JPH0845146A - 磁気テープ摺動部材 - Google Patents

磁気テープ摺動部材

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JPH0845146A
JPH0845146A JP6176773A JP17677394A JPH0845146A JP H0845146 A JPH0845146 A JP H0845146A JP 6176773 A JP6176773 A JP 6176773A JP 17677394 A JP17677394 A JP 17677394A JP H0845146 A JPH0845146 A JP H0845146A
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JP
Japan
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magnetic tape
cylinder
alloy
exposed
sliding member
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Pending
Application number
JP6176773A
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English (en)
Inventor
Koichi Kawakami
浩一 川上
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気テープに対する摺動部材の表面にコーテ
ィングされる薄膜の比抵抗が大きいことに起因する磁気
テープと摺動部材との静電的吸着等の問題を回避しなが
ら、前記コーティング膜による耐摩耗性の向上、磁気テ
ープとの相対走行特性の安定化等の効果を引き出す。 【構成】 本発明による磁気テープ摺動部材は、磁気テ
ープと実際に摺接する部分が、Al合金等からなる導電
性基体の表面にDLC等の薄膜がコーティングされた第
1の部分と前記導電性基体の表面が露出した第2の部分
からなり、前記第1の部分が前記第2の部分に比べて大
面積であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
(以下VTRと略す)等の磁気記録装置に使用される磁
気テープ摺動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTR等の磁気記録装置においては、磁
気テープに対する摺動部材(磁気ヘッド、回転シリン
ダ、固定シリンダ、ガイドポスト等)の耐摩耗性、相対
走行の安定性等が要求される。
【0003】このような要求に応えるためには、前記摺
動部材基体の表面に或る種の膜をコーティングすること
が有効であり、例えば、特開平3−8164号にはVT
R用Al合金製回転シリンダの表面にTa系あるいはW
系のアモルファス合金膜をコーティングする技術が開示
されており、特開平2−101614号にはアモルファ
スカーボン膜をコーティングする技術が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記コーテ
ィング膜の比抵抗が大きい場合には、該コーティング膜
と磁気テープとの相対摺動により発生する静電気の逃げ
場所がなくなり、摺動部材とテ−プとの間の静電的吸引
力が大きくなって摺動部材とテ−プとの相対走行が不安
定になるという問題がある。
【0005】具体的には、VTRの回転シリンダのテ−
プ摺動面に比抵抗が105〜106Ωcmのダイヤモンド
状カーボン膜(以下DLC膜と略す)等をコーティング
した場合、テ−プ走行方向とシリンダ回転方向が異なる
逆転再生モード(以下REVモ−ドと略す)等において
シリンダ回転用モータの駆動電流が大きくなり、極端な
場合にはテ−プがシリンダに貼り付き、シリンダの回転
が停止することがある。
【0006】そのため、硬度や摩擦係数等の物理特性か
ら考えれば、摺動部材の耐摩耗性を改善する効果やテ−
プとの相対走行の安定性を改善する効果等が期待できる
膜であっても、比抵抗の大きい膜は、磁気テープ摺動部
材の表面コーティング膜として実用に供することができ
なかった。
【0007】本発明は、コーティング膜の比抵抗が大き
いことに起因する上述のような問題点を回避しながら、
該コーティング膜の耐摩耗性等の効果を引き出せるよう
な磁気テープ摺動部材の構成を明らかにするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気テープ
摺動部材は、磁気テープと実際に摺接する部分が、Al
合金等からなる導電性基体の表面にDLC等の薄膜がコ
ーティングされた第1の部分と前記導電性基体の表面が
露出した第2の部分からなり、前記第1の部分が前記第
2の部分に比べて大面積であることを特徴とするもので
ある。
【0009】
【作用】上記本発明の構成によれば、第1の部分が絶縁
性の薄膜で構成されていても、磁気テープとの相対摺動
により発生する静電気が導電性の第2の部分を通してア
ースされるので磁気テープとの静電的吸引力が大きくな
らず、第2の部分に比べて大面積にわたって形成された
第1の部分の耐摩耗性等の効果を引き出すことができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例ととも
に説明する。
【0011】まず、図8に示すようなAl合金製回転シ
リンダ20を市販のVHS方式VTRに搭載し、REV
モードにおいて測定したシリンダ回転用モータの駆動電
流を比較例1として表1に示す。ここで、図8は該Al
合金製回転シリンダの側面図であり、該側面の下部に設
けられた窓7には磁気ヘッド5が取り付けられている。
【0012】
【表1】
【0013】表1には、図9に示すように前記Al合金
製回転シリンダの側面全域に比抵抗が約10-5Ωcmの
TiN膜9をコーティングした場合(比較例2)と、図
10に示すように前記Al合金製回転シリンダの側面全
域に比抵抗が約105ΩcmのDLC膜1をコーティン
グした場合(比較例3)と、図11に示すように前記A
l合金製回転シリンダの側面の下半分に前記DLC膜1
をコーティングした場合(比較例4)について、前記比
較例1の場合と同様にVHS方式VTRのREVモード
において測定したシリンダ回転用モータの駆動電流も掲
載している。
【0014】表1を見ればわかるように、比抵抗の小さ
いTiN膜を全面コーティングした比較例2において
は、コーティングなしの比較例1と同等の駆動電流であ
るのに対して、比抵抗の大きいDLC膜を全面コーティ
ングした比較例3においては、コーティングなしの比較
例1に比べて大きな駆動電流となっている。
【0015】これは、導電性のAl合金地金やTiN膜
が回転シリンダの側面全域に露出した比較例1や比較例
2においては、磁気テープとの相対摺動により発生した
静電気がシリンダ側面からシリンダ本体を通してアース
されるのに対して、絶縁性のDLC膜が回転シリンダの
側面全域に露出した比較例3においては、前記静電気の
逃げ場所がなくなり、回転シリンダ側面とテ−プとの間
の静電的吸引力が大きくなることによるものと考えら
る。
【0016】また、DLC膜を回転シリンダの下半分の
みにコーティングした比較例4においても全面コーティ
ングの比較例5と同様に大きな駆動電流を要しているの
は、磁気テープと実際に摺接している部分が回転シリン
ダの下半分のみに限られていて、上半分に露出したAl
合金地金22は前記静電気を逃がすのに寄与していない
ことによるものと考えられる。
【0017】実際、VTRを長時間動作させた後の回転
シリンダの摩耗状態から推定した回転シリンダと磁気テ
ープとの摺接部分は、図12に符号3で示すように回転
シリンダの下半分のみに限られており、さらに詳しく見
れば、シリンダ回転方向Aに関して磁気ヘッド取り付け
窓7の直後の摺接幅W1が最も広く、磁気ヘッド取り付
け窓からシリンダ回転方向後方側になるにつれて摺接幅
はW2、W3と小さくなっている。
【0018】上述のような比較例に関する実験結果を踏
まえて、本願発明者は、前記Al合金製回転シリンダの
側面を局部的にマスキングして前記DLC膜1をコーテ
ィングし、図1〜図3に示すようにスリット状のAl合
金地金露出部2を設けることを試みた。図1は前記スリ
ット状Al合金地金露出部2をシリンダ回転方向Aに関
して磁気ヘッド取り付け窓7の直後に設けた例、図2は
前記スリット状Al合金地金露出部2を図1の場合より
もシリンダ回転方向後方側に設けた例、図3は前記スリ
ット状Al合金地金露出部2を図2の場合よりもさらに
後方側に設けた例を示している。そして、前記比較例の
場合と同様にVHS方式VTRのREVモードにおいて
シリンダ回転用モータの駆動電流を測定した。その結果
を、実施例1〜3として表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2と表1を見比べればわかるように、前
記スリット状Al合金地金露出部をシリンダ回転方向に
関して磁気ヘッド取り付け窓の直後に設けた実施例1に
おいては、コーティングなしの比較例1の場合と同等の
駆動電流となっており、前記スリット状Al合金地金露
出部を実施例1に比べてシリンダ回転方向後方側に設け
た実施例2や実施例3においては、実施例1に比べれば
駆動電流が大きくなるものの全面コーティングの比較例
3に比べれば駆動電流が小さい。
【0021】これは、絶縁性のDLC膜が回転シリンダ
側面の大部分にコーティングされていても、磁気テープ
と実際に摺接する部分にスリット状Al合金地金露出部
が存在するすることにより、磁気テープとの相対摺動に
より発生した静電気を逃がすことができることによるも
のと考えられ、実施例1、2、3の順にスリット状Al
合金地金露出部の位置がヘッド取り付け窓からシリンダ
回転方向後方側へ遠ざかるに従って駆動電流が大きくな
っているのは、前記図12に示したように磁気テープと
実際に摺接する部分3の幅が磁気ヘッド取り付け窓7か
らシリンダ回転方向後方側へ向かうに従ってW1、W
2、W3と小さくなり、静電気を逃がす効果が低減する
ことによるものと考えられる。
【0022】上記考察に従えば、磁気テープと実際に摺
接する部分にAl合金地金露出部設ければよいのである
から、Al合金地金を露出させるためのスリットは図4
〜図6に示すようにシリンダ側面の下半分のみに設けら
れていてもよい。
【0023】また、DLC膜は磁気テープに対する耐摩
耗性等を向上させるためにコーティングするのであるか
ら、図7に示すように磁気テープと実際に摺接するシリ
ンダ側面の下半分のみに、DLC膜のコーティング部1
とAl合金地金露出部2を設けてもよい。
【0024】図4〜図7に示したような構成の回転シリ
ンダを用いて、前記比較例や実施例1〜3の場合と同様
にVHS方式VTRのREVモードにおいてシリンダ回
転用モータの駆動電流を測定した結果を、実施例4〜7
として表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】なお、本発明実施例における導電性基体露
出部の形状は、上述のようなスリット状に限られるもの
ではなく、コーティング膜の耐摩耗性等の効果を引き出
せなくなるほど大面積にわたって露出するような形状で
ない限り、どのような形状であってもよい。また、本発
明の適用対象となる磁気ヘッド摺動部材も、上記VTR
の回転シリンダの側面に限られるものでない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、磁気テープに対する摺
動部材の表面にコーティングされる薄膜の比抵抗が大き
いことに起因する磁気テープと摺動部材との静電的吸着
等の問題を回避しながら、前記コーティング膜による耐
摩耗性の向上、磁気テープとの相対走行特性の安定化等
の効果を引き出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図2】本発明第2実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図3】本発明第3実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図4】本発明第4実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図5】本発明第5実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図6】本発明第6実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図7】本発明第7実施例によるVTR用回転シリンダ
の側面図である。
【図8】第1比較例によるVTR用回転シリンダの側面
図である。
【図9】第2比較例によるVTR用回転シリンダの側面
図である。
【図10】第3比較例によるVTR用回転シリンダの側
面図である。
【図11】第4比較例によるVTR用回転シリンダの側
面図である。
【図12】本発明実施例及び比較例を説明するためのV
TR用回転シリンダの側面図である。
【符号の説明】 1 DLCコーティング膜(第1の部分) 2 スリット状Al合金地金露出部(第2の部分) 3 摺接部 5 磁気ヘッド 7 磁気ヘッド取り付け窓 9 TiNコーティング膜 20 Al合金製回転シリンダ(導電性基体) 22 シリンダ上半分のAl合金地金露出部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気テープと摺接する部分が、導電性基
    体の表面に薄膜がコーティングされた第1の部分と前記
    導電性基体の表面が露出した第2の部分からなり、前記
    第1の部分が前記第2の部分に比べて大面積であること
    を特徴とする磁気テ−プ摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記薄膜がダイヤモンド状カーボンから
    なる薄膜であることを特徴とする請求項1記載の磁気テ
    ープ摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記磁気テープ摺動部材が、ビデオテー
    プレコーダの回転シリンダの側面を構成する部材である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気テープ摺動部材。
JP6176773A 1994-07-28 1994-07-28 磁気テープ摺動部材 Pending JPH0845146A (ja)

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JP6176773A JPH0845146A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 磁気テープ摺動部材

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JP6176773A JPH0845146A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 磁気テープ摺動部材

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JPH0845146A true JPH0845146A (ja) 1996-02-16

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ID=16019582

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JP6176773A Pending JPH0845146A (ja) 1994-07-28 1994-07-28 磁気テープ摺動部材

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