式:
[式中、R13、R14、R15及びR16は、同一であるか又は異なるものであり、かつ、
1〜20個の炭素原子を含有する脂肪族、脂環族又はアリール脂肪族炭化水素又は
低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、又は、、R13とR14及び/又はR15とR1 6
の対は、これらが結合している窒素原子と共に、窒素以外の第2のヘテロ原子を
場合により含有する複素環を形成しているか、又は、R13、R14、R15及びR16はニ
トリル、エステル、アシル又はアミド基により置換されているか
又は基
(式中、R17はアルキレン基であり、Dは第四アンモニウム基である)により置換
されている線状又は分岐鎖C2-C6アルキル基を表し、A2及びB2は2〜20個の炭素原
子を含有するアルキレン基、特にポリメチレン基を表し、このアルキレン基は線
状又は分岐鎖状、飽和又は不飽和であることができ、かつ、主鎖に結合されてい
るか又は主鎖中の挿入されている又は1個又はそれ以上の芳香族環、1個又はそ
れ以上の酸素又は硫黄原子、1個又はそれ以上のSO、SO2、ジスルフィド、アミ
ノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第四アンモニウ
は有機酸から誘導されるアニオンを表す;
A2、R13及びR15は、更に、これらが結合している2個の窒素原子と共にピペラ
ジン環を形成している;更に、A2が飽和又は不飽和、線状又は分岐鎖状アルキレ
ン基又はヒドロキシアルキレン基を表す場合には、R2は基:
-(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)n-
を表し得る;上記の式において、Dは
a)式:
[CH2-CH2-O]X-CH2-CH2-又は
(式中、x及びyは平均の又は一定の重合度を表す1〜4の数を表す)
に相当する線状又は分岐鎖状炭化水素基;
b)ピペラジン残基
のごときビス-第2ジアミン残基;
c)式:
-NH-Y-NH-
(式中、Yは線状又は分岐鎖状二価炭化水素基又は残基
-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-
を表す)のビス-第1ジアミン残基;
d)式:
-NH-CO-NH-
のウレイレン基;
に相当する反復単位を含有する第四ポリアンモニウム重合体。
この種の重合体は特に、フランス特許2,320,330号、2,270,846号、2,316,271
号、2,336,434号及び2,413,907号及び米国特許2,273,780号、3,206,462号、2,37
5,853号、2,388,614号、2,454,547号、2,261,002号、2,271,378号、3,874,870号
、4,001,432号、3,929,990号、3,966,904号、4,005,193号、4,025,617号、4,025
,627号、4,025,653号、4,026,945号及び4,027,020号に記載されている。
(11)式:
[式中、R18、R19、R20及びR21は同一であるか又は異なるものであ
り、かつ、水素原子又はメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、β-
ヒドロキシプロピル又は-CH2CH2(OCH2CH2)POH基(pは数0又は1〜6の整数を表
す)を表す;但し、R18、R19、R20及びR21が同時に水素原子を表すことはないも
のとする;x及びyは同一であるか又は異なるものであり、かつ、1〜6の整数を表
し、mは数0又は1〜34の整数を表し、Xはハロゲン原子を表し、Aは場合によりヘ
テロ原子を含有する二価炭化水素残基、特に、基:
-CH2CH2-O-CH2CH2-
を表す]の単位からなる第四ポリアンモニウム重合体。
かかる化合物は特に欧州特許出願122,324号明細書に記載されている。
(12)アクリル酸又はメタクリル酸から誘導されるかつ単位:
(式中、R24基は各々H又はCH3を表し、A1基は各々、炭素数1〜6個の線状又は分
岐鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4個のヒドロキシアルキル基を表し、R25、R26
及びR27基は同一であるか又は異なるものであり、かつ、各々、炭素原子数1〜
18個のアルキル基又はベンジル基を表し、R22及びR23は水素原子又は炭素数1〜6
個のアルキル基を表し、X2 -はアニオン、例えば、メトサルフェートイオン又は
塩素イオン又は臭素イオンのごときハロゲンイオンを表す)を含有する単独重合
体又は共重合体。
対応する共重合体の調製に使用され得る共単量体はアクリルアミド、メタクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、その窒素原子が低級アルキルにより置換
されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクルル酸
の低級アルキルエステル、ビニルピロリドン又はビニルエステルの類に属するも
のである。
(13)第四ビニルピロリドン及びビニル-イミダゾール重合体、例えば、B.A.S
.F.社からルビクアト(Luviquat)FC 905、FC 550及びFC 370の名称で販売され
ている製品。
本発明において好都合に使用し得る他のカチオン性重合体としてはポリアルキ
レンイミン、特に、ポリエチレンイミン、ビニルピリジン又はビニルピリジニウ
ム単位を含有する重合体、ポリアミンとエピクロルヒドリンの縮合物、第四ポリ
ウレイレン及びキチン誘導体である。
本発明で使用し得るカチオン性重合体としては特に下記の重合体が挙げられる
:
−式:
の単位を含有するかつMiranol社から“ミラポールAD 1”(“Mirapol AD 1”)
の名称で販売されている重合体;
−式:
の単位を含有するかつMiranol社から“ミラポールAZ 1”
(“Mirapol AZ1”)の名称で販売されている重合体;
−Texaco Chemicals社から“ポリマプタック”(“Polymaptac”)の名称で販
売されているポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド);
−フランス特許2,270,846号に記載されているイオネン型の四級化重合体、特
に、単位:
を含有する重合体;
−米国特許4,157,388号に記載されているかつMiranol社から“ミラポールA15
”(“Mirapol A 15”)の名称で販売されている重合体;
−Onyx Internationale社から“オナマーM”(“Onamer M”)の名称で販売さ
れているポリ(ジメチルブテニルアンモニウムクロライド)-α,ω-ビス(トリ
エタノールアンモニウムクロライド)。
本発明により被覆することを意図している有機粒子は、場合により、予め既知
の化学的、電子的及び/又は機械的な表面処理の1種又はそれ以上を行った粒子
であり得る。更に、有機粒子は有機物質で被覆された無機又は有機粒子、例えば
以下に述べるごとき複合粒子でり得る。
本発明に従って被覆することを意図している有機粒子は例えば下記のものから
なる:
−コチニールカーミン
−カーボンブラック
−ハロ酸染料(haloacid dye)のごとき酸性染料、アゾ染料、ア
ントラキノン染料等の有機レーキ又は不溶性ナトリウム、カリウム、カルシウム
、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム又はストロンチウムの塩。特に、これ
らのレーキとしては下記の名称で知られるものが挙げられる:
D&C レッドNo.2 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.3 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.4 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.6 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.6 バリウムレーキ
D&C レッドNo.6 バリウム/ストロンチウムレーキ
D&C レッドNo.6 ストロンチウムレーキ
D&C レッドNo.6 カリウムレーキ
D&C レッドNo.7 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.7 バリウムレーキ
D&C レッドNo.7 カルシウムレーキ
D&C レッドNo.7 カルシウム/ストロンチウムレーキ
D&C レッドNo.7 ジルコニウムレーキ
D&C レッドNo.8 ナトリウムレーキ
D&C レッドNo.9 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.9 バリウムレーキ
D&C レッドNo.9 バリウム/ストロンチウムレーキ
D&C レッドNo.9 ジルコニウムレーキ
D&C レッドNo.10 ナトリウムレーキ
D&C レッドNo.19 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.19 バリウムレーキ
D&C レッドNo.19 ジルコニウムレーキ
D&C レッドNo.21 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.21 ジルコニウムレーキ
D&C レッドNo.27 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.27 バリウムレーキ
D&C レッドNo.27 カルシウムレーキ
D&C レッドNo.27 ジルコニウムレーキ
D&C レッドNo.30 レーキ
D&C レッドNo.31 カルシウムレーキ
D&C レッドNo.33 アルミニウムレーキ
D&C レッドNo.34 カルシウムレーキ
D&C レッドNo.36 レーキ
D&C レッドNo.40 アルミニウムレーキ
D&C ブルーNo.1 アルミニウムレーキ
D&C グリーンNo.3 アルミニウムレーキ
D&C オレンジNo.4 アルミニウムレーキ
D&C オレンジNo.5 アルミニウムレーキ
D&C オレンジNo.5 ジルコニウムレーキ
D&C オレンジNo.10 アルミニウムレーキ
D&C オレンジNo.17 バリウムレーキ
D&C イエローNo.5 アルミニウムレーキ
D&C イエローNo.5 ジルコニウムレーキ
D&C イエローNo.6 アルミニウムレーキ
D&C イエローNo.7 ジルコニウムレーキ
D&C イエローNo.10 アルミニウムレーキ
−天然又は合成供給源から誘導されるかつ(A)少なくとも1種のインドール
化合物の酸化により、又は、(B)メラニン先駆体の酸化
重合又は酵素重合により、又は、(C)メラニンを含有する物質からのメラニン
の抽出により、又は、(D)微生物を培養することにより得られるメラニン顔料
。
(A)メラニン顔料は、第1に、特に、式:
(式中、
−R1及びR3は、各々、水素原子又はC1-C4アルキル基を表す;
−R2は水素原子、C1-C4アルキル基、カルボキシル基又は(C1-C4)アルコキシ
カルボニル基を表す;
−R4〜R7置換基は水素原子、C1-C4アルキル基又は-NHR゜又は-OZ基を表し、R
゜は水素原子又はC2-C4アシル基又はC2-C4ヒドロキシアルキル基を表し、Zは水
素原子、C2-C14アシル基、C1-C4アルキル基又はトリメチルシリル基を表すが、
但し、
−R5は更にハロゲン原子を表し得ること及び
−R4〜R7基の少なくとも1個は-OZ基又は-NHR゜基を表し、R4〜R7基の多くと
も1個は-NHR゜基を表し、R4〜R7基の多くとも2個はOZ基を表し、Zが水素原子を
表す場合には、2個のOH基は5-又は6-位にあること;及び、R4〜R7基の少なくと
も1個は水素原子を表し、これらの基の一つだけが水素原子を表す場合には、R4
〜R7基からの1個の基だけが-NHR゜基又は-OZ基を表し、他の基はC1-C4アルキル
基を表すか又は、適当な場合、R5についてはハロゲン原子を表すことが理解され
る)に相当するインドール化合物及びそのアルカリ金属塩、アルカリ土金属塩、
アンモニウム塩又はアミン塩、並びに塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩及びメタン
スルホン酸塩から選ばれた、
少なくとも1種のインドール化合物の酸化により取得し得る。
式(IX)のインドール化合物は、4-ヒドロキシインドール、5-ヒドロキシイン
ドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-5-
メトキシインドール、4-ヒドロキシ-5-エトキシインドール、2-カルボキシ-5-ヒ
ドロキシインドール、5-ヒドロキシ-6-メトキシインドール、6-ヒドロキシ-7-メ
トキシインドール、5-メトキ-6-シヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシイ
ンドール、N-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシ
インドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、2,3-ジメチル-5,6-ジヒド
ロキシインドール、2-カルボキシ-5,6-ジヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-
5-メチルインドール、2-カルボキシ-6-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシ-N-
メチルインドール、2-エトキシカルボニル-5,6-ジヒドロキシインドール、4-ヒ
ドロキシ-7-メトキシ-2,3-ジメチルインドール、4-ヒドロキシ-5-エトキシ-N-メ
チルインドール、6-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-メチルインドール、6-ヒドロキシ
-5-メトキシ-2,3-ジメチルインドール、6-ヒドロキシ-2-(エトキシカルボニル
)インドール、7-(β-ヒドロキシ)-3-メチルインドール、5-ヒドロキシ-6-メ
トキシ-2,3-ジメチルインドール、5-ヒドロキシ-3-メチルインドール、5-アセト
キシ-6-ヒドロキシインドール、5-ヒドロキシ-2-(エトキシカルボニル)インド
ール、6-ヒドロキシ-2-カルボキシ-5-メチルインドール、6-ヒドロキシ-2-エト
キシカルボニル-5-メトキシインドール、6-(N-β-ヒドロキシエチルアミノ)イ
ンドール、4-アミノインドール、5-アミノインドール、6-アミノインドール、7-
アミノインドール、N-メチル-6-(ヒドロキシエチルアミノ)インドール、6-ア
ミノ-2,3-ジメチルインドール、6-アミノ-2,3,4,5-テトラメチルインドール、6-
アミノ-2,3,4-トリメチルインドール、6-アミノ-2,3,5-トリメチルインドール、
6-アミノ-2,3,6-トリメチルインドール、5,6-ジア
セトキシインドール、5-メトキシ-6-アセトキシインドール、5,6-ジメトキシイ
ンドール、5,6-メチレンジオキシインドール、5,6-トリメチルシリルオキシイン
ドール、5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジベンジルオキシインドールの燐酸
エステル及びこれらの化合物の付加塩から選ばれることが好ましい。
5,6-ジヒドロキシインドールは好ましい化合物の一つである。
式(IX)のインドール化合物の酸化は水性媒体又は水/溶剤媒体中、空気に暴
露して、アルカリ性薬剤及び/又は例えば第二銅イオンのごとき金属酸化触媒の
存在下又は不存在下で行い得る。
反応媒体は水からなることが好ましく、適当な場合には、水と、式(IX)のイ
ンドール化合物を迅速に溶解するように選択された溶剤との混合物からなること
ができる。これらの溶剤としては例えばエチルアルコール、プロピル又はイソプ
ロピルアルコール又は第3ブチルアルコールのごとき低級C1-C4アルコール、エ
チレングリコール又はプロピレングリコールのごときアルキレングリコール、エ
チレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル又はプロピ
レングリコールのモノメチルエーテル又はジプロピレングリコールのモノメチル
エーテルのごときアルキレングリコールのアルキルエーテル及び乳酸メチルが挙
げられる。
酸化は好ましくはアンモニア水のごときアルカリ性薬剤の存在下、又は沃化物
イオンの存在下、過酸化水素を使用しても行い得る;沃化物イオンはアルカリ金
属又はアルカリ土金属沃素物又は沃化アンモニウムの沃化物イオンであることが
好ましい。
酸化は過沃素酸及びその水溶性塩及び誘導体、例えばナトリウム又はカリウム
の過マンガン酸塩及び二クロム酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、フェリシアン化カ
リウム、過硫酸アンモニウム、酸化銀、酸化鉛、塩化第二鉄、亜硝酸ナトリウム
、特にセリウムを包含する稀土類金属の塩及びオルソ-及びパラ-ベンゾキノン、
オルソ-及び
パラ-ベンゾキノンのモノ-又はジ-イミン、1,2-及び1,4-ナフトキノン又は欧州
特許出願EP-A-0,376,776号に記載されるごとき1,2-及び1,4-ナフトキノンのモノ
-又はジー-イミンから選ばれた有機酸化剤を使用して行い得る。好ましい過沃素
酸の塩は過沃素酸ナトリウムである。
pH調節剤により酸化剤を活性化し得る。
酵素酸化も行い得る。
不溶性生成物は濾過、遠心分離、凍結乾燥又は噴霧により単離し得る;ついで
生成物は所望の粒子径を得るために粉砕又は微粉砕する。
(B)メラニン顔料はL-トリオシン、L-ドーパ、カテコール及びその誘導体の
ごときメラニン先駆体の酸化重合又は酵素重合からも生成し得る。
(C)最後に、メラニン顔料はヒトの毛髪又はセピオメラニン(sepiomelanin
)としても知られる頭足類動物(コウイカ、タコ)のスミのごとき天然物質から
メラニンを抽出することにより生成し得る;この場合、顔料は使用する前に粉砕
し、精製する。
(D)メラニン顔料は微生物を培養することにより取得し得る。これらの微生
物はメラニンを自然に生成するか又は遺伝子修飾又は突然変異誘発により生成す
る。これらのメラニンの調製方法は特許出願WO-90 04029号に記載されている。
メラニン顔料は着色又は非着色、層状(lamellar)又は非層状、無機又は有機
粒状充填剤の表面に存在させるかその中に配合し得る。
この場合には、メラニン顔料は前記したごとき式(IX)のインドール化合物の
少なくとも1種を、粒状充填剤との混合物として、本質的に該充填剤に対する非
溶剤である媒体中で室温から約100℃の間で変動させ得る温度で酸化することに
より又は充填剤上でメラニン先駆体を酸化重合させることにより生成させ得る。
この方法で使用される非層状無機粒子は、特に、20マイクロメーター以下の粒
子径を有する不活性無機粒子である。かかる粒子は特に炭酸カルシウム、シリカ
又は酸化チタン粒子である。
無機充填剤上に沈着させたかかる複合メラニン顔料とその調製はフランス特許
出願FR-2,618,069号に記載されている。
同様の方法により、着色無機粒子を使用して複合メラニン顔料を調製し得る。
“着色無機粒子”という用語は化粧料に使用し得る、化粧料用媒体に不溶性の
金属塩の非白色粒子、例えば、カラーインデックスの“無機着色剤”(“Inorga
nic Colouring Matters”)の章に記載されるかつ77000〜77947の番号を有する
ものに使用される;但し、白色顔料及び層状酸化鉄のごとき層状(lamellar for
m)で提供される粒子は除外される。これらの着色無機粒子は単一の顔料又は顔
料の混合物からなることができ、従って、真珠光沢を有する(nacreous)又は干
渉性の(interferential)顔料の形で提供され得る。
着色無機粒子は特に、好ましくは、層状酸化鉄を除く酸化鉄、ウルトラマリン
ブルー(これは複合スルホシリケートである)、酸化クロム、マンガンバイオレ
ット(これはピロ燐酸マンガンアンモニウムである)及びプルシアンブルー(こ
れはフェリシアン化鉄である)から選ばれた非白色粒子である。
着色無機充填剤上に沈着させたかかる複合メラニン顔料は1992年1月16日出願
のフランス特許出願92 0415号に記載されている。
層状粒子は場合により積層された層(laminated layer)の形で提供される無
機又は有機粒子である。これらの層はその厚さが粒子のより大きい寸法(dimens
ion)より小さいことを特徴とする。より大きい寸法と厚さの比は好ましくは2〜
100である。最も大きい寸法は50マイクロメーター以下である。層状充填剤上に
沈着されているかかる複合メラニン顔料とその調製は欧州特許出願467,767号に
記載
されている。
非層状有機粒子は例えば5000〜5,000,000の分子量を有する、架橋網状構造を
有する結晶質又は非晶質、有機又は無機、天然又は合成重合体から選ばれた不溶
性重合体の粒子である。重合体充填剤上の複合メラニン顔料とその調製は欧州特
許出願379,409号に記載されている;
−酸化重合により得られる粒子は式:
(式中、
−R10及びR8は各々、水素原子又はC1-C4アルキル基を表す;
−R9は水素原子、C1-C4アルキル基又はカルボキシル又は(C1-C4)アルコキシカ
ルボニル基を表す;
−R12は水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ(C1-C4)、アミ
ノ又はC1-C10アルキルアミノ基又はハロゲンを表す;
−R11は水素原子又はヒドロキシル、C1-C4アルコキシ又はアミノ基を表す;但し
、R11又はR12基の少なくとも1個はヒドロキシル、アルコキシ又はアミノ基を表
し;また、R11がアミノ基を表す場合には、R12はアルキルアミノ基を表すことが
できないものとする;
−R11及びR12は、また、これらが5-及び6-位にある場合、C1-C2アルキレンジオ
キシ基を表し得るものとする)のインドール化合物及びその塩の少なくとも1種
を有する。
式(X)に相当する化合物は特に、5,6-ジヒドロキシインドリン、6
-ヒドロキシインドリン、5,6-メチレンジオキシインドリン、7-メトキシ-6-ヒド
ロキシインドリン、6,7-ジヒドロキシインドリン、5-ヒドロキシ-4-メトキシイ
ンドリン、4,5-ジヒドロキシインドリン、5-メトキシ-6-ヒドロキシインドリン
、4-ヒドロキシ-5-メトキシインドリン、5-ヒドロキシ-6-メトキシインドリン、
4,7-ジヒドロキシインドリン、6-アミノインドリン、N-エチル-4-ヒドロキシイ
ンドリン、1-エチル-6-アミノインドリン、5,6-ジアミノインドリン、1-メチル-
6-アミノインドリン、2-メチル-6-アミノインドリン、3-メチル-6-アミノインド
リン、2-メチル-5,6-ジアミノインドリン、5-クロロ-7-アミノインドリン、3-メ
チル-5,7-ジアミノインドリン、5,7-ジアミノインドリン、2-メチル-5,7-ジアミ
ノインドリン、7-アミノインドリン、2-メチル-7-アミノインドリン、4-アミノ
インドリン、4-アミノ-6-クロロインドリン、4-アミノ-6-ヨードインドリン、4-
アミノ-5-ブロモインドリン、4-アミノ-5-ヒドロキシインドリン、4-アミノ-7-
ヒドロキシインドリン、4-アミノ-5-メトキシインドリン、4-アミノ-7-メトキシ
インドリン、5-アミノインドリン、2,3-ジメチル-5-アミノインドリン、1-メチ
ル-5-アミノインドリン、2-メチル-5-アミノインドリン、5-[N-(1-メチルヘキシ
ル)アミノ]インドリン、5,6-ジメトキシインドリン及び5,6-ジヒドロキシ-2-カ
ルボキシインドリンから選ばれる。
式(X)の化合物において、C1-C4アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル
、プロピル、イソプロピル、ブチル又はイソブチルを表す;C1-C10基は、好まし
くは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、1-メチ
ルヘキシル、1-メチルヘプチル又は1-メチルオクチルを表す;アルコキシ基は、
好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシを表す;ハロゲンは
、好ましくは、臭素、塩素又は沃素を表す。
式(X)の化合物の塩は特に塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタ
ンスルホン酸塩又はアルカリ金属塩、アルカリ土金属塩、アンモニウム塩又はア
ミン塩である。
−式(X)のインドリン化合物の少なくとも1種及びインドール誘導体の少な
くとも1種の同時酸化により得られる粒子。後者は特に欧州特許EP-A-2,398,826
号及び欧州特許出願EP-A-425,345号及びドイツ特許出願公開GB-A-2,224,754号に
記載されるごときモノ-及びジヒドロキシインドール又はアミノインドールから
選択し得る。
これらのインドールは特に式(IX)に相当する。同時酸化の際に、酸化される
べき誘導体の全モル数に対して50モル%までのインドール誘導体を使用し得る。
酸化条件は前記したメラニン顔料の酸化条件と同一である。
メラニン顔料と全く同様、式(X)のインドリン化合物の少なくとも1種の酸
化重合から得られる生成物は粒状充填剤の表面に存在させるか前記した着色又は
非着色、層状又は非層状、無機又は有機粒状充填剤中に配合い得る。従って、こ
れらは複合顔料である。
無機粒状充填剤は前記で複合メラニン顔料について述べたものである。
非層状有機充填剤は
a)ケラチンから誘導された、場合により変性された重合体;
b)絹フィブロイン;
c)キチンから誘導された、場合により脱アセチル化された重合体;
d)セルロース重合体;
e)(i)場合により架橋されたポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン
、ポリプロピレン又はポリエチレン;
(ii)架橋ポリ-β-アラニン;
(iii)スチレン-ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート-エチレングリコ
ールジメタクリレート又はステアリン酸ビニル-ジビニルベンゼンの架橋重合体
;
(iv)塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体の中空微小球;
(v)ポリアミド12、ポリアミド6又はコポリアミド6/12の多孔質微小球;
(vi)オルガノシロキサンエラストマー、樹脂又はゴムから本質的になるシリ
コーン粉末;から選ばれた合成重合体;
の粒子から選択される。
かかる非層状有機充填剤は特に欧州特許出願379,409号に記載されている。
層状充填剤はL-ラウロイルリシン、場合によりジルコニウム粉末で被覆された
セラミック微小粒子、層状二酸化チタン、層状タルク、硝酸ホウ素、層状雲母、
オキシ塩化ビスマス又は透明赤色酸化鉄から選ばれる。
かかる層状充填剤は特に欧州特許出願467,767号に記載されている。
かかる複合顔料とその調製は1992年1月16日出願のフランス特許出願92-00417
号に記載されている。
本発明の組成物においては、バインダー中に分散させる被覆有機粒子の割合は
組成物の種類に応じて変動する;この割合は考慮している組成物の種類について
慣用的なものである。
粒子を被覆するためには、既知の方法、例えば下記の方法の一つを使用し得る
:
1)重合体に対する良溶剤の一つ中で、重合体の溶液を調製する。被覆すべき
粉末をこの溶液中に激しく攪拌しながら分散させついで溶液中に重合体の沈殿は
生成しないが、最初の濁りが生ずるまで重合体に対する貧溶剤を添加する。つい
で懸濁液を例えば4時間激しく攪拌する。懸濁物を沈降させ、重合体に対する非
溶剤で洗浄しついで減圧下、例えば80℃で乾燥させる。
2)被覆すべき粉末を分散させた重合体の溶液を調製する。この系
を激しく攪拌し、重合体の沈殿を徐々に添加して、粉末の表面に重合体を穏やか
に沈殿させる。混合物を沈降させ、重合体に対する非溶剤で洗浄しついで粉末を
乾燥させる。
3)重合体に対する良溶剤を使用して溶液を調製しついで被覆すべき粉末をこ
の溶液中に分散させる。良溶剤の沸点より高い沸点を有する重合体に対する貧溶
剤を選択し、系の緩慢な蒸発を行わせる。
これによってコアセルベート(coacervate)を形成させ、これにより粉末を徐々
に被覆しついで粉末を乾燥させる。
4)いわゆる、流動空気床(fluidized air bed)法を使用する:重合体の稀薄
溶液を粉末が浮遊しているサイクロン中に熱時に噴霧する。
5)被覆すべき粉末を分散させた重合体の溶液を調製する。この系を激しく攪
拌し、溶剤をゆっくり蒸発させて粉末の表面に重合体を穏やかに沈殿させる。粉
末を沈降させ、重合体に対する非溶剤で洗浄しついで粉末を乾燥させる。
6)噴霧(atomization)による被覆法を使用する。粒子の水中の懸濁液を調製
する;懸濁液を均質にした後、その中に重合体の水溶液を導入する。混合物を2
時間攪拌し、懸濁液を噴霧装置中に噴霧する。
噴霧中、混合物を磁気攪拌することが好ましい。
7)凍結乾燥による被覆法を使用する。重合体を水に溶解しついでこの溶液に
攪拌しながら粒子の水性懸濁液を導入する。混合物を6〜8時間攪拌しついで凍
結乾燥器内に少なくとも18時間放置する。粉末製品を回収し、篩分ける。
本発明の組成物は無水組成物であり得る。無水組成物は特にコンパクトパウダ
ー、キャストパウダー、リップステイック又はマニキュアの形で提供される。
本発明の組成物は油中水型又は水中油型エマルジョンの形でも提供されること
ができ、例えば、ファンデーション又はマスカラとし
て使用し得る。
これらの組成物は慣用的な方法で調製される。
メーキャップ用組成物においては、バインダーは油、油の混合物又は油とワッ
クスの混合物からなる慣用の脂肪質バインダーである。
リップステイックにおいては、バインダーは、同様に、高沸点の(天然又は合
成)ワックス、(合成、無機又は植物性)油及び低沸点の(天然又は合成)ワッ
クスの混合物から一般的になる脂肪質バインダーである。
マニキュアにおいては、バインダーは選択された有機溶剤中の被膜形成性重合
体と可塑剤の溶液からなる。
エマルジョンにおいては、バインダーは油又は油の混合物からなる慣用の詣肪
質バインダーである。
組成物が特にチタン、亜鉛、セリウム又はジルコニウムの酸化物又はその混合
物から選ばれた金属酸化物の微粉砕顔料を含有する場合には、この組成物は皮膚
又は毛髪を紫外線から保護す組成物を構成し得る。
本発明は、更に、バインダー中に固体有機粒子の分散体を含有する化粧料組成
物の調製における、表面が少なくとも1種のカチオン性重合体で被覆されている
有機粒子の使用に関する。この使用においては組成物、及び特に、有機粒子、カ
チオン性重合体並びにバインダーは特に前記したものである。
下記の実施例は本発明を例示するが、本発明はこれにより限定されるものでは
ない。実施例 1:
6.74gのメラニン顔料(5,6-ジヒドロキシインドールをアンモニア性媒体中で
、過酸化水素の存在下、酸化重合して得られたもの)と、50重量%のビニルピロ
リドン単位を含有するビニルピロリドンと硫酸ジメチルで四級化したジメチルア
ミノエチルメタクリレート
との共重合体[活性物質の20%溶液とて販売されている、GAF社の“ガフクアトH
S100”(“Gafquat HS 100”)] 0.675g(活性物質)とを200mlの水中で混合
した。6時間攪拌を行った。
2%(メラニン顔料に基づく重量%)の重合体で被覆された黒色顔料が得られ
た。実施例 2:
10gのD&CレッドNo.7カルシウムレーキ有機顔料と0.9gの四級化コムギ蛋白
質(活性物質の28%溶液とて販売されている、Croda社の“ハイドロトリチクムW
Q”)を500mlの水中で混合し、3時間攪拌を行った。130mlのアセトンを添加し
た。3時間接触させた後、顔料を遠心分離により回収し、洗浄し、再び遠心分離
しついで乾燥した。
2.5%(顔料に基づく重量%)の重合体で被覆された顔料が得られた。組成物実施例 実施例A:
マスカラ
相A
−ステアリン酸 8.0g
−ステアリン酸グリセリル 2.0g
−密ロウ 7.0g
−カルナバロウ 2.55g
−パラフィン 10.2 g
−プロピルパラベン(propylparaben) 0.1g
−被覆メラニン顔料 1.5g
相B
−Amerchol社から“セロサイズOP 4400 M”
(“Cellosize OP 4400 M”)の名称で販売され
ているヒドロキシエチルセルロース 0.5g
−メチルパラベン 0.3g
−水 63.95g
相C
−トリエタノールアミン 3.9g
使用したメラニン顔料は実施例1で述べたものである。調製法
・相Aを80−90℃で溶融させた。
・相Cを上記処方の水の一部と混合し、激しく攪拌しながら相Aに熱時、添加
した。
・ゲルBを熱時に(70℃)に調製し、(A+C)に添加した。
・マスカラを25℃に冷却した。
まつげに良く付着する、滑らかで均一な外観を有するマスカラが得られた。実施例B:
リップグロス(lip gloss)
−ラノリン 23.6g
−ラノリンワックス 2.2g
−流動パラフィン 9.30g
−マイクロクリスタリンワックス 17.70g
−密ロウ 4.29g
−ブチルヒドロキシトルエン 0.15g
−ベヘン酸オクチルグリセリル 9.20g
−ゴマ油 12.80g
−オレイン酸 5.10g
−二酸化チタン 0.25g
−実施例2の被覆顔料 1.00g
−ヒマシ油 全体が100.00gになる量
脂肪相を構成する油とワックスを90℃で溶融させた。顔料を添加
した。混合物を粉砕しついで再度、90℃に加熱した。粉砕した混合物を型に注入
した。実施例C:
クリームブラッシャー(cream blusher)
相A
−流動パラフィン 46.7g
−ワセリン 10.0g
−カルナバロウ 5.0g
−ポリエチレンワックス 5.0g
−防腐剤 0.2g
相B
−酸化鉄 4.3g
−酸化チタン 8.4g
−実施例2の被覆顔料 0.4g
相C
−Atochem社から“オルガゾル”(“Orgasol”)
の名称で販売されているナイロン粉末 10.0g
−チタン化雲母(titanium mica) 10.0g調製法:
相Aを90-95℃の温度で溶融させた。
相Bをこれに添加した。混合物を粉砕して、顔料を良好に分散させた。
最後に、均質なペーストが得られるまで相Cを添加しついで組成物を室温に冷
却した。