JPH08500606A - グルカゴンアンタゴニスト及びグルカゴンアンタゴニストの検出法 - Google Patents

グルカゴンアンタゴニスト及びグルカゴンアンタゴニストの検出法

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JPH08500606A JP6507348A JP50734893A JPH08500606A JP H08500606 A JPH08500606 A JP H08500606A JP 6507348 A JP6507348 A JP 6507348A JP 50734893 A JP50734893 A JP 50734893A JP H08500606 A JPH08500606 A JP H08500606A
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エー. スミス,ロバート
アール. ピゴット,ジェイムス
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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 組換えDNA技術の使用によるグルカゴンアンタゴニスト検出法が提供される。簡単には、適当な宿主細胞内でグルカゴン類似体を発現させた後、その類似体を、未変性グルカゴンの存在で、応答経路に結合したグルカゴンレセプターにさらす。グルカゴン類似体がグルカゴンレセプターに結合することによって生ずる応答経路の刺激の減少量を未変性グルカゴンのみによる応答経路の刺激と比較すれば、グルカゴンアンタゴニストが存在するか否かが分かる。この方法で同定・分離されたグルカゴンアンタゴニストも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 グルカゴンアンタゴニスト及びグルカゴンアンタゴニストの検出法 技術分野 本願発明は、全般的にグルカゴンアンタゴニストの検出法、特に組換えDNA技 術の使用による大量の有力なグルカゴンアンタゴニストの製造及びスクリーニン グ法に関する。 発明の背景 ヒトの糖尿病、即ち、目立った指標として血液中のグルコースレベルが上昇す る病気は、一般にインシュリンレベルが低下し且つグルカゴンレベルが上昇する ことが原因であると考えられている。しかし、非インシュリン依存型糖尿病の高 血糖症は、非肥満及び肥満患者の両方とも、グルカゴン及びインシュリンレベル が上昇するときに現れている。 インシュリンは、急速に血液中のグルコースレベルを低下させることが分かっ ているが、一方、ポリペプチドホルモンで長さにして29個のアミノ酸残基からな るグルカゴンは、肝細胞膜レセプターと結合し、それによってグリコーゲン分解 を起こさせ、結果的にグルコースを生成することにより血液中のグルコースレベ ルを上昇させる一因となる。上昇したグルカゴンレベルはまた、糖新生の実質的 増加にも関係がある。 インシュリンレベルの安定した制御を行うことは困難であるが、インシュリン 依存型糖尿病及びある種の非インシュリン依存型糖尿病の処置は、節制した摂食 と外因性インシュリンの定期的適用を組合わせて行われてきた。グルカゴンアン タゴニストを治療に使用す れば、グリコーゲン分解を阻止し糖尿病患者の血液中のグルコースの低下を助長 するものと考えられている。これらのアンタゴニストは、肝細胞膜のグルカゴン レセプターと結合できるが、アデニル酸シクラーゼの活動を活性化できない。グ ルカゴンの細胞レセプターへの結合は、アデニル酸シクラーゼの活性刺激の引き 金となってサイクリックAMP(cAMP)を生成させ、その結果グリコーゲン分解及び それに付随するグルコースの放出が増大するものと考えられている。イノシトー ル三リン酸におけるグルカゴン刺激増大(小胞体に封鎖されたカルシウム2+放出 の信号として作用)は、Wakelam等(Nature323: 68-71,1986)、Unson等(Peptide s10 : 1171-1177,1989)及びPittnerとFain(Biochem. J. 277: 371-378, 1991)に よって報告されている。 グルカゴンアンタゴニストを開発するための現行法は、固相ペプチド合成を使 った特異的アミノ酸の欠失又は置換による特異的グルカゴン類似体の開発、及び 別のクロマトグラフィー的方法と組合わせた固相合成法によるこれらのグルカゴ ン類似体の高レベル精製に依存してきた。その例として、Unson等(Peptides10: 1171-1178,1989)、AndreuとMerrifield(Eur. J. Biochem.164: 585-590, 1987) 、Gysin等(Biochemistry25:8278-8284, 1986)、Merrifield(米国特許第4,879,2 73号)及びHruby(米国特許第4,430,326号)を参照。しかし、これらの方法は大 多数のグルカゴン類似体の高い処理量のスクリーニングには適していない。 グルカゴン類似体の高純度固相合成に依存しないグルカゴンアンタゴニストの 検出法に対する需要はこの分野にはある。組換えDNA法を使用する本願方法は、 高い処理量のアンタゴニストスクリーニング検定によるスクリーニング用として 非常に多くのグルカゴン類似体を生成することを可能にするものである。 発明の開示 要約すれば、本願発明は、グルカゴンアンタゴニストが存在するか否かを検査 する方法を提供するものである。1局面において、その方法は次の操作からなる :(a)グルカゴン類似体の発現に適した条件下で、グルカゴン類似体の発現を指 示することができ且つ次の操作ができるよう連結された要素:転写プロモーター 、分泌シグナル配列、グルカゴン類似体をコードするDNA配列及び転写ターミネ ーターからなるDNA構造を含有する宿主細胞を増殖させること;(b)DNA配列によ ってコードされたグルカゴン類似体を宿主細胞から分離すること;(c)分離され たグルカゴン類似体を、未変性グルカゴンの存在下で、その経路を通してグルカ ゴン類似体をレセプター及び関連した応答に十分結合させ得る時間内且つ条件下 で、応答経路に連結されたグルカゴンレセプターにさらすこと;及び(d)グルカ ゴン類似体がグルカゴンレセプターに結合することに起因する応答経路の刺激の 減少量を、未変性グルカゴンのみによる応答経路の刺激と比較して検出し、それ からグルカゴンアンタゴニストの存在の有無を決定すること。 関連局面内で、その方法は次の操作からなる:(a)グルカゴン類似体の発現に 適した条件下で、それぞれがグルカゴン類似体の発現を指示することができ且つ 次の操作ができるよう連結された要素:即ち、転写プロモーター、分泌シグナル 配列、グルカゴン類似体をコードするDNA配列及び転写ターミネーターからなるD NA構造を含有する宿主細胞のプールを増殖させること;(b)DNA配列によってコー ドされたグルカゴン類似体を宿主細胞から分離すること;(c)分離されたグルカ ゴン類似体を、未変性グルカゴンの存在下で、その経路を通してグルカゴン類似 体をレセプター及び関連した応答に十分結合させ得る時間内且つ条件下で、応答 経路に連結されたグルカ ゴンレセプターにさらすこと;及び(d)グルカゴン類似体がグルカゴンレセプタ ーに結合することに起因する応答経路の刺激の減少量を、未変性グルカゴンのみ による応答経路の刺激と比較して検出し、それからグルカゴンアンタゴニストの 存在の有無を決定すること。 本願発明の別の局面で、グルカゴンアンタゴニストは、グルカゴンアンタゴニ ストの発現を指示することができ且つ次の操作ができるよう連結された要素:即 ち、転写プロモーター、分泌シグナル配列、グルカゴン類似体をコードする(未 変性グルカゴン内の対応アミノ酸残基とは異なる1つ以上のアミノ酸残基をコー ドする)DNA配列及び転写ターミネーターからなるDNA構造を含有する宿主細胞か ら生成される。 本願発明はまた、位置2にアラニン残基を有する置換グルカゴンから構成され る群から選択される種々のグルカゴンアンタゴニストも提供する。加えて、適当 なグルカゴンアンタゴニストはまた、位置1、3-5、9-11、21、または29でもア ミノ酸の置換がある。また望ましくはグルカゴンアンタゴニストは、des-His1-[ Ala2]グルカゴンからなる群から選択される。特に好ましいのはdes-His1[Ala2.1 1 -Glu21]グルカゴンである。 以上の及び他の局面は、以下の詳細説明及び添付図面を参照すれば明かとなろ う。 図面の簡単な説明 図1は、S.セレビシエ(S.cerevisiae)TPI1プロモーター及びアルファ因子プレ プロ配列のサブクローニングを図解するものである。 図2は、代表的な発現ベクターpBS114を開示する。用いられている略語は、TP I-1(TPI1プロモーター)、α(アルファ因子シグナル配列)、TPI-t(TPI1ター ミネーター)、およびir1(2ミクロ ンプラスミドの逆方向反復1)である。 図3は、配列番号1及び2に対応する未変性グルカゴンコーディング配列を開 示するもので、これはグルカゴン及びdes-His1-グルカゴンオリゴヌクレオチド ライブラリーの合成の基本配列として用いられる。ラインの上の数字はヌクレオ チド配列を指す。 図4は、代表的グルカゴン類似体の存在下におけるグルカゴンの3種類の濃度 についてのラットの肝細胞膜のcAMP応答曲線をコントロール、des-His1-グルカ ゴン及びdes-His1-[Glu9]グルカゴンと比較して示す。 発明の詳細な説明 発明の説明に入る前に、以後に用いるいくつかの用語についての定義を説明す ることは、発明を理解する助けとなろう。 類似体:レセプターのリガンド結合領域によって結合し得る、天然リガンド以 外の分子。その分子は、化学的に合成でき、組換えDNAの方法により作成でき、 又は天然に存在し得るものである。 ここで用いられるグルカゴン類似体は、未変性グルカゴン内の対応アミノ酸残 基とは異なる1つ以上のアミノ酸残基を含有し、且つ、グルカゴンレセプターに 結合できるグルカゴン様ポリペプチドである。これらの差異は、未変性グルカゴ ンに関連したアミノ酸の欠失、添加および/または置換による。未変性グルカゴ ンのアミノ酸のアミノ酸置換により生ずるグルカゴン類似体は、置換グルカゴン の属を形成する。このような置換グルカゴンはまた、未変性グルカゴンに関連し たアミノ酸の欠失もしくは添加から成ってもよい。置換グルカゴンはグルカゴン 類似体であってもよい。 応答経路:応答経路は、常にではないが一般に、細胞膜結合レセプターに直接 連結される外部刺激に応答して活性化される生物化学 的経路である。応答経路は、一般的に、応答細胞系からの細胞外マトリックスの 分泌、ホルモンの分泌、化学走性、分化、もしくは応答細胞の細胞分裂の阻害の ような細胞応答を誘導する。そのような応答経路の1つは、アデニル酸シクラー ゼの応答経路であり、これは細胞膜結合グルカゴンレセプターに連結される。ア デニル酸シクラーゼの応答経路は、グルカゴンをその細胞レセプターに結合し、 それにより細胞間濃度の上昇したサイクリックAMP(cAMP)を生成して誘導する。 アンタゴニスト:レセプターに結合できる分子であって、細胞内の応答経路の 刺激低下を刺激もしくは阻害しないもの。グルカゴンアンタゴニストは、一般的 に、グルカゴンレセプターへのそれらの結合性および細胞応答経路に対するそれ らの非剌激性により同定される。一般に、推定されているグルカゴンアンタゴニ ストは、未変性グルカゴンと化合し、cAMPの生成はアデニル酸シクラーゼの検定 により検定される。グルカゴンアンタゴニストは、未変性グルカゴンだけと比べ てcAMPの生成に関する刺激を減ずる前述の分子として同定される。 DNA構造:DNA分子、又はそうした分子の分枝系であって、人間の介在で結合DN Aのセグメントを含むよう変更され、全体としてそれと違っては自然界に存在し ないような様式で並べられた1本鎖又は2本鎖である。 DNA構造には、分泌を指示するのに必要な情報、及び好ましくは対象のポリペ プチドをコードするDNA配列の発現が含まれる。発現ベクターとして知られてい るそのようなDNA構造は、一般に、プロモーター、エンハンサー及び転写ターミ ネーターを含むであろう。ポリペプチドの分泌を行うのに必要な情報を含んでい るDNA構造には、少なくとも1つの分泌シグナル配列も包含される。 分泌シグナル配列:分泌ペプチドをコードするDNA配列。分泌ペプチドは、1 つの細胞からの成熟ポリペプチド及びタンパク質の分泌を指示する働きをするア ミノ酸配列である。分泌ペプチドは、疎水性アミノ酸のコアで特性付けられ、典 型的には(専らではないが)新たに合成されたタンパク質のアミノ末端で見られ るものである。非常にしばしば、分泌ペプチドは、分泌中に成熟タンパク質から 開裂される。そのような分泌ペプチドには、それが分泌経路を通過する際、シグ ナルペプチドの成熟タンパク質からの開裂を可能にするプロセッシング部位が含 まれる。プロセッシング部位は、シグナルペプチド内でコードすることができ、 もしくは、例えば、生体外の突然変異誘発によってシグナルペプチドに付加する ことができる。ある種の分泌ペプチドは、ポリペプチド及びタンパク質の分泌を 指示するのに合わせて用いられる。他の分泌ペプチドと組合わせて用い得るそう した分泌ペプチドの1つは、酵母のバリヤータンパク質の第三領域である。 上に指摘の通り、本願発明の目的は、組換え法及び宿主細胞を使ってグルカゴ ンアンタゴニストを検出するための改良方法を提供することにある。本願発明は 、転換された(transformed)即ち形質転換された(transfected)宿主細胞からグル カゴン類似体を生成する技術を提供する。その類似体は、未変性グルカゴンの存 在で、応答経路に連結されたグルカゴンレセプターにさらされる。未変性グルカ ゴンだけを使って得られた刺激と比較して応答経路の刺激が低くければ、グルカ ゴンアンタゴニストの存在していることが示される。本願発明の範囲で、応答経 路の刺激の減少は、下記により詳細に議論するように、des-His1-グルカゴンに 関連した減少と等しいかもしくはそれより大きいことが望ましい。本願発明によ って生成されたグルカゴン類似体は、高い処理量のアンタゴニストのふるい分け でスクリーニングしてよい。組換えDNA法を使うことにより、本願発明はまた、 そうした高い処理量のスクリーン以内のグルカゴン類似体のプールをスクリーニ ングしてグルカゴンアンタゴニストを識別する方法も提供する。本願発明はまた 、組換え宿主細胞の使用によってグルカゴンアンタゴニストを生成する方法も提 供する。 本願発明は、グルカゴン類似体をコードするDNA配列のプールを使って大量の グルカゴン類似体を作製する方法を提供する。グルカゴンコード配列は、標準技 法を使って合成的に作製でき、又は、例えば、下記の研究者によって説明されて いるような標準的クローニング法を使って、膵臓細胞からクローン化してよい: Maniatis等、(Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N Y,1982;参考としてここに引用)又はSambrook等(Molecular Cloning: A Laborat ory Manual,第2版 、Cold Spring Harbor,NY,1989;参考としてここに引用)。グ ルカゴンのcDNAは、たとえば、下記の研究者によって分離されている:Lund 等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA79:345-349,1982)、Bell等(Nature302 :716-718,198 3)、Lopez等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA80:5485-5489,1983)、Bell等(Nature304: 368-371,1983)及びHeinrich等(J.Biol.Chem.259:14082-14087,1984)。グルカゴ ン類似体をコードするDNA配列のプールは、グルカゴンをコードするDNA配列の飽 和突然変異誘発によって(例えば、Little(Gene88: 113-115,1990)又はHermes等 (Gene88: 143-151,1989)によって説明された方法を使って)もしくはセグメント 指定突然変異誘発によって(例えば、Shortle等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA77: 5 375-5379,1980に説明されているように)生成することができる。あるいは、グ ルカゴン類似体のプールは、例えば、LiaoとWise(Gene88:107-111,1990)によっ て記述された強制ヌクレヲチド取込み違いによって生成できる。 簡単に言えば、LiaoとWiseは、ランダムポイントの突然変異を、デオキシヌクレ オシド三リン酸の強制取込み違いを通して逆転写酵素か突然変異体T7 DNAポリメ ラーゼの何れかによりクローン化DNAフラグメントに誘導する方法を述べている 。特異的プライマー及び限定量の非突然変異原性のヌクレオシド三リン酸との組 合わせで、校正活性を欠如しているこれら2つのポリメラーゼは、感作配列に間 違ったヌクレオチドを取込むことになり、そして与えられた配列に広範囲のラン ダム突然変異をもたらす。好ましくは、グルカゴン類似体をコードするDNA配列 のプールは、例えば、Hutchinson等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA83:710-714,1986) によって言及された方法を使って、ランダムに突然変異したオリゴヌクレオチド を合成することにより作製される。好ましくは、グルカゴン類似体をコードする オリゴヌクレオチドは合成されて、グルカゴン類似体コード配列が接着性末端に よって防御されるようなハイブリッド形成に関するアダプターを形成する。分泌 シグナル配列及びグルカゴンコーディング配列をコードする配列のインフレイム (in-frame)融合を可能にする架橋領域をコードする配列を追加するのは、特に望 ましい。また、(成熟グルカゴンの最初のアミノ酸残基に対応するコドンを欠い ている)des-His1-グルカゴン類似体をコードするDNA配列を合成するのは、特に 望ましいことであろう。グルカゴン類似体をコードするDNA配列は、好ましくは 、通常、低レベルの塩基A、G、C、及びTに対応する純粋なホスホルアミダイト と他の塩基のそれぞれを含む試薬びんを交差混入することによるオリゴヌクレオ チド・シンセサイザで合成される。試薬びんの交差混入は、好ましくは0.8%と2% の間の、特に好ましくは1%の交差混入に応じて.01%と14%の間の間違った各塩基 を加えることにより行ってよい。単一の非突然変異残基からオリゴヌクレオチド を合成するのは、特に望ま しい。間違った各塩基との1%交差混入は、理論的に、分子当たり約2.5の塩基変 化を来すであろう。 グルカゴン類似体をコードするオリゴヌクレオチドは、突然変異を誘発したか 誘発しない、未変性かdes-His1-グルカゴンかをコードするオリゴヌクレオチド でアニールされる。グルカゴン類似体又はdes-His1-グルカゴン類似体をコード するアニールされたオリゴヌクレオチドアダプターのプールは、形質転換又は転 換によって適当な真核宿主細胞に引き続き導入される適当な発現ベクターに挿入 することができる。本願発明の実施に際して用いられる発現ベクターは、クロー ン化DNAの転写を指示できるプロモーターと転写ターミネーターを含むであろう 。 本願発明のタンパク質を宿主細胞の分泌経路に向けるために、少なくとも1つ の分泌シグナル配列は、対象のDNA配列に操作できるよう連結される。好ましい 分泌シグナルには、グルカゴン分泌シグナル(プレープロ配列)、アルファ因子 シグナル配列(プレープロ配列;KurjanとHerskowitz,Cell30: 933-943,1982; Kurjan等、米国特許第4,546,082号;Brake,EP 116,201)、PH05シグナル配列( Beck等、WO 86/00637)、BAR1分泌シグナル配列(MacKay等、米国特許第4,613,572 号;MacKay,WO 87/002670)、SUC2シグナル配列(Carlson等、Mol.Cell.Biol.3: 439-447,1983)、α−1−抗トリプシン・シグナル配列(Kurachi等、Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA78 :6826-6830,1981)、α−2−プラスミン阻害剤シグナル配列(Tone等 、J.Biochem.(Tokyo)102:1033-1042,1987)、組織プラスミノーゲン活性化因子シ グナル配列(Pennica等、Nature301:214-221,1983)、E.coliPhoAシグナル配列(Yu an等、J.Biol.Chem.265:13528-13552,1990)または、例えば、Oliver(Ann.Rev.Mi crobiol.39 :615-649,1985)によって調査されたバクテリアシグ ナル配列の何れかが含まれる。あるいは、分泌シグナル配列は、例von Heinje(E ur.J.Biochem.133 :17-21,1983; Jmol. Biol.184:99-105,1985;Nuc.Acids Res.14 :4683-4690,1986)によって確立された方式に従って合成してよい。 分泌シグナル配列は、単一で又は組合わせで使ってよい。例えば、最初の分泌 シグナル配列は、単一で又はバリヤー(Barrier)の第3領域をコードする配列と 組合わせて使ってよい(共出願中の通常指定米国特許出願連続番号07/270,933に 記載されており、その全部を参考としてここに引用)。バリヤーの第3領域は、 対象としているDNA配列の適当な読み枠3'もしくはDNA配列に対する5'に、及び分 泌シグナル配列とDNA配列の両方に関する適当な読み枠に位置してよい。 本願発明実施に際し使用される宿主細胞には、哺乳動物、トリ、植物、昆虫、 バクテリア及び菌類の細胞が含まれる。酵母種(例えば、サッカロミセス(Sacch aromyces)spp.、シゾサツカロミセス(Schizosaccharomyces)spp.)又は糸状菌の 種(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)spp.、ニューロスポラ(Neurospora)s pp.)を含む菌類の細胞は、本願発明の範囲で宿主細胞として用いてよい。酵母 のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の菌株は特に望まし いものである。 本願発明に使用される適当な酵母のベクターは、YRp7(Struhl等、Proc. Natl. Acad. Sci.USA 76 :1035-1039, 1978)、YEp13(Broach等、Gene8:121-133,1979)、 POTベクター(Kawasaki等、米国特許第4,931,373,ここに参考として引用)、pJD B249とpJDB219(Beggs,Nature275:104-108, 1978)及びその誘導体がある。その ようなベクターは、一般的に、選択可能な遺伝標識を包含し、それは、形質転換 細胞を選択できるように優性表現型(そのために表現型検定が ある)を表示する任意の数の遺伝子でよい。好ましい選択可能遺伝標識は、宿主 細胞の栄養要求性を補足し、抗生物質耐性を与え、又は細胞に特異的炭素源を利 用できるようにするものであって、LEU2(Broach等、同書)、URA3(Botstein等 、Gene8:17, 1979)、HIS3(Struhl等、同書)またはPOT1(Kawasaki等、同書) がある。他の適当な選択可能遺伝標識は、CAT遺伝子であり、これは酵母細胞に 対してクロラムフェニコール耐性を与える。 酵母に使用できる好ましいプロモーターには、酵母解糖遺伝子由来のプロモー ター(Hitzeman等、J.Biol.Chem.255:12073-12080,1980; AlberとKawasaki,J.Mo l.Appl.Genet.1 :419-434,1982;Kawasaki、米国特許第4,599,311号)又はアルコ ール脱水素酵素遺伝子(Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals ,Hollaender等、(編集)中のYoung等、p.355, Plenum,New York,1982; Ammerer 、Meth.Enzymol.101:192-201,1983)がある。これに関連して、特に好ましいプロ モーターは、TPI1プロモーター(Kawasaki、米国特許第4,599,311,1986)及びAD H2-4cプロモーター(Russell等、Nature304:652-654, 1983; Irani とKilgore、 米国特許出願Ser.No.183,130、これらは参考としてここに引用)。発現ユニット にも転写ターミネーターを含んでよい。好ましい転写ターミネーターはTPI1ター ミネーター(AlberとKawasaki同書)である。 酵母に加えて、本願発明のタンパク質は、糸状菌、例えば、菌アスペルギルス (McKnight等、米国特許第4,935,349、参考としてここに引用)の菌株で発現する ことができる。有用なプロモーターの例としては、アスペルギルス・ニドウラン (Aspergillus nidulans)の解糖遺伝子から誘導されるもの、例えばADH3プロモ ーター(McKnight等、EMBO J.4:2093-2099, 1985)及びtpiAプロモーターがある。 適当なターミネーターの例は、ADH3ターミネーター(McKnight等、同書、1985)。 前述の成分を利用する発現ユニットは、ベクターにクローン化され、それらは スペルギルス の染色体のDNAに挿入することができる。 菌類を転換する技法は文献で公知であり、例えば、Beggs(同書)、Hinnen等 (Proc.Natl.Acad.Sci.USA75:1929-1933,1978)、Yelton等(Proc.Natl.Acad.Sci .USA 81:1740-1747,1984)、及びRussell(Nature301:167-169,1983)によって報告 されている。その宿主細胞の遺伝子型は、発現ベクター上にある選択可能遺伝標 識によって補足される遺伝的欠陥を包含している。特定の宿主及び選択可能遺伝 標識の選択法は、通常の技術レベルをもつ当業者に周知である。異型タンパク質 の作製を最適化するため、宿主菌株が、酵母pep4突然変異遺伝子(Jones,Genetic s85 :23-33,1977)のような突然変異遺伝子を担っていることが好ましく、これに よってタンパク質分解活性が低下することになる。 菌類細胞に加えて、培養した哺乳動物の細胞を本願発明の範囲で宿主細胞とし て使用してよい。本願発明に使用される好ましい培養した哺乳動物の細胞には、 COS-1(ATCC CRL 1650)、BHK、及び293(ATCC CRL 1573; Graham等、J.Gen.Virol. 36 :59-72,1977)の細胞系がある。好ましいBHK細胞系は、BHK 570細胞系(受理番 号CRL 10314でAmerican Type Culture Collectionに保管)である。更に、その 他多くの哺乳動物の細胞系は本願発明の範囲で使用でき、それらには次のものが 含まれる:ラットHep I(ATCC CRL 1600)、ラットHep II(ATCC CRL 1548)、TCMK( ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC CCL 75.1)、ヒト肝がん(ATCC HTB-52)、Hep G2(AT CC HB8065)、マウス肝臓(ATCC CCL 29.1)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)及びDUKX細 胞(UrlaubとChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77: 4216-4220,1980)。 本願発明を実施する際に使用される哺乳動物の発現ベクターは、クローン化遺 伝子又はcDNAの転写を指示できるプロモーターを含むことになろう。好ましいプ ロモーターには、ウイルスプロモーターと細胞プロモーターがある。ウイルスプ ロモーターは、即時型(immediate early)サイトメガロウイルスプロモーター(Bo shart等、Cell41:521-530,1985)及びSV40プロモーター(Subramani等、Mol.Cell. Biol.1 :854-864,1981)がある。細胞プロモーターは、マウスのメタロチオネイン (metallothionein)-1プロモーター(Palmiter等、米国特許第4,579,821号)、マウ スVkプロモーター(Bergman等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:7041-7045,1983;Gran t等、Nuc.Acids Res.15:5496,1987)及びマウスVHプロモーター(Loh等、Cell33:8 5-93,1983)がある。特に好ましいプロモーターは、アデノウイルス2由来の主要 後期(major late)プロモーターである(KaufmanとSharp、Mol.Cell.Biol.2:1304- 13199,1982)。前述の発現ベクターはまた、プロモーターから下流の且つ対象と するペプチドもしくはタンパク質をコードするDNA配列から上流の位置に1組のR NAスプライス部位を含んでいてもよい。好ましいRNAスプライス部位は、アデノ ウイルス及び/または免疫グロブリンの遺伝子から得ることができる。また、発 現ベクターに含まれているものとしては、対象のコーディング配列の下流に位置 するポリアデニル化シグナルがある。適当なポリアデニル化シグナルには、SV40 由来の初期もしくは後期のポリアデニル化シグナル(KaufmanとSharp、同書)、 アデノウイルス5 E1B領域からのポリアデニル化シグナル及びヒトの成長ホルモ ンの遺伝子ターミネーターがある(DeNoto等、Nuc.Acids Res.9:3719-3730,1981) 。発現べクターは、プロモーターとRNAスプライス部位との間に配置されたアデ ノウイルス2三部分リーダーのような非コーディングウイルスリーダーの配列を 含んでよい。好ましいベクターはまた、SV40エンハンサー及びマウスμエンハン サー(Gillies,Cell 33:717-728, 1983)のようなエンハンサー配列を有してもよ い。発現ベクターはまた、アデノウイルスVA RNAsをコードする配列を含んでも よい。 クローン化DNA配列は、例えば、リン酸カルシウムー仲介転換(Wigler等、Cell 14 :725,1978; CorsaroとPearson、SomaticCell Genetics 7:603, 981; Grahamと Van der Eb、Virology52:456,1973)によって、培養した哺乳動物細胞に導入して よい。クローン化DNA配列を哺乳動物細胞に導入する別法、例えば、エレクトロ ポレーション(Neumann等、EMBO J.1:841-845, 1982)、を用いてもよい。クロー ン化DNAを組込んだ細胞を識別するために、般には、選択可能遺伝標識を対象の 遺伝子又はcDNAと一緒に細胞に導入する。培養した哺乳動物細胞に使える好まし い選択可能遺伝標識には、薬品に対する耐性を与える、例えば、ネオマイシン、 ハイグロマイシン及びメトトレキセートのような遺伝子がある。選択可能遺伝標 識は、拡大可能の選択可能遺伝標識であってよい。好ましい拡大可能の選択可能 遺伝標識は、DHFR遺伝子である。選択可能遺伝標識はThilly(哺乳動物細胞 技術、Butterworth出版社、Stoneham,MA、参考としてここに引用)によって言及 されている。選択可能遺伝標識の選択法は、当業者に周知のものである。 選択可能遺伝標識は対象の遺伝子と同時間に別々のプラスミド上の細胞に導入 してよく、又はそれらを同一のプラスミドに導入してよい。同一のプラスミドの 場合、選択可能遺伝標識と対象とする遺伝子は、別々のプロモーターか又はその 配置がジシストロンメッセージを作り出す同一プロモーターの制御下にあってよ い。この種の構造は公知である(例えば、LevinsonとSimonsen、米国特許第 4,713,339号)。細胞に導入される混合物に”担体DNA”として知られている追加 DNAを加えることも有効であろう。 形質転換された哺乳動物の細胞を、典型的には1-2日の期間、増殖させると対 象とする1つ又は複数のDNA配列を発現し始める。ついで、安定な形で選択可能 遺伝標識を発現している細胞が成長できるよう薬剤選択が行われる。拡大可能の 選択可能遺伝標識で形質転換された細胞に対しては、薬剤濃度は、段階的に増加 して、クローン化配列のコピー数が増えるよう選択してよく、そうすることによ り発現レベルが上昇する。 本願発明を実施する際に用いられる好ましい原核宿主細胞は、バチルス(Bacil lus)及び他の遺伝子も使えるが、バクテリアの大腸菌(Escherichia coli)の菌株 である。これらの宿主を転換し、そこでクローン化された外来DNA配列を発現す る技術は公知である(例えば、Maniatis等、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory,1982;これは参考としてここに引用、又 はSambrook等、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor,NY,1989;これは参考としてここに引用)。バクテリアの宿主の クローン化DNA配列を発現するために用いられるベクターには、一般的に、抗生 物質耐性の遺伝子のような選択可能遺伝標識、及び宿主細胞で機能するプロモー ターが含まれよう。適当なプロモーターには、trp(NicholsとYanofsky、Meth.En zymol.101 :155-164,1983)、lac(Casadaban等、J.Bacteriol.143:971-980,1980) 、及びファージλ(Queen,J.Mol.Appl.Genet.2:1-10,1983)プロモーター系がある 。バクテリアを転換するのに有用なプラスミドは、pBR322(Bolivar等、Gene2:95 -113,1977)、pUCプラスミド(Messing,Meth.Enzymol.101:20-78,1983; VieiraとM essing,Gene19:259-268,1982)、pCQV2(Queen, 同書)、及びその誘導体がある。プラスミドは、ウイルスとバクテリアの両方の 要素を含んでよい。 ここに教示されるように、プロモーター、ターミネーター及び本願発明のグル カゴン類似体をコードする発現ベクターを植物、トリ及び昆虫の細胞に導入する 方法は、当業者にとって明白であろう。例えば、昆虫の細胞の異型DNA配列を発 現するベクターとして、バクロウイルスを使用することは、Atkinson等(Pestic. Sci.28 :215-224,1990)によって調査されている。植物細胞の遺伝子を発現するベ クターとしてのアグロバクテリウム・リゾヂン(Agrobacteriumrhizogenes)の使 用は、Sinkar等(J.Biosci.(Bangalore)11:47-58,1987)によって調査されている 。 ついで、本願発明のDNA構造を含有する宿主細胞を増殖させ、本願発明のグル カゴン類似体を作成する。その細胞は、標準的方法により哺乳動物又は菌類の宿 主細胞の増殖に必要な栄養素を含有している増殖培地で増殖させる。適当な種々 の培地は公知であり、一般に、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン、ミネ ラル及び成長因子を含有する。増殖培地は、一般的に、例えば、薬剤選択又は必 須栄養素の欠失によりDNA構造を含んでいる細胞を選択し、これはDNA構造上の選 択可能遺伝標識によって補足されるか又はDNA構造で共形質転換される。 例えば、酵母細胞に関する適当な成長条件は、化学的に規定された窒素源から 成る培地での培養を含み、それは、4℃〜37℃間の、特に好ましくは30℃の温度 の、非アミノ酸窒素源又は酵母抽出物、無機塩、ビタミン及び必須アミノ酸補足 物であってよい。培地のpHは、好ましくは、2より大きく且つ8より小さいpHに 、より好ましくはpH5-6に保持する。安定したpHを保持する方法としては、好ま しくは、水酸化ナトリウム溶液を付加することによる緩衝処理と一 定pHの制御がある。好ましい緩衝処理用薬品には、コハク酸及びビスートリス(S igma Chemical Co.,St.Louis,MO)がある。アスパラギンー接合糖鎖形成に要求さ れる遺伝子に欠陥を有する酵母細胞は、好ましくは、浸透性安定剤を含有する培 地で成長させる。好ましい浸透性安定剤は、0.1 M〜1.5 M間の、好ましくは0.5 Mもしくは1.0 Mの濃度で培地に補足されるソルビトールである。培養哺乳動物の 細胞は、一般的に、市販の血清含有の又は血清を含まない培地で培養する。用い られている特定細胞系と適当な成長条件とに適する培地の選択は、公知のレベル の範囲内で行われる。 次いで、グルカゴン類似体を発現する個々の形質転換細胞をここに議論されて いるようにクローン化するか又はプールしてよい。サッカロミセス・セレビシエ の形質転換細胞の場合、個々の形質転換細胞を無菌の小ようじを使って選択され た培地上へ取り出してよい。培養哺乳動物細胞の形質転換細胞の場合、個々の形 質転換細胞は、多重ウエル培養板へ円筒クローニングにより分離してよい。これ らの検定は、一般に、次の操作からなる:(a)グルカゴン類似体の発現に適した 条件下で、グルカゴン類似体の発現を指示することのできるDNA構造を含有する 宿主細胞を増殖させること。ここでその構造は操作ができるよう連結された次の 要素からなる:転写プロモーター、分泌シグナル配列、グルカゴン類似体をコー ドするDNA配列及び転写ターミネーター;(b)DNA配列によってコードされたグル カゴン類似体を宿主細胞から分離すること;(c)分離されたグルカゴン類似体を 、未変性グルカゴンの存在で、その経路を通してグルカゴン類似体をレセプター 及び関連した応答に十分結合させ得る時間内で且つ条件下で、応答経路に連結さ れたグルカゴンレセプターにさらすこと;(d)グルカゴン類似体がグルカゴンレ セプターに結合することに起因する応答経路の刺激の減少量を、未変性グルカゴ ン による応答経路の刺激と比較して検出し、それからグルカゴンアンタゴニストの 存在の有無を決定すること。グルカゴン類似体をそのレセプターに結合させるの に十分な条件と時間は、そのレセプター源によって変化する;しかし、結合に適 する条件は、一般的には、5〜9間の、好ましくは6.8〜8間のpHの範囲内で、 0〜2 M NaClの、好ましくは0〜0.9 M NaClの、特に好ましくは0.1 M NaClの緩 衝液で、4℃〜55℃間の温度になろう。結合と応答に要する十分な時間は、一般 的に、露出後5〜15分の間、特に好ましくは12分であろう。 上述の通り、アンタゴニストは、未変性分子の細胞レセプターに結合できるが 、応答経路を刺激できないか又は応答経路の刺激の低下を示すかのどちらかであ る。適当な細胞応答経路は、アデニル酸シクラーゼの応答経路及びイノシトール リン酸の応答経路を含む。アデニル酸シクラーゼ活性の検定は、例えば、Lin等 (Biochemistry14:1559-1563,1975;その全体を参考としてここに引用)により説 明されている。イノシトール三リン酸経路を経由する生物学的応答は、sebersと Nathanson(J.Mol.Cell.Cardiol.20:131-140,1988;その全体を参考としてここに 引用)もしくはPittnerとFain(同書,;その全体を参考としてここに引用)の論 文に全般的に説明されているように、イノシトールリン酸代謝を測定することに より、又は、Grynkiewicz等(J.Biol.Chem.260:3440-3450,1985;その全体を参考 としてここに引用)により概説されているように、細胞間のカルシウム濃度を測 定することにより検定できよう。1つの具体例では、グルカゴンアンタゴニスト は、一般には、細胞のグルカゴンレセプターへのそれらの結合性およびアデニル 酸シクラーゼ活性の経路に対するそれらの非刺激性によって同定されている。グ ルカゴンレセプターは、犬、豚、ヒト及びラットを含む多くの種の多くの 組織で、例えば、肝臓、腎臓、心筋及び脂肪組織で報告されている。アデニル酸 シクラーゼ活性の検定は、例えば、Lin等(Biochemistryl4:1559-1563,1975)によ り説明されている方法を使って実施してよい。これらの方法は、未変性グルカゴ ンと比較して、cAMP生成の刺激レベルを測定するもので、一般的に、グルカゴン レセプターを含有する組織からの細胞膜の標本を、ATPの存在下で、グルカゴン とグルカゴン類似体の混合物にさらすことが含まれる。アデニル酸シクラーゼ活 性の検定には、グルカゴンレセプターを含有する他の組織を用いてもよいが、一 般には、ラット肝臓からの細胞膜の標本を用いる。細胞膜は、Neville(Biochim. Biophys Acta 154: 540-552,1968)によって説明され、Pohl (Methods in Recepto r Research ,Ed.Blecher,M.,New York,pp 160-164,1976)によって改良された方法 を使って作製できる。簡単に説明すれば、若い雌のSprague-Dawleyのラットを肝 細胞膜の標本として用いたが、他のラボの菌株でもよい。60〜100グラムのラッ ト肝臓を先ず組織を細かく刻むバッチ処理を施して約3-6mmの試験片にする。刻 んだ組織を約300g/lの濃度で氷冷却の1mM重炭酸ナトリウムに懸濁する。懸濁液 を組織ホモジナイザーで(乳棒の弱い8ストロークを加えて)バッチ処理する。 ホモジネートをさらに氷冷却の1mM重炭酸ナトリウムと混合して最終的濃度約40 -80 g/lを得る。希釈したホモジネートを少なくとも3分間撹拌し、それに続い て2重層の綿布を通して濾過する。濾液を4重層の綿布を通して再濾過し、遠心 分離びんに移して4℃-30分間、1500 x gで遠心分離する。 遠心分離後、上澄みを注意深く静かに他に移して残りを捨て、そのペレットを 清浄な組織ホモジナイザーで(乳棒の弱い3ストロークを加えて)残りの上澄み 液に徐々に再懸濁する。再懸濁の上澄み液の容積は、最終濃度44%スクロースで 全体で165mlにする。十分 混合した後、スクロースの濃度を屈折計で測定し、69%スクロースか水の何れか で43.9%〜44.1%間のスクロース(1.4076〜1.4080間の屈折率に相当)になるよう 調節する。調節された懸濁液を6本の1”x 3.5”の硝酸セルロース管に分け、 その管に42.2%〜42.4%間のスクロース(1.4042〜1.4046間の屈折率に相当)にな るよう調節した新たなスクロース液を重ねて充填し均衡させる。その試料を、使 用管に適合する25,000rpmのスウイングバケット超遠心機ロータ(例えば、Beckm an SW28又はSW25.2; Beckman Instruments, Inc.,Fullerton,CA)で4℃-150分間 遠心分離する。 精製細胞膜は管の上面メニスカスに層として浮上するのでこれをスプン様スパ チュラですくうか又は18-ゲージ針を通してスポイトに吸取って移し回収する。 その細胞膜を10mlの1mM重炭酸塩に18-ゲージ針又は20-ゲージ針を通して10-25m lスポイトに吸上げ・吐出して再懸濁する。再懸濁に続いて、細胞膜を60-80mlの 1mM重炭酸塩を加えて洗浄し、高速遠心分離で15,000rpmの遠心分離を行う。上 澄みを捨て、ペレットを1mM重炭酸塩に再懸濁し、プールして約5-10mlの濃縮 肝細胞膜を得る。細胞膜の標本を1分画とり、6ヶ月以内の間-80℃に冷凍して 保存する。 細胞膜の標本のタンパク質濃度は、10-20μlの細胞膜標本を1 M NaCl、0,17 Mリン酸ナトリウム(pH 7.0)緩衝液に100倍に希釈して測定する。緩衝液と比較し てこの溶液の吸光度を、1-cm石英セル中、UV分光光度計で224nm及び236.5nmの波 長で測定。タンパク質濃度は、式: A224nm-A236.5=(mg/mlタンパク質)(6.45)(100) によって計算する。 アデニル酸シクラーゼ活性の検定は、先ず、溶液A、溶液B、l00xグルカゴン ストック、及びストップミックス(Stop Mix)を作製 して実施する。溶液Aは、pH7.4〜7.8間で50mM〜200mM間のトリスHCl、20mM〜10 0mM間のMgCl2、及び0.2%〜0.4%間のウシの血清アルブミン(BSA)を含有する。2 〜8 mg/mlのクレアチンホスホキナーゼ(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を付 加するのは望ましい。最も好ましくは、溶液Aは、100mMトリスHCl pH 7.6、20m MのMgCl2、0.4%BSA、4 mg/mlのクレアチンホスホキナーゼを含有する。溶液Bは 、0.4及び20mMのATP、1.6μM〜25mM間のGTP、0〜4mMのイソブチル−1−メチル −キサンチン(IBMX)及び2〜8mM間のEDTAを含有する。60〜240mM間のクレアチン リン酸(Sigma Chemical Co.)を付加するのは望ましい。最も好ましい溶液Bは、 4mM ATP、20μM GTP、4mM IBMX、4mM EDTA、及び120nMクレアチンリン酸を含有 する。100xグルカゴン溶液は、1μMグルカゴンを含有。ストップミックスは、1 00mMの酢酸、50mM EDTAを含有。あるいは、反応は、沸騰水浴中で5分間反応物 を加熱して停止してよい。細胞膜標本を含んでいるグルカゴンレセプターは、既 に上述したPohl等(同書)の方法を使って作製してよい。 ATPをcAMPに変換するアデニル酸シクラーゼ反応は、分離したグルカゴン類似 体をマイクロモル濃度の微小滴定プレートのウエルに付加して実施してよい。等 容積の溶液Aと溶液Bを混合し、50μlのその混合液をそれぞれ負制御のウエル に加える。グルカゴンを残っている溶液A+溶液Bの混合液に加え、100xグルカ ゴンストック溶液から1 x 10-8Mの最終濃度とし、この溶液50μlをグルカゴン 類似体含有の各ウエルに加える。細胞膜標本を水で0.2〜10mg/mlの間の、好まし くは2mg/mlタンパク質になるよう希釈し、そして45μlの希釈細胞膜を各ウエル に加えて反応を開始する。反応混合物を、室温で12分間保温し、100μlのスト ップ液を各ウエルに加えて反応を停止する。反応物は遠心分離で不純物を取り除 き4℃で保 存する。 一般的に、cAMPの生成は、32P-ATPをcAMPに変換することで測定する。サイク リックAMPの生成は、Salomon等(Anal.Biochem.58:541-548,1976)又はKrishna等(J.Pharmacol.Exp.Ther.163 :379,1968)方法を使って、もしくは、例えばAmersham Corporationから販売されているような、市販のキットを使って測定してよい。 しかし、cAMPの生成は、Amersham(Arlington Heights,IL)製のシンチレーション 近接検定キットを使って測定する方が望ましい。製造者の指示によれば、Amersh amのシンチレーション近接検定キットは、ヨウ素化cAMPと抗cAMP抗体との競合に よってcAMPの生成を測定するのに用いられる。好ましくは、アデニル酸シクラー ゼ反応の各ウエルからの10μlを個々のベータプレートウエルに加え、各サンプ ルを65μlのNaAcetateで希釈する。標準液は、Amershamのキットで供給される 非アセチル化標準液から1.6pMole及び6.4pMoleで作製し、各75μlの標準液を三 重のサンプルウエルに付加する。150μlの緩衝液(Amersham)を非特異的結合制 御用の三重サンプルウエルに付加する。75μlの125I-cAMPを各ウエルに加える 。75μlの希釈したラビットの抗スクシニルcAMPを非特異的結合制御用のウエル 以外の各ウエルに加える。75μlの希釈した抗ラビットSPA試薬を各ウエルに加 え、そのプレートを密封し、一晩室温で振とうしながら保温する。一晩保温後、 その反応物をベータプレートカウンター(Pharmacia,Uppsala,Sweden)で計数する 。 この具体例の範囲内で、グルカゴン拮抗剤は、グルカゴンによるラット肝細胞 膜のアデニル酸シクラーゼの刺激を阻害するものとして同定することができる。 応答パーセントは下記式により決定できる: %Rx = (CPM-CPMNSB)/(CPM0.0-CPMNSB) ここで、 %Rx = 与えられたサンプル又は標準についての応答パーセント CPM = サンプルカウント CPMNSB = NSBコントロールの平均カウント CPM0.0 = 0.0M標準液の平均カウント 与えられたサンプルについてのcAMPの相対濃度は次式により決定できる: [cAMP] = 1.6e1n4(%Rx-%R1.6)/(%R6.4-%R1.6) ここで、 [cAMP]x = 与えられたサンプルの相対濃度 %Rx = 与えられたサンプルについての応答パーセント %R1.6 = 1.6x10-9M標準液の応答パーセント %R6.4 = 6.4x10-9M標準液の応答パーセント このようにして、cAMPの含有量が平均値よりも顕著に少ない検定ウエルは、グル カゴン拮抗剤を含有しているものと鑑定してよい。 本願発明のグルカゴン拮抗剤は、例えば、Coy等(Peptides Structure and Fun ction,Pierce Chemical Company,Rockford,IL,PP.369-372,1983)によって報告さ れたイオン交換及び分配クロマトグラフィーにより、例えば、AndreuとMerrifie ld(Eur.J.Biochem.164:585-590,1987)によって報告された逆相クロマトグラフィ ーにより、又はKofod等(Int.J.Peptide Protein Res.32:436-440,1988)によって 報告されたHPLCにより、精製することができる。補助的精製は、液体クロマトグ ラフィー、勾配遠心分離、及びゲル電気泳動、他のような通常の化学的精製装置 によって実施してよい。タンパク質精製法は公知であり(一般的には、Scopes,R .,Protein Purification,Springer-Verlag,NY(1982)参照、ここに 参考として引用)、また、本明細書に説明された組換えグルカゴン類似体の精製 に応用してよい。あるいは、グルカゴン類似体は、BaranyとMerrifieldの固相法 (The Peptides Vol.2A,GrossとMeienhofer編集、Academic Press,NY,pp.1-284, 1979に掲載)により、又は自動化されたペプチド合成器により合成してよい。 ここに開示した突然変異誘発又はヌクレオチド取込み違いの方法によって作製 したグルカゴンアンタゴニストからの情報は、さらに次のグルカゴンアンタゴニ ストの設計に使用することができる。例えば、以降に提示されるデータによって 、アミノ酸残基1-5、9-11、21及び29は、グルカゴンの活性にとって重要である かとが示される。これらの位置変化を組合わせれば、遺伝子技術により又は通常 の化学合成によって生成することができるdes-His1−グルカゴンを含む種々のグ ルカゴンアンタゴニストを得ることができる。特に好ましいグルカゴンアンタゴ ニストは、[Ala2]グルカゴンとdes-His1-[Ala2]グルカゴンを含む置換グルカゴ ンである。特に好ましい変化には、位置11でのアラニン残基の、位置21でのグル タミン酸残基の、及び位置29でのセリンの置換がある。 少なくとも約50%の十分に純な組換え又は合成グルカゴンアンタゴニストは好 ましいものであり、少なくとも約70-80%はさらに好ましく、また、95-99%以上の 均質性は最も好ましく、特に製剤の用途に向いている。部分的にあるいは必要な ら等質に精製されれば、組換えグルカゴン類似体は治療に用いてもよい。一般に 、本願発明の拮抗剤は、非経口的に即ち静脈注入で投与される。本願発明の拮抗 剤は、遊離塩基又は酸性塩として存在するかも知れない。適当な塩は、製剤上許 容できるもので、金属塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、カリウム またはナトリウム塩がある。他の製剤上許容し得る塩には、クエン酸、コハク酸 、乳酸、塩酸及び臭化水素 酸がある。非経口的組成物は、pH、5.6〜7.4の間の水性等張液中に処方してよい 。適当な等張液には、塩化ナトリウム、デキストロース、ホウ酸酒石酸ナトリウ ム、及びプロピレングリコール液がある。本願発明の拮抗剤の治療上の用量は、 同じ構成成分のインシュリンか又は別に構成されたインシュリンの何れかと同時 に投与してよい。 以下の実施例は、説明を目的としたもので、限定を意図するものではない。 実施例 実施例1−酵母発現ベクターpBS114の構築 酵母ベクターYIp5およびpJDB207の部分を含むプラスミドpEAS102は次のよう にして構築した。プラスミドpJDB207(Beggs、Proceedings of Alfred Benzon S ymposium 16: 383〜389、「酵母における分子遺伝学」、デンマーク、コペンハ ーゲン、1981年)、即ちpJDB219(Beggs、同書、1978年)の誘導体をBamHIおよ びPstIで消化して、leu2−d遺伝子、2ミクロンプラスミドおよびpBR322配列 を含む4.4kbのフラグメントを単離した。プラスミドYIp5(Struhl等、同書)を PstIで部分消化しそしてBamHIで完全消化して、URA3遺伝子およびpBR322配列を 含む4.3kbのフラグメントを単離した。これら2つのフラグメントを連結しそし て得られたプラスミドをpEAS102と称した。 pEAS102を先ずHind IIIで完全に消化してプラスミドpEAS102中のHind III部位 を破壊した。次に、線状化したプラスミドをヌクレオチド三リン酸の存在下DNA ポリメラーゼI(クレノウフラグメント)と共にインキュベートし、T4DNAリ ガーゼで処理して再度環状とし、大腸菌株HB101に入れて形質転換した。得られ た形質転換体から製造されたDNAは、Hind IIIで消化し てももはや線状となり得ないプラスミドについてスクリーニングした。 酵母発現ベクターを構築するために、サッカロミセスセレビシエTPI1遺伝子 から得られるプロモーターおよびターミネーター領域をアルファ因子(MFα1) プレプロ配列と一緒に上記したpEAS102誘導体中に挿入した。 TPI1プロモーターおよびアルファ因子プレプロ配列は、TPI1プロモーター、 MFα1プレプロ配列、PDGF-BB配列、TPI1ターミネーターおよびpIC19ベクター 配列を含有するプラスミドpB12から誘導されたプラスミドpTGFαm(図1)から 得た。pB12の構築はマレイ(Murray)等によって記載されている(米国特許第4, 766,073号、これは参照として本願明細書に組み入れる)。MFα1プレプロ配列 およびPDGF-BB配列はM13に入れてEcoRI-XbaIフラグメントとしてサブクローン 化した。MFα1プレプロ配列中に存在するSstI部位をクンケル(Kunkel)等によ って記載された方法(米国特許第4,873,192号)およびオリゴヌクレオチドZC115 9(表1、配列IDNo.3)を使用してインビトロで突然変異を誘発してHind III部 位に変えた。SstI部位の代わりにHind III部位を有するクローンを同定した。MF α1プレプロ配列を含有するフラグメントをEcoRI-Hind IIIフラグメントとして 単離した。 形質転換成長因子α(TGFα)配列は、アニーリングしたとき、Hind III付着 端を有する5’末端とXbaI付着端を有する3’末端の側面に位置するアダプター を形成するように設計されそして合成された1組の4つのオリゴヌクレオチドを 使用して合成した。オリゴヌクレオチドZC1197、ZC1198、ZC1199およびZC1200(表 1、それぞれ配列ID番号4、5、6および7)をキナーゼ処理し、アニーリング しそしてXbaI-Hind III線状M13mp18に連結させた。得られたクローンから得られ る1本鎖DNAの配列を決定して、挿入物がTGFαをコードしていることを確認した 。TGFα挿入物はHind III-XbaIフラグメントとして単離した。 図1に示されるように、MFα1プレプロ配列を含有するEcoRI-Hind IIIフラグ メントおよびTGFα配列を含有するHind III-XbaIフラグメントをEcoRI-XbaI線状 pUC13と連結させた。αfTGFα/pUC13と称する得られたプラスミドをEcoRIおよ びXbaIで消化してMFα1-TGFα挿入物を単離し、これをB170CB/pBRに入れてクロ ーン化した。マレイによって記載されたプラスミドB170CB/pBR(米国特許出願番 号第 07/557,219号、これは参照として本願明細書に組み入れる)はTPI1プロモータ ー、MFα1プレプロ配列、PDGF-BBコード配列、TPI1ターミネーターおよびpBR3 22ベクター配列を含有している。プラスミドpB170CB/pBRをEcoRI-XbaIで消化し てTPI1プロモーター、pBR322ベクター配列およびTPI1ターミネーターを含有す るフラグメントを単離した。EcoRI-XbaIpB170CB/pBRフラグメントとEcoRI-XbaIM Fα1-TGFαフラグメントを連結した。TGFαCBと称する得られたプラスミドはCl aIおよびBamHIで消化して発現単位を単離し、そしてこれを酵母発現ベクターpMP OT2(酵母と細菌の複製源、アンピシリン耐性遺伝子およびPOT1選択性マーカ ーを含有する酵母2ミクロンを基としたプラスミド;受理番号67788で大腸菌HB1 01形質転換体として米国菌培養物収集所に寄託され;マレイ等、米国特許第4,76 6,073号によって開示されており、これは参照として本願明細書に組み入れる) に入れてサブクローン化してpTGFαmを構築した(図1)。プラスミドpTGFαmを Bgl IIおよびHind IIIで消化してTPI1プロモーターとMFα1プレプロ配列を含 有する1236塩基対のフラグメントを単離した。 サッカロミセスセレビシエTPI1ターミネーターフラグメントはプラスミドpFG 1から得た(AlberおよびKawasaki、同書)。これは、TPI1遺伝子の後ろから2 番目のアミノ酸コドンから約700塩基対下流のEcoRI部位までの領域を有している 。このプラスミドを先ずEcoRIで消化し、次にDNAポリメラーゼI(クレノウフラ グメント)で付着端をブラント末端とし、合成BamHIリンカー(CGGATCCA)を 添加し、そして再度連結してプラスミドp136を生成させることによってpFG1の 固有のEcoRI部 位をBamHI部位に置換した。次に、TPI1ターミネーターをXbaI-BamHIフラグメン トとしてp136から切断した。このフラグメントを、XbaIおよびBamHIで線状とさ れていたYEp13中に連結した(Broach等、同書)。得られたプラスミドはp213と 称した。次に、このプラスミドをHind IIIで消化し、得られた末端をポリメラー ゼI(クレノウフラグメント)でブラント末端とし、そしてこの線状分子をT4 D NAリガーゼを使用して再度環状とすることによってHind III部位をp213のTPI1 ターミネーター領域から除いた。得られたプラスミドはp270と称した。 或いは、p270は、プラスミドpM220(ATCCに大腸菌RRI形質転換体として寄託さ れた、受理番号39853)をXbaIおよびBamHIで消化し、TPI1ターミネーターフラ グメント(約700bp)を精製し、そしてこのフラグメントをXbaI-BamHIで消化し たYEp13中に挿入することによって構築することができる。 TPI1ターミネーターはXbaI-BamHIフラグメントとしてプラスミドp270から取 り出した。このフラグメントを、CAT(クロラムフェニコールアセチルトランス フェラーゼ)遺伝子と結合したTPI1プロモーターを含有するもう1つのフラグ メントと一緒にpUC19に入れてクローン化してEcoRV末端を有するTPI1ターミネ ーターフラグメントを得た。得られたプラスミドはpCATと称した。次に、TPI1 ターミネーターをEcoRV-BamHIフラグメントとしてpCATから取り出し、そして同 じ酵素で線状化されていたpIC19H(Marsh等、同書)に入れてクローン化してプ ラスミドpTTIを得た。次に、プラスミドpTTIをHind IIIおよびSalIで消化して71 8bpのTPI1ターミネーターフラグメントを単離した。 1236塩基対のBgl II-Hind III TPI1プロモーター− MFα1フラグメントと718塩基対のHindIII- SalITPI1ターミネーターフラグメン トを、BamHIおよびSalIによる消化で線状化されているpEAS102誘導体と連結した 。連結混合物を大腸菌株HB101に入れて形質転換し、そして選択した形質転換体 から製造されたプラスミドDNAを制限分析でスクリーニングして正しい構造のプ ラスミドを有するクローンを同定した。陽性クローンはpBS114と称した(図2) 。 実施例2−野生タイプのグルカゴンおよびDes-His1−[Glu9] −グルカゴンをコードするDNA配列を含有する対照発現ベクターの構築 A.pBS117の構築 野生タイプのグルカゴンのコード配列をコードする対照発現プラスミドを構築 した。グルカゴンコード配列は、高度に発現された酵母遺伝子中に見られるコド ンを利用するように設計した。上記遺伝子は、鎖終結コドンUAA、UAGおよびUGAか ら離れたコドンが1塩基変化したものを除いて、コドンの1塩基変化によって最 多の種々のアミノ酸置換をもたらすであろう。更に、突然変異誘発を確認しそし てその後容易に操作できるように3つの制限部位を配列中に設計した。このコー ド配列(図3;配列番号1)はグルカゴン類似体オリゴヌクレオチドライブラリ ーおよびdes-His1-グルカゴンオリゴヌクレオチドライブラリーの両者の構築用 の基礎として使用した。 グルカゴンコード配列は2つの合成オリゴヌクレオチドから製造し、これらオ リゴヌクレオチドはアニーリングしたとき、上記グルカゴンコード配列の5’末 端がフレーム内でアルファ因子プレプロ配列と、KEX2開裂部位をコードするDNA 断片を介して結合するように発現ベクターへの直接的挿入を可能にする配列が側 面に位 置したグルカゴンコード配列を含有するDNA配列を提供するように設計した。オ リゴヌクレオチドZC3020とZC3021(表1、配列番号8および9)は、アニーリン グしたとき、Hind III付着端、続いてHind III部位とKEX2開裂部位配列間の15 塩基の架橋配列が5’末端の側面に、そしてグルカゴン配列末端の停止コドン、 続いてEcoRI部位およびBglII付着末端が3’末端の側面に位置した、上記した野 生タイプグルカゴンのアミノ酸配列をコードするアダプターを形成するように設 計した。オリゴヌクレオチドZC3020とZC3021をアニーリングし、そしてHind III およびBgl IIで消化して線状化されていたpSB114と連結した。得られたプラスミ ドはpBS117と称した。プラスミドpBS117はサッカロミセスセレビシエ株ZY100(a de2-101 leu2-3 leu2-112 ura3-52 suc2 - D9 ga12 pep4:: TPI1p-CAT)に形質 転換して株ZB210を創製した。プラスミドpBS114を株ZY100に入れて形質転換して 陰性対照として株ZB213を創製した。形質転換体は最初−URADSプレート(表2) 上で選択した。個々の形質転換体コロニーは−LEUDプレート(表2)上で画線培 養してクローン的に精製した。 表2 培地処方 −LeuThrTrpアミノ酸混合物 4g アデニン 3g L−アルギニン 5g L−アスパラギン酸 2g L−ヒスチジン遊離塩基 6g L−イソロイシン 4g L−リジン−塩酸塩 2g L−メチオニン 6g L−フェニルアラニン 5g L−セリン 5g L−チロシン 4g ウラシル 6g L−バリン 全成分を混合しそして乳鉢および乳棒で混合物が微細に粉砕されるまで粉砕する 。 −UraThrTrpアミノ酸混合物 4g アデニン 3g L−アルギニン 5g L−アスパラギン酸 2g L −ヒスチジン遊離塩基 6g L−イソロイシン 6g L−ロイシン 4g L−リジン一塩酸塩 2g L −メチオニン 6g L−フェニルアラニン 5g L−セリン 5g L−チロシン 6g L−バリン 全成分を混合しそして乳鉢および乳棒で混合物が微細に粉砕されるまで粉砕する 。 −LEUD 20g グルコース 6.7g アミノ酸不含酵母窒素塩基(DIFCO Laboratories、ミシガン州デトロイト ) 0.6g−LeuThrTrpアミノ酸混合物 18g 寒天 全成分を蒸留水中で混合する。最終容量が1リットルになるように蒸留水を加え る。15分間オートクレーブ処理する。オートクレーブ処理後、150mgのL−ス レオニンおよび40mgのL−トリプトファンを加える。プレートに注ぎ、そして固 化させる。 −LeuTrpThr液体培地 20g グルコース 6.7g アミノ酸不含酵母窒素塩基(DIFCO Laboratories、ミシガン州デトロイト ) 0.6g−LeuThrTrpアミノ酸混合物 全成分を蒸留水中で混合する。最終容量が1リットルになるように蒸留水を加え る。15分間オートクレーブ処理する。オートクレーブ処理後、150mgのL−スレ オニンおよび40mgのL−トリプトファンを加える。 −URADS 20g グルコース 6.7g アミノ酸不含酵母窒素塩基(DIFCO Laboratories、ミシガン州デトロイト ) 0.6g -UraThrTrpアミノ酸混合物 182.2gソルビトール 18g 寒天 全成分を蒸留水中で混合する。最終容量が1リットルになるように蒸留水を加え る。15分間オートクレーブ処理する。オートクレーブ処理後、150mgのL−スレ オニンおよび40mgのL−トリプトファンを加える。プレートに注ぎ、そして固化 させる。 株ZB210およびZB213を−LeuTrpThr液体培地中30℃で40 分間増殖させた。培養物を5分間遠心して使用した培地を清明化させた。使用し た培地は実施例5に記載したようにしてアッセイした。中程度の細胞密度(2〜 6g/1の乾燥重量)にまで増殖させたとき、ZB210から得られる培養培地はラ ジオイムノアッセイで測定するとき5〜20mg/mlのグルカゴンから得られるもの と等量を含有していることが分かった。 B.プラスミドpBS120の構築 des-His1-[Glu9]グルカゴンコード配列(Merrifield等(同書)によって記載 された)をコードする対照発現プラスミドを合成オリゴヌクレオチドから構築し た。オリゴヌクレオチドZC3378およびZC3443(表1、配列番号10および11) は、HindIII付着端、続いてHind III部位とKEX2開裂部位配列間の15塩基の架橋 配列が5’末端の側面にそしてグルカゴン配列末端の停止コドン、続いてEcoRI 部位およびBgl III着端が3’末端の側面に位置した酵母コドン最適化des-His1- [Glu9]グルカゴンコード配列を含有するDNA配列を形成するように設計した。ZC3 378は非置換des-His1−グルカゴンのコード配列および適当な架橋配列を含有す る107塩基のオリゴマーである。ZC3443は、Hind IIIおよびBgl IIの突出部並び にグルカゴンの9位に通常見られるアスパラギン酸のコドン中の1塩基変化を除 いて、ZC3378と相補的である。この塩基変化を導入するとdes-His1−[Glu9]グ ルカゴンのコード配列が生じるはずである。オリゴヌクレオチドZC3378とZC3443 をアニーリングし、そしてHindIII-Bgl IIで線状としたpBS114と連結した。大腸 菌HB101をZC3378、ZC3443とpBS114の連結混合物で形質転換するとプラスミドク ローンの混合物が得られ、そして或るものはdes−His1−グルカゴンそして或る ものはdes-His1-[Glu9] グルカゴンをコードした。後者の1つはDNA配列決定法によって同定し、そしてp BS120と称した。プラスミドpBS120をサッカロミセスセレビシエ株ZY100に入れて 形質転換して株ZB216を創製した。 実施例3−グルカゴン類似オリゴヌクレオチドライブラリーの構築 グルカゴン類似オリゴヌクレオチドライブラリーは、ハッチンソン(Hutchins on)等(同書)が記載した方法の適応を使用して構築した。簡単に言えば、通常 塩基A、G、CおよびTに相当する純粋な4つのホスホルアミダイト溶液を含有 する溶液がそれぞれ上記の全ての塩基に相当する少量のホスホルアミダイトで夾 雑されるように意図的に交差夾雑されたホスホルアミダイト溶液を使用してオリ ゴヌクレオチドを合成した。交差夾雑は、4つの各ホスホルアミダイト1.0gを 密封瓶に下記量の乾燥アセトニトリルを添加して0.13Mの濃度になるように再懸 濁して実施した:A、11.8ml; G、12.1ml; C、12.2ml; T、13.7ml。 3つの0.17ml分別物を順次各瓶から取り出し、そして他の3つの試薬の各々に添 加した。この方法の連続性により生じた少量のバック夾雑を無視して(この現象 を最少にするため瓶は全ての移動が実施された後にしか回転させなかった)、溶 液は総ホスホルアミダイト濃度で0.13Mであると計算され、そして表3に示す組 成を有していた。 表3 A*、G*、C*およびT*ホスホルアミダイト溶液の組成 A* 95.7%のAと各々1.43%のG、CおよびT G* 95.8%のGと各々1.4%のA、CおよびT C* 95.8%のCと各々1.4%のA、GおよびT T* 96.3%のTと各々1.23%のT、GおよびC グルカゴン類似オリゴヌクレオチドライブラリーは、アニーリングした時、類 似コード配列の5’末端がα因子プレプロ配列とKEX2部位をコードする配列を介 してフレーム内で結合するように、挿入物を発現ベクターに直接挿入させ得る配 列が側面に位置する一連のグルカゴン類似体をコードする1組のDNA断片を形成 するように設計した。グルカゴン類似ライブラリーのセンスストランドは2つの オリゴヌクレオチドプールの組として合成した。第1のオリゴヌクレオチドプー ルは56個のオリゴヌクレオチドオリゴマーを含有しており、これらオリゴマーは 5’末端にHind III付着端をコードする15個のヌクレオチドの突然変異非誘発配 列およびHind III部位とアルファ因子プレプロ配列のKEX2開裂部位間の架橋配列 を含有し、続いて図2(配列番号1)のヌクレオチド1からヌクレオチド41まで の天然のグルカゴン配列に対して上記した比率の正しいホスホルアミダイトと正 しくないホスホルアミダイトの混合物を用いて合成した41個のヌクレオチドを含 有するように合成した。 第2のオリゴヌクレオチドプールは54個のヌクレオチドオリゴマーを含有して おり、これらオリゴマーは3’末端に1つの突然変異非誘発塩基、続いて図3( 配列番号1)のヌクレオチド43から87までの天然のグルカゴン配列に対して 上記比率を使用して正しいホスホルアミダイトと正しくないホスホルアミダイト の混合物を用いて合成した45個のヌクレオチドを含有し、続いて5’末端に停止 コドンをコードする8個の突然変位非誘発配列、続いてEcoRIとBgl II制限部位 をコードする配列を含有するように合成した。A、G、CおよびTの残基数およ び上記で計算した夾雑値を所与のものとすると、凝集塩基置換率は4.1%と計算 され、コード配列当たり平均3.52個の塩基で置換されていた。 慣用の方法によってオリゴヌクレオチドの保護を除去しそして精 製した後、第2のオリゴヌクレオチドプールをATPおよびT4ポリヌクレオチド キナーゼで処理してオリゴマーの5’末端にリン酸基を加えた。次に、等モル量 の両オリゴヌクレオチドプールを混合し、アンチセンスオリゴヌクレオチドZC30 21(表1;配列ID番号9)とアニーリングし、そして得られたアダプターを単離 した。プラスミドpBS114をHind IIIおよびBgl IIで消化して線状とし、そしてゲ ル精製した。単離したオリゴヌクレオチドアダプターを線状pBS114と連結し、そ して連結した混合物は、バイオラド(BioRad)のエレクトロポーレーションユニ ット(BioRad Laboratories、カリフォルニア州リッチモンド)を使用して大腸 菌株DH10B(登録商標)エレクトロポーレーションコンピテント細胞(GIBCOBRL 、メリーランド州ガイザースバーグ)に入れて形質転換した。形質転換体はアン ピシリンを含有するLBプレート上で選択した。 50個の形質転換体から製造したプラスミドDNAは制限酵素消化で分析して挿入 物を有するクローンの割合を測定しそして突然変異度を評価した。50個のプラス ミドは全て挿入物を含有していた。突然変異度は、Asp 718かまたはPstIとXhoI の混合物のどちらかで消化して見積もった。突然変異非誘発配列はAsp 718とXho I部位の両方を含有しているので、プール中に見られた突然変異のサブセットは プラスミドDNAの消化パターンにおけるシフトとして検出することができよう。5 0個のクローンのうちの7個は野生タイプの配列に存在するXhoI部位を欠き、そ して3個はAsp 718部位を欠いていた。各塩基の夾雑値、Asp 718およびXhoI部位 中の塩基の分布、並びにプールにおける塩基置換は大腸菌に入れてクローン化し たとき切断修復によって訂正される(各塩基の置換は野生タイプの塩基と対合さ せられる)という事実を所与のものとすると、試 験した50個のクローンでは6個のクローンがAsp 718部位を欠きそして6個がXho I部位を欠くと予想された。観察された数はこれらの予測とさほど異なっていな いが、予想されたより僅かに少ない全体的な突然変異誘発頻度を示していると思 われる。 突然変異頻度はまた、無作為に選択した12個のクローンのグルカゴンコード領 域のDNA配列を決定して測定した。かくして、突然変異させた総計1032(86×12) 個の塩基を突然変異について試験した。28の塩基変化が見られ、全体的な割合は 2.7%であった。これは、塩基置換率および50:50の切断修復の機会を所与のもの として予想したもの(2.1%)より幾分高いが、統計学的には多分有意ではない であろう。12個の配列間での突然変異の分布は、配列のうち2つは野生タイプで あり、3つは1個の塩基が変化しており、4つは3個の突然変異を有しており、 2つは4個の突然変異を有しておりそして1つは5個の突然変異を有していた。 ポアソン分布およびコード配列当たり平均2.3個の観察された突然変異を使用し て、0、1、2、3、4および5個の突然変異変異を有するコード配列がそれぞ れ9.7%、22.5%、26.7%、24.2%、13.3%および6.3%の頻度で生じたと予想さ れよう。観察された数は、0または>2の突然変異を有するクローンが過剰に示 される可能性があることを除いて、これらの予測とかなり一致する。これは、切 断修復プロセスが個々の非対合塩基を訂正するよりはむしろDNA断片の鋳型とし て1本のストランドを使用するという事実を反映している。 DH10B(登録商標)形質転換体の残り(約10,000個の総合コロニー)は形質転 換プレートから洗い出してプールした。得られた細胞懸濁物の1部を使用して、 空気浴振とう器中37℃で一夜インキュベートした250mlのLB+アンピシリンに 接種した。プラスミドDNAは一夜培養物から調製し、そしてこのDNAを使用して上 記し たようにしてS.セレビシエZY100を形質転換した。コロニーは-URADS(表2) 中で選択した。個々のURA+コロニーを、-LEUDプレート(表2)に画線培養した 。単離した1つのコロニーは各画線培養から選択し、そして貯蔵用プレート当た り96個の組で、別の-LEUDプレートにパッチ培養した。それぞれ約96のコロニー の総計22個のプレートを集めた。 200から300マイクロリットルの-LeuTrpThr液体培地(表2)を96ウエルの微量 滴定プレートの各ウエルに無菌的に移した。各ウエルは、-LEUDプレートのパッ チの1つから得られる酵母を接種し、そして微量滴定プレートは30℃で40〜48時 間インキュベートして酵母を増殖させた。インキュベーションした後、プレート を5分間遠心して酵母ブイヨンを清明にした。清明化したブイヨンは実施例5に 記載したようにしてアッセイした。 cAMP産生が最も少なかった株の約5%を再試験のために選択した。この再試験 は、アデニル酸シクラーゼ活性に与える培養ブイヨンの影響を実施例5に記載し たようにして外来性グルカゴン含有しそして含有しないで二重にアッセイするこ とからなっていた。活性グルカゴンを産生する株、例えばZB210から得られるブ イヨンは外来性グルカゴンの不存在下であってもアデニル酸シクラーゼ活性を刺 激したが、アンタゴニストまたは不活性グルカゴン類似体を産生する株から得ら れるブイヨンは上記バックグラウンドの刺激をもたらさないであろう。再試験す ると、P60と称した1つの株だけがZB213対照よりcAMP産生が少なかった。図3 は、P60並びにdes-His1−グルカゴンおよびdes-His1−[Glu9]グルカゴンを産 生する対照株から得られる培養ブイヨンの存在下での3つの濃度のグルカゴンに 対するラット肝臓膜のcAMP応答を示すものである。図3はP60が、実験誤差の範 囲内で、des− His1−グルカゴンと同様に良好なアンタゴニストであることを示すものである。 この酵母株から得られるプラスミドの回収およびそれに続くDNA配列分析は、こ の株によって発現された類似体が[Ser4]−グルカゴンであることを示した。酵 母形質転換体から製造されたプラスミドDNAもS.セレビシエ株ZY100を形質転換 するために使用して、既知の配列の類似体をコードするプラスミドを含有する形 質転換体を確立した。[Ser4]グルカゴンをコードするプラスミドを含有するZY 100形質転換体(P60)には単離番号ZB312を与えた。 2回目のスクリーニングはグルカゴン類似体を産生する酵母株のライブラリー で実施した。各々96のコロニーを有する10個の追加プレートを集め、そして上記 したようにしてスクリーニングした。異なる実験から得られた値は、対照株(ZB 210およびZB213)で観察された応答に従って標準化した。960のクローンは全て アンタゴニスト活性に従って分類し、そしてZB213より低いcAMP値を有するクロ ーンを再スクリーニングするために選択した。再スクリーニングは新たな培養物 を増殖させそして培養ブイヨンを5nMのグルカゴンの存在下重複してアデニル酸 シクラーゼアッセイでアッセイした。重複アッセイ結果の平均をとり、そして再 度ZB213で得られた値と比較した。今回は、14の株だけが対照と比較して活性を 改善していた。次に、これらの14の株はP60に関して上記した実験に類似した実 験でアッセイし、その際それら株から得られる培養ブイヨンは0、4および8nM のグルカゴンの存在下でアッセイした。4つの株は、ZB213で得られた値とはあ まり異なっていない値を生じさせたので、それ以上考慮しなかった。残りの株か らプラスミドを回収し、そしてDNA配列分析に付した。次に、配列分析用に調製 したプラスミドDNAを株ZY100に入れて形質転換し た。これらの形質転換体には、それらが既知の配列のグルカゴンアンタゴニスト をコードするプラスミドDNAを含有していることを表わすため確認番号を与えた 。配列分析によって、2つの株は同一の突然変異グルカゴンを含有することが示 され、更に次の9つの独立クローンが得られた:ZB315、ZB316、ZB317、ZB318、ZB31 9、ZB320、ZB321、ZB322および、ZB323、これらはそれぞれBB25、BB64、BB65、FF21、 FF30、FF93、HH33、CC29およびHH63に対応する(表4)。 を有している。 実施例4−Des−His1− グルカゴン類似体オリゴヌクレオチドライブラリ ーの構築 des-His1−グルカゴン類似体オリゴヌクレオチドライブラリーは、両ストラン ドが突然変異誘発されたことを除いて、実施例3に記載したグルカゴン類似オリ ゴヌクレオチドライブラリーと同様にして構築した。1組の4つの合成オリゴヌ クレオチドプールは、des-His1−グルカゴン類似体をコードする配列の5’末端 がフレーム内でα因子プレプロ配列にKEX2開裂部位配列を介して結合するように 、発現ベクターへの直接的挿入を可能にする配列が側面に位置した上記類似体を コードする一連のDNA配列を提供するように設計した。 des-His1−グルカゴン類似体ライブラリーのアンチセンスストランドは2つの オリゴヌクレオチドプールの組として調製した。第1のオリゴヌクレオチドプー ルは、3’末端から、α因子プレプロ配列のHind III部位とKEX2開裂部位配列を 架橋する配列に相補的な11個のヌクレオチド突然変異非誘発配列、そしてそれに 続いて、図2(配列番号1および2)のヌクレオチド4からヌクレオチド53まで の天然グルカゴン配列のアンチセンスストランドに関 して97:1:1:1の比率の正しいホスホルアミダイトと正しくないホスホルア ミダイトの混合物を用いて合成した50個のヌクレオチドを含有するように合成さ れた61個のヌクレオチドオリゴマーを含有していた。 第2のオリゴヌクレオチドプールは、3’末端に1個の突然変異非誘発塩基、 そしてそれに続いて、図3(配列番号1)のヌクレオチド55からヌクレオチド87 までの天然グルカゴン配列のアンチセンスストランドに関して97:1:1:1の 比率の正しいホスホルアミダイトと正しくないホスホルアミダイトの混合物を用 いて合成した33個のヌクレオチド、そしてそれに続いて、5’末端に12個のヌク レオチド突然変異非誘発配列を含有するように合成した46個のヌクレオチドオリ ゴマーを有しており、そしてこれは停止コドンおよびそれに続くEcoRIおよびBgl II制限部位を含有する配列に相補的な配列を含有していた。 des-His1−グルカゴン類似体ライブラリーのセンスストランドも2つのオリゴ ヌクレオチド配列プールの組として調製した。第1のオリゴヌクレオチドプール は、5’Hind III付着端およびそれに続くHind III部位とα因子プレプロ配列の KEX2開裂部位間の配列を含有する20個のヌクレオチド突然変異非誘発配列、そし てそれに続いて、図3(配列番号1)のヌクレオチド4からヌクレオチド41まで の天然グルカゴン配列に関して97:1:1:1の比率の正しいホスホルアミダイ トと正しくないホスホルアミダイトの混合物を用いて合成した38個のヌクレオチ ドを含有するように合成された54個のヌクレオチドオリゴマーを含有していた。 第2のオリゴヌクレオチドプールは、3’末端に1個の突然変異非誘発塩基、 そしてそれに続いて、図3(配列番号1)のヌクレオチド43からヌクレオチド87 までの天然グルカゴン配列に関して 97:1:1:1の比率の正しいホスホルアミダイトと正しくないホスホルアミダ イトの混合物を用いて合成した45個のヌクレオチド、そしてそれに続いて、5’ 末端に8個のヌクレオチド突然変異非誘発配列を含有するように合成された46個 のヌクレオチドオリゴマーを有しており、そして上記配列は停止コドンおよびそ れに続くEcoRIおよびBgl II制限部位を有していた。 4つのオリゴヌクレオチドプールは、実施例3に記載したようにしてアニーリ ングし、連結しそして形質転換した。得られたdes−His1−グルカゴン類似体オ リゴヌクレオチドライブラリーは、サッカロミセスセレビシエ株ZY100に入れて 形質転換し、そしてサッカロミセスセレビシエライブラリーは上記のようにして 製造した。 des-His1−グルカゴンプールから得られる1つの単離物の配列を決定し、そし てdes-His1−グルカゴンをコードすることを確認した。このプラスミドをサッカ ロミセスセレビシエ株ZY100に入れて形質転換して株ZB117を創製した。株ZB117 は非修飾des-His1−グルカゴンを産生する対照株として使用した。 des -His1−グルカゴンオリゴヌクレオチドライブラリーから得られプールし たプラスミドDNAで形質転換した約900個の個々の酵母クローンは実施例3に記載 したようにしてスクリーニングした。これらの酵母クローンの約35%から得られ るブイヨンは、ZB213(グルカゴンの無い)対照と比較するとき、cAMP産生が減 少していた。しかし乍ら、des-His1−グルカゴンはそれ自体弱いアンタゴニスト であるので、一層厳しいスクリーニング規準を使用した。平均量未満の1つの標 準偏差以上に産生を減少させるdes-His1−グルカゴン類似体を産生したクローン (全体の約20%)を再度スクリーニングするために選択した。再度スクリーニ ングしたブイヨンは重複してアッセイし、そして結果は平均した。再度スクリー ニングしたクローンのうちで、des-His1-グルカゴンを産生する対照株ZB217より アデニルシクラーゼ活性を刺激しないdes-His1−グルカゴン類似体を一定して産 生した約4分の1を更に分析するために選択した。プラスミドDNAは上記したよ うにして更に分析するために選択した酵母株から調製した。プラスミドDNAをDNA 配列分析に付し、そしてS.セレビシエ株ZY100を形質転換するために使用した 。既知の配列のグルカゴンアンタゴニストをコードするプラスミドを含有する形 質転換体には単離番号を与えた(表4)。 2回目のスクリーニングは上記したようにして突然変異体des-His1-グルカゴ ン類似体ライブラリーについて実施した。単離番号ZB324からZB328(表4)を与 えられた5つの追加的クローンは、des-His1 −グルカゴンを産生する対照株ZB2 17よりアデニルシクラーゼを刺激しないグルカゴン類似体を産生するときに、同 定した。 更なる実験には、酵母ブイヨンを使用して3つの濃度のグルカゴンに対する肝 細胞膜アデニルシクラーゼの応答を阻止する実施例5に記載した応答曲線のタイ プが含まれていた。des-His1−グルカゴンより効果的なアンタゴニストであるグ ルカゴン類似体を産生する少なくとも10個の酵母クローンをこれらの実験で同定 した。使用した酵母ブイヨンの量をグルカゴンラジオイムノアッセイにおける免 疫反応性に対して正常化したとき、幾つかのクローンはZB216が産生したdes-His1 -[Glu9]−グルカゴン類似体より更に効果的なアンタゴニストを産生するよう に思われた。これらのアンタゴニストは表5で確認する。図4は、B6およびJ1 5並びにdes-His1−グルカゴンおよびdes-His1−[Glu9] グルカゴンを産生する対照株から得られる培養ブイヨンの存在下で3つの濃度の グルカゴンに対するラット肝臓膜のcAMP応答を示している。図4は、B6とJ15がd es-His1−グルカゴンおよびdes-His1−[Glu9]グルカゴンに比べてより良いア ンタゴニストであることを示している。 表5 des-His1−[Glu21]グルカゴン des-His1−[Ala11]グルカゴン des-His1−[Pro3−Ser29]グルカゴン des-His1−[Ile7]グルカゴン des-His1−[Glu9-Phe13]グルカゴン des-His1−[Ser29]グルカゴン des-His1−[Asn9-Phe13]グルカゴン des-His1−[Ala9]グルカゴン des-His1−[Glu21-Ser29]グルカゴン des-His1−[Asn9]グルカゴン des-His1−[Ser4]グルカゴン des-His1−[Thr2]グルカゴン 実施例5−グルカゴンアンタゴニストスクリーニングアッセイ A.ラット肝臓膜の調製 若い雌スプレーグドーリーラットは、本質的にはネビル(Neville)(同書) が記載しそしてポール(Pohl)等(同書)が修正した方法を使用して肝臓膜を調 製するために使用した。60〜100gの肝臓をもたらす10から15匹のラットを1バ ッチ当たりで処理した。ラットを頸部脱臼によって安楽死させた後、ラットの肝 臓を外科的に取り出し、そしてできるだけ素早く氷冷ビーカーに移した。鋏を使 用して組織を約3〜6mmの大きさの片に細分化した。存在する結合組織 は全て除去した。 細分化した組織を氷冷した1mMの重炭酸ナトリウム中に約300g/lの濃度で 懸濁した。この懸濁液を一括して組織ホモジナオザー中で固定していない乳棒を 8回動かして混合した。このホモジネートに約40〜80g/lの最終濃度となるよ うに氷冷1mM重炭酸ナトリウムを追加して混合した。希釈したホモジネートを少 なくとも3分間撹拌した後、二層のチーズ用布でろ過した。ろ液を四層のチーズ 用布で再度ろ過し、遠心瓶に移し、そして1500×gで4℃で30分間遠心した。 遠心後、できるだけ多くの上清液を注意して傾瀉して捨て、そしてペレットは 、清潔な組織ホモジナイザー中で固定していない乳棒を3回動かして、残りの上 清液に静かに再懸濁した。再懸濁した上清液の容量を水で72mlに調整し、そして 69%(w/w)のスクロース93mlを添加して、44%スクロース中の膜懸濁液165m lを得た。完全に混合した後、スクロース濃度を屈折計で測定し、そして69%ス クロースかまたは水のどちらかを用いて43.9%から44.1%の間のスクロース(1. 4076から1.4080の間の屈折率に相当する)に調整した。調整した懸濁液を6つの 1インチ×3.5インチの硝酸セルロース管に分配し、そしてこの管に、42.2%か ら42.4%の間の濃度のスクロース(1.4042から1.4046の間の屈折率に相当する) に調整した新たなスクロース溶液を上に置いて満たしそして平衡化させた。試料 は、ベックマンSW28振動バケツ超遠心ローター中25,000rpmで4℃で150分間遠心 した。 精製した膜は管の頂部メニスカスに浮遊する層として回収した。膜は匙状のス パーテルですくい取るかまたは18ゲージの針でシリンジ中に吸引して取り出した 。膜は、18ゲージまたは20ゲージの針で10〜25mlのシリンジから吸引しそして排 除して1mM重炭酸塩10ml に再度懸濁した。再懸濁に続いて、膜は1 mMの重炭酸塩60〜80mlを添加して洗 浄し、そして高速遠心機中15,000rpmで遠心した。上清液を捨て、そしてペレッ トは1 mM重炭酸塩中に再度懸濁し、そしてプールして約5〜10mlの濃縮肝細胞 膜が得られた。膜調整物を小分けし、そして−80℃で6ヶ月までの期間冷凍して 貯蔵した。 膜調整物のタンパク質濃度は、10〜20μlの膜調製物を1MNaCl、0.17Mリン 酸ナトリウム(pH7.0)緩衝液中で100倍に希釈して測定した。緩衝液に対す るこの溶液の吸光度は1cmの石英キュベット中UV分光光度計で224nmおよび236.5 nmの波長で測定した。タンパク質濃度は次式に従って計算した: A224nm−A236.5nm=(mg/mlのタンパク質)(6.45)(100) B.アデニル酸シクラーゼ反応: アデニル酸シクラーゼアッセイは、先ず、マイクロモル濃度の潜在的インヒビ ターを含有する試料(例えば、酵母ブイヨン)5μlを96ウエルの微量滴定プレ ートの各ウエルに加えて実施した。A+B溶液は溶液A(表6)2.5mlを溶液B (表6)2.5mlと混合して調製した。A+B溶液50マイクロリットルを各「グル カゴン不含」対照ウエルに加えた。グルカゴンは「G」溶液から残っているA+ B溶液に加えて1×10-8Mの濃度とした(これにより、最終アッセイ濃度は5× 10-9となる)。A+B+グルカゴン溶液50マイクロリットルは、「グルカゴン不 含」対照を除いて、各ウエルに加えた。膜調製物は水で約2mg/mlのタンパク質 になるように希釈した。反応は希釈膜45μlを順次各ウエルに添加して開始させ た。アッセイ品は室温で12分間インキュベートし、そして希釈膜を添加したのと 同じ順序で停止混合物(Stop Mix)100μlを各ウエルに加えて停止させた。ア ッセイ混合物を遠心して清明にし、そしてアッセイ品は4℃で貯蔵した。 表6 試薬の処方 溶液A 100mM トリスHCl pH7.6 20 mM MgCl2 0.4 % BSA 4mg/ml クレアチンホスホキナーゼ(Sigma Chemical Company) 溶液B 4 mM ATP 20mM GTP 4 mMイソブチル−1−メチル−キサンチン(IBX;Sigma Chemical Co.) 4 mM EDTA 120mM クレアチンリン酸 「G」 1 mM グルカゴン 停止混合物 100mM 酢酸 50 mM EDTA C.サイクリックAMPアッセイ サイクリックAMP濃度はアマーシャムシンチレーションプロキシミティアッ セイキット(Amersham Scintillation Proximity AssayKit)(Amersham、イリ ノイ州アーリントンハイツ)を使用して測定した。簡単に言えば、各アデニル酸 シクラーゼ反応による10μlを個々のベータプレートウエルに加えた。各試料は 50mMの酢酸ナトリウム65μlで希釈した。サイクリックAMP標準品は、0.0、 1.6および6.4×10-9Mで調製したが、アマーシャムキットで供給された「非アセ チル化標準品」から調製することもできる。各標準品75 μlの3つの標準品を個々のベータプレートウエルに加えた。非特異的結合(N SB)対照は、50mM酢酸ナトリウム150μlを3つのベータプレートウエルに加 えて調製した。75マイクロリットルの125I−cAMP(約0.45mCi/ml)を各 ウエルに加え、続いて、NSB対照を除いて、75μlの希釈したウサギ抗−スク シニルcAMP抗血清(製造者の指示に従って50mMの酢酸ナトリウム中で希釈 した)を各ウエルに加えた。次に、希釈した抗−ウサギSPA試薬75マイクロリ ットルを各ウエルに加え、そしてプレートを密閉しそして振とうし乍ら室温で一 夜インキュベートした。プレートは、ベータプレートカウンター中で試料当たり 1分間計数した。NSB対照および標準品について平均数を計算した。標準品お よび試料の応答パーセントは次式を使用して決定した: %Rx=(CPM−CPMNSB)/(CPM0.0−CPMNSB) 式中、 %Rx=与えられた試料または標準品の応答パーセント CPM=試料計数 CPMNSB=NSB対照計数の平均 CPM0.0=0.0M標準品計数の平均 与えられた試料のcAMPの相対濃度は次式を使用して決定した: [CAMP]x=1.6e1n4%RX-%R1.6/%R6.4-%R1.6) 式中、 [cAMP]x=与えられた試料の相対濃度 %Rx =与えられた試料の応答パーセント %R1.6 =1.6×10-9M標準品の応答パーセント %R6.4 =6.4×10-9M標準品の応答パーセント 潜在的アンタゴニストは、ラット肝臓膜アデニル酸シクラーゼの グルカゴンによる刺激を阻止するものとして同定した。かくして、グルカゴンを 産生しない対照株(ZB213)から得られるブイヨンを含有するウエルより顕著 に少ないcAMPを含有していたアッセイウエルは、アンタゴニスト活性を有す るグルカゴン類似体を産生する酵母株に相当するはずである。対照および突然変 異株で得られた値の変動性の程度が比較的高いため、平均cAMP値は或るプレ ートでの全試料で計算し、そしてこの平均より顕著に少ない値に相当する酵母株 を更に試験するために選択した。 実施例6−合成ペプチドグルカゴンアンタゴニスト ペプチド[Ser4]グルカゴン、des−His1−[Ser4]グルカゴン、d es−His1−[Glu21]グルカゴン、des−His1−[Ser29]グルカゴン、 des−His1−[Ala11]グルカゴンおよび[Asp1−Ala2−Ile7]グルカゴ ンは、本質的にカルピーノ(Carpino)およびハン(Han)が記載し(J.Amer.C hem.Soc.92:5748〜5749、1970年;J.Org.Chem.37:3404〜3409、1972年) 、製造者およびFmocケミストリー(chemistry)で指示された標準サイクルを使 用してアプライドバイオシステムズ(AppliedBiosystems)(カリフォルニア州 フォスターシティ)モデル431Aペプチド合成器で合成した。負荷していないH MP(p−アルキルオキシベンジルアルコール)樹脂を使用した。最初のアミノ 酸を対称無水物として樹脂にカップリングさせた。その後アミノ酸をHOBt活 性エステルとしてカップリングさせた。各カップリング後、酢酸無水物による封 鎖サイクルを行って欠失ペプチドの発生を最少とした。合成が完了したとき、最 終のFmoc保護基を除きそして樹脂を乾燥した。合成中、各カップリング後に樹 脂試料を取った。試料は製造者が指示したようにしてアッセイした。最初の試料 は樹脂負荷の効率を試験するために使用した。カップリングの効率は、ニ ンヒドリンアッセイを使用してアッセイした。ペプチドは、95%トリフルオロ酢 酸(TFA)を使用して樹脂から切断し、ジエチルエーテル中で沈降させ、そし て10%酢酸に再度溶解した。ペプチドは、バイダック(Vydac)C−4カラム(T he Separations Group、カリフォルニア州ヘスペリア)を使用してH2O/アセ トニトリル(共に0.1%のTFAを含有している)傾斜を用いて逆相HPLCで 精製した。各ペプチドについて、主ピークを集め、アミノ酸分析用に試料を取り 、そしてペプチドを凍結乾燥した。 ペプチドは、278nmの波長で8290のモル消衰係数に基づいて1mM濃度で水に溶 解した。次に水で連続希釈して、実施例5に記載したようにしてアデニル酸シク ラーゼ活性に与える影響を試験することができる濃度範囲を得た。ペプチドは単 独および20nmのグルカゴンの存在下で試験した。グルカゴンを添加しないと、[ Ser4]グルカゴンだけがアデニル酸シクラーゼ活性の刺激を示し、そしてこの 刺激は僅かであり、そしてアッセイした最大濃度(反応混合物中最終的に10μM )でしか生じなかった。合成類似体([Ser4]グルカゴンを含む)は全て投与 量依存性の態様でグルカゴンに対する応答を効果的に阻止することができた。こ れらの実験から得られたデータを使用して、表7に示したこれら各類似体の阻止 係数(I/A50)を見積もった。I/A50はインヒビター対アゴニスト濃度(応 答がアゴニスト単独で観察された応答の2分の1に低下したときの濃度)の比率 として定義される。 実施例7−グルカゴンアンタゴニストの合成 A.ペプチドの合成 合成ペプチドdes−His1−(Ala2 11−Glu21)リグルカゴンアミドはt Boc−保護アミノ酸およびバラニー(Barany)およびメリフィールド(Merrifie ld)(同書)の方法を使用して合成した。合成は、カップリング反応用溶媒とし てDMF/ジクロロメタンを使用してアプライドバイオシステムズ(カリフォル ニア州フォスターシティ)430Aペプチド合成器で、この機械の標準プロトコー ルに従って実施した。保護基は表8に示したとおり使用した。ペプチドはタム( Tam)等が開示した低/高HF法(J.Am.Chem.Soc.105:6442、1983年)を使 用して樹脂から切断した。 粗製のペプチドは、0.01MHCl 15ml中に粗製ペプチド35mgを溶解し、この 溶液をSUPERPACPEP−SRP−C2/C18カラム(Pharmacia LKB) デンマークアレレード)に入れ、そして0.01M中アセトニトリルの傾斜を20%ア セトニトリルで開始して50%アセトニトリルまで高め乍ら、15ml/分流速度で40 分かけて溶出することによって分離用HPLCで精製した。UV検出は280nmで あった。 精製したペプチドは、0.1Mピペリジンを用いて20℃で15分間処理して残って いるCHO保護をトリプトファン残基から取り除いた。次に、反応混合物をウオ ーターズ(Waters)SEP−PAKC−18カートリッジ(Struers、デンマーク レドブレ)に入れた。ペプチドは、2%酢酸中10mlおよび2%酢酸中40%アセト ニトリル10mlで溶出した。アセトニトリル含有フラクションを凍結乾燥した。凍 結乾燥後、ペプチドの同一性は血漿脱着マススペクトル法で証明した。最終収量 は12.1mgであった。 B.グルカゴン結合アッセイ 合成ペプチドがグルカゴン結合を阻止する能力は、合成ペプチドの存在下での 放射性標識グルカゴンの結合を合成ペプチドの不存在下での放射性標識グルカゴ ンの結合と比較して測定することによって測定した。合成ペプチドを10%酢酸に 溶解し、そして使用する前に凍結乾燥した。グルカゴンを10%酢酸に溶解し、そ して標準品として使用するため25μg部を凍結乾燥した。11.1kBg/ngの比活性 を有する 125I−グルカゴンはノボバイオラブス(Novo Biolabs)(Novo Alle 、デンマークバグスバード)から得、そして−18℃で貯蔵した。血漿膜は、タン パク質測定を、標準品としてウシ血清アルブミンを使用しバイオ−ラド(Bio−R ad)タンパク質アッセイ(BioRad、カリフォルニア州リッチモンド)を使用して 製造者の指示に従って実施したことを除いて、以前に記載したようにして調製し た。全体に亘ってミリ−Q(Milli−Q)等級の水を使用した。 凍結乾燥グルカゴンおよび合成ペプチドは0.05MHCl100μlに溶解し、そ して3分間放置した。グルカゴンは緩衝液(0.1MHEPES、0.15MNaCl 、pH7.4中2.5%のヒト血清アルブミン(等級5、Sigma Chemical Co.、ミズ ーリー州セントルイス))で0.2〜200ng/mlに希釈した。合成ペプチドは同じ緩 衝液で1.5〜800ng/mlに希釈した。各96ウエルのアッセイプレートで、グルカゴ ンの重複試料および各ペプチドの三重試料をアッセイした。96ウエルの0.45μm フィルター親水性微量滴定プレート(Multiscreen Filtration System、Millip ore)の各細胞は100μlの試料、上記した希釈緩衝液で希釈した125I−グルカ ゴン25μl(約30,000cpm)、および10〜20μgの血漿膜タンパク質を含有する 新たに解凍した血漿膜25μlを含有していた。プレートを室温で10秒間振とうし 、続いて30℃で30分間インキュベーションした。次に、結合して いないペプチドは、ミリポアーマルチスクリーン真空多岐管(Millipore)を使 用して真空ろ過によって分離した。プレートは上記の希釈用緩衝液150μlで1 度洗浄し、そしてプレートを数時間放置して乾燥させ、その後ミリポアーパンチ ャー(Multiscreen Punch Kit、Millipore)を使用してプレートからフィルター を分離した。フィルターはガンマ計数器で計数した。des−His1−[Ala2 1 1 −Glu21]グルカゴンアミドの結合は24%±1であることが示された。ブタの 膜を使用する同様なアッセイで84%±9.3の値を得た。 C.アデニル酸シクラーゼアッセイ アデニル酸シクラーゼアッセイで使用する肝血漿膜は、本質的にネビル等(同 書)が記載したようにして調製した。20匹のラットを断頭術で安楽死させ、そし て肝臓を取り出して4℃に冷却した。冷却後、肝臓は膜の調製中4℃に維持した 。3容量の培地(1 mMNa HCO3、0.5mMCaCl2)を肝臓に加え、そし て肝組織を鋏で粗く刻んだ。この材料を2つの部分に分け、そして各部分はウエ アリング(Waring)タイプの混合機中フルスピードで30秒間均質化した。均質化 した後、ホモジネートを1.5mmの孔サイズの篩に移した。ホモジネートはひしゃ くを用いて漉した。このろ過方法は各ホモジネートについてより細かいスクリー ンで繰り返した。漉したホモジネートを合わせ、そして最終容量が1リットルに なるように培地を加えた。ホモジネートは、ダウンス(Dounce)ホモジナイザー を用いて固定していない乳棒を激しく8回動かして均質化した。このホモジネー トを4層のチーズ用布でろ過した。漉したホモジネートは振動バケツローター中 4℃で20分間約150×gで遠心した。上清液を捨て、そして沈殿を500mlの培地に 再度懸濁し、そしてダウンスホモジナイザー中で固定していない乳棒を3回動か して均質化 した。遠心を繰り返し、そして得られた沈殿を250mlの培地に再度懸濁した。ホ モジネートを記載したようにして遠心し、そして沈殿を50から100mlの培地に再 度懸濁した。ホモジネートはダウンスホモジナイザー中で固定していない乳棒を 3回動かして均質化した。69%スクロース溶液のスクロースを、最終スクロース 濃度が44.0±0.1%となるように懸濁液に加えた。この溶液を超遠心機中約100,0 00×gで150分間遠心した。膜を管の上部から匙を用いて取り出した。膜は−80 ℃で貯蔵した。 アデニル酸シクラーゼアッセイは合成ペプチドを使用して実施した。アンタゴ ニストはcAMP応答値を低下させるペプチドであった。結合アッセイ用に上記 したようにして調製した各ペプチド溶液25マイクロリットルを96ウエルの微量滴 定プレートの個々のウエルに加えた。50マイクロリットルのインキュベーション 混合物(50mMトリス−HCl、pH7.4中、0.1%のヒト血清アルブミン[等級 5、Sigma]、15 mMMgCl2、1mMATP、0.9mMIBMX(3−イソブチ ル−1−メチルーキサンチン、Sigma)、15mMクレアチンリン酸および5mg/ml クレアチンホスホキナーゼ)を各ウエルに加えた。反応は、0.5〜2.0μgの血漿 膜タンパク質を含有する上記のようにして調製した25μlの新たに解凍した血漿 膜を添加して開始させた。プレートは30℃で15分間インキュベートした。インキ ュベーション後、プレートを80〜90℃に3分間加熱して反応を停止させた。試料 は全て、アマーシャムシンチレーションプロキシミティアッセイキット(Amersh am、イリノイ州アーリントンハイツ)から得られるRIA緩衝液を用いて5倍に 希釈した。サイクリックAMPはアマーシャムシンチレーションプロキシミティ アッセイキット(Amersham、イリノイ州アーリントンハイツ)を使用して測定し た。これらのアッセイの結果、該ペプチドの阻止係数 は、27の阻止係数を示したdes−His1グルカゴンと比較して8.0±2.1である ことが示された。 上記から、説明の目的で本発明の特別の実施態様を本願明細書に記載したが、 本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の修正をすることができるこ とが理解されよう。従って、本発明は下記請求の範囲で限定される以外は限定さ れない。 配列リスト (1)一般的な情報 (i)出願人:Smith,Robert A Piggott,James R (ii)発明の名称:グルカゴンアンタゴニストおよびグルカゴンアンタゴニ ストの検出法 (iii)配列の数:11 (iv)通信先住所: (A)名宛人:Seed and Berry (B)ストリート:コロンビアセンター 6300 (C)都市:シアトル (D)州:ワシントン (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:98104−7092 (v)コンピューター読取り様式: (A)媒体のタイプ:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBMPC互換性 (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントインリリース#1.0、 バージョン#1.25 (vi)現出願データ: (A)出願番号:US (B)出願日: (C)分類 (vii)先行出願データ: (A)出願番号:US 07/741,931 (B)出願日:1991年8月8日 (vii)先行出願データ: (A)出願番号:US 07/641,343 (B)出願日:1991年1月17日 (viii)弁護士/代理人情報: (A)氏名:Maki,Davld J (B)登録番号:31,392 (C)参照処理予定事項記号:990008.4l3C2 (ix)遠隔通信: (A)電話:206−622−4900 (B)テレファックス:206−683−6031 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:87塩基対 (B)タイプ:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子タイプ:cDNA (iii)仮説:N (iv)アンチセンス:N (ix)特徴: 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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.位置2にアラニン残基を有し且つ位置3、4、5、9、10、11、21又は29 にさらにアミノ酸置換を有する置換グルカゴンから成る群から選択されたグルカ ゴンアンタゴニスト。 2.アラニン残基を位置11に有する請求項1記載のグルカゴンアンタゴニスト 。 3.グルタミン酸残基を位置21に有する請求項2記載のグルカゴンアンタゴニ スト。 4.グルタミン酸残基を位置21に有する請求項1記載のグルカゴンアンタゴニ スト。 5.セリン残基を位置29に有する請求項1記載のグルカゴンアンタゴニスト。 6.位置3、4、5、9、10、11、21又は29にアミノ酸置換を有するdes-His1 -[Ala2]グルカゴンから成る群から選択されたグルカゴンアンタゴニスト。 7.アラニン残基を位置11に有する請求項6記載のグルカゴンアンタゴニスト 。 8.グルタミン酸残基を位置21に有する請求項7記載のグルカゴンアンタゴニ スト。 9.グルタミン酸残基を位置21に有する請求項6記載のグルカゴンアンタゴニ スト。 10.セリン残基を位置21に有する請求項6記載のグルカゴンアンタゴニスト。 11.Des-His1[Ala2.11-Glu21]グルカゴン。
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