JP2013203659A - 血液処理フィルタ及び血液回路 - Google Patents

血液処理フィルタ及び血液回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2013203659A
JP2013203659A JP2012070634A JP2012070634A JP2013203659A JP 2013203659 A JP2013203659 A JP 2013203659A JP 2012070634 A JP2012070634 A JP 2012070634A JP 2012070634 A JP2012070634 A JP 2012070634A JP 2013203659 A JP2013203659 A JP 2013203659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
liquid chamber
line
side liquid
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012070634A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Kanemoto
和明 金本
Kaoru Hosoe
薫 細江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2012070634A priority Critical patent/JP2013203659A/ja
Publication of JP2013203659A publication Critical patent/JP2013203659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とする。
【解決手段】鉛直方向に沿って延びる血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液91とする濾過部42を有する血液回路において、濾過部42は、流入口82、流出口84、流入側液室86及び流出側液室88を有するハウジング58と、ハウジング58に収容され、血液から所定の血液成分を除去する濾過材56とを有する。さらに、一端が流出側液室88と連通し、他端が気体容器50に接続される気体ライン90と、気体ライン90上に設けられ、操作によって気体容器50と流出側液室88の空間とを連通可能とする第2封止部材52とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、献血などで採血者から採取した血液を処理する血液処理フィルタ及び血液回路に関する。
従来、献血など採血者から採取した血液を血液センターなどで処理する際、採取した抗凝固剤が添加された採取血液中の余分な成分(主として白血球)を除去することが行われている。そのため、採血などで用いる血液回路には、白血球を除去するための白血球除去フィルタが取り付けられている。その際、採取バッグを上にした状態で吊るすなどして、自由落下条件で採取血液中の白血球を除去する。
このような手法においては、採取した血液全てについて白血球の除去を行うことはできず、白血球除去フィルタで白血球を除去された処理済み採取血液が、除去フィルタと濾過後血液バッグとの間の回路中に残ってしまうという問題があった。
そこで、従来では、白血球除去フィルタ内と回路中に残った処理済みの採取血液を漏れなく回収するため、回路中の血液を回収するための回路構成が提案されるようになった(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の血液回路は、採取バッグ、白血球除去フィルタ及び回収バッグを結ぶ主回路に、白血球除去フィルタの前後をつなぐもう一つの回路(気体コンテナを有する副回路)を設けたものである。具体的には、採取バッグと白血球除去フィルタとの間に気体入口を設け、白血球除去フィルタと回収バッグとの間に気体出口を設け、これら気体入口と気体出口との間に気体コンテナを接続する。そして、気体コンテナからの気体を気体入口を介して主回路に導入し、導入した気体を気体出口を介して排出し、気体コンテナに回収する。
特表平5−500820号公報
しかしながら、特許文献1に記載の血液回路においては、血液が処理された後(濾過が終わったとき)、処理済みの血液が気体コンテナ(フィルタ)の流出側液室及びフィルタ下部の回路に残ってしまうという問題があった。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、処理済み血液がフィルタの流出側液室及び血液処理フィルタの下部に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで、確実に血液処理フィルタ内と血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができる血液処理フィルタを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液処理フィルタ内と血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができる血液回路を提供することを目的とする。
[1] 第1の本発明に係る血液処理フィルタは、血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタであって、流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室とを有するハウジングと、前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、前記気体ライン上に設けられ、前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有することを特徴とする。
この場合、血液ラインを通って流れる血液は、上流側に存在する気体により、血液回路内及びフィルタ内を通過するように圧し動かされ、濾過材によって所定の血液成分が除去されて処理済み血液として血液ラインの下流側に移送される。上流側の全ての血液が濾過材によって処理済み血液とされたとき、流入側液室の気体は、濾過材の細孔から血液を押し出すために必要な圧力を負荷しない限り、濾過材を通れない。よって、流出側液室の処理済み血液を圧し動かすことができず、処理済み血液は流出側液室や血液ラインに残存することとなる。そこで、封止部材を操作(流路の開通操作)することによって、気体容器と流出側液室の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器内の気体が流出側液室の空間に流通して、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液を圧し動かすことができ、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液は自由落下によって回収バッグ側に回収されることとなる。
このように、本発明においては、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液を、自由落下によって回収することができ、しかも、気体が処理済み血液に混合することがないため、流出側液室の気体導入部より下部の流出側液室及び血液ラインに残存する血液を回収できる。作業者は前記操作を行った後は、処理済血液が残存する血液ラインをローラーペンチなどでしごき、処理済血液を回収する操作がなくなる。これは作業者の作業負荷の軽減につながる。また、血液ライン及び回収バッグが破損しないかどうか等をいちいち監視する必要がなくなる。これも、作業者の作業負荷の軽減につながる。さらには、他の経路に気体を排出する必要がないため、処理済み血液が他の経路に残存するというリスクもない。
すなわち、本発明においては、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能となる。
[2] 第1の本発明において、前記気体ラインは、少なくとも前記流出口から前記流出側液室にわたって配管された細管を有するようにしてもよい。
この場合、封止部材を操作(流路の開通操作)することによって、気体容器と流出側液室の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器内の気体が流出側液室の空間に流通して、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液を圧し動かすことができ、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液は自由落下によって回収バッグ側に回収されることとなる。この場合、前記封止部材から流出側液室の空間にわたって細管を配管すればよいため、構造が簡単であり、しかも、血液ラインやハウジング等に対する設計変更を必要としないため、低コストで作製することができる。
[3] [2]において、前記細管の一端は、前記流出側液室のうち、前記流出口と対向する内壁に近接した位置に配されることが好ましい。これにより、気体を流出側液室の空間(処理済み血液が存在しない部分)に確実に導入することができ、処理済み血液への気体の混入を防止することができる。
[4] 第1の本発明において、前記封止部材は、一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記気体ライン上の途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、前記チューブ内に収容され、前記気体容器から前記細管への気体の流通を遮断する閉塞部とを有し、前記閉塞部の一部が破断することにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われるようにしてもよい。
この場合、血液が順に濾過材によって所定の血液成分が除去されて処理済み血液として回収バッグに回収される段階では、封止部材の閉塞部によって、前記気体容器から前記細管への気体の流通が遮断される。そして、上流側の全ての血液が濾過材によって処理済み血液とされたとき、処理済み血液は流出側液室や二次ラインに残存することとなる。この段階で、前記操作によって閉塞部の一部が破断されることにより、気体容器から細管への気体の流通が行われ、気体容器の気体が細管を通って流出側液室の空間に入り、これにより、流出側液室や二次ラインに残存していた処理済み血液は自由落下によって回収バッグ側に回収されることとなる。この場合、可撓性を有するチューブの外側から圧力(例えば作業者の指による圧力等)をかけて封止部材の閉塞部の一部を破断すればよいため、簡単に操作でき、複雑な操作や熟練等は不要となる。
[5] 第2の本発明に係る血液回路は、採血者より採取された血液を収容するバッグと、一端が前記採血バッグに接続された血液ラインと、前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、前記血液処理フィルタは、流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有することを特徴とする。
採血バッグに収容されていた血液を、濾過材によって所定の血液成分を除去して処理済み血液とした後において、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能となる。
[6] 第3の本発明に係る血液回路は、回収された濃厚血小板を収容するバッグと、一端が前記血小板回収バッグに接続された血液ラインと、前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、前記血液処理フィルタは、流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有することを特徴とする。
これにより、バッグに収容されていた濃厚血小板を、濾過材によって所定の血液成分を除去して処理済み血液とした後において、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができ、効率よく血小板製剤を調製することができる。
[7] 第4の本発明に係る血液回路は、回収された濃厚赤血球を収容するバッグと、一端が赤血球回収バッグに接続された血液ラインと、前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、前記血液処理フィルタは、流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有することを特徴とする。
これにより、バッグに収容されていた濃厚赤血球を、濾過材によって所定の血液成分を除去して処理済み血液とした後において、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができ、効率よく赤血球製剤を調製することができる。
[8] 上述した第2〜第4の本発明において、前記血液ラインは、前記バッグと前記血液処理フィルタの前記流入口との間に配管された一次ラインと、前記血液処理フィルタの前記流出口と前記回収バッグとの間に配管された二次ラインとを有し、前記気体容器は、前記二次ラインの途中に前記封止部材を介して接続され、前記気体ラインは、少なくとも前記流出口から前記流出側液室にわたって配管された細管を有するようにしてもよい。
この場合、バッグ内のあった全ての血液がフィルタによって処理済み血液とされた後に、処理済み血液が流出側液室や二次ラインに残存した場合、封止部材を操作することによって、気体容器と流出側液室の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器内の気体が流出側液室の空間に流通して、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液を圧し動かすことができ、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液は自由落下によって回収バッグ側に回収されることとなる。この場合、二次ラインの途中から流出側液室の空間にわたって細管を配管すればよいため、構造が簡単であり、しかも、一次ラインや濾過部に対する設計変更を必要としないため、低コストで作製することができる。
[9] [8]において、前記細管の一端は、前記流出側液室のうち、前記流出口と対向する内壁に近接した位置に配されることが好ましい。これにより、気体を流出側液室の空間(処理済み血液が存在しない部分)に確実に導入することができ、処理済み血液への基体の混入を防止することができる。
[10] [8]又は[9]において、前記封止部材は、一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記二次ラインの前記途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、前記チューブ内に収容され、前記気体容器から前記細管への気体の流通を遮断する閉塞部とを有し、前記操作によって前記閉塞部の一部が破断することにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われるようにしてもよい。この場合、可撓性を有するチューブの外側から圧力(例えば作業者の指による圧力等)をかけて封止部材の閉塞部の一部を破断すればよいため、簡単に操作でき、複雑な操作や熟練等は不要となる。
[11] [10]において、前記二次ラインの前記途中に導管を有し、前記チューブの前記他端は、前記導管の開口部に気密に封止され、前記導管の前記開口部内に前記細管を保持する保持部材が設けられていてもよい。
これにより、封止部材を導管を介して二次ラインの途中に設置することができるため、封止部材の閉塞部の一部を破断するための操作がより容易になる。しかも、細管の開口(封止部材に対向する開口)を、閉塞部の一部が破断することにより形成された開口及び気体容器に対向させて保持させることができるため、気体容器からの気体を効率よく細管を通して流出側液室の空間に挿入することができる。
[12] [8]又は[9]において、前記封止部材は、一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記二次ラインの前記途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、前記チューブの外周に取り付けられ、前記チューブの中空部を遮蔽するクリップとを有し、前記操作によって前記クリップを取り外すことにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われるようにしてもよい。
[13] 上述した第2〜第4の本発明において、さらに、第2気体ラインを有し、前記第2気体ラインの一端は、前記血液ラインのうち、前記濾過材の上流側に接続され、前記第2気体ラインの他端は、前記回収バッグに接続されていてもよい。
バッグ内のあった所定の血液成分の大部分が血液処理フィルタによって処理済み血液とされた後に、濾過材の上流側に未処理の血液が残った場合、第2気体ラインを通じて回収バッグ内の気体を濾過材の上流側に導入する。これにより、再び自由落下条件で濾過材の上流側に残っていた未処理の血液が血液処理フィルタに導入され、流入側液室に流入する。そして、処理済み血液が流出側液室や血液ラインに残存した場合、封止部材を操作(流路の開通操作)することによって、気体容器と流出側液室の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器内の気体が流出側液室の空間に流通して、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液を圧し動かすことができ、流出側液室や血液ラインに残存していた処理済み血液は自由落下によって回収バッグ側に回収されることとなる。
[14] 上述した第2〜第4の本発明において、前記血液ラインのうち、前記濾過材の上流側の血液ラインの先端部は、前記バッグに接続可能なコネクタを有するようにしてもよい。これにより、コネクタを上述した各種バッグに接続することで、様々な血液回路を構成することができ、回収バッグに、全血から白血球及び血小板を除去した血液成分を回収したり、白血球が除去された濃厚血小板による血小板製剤や、白血球が除去された濃厚赤血球による赤血球製剤を調製することができる。
以上説明したように、本発明に係る血液処理フィルタによれば、フィルタの流出側液室及び血液処理フィルタの下部に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで、確実に血液処理フィルタ内と血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができる。
また、本発明に係る血液回路によれば、処理済み血液が血液ライン中に残存していた場合でも、気体容器内の気体を流出側液室の空間に導入することで確実に血液処理フィルタ内と血液ライン中の処理済み血液を回収バッグに移送可能とすることができる。
本実施の形態に係る血液回路が使用される血液バッグシステムの構成を示す平面図である。 本実施の形態に係る血液回路の一例を示す構成図である。 本実施の形態に係る血液処理フィルタの一例を示す構成図である。 図3に示す血液処理フィルタを構成するコネクタチューブ、濾過部、第2分岐コネクタ、第2封止部材及び気体容器の各断面を示し、特に、第2封止部材を操作する前の状態、すなわち、処理済み血液が流出側液室や出口側チューブに残存している状態を示す断面図である。 図3に示す血液処理フィルタを構成するコネクタチューブ、濾過部、第2分岐コネクタ、第2封止部材及び気体容器の各断面を示し、特に、第2封止部材を操作した際の状態、すなわち、処理済み血液が回収バックへ移送される状態を示す断面図である。 変形例に係る第2封止部材を有する血液処理フィルタを示す構成図である。 採血バッグ内の全血を、3つの成分(血漿、バフィーコート及び濃厚赤血球)に遠心分離した後に、血漿及びバフィーコートを、血漿バッグ及びBCバッグに移送し、濃厚赤血球を採血バッグに貯留する血液回路の一例を示す図である。 バフィーコートプーリングによってBC回収バッグに回収したバフィーコートを、濃厚血小板とその他の血液成分に遠心分離した後に、その他の血液成分を、バッグに移送し、濃厚血小板をBC回収バッグに貯留する血液回路の一例を示す図である。 第1の変形例に係る血液回路(血小板製剤を調製する血液回路)の一例を示す構成図である。 第2の変形例に係る血液回路(赤血球製剤を調製する血液回路)の一例を示す構成図である。 第3の変形例に係る血液回路(ドッカブル式血液回路)の一例を示す構成図である。
以下、本発明に係る血液処理フィルタ及び血液回路の実施の形態例を図1〜図11を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る血液回路10を説明する前に、該血液回路10が使用される血液バッグシステム12について図1を参照しながら説明する。
この血液バッグシステム12は、複数の成分を含有する血液を比重の異なる複数の成分(例えば、軽比重成分、中比重成分及び重比重成分の3つの成分、あるいは、軽比重成分及び重比重成分の2つの成分)に遠心分離し、各成分を異なるバッグに分けて収容、保存するためのものである。この血液バッグシステム12は、全血から白血球及び血小板を除去した残余の血液成分を血漿及び濃厚赤血球の2つの成分に遠心分離し、血漿及び濃厚赤血球を異なるバッグに分けて収容、保存するように構成されている。
血液バッグシステム12は、ドナーから血液を採取する血液採取部14と、採取した血液から所定の血液成分を除去する前処理部16と、所定成分が除去された残余の血液成分を遠心分離して複数の血液成分に分けると共に、各成分を異なるバッグに収容(貯留)する分離処理部18とを有する。
先ず、血液採取部14について説明する。血液採取部14は、採血バッグ20と、第1採血チューブ22a及び第2採血チューブ22bと、採血針24と、第1分岐コネクタ26と、初流血バッグ28とを有する。
採血バッグ20は、ドナーから採取した血液を収容(貯留)するためのバッグである。採血バッグ20内には、予め抗凝固剤が入れられていることが好ましい。この抗凝固剤は、通常液体であり、例えば、ACD−A液、CPD液、CPDA−1液、ヘパリンナトリウム液等が挙げられる。これらの抗凝固剤の量は、予定採血量に応じた適正な量とされる。
採血バッグ20は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部において融着(熱融着、高周波融着)又は接着し、袋状に構成されたものである。なお、初流血バッグ28も同様に袋状に構成されたものである。
採血バッグ20の上部には、第1採血チューブ22aの一端が液密に接続されている。第1採血チューブ22aの途中部位には、第1採血チューブ22aの流路を閉塞及び開放する第1クランプ30が設けられている。この第1クランプ30は、全体として扁平なC字状に形成された樹脂製の部材であり、第1採血チューブ22aの側面を押圧する一対の押圧部と、C字状の端部同士を係合可能であり、且つ、係合を解除可能に構成された係合部とを有しており、端部同士を係合させて前記一対の押圧部で第1採血チューブ22aを押圧することにより、第1採血チューブ22aの流路を閉塞するように構成されている。
第1採血チューブ22aの他端には、破断可能な第1封止部材32の一端が接続されている。第1封止部材32は、初期状態では流路が閉塞しているが、破断操作を行うことで流路が開通するように構成されたものである。
このような第1封止部材32は、例えば、塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂により構成されたチューブと、このチューブ内に液密に接続され、一端が閉塞されると共に、長手方向の一部に脆弱部を備える筒体とを有する。第1封止部材32を開通状態とするには、手指等により前記チューブの外側から前記筒体を折り曲げて前記脆弱部を破断させる。これにより、筒体で閉塞されていた状態の前記チューブ内の流路が開通し、第1封止部材32が開通状態となる。
第1封止部材32の他端には、第1分岐コネクタ26の第1ポート26aが接続されている。第1分岐コネクタ26の第2ポート26bには、第2採血チューブ22bの一端が接続され、第2採血チューブ22bの他端には、採血針24が接続されている。採血針24には、使用前までは、図示しないキャップが装着されており、使用後はニードルガード34が装着される。ニードルガード34は、第2採血チューブ22bに長手方向に沿って移動可能に配設されている。
第1分岐コネクタ26の第3ポート26cには、分岐チューブ36の一端が接続されている。分岐チューブ36の途中部位には、分岐チューブ36の流路を閉塞及び開放する第2クランプ38が設けられている。この第2クランプ38は、一旦閉じたら開かないように構成されている。このような第2クランプ38としては、例えば、特公平5−23792号公報に開示されたクランプと同様のものを用いることができる。
分岐チューブ36の他端には、初流血バッグ28が液密に接続されている。ドナーから血液を採取する際には、採血バッグ20に血液を収容する前に、先ず、この初流血バッグ28に採血した血液の初流(採血初流)を所定量だけ収容する。この場合、第1封止部材32を閉塞状態(初期状態)としたまま、第2クランプ38を開放状態とすることで、第1採血チューブ22a側、すなわち、採血バッグ20側への採血初流の流入が阻止される一方、第2採血チューブ22b、第1分岐コネクタ26及び分岐チューブ36を経由して採血初流を初流血バッグ28に導入することができる。
初流血バッグ28にはサンプリングポート40が接続されており、このサンプリングポート40に図示しない採血管を装着することにより、採血管に採血初流が採取される。採取した採血初流は、検査用血液に供される。なお、用途によっては、第1分岐コネクタ26からサンプリングポート40までの部分は省略されてもよい。
前処理部16は、所定の血液成分を除去する濾過部42と、一端が採血バッグ20に液密に接続され、他端が濾過部42の入口にコネクタチューブ43によって液密に接続された入口側チューブ44と、一端が濾過部42の出口に第2分岐コネクタ46を介して液密に接続され、他端が分離処理部18に接続された出口側チューブ48とを有する。第2分岐コネクタ46の第1ポート46aには濾過部42が接続され、第2ポート46bには出口側チューブ48が接続され、第3ポート46cには後述する気体容器50が第2封止部材52を介して接続されている。ここで、入口側チューブ44、濾過部42、第2分岐コネクタ46及び出口側チューブ48にて本実施の形態に係る血液回路10の血液ライン54が構成され、入口側チューブ44にて血液ライン54の一次ライン54aが構成され、第2分岐コネクタ46及び出口側チューブ48にて血液ライン54の二次ライン54bが構成される。また、濾過部42、コネクタチューブ43、第2分岐コネクタ46、第2封止部材52及び気体容器50にて本実施の形態に係る血液処理フィルタ55(図3参照)が構成される。
濾過部42は、所定の血液成分を除去する濾過材56を有する。濾過材56は、硬質樹脂から形成されたハウジングもしくは軟質樹脂シートから形成された袋状のハウジング58内に、一方の面から他方の面に連通する多数の微細な孔を有した通液性のある多孔質体を収容した構造のものを用いることができる。本実施の形態では、濾過材56は、白血球のほか、血小板も捕捉できるように構成されている。
入口側チューブ44は、ドナーから採取した血液を採血バッグ20から濾過部42に移送するためのチューブであり、採血バッグ20の上部に接続されている。本実施の形態では、入口側チューブ44のうち、採血バッグ20側の端部に第3封止部材60が設けられている。この第3封止部材60は、上述した第1封止部材32と同様の構成及び機能を有している。
出口側チューブ48は、濾過部42で所定の血液成分(本実施形態では、白血球及び血小板)が除去された残余の血液成分(処理済み血液)を分離処理部18に移送するためのチューブである。この出口側チューブ48の途中部位には、出口側チューブ48の流路を閉塞及び開放する第3クランプ62が設けられている。この第3クランプ62は、上述した第1クランプ30と同様のものを用いることができる。
次に、分離処理部18について説明する。分離処理部18は、濾過部42で所定の血液成分が除去された残余の血液成分(処理済み血液)を回収する回収バッグ64と、回収バッグ64内の血液成分を遠心分離して得られた上清成分を収容及び保存する保存バッグ66と、赤血球保存液を収容する薬液バッグ68と、回収バッグ64、保存バッグ66及び薬液バッグ68に接続された移送ライン70とを有する。
回収バッグ64、保存バッグ66及び薬液バッグ68は、採血バッグ20と同様に、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンのような軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部において融着(熱融着、高周波融着)又は接着し、袋状に構成されたものである。
回収バッグ64は、濾過部42で所定の血液成分が除去された残余の血液成分(処理済み血液)を回収するためのバッグと、当該血液成分を遠心分離して得られた沈降成分(濃厚赤血球)を保存するためのバッグとを兼ねている。
移送ライン70は、途中位置に第3分岐コネクタ72を有し、回収バッグ64と保存バッグ66とを接続し、且つ、回収バッグ64と薬液バッグ68とを接続する手段であり、図示例では、回収バッグ64に接続された第1チューブ74aと、保存バッグ66に接続された第2チューブ74bと、薬液バッグ68に接続された第3チューブ74cと、第1チューブ74a〜第3チューブ74cに接続された第3分岐コネクタ72と、第1チューブ74aに取り付けられた開閉可能な第4クランプ76とを有する。
第1チューブ74aの一端部(回収バッグ64側の端部)には、破断可能な第4封止部材78が設けられており、破断操作が行われるまで、回収バッグ64内の血液成分が他のバッグに移行することを防止する。この第4封止部材78は、上述した第1封止部材32と同様の構成及び機能を有している。
第1チューブ74aの他端部は、第3分岐コネクタ72の第1ポート72aと接続している。第3分岐コネクタ72の第2ポート72bには、第2チューブ74bの一端が接続されている。第3分岐コネクタ72の第3ポート72cには、第3チューブ74cの一端が接続されている。
第4クランプ76は、第1チューブ74aの途中部位に取り付けられており、第1チューブ74aの流路を閉塞及び開放する機能を有する。
薬液バッグ68に収容される赤血球保存液としては、MAP液、SAGM液、OPTISOL等が使用される。第3チューブ74cの薬液バッグ68側の端部には、破断可能な第5封止部材80が設けられており、薬液バッグ68内の赤血球保存液が他のバッグに移行することを防止している。この第5封止部材80は、上述した第1封止部材32と同様の構成及び機能を有している。
なお、血液バッグシステム12における各チューブは、透明で柔軟な樹脂製のチューブである。血液バッグシステム12の滅菌時及び使用前の保管時には、第1クランプ30、第2クランプ38、第3クランプ62及び第4クランプ76は開放状態となっており、各バッグの内部は連通して均一な滅菌状態となっている。
そして、本実施の形態に係る血液回路10は、上述した血液バッグシステム12のうち、前処理部16と、該前処理部16の前後に接続された採血バッグ20及び回収バッグ64とを主要部とする血液回路である。この血液回路10は、図2に示すように、例えば図示しないイルリガートルスタンドに、採血バッグ20を上にした状態で吊るし、自由落下条件で採取血液を、鉛直方向に延びる血液ライン54に流通させ、途中の濾過部42にて所定の血液成分を除去し、処理済み血液として回収バッグ64に回収するように構成される。
濾過部42は、図3及び図4に示すように、上述したハウジング58と、採取血液から所定の血液成分を除去する上述した濾過材56とを有する。ハウジング58は、流入口82と、流出口84と、流入口82と連通する流入側液室86と、流出口84と連通する流出側液室88とを有する。流入口82には入口側チューブ44がコネクタチューブ43を介して液密に接続され、流出口84には出口側チューブ48が第2分岐コネクタ46を介して液密に接続される。濾過材56は、流入側液室86と流出側液室88とを隔てるようにハウジング58内に収容される。なお、図4は、処理済み血液91が流出側液室88や出口側チューブ48に残存している状態を示す。
そして、本実施の形態では、一端が流出側液室88と連通し、他端が気体容器50に接続される気体ライン90と、該気体ライン90上に設けられ、使用者の操作によって気体容器50と流出側液室88の空間とを連通可能とする上述した第2封止部材52とを有する。
本実施の形態に係る血液回路10のようなユニットは医療用具であるから、菌による汚染を防止するため、滅菌袋などに挿入され、ガンマ線照射滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、オートクレーブ滅菌などの滅菌が施され、同時に、気体容器50には滅菌エアー92(気体)が封入されることとなる。気体容器50は、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィンのような軟質樹脂製の容器であってもよいし、採血バッグ20や回収バッグ64と同様に、軟質樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部において融着(熱融着、高周波融着)又は接着し、袋状に構成されたものであってもよい。
気体ライン90は、第2封止部材52から流出側液室88にわたって配管された細管94を有する。細管94の一端94aは、流出側液室88のうち、流出口84と対向する内壁88aに近接した位置に配されている。細管94の一端94aと前記内壁88aとの間隔は0.5〜5mmが好ましい。これにより、滅菌エアー92を流出側液室88の空間(処理済み血液91が存在しない部分)に確実に導入することができ、処理済み血液91への滅菌エアー92の混入を防止することができる。
細管94の外径は、第2分岐コネクタ46の内径やハウジング58の流出口84の内径よりも小さく設定されている。特に、流出口84の内壁と細管94の外壁との間に隙間が形成され、この隙間を通じて処理済み血液91が流通することになるため、処理済み血液91の流通が滞ることがない程度の隙間が確保できるように細管94の外径や流出口84の内径を設定することが好ましい。例えば細管94の外径をda、流出口84の内径をdbとしたとき、da/db<1であることが好ましい。なお、細管94の外径として0.05〜10mm、流出口84の内径として0.1〜10mmを選択することができる。
第2封止部材52は、一端96aが気体容器50に気密に封止され、且つ、他端96bが第2分岐コネクタ46の第3ポート46cに気密に封止されたチューブ96と、該チューブ96内に気密に収容され、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通を遮断する閉塞部98とを有する。
チューブ96は、例えば軟質ポリ塩化ビニルのような可撓性を有する樹脂にて構成される。
閉塞部98は、中実柱状部100によりその一端が閉塞された筒体102を有する。筒体102のうち、中実柱状部100との境界部分には、薄肉で脆弱な図示しない破断部が形成されている。手指等によりチューブ96の外部からチューブ96ごと中実柱状部100を折り曲げて破断部を破断し、中実柱状部100を分離することにより、図5に示すように、筒体102に開口104が形成され、滅菌エアー92の流路が開通することとなる。筒体102の構成材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル等の硬質材料が挙げられる。
中実柱状部100の先端部100a(気体容器50寄りの部分)は、気体容器50に向かって外径が徐々に小さくなる形状を有する。これにより、中実柱状部100の破断分離後に、気体容器50からの滅菌エアー92が、破断した中実柱状部100の後方(筒体102に形成された開口104)に向かって流通しやすくなる。また、本実施の形態では、中実柱状部100の表面に、滑り止め用の複数の溝100bが形成されている。そのため、手指等によりチューブ96の外部からチューブ96ごと中実柱状部100を折り曲げやすくなり、中実柱状部100の破断を迅速に、且つ、確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、チューブ96の他端96bは、第2分岐コネクタ46の第3ポート46cの開口部46caに気密に封止され、第3ポート46cの開口部46ca内に細管94を保持する保持部材106が設けられている。保持部材106の構成材料としては、比較的容易に細管94を挿通し、且つ、第3ポート46cの開口部46caに気密に封止し得る材料を用いるのが好ましく、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料、並びに塩化ビニルが挙げられる。
第3ポート46cの根元46cb(二次ライン54bとの接合部)は、第3ポート46cの開口部46caよりも下方(回収バッグ64寄り)に位置している。第3ポート46cの根元46cbは、ハウジング58の流出口84から10cm以下の範囲内に設けられている。10cmよりも長くなると、第3ポート46cの根元46cbが下方に位置することになることから、細管94の配管距離が長くなり、また、第2封止部材52を操作し易い位置に設置する目的で第3ポート46cの軸方向の長さを大きくする場合がある。このような場合、全体のサイズが大型化し、取り扱いも不便になるおそれがあるからである。
本実施の形態に係る血液回路10は、基本的には上記のように構成されるものであり、次に、その作用および効果について説明する。
先ず、図1を参照する。ドナーから採血する際、前述したように、採血初流を初流血バッグ28に採取する。採血初流を採取し終えたら、第2クランプ38により分岐チューブ36を閉塞し、第1封止部材32に対して上述した破断操作を行って、第1採血チューブ22aの流路を開通させる。このとき、第1クランプ30は開放状態、第3封止部材60は初期状態(閉塞状態)としておく。すると、ドナーからの血液は、第2採血チューブ22b及び第1採血チューブ22aを経由して採血バッグ20に流入する。所定量の血液を採血バッグ20に採取及び貯留したら、採血バッグ20内の血液が流出しないように、第1クランプ30により第1採血チューブ22aを閉塞する。そして、チューブシーラー等によって第1採血チューブ22aを溶着及び封止した後に第2採血チューブ22bを封止した部分で切断する。
次に、図2に示すように、例えば図示しないイルリガートルスタンドに、採血バッグ20を吊るして、採血バッグ20を上方位置とし、回収バッグ64を下方位置とし、その中間位置に血液処理フィルタ55を配置してから、入口側チューブ44の一端部に設けられた第3封止部材60に対して破断操作を行って、入口側チューブ44の流路を開通させる。これにより、採血バッグ20内の採取血液は、血液ライン54の一次ライン54a(入口側チューブ44)を介して濾過部42に流入し、該濾過部42を通る過程で白血球及び血小板が除去されて処理済み血液91(図4参照)とされ、その後、二次ライン54b(第2分岐コネクタ46及び出口側チューブ48)を介して回収バッグ64に流入し回収される。すなわち、血液ライン54を通って流れる血液は、採血バッグ20に存在する気体により、血液ライン54内及び血液処理フィルタ55内を通過するように圧し動かされ、濾過材56によって所定の血液成分が除去されて処理済み血液91として回収バッグ64に移送される。
採血バッグ20内にあった全ての血液が濾過材56によって処理済み血液91とされたとき、流入側液室86の気体は、濾過材56の細孔から血液を押し出すために必要な圧力を負荷しない限り、濾過材56を通れない。よって、流出側液室88の処理済み血液91を圧し動かすことができず、処理済み血液91は流出側液室88や二次ライン54bに残存することとなる。そこで、第2封止部材52を操作することによって、気体容器50と流出側液室88の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器50内の滅菌エアー92が流出側液室88の空間に流通して、流出側液室88や二次ライン54bに残存していた処理済み血液91を圧し動かすことができ、流出側液室88や二次ライン54bに残存していた処理済み血液91は自由落下によって回収バッグ64に回収されることとなる。
その後は、チューブシーラー等によって、出口側チューブ48を第3クランプ62(図1参照)より下流側の位置で溶着及び封止したうえで、出口側チューブ48を封止した部分で切断する。
このように、本実施の形態においては、流出側液室88や二次ライン54bに残存していた処理済み血液91を、自由落下によって回収することができ、しかも、滅菌エアー92が処理済み血液91に混合することないため、流出側液室88のうち、滅菌エアー92が導入される部分より下方に位置する部分及び二次ライン54bに残存する処理済み血液91を回収することができる。従って、作業者は前記操作を行った後は、処理済み血液91が残存する血液ライン54をローラーペンチ等でしごいて、処理済み血液91を回収する操作がなくなる。これは作業者の作業負荷の軽減につながる。また、血液ライン54及び回収バッグ64が破損しないかどうか等をいちいち監視する必要がなくなる。これも、作業者の作業負荷の軽減につながる。さらには、他の経路に気体を排出する必要がないため、処理済み血液91が他の経路に残存するというリスクもない。
すなわち、本実施の形態においては、処理済み血液91が血液ライン54中に残存していた場合でも、気体容器50内の滅菌エアー92を流出側液室88の空間に導入することで確実に血液ライン54中の処理済み血液91を回収バッグ64に移送可能となる。
特に、本実施の形態では、気体容器50は、二次ライン54bの途中(第2分岐コネクタ46の第3ポート46c)に第2封止部材52を介して接続され、気体ライン90は、第2封止部材52から流出側液室88にわたって配管された細管94を有する。この場合、二次ライン54bの途中から流出側液室88の空間にわたって細管94を配管すればよいため、構造が簡単であり、しかも、入口側チューブ44や濾過部42(ハウジング58等)に対する設計変更を必要としないため、低コストで作製することができる。
また、本実施の形態では、第2封止部材52は、一端96aが気体容器50に気密に封止され、他端96bが二次ライン54bの途中(第2分岐コネクタ46の第3ポート46c)に気密に封止された可撓性を有するチューブ96と、該チューブ96内に収容され、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通を遮断する閉塞部98とを有し、前記操作によって閉塞部98の一部が破断することにより、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通が行われるように構成されている。
そのため、採血バッグ20内の血液が順に濾過部42の濾過材56によって所定の血液成分が除去されて処理済み血液91として回収バッグ64に回収される段階では、第2封止部材52の閉塞部98によって、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通が遮断される。そして、採血バッグ20内のあった全ての血液が濾過材56によって処理済み血液91とされたとき、処理済み血液91は流出側液室88や二次ライン54b(出口側チューブ48等)に残存することとなる。この段階で、前記操作によって閉塞部98の一部が破断されることにより、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通が行われ、気体容器50の滅菌エアー92が細管94を通って流出側液室88の空間に入り、これにより、流出側液室88や二次ライン54bに残存していた処理済み血液91は自由落下によって回収バッグ64に回収されることとなる。この場合、可撓性を有するチューブ96の外側から圧力(例えば作業者の手指等による圧力)をかけて第2封止部材52の閉塞部98の一部を破断すればよいため、簡単に操作でき、複雑な操作や熟練等は不要となる。
さらに、本実施の形態では、チューブ96の他端96bを第2分岐コネクタ46の第3ポート46cの開口部46caに気密に封止し、第3ポート46cの開口部46ca内に細管94を保持する保持部材106を設けるようにしている。この場合、第2封止部材52を第2分岐コネクタ46を介して二次ライン54bの途中に設置することができるため、第2封止部材52の閉塞部98の一部を破断するための操作がより容易になる。しかも、細管94の開口(第2封止部材52に対向する開口)を、閉塞部98の一部が破断することにより形成された開口104及び気体容器50に対向させて保持させることができるため、気体容器50からの滅菌エアー92を効率よく細管94を通して流出側液室88の空間に導入することができる。
また、本実施の形態では、第2分岐コネクタ46の第3ポート46cの根元46cbを、第3ポート46cの開口部46caよりも下方に位置させ、第3ポート46cを傾斜して設置しているので、第3ポート46c内に処理済み血液91が入り込んでも、処理済み血液91は、第3ポート46cの傾斜に沿って出口側チューブ48内に導かれ、回収バッグ64に回収されることとなる。
上述の例では、チューブ96内に収容された閉塞部98の一部を、前記操作によって破断することにより、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通が行われるように構成した例を示したが、その他、第2封止部材52を図6の変形例に示すように構成してもよい。
すなわち、変形例に係る第2封止部材52は、図6に示すように、上述したチューブ96と、該チューブ96の外周に取り付けられ、チューブ96の中空部を遮蔽するクリップ108とを有する。そして、前記操作によってクリップ108を取り外すことにより、気体容器50から細管94への滅菌エアー92の流通が行われることになる。この変形例によれば、第2封止部材52としてチューブ96とクリップ108を用いればよいため、第2封止部材52の構成を簡単にすることができる。
上述の例では、全血から白血球及び血小板を除去した残余の血液成分を血漿及び濃厚赤血球の2つの成分に遠心分離するための血液回路に適用した例を示したが、その他、図7〜図10に示すように、全血を3つの成分(血漿、バフィーコート及び濃厚赤血球)に遠心分離した後に、濃厚赤血球から白血球を除去して赤血球製剤を調製するための血液回路、並びにバフィーコートをさらに遠心分離した後に、濃厚血小板から白血球を除去して血小板製剤を調製するための血液回路にも適用させることができる。
上述の例では、濾過部42は、白血球及び血小板を除去する濾過材56を用いたが、これらの変形例では、濾過部42は、白血球を除去する濾過材56を用いる。
具体的には、前段階として、図7に示す血液回路109を構成する。この血液回路109は、複数の成分を含有する血液(全血)を貯留する採血バッグ20と、採血バッグ20の血液を遠心分離して得られた中比重成分(バフィーコート)を貯留するBCバッグ110と、採血バッグ20の血液を遠心分離して得られた軽比重成分を貯留する血漿バッグ112と、赤血球保存液を収容する薬液バッグ68と、これらのバッグ間に接続された移送ライン114とを有する。移送ライン114は、採血バッグ20の上部(流出口)とBCバッグ110の入口とを接続し、バフィーコートを採血バッグ20からBCバッグ110に移送する第1チューブ114a及び第2チューブ114bと、採血バッグ20の上部(流出口)と血漿バッグ112とを接続し、血漿を採血バッグ20から血漿バッグ112に移送する第3チューブ114cと、遠心分離して得られた重比重成分(濃厚赤血球)を血液処理フィルタ55を経由して薬液バッグ68へと移送する第4チューブ114dと、を備える。
採血バッグ20は、採血時には全血を収容するために用いられるが、全血を遠心分離して、バフィーコートをBCバッグ110に移送し、血漿を血漿バッグ112に移送した後は、残余の成分である濾過前の濃厚赤血球を収容するために用いられる。採血バッグ20は、全血収容バッグと濾過前濃厚赤血球収容バッグとを兼ねている。
すなわち、採血バッグ20に収容した全血に遠心分離器などを用いて遠心力を作用させて、血漿、バフィーコート及び濃厚赤血球の3層に分離し、遠心分離後に採血バッグ20をその厚さ方向に押圧して、採血バッグ20から血漿を血漿バッグ112に第1チューブ114a及び第3チューブ114cを介して移送し、その後、バフィーコートを第1チューブ114a及び第2チューブ114bを介してBCバッグ110に移送することで、遠心分離された血液成分のうち、バフィーコートがBCバッグ110に貯留され、血漿が血漿バッグ112に貯留され、残余の濃厚赤血球が採血バッグ20に貯留される。これにより、全血を血漿、バフィーコート及び濃厚赤血球に分離して、それぞれのバッグに分離(採取)することができる。
その後、採血バッグ20に貯留されている濃厚赤血球を、第1チューブ114aを介して血液処理フィルタ55に導入し、所定の血液成分(例えば白血球)を濾過処理し、処理済みの濃厚赤血球を第4チューブ114dを介して薬液バッグ68に移送する。
これによって、所定の血液成分が除去された処理済み濃厚赤血球製剤を得ることができる。
なお、採血バッグ20の血液を遠心分離する際、軽比重成分と中比重成分と、重比重成分の3つに分離する場合について述べたが、採血バッグ20の血液を重比重成分(濃厚赤血球:CRC)と軽比重成分(多血小板含有血漿:PRP)に遠心分離し、重比重成分を血液処理フィルタ55を介して所定の血液成分を濾過処理して、濃厚赤血球製剤を得ることも可能である。
一方、濃厚血小板製剤を調製する場合は、上述のようにしてバフィーコートを収容したBCバッグ110を複数集め、それらからバフィーコートを1つのBC回収バッグ116(図8参照)に移送して集め(バフィーコートプーリング)、その後、BC回収バッグ116に収容したバフィーコートを遠心分離器によって遠心力を作用させて、濃厚血小板とその他の血液成分(例えば赤血球や血漿)に分離し、BC回収バッグ116をその厚さ方向に押圧して、図8に示すように、BC回収バッグ116から第1チューブ118aを介して濃厚血小板を血液処理フィルタ55に移送する。
血液処理フィルタ55に移送された濃厚血小板は、血液処理フィルタ55にて所定の血液成分(例えば白血球)を濾過処理された後、第2チューブ118bを介して血小板回収バッグ122に移送することで、遠心分離されたバフィーコートのうち、濃厚血小板が血小板回収バッグ122に貯留される。
なお、BC回収バッグ116にバフィーコートではなく、多血小板含血漿(PRP)が収容されている場合は、多血小板含血漿(PRP)を遠心分離器によって遠心分離し、濃厚血小板と血漿とに分離後にBC回収バッグ116をその厚さ方向に押圧して、濃厚血小板を血液処理フィルタ55に移送しても良い。
これらの濃厚血小板製剤を調製するための第1の変形例に係る血液回路10aは、図9に示すように、例えば図示しないイルリガートルスタンドに、BC回収バッグ116を上にした状態で吊るし、自由落下条件で濃厚血小板を、鉛直方向に延びる血液ライン54(第1チューブ118a及び第2チューブ118b)に流通させ、途中の血液処理フィルタ55にて白血球を除去し、処理済み血液として血小板回収バッグ122に回収するように構成される。この場合も、BC回収バッグ116から血液ライン54を通って流れる血液は、BC回収バッグ116中に存在する気体により、血液回路10a内及び濾過部42内を通過するように圧し動かされ、血液処理フィルタ55の濾過材によって白血球が除去されて処理済み血液として血小板回収バッグ122に回収される。BC回収バッグ116内にあった全ての所定の血液成分(濃厚血小板)が濾過部42によって処理済み血液とされたとき、ハウジング58の流入側液室86の気体は濾過材56の細孔から血液を押し出すために必要な圧力を負荷しない限り濾過材56を通れない。よって、流出側液室88の処理済み血液91を圧し動かすことができず、処理済み血液91は流出側液室88や血液ライン54に残存することとなる。そこで、第2封止部材52を操作(流路の開通操作)することによって、気体容器50と流出側液室88の空間とが連通し、大気圧下にある気体容器50内の気体が流出側液室88の空間に流通して、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液91を圧し動かすことができ、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液91を自由落下によって血小板回収バッグ122に回収することができる。
一方、赤血球製剤を調製するための第2の変形例に係る血液回路10bは、図10に示すように、例えば図示しないイルリガートルスタンドに、採血バッグ20(濃厚赤血球が貯留されている)を上にした状態で吊るし、自由落下条件で濃厚赤血球を、鉛直方向に延びる血液ライン54(第1チューブ114a及び第4チューブ114d)に流通させ、途中の濾過部42にて白血球を除去し、処理済み血液として赤血球回収バッグ(薬液バッグ68)に回収するように構成される。この場合も、上述した血液回路10aと同様に、処理済み血液91は流出側液室88や血液ライン54に残存した場合は、第2封止部材52を操作(流路の開通操作)することによって、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液91を圧し動かすことができ、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液91は自由落下によって赤血球回収バッグ124に回収することができる。
さらに第3の変形例に係る血液回路10cとしては、図11に示すように、様々なバッグに接続可能なドッカブルタイプの血液回路への適用が挙げられる。この第3の変形例に係る血液回路10cは、実施の形態に係る血液回路10と同様に、入口側チューブ44と、濾過部42と、出口側チューブ48と、回収バッグ64とを有するが、以下の点で異なる。
すなわち、入口側チューブ44の先端部に設けられ、様々なバッグに接続可能なコネクタ126と、回収バッグ64内の滅菌エアを入口側チューブ44に導入する気体導入チューブ128(第2気体ライン)と、気体導入チューブ128と入口側チューブ44とを接続する分岐コネクタ130とを有する。入口側チューブ44、出口側チューブ48及び気体導入チューブ128には、それぞれ流路を閉塞及び開放するクランプ132a〜132cが設けられている。
そして、この血液回路10cを使用する場合は、図示しないイルリガートルスタンドに、例えば採血バッグ等のバッグ134(二点鎖線で示す)を上にした状態で吊るし、クランプ132a及び132bを操作(流路の開通操作)することで、自由落下条件で血液を、鉛直方向に延びる血液ライン54に流通させ、途中の血液処理フィルタ55にて白血球を除去し、処理済み血液として回収バッグ64に回収する。そして、バッグ134内のあった所定の血液成分の大部分が血液処理フィルタ55によって処理済み血液とされたとき、血液ラインの一次ライン54aには未処理の血液が残っている。そのため、次にクランプ132bを操作(流路の閉鎖操作)を行い、ついで、気体導入チューブ128のクランプ132cを操作(流路の開通操作)することによって、回収バッグ64と入口側チューブ44とが連通し、大気圧下にある回収バッグ64内の気体(滅菌エア)を血液ライン54a及びバッグ134へと導入する。これにより、再び自由落下条件で一次ライン54aに残っていた未処理の血液が血液処理フィルタ55に導入される。そして、血液処理フィルタ55へ未処理の血液が導入され、流入側液室86に流入する。未処理の血液の流入側液室86への流入が終了すると、次にクランプ132bを操作(流路の開通操作)することによって、流入側液室86の血液が血液処理フィルタ55内を通過するように圧し動かされ、血液処理フィルタ55の濾過材によって白血球が除去されて処理済み血液として流出側液室88へと移送する。
流出側液室88への血液の移送が終わると、流出側液室88に処理済血液が残存することになる。この状態で、上述の血液回路10aなどと同様に、血液処理フィルタ55の第2封止部材52を操作(流路の開通操作)することによって気体容器50内の気体を流出側液室88に導入し、二次ライン54bの血液をバッグ124に回収する。
このように、上述した血液回路10aと同様に、処理済み血液91は流出側液室88や血液ライン54に残存した場合は、第2封止部材52を操作(流路の開通操作)することによって、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液を圧し動かすことができ、流出側液室88や血液ライン54に残存していた処理済み血液を自由落下によって回収バッグ64側に回収することができる。この場合、回収バッグ64が気体容器50として兼用し、クランプ132cが、操作によって気体ラインの流路を開通させる封止部材を構成することになる。
この第3の変形例においては、入口側チューブ44の先端部に取り付けられたコネクタ126を採血バッグ20、血小板回収バッグ122、赤血球回収バッグ124等に接続することで、様々な血液回路を構成することができ、回収バッグ64に、全血から白血球及び血小板を除去した血液成分を回収したり、白血球が除去された濃厚血小板による血小板製剤や、白血球が除去された濃厚赤血球による赤血球製剤を調製することができる。
上記において、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10a〜10c…血液回路 20…採血バッグ
42…濾過部 43…コネクタチューブ
44…入口側チューブ 46…第2分岐コネクタ
46a…第1ポート 46b…第2ポート
46c…第3ポート 48…出口側チューブ
50…気体容器 52…第2封止部材
54…血液ライン 54a…一次ライン
54b…二次ライン 55…血液処理フィルタ
56…濾過材 58…ハウジング
64…回収バッグ 82…流入口
84…流出口 86…流入側液室
88…流出側液室 90…気体ライン
91…処理済み血液 92…滅菌エアー(気体)
94…細管 96…チューブ
98…閉塞部 100…中実柱状部
102…筒体 104…開口
106…保持部材 108…クリップ
116…BC回収バッグ 122…血小板回収バッグ
124…赤血球回収バッグ 126…コネクタ
128…気体導入チューブ 132c…クランプ

Claims (14)

  1. 血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタであって、
    流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室、前記流出口と連通する流出側液室とを有するハウジングと、
    前記流入側液室と、前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、
    一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、
    前記気体ライン上に設けられ、前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有する
    ことを特徴とする血液処理フィルタ。
  2. 請求項1記載の血液処理フィルタにおいて、
    前記気体ラインは、少なくとも前記流出口から前記流出側液室にわたって配管された細管である
    ことを特徴とする血液処理フィルタ。
  3. 請求項2記載の血液処理フィルタにおいて、
    前記細管の一端は、前記流出側液室のうち、前記流出口と対向する内壁に近接した位置に配される
    ことを特徴とする血液処理フィルタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の血液処理フィルタにおいて、
    前記封止部材は、一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記気体ライン上の途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、
    前記チューブ内に収容され、前記気体容器から前記細管への気体の流通を遮断する閉塞部とを有し、
    前記閉塞部の一部が破断することにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われる
    ことを特徴とする血液処理フィルタ。
  5. 採血者より採取された血液を収容するバッグと、
    一端が前記採血バッグに接続された血液ラインと、
    前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、
    前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、
    前記血液処理フィルタは、
    流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、
    前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、
    一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、
    前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有する
    ことを特徴とする血液回路。
  6. 回収された濃厚血小板を収容するバッグと、
    一端が前記血小板回収バッグに接続された血液ラインと、
    前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、
    前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、
    前記血液処理フィルタは、
    流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、
    前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、
    一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、
    前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有する
    ことを特徴とする血液回路。
  7. 回収された濃厚赤血球を収容するバッグと、
    一端が赤血球回収バッグに接続された血液ラインと、
    前記血液ライン上に設けられ、該血液ラインを流れる血液から所定の血液成分を除去して処理済み血液とする血液処理フィルタと、
    前記血液ラインの他端に接続され、前記処理済み血液を回収する回収バッグと、を有する血液回路において、
    前記血液処理フィルタは、
    流入口、流出口、前記流入口と連通する流入側液室及び前記流出口と連通する流出側液室を有するハウジングと、
    前記流入側液室と前記流出側液室とを隔てるように前記ハウジングに収容され、前記血液から所定の血液成分を除去する濾過材と、
    一端が前記流出側液室と連通し、他端が気体容器に接続される気体ラインと、
    前記気体ライン上に設けられ、操作によって前記気体容器と前記流出側液室の空間とを連通可能とする封止部材と、を有する
    ことを特徴とする血液回路。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の血液回路において、
    前記血液ラインは、
    前記バッグと前記血液処理フィルタの前記流入口との間に配管された一次ラインと、
    前記血液処理フィルタの前記流出口と前記回収バッグとの間に配管された二次ラインとを有し、
    前記気体容器は、前記二次ラインの途中に前記封止部材を介して接続され、
    前記気体ラインは、少なくとも前記流出口から前記流出側液室にわたって配管された細管を有する
    ことを特徴とする血液回路。
  9. 請求項8記載の血液回路において、
    前記細管の一端は、前記流出側液室のうち、前記流出口と対向する内壁に近接した位置に配されることを特徴とする血液回路。
  10. 請求項8又は9記載の血液回路において、
    前記封止部材は、
    一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記二次ラインの前記途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、
    前記チューブ内に収容され、前記気体容器から前記細管への気体の流通を遮断する閉塞部とを有し、
    前記操作によって前記閉塞部の一部が破断することにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われる
    ことを特徴とする血液回路。
  11. 請求項10記載の血液回路において、
    前記二次ラインの前記途中に導管を有し、
    前記チューブの前記他端は、前記導管の開口部に気密に封止され、
    前記導管の前記開口部内に前記細管を保持する保持部材が設けられていることを特徴とする血液回路。
  12. 請求項8又は9記載の血液回路において、
    前記封止部材は、
    一端が前記気体容器に気密に封止され、他端が前記二次ラインの前記途中に気密に封止された可撓性を有するチューブと、
    前記チューブの外周に取り付けられ、前記チューブの中空部を遮蔽するクリップとを有し、
    前記操作によって前記クリップを取り外すことにより、前記気体容器から前記細管への気体の流通が行われる
    ことを特徴とする血液回路。
  13. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の血液回路において、
    さらに、第2気体ラインを有し、
    前記第2気体ラインの一端は、前記血液ラインのうち、前記濾過材の上流側に接続され、
    前記第2気体ラインの他端は、前記回収バッグに接続されていることを特徴とする血液回路。
  14. 請求項5〜7、13のいずれか1項に記載の血液回路において、
    前記血液ラインのうち、前記濾過材の上流側の血液ラインの先端部は、前記バッグに接続可能なコネクタを有することを特徴とする血液回路。
JP2012070634A 2012-03-27 2012-03-27 血液処理フィルタ及び血液回路 Pending JP2013203659A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070634A JP2013203659A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 血液処理フィルタ及び血液回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012070634A JP2013203659A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 血液処理フィルタ及び血液回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013203659A true JP2013203659A (ja) 2013-10-07

Family

ID=49523153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012070634A Pending JP2013203659A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 血液処理フィルタ及び血液回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013203659A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5555356B2 (ja) 血液バッグシステム
EP0540732B1 (en) Systems and methods for removing undesired matter from blood cells
USRE35804E (en) Systems and methods for removing undesired matter from blood cells
JP3637362B2 (ja) 血液収集システム
JP2838725B2 (ja) 血液採取器具
US5879318A (en) Method of and closed system for collecting and processing umbilical cord blood
JP5695574B2 (ja) 血液バッグシステム及び血液処理方法
US6358420B2 (en) Blood collection method employing an air venting blood sample tube
CN107029345B (zh) 夹子及夹子操作装置
AU2006320987B2 (en) Prechargeable fluid filtration method and apparatus
JPH08500509A (ja) 処理済み血液製剤から目的外の流体を除去するための方法および装置
JP2002541941A (ja) 可撓性ハウジングを有するフィルターアセンブリおよびそれを製造する方法
WO2014162592A1 (ja) 血液バッグシステム
WO2005032619A1 (ja) 血液処理回路の製造方法およびフィルターユニット
CA2271440A1 (en) Biological fluid processing
US11712497B2 (en) Blood bag system and blood treatment method
JP2001276181A (ja) 不要物除去フィルター付血液バッグ
JP2013203659A (ja) 血液処理フィルタ及び血液回路
JP4935921B2 (ja) 血液成分分配容器
JP2015159855A (ja) 血液バッグシステム
JP2015159856A (ja) 血液バッグシステム
JP2017169811A (ja) 血液処理フィルターおよび血液処理回路
JP2004249087A (ja) 血液処理フィルターシステムおよびフィルター
JP6267992B2 (ja) 血液バッグシステム
WO2020196347A1 (ja) 細胞濃縮用容器