JPH084611B2 - 血液成分分離バッグ - Google Patents

血液成分分離バッグ

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JPH084611B2
JPH084611B2 JP63083174A JP8317488A JPH084611B2 JP H084611 B2 JPH084611 B2 JP H084611B2 JP 63083174 A JP63083174 A JP 63083174A JP 8317488 A JP8317488 A JP 8317488A JP H084611 B2 JPH084611 B2 JP H084611B2
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幸博 川野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、採血した血液から必要な血液成分を分離回
収した後、残った血液を採血者に返還するための血液成
分分離バッグに関する。
[従来の技術] 従来、血漿製剤等に供される血液は、採血された血液
の中から血漿成分等の必要成分を分離した後、残った血
液を廃棄しているのが一般的であった。このような無駄
を省くため、最近では、血液中の必要成分だけを分離し
た後、他の残った血液成分を採血者に返還するシステム
が注目されている。このような装置として、ロ過膜によ
り血液を血漿成分と血球成分に分離し、血球成分を採血
者に返還するような装置も種々開発されているが、装置
が大掛りとなり、高価であるため、設備の整った病院等
でしか実施することができない。このため従来のプラス
チック製血液バッグを複数組み合せたプラズマフェレー
シスバッグも使用されている。
第11図は従来のプラズマフェレーシスバッグの概略図
である。同図に示すように、このプラズマフェレーシス
バッグ500は血液バッグ501と血漿分離バッグ502を対に
して、これらをさらに二対あるいは三対組み合せたもの
が使用されている。
前記採血バッグ501の上端には採血チューブ503が接続
され、この採血チューブ503に、Y字管を介して採血針5
06が取り付けられた分岐採血チューブ507及び血液返血
口504が取り付けられた血球返還チューブ505がそれぞれ
接続されている。
前記採血バッグ501の上端部には、さらに輸血口508、50
8、プロテクター509、509及び連通ピース510aを介して
血漿分離バッグ502に接続される連結チューブ510が設け
られている。
これらのプラズマフェレーシスバッグ500は、採血バッ
グ501と血漿分離バッグ502が一対設けられている場合、
以下のように使用されていた。
まず、採血針506を採血者の血管に穿通し血液を採血
チューブ507、503を経て採血バッグ501に導入する。所
定量採血した後、採血針506に、針キャップ511を被冠
し、プラズマフェレーシスバッグ500を遠心機にかけて
採血バッグ501内の血液を血球成分と血漿成分に分離す
る。
次に、連通ピース410aを折り、上澄の血漿成分のみを
連結チューブ510を介して血漿分離バッグ502へ分取し、
採血バッグ501内に残った血球成分を第12図に示すよう
な輸血セット520を使用して採血者へ返還していた。
この輸血セット520ほ抗凝固剤が添加された生理食塩
水を収納した生理食塩水ボトル521、生理食塩水の導入
チューブ522、導入針523、血球返血チューブ529、その
チューブ529の先端に取り付けられた返血針524、点滴筒
525、プラズマフェレーシスバッグ500の血球返還口504
と適合するように形成されたアダプター528を取り付け
た血球返還チューブ526及び血球返還チューブ526の途中
に設置したクランプ527より構成されている。
そして使用に際しては、輸血セット520の血球返還チ
ューブ526、生理食塩水の導入チューブ522、点滴筒525
の内部にあらかじめ生理食塩水を充填し、輸血セット52
0のアダプター528をプラズマフェレーシスバッグ500の
血球返還口504に接続した後、返血針506を採血者の血管
に穿刺し、返血針524を採血バッグ501の輸血口509に穿
通して採血バッグ501中の血球成分を、血球返還チュー
ブ529を通じて点滴筒525に導き、この点滴筒525の内部
で生理食塩水により、希釈して採血者へ返還していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記したプラズマフェレーシスバッグ
では、血漿分離をした後、血球成分を採血者に返血する
際、輸血セット520をプラズマフェレーシスバッグ500の
血球返還チューブ505に接続したり、返血針524を採血バ
ッグ501の輸血口508に穿通したり、さらには生理食塩水
ボトル521に導入針523を穿通しなければならず、その操
作が面倒であるばかりか、返血針524、導入針523、コネ
クター528等が非滅菌物や大気と触れて汚染の心配があ
った。
また、このようなバッグシステムでは、採血−血漿分
離処理−返血の各操作を、順次独立して行わなければな
らず、特に採血バッグと血漿分離バッグの組み合わせが
複数対設けられているような場合、その操作に時間がか
かり、採血者に心理的負担をかけるという問題がある。
また出願人が開示した特開昭62−27963号に記載され
ている血液成分分離バッグは、次の問題点がある。
(a)返血チューブ41の途中にクランプ50を配置し、
(b)採血バッグ37と返血チューブ39の間に連通ピース
51bを設けているので、 ((a)に対して)クランプ50により返血チューブ41
の液体流路を閉じても採血バッグ37中の血液保存液は血
液の導出入チューブ42、返血チューブ41中に拡散し、さ
らに高圧蒸気滅菌処理後血液を流通させる際にクランプ
50を開いて液体流路を開ける時には、返血チューブ41の
液体流路は狭くなったままでクランプ50により閉じる前
の形状に容易に復元せず血液をスムーズに流通させるこ
とはできない。
((b)に対して)粘性の高い血球成分を流通させる
際には連通ピースを破断した際に生じる破片が液体流路
内に障害物となって残り、血球成分を損傷なく採血者に
返血することはできない。そこで本発明者らは以上の課
題を解決するために次の発明に到達した。
[課題を解決するための手段] 採血チューブ9と、連通ピース14を内部に装填した連
結チューブ15と、連通部18の外周にスライド板17を装着
することにより構成したスライドロッククランプ16と、
前記連通部18の端部に接続されかつプロテクター21で被
覆されたコネクター部材22を、上部に装着しかつ内部に
血液の保存液を封入した採血バッグ2と、 前記連結チューブ15の他端に接続される連結チューブ
10の下流に連結される分離バッグ3とから構成され、 前記採血チューブ9の他端に、連通部37の外周にスラ
イド板36を装着することにより構成したスライドロック
クランプ38を介して、連結管6を接続し、該連結管6の
一方の他端に血液誘導針27を装着した血液誘導チューブ
8を接続し、 前記連結管6の他方の他端に血液返還チューブ13を介
して点滴筒35を配置し、該点滴筒35の上流に連結管7を
配置し、該連結管7の上流に血液返還チューブ11と液体
導入チューブ12を接続し、 前記血液返還チューブ11の先端にプロテクター30で被
覆されたコネクター部材31を装着し、前記液体導入チュ
ーブ12の先端にプロテクター32で被覆した液体導入針33
を装着するかまたは連通ピース45を介して生理食塩水の
封入された生食バッグ44を連結し、 前記連通部18、37は、オートクレーブ滅菌時にブロッ
キングを生じない弾性材よりなる内管201と可とう性を
有する外管202より構成される、血液成分分離バッグを
提供する。
[実施例] 第1図は、本発明の血液成分分離バッグ1の概略図を
示す。本発明は採血バッグ2、分離バッグ3、血液誘導
部材4、血液返還部材5から構成され、これら各構成部
材は、連結管6、7、血液誘導チューブ8、採血チュー
ブ9、連結チューブ10、血液返還チューブ11、13、液体
導入チューブ12を介して連結されている。
採血バッグ2は、ポリ塩化ビニル等の可とう性の合成
樹脂よりなる2枚のシートを用いて袋状に溶着して形成
したもので内部には、CPD、ACD溶液等の血液の保存液が
封入されている。
採血バッグの上端部には採血チューブ9、連通ピ
ース14を内部に装填した連結チューブ15、スライド板
17と連通部18から構成されるスライドロッククランプ1
6、プロテクター19で覆った輸血口20が装着されてい
る。
前記スライドロッククランプ16の連通部18には、さら
にプロテクター21で覆ったコネクター部材22(オス部材
又はメス部材)を連結チューブを介して装着している。
分離バッグ3も採血バッグ2と同様に形成され、上端
部には連結チューブ10、プロテクター23、24で覆っ
た輸血口25、26が装着されている。
血液誘導部材4は、ステンレス等の針管28と針基29か
らなる血液誘導針27と血液誘導チューブ8から構成され
ている。
血液返還部材5は、プロテクター30で覆ったコネク
ター部材31(オス部材又はメス部材)、プロテクター
32で覆った液体導入針33、フィルター34を装填した点
滴筒35からなり、これらを血液返還チューブ11、13、液
体導入チューブ12、連結管7により連結している。
血液返還チューブ11、13と液体導入チューブ12の途中
には、流量調整用のロールクランプ39、41、40が装着さ
れている。
採血バッグ2と分離バッグ3は、連結チューブ10を介
して連結され、採血バッグ2と血液誘導部材4、血液返
還部材5は連結管6を介して装着され、採血チューブ9
と連結管6の途中には、スライド板36を装着した連通部
37から構成されるスライドロッククランプ38が装着され
ている。42、43は液体導入針33、血液誘導針27の針管28
の針キャップである。
第2図から第6図は、本発明の血液成分分離バッグ1
a、1b、1c、1d、1eのその他の実施例を示す。第2図の
血液成分分離バッグ1aは、1個の採血バッグ2aに、2個
の分離バッグ3a、51aを連結管52a、連結チューブ10a、5
3a、54aを介して連結したもので、採血バッグ2a内に採
血した血液を血球成分と血漿成分に分離した後、さらに
血漿成分中から血小板を分離する際に使用されるもので
ある。
第3図の血液成分分離バッグ1bは、1個の採血バッグ
2bに、3個の分離バッグ3b、51b、61bを連結管52b、62
b、連結チューブ10b、53b、54b、63b、64bを介して連結
したもので、採血バッグ2b内に採血した血液を血球成分
と血漿成分に分離した後、さらに血漿成分中から血小
板、クリオプレシピテート等を分離する際に使用される
ものである。
第4図の血液成分分離バッグ1cは、採血バッグ2cと71
cに、それぞれ分離バッグ3cと72cを連結管チューブ10
c、76cを介して連結し、これをさらに連結管6c、74c及
び血液誘導チューブ8c、採血チューブ9c、75cを介して
連結したもので、血液返還部材5cには、2個の採血バッ
グ2cと71cの数に対応して2対のコネクター部材31cと73
c(それぞれ採血バッグ2c、71cに装着したコネクター22
c、77cに対応)が設けられている。
このように採血バッグ2cと71cを2個設けたのは、血
液の採血と血球成分の返還を同時に行うことができるよ
うにするためである。
第5図の血液成分分離バッグ1dは、採血バッグ2dと71
dに分離バッグ3d、81dと72d、82dを連結管52d、84d、連
結チューブ10d、53d、54d、83d、85d、86dを介して連結
し、これをさらに連結管6d、74d、連結チューブ8d、75d
を介して連結している。
血液返還部材5dには、2個の採血バッグ2dと71dの数
に対応する2個のコネクター部材31dと73d(それぞれ採
血バッグ2d、71dに装着したコネクター22d、77dに対
応)を設けたものである。
このように採血バッグ2dと71dを2個設け、かつこれ
らにそれぞれ2個の分離バッグ3d、81dと72d、82dを設
けたのは血液の採血と血球成分の返還を同時に行いかつ
採血バッグ2dと71dに採血した血液を血球成分と血漿成
分に分離した後、さらに血漿成分中から血小板を分離す
ることができるようにしたものである。
第6図の血液成分分離バッグ1eは、採血バッグ2eと71
eに分離バッグ3e、81e、91eと72e、82e、92eを連結管52
e、84e、連結チューブ10e、53e、54e、94e、95e、83e、
85e、86e、96e、97eを介して連結し、これをさらに連結
管6e、74e、連結チューブ8e、75eを介して連結してい
る。
血液返還部材5eは2個の採血バッグ2eと71eの数に対
応する2個のコネクター部材31eと73e(それぞれ採血バ
ッグ2e、71eに装着したコネクター22e、77eに対応)を
設けたものである。
このように採血バッグ2eと71eを2個設けかつこれら
にそれぞれ3個の分離バッグ3e、81e、91e及び72e、82
e、92eを設けたのは、血液の採血と血球成分の返血を同
時に行いかつ採血バッグ2eと71eに採血した血液を血球
成分と血漿成分に分離した後、さらに血漿成分中から血
小板、クリオプレシピテートを分離することができるよ
うにしたものである。
本発明の血液成分分離バッグは、第1図から第6図の
ものに限定されるものではなく、採血バッグ2、分離バ
ッグ3、コネクター部材31(22)の数を任意に組み合せ
て使用することができる。
第7図はコネクター部材22、31の分解斜視図で第8図
はコネクター部材22、31の断面図である。
図中170はオス部材、171はメス部材であり、オス部材
170はハウジング172と、このハウジング172内部に挿入
固定される大径キーリング173及び小径キーリング174と
から構成され、メス部材171は同じくハウジング175とこ
のハウジング内に挿入固定される大径キーリング176及
び小径キーリング177とから構成されている。
前記オス部材170の後端部にはチューブ接続口179が突
設され、内部中央部にはオス連結筒180が突設されてい
る。また、ハウジング172の外側には、上下一対のフッ
ク部181、182が形成されている。このフック部181、182
は、いずれも上下方向に弾性力を有しており、一方のフ
ック部181の幅は、もう一方のフック部材182の幅よりや
や広くなっている。
このようにすると、後述するごとく、オス部材170と
メス部材171を接続する際、天地が逆になって接続され
ることはない。
また前記メス部材171のハウジング175の後端部にはチ
ューブ接続口183が突設され、内部中心部にはメス連結
筒190が突設されている。該メス連結筒190の先端部には
凹部178aが形成されており、該凹部178aにシールパッキ
ング178が配置されている。
さらに、前記ハウジング175の開口側の外周縁には、
前記オス部材のフック部181、182に対応して、係入孔18
4、185が開口されている。この係入孔184、185は、前記
フック部に対応して、一方の係入孔184の幅は、他方の
係入孔185の幅より広くなっている。前記大径キーリン
グ173、176及び小径キーリング174、177はそれぞれ、筒
体の先端の半周が切欠かれて凹部186、188及び凸部186
a、188aが形成されている。また前記小径キーリング17
4、177は凹凸の位置を周方向に少しずつずらして各ハウ
ジングに挿入固定される。
そしてオス部材側と、メス部材側の各大径キーリング
の凹凸部が合致した場合、オス部材のフック部181、182
がメス部材の係入孔184、185と係合するようになってい
る。
この組み合せとしては、例えば大径キーリングと小径
キーリングをそれぞれ5゜ごと角度調整すると、全部で
72×72=5184通りの組合せが得られる。
上記した実施例では、大径キーリングと小径キーリン
グから構成されているが、組合せ種類が必要な場合には
別のキーリングを加えてもよい。
なお、ハウジングやキーリングの材質としては、ポリ
カーボネイト、ポリプロピレン、塩化ビニル等が用いら
れる。また、シールパッキン78はゴム、弾性合成樹脂等
が使用される。
次に本発明の血液成分分離バッグ1に装着されるスラ
イドロッククランプ16(38)について説明する。第9図
はスライドロッククランプ16の縦断面図で、第10図は使
用状態を示す概略図である。スライドロッククランプ16
は、連通部207と板クランプ204から構成されており、こ
の連通部207は内管201と該内管201を覆う外管202及びこ
の外管202の両端部に接続される連結チューブ203、203
から構成されている。
前記内管201は、オートクレーブ滅菌時にブロッキン
グを生じない弾性材であり、具体的にはシリコーン、フ
ッソ系樹脂等の弾性回復力のある合成樹脂または天然ゴ
ムが使用される。
また、外管202及び連結チューブ203、203は、軟質塩
化ビニル等の可とう性プラスチックチューブが使用され
る。
この連結チューブ203、203は前記内管201と同径であ
り、外管202とは接着剤等を使用して固定される。
こうした連通部207には、板クランプ204があらかじめ
取杖けられる。この板クランプ204は、前記連通部207よ
りも大径の円形開口部206と細長いスリット部205が一体
的に形成されており、未使用時にはスリット部205で連
通部207を押圧して閉塞しておき、使用時、すなわち採
血バッグ内の分離成分を分離バッグに移動させる場合
に、連通部207を円形開口部206方向に引き寄せて流路を
開放するものである。
以上の構成は、一例であり、たとえば前記連通部207
のバッグ側の連結チューブ203を省いて、外管202を直接
バッグの上端部に挿入固定しても良い。また連結チュー
ブ203のかわりに接続管を連通部207に装着しても良い。
板クランプ204は、スリット部205の開口面積を徐々に
変化させて流量調節できるようにしても良い。
次に第4図に示した血液成分分離バッグ1cの使用方法
の一例を説明する。
まず、スライドロッククランプ87c、16c、78c、ロー
ルクランプ39c、40c、47c、41cを閉じてスライドロック
クランプ38cを開放した状態で採血バッグ2c、71c及び分
離バッグ3c、72cを採血者の腕の位置よりも低い位置に
おく。続いて針キャップ43cを取りはずして、血液誘導
針27cの針管28cを露出させ供血者の血管に穿刺する。
血液は、血圧と重力の作用により、血液誘導チューブ
8c、採血チューブ59c、9cを経て採血バッグ2cへ導入さ
れる。
所定の血液を導入した後、スライドロッククランプ38
cを閉じ、針管28cに針キャップ43cを被冠する。
血液が導入された採血バッグ2cは、空の採血バッグ71
c及び分離バッグ3c、72cと共に遠心分離処理を行い、採
血バッグ2cの上層には血漿成分、下層には血球成分が分
離する。
続いて連通ピース14cを破断して、連結チューブ10cを
経て上澄の血漿成分を分離バッグ3c内へ導入する。採血
バッグ2c内には、血球成分のみが残ることになる。
再び針キャップ43cを取りはずして針管28cを露出さ
せ、採血者に再び穿刺し、スライドロッククランプ87c
を開放して、血液誘導チューブ8c、採血チューブ75cを
経て、血液を採血バッグ71c内に血液を導入する。採血
チューブ9cの×の位置をウエルダーにより切断して、前
述の採血バッグ2cと分離バッグ3cを血液成分分離バッグ
1cから切り離して、血液を収納した採血バッグ71c及び
空の分離バッグ72cと共に遠心分離処理を行い、前述と
同様にして血球成分と血漿成分を分離する。
続いて採血バッグ2c内に残った血球成分は次の様にし
て採血者へ返還される。
スライドロッククランプ16c、ロールクランプ39cを開
放状態にした後、プロテクター21c、58cを破断した後、
コネクター部材31c(オス部材)とコネクター部材22c
(メス部材)を照合して、採血バッグ2cが血液成分分離
バッグ1cの構成部材であることを確認し、他人の血液を
採血者に返血するような事故を未然に防止することがで
きる。
すなわち、コネクター部材31c(170)[オス部材]と
コネクター部材22c(171)[メス部材]は前述した様
に、大径のキーリング173、176及び小径のキーリング17
4、177の凸部186a、188a及び凹部186、188が各ロット毎
に固有の角度で周方向にずらして固定されているため、
コネクター部材31c(170)[オス部材]とコネクター部
材22c(171)[メス部材]のキーリングの凹凸部が一致
した時のみ両部材が接続できる。
もし誤って血液成分分離バッグ1c以外の他人の血液を
採血した採血バッグを接続しようとしてもこれらのコネ
クター部材31cとコネクター部材22cは接続できないよう
になっている。
以上のようにコネクター部材31cとコネクター部材22c
を接続した後、プロテクター32cを破断して液体導入針3
3cを血球成分の希釈液として使用される生理食塩水の封
入された生食バッグ44cに接続して(生食バッグ44cが一
体に接続されている場合は、連通ピース45cを破断し
て)生理食塩水を血液返還部材5c及び血液誘導部材4c内
にプライミングした後、採血バッグ2c内の血球成分を連
通部18c、コネクター部材22c、31c、血液返還チューブ1
1c、点滴筒35c、血液返還チューブ13c、採血チューブ59
c、血液誘導チューブ8c、血液誘導針27cを経て採血者に
返還される。採血バッグ2c内の血球成分を返還している
間、前述したように採血バッグ71c内の血液の遠心分離
処理を行い、採血バッグ2c内の血球成分の返還が終了し
た後、前述と同様にして、採血バッグ71c内に残った血
球成分の返還を行う。
以上のような方法で、採血処理を行うと二段階で採血
と返血を実施することになるので、採血者に対する負担
は少なくて良いが、緊急の採血処理を行う必要がある場
合あるいは体力に自信のある患者の場合は、採血バッグ
2cと71cに同時に採血し、血球成分の遠心分離処理及び
血球成分の返血処理を同時に実施することも可能であ
る。
[発明の効果] 以上説明した本発明によれば、 連通部37の液体通路を閉じて採血バッグ2中の血液保
存液を採血バッグ2と採血チューブ9内に封入した状態
で高圧蒸気滅菌処理することができ、血液を流通させる
際に連通部37の液体通路を開ける時には、高圧蒸気滅菌
処理前の元の形状に容易に復元することができるので血
液の流通をスムーズに行うことができる。
粘性の高い血球成分を流通させる際には、液体通路に
(従来のように連通ピースを採用した時に生じる破片等
の)障害物がないので、血球成分に損傷を与えることな
く、採血者に変換することができる。
等の効果を奏する優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図は本発明の血液成分分離バッグの概略
図、第7図はコネクター部材の分解斜視図、第8図はコ
ネクター部材を嵌合した時の断面図、第9図はスライド
ロッククランプの縦断面図、第10図は第9図の使用状態
を示す概略図、第11図は従来のプラズマフェレーシスバ
ッグの概略図、第12図は第11図のプラズマフェレーシス
バッグに接続される輸液セットの概略図を示す。 図中、1は血液成分分離バッグ、2は採血バッグ、3は
分離バッグ、4は血液誘導部材、5は血液返還部材、8
は血液誘導チューブ、9は採血チューブ、10は連結チュ
ーブ、16、38はスライドロッククランプ、22、31はコネ
クター部材を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 山中 真 (56)参考文献 特開 昭62−27963(JP,A) 特開 昭60−203266(JP,A) 実開 昭53−55991(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】採血チューブ9と、連通ピース14を内部に
    装填した連結チューブ15と、連通部18の外周にスライド
    板17を装着することにより構成したスライドロッククラ
    ンプ16と、前記連通部18の端部に接続されかつプロテク
    ター21で被覆されたコネクター部材22を、上部に装着し
    かつ内部に血液の保存液を封入した採血バッグ2と、 前記連結チューブ15の他端に接続される連結チューブ10
    の下流に連結される分離バッグ3とから構成され、 前記採血チューブ9の他端に、連通部37の外周にスライ
    ド板36を装着することにより構成したスライドロックク
    ランプ38を介して、連結管6を接続し、該連結管6の一
    方の他端に血液誘導計27を装着した血液誘導チューブ8
    を接続し、 前記連結管6の他方の他端の血液返還チューブ13を介し
    て点滴筒35を配置し、該点滴筒35の上流に連結管7を配
    置し、該連結管7の上流に血液返還チューブ11と液体導
    入チューブ12を接続し、 前記血液返還チューブ11の先端にプロテクター30で被覆
    されたコネクター部材31を装着し、前記液体導入チュー
    ブ12の先端にプロテクター32で被覆した液体導入針33を
    装着するかまたは連通ピース45を介して生理食塩水の封
    入された生食バッグ44を連結し、 前記連通部18、37は、オートクレーブ滅菌時にブロッキ
    ングを生じない弾性材よりなる内管201と可とう性を有
    する外管202より構成される、 ことを特徴とする血液成分分離バッグ。
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