JPH084897B2 - 耐摩耗性と耐食性にすぐれた2層遠心力鋳造管 - Google Patents

耐摩耗性と耐食性にすぐれた2層遠心力鋳造管

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JPH084897B2
JPH084897B2 JP32061287A JP32061287A JPH084897B2 JP H084897 B2 JPH084897 B2 JP H084897B2 JP 32061287 A JP32061287 A JP 32061287A JP 32061287 A JP32061287 A JP 32061287A JP H084897 B2 JPH084897 B2 JP H084897B2
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resistance
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、遠心力鋳造により製造され、、耐摩耗性及
び耐食性にすぐれる2層構造の管に関する。より具体的
には、製紙機械の種々のロールの内、耐摩耗性及び耐食
性の両特性を具備せねばならないロール、例えばストー
ンロール、カレンダーロールとして供される管に関す
る。
(従来技術とその問題点) 製紙工程において、溶解パルプの脱水作業は、上下方
向に一対となって回転可能に設けられたストーンロール
の間を多湿パルプを通過させ、該パルプを押圧すること
により行なわれる。又、その後の乾燥工程でも、カレン
ダーロールの間にパルスを通過させ、該パルプを押圧す
る処理が行なわれる。
これらのロールは、パルプの通過時に大きな荷重を受
けて摩耗しやすいため、耐摩耗性にすぐれた材料から作
らねばならない。又、多湿パルプが含有する液は高濃度
の酸性溶液であるため、耐腐食性にすぐれた材料から作
らねばならない。
従来、ストーンロールには天然の大理石が用いられて
いた。しかし、天然の大理石は、耐食性及び耐摩耗性に
はすぐれるが、熱衝撃に弱く、割れが生じやすいという
問題があった。又、カレンダーロールにはチルド鋼等の
普通鋳鋼が用いられているが、耐腐食性に問題がある。
そこで、耐食性及び耐摩耗性の両特性にすぐれる13Cr
−Ni鋼を用いることが考えられるが、製紙機械のロール
のような大径、長尺のものになると、製造上の問題から
使用できないのが実状である。即ち、これらロールにす
ぐれた耐摩耗性を付与するには、熱処理を施して所定の
硬度を具備させねばならないが、その熱処理過程におい
て焼割れや、置割れ等の熱処理欠陥が発生するからであ
る。
割れの原因は、詳しく解明されている訳ではないが、
大形部材の場合、焼入れの際の急冷により部材の内外に
温度差を生じて発生する熱応力が極めて大きく、これが
マルテンサイト変態による変態応力と重合し、部材の有
する引張強さを超えたときに焼割れが発生するものと一
般的には考えられている。また、置割れは、焼入れ後に
残留オーステナイトが多量に生成し、これが徐々にマル
テンサイト化する過程で発生するものと考えられてい
る。なお、これらの割れ現象は、製紙機械のロール程の
大きさになれば、ロール体を中実ではなく、中空にして
も同様である。
本発明は、かかる観点から、耐摩耗性及び耐食性にす
ぐれる13Cr−Ni鋼の外層と、普通鋳鋼の内層との2層構
造の管となし、13Cr−Ni鋼の使用部分の層厚を10〜50mm
とすることにより13Cr−Ni鋼の質量効果を小さくし、熱
処理を施しても割れの生じない2層構造の遠心力鋳造管
を提供するものである。
(技術的手段及び作用) 本発明にかかる遠心力鋳造管は、外径800mm以上、長
さ3000mm以上の寸法であって、13Cr−Ni鋼の外層と普通
鋳鋼の内層とからなる2層構造としており、外層部は層
厚が10〜50mm、かつ化学成分がC:0.1〜0.25%、Si:0.1
〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、Cr:10.0〜14.0%、Ni:1.0〜
4.0%、Mo:0.1〜3.0%、V:0.2%以下を含有して残部実
質的にFeから成り、外層の表面部は焼入れ焼戻し後にて
Hv450以上の硬度を備えている。なお、上記の「%」は
すべて重量「%」であり、以下の説明においても同じで
ある。
本発明の2層構造の遠心鋳造管は、外層部が耐食性及
び耐摩耗性にすぐれており、これら両特性の要求される
大径、長尺の管、例えば製紙機械のストーンロール、カ
レンダーロールとして供することができる。
本発明の外層部を形成する材料、即ち13Cr−Ni鋼の化
学成分について、詳しく説明する。
C:0.1〜0.25% Cは、オーステナイト生成元素であり、かつ後記する
Cr、Moと共に一次炭化物を形成し、強度、硬度の向上に
寄与する。このため、少なくとも0.1%を要する。しか
し、含有量が多すぎると二次炭化物が析出しやすく、耐
食性及び靭性が低下するので上限は0.25%とする。
Si:0.1〜1.0% Siは、溶鋼の脱酸及び鋳造性確保のため、少なくとも
0.1%を必要とする。しかし、多量に含有すると靭性が
低下し、溶接性も損なうので、1.0%を上限とする。
Mn:0.2〜2.0% Mnは、通常の脱酸、脱硫過程で0.2%程度含有され、
オーステナイト相の安定化に有効な元素である。一方、
多量に含有してもそれに対応する効果が得られない。従
って、0.2〜2.0%が適当である。
Cr:10.0〜14.0% Crは、耐食性に有効な元素であり、少なくとも10.0%
を含有する必要がある。ただし、Cr量があまりに多くな
ると靭性が著しく低下するため、上限は14.0%とする。
Ni:1.0〜4.0% Niは、オーステナイトを安定化する元素であり、靭性
の向上に寄与するため、1.0%以上添加する必要があ
る。しかし、多量に含有すると残留オーステナイトが多
く残り、硬度の低下をもたらすため上限は4.0%とす
る。
Mo:0.1〜3.0% Moは、ステンレス鋼の耐食性の改善に大きな効果を有
する。そのため、少なくとも0.1%以上含有する必要が
ある。しかし、多量に加えてもその効果は飽和するので
3.0%を上限とする。
V:0.2%以下 Vは、M23C6型炭化物中に固溶し、炭化物の成長を抑
制する効果がある。これによって、焼戻し軟化抵抗が著
しく向上する。ただし、多量に含有すると靭性が低下す
るため、0.2%を上限とする。
本発明にかかる遠心鋳造管の外層を形成する材料は上
記の化学成分を含有し、残部は不可避的に混入するP、
Sその他不純物元素及びFeから成る。
ところで、2層構造に鋳造管は、第1図及び第2図に
示すように、外層(1)と内層(2)とから構成され
る。外層(1)成分に13Cr−Ni鋼を用い、内層(2)成
分に普通鋳鋼を用いて、遠心力鋳造法により作られる。
具体的には、先ず、13Cr−Ni鋼の溶湯を用いて所望の層
厚を有する外層を鋳込み、その内壁面が凝固した直後に
普通鋳鋼の溶湯を鋳込み、所望の層厚の内層を鋳造し、
そのまま鋳型の回転を続行して凝固を完了させればよ
い。これによって、内層と外層とが、境界層で層厚の薄
い融合層(3)を介して冶金学的に一体結合した2層管
を得ることができる。なお、外層は10mm以上、50mm以下
の厚さとすることによって、13Cr−Ni鋼の質量効果を小
さくし、熱処理後の割れを有効に防止することができ
る。
(実施例) 遠心力鋳造法により、外層を13Cr−Ni鋼から形成し、
内層を普通鋳鋼から形成した2層構造の管を製造した。
製造した供試管のサイズは、外径1246mm、内径952mm、
外層と内層の境界径1160mm、長さ3950mmである。外層及
び内層の化学成分を第1表に示す。
供試管に熱処理(1050℃ x 4 hrs.水冷焼入れ、200℃
x 4 hrs.空冷焼戻し)を行なった。焼入れ後の硬度はH
v520、焼戻し後の硬度はHv485であった。この後、外内
面を夫々、カラーチェック(JIS Z2343)によって割れ
検査を行なったが、割れは発見されなかった。
(発明の効果) 本発明の2層遠心鋳造管は、鋳造後の熱処理工程で割
れを発生することなく製造することができる。外層部は
すぐれた耐摩耗性と耐食性を備えているから、製紙機械
のストーンロールやカレンダーロールとして最適であ
る。さらに、内層を安価な普通鋳鋼から形成したから、
コスト面においても非常に有利である。
なお、管の肉厚寸法は特に規定しないが、上記の外径
及び長さであれば、約30mm以上の肉厚の製品を対象とす
ることができる。なお、30mm程度であれば、13Cr−Ni鋼
の単層構造としても熱処理工程で割れが発生するという
問題はないと思われるが、例えば、13Cr−Ni鋼を用いる
外層を厚さ10mm、普通鋳鋼を用いる内層を厚さ20mmとす
ることにより、所望の品質を得つつ経済性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第2層鋳造管の一部を破断した断面
図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図である。 (1)……外層、(2)……内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 9/02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外径800mm以上、長さ3000mm以上の2層遠
    心力鋳造管であって、内層は普通鋳鋼から形成され、外
    層は、層厚が10〜50mm、かつ重量%にて、C:0.1〜0.25
    %、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.2〜2.0%、Cr:10.0〜14.0
    %、Ni:1.0〜4.0%、Mo:0.1〜3.0%、V:0.2%以下を含
    有して残部実質的にFeから成る材料から形成され、外層
    の表面部は焼入れ焼戻し後にてHv450以上の硬度を備え
    ていることを特徴とする耐摩耗性と耐食性にすぐれた2
    層遠心力鋳造管。
JP32061287A 1987-12-17 1987-12-17 耐摩耗性と耐食性にすぐれた2層遠心力鋳造管 Expired - Lifetime JPH084897B2 (ja)

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