JPH0847340A - プランター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 盛り土に常時適度な水分を供給することがで
き、しかも、盛り土に雨水等が蓄積するのを防止するプ
ランターを提供すること。 【構成】 仕切板４はハニカム構造であり、給水槽６は
上面開放型に構成されているため、給水槽６内で自然蒸
発する水分は、給水槽６内に溜まることなく、このハニ
カムを伝い仕切板４の上面の盛り土に供給される。ま
た、雨水、結露等があっても、余分な水分は、仕切板４
のハニカムを伝い、上面開放型の給水槽６内に落ち込
む。そして、給水槽６内に落ち込んだ水は、適宜排水部
により排水されるので、給水槽６内の水が盛り土に溢れ
出すこともない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、道路や公園の広場など
に設置して、草花等を植生するプランターに係り、特
に、植物の根に常時適度な水分を供給することができ、
しかも、盛り土に雨水等が蓄積しないプランターに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、プランターとしては、例えば、図
５に示すようなものが提案されている。

【０００３】図５のプランターは、上面が開放した箱状
のケース０１の中段において、水平方向に仕切板０２が
架設され、この仕切板０２の下方に密閉型水タンク０３
が収容されている。この水タンク０３の一隅には、水タ
ンク０３に水を補給するための給水管０４が、仕切板０
２を貫通して立設されている。この仕切板０２には、少
なくとも一対のスリット０５が適宜の間隔で穿設されて
おり、給水片０６が装着されている。

【０００４】給水片０６は、不織布などの毛管現象によ
る保水性の高い材質の布を使用してリボン状に形成され
ており、その両端は、仕切板０２のスリット孔０５を通
して垂下して、水タンク０３に貯留した水の中に浸漬さ
れている。さらに、仕切板０２の上面全体を覆って、植
生した植物の根が、仕切板０２の下方まで入り込まない
ようにするため、防根シート０７が設置されている。

【０００５】したがって、防根シート０７の上部のケー
ス０１内に土を盛って、植物を植生すると、水タンク０
３内の水は、給水片０６の毛管現象により、仕切板０２
の上面に吸い上げられて、盛り土に給水される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、盛り土には給水片０６の毛管現象からで
ないと給水されず、盛り土の一部にしか水分を供給する
ことができず、盛り土全体に水分を供給することが困難
となり、植物の根には好ましい状況ではない。

【０００７】また、雨水、結露等により、盛り土全体に
水分が供給されることが起こり得るが、従来は、仕切板
０２が水不透過性で構成されているため、余分な水分が
仕切板０２の上面の盛り土に蓄積され、根腐れの原因に
もなる。

【０００８】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、盛り土に常時適度な水分を供給すること
ができ、しかも、盛り土に過剰な水分が蓄積されるのを
防止するプランターを提供することを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のプランターは、略水平に設置された仕切板と、
該仕切板の下部に形成された給水槽と、該給水槽に給水
する給水部と、両端が前記給水槽内の水の中に浸漬さ
れ、前記給水槽内の水を前記仕切板の上面に吸い上げる
給水片と、該給水片の上部に設置され、前記仕切板の上
面全体を覆う防根シートとを備えたプランターにおい
て、前記仕切板を多孔板とし、該透水板の下方部の給水
槽内に前記給水槽内の水を一定水位にする排水部を設け
たことを特徴としている。

【００１０】本発明のプランターは、多孔板が、合成樹
脂製のハニカム材であることが好ましい。

【００１１】本発明のプランターは、多孔板が、パンチ
ングメタルであることが好ましい。

【００１２】本発明のプランターは、排水部が、前記給
水槽底板から直立するオーバーフロー管で構成されてい
ることが好ましい。

【００１３】本発明のプランターは、防根シートは、そ
の周囲が上方に折曲形成されていることが好ましい。

【００１４】本発明のプランターは、給水部は、前記防
根シート及び前記仕切板を貫通して、前記給水槽内に立
設される給水管で構成されていることが好ましい。

【００１５】本発明のプランターは、給水管が、プラン
ター側壁を利用して予めプランターに一体的に形成され
ていることが好ましい。

【００１６】

【作用】防根シートの上部に土を盛って植物を植生し、
給水部より給水槽に給水すると、給水槽内の水は給水片
の毛管現象により、仕切板の上面に吸い上げられて、盛
り土に給水される。さらに、仕切板はハニカム構造等の
多孔板であり、給水槽内で自然蒸発する水分は、給水槽
内に溜まることなく、この多孔板を通過し仕切板の上面
の盛り土に供給される。これにより、盛り土全体にわた
って適度な水分が供給され、植物の根に好ましい状況が
得られる。また、雨水、結露等があっても、余分な水分
は、多孔板を通過し、給水槽内に落ち込むため、盛り土
には余分な水分が蓄積されず、根腐れを起こすこともな
い。そして、給水槽内に落ち込んだ水は、適宜排水部に
より排水されるので、給水槽内の水が盛り土に溢れ出す
こともない。

【００１７】合成樹脂製のハニカム材は撓み強度を有し
ており、重い盛り土に対して十分な保持力を有してい
る。

【００１８】給水部は、防根シート及び仕切板を貫通し
て、給水槽内に立設される給水管で構成されているた
め、盛り土が十分に湿っている状態の時でも、前記給水
槽内に必要な水を直接供給しておくことができる。

【００１９】前記給水管が、プランター側壁を利用して
予めプランターに一体的に成形されているので、防根シ
ートまたは仕切板等に特別な処理を施すことがないた
め、作業負担が軽減され、また経済的である。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００２１】図１は、本発明実施例のプランターの構成
を示す斜視図であり、プランター１は、コンクリートあ
るいはプラスチックなどの材料を使用して、４面の側壁
２と底壁３とからなる、上面が開放した箱状に形成され
ている。

【００２２】プランター１の下方には、矩形の仕切板４
が底壁３の４隅に設置された支持台５上に水平に架設さ
れている。この仕切板４は、図３に示すように、複数の
貫通孔４ａを有する多孔板としての合成樹脂製のハニカ
ム材で形成されており、水分がこのハニカムを透過でき
るように構成されている。

【００２３】また、プランター１には、仕切板４の下面
とプランター１の内壁である側壁２及び底壁３により囲
まれる空間で給水槽６が構成されている。ここで、仕切
板４のハニカム構造を有する表面は、給水槽６の上面内
に位置する大きさに形成されている。なお、給水槽６を
構成する側壁２及び底壁３の内面には適宜防水塗料が塗
布されている。

【００２４】仕切板４には、複数個（本実施例では４
個）の給水片７が装着されている。給水片７は、不織布
などの毛管現象で水を吸い上げる布で、その両端は、仕
切板４の端部から給水槽６内に垂下している。給水片７
の上部には、従来例と同様に、仕切板４の上面全体を覆
う防根シート８が展張されている。この防根シート８
は、その周囲が上方に折曲形成されている。

【００２５】給水部としての給水管９は、パイプ形状に
形成されており、防根シート８及び仕切板４の挿通孔４
ｂ（図３参照）を貫通して給水槽６内に立設されてい
る。また、給水槽６の略中央には排水部としてのオーバ
ーフロー管１０（図２参照）が取付けられており、これ
により、給水槽６内の水位は一定に保たれている。

【００２６】このように構成された実施例のプランター
にあっては、まず、防根シート８の上部に土を盛って植
物を植生し、給水管９より給水槽６に給水する。給水槽
６には給水片７の両端が垂下されているため、給水槽６
内の水は給水片７の毛管現象により、仕切板４の上面に
吸い上げられて、盛り土に給水される。

【００２７】そして、仕切板４はハニカム構造であるた
め、給水槽６内で自然蒸発する水分は、給水槽内の水面
ＷＬと側壁２及び底壁３で囲まれる空間を介して、この
仕切板４の貫通孔４ａを通過し仕切板４の上面の盛り土
に供給される。

【００２８】これにより、盛り土全体にわたって適度な
水分が供給され、植物の根に好ましい状況が得られる。

【００２９】また、雨水、結露等があっても、余分な水
分は、ハニカム構造である仕切板４の貫通孔４ａを通過
し給水槽６に落ち込むため、盛り土には余分な水分が蓄
積されず、根腐れを起こすこともない。

【００３０】そして、給水槽６内に落ち込んだ水は、オ
ーバーフロー管１０より排水されるので、給水槽６の水
が盛り土内に溢れ出すことなく、給水槽６内の水位は常
に一定に保たれる。

【００３１】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。

【００３２】例えば、図４に示されるように、プランタ
ー１の任意の位置（この場合いずれかのコーナー部）
に、プランター１の側壁２の内面を利用し、さらに側板
１１を形成し、その内側面を前記側壁２の内面をによっ
て給水管１２がプランター１の成形時に予め一体的に成
形されるようにしてもよい。

【００３３】実施例では、仕切板４を箱状のプランター
１の形状に合致した矩形としたが、三角柱状のプランタ
ーにあっては、図５に示すように、三角状の仕切板１４
にすれば良い。なお、１４ａは貫通孔、１４ｂは給水管
の挿通孔である。

【００３４】実施例では、給水槽６を仕切板４の下面と
プランター１の内壁である側壁２と底壁３により囲まれ
る空間で構成したが、上面開放型の水タンクを挿入設置
しても良い。

【００３５】実施例では、給水片７の両端を仕切板４の
端部から給水槽６内に垂下させたが、仕切板の適宜位置
にスリットを形成し、このスリットから給水片の両端を
給水槽内に垂下させても良い。

【００３６】実施例では、排水部を給水槽内に取付けた
オーバーフロー管１０で構成しているが、給水槽の壁面
の適宜位置に穿設された排水孔に装着されるドレンプラ
グで構成しても良い。

【００３７】

【発明の効果】防根シートの上部に土を盛って植物を植
生し、給水部より給水槽に給水すると、給水槽内の水は
給水片の毛管現象により、仕切板の上面に吸い上げられ
て、盛り土に給水される。さらに、仕切板はハニカム構
造等の多孔板であり、給水槽内で自然蒸発する水分は、
給水槽内に溜まることなく、この多孔板を通過し仕切板
の上面の盛り土に供給される。これにより、盛り土全体
にわたって適度な水分が供給され、植物の根に好ましい
状況が得られる。また、雨水、結露等があっても、余分
な水分は、多孔板を通過し、給水槽内に落ち込むため、
盛り土には余分な水分が蓄積されず、根腐れを起こすこ
ともない。そして、給水槽内に落ち込んだ水は、適宜排
水部により排水されるので、給水槽内の水が盛り土に溢
れ出すこともない。

【００３８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプランターの一実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】プランターの構成を示す要部断面図である。

【図３】仕切板の構成を示す平面図である。

【図４】本発明の他の実施例の要部拡大図である。

【図５】仕切板の構成を示す他の実施例の平面図であ
る。

【図６】従来のプランターの構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ プランター ２ 側
壁 ３ 底壁 ４，１４ ハ
ニカム構造の仕切板 ４ａ，１４ａ 貫通孔 ４ｂ，１４ｂ 挿
入孔 ５ 支持台 ６ 給
水槽 ７ 給水片 ８ 防
根シート ９ 給水管 １０ オ
ーバーフロー管 １１ 側板 １２
給水管

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略水平に設置された仕切板と、該仕切板
   の下部に形成された給水槽と、該給水槽に給水する給水
   部と、両端が前記給水槽内の水の中に浸漬され、前記給
   水槽内の水を前記仕切板の上面に吸い上げる給水片と、
   該給水片の上部に設置され、前記仕切板の上面全体を覆
   う防根シートとを備えたプランターにおいて、 前記仕切板を多孔板とし、該透水板の下方部の給水槽内
   に前記給水槽内の水を一定水位にする排水部を設けたこ
   とを特徴とするプランター。
2. 【請求項２】 前記多孔板が、合成樹脂製のハニカム材
   である請求項１に記載のプランター。
3. 【請求項３】 前記多孔板が、パンチングメタルである
   請求項１に記載のプランター。
4. 【請求項４】 前記排水部が、前記給水槽底板から直立
   するオーバーフロー管で構成されている請求項１ないし
   ３のいずれかに記載のプランター。
5. 【請求項５】 前記防根シートは、その周囲が上方に折
   曲形成されている請求項１ないし４のいずれかに記載の
   プランター。
6. 【請求項６】 前記給水部は、前記防根シート及び前記
   仕切板を貫通して、前記給水槽内に立設される給水管で
   構成されている請求項１ないし５のいずれかに記載のプ
   ランター。
7. 【請求項７】 前記給水管が、プランター側壁を利用し
   て予めプランターに一体的に形成されている請求項６に
   記載のプランター。