JPH0844238A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0844238A
JPH0844238A JP6180117A JP18011794A JPH0844238A JP H0844238 A JPH0844238 A JP H0844238A JP 6180117 A JP6180117 A JP 6180117A JP 18011794 A JP18011794 A JP 18011794A JP H0844238 A JPH0844238 A JP H0844238A
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雄三 河野
Hiroshi Kawano
浩 川野
Yoshinori Matsuda
昌憲 松田
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聡 高梨
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オイル塗布部材に汚れが付きにくく、しかも塗
布部材の汚れを清掃でき、定着ローラへの汚れの逆転移
を防止でき、画像品質の低下を防止することのできる定
着装置を提供する。 【構成】本発明は、周面に離型層を備えた定着ローラ1
と、該定着ローラ1に当接する加圧回転体2と、前記定
着ローラ1に当接しオイルを塗布する部材であって定着
ローラ1の離型層と同質で多孔質な表層6aを備えてお
り且つオイルが内填された塗布部材6と、該塗布部材6
を清掃するクリーニング部材7とを有し、未定着トナー
像を担持した転写材15を定着ローラ1と加圧回転体2
とで挾持搬送することにより、転写材上の未定着トナー
像を加熱圧接して定着する定着装置において、前記クリ
ーニング部材7上に、該クリーニング部材7が捕集した
被清掃物を該クリーニング部材7に固定させるための被
清掃物固定部材8を設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における熱
ローラ方式を用いた定着装置に関し、特に、定着ローラ
のオイル塗布方式に特徴を有する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、周面に離型層を備えた定着ロ
ーラと、該定着ローラに当接する加圧回転体とを有し、
未定着トナー像を担持した転写材を定着ローラと加圧回
転体とで挾持搬送することにより、転写材上の未定着ト
ナー像を加熱圧接して定着する熱ローラ方式を用いた定
着装置に関するが、このような形式の定着装置は周知で
あり、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の粉体トナー
を用いる画像形成装置によく付設されている。この種の
定着装置は、概ね定着ローラの熱でトナーを溶かして転
写材に融着しているが、このとき、定着ローラの離型性
が悪いと、一部のトナーが定着ローラに付着してしまう
オフセットが生じてしまう。そこで従来より、定着ロー
ラの良好な離型性を得るために、そのローラ表面に離型
層を設けるとともに、定着ローラにシリコーンオイル等
の離型剤を塗布することが行なわれている。この離型剤
を塗布する手段としては種々提案されており(特開昭6
1−109084号公報、特開昭62−5284号公
報、実開平1−120171号公報、特開平3−114
064号公報等)、例えば、オイル塗布ローラの中にタ
ンクを設け、そこから滲みだした微量のオイルをフェル
トを介して定着ローラに塗布する方法や、高粘度のオイ
ルを含浸したオイル塗布ローラを定着ローラに当接して
オイル塗布を行なう方法などが知られており、また、内
部にオイルを充填し、多孔質の表層を備えた塗布ローラ
を用いるものも既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような塗布ローラ
を用いた定着装置は、定着ローラにオイルを薄く均一に
塗布することができ、良好な離型性とオイル過多による
転写紙のオイルしみ等が発生せず、極めて有利である。
しかしながら、定着ローラの離型性が良くなってもオフ
セットを完全に無くすことは困難であり、微量のオフセ
ットが定着ローラに残ってしまう。このため、多孔質の
塗布ローラを用いた定着装置でも、定着ローラに残った
トナーや紙粉等の異物が塗布ローラに転移し、やがて塗
布ローラの表面がトナーや紙粉等の異物で汚れてしま
い、経時使用により塗布ローラのオイル塗布量が低下し
てしまう。そして、この塗布ローラの汚れが定着ローラ
に再転写することで、転写紙を汚すという問題が発生す
る。
【0004】そこで本発明者らは、定着ローラの離型層
と同質で多孔質な表層を備え且つオイルが内填された塗
布部材を塗布ローラとして設けることを提案した。これ
により、定着ローラに付着したトナーが塗布ローラに転
写しにくくなり、塗布ローラの汚れに対する負荷が軽減
される。さらに前記塗布部材にクリーニング部材を設け
たり、前記クリーニング部材の表層にフッ素系のゴムか
らなるものを用いたりすることにより、さらに汚れに対
する余裕度を向上させることができる。しかしながら、
単にクリーニング部材を設ける方式では、塗布ローラと
クリーニング部材の接触部でトナーや紙粉等の異物をク
リーニング部材に転移させているのみなので、クリーニ
ング部材とトナーや紙粉等の結びつきが甘く、クリーニ
ング部材からの逆転写によりオイル塗布部材が汚れてし
まうという問題が発生した。そこで、前記クリーニング
部材が接離機構によって塗布部材に対して接離される構
成をとったり、クリーニング部材の接離が定着ローラの
回転中に行なわれるようにすることで、この問題を解決
している。
【0005】しかし、クリーニング部材の接離機構を設
けたり、定着ローラの回転中にクリーニング部材の接離
が行なわれるように構成することは、機構も複雑にな
り、コストも上昇する。そこで本発明では、上記した従
来の問題点を解消し、塗布部材に汚れが付きにくく、し
かも塗布部材の汚れを清掃でき、定着ローラへの汚れの
逆転移を防止することができ、画像品質の低下を防止す
ることのできる定着装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、周面に離型層を備えた定着ロ
ーラ(1)と、該定着ローラ(1)に当接する加圧回転体
(2)と、前記定着ローラ(1)に当接しオイルを塗布す
る部材であって定着ローラ(1)の離型層と同質で多孔質
な表層を備えており且つオイルが内填された塗布部材
(6)と、該塗布部材(6)を清掃するクリーニング部材
(7)とを有し、未定着トナー像を担持した転写材(15)
を定着ローラ(1)と加圧回転体(2)とで挾持搬送するこ
とにより、転写材上の未定着トナー像を加熱圧接して定
着する定着装置において、前記クリーニング部材(7)上
に、該クリーニング部材(7)が捕集した被清掃物を該ク
リーニング部材に固定させるための被清掃物固定部材
(8)を設けた構成とする(図1)。
【0007】請求項2の発明では、請求項1の定着装置
において、前記被清掃物固定部材(8)の少なくとも表
層を、前記クリーニング部材(7)の表層の離型性より
も優れる材質にて構成した。請求項3の発明では、請求
項1の定着装置において、前記被清掃物固定部材(8)
の少なくとも表層を、導電性の材質にて構成した。請求
項4の発明では、請求項1の定着装置において、前記ク
リーニング部材(7)の表面硬度を、前記塗布部材の表
面硬度よりも高く構成した(図5)。請求項5の発明で
は、請求項1の定着装置において、前記被清掃物固定部
材(8)の表面粗さを、前記クリーニング部材(7)の表
面粗さよりも小となるように構成した。
【0008】請求項6の発明では、周面に離型層を備え
た定着ローラ(1)と、該定着ローラ(1)に当接する加圧
回転体(2)と、前記定着ローラ(1)に当接しオイルを
塗布する部材であって定着ローラ(1)の離型層と同質で
多孔質な表層を備えており且つオイルが内填された塗布
部材(6)と、該塗布部材(6)を清掃するクリーニング
部材(7)とを有し、未定着トナー像を担持した転写材
(15)を定着ローラ(1)と加圧回転体(2)とで挾持搬送
することにより、転写材上の未定着トナー像を加熱圧接
して定着する定着装置において、前記塗布部材(6)を前
記定着ローラ(1)に当接する回転体で構成し、前記クリ
ーニング部材(7)を前記塗布部材(6)に当接する回転体
で構成したときに、前記定着ローラ(1)の回転中心と前
記塗布部材(6)の回転中心を結ぶ線と、前記クリーニン
グ部材(7)の回転中心と前記塗布部材(6)の回転中心を
結ぶ線とが、略直角を成すように前記クリーニング部材
(7)を配置した構成とする(図6)。
【0009】請求項7の発明では、請求項1もしくは請
求項6の定着装置において、前記塗布部材(6)を前記定
着ローラ(1)に当接する回転体で構成し、前記クリーニ
ング部材(7)を前記塗布部材(6)に当接する回転体で構
成すると共に、前記クリーニング部材(7)が捕集した被
清掃物を該クリーニング部材に固定させるための被清掃
物固定部材(8)を設けたときに、前記クリーニング部材
(7)の回転中心と前記塗布部材(6)の回転中心を結ぶ線
と、前記クリーニング部材(7)の回転中心と該クリーニ
ング部材(7)と前記被清掃物固定部材(8)の接触部を結
ぶ線とが、略直角を成すように前記被清掃物固定部材
(8)を配置した構成とする(図9)。
【0010】
【作用】本発明の定着装置においては、塗布部材を清掃
するクリーニング部材上に、該クリーニング部材が捕集
した被清掃物を該クリーニング部材に固定させるための
被清掃物固定部材を設けることにより、塗布部材からク
リーニング部材に転移したトナーや紙粉等の被清掃物を
クリーニング部材上に固定することができ、クリーニン
グ部材から塗布部材への汚れの逆転移が大幅に減少し、
塗布部材が清浄な状態を保てるようになる。従って、塗
布部材から定着ローラへの汚れの逆転移が防止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。まず、請求項1記載の定着装置の構成・動
作について説明する。図1は本発明に係る定着装置の構
成例を示す概略断面図であり、図中符号1は周面に離型
層を備えた定着ローラ、2は定着ローラに当接する加圧
ローラ、3は定着ローラの内部に配設されるヒータ、4
は定着ローラの表面温度を検出するサーミスタ、5は定
着ローラにオイルを供給するためのオイル供給装置、6
はオイル供給装置の構成部材であり定着ローラに当接し
オイルを塗布するためのオイル塗布部材、7はオイル塗
布部材を清掃するクリーニング部材、8はクリーニング
部材が捕集した被清掃物を該クリーニング部材に固定さ
せるための被清掃物固定部材、9は定着後の転写紙を定
着ローラから分離するための分離爪、10は分離爪を定
着ローラに当接するための分離爪スプリング、11は排
紙上ガイド板、12は排紙下ガイド板、13は定着後の
転写紙を排紙するための排紙コロ、14は定着入口下ガ
イド板、15は未定着トナー像が付着した転写紙であ
る。
【0012】図1に示す構成の定着装置においては、定
着ローラ1の表面温度がサーミスタ4によって検知さ
れ、その検知出力に基づいて定着ローラ1に内臓された
ヒータ3が制御されることにより、定着ローラ1の表面
温度が所定の定着温度に維持されている。加圧ローラ2
は、表層がシリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で構成さ
れており、定着ローラ1に対して圧接されている。従っ
て、未定着トナー像を乗せた転写紙15が定着入口下ガ
イド板14に沿って進入すると、転写紙15は、所定の
定着温度に加熱された定着ローラ1と加圧ローラ2のニ
ップ間に挾まれて加熱圧接され、転写紙15上にトナー
像が定着される。そして、定着後の転写紙15は分離爪
9によって定着ローラ1から分離され、排紙コロ13に
より不図示の排紙ユニットに送られる。
【0013】定着ローラ1は、ジャーナル部がアルミニ
ウムで構成され、表層に離型層としてのフッ素樹脂加工
が施されている。このフッ素樹脂加工としては、例えば
ジャーナル部の表面にトナー離型性の良好なPFA,P
TFE等のフッ素樹脂をコーティングしたものである。
本実施例におけるオイル供給装置5は、定着装置の入口
側に設置されており、ローラ状のオイル塗布部材6、ク
リーニング部材7、被清掃物固定部材8により構成さ
れ、定着ローラ1の回転に伴い、オイル塗布部材6、ク
リーニング部材7が連れ回りで回転するようになってい
る。
【0014】通常、トナーの乗った転写紙15が定着ロ
ーラ1と加圧ローラ2のニップ部に挾まれた場合、トナ
ーは定着ローラ1の熱で溶かされて紙に融着する。しか
し定着ローラ1の離型性が悪い場合は、一部のトナーが
定着ローラ1に付着し、微量のオフセットが生じる。こ
の対策として、上記オイル供給装置5を設置し、定着ロ
ーラ1にシリコーンオイルが内填されたオイル塗布部材
6を当接し、シリコーンオイルを定着ローラ1に供給し
て離型性を向上させオフセットを防止している。しか
し、このようにオイル塗布部材6を当接しても、完全に
オフセットを防止することは困難であり、微量のオフセ
ットが定着ローラ1に残る。このため、オイル塗布部材
6がクリーニングローラを兼ねることになり、使用して
いくに従いオイル塗布部材6がトナーや紙粉等の付着に
より汚れていき、オイル塗布量の減少及びオイル塗布部
材6に付着したトナーが定着ローラ1に再転写し画像汚
れが発生するという問題が生じる。
【0015】そこで本実施例では、オイル塗布部材6
は、発泡体よりなるローラ基体6b上に、定着ローラ1
の離型層と同質のフッ素樹脂、例えばPTFEに微細な
孔を無数に開けた多孔質な表層6aを備えており、また
ローラ基体6bにはシリコーンオイルが充填されるよう
に構成している。このようにすれば、定着ローラ1の離
型層とオイル塗布部材6の表層6aが同質なので、定着
ローラ1に付着したトナーが転写しにくくなり、オイル
塗布部材6のクリーニング効果が弱まるため、オイル塗
布部材6の汚れに対する負荷が軽減される。しかしこの
構成でも、オイル塗布部材6は汚れにくいものである
が、オイル塗布部材6に僅かの汚れが付着してしまうこ
とは避けられない。そこで本実施例では、上記オイル塗
布部材6の構成に加えて、オイル塗布部材6に当接して
回転するクリーニング部材7を設けている。本実施例の
クリーニング部材7は、金属ローラと表層とからなり、
表層はオイル塗布部材6の表層よりも離型性の悪いフッ
素ゴムを金属ローラの表面に10〜100μmの厚さに
コーティングして構成されている。このように構成すれ
ば、オイル塗布部材6に付着したトナー、紙粉等の汚れ
をクリーニング部材7が清掃するので、オイル塗布部材
6を汚れのない状態に保持できる。
【0016】ところで、以上の構成により、オイル塗布
部材6の汚れに対する寿命を大幅に向上させることがで
きるのであるが、クリーニング部材7に堆積したトナー
や紙粉等の異物が、経時で使用することによってオイル
塗布部材6に再転移してオイル塗布部材6を汚すという
問題が発生することが判った。この原因は、クリーニン
グ部材7がオイル塗布部材6から単純に離型性の差によ
りトナーや紙粉等を持ってきているため、トナーや紙粉
等がクリーニング部材7上で結びつきが弱く、また、表
面も凹凸の形状をしていることにある。そこで本実施例
では、クリーニング部材7に当接し、クリーニング部材
7に従動回転するローラ形状の被清掃物固定部材8を設
けている。このように構成すれば、クリーニング部材7
上に捕集されたトナーや紙粉等を被清掃物固定部材8に
よりクリーニング部材7上に押し固め、また表面を滑ら
かにすることができるため、クリーニング部材7からオ
イル塗布部材6に汚れが転移することを防止できる。さ
らに、被清掃物固定部材8によりトナーや紙粉等をクリ
ーニング部材7上に押し固めることにより、クリーニン
グ部材7上のトナーや紙粉等の体積が減少するため、ク
リーニング部材7に捕集可能な清掃物の量を増やすこと
ができ、クリーニング部材7の寿命を向上させることが
できる。図4はこの様子を示す拡大図であり、オイル塗
布部材6からクリーニング部材7に捕集された被清掃物
(トナー、紙粉等の汚れの混合物)16は被清掃物固定
部材8を経ることによって符号17で示す如く押し固め
られ、凹凸がならされる。
【0017】尚、被清掃物固定部材8の別の実施例とし
て図2、図3のようにしてもよい。ここで、図2は被清
掃物固定部材8として、弾性体のフィルム81をクリー
ニング部材7の回転方向に対して腹当てになるように当
接しているものである。弾性体のフィルム81として
は、耐熱性の有る厚さ50〜200μmのポリイミド樹
脂等を用いており、フィルムの腰(弾性力)を用いてク
リーニング部材7に圧接し、トナーや紙粉等の異物を固
定する。また、図3は被清掃物固定部材8として、静止
した部材82を用いてバネ83によりクリーニング部材
7に当接している例である。
【0018】次に、請求項2記載の定着装置の構成・動
作について説明する。本実施例では、被清掃物固定部材
8の表層の材質を例えばPTFE,PFA等のフッ素樹
脂にて構成し、またクリーニング部材7の表層の材質を
前記の通りフッ素ゴムにて構成する。このように構成す
ることにより、被清掃物固定部材8の表面の離型性がク
リーニング部材7の表面の離型性よりも優れるため、被
清掃物固定部材8の表面にトナーや紙粉等の汚れが転移
して被清掃物固定部材8の表面が汚れて凹凸ができ、そ
の凹凸によってクリーニング部材7の表面を削り、トナ
ーや紙粉等の微細な汚れが発生する、というようなこと
を未然に防止できる。
【0019】次に、請求項3記載の定着装置の構成・動
作について説明する。本実施例では、被清掃物固定部材
8の表層を導電性とした。構成材料としては、例えば、
金属、金属メッキ、導電性の充填剤を用いる。このよう
に構成することにより、被清掃物固定部材8とクリーニ
ング部材7との間に摩擦による静電気が発生することが
無くなり、被清掃物に含まれる微細な粒子が静電気によ
り散逸してクリーニング部材7を汚すという問題が解消
された。
【0020】次に、請求項4記載の定着装置の構成・動
作について説明する。本実施例では、クリーニング部材
7の表面硬度をオイル塗布部材6の表面硬度よりも高く
なるように構成した。このように構成することにより、
被清掃物固定部材8で押し固められたトナーや紙粉等の
汚れが、クリーニング部材7の変形により脱落してオイ
ル塗布部材6に転移してオイル塗布部材6を汚すという
ことが無くなった。すなわち、クリーニング部材7の表
面硬度をオイル塗布部材6の表面硬度よりも高くなるよ
うに構成したことにより、図5に示すように、オイル塗
布部材6とクリーニング部材7の当接部ではオイル塗布
部材6側が変形し、クリーニング部材7側は変形しない
ため、トナーや紙粉等の汚れがクリーニング部材7から
脱落することが防止される。
【0021】次に、請求項5記載の定着装置の構成・動
作について説明する。本実施例では、被清掃物固定部材
8の表面粗さを、クリーニング部材7の表面粗さよりも
小となるように構成した。このように構成することによ
り、被清掃物固定部材8とクリーニング部材7の接触部
において発生する摩擦によりトナーや紙粉等が微細化し
て微粉が発生するという問題を防止することができ、オ
イル塗布部材6を汚すことが無くなった。
【0022】次に、請求項6記載の定着装置の構成・動
作について説明する。図6は本発明に係る定着装置の構
成例を示す概略要部断面図であり、オイル供給装置以外
の部分は図1の構成と同一のため図示を省略している。
本実施例では、オイル塗布部材として塗布ローラ6、ク
リーニング部材としてクリーニングローラ7が定着ロー
ラ1から順に当接され従動回転している。ここで図7は
オイル塗布部材6の特性を表わしている。オイル塗布部
材6は、当接圧を増すに従ってオイル塗布量と、オイル
塗布部材の汚れとしてのトナー付着量が図示の如く変化
する。トナー付着量は少ない方が良いが、オイル塗布量
には適正範囲があり、多すぎる場合にはオイル汚れ等の
不具合を起こし、少なすぎると定着ローラの離型性が上
がらないため定着ローラの汚れが起きる。また、図8は
クリーニング部材7の特性を表わしており、クリーニン
グ部材7は、当接圧を変えることによってクリーニング
量と、クリーニング部材7からオイル塗布部材6への逆
転写量が図示の如く変化する。従って、クリーニング量
を最大にして、逆転写量をある程度抑えるためには、図
示の斜線部のように適正範囲が存在する。そこで本実施
例では、図6に示すように定着ローラ1とオイル塗布ロ
ーラ6の当接、及びオイル塗布ローラ6とクリーニング
ローラ6の当接がそれぞれ略直角を成すようにオイル塗
布ローラ6及びクリーニングローラ7を配置している。
このように配置することによって、オイル塗布ローラ6
の定着ローラ1に対する当接圧とクリーニングローラ7
のオイル塗布ローラ6に対する当接圧をそれぞれ独立に
設定することができ、しかも上記の適正範囲に設定する
ことができる。
【0023】次に、請求項7記載の定着装置の構成・動
作について説明する。図9は本発明に係る定着装置のさ
らに別の構成例を示す概略要部断面図であり、オイル供
給装置以外の部分は図1の構成と同一のため図示を省略
している。本実施例では、オイル塗布部材としての塗布
ローラ6、クリーニング部材としてのクリーニングロー
ラ7、及び被清掃物固定部材8が定着ローラ1から順に
当接され従動回転している。ここで、オイル塗布部材6
の特性及びクリーニング部材7の特性は図7,8に示し
た通りである。また、図10は被清掃物固定部材8の特
性を表わしている。被清掃物固定部材8は、当接圧を増
すに従って、クリーニング部材7にトナーや紙粉等の異
物を固定する固定力と、クリーニング部材7との接触部
にて発生する微粉発生量が図示の如く変化する。従っ
て、適正範囲は図10の斜線部のように固定力がある程
度高く、微粉発生量が少ないところが選ばれる。そこで
本実施例では、クリーニング部材7の回転中心と塗布部
材6の回転中心を結ぶ線と、クリーニング部材7の回転
中心と該クリーニング部材7と被清掃物固定部材8の接
触部を結ぶ線とが、略直角を成すように被清掃物固定部
材8を配置した。すなわち、図9に示すように、オイル
塗布ローラ6とクリーニングローラ7の当接、及びクリ
ーニングローラ7と被清掃物固定部材8の当接がそれぞ
れ略直角を成すように配置することによって、クリーニ
ングローラ7の塗布ローラ6に対する当接圧と、被清掃
物固定部材8のクリーニングローラ7に対する当接圧を
それぞれ独立に設定することができ、しかも上記の適正
範囲に設定することができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の定着装
置においては、塗布部材を清掃するクリーニング部材上
に、該クリーニング部材が捕集した被清掃物を該クリー
ニング部材に固定させるための被清掃物固定部材を設け
たことにより、塗布部材からクリーニング部材に転移し
たトナーや紙粉等の被清掃物をクリーニング部材上に固
定することができるため、クリーニング部材から塗布部
材への汚れの逆転移が大幅に減少し、塗布部材が清浄な
状態を保てるようになった。従って、請求項1の定着装
置によれば、オイル塗布部材に汚れが付きにくく、しか
も塗布部材の汚れを清掃できるため、定着ローラへの汚
れの逆転移を防止することができ、画像品質の低下を防
止することができる。
【0025】請求項2の定着装置においては、請求項1
の構成及び効果に加え、クリーニング部材上に被清掃物
を固定するための被清掃物固定部材の表層を、クリーニ
ング部材の表層の離型性よりも優れる材質にしたため、
被清掃物固定部材の表層の汚れによる起伏が減少し、ク
リーニング部材上の被清掃物の表面を乱すことが無くな
るため、クリーニング部材から塗布部材への汚れの逆転
移をさらに減少することができる。
【0026】請求項3の定着装置においては、請求項1
の構成及び効果に加え、被清掃物固定部材の表層を導電
性の材質にしたため、該被清掃物固定部材とクリーニン
グ部材との間に摩擦による静電気の発生が無くなった。
このため、クリーニング部材上に固定された被清掃物の
中の微粒子成分の散逸及び他材料への静電気的付着が無
くなり、塗布部材への汚れの再付着を防止することがで
きる。
【0027】請求項4の定着装置においては、請求項1
の構成及び効果に加え、クリーニング部材の表面硬度を
塗布部材の表面硬度よりも高くしたため、クリーニング
部材と塗布部材の接触部においてクリーニング部材に変
形が起きにくくなるため、クリーニング部材の変形によ
る被清掃物の脱落が防止され、塗布部材への汚れの再付
着を防止することができる。
【0028】請求項5の定着装置においては、請求項1
の構成及び効果に加え、被清掃物固定部材の表面粗さを
クリーニング部材の表面粗さよりも小となるようにした
ため、被清掃物をクリーニング部材上に固定する際に接
触部での汚れの微粒子の生成を抑えることができ、塗布
部材への汚れの再付着を防止することができる。
【0029】請求項6の定着装置においては、塗布部材
を定着ローラに当接する回転体で構成し、クリーニング
部材を塗布部材に当接する回転体で構成したときに、定
着ローラの回転中心と前記塗布部材の回転中心を結ぶ線
と、クリーニング部材の回転中心と塗布部材の回転中心
を結ぶ線とが、略直角を成すようにクリーニング部材を
配置したため、定着ローラと塗布部材間の当接圧と、塗
布部材とクリーニング部材間の当接圧が各々独立で設定
できるようになったので、オイル塗布の最適圧とクリー
ニングの最適圧の設定が両立できた。従って、請求項6
の定着装置によれば、オイル塗布部材に汚れが付きにく
く、しかも塗布部材の汚れを清掃できるため、定着ロー
ラへの汚れの逆転移を防止することができ、画像品質の
低下を防止することができる。
【0030】請求項7の定着装置においては、塗布部材
を定着ローラに当接する回転体で構成し、クリーニング
部材を塗布部材に当接する回転体で構成すると共に、ク
リーニング部材が捕集した被清掃物を該クリーニング部
材に固定させるための被清掃物固定部材を設けたとき
に、クリーニング部材の回転中心と塗布部材の回転中心
を結ぶ線と、クリーニング部材の回転中心と該クリーニ
ング部材と被清掃物固定部材の接触部を結ぶ線とが、略
直角を成すように被清掃物固定部材を配置したことによ
り、塗布部材とクリーニング部材間の当接圧と、クリー
ニング部材と被清掃物固定部材間の当接圧が各々独立に
設定できるようになったので、クリーニングの最適圧と
被清掃物固定の最適圧の設定が両立できた。従って、請
求項7の定着装置によれば、定着ローラへの汚れの逆転
移をさらに防止することができ、画像品質の低下をより
一層防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施例を示す定着装置の概略断面
図である。
【図2】請求項1の別の実施例を示す定着装置の概略要
部断面図である。
【図3】請求項1の別の実施例を示す定着装置の概略要
部断面図である。
【図4】図1に示す構成の定着装置のクリーニング部材
の拡大図である。
【図5】請求項4の一実施例を示す定着装置の概略要部
断面図である。
【図6】請求項6の一実施例を示す定着装置の概略要部
断面図である。
【図7】本発明による定着装置のオイル塗布部材の特性
を表わす図である。
【図8】本発明による定着装置のクリーニング部材の特
性を表わす図である。
【図9】請求項7の一実施例を示す定着装置の概略要部
断面図である。
【図10】本発明による定着装置の被清掃物固定部材の
特性を表わす図である。
【符号の説明】
1:定着ローラ 2:加圧ローラ 3:ヒータ 4:サーミスタ 5:オイル供給装置 6:オイル塗布部材 7:クリーニング部材 8:被清掃物固定部材 9:分離爪 10:分離爪スプリング 11:排紙上ガイド板 12:排紙下ガイド板 13:排紙コロ 14:定着入口下ガイド板 15:転写紙 16:固定前の被清掃物(トナー、紙粉等の汚れの混合
物) 17:固定後の被清掃物(トナー、紙粉等の汚れの混合
物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高梨 聡 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周面に離型層を備えた定着ローラと、該定
    着ローラに当接する加圧回転体と、前記定着ローラに当
    接しオイルを塗布する部材であって定着ローラの離型層
    と同質で多孔質な表層を備えており且つオイルが内填さ
    れた塗布部材と、該塗布部材を清掃するクリーニング部
    材とを有し、未定着トナー像を担持した転写材を定着ロ
    ーラと加圧回転体とで挾持搬送することにより、転写材
    上の未定着トナー像を加熱圧接して定着する定着装置に
    おいて、前記クリーニング部材上に、該クリーニング部
    材が捕集した被清掃物を該クリーニング部材に固定させ
    るための被清掃物固定部材を設けたことを特徴とする定
    着装置。
  2. 【請求項2】前記被清掃物固定部材の少なくとも表層
    を、前記クリーニング部材の表層の離型性よりも優れる
    材質にて構成したことを特徴とする請求項1記載の定着
    装置。
  3. 【請求項3】前記被清掃物固定部材の少なくとも表層
    を、導電性の材質にて構成したことを特徴とする請求項
    1記載の定着装置。
  4. 【請求項4】前記クリーニング部材の表面硬度を、前記
    塗布部材の表面硬度よりも高く構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の定着装置。
  5. 【請求項5】前記被清掃物固定部材の表面粗さを、前記
    クリーニング部材の表面粗さよりも小となるように構成
    したことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 【請求項6】周面に離型層を備えた定着ローラと、該定
    着ローラに当接する加圧回転体と、前記定着ローラに当
    接しオイルを塗布する部材であって定着ローラの離型層
    と同質で多孔質な表層を備えており且つオイルが内填さ
    れた塗布部材と、該塗布部材を清掃するクリーニング部
    材とを有し、未定着トナー像を担持した転写材を定着ロ
    ーラと加圧回転体とで挾持搬送することにより、転写材
    上の未定着トナー像を加熱圧接して定着する定着装置に
    おいて、前記塗布部材を前記定着ローラに当接する回転
    体で構成し、前記クリーニング部材を前記塗布部材に当
    接する回転体で構成したときに、前記定着ローラの回転
    中心と前記塗布部材の回転中心を結ぶ線と、前記クリー
    ニング部材の回転中心と前記塗布部材の回転中心を結ぶ
    線とが、略直角を成すように前記クリーニング部材を配
    置したことを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】前記塗布部材を前記定着ローラに当接する
    回転体で構成し、前記クリーニング部材を前記塗布部材
    に当接する回転体で構成すると共に、前記クリーニング
    部材が捕集した被清掃物を該クリーニング部材に固定さ
    せるための被清掃物固定部材を設けたときに、前記クリ
    ーニング部材の回転中心と前記塗布部材の回転中心を結
    ぶ線と、前記クリーニング部材の回転中心と該クリーニ
    ング部材と前記被清掃物固定部材の接触部を結ぶ線と
    が、略直角を成すように前記被清掃物固定部材を配置し
    たことを特徴とする請求項1もしくは請求項6記載の定
    着装置。
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