JPH0842076A

JPH0842076A - 屋根の壁取合い部改修構造

Info

Publication number: JPH0842076A
Application number: JP6180987A
Authority: JP
Inventors: Takanobu Niizeki; 孝信新関; Tetsuya Hayashizaki; 哲也林崎
Original assignee: IG Technical Research Inc
Current assignee: IG Technical Research Inc
Priority date: 1994-08-02
Filing date: 1994-08-02
Publication date: 1996-02-13

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は既存の屋根の壁取合い部を改修する
構造に関するものである。【構成】既存の屋根の壁取合い部を改修する構造にお
いて、略断面コ字状の捨て板Ｃと、略断面Ｌ字状の壁押
さえＥとからなり、既存の屋根の上に形成した屋根材Ｉ
の端部分の既存壁βとの境界に捨て板Ｃを固定し、捨て
板Ｃ内に屋根材Ｉの端部を挿入し、捨て板Ｃ上に壁押さ
えＥをカバー材として施工すると共に、既存壁βと壁押
さえＥ間に両面テープＦとシーリングＧを施設して形成
した屋根の壁取合い部改修構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は既存の屋根の壁取合い部
を改修する構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種新生瓦屋根の壁取合い部を改修す
るには、従来は既存の屋根材を全部取り去り、その下地
上に必要によりアスファルトルーフィング等の防水シー
トを施設し、その防水シート上に各種屋根材を施工して
いくものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
屋根材を取り去るには、多大の費用、時間がかかると共
に、残材が多量に出るものであった。また、近年は労働
力不足が大きな問題となってきており、今後は労働力不
足を考えずに改修方法を見いだすことはできなくなって
きている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するために、既存の屋根の壁取合い部を改修する
構造において、略断面コ字状の捨て板と、略断面Ｌ字状
の壁押さえとからなり、既存の屋根の上に形成した屋根
材の端部分の既存壁との境界に捨て板を固定し、該捨て
板内に屋根材の端部を挿入し、捨て板上に壁押さえをカ
バー材として施工すると共に、既存壁と壁押さえ間に両
面テープとシーリングを施設して形成した屋根の壁取合
い部改修構造を提供するものである。

【０００５】

【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る屋根の壁取
合い部改修構造の一実施例について詳細に説明する。図
１は既存屋根が新生瓦からなる場合の上記改修構造の水
上部の代表例を示す説明図であり、既存の新生瓦屋根
（以下、単に既存屋根という）α、既存壁β、固定具
γ、アスファルトルーフィングＡ、受け木Ｂ、捨て板
Ｃ、段付き面戸Ｄ、壁押さえＥ、両面テープＦ、シーリ
ングＧ、バックアップ材Ｈ、屋根材Ｉ、継手材Ｊとから
構成されているものである。

【０００６】すなわち、既存屋根αは野地板α₁、アス
ファルトルーフィングα₂、新生瓦屋根材α₃等よりな
る構造からなるものであり、改修が必要な位に古くなっ
た屋根である。

【０００７】アスファルトルーフィングＡはあまり防水
性が良くなくなった既存屋根α上に形成し、防水性を付
与するものであり、通常は２２Ｋｇ品を使用するもので
ある。

【０００８】受け木Ｂは図２に示すような断面の長尺状
のものであり、図１に示すようにアスファルトルーフィ
ングＡ上に形成し、後記する捨て板Ｃの固定下地として
機能するものである。

【０００９】捨て板Ｃは図３に示すような断面の長尺体
であり、図１に示すように既存の壁取合い部上に連続状
で形成されたものである。その断面形状は略水平面状の
固定面１と、固定面１の一端を上方に突出した立ち上が
り片２と、立ち上がり片２の上端を固定面１と平行に屈
曲した被覆面３と、固定面１と被覆面３の先端をはぜ状
に屈曲した舌片４と、固定面１に形成した防水面５と、
防水面５により形成された流水溝６とから形成したもの
である。その素材としては、金属板（カラー鋼板、銅
板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンド
イッチ鋼板、クラッド鋼板等）等をロール成形、押出成
形、プレス成形等によって形成したものである。

【００１０】段付面戸Ｄは図４に示すようなものであ
り、図１に示すように端部の屋根材Ｉと捨て板Ｃ間に一
段毎に形成され、屋根材Ｉと捨て板Ｃ間から雨水等が内
部に浸入しないように形成したものである。その素材と
しては、例えばポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、ク
ロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン
系、アスファルト含浸ポリウレタン系、ＥＰＭ、ＥＰＤ
Ｍ等の一般的に市販されているパッキング材よりなるも
のであり、主に防水材、気密材等の機能として有用なも
のである。また、耐火性のものとしてはロックウールフ
ェルト、セラミックウール等である。

【００１１】壁押さえＥは図５に示すように、略垂直平
面状の固定面７と、固定面７の下端を外方に傾斜して屈
曲したカバー面８と、カバー面８の先端を下方に屈曲し
た段差面９と、固定面７の上端を略水平に屈曲した上面
１０と、上面１０の先端をはぜ状に屈曲した舌片１１
と、段差面９の下端を外方に傾斜して屈曲した下面１２
と、下面１２の先端を内方にはぜ状に屈曲した舌片１３
とから長尺状に形成したものである。その素材として
は、金属板（カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタ
ン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板
等）等をロール成形、押出成形、プレス成形等によって
形成したものである。

【００１２】この壁押さえＥは図１に示すように、捨て
板Ｂ上に固定され、捨て板Ｂを被覆し、壁取合い部分の
カバー材、防水材として機能するものである。

【００１３】両面テープＦは図６に示すようにある程度
厚みのあるブチル系粘着テープよりなり、接着強度が長
期に亘って維持できるものである。その形成は、壁押さ
えＥの固定面１の裏面にあらかじめ形成し、施工時に離
型紙をはがして施工するものである。

【００１４】シーリングＧは図１に示すように壁押さえ
Ｅの上面１０と既存壁β間に形成され、雨水等が内部に
浸入しないように形成したものである。その素材として
は、シリコン系、変性シリコン系のコーキング材、ＰＶ
Ｃ、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリエチレン、ＥＰＤＭ、アスファルトフェルト、発泡
ゴム、ポリウレタン等の合成樹脂、または、これらの発
泡体、もしくは無機耐火コーキング材等の一種以上から
形成したものであり、少なくとも弾性、防水性を有する
ものである。その貼着、形成は自己接着性、あるいは接
着剤を介して、もしくは弾性変形を利用して一体に形成
するものである。勿論、これら充填材内に難燃材等を混
入し、耐火性を向上させることもできる。

【００１５】バックアップ材Ｈは図７に示すようなもの
であり、長方形状の長尺板材で、その素材としては、シ
ージングボード、シージングインシュレーションボー
ド、ロックウール板、合板、スチレンホード等のフォー
ム板、もしくはウレタンフォーム、イソシアヌレートフ
ォーム、フェノールフォーム、塩ビフォーム等の合成樹
脂発泡体、またはこれらからなる複合板等より形成した
ものである。バックアップ材Ｈは既存屋根αの強度を向
上させると共に、後記する屋根材Ｋの支持材、嵩上材、
施工の際のガイド、雨音の軽減材として機能するもので
ある。

【００１６】図８（ａ）は表面側から、図８（ｂ）は裏
面側から屋根材Ｉを見た斜視図、図９は壁取合い部分に
形成する屋根材Ｉを示す斜視図であり、屋根材Ｉは金属
板（カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ス
テンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等）等を
ロール成形、押出成形、プレス成形等によって形成した
ものである。また、屋根材Ｉは長尺板状であり、その幅
方向一端部を化粧面１４側に略Ｕ字状に屈曲して係合溝
１５を形成すると共に、再び略コ字状に折り返して嵌合
縁１６を形成し、さらには嵌合縁１６の端縁を下方に屈
曲すると共に化粧面１４と略平行で外方にＬ字状に屈曲
した固定片１７を形成したものである。さらに他端部に
は裏面１８側に略コ字状に屈曲して、段差化粧面１９と
差込係合片２０とを形成したものである。

【００１７】また、化粧面１４の長手方向の両側端縁を
それぞれ裏面１８側にハゼ状に屈曲した連結片２１を形
成したものである。なお、図８（ａ）では長手方向の強
度の強化と、外部からの雨水等が毛細管現象により内部
に浸入することを防止する意味で凹条２２を係合溝１５
と差込係合片２０に形成している。なお、１４ａは水切
り片である。

【００１８】継手材Ｊは例えば図１０（ａ）に示すよう
に、屋根材Ｋと同様な種類の素材を同等な成形法により
形成したものであり、図１０（ｂ）に示す敷目板Ｊ₁と
図１０（ｃ）に示す嵌合体Ｊ₂の２部材から形成したも
のである。

【００１９】すなわち、敷目板Ｊ₁は図１０（ａ）のイ
−イ線端面図である図１０（ｄ）に示すように、屋根材
Ｉの裏面１８と当接すると共に、嵌合体Ｊ₂を装着する
敷目部２３と、敷目部２３の下辺を裏面側に屈曲した馳
部２４と、必要に応じて敷目部２３の上辺を表面側に屈
曲して形成した雨返部２５とから形成したものであり、
かつ、幅方向において両側縁を表面側に折り返し、その
先端を再び折り返して壺状とした係止部２６と、係止部
２６の両側縁を延長した延長部２７と、延長部２７の先
端を表面側に折り返して形成した舌片２８とから構成さ
れたものである。

【００２０】なお、この端面形状は敷目部２３のみなら
ず、馳部２４から雨返部２５にかけてほぼ同一とするこ
とが可能である。すなわち、敷目板Ｊ₁はロールフォー
ミング等により連続的に成形することが可能である。ま
た図１０では、上下方向の連結の強化のために、馳部２
４の略中央部分を延長して馳舌片２４ａを形成してい
る。

【００２１】嵌合体Ｊ₂は図１０（ｃ）に示すように底
面２９の左右側辺を折り返して係止舌片３０を形成して
出合い袋状とした断面形状のものであり、図１０（ｄ）
に示すように屋根材Ｉの化粧面１４の両側縁に設けた連
結片２１を嵌合、係止するものである。さらに説明する
と嵌合体Ｊ₂は敷目板Ｊ₁の敷目部２３において、図１
０（ｄ）に示すように、両端を係止部２６によって係止
されることによって一体化しているものである。なお、
図１０（ｄ）では屋根材Ｉを点線で示すものである。

【００２２】次に、施工例を通して本発明に係る屋根の
壁取合い部改修構造について簡単に説明する。すなわ
ち、図１に示すように野地板α₁、アスファルトルーフ
ィングα₂、新生瓦屋根材α₃等よりなる既存屋根αと
既存壁β間にアスファルトルーフィングＡを一面に施工
する。次に、受け木Ｂを施工した上に、捨て板Ｃを連続
状で施工する。その後、バックアップ材Ｈと屋根材Ｉを
図１１に示すようにして施工し、端部は図９に示すよう
な屋根材Ｉを捨て板Ｃの流水溝６内に挿入するようにし
て施工する。次に、固定面７上にブチルゴム系の両面テ
ープＦを形成した壁押さえＥを図１に示すように施工す
る。その後、段付面戸Ｄを各段毎に形成すると共に、シ
ーリングＧを既存壁βと上面１０間に連続状に形成し、
施工を完了するものである。なお、必要部分にはシーリ
ングＧ、固定具γを形成し、防水性、取付強度を確実に
するものである。

【００２３】また、屋根材Ｉ同士の左右方向の連結は前
記した上下方向の連結と共に、図１０（ｄ）に示すよう
に、継手材Ｊを介して行われるものである。すなわち、
あらかじめ一方の屋根材Ｉの連結片２１と継手材Ｊの一
方の係止舌片３０とがはぜ組みになるよう係止し、既存
屋根α上に配設する。次に他方の屋根材Ｉをその連結片
２１が継手材Ｊのもう一方の係止舌片３０とはぜ組みに
なるようにスライドさせ連結を完了するものである。こ
の際には、屋根材Ｉの固定片１７の先端が継手材Ｊの雨
返部２５内に挿入され当接すると共に、継手材Ｊの馳部
２４が屋根材Ｉの裏面１８と段差化粧面１９と差込係合
片２０により形成される略コ字状の嵌合溝２０ａ内に嵌
挿され、かつ、馳舌片２４ａが下段に位置する屋根材Ｉ
の係合溝１５内に嵌合された状態となる。

【００２４】このようにして形成された左右の連結部で
は内部に浸入しようとする雨水が嵌合体Ｊ₂による１次
防水、係止部２６による２次防水、および延長部２７、
舌片２８による３次防水の３重防水構造となり、防水性
が大幅に向上するものである。また、継手材Ｊは左右の
屋根材Ｉによって固定されることになるため、施工性が
よく、かつ、継手材Ｊ自身の移動がなくなるものであ
る。以上説明したような手順にて軒から棟方向にかけて
一段毎施工して行くことにより新規の屋根を形成するも
のである。

【００２５】以上説明したのは本発明に係る屋根の壁取
合い部改修構造の一実施例であり、図１２（ａ）〜
（ｈ）に示すような捨て板Ｃ、図１３（ａ）、（ｂ）、
図１４（ａ）、（ｂ）に示すような壁押さえＥ、図１５
（ａ）〜（ｅ）に示すようなバックアップ材Ｈ、図１６
（ａ）〜（ｆ）に示すような屋根材Ｉを使用して本発明
に係る改修構造を形成することができる。すなわち、図
１２（ａ）〜（ｈ）において、特に（ｂ）、（ｃ）図は
防水面５の先端を立ち上がり片２の方向へ屈曲して、流
水溝６を流れる雨水がこぼれ落ちないようにした例、
（ｄ）図は防水面５の先端に屋根材Ｉの水切り片１４ａ
と密着する軟質のパッキングＫを介在した例、（ｅ）図
は固定面１に雨返し用の凸条を１つ以上形成した例、
（ｆ）〜（ｈ）図はアルミニウム合金等を押出成形して
形成した例である。

【００２６】図１３（ａ）、（ｂ）において、（ａ）図
は舌片１１を除去した壁押さえＥ、（ｂ）図は舌片１３
を平行に形成した壁押さえＥである。また、図１４
（ａ）、（ｂ）において、（ａ）図は固定面７に凹条を
形成した壁押さえＥ、（ｂ）図は段差面９を除去した壁
押さえＥである。

【００２７】また、図１５（ａ）〜（ｅ）において、
（ａ）、（ｂ）図は重なりのガイドとなる切り欠き３
１、凸部３２を形成して、施工を容易にしたバックアッ
プ材Ｈ、（ｃ）図は内部に中空孔３３を設けて調湿機能
を助長できるバックアップ材Ｈ、（ｄ）図は外周を耐火
被覆材、耐火塗料材３４でコーティングしたバックアッ
プ材Ｈ、（ｅ）図は補強シート３５を形成したバックア
ップ材Ｈである。勿論、これらの部材を各々組み合わせ
た構造とすることができる。

【００２８】さらに、図１６（ａ）〜（ｆ）は屋根材Ｉ
を各々変形した例であり、特に（ｅ）、（ｆ）図は吊り
子Ｌ（図中点線で示す）を用いて固定する構造の屋根材
Ｉの例である。

【００２９】また、図１７は壁取合い部のアスファルト
ルーフィングＡの先端を防水テープＭで被覆した構造で
あり、アスファルトルーフィングＡと既存壁β間から雨
水等が浸入しないように形成したものである。

【００３０】以上説明したのは壁取合い部の改修構造を
示すものであり、図示しないが水上側の壁際にも使用す
ることができるものである。勿論、既存の瓦棒屋根、既
存の横葺き屋根等にも使用することができるものであ
る。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る屋根
の壁取合い部改修構造によれば、屋根を取り去ること
なく、その上に形成することができるため、施工が簡単
で、残材も出ず、施工期間も大幅に短縮できる改修構造
となる。両面テープにより壁押さえを取り付けている
ために、水上部の防水性が万全である。等の特徴、効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る屋根の壁取合い部改修構造の代表
例を示す説明図である。

【図２】上記構造に用いられる受け木の代表例を示す説
明図である。

【図３】上記構造に用いられる捨て板の代表例を示す説
明図である。

【図４】上記構造に用いられる段付面戸の代表例を示す
説明図である。

【図５】上記構造に用いられる壁用水切りの代表例を示
す説明図である。

【図６】上記構造に用いられる両面テープの代表例を示
す説明図である。

【図７】上記構造に用いられるバックアップ材の代表例
を示す説明図である。

【図８】上記構造の一般部に用いられる屋根材の代表例
を示す説明図である。

【図９】上記構造に用いられる屋根材の代表例を示す説
明図である。

【図１０】上記構造に用いられる継手材の一例を示す説
明図である。

【図１１】一般部の改修構造の代表例を示す説明図であ
る。

【図１２】上記構造に用いられる捨て板のその他の実施
例を示す説明図である。

【図１３】上記構造に用いられる壁押さえのその他の実
施例を示す説明図である。

【図１４】上記構造に用いられる壁押さえのその他の実
施例を示す説明図である。

【図１５】上記構造に用いられるバックアップ材のその
他の実施例を示す説明図である。

【図１６】上記構造に用いられる屋根材のその他の実施
例を示す説明図である。

【図１７】本発明に係る屋根の壁取合い部改修構造のそ
の他の例を示す説明図である。

【符号の説明】

ＡアスファルトルーフィングＢ受け木Ｃ捨て板Ｄ段付面戸Ｅ壁押さえＦ両面テープＧシーリングＨバックアップ材Ｉ屋根材Ｊ継手材Ｊ₁ 敷目板Ｊ₂ 嵌合体ＫパッキングＬ吊り子Ｍ防水テープ α 既存の新生瓦屋根 α₁ 野地板 α₂ アスファルトルーフィング α₃ 新生瓦屋根材 β 既存壁 γ 固定具１固定面２立ち上がり部３被覆面４舌片５防水面６流水溝７固定面８カバー面９段差面１０上面１１舌片１２下面１３舌片１４化粧面１４ａ水切り片１５係合溝１６嵌合縁１７固定片１８裏面１９段差化粧面２０差込係合片２０ａ嵌合溝２１連結片２２凹条２３敷目部２４馳部２４ａ馳舌片２５雨返部２６係止部２７延長部２８舌片２９底面３０係止舌片３１切り欠き３２凸部３３中空孔３４耐火塗料材３５補強シート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】既存の屋根の壁取合い部を改修する構造
において、略断面コ字状の捨て板と、略断面Ｌ字状の壁
押さえとからなり、既存の屋根の上に形成した屋根材の
端部分の既存壁との境界に捨て板を固定し、該捨て板内
に屋根材の端部を挿入し、捨て板上に壁押さえをカバー
材として施工すると共に、既存壁と壁押さえ間に両面テ
ープとシーリングを施設して形成したことを特徴とする
屋根の壁取合い部改修構造。