JPH084451Y2 - 食品用包装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は食品を容れる包装容器に関する。

（従来の技術とその問題点） 一般に食品を収納しておく包装容器は、容量が大きい
ことはもちろんであるが、さらに、容器入り食品の製造
に適し、その運搬格納に適し且つ調理及び食事に適する
ものが望ましい。

また、これらの食品を食する場合に必要な醤油等の調
味料や付加する具等の添加食品は共に収納しておくこと
ができる包装容器が望ましい。

従来このような諸条件をすべて満足できる食品の包装
容器は存在しなかった。

本考案はこのような現状に鑑みてなされたものであっ
て、調味料や添加食品を食品と共に同一容器に収納して
おくことができ、調理時に均一加熱を行うことができ、
また食するに当り暖い食品を入れた容器を手で容易に握
ることができ、更には運搬格納に適した包装容器を提供
することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段とその作用） 上記目的を達成するために、本考案の包装容器は机上
等に据え置くことができる長い脚部のある碗状の外容器
に、食品を入れるどんぶりとなる内容器を上方から嵌入
して該容器の中に食品を容れ、必要に応じ前記外容器の
脚部の内側の空間部に調味料等を収納し、更に前記どん
ぶりの上に偏平な天シートを被せ、上記外容器及び内容
器の鍔部と前記天シートとを密封状に固着して容器入り
食品を作ることができるように構成した。

このような構成により、食品は調理時の加熱が均一と
なり、外容器の脚部は中空であるため、食品が熱くなっ
ても、脚部が冷え易くそのため手で握り易くなる。また
脚部に偏平な底部を設けたことにより容器を食卓に立て
ることができるようになった。

（実施例） 図面に示す本考案の実施例において、中空脚部４を備
えた外容器１の中に内容器２すなわちどんぶりが密接嵌
入され、該内容器２の上部を天シート３が覆っている。
これらの外部材はポリエチレン、ポリプロピレンのよう
なプラスチック材料等で作られる。

前記外容器１は水平断面が矩形で垂直断面がほぼ半円
形を有し上部が開口した碗状の本体部に長い円筒状の脚
部４が下方に突出し、該脚部の内部は空間部５を形成し
ている。また脚部４の底部は偏平で外容器を水平な机上
等に載置して起立させることができる。該空間部５の中
に別袋に容れたスープ等の食料や調味料や具等を収容す
ることができる。また外容器１の上部開口の周縁に偏平
な鍔部が形成されている。

内容器２は前述の外容器１の碗状本体部にぴったりと
嵌入できるどんぶりである。すなわち円弧状の底壁７と
ほぼ半円形の両側壁８を備え且つ上部が開口している。
この内容器の内部はうどん、ラーメン、日本そば等の麺
類、米飯、プリン、ゼリー等の食品を容れる収納部６と
なる。内容器２の周縁部に設けてある偏平な鍔部10が前
記外容器１の鍔部９に重ねられる。

前記内容器２を覆うようにその鍔部の上面にプラスチ
ックフィルム製の天シート３が密封接着される。該天シ
ート３と内容器２の間に前述の収納部６が形成される。
尚、外容器１の内容器２を重ねる前工程において、内容
器２に収納している食品をレトルト殺菌などし、殺菌処
理を施しておくことができる。

又、外容器１と内容器２とが搬送中等に離脱しないよ
うに、両者をプラスチックフィルム等によりシュリンク
包装などを施しておくことが望ましい。

（考案の効果） 本考案は、上述した構成用件によって、第１に、容器
として必要な強度（剛性）を得るために鍔部を設け、ま
た水平断面が矩形となるように構成されるから、収容さ
れた食品を喫食する場合、すなわち箸、スプーン、フォ
ーク等によって食品を取り出すとき、食品容器の中で食
品が回転することがなく、箸、スプーン、フォーク等に
よる食品の取り出しを容易に行うことができる効果を有
するものである。

また、同じく収容された食品を喫食する場合、収容さ
れている麺類等にソウス類を絡めたり、内容食品を掻き
混ぜる時も、容器の内面の形状が内容物の回転に対し適
当な抵抗力を与えてこれらの操作を効率的に行うことが
できる効果も有する。

第２に、本考案の食品包装容器は、食品収容部が円筒
面とこれと直交する平面によって構成され、曲線の稜線
部（角部）が連続的でかつ上方開口端部まで続いている
ため、スプーン、箸等を円筒面に沿って移動させること
によって収容された食品を容易に取り出すことができ、
さらに取り出し残りを実質上皆無にして、所謂きれいに
食べることが容易であって、このことは食品経済の面だ
けでなく、衛生面からも極めて大きな効果である。

特に、身体障害者や老人は容器に収容された食品を食
べる際、零したりあるいは食べ残したりするため、介護
者の補助を必要とすることがあるが、本考案の食品用包
装容器によれば、従来のこのような問題のあった者が介
護なしで健常者と同じように喫食でき、福祉面での大き
な効果もある。

第３に、本考案によれば、内部空間の断熱効果によっ
て加熱された食品の熱が伝達されない脚部が形成されて
いるため、食品の熱が容器を持っている人の手に伝わっ
たり、それを置いたテーブルに熱が伝わるという不都合
がない効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の包装容器の斜視図、第２図は第１図の
線II−IIにおける断面図である。 １……外容器、２……内容器 ３……天シート、４……脚部 ５……空間部、６……収納部 ７……外容器の底壁、８……外容器の側壁 ９……外容器の鍔部、10……内容器の鍔部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡本 英文 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内 (72)考案者 川崎 満子 大阪府東大阪市御厨栄町１丁目５番７号 ハウス食品工業株式会社内 (56)参考文献 実公 昭34−10070（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭38−27899（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平な軸線を有する円筒形の一部からなる
   形状の円筒壁７、垂直な円盤を水平線に沿って切断した
   形状を有し上記円筒壁７に連接された両側壁８、及び上
   記円筒壁７及び上記両側壁８の上部周縁に接続した鍔部
   ９を有し、上記円筒壁７の上部縁が上記両側壁８の上部
   縁より長くない、上方が開放の収納部６と、 水平な底部を有し、空間部５を設けて上記円筒壁７の底
   部中央部から下向きに設けた脚部４と を設けたことを特徴とする食品用包装容器。
2. 【請求項２】上記鍔部９に、天シート３を貼付して上記
   収納部６を密閉することを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の食品用包装容器。
3. 【請求項３】上記脚部４が、該脚部４と一体に上記収納
   部６の外面に沿って延びた部分を有した外容器１として
   形成されていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の食品用包装容器。
4. 【請求項４】上記脚部４が、その空間部５を調味料、添
   加食品等用の収納部であることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の食品用包装容器。
5. 【請求項５】上記脚部４が、その空間部５をナイフ、ホ
   ーク等の収納部であることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の食品用包装容器。