JPH0841778A - 布帛の起毛装置 - Google Patents

布帛の起毛装置

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JPH0841778A
JPH0841778A JP17992094A JP17992094A JPH0841778A JP H0841778 A JPH0841778 A JP H0841778A JP 17992094 A JP17992094 A JP 17992094A JP 17992094 A JP17992094 A JP 17992094A JP H0841778 A JPH0841778 A JP H0841778A
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cloth
fabric
rotary
roll
nap
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JP17992094A
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Takao Mishima
孝夫 三島
Toshiyuki Masunaga
敏幸 増永
Tadashi Sano
正 佐野
Yoshifumi Yamamoto
嘉文 山本
Kenji Shibata
健二 柴田
Yoshiteru Santo
美照 山東
Hiroshi Ishidoshiro
博司 石徹白
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 布帛を水等の液に浸漬して湿潤状態にして起
毛する起毛装置として、浸漬した後の含液状態の布帛を
屈折送行させることにより、液の過剰分を除いて全面に
わたって略均一な適度の湿潤状態にして回転起毛ロール
に圧接でき、良好かつ能率的に起毛加工を行なえるよう
にする。 【構成】 水等の液4aを収容した液槽4を含み、拡布
状態で送行する布帛Aを前記液槽4に導いて液に浸漬通
過させる浸漬送行部3と、前記液槽4から送出される含
液状態の布帛Aを屈折送行させる屈折送行部7と、その
後続の送行部分において屈折送行部7を通過した布帛A
が接触送行し得るように配され、送行する布帛Aに対し
相対回転して布帛表面を起毛する回転起毛ロール11と
を備え、含液状態の布帛の屈折送行により液の過剰分を
除いて適度な湿潤状態で起毛できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に布帛を湿潤状態で
回転起毛ロールの周面に圧接させて布帛表面を起毛する
布帛の起毛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】布帛表面を起毛処理するには、針布によ
る起毛材あるいは細かい砥粒が付与されたサンドペーパ
ー等の起毛材に布帛を接触させることにより、表面を起
毛するものであるが、従来方式では、ピーチスキン調等
の細かく密集した起毛状態が得られない、あるいは布帛
表面の繊維の一部を切断して布帛強度を低下させたり、
起毛により発生した粉塵が飛散して火災の原因になる等
の問題があることから、布帛を湿潤状態で起毛する湿式
起毛法が採用されることが多なっている。
【0003】この湿式起毛法として、布帛を水中に浸漬
した状態で起毛する水中起毛による場合、布帛に皺が生
じ易く、起毛状態が不揃いになったり、部分的に起毛で
きなくなってムラが生じる等の欠点がある。
【0004】そのため前記の水中起毛に代わる湿式起毛
法が種々提案されている。その起毛装置として、特開
平5−214668号公報には、送行する被処理布帛に
対し水等の液を散布する装置を備え、布帛に液を散布し
て湿潤状態にした後、起毛加工用の回転体等よりなる磨
耗装置に圧接させて、布帛表面を起毛するようにした装
置が示されている。
【0005】また、特開平6−12306号公報に
は、周面に起毛材が付設された起毛加工用の回転体と、
これに近接配置された円弧状凹面を有する圧接用構体と
の間に被処理布帛を通して、前記圧接用構体の凹面側か
ら水圧を加えて布帛に水を浸透させながら、起毛加工を
行なうようにした装置が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の起毛
装置の場合、送行する布帛に対し液を散布して湿潤状態
にするものであるため、液の散布量の調整が難しい上、
布帛の液の湿潤状態にムラが生じ易く、そのために後続
の磨耗装置による起毛加工にもムラが生じるおそれがあ
る。
【0007】またの起毛装置の場合、起毛加工部で水
圧を加えるものであるために、布帛の全面にわたって充
分かつ均等な湿潤状態になり難く、やはりムラが生じ易
い上に、布帛の送行速度に対する回転体周面の相対速度
をそれほど早くできず、それだけ起毛に時間がかかるこ
とになる。
【0008】そこで、水等の液に浸漬させた布帛を液中
から取出した後、起毛材に接触させて起毛することとし
たのであるが、液に浸漬した直後の布帛は、液が過剰に
含浸付与された状態であるために、布帛表面に液による
皮膜が生じてしまい、起毛材がスリップし易くなって、
摩擦作用による起毛が思ったようになされず、そのため
何度も反復して起毛処理する必要があり、起毛能率の点
では満足できないものである。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、布帛を水等の液に浸漬して湿潤状態にしておいて回
転起毛ロールにより起毛する方式の起毛装置において、
液に浸漬通過させた布帛を一旦屈折送行させることによ
り、布帛に含浸付与させた液の過剰分を除いて、全面に
わたって略均一な適度の湿潤状態にして回転起毛ロール
に接触させて、良好かつ効率よく起毛処理を行なえる布
帛の起毛装置を提供するものである。
【0010】また本発明は、この種の起毛装置におい
て、布帛の種類や起毛状態等に応じて、布帛の回転起毛
ロールに対する接触面積を調整できるようにした起毛装
置を提供しようとするものである。さらに、被処理布帛
の継目部分が回転起毛ロールの部分を通過する際、回転
起毛ロールを布帛の送行に同伴回転させるようにして、
複雑な機構を要することなく継目部分を通過させること
ができるようにした起毛装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の布帛の起毛装置は、水等の液を収容した液槽を含
み、拡布状態で送行する被処理布帛を前記液槽に導いて
液中に浸漬し通過させる浸漬送行部と、前記液槽から送
出される含液状態の布帛を屈折送行させる屈折送行部
と、その後続の布帛送行部分において屈折送行部を通過
した布帛が接触送行し得るように配され、送行する布帛
に対し相対回転して布帛表面を起毛する回転起毛ロール
とを備えてなることを特徴とする。
【0012】前記の起毛装置において、回転起毛ロール
の近傍に、該回転起毛ロールに対し接触送行する布帛の
送行位置を変更できる変位可能な送りガイドローラを設
け、回転起毛ロールに対する布帛の接触面積を調整でき
るように構成しておくことができる。
【0013】また、布帛の供給側から回転起毛ロールに
至る送行部分の一部に継目検出手段を設け、該継目検出
手段による検出信号によって、一時的に回転起毛ロール
の駆動回転を中止して、布帛の継目部分が通過する間、
回転起毛ロールが布帛送行に同伴して回転するように構
成しておくのが好ましい。
【0014】
【作用】上記した本発明の布帛の起毛装置によれば、拡
布状態に送られる布帛はその送行途中の浸漬送行部にお
いて液槽に導かれ、水等の液中を浸漬通過するもので、
これによって該布帛に液が含浸付与された状態で液槽か
ら送出される。液槽から送出された含液状態の布帛は、
所定のテンション状態で屈折送行部を通過することによ
り適度に搾液作用が与えられ、これにより布帛に含浸付
与された液の過剰分が除かれて、全面にわたって略均一
な適度の湿潤状態に調整される。
【0015】そして、後続の送行部分において、前記の
湿潤状態の布帛が回転起毛ロールの周面に接触送行せし
められ、この布帛に対して相対回転する回転起毛ロール
の摩擦作用によって布帛表面が起毛される。
【0016】この起毛の際、前記のように屈折送行部通
過することにより布帛が全面にわたって略均一な適度の
湿潤状態になっているため、布帛表面に液の皮膜が生じ
たり、回転起毛ロールがスリップするようなことがな
く、該回転起毛ロールによる摩擦作用で布帛表面を全面
にわたってムラなく確実に起毛できる。
【0017】また、請求項2の発明の起毛装置の場合、
回転起毛ロールの近傍に配した送りガイドローラによっ
て布帛の送行位置を変更することにより、回転起毛ロー
ルに対する布帛の接触面積を調整でき、布帛の種類(繊
維の種類や組織)や起毛状態等に応じた最適な起毛加工
を施すことができる。
【0018】また請求項3の起毛装置による場合、布帛
の送行部分に設けた継目検出手段により布帛の継目を検
出したとき、その検出信号によって、回転起毛ロールの
駆動回転を一時的に中止してフリーにすることにより、
回転起毛ロールはこれに接触して送行する布帛に同伴し
て回転することになるので、摩擦作用が布帛に与えられ
ることがなく、布帛の継目部分で切断等が生じることが
ない。しかも、その機構は、回転起毛ロールの駆動回転
を中止してフリーにするだけであるため、布帛を回転起
毛ロールの周面から離脱させる等の他の複雑な機構を必
要としない。
【0019】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基いて
説明する。
【0020】図1は、本発明の起毛装置の概略を示す断
面図である。図において、(A1)は表面に起毛加工を
施す被処理布帛(A)の供給側の巻取体を示し、(A
2)は起毛加工が施された布帛(A)の回収側の巻取体
を示し、それぞれ軸部が機枠(1)に掛架されるように
なっている。回収側の巻取体(A2)の軸部にはトルク
モータ(2)が連設されており、起毛処理された布帛
(A)を設定された一定のテンション状態で巻取るよう
に設けられている。
【0021】(3)は、水や界面活性剤等の液(4a)
を収容した液槽(4)を含み、かつ拡布状態で送行され
る布帛(A)を液(4a)に浸漬通過させるように設け
た浸漬送行部である。(5)は液槽(4)の布帛供給側
上方に設けた送りガイドローラ、(6)は液槽(4)内
に設けた送りガイドローラであって、拡布状態で送行さ
れる布帛(A)を液槽(4)内に導き入れて、前記液
(4a)中を浸漬送行させるように設けている。
【0022】(7)は前記の液槽(4)の上方に設けた
屈折送行部であり、液槽(4)から送出される含液状態
の布帛(A)を屈折送行させることにより、布帛(A)
に含浸付与された液の過剰分を除去して、適度な湿潤状
態に調整できるように設けている。この屈折送行部
(7)として、図示する実施例では、回転駆動されて布
帛(A)に送り作用を与える送りローラ(8)と、その
下方に配したガイドローラ(9)とにより、布帛(A)
を略S字状(あるいは逆S字状)に急激に屈折させて送
行できるように設けられており、これによって送行され
る布帛(A)に、ロール面に対する圧接作用とテンショ
ンとの関係で適度の搾液作用を与えて、含浸付与されて
いる液の過剰分を排除できるようになっている。
【0023】もちろん、他の屈折送行の形態や手段によ
り、液槽(3)から送出される布帛(A)を屈折送行さ
せて、これに含浸付与された液の過剰分を除くことがで
きるようにして実施することも可能である。例えば送行
する布帛(A)の上に、自重によって僅かに荷重をかけ
る押えローラを配して圧搾作用を与えるようにすること
もできる。
【0024】(11)は、前記の屈折送行部(7)の後
続の起毛加工部(10)の布帛送行部分において、布帛
(A)の表面を起毛加工するように設けた回転起毛ロー
ルである。この回転起毛ロール(11)の周面には布帛
(A)の起毛に効果のある起毛材、例えば粒径50〜2
00ミクロンのセラミックスやステンレス等の粉末を適
当な部材に溶射して粗面に形成した起毛材、あるいは一
般に用いられている砥粒が付与されたサンドペーパ等よ
りなる起毛材が付設されてなるもので、この起毛材によ
って布帛(A)の表面が摩擦されることにより、布帛
(A)の繊維が起毛されるように形成されている。
【0025】図示する実施例の場合は、前記構成の第1
および第2の二つの回転起毛ロール(11)(11)
が、所要の間隔を存して前後に並設されており、1回の
送行によって両回転起毛ロール(11)(11)により
2回の起毛処理が行なわれるようになっている。
【0026】前記の回転起毛ロール(11)(11)
は、それぞれ上方の機枠(1)上に設置された駆動モー
タ(M1)(M2)と、チエンやベルト等の伝動手段
(12)(12)により回転伝達可能に接続され、それ
ぞれ駆動モータ(M1)(M2)により回転駆動される
ように設けられ、その速度の調整および正転、逆転の切
替が自在に構成されている。例えば、一方の回転起毛ロ
ール(11)を、他方とは逆方向の回転にすることもで
きる。
【0027】もちろん、一つの回転起毛ロール(11)
のみを配して実施することも、また3つ以上の回転起毛
ロールを並設して実施することも可能である。
【0028】また第2の回転起毛ロール(11)の送出
側には供給側の送りローラ(8)との略対称位置に布帛
に送り作用を与える送りローラ(18)が配されてい
る。この供給側と送出側の送りローラ(8)(18)
は、それぞれ一つの駆動モータ(M3)とチエン、タイ
ミングベルト等の伝動手段(14)により連結されて同
期して回転駆動されるように設けられており、これによ
って布帛(A)を起毛加工部(10)において、一定の
速度、テンションに保持して、送行できるようになって
いる。
【0029】(13)は前記の両回転起毛ロール(1
1)(11)の間に配された送りガイドローラであっ
て、回転起毛ロール(11)に接触送行する布帛(A)
の送行位置を変更できるように上下に変位可能に設けら
れている。すなわち、図2に示すように、回転起毛ロー
ル(11)の表面に対する布帛(A)の接触面積は、回
転起毛ロール(11)に接触送行する布帛(A)の接触
部分への進入側の角度と、送出側の角度とによって定ま
るので、送りガイドロール(13)を上下に変位させて
布帛(A)の送行位置を変更して前記角度を変えること
により、布帛(A)の回転起毛ロール(11)に対する
接触面積を増減調整できることになる。
【0030】例えば、送りガイドローラ(13)を図2
の鎖線のように変位させると接触面積は小さくなるもの
で、二つの回転起毛ロール(11)(11)の中間に送
りガイドローラ(13)を配してある場合、該送りガイ
ドローラ(13)の上下動によって、両回転起毛ロール
(11)(11)に対する接触面積が変る。
【0031】前記の送りガイドロール(13)の上下動
は、シリンダー機構を利用したり、ラックとピニオン、
ウオームギア機構、ジャッキ手段、その他種々の機械的
昇降手段を利用できる。もちろん手動によって昇降させ
るようにしてもよい。
【0032】(15)は両回転起毛ロール(11)(1
1)間の中間位置のやや下方に排した洗浄水の噴射ノズ
ル手段であり、25mm径のノズル管に両回転起毛ロー
ル(11)(11)の表面に対し洗浄水を噴射するノズ
ル孔(15a)が設けられている。この噴射ノズル手段
(15)は、回転起毛ロール(11)(11)の長手方
向に揺動あるいは往復移動可能に支持され、毎分5〜1
0回の往復移動を行なって、回転起毛ロール(11)
(11)の全表面に略均等に洗浄水を噴射できるように
設けられる。これによって、回転起毛ロール(11)の
表面に付着した粉塵や繊維屑等が洗い流されて、回転起
毛ロール表面の起毛材が目詰りを起すことがなく、常に
効率よく起毛加工できることになる。(16)は、洗浄
水の回収用受け部材である。
【0033】(19)は送りローラ(18)の下方に設
けた送りガイドローラであり、送りローラ(18)とに
より供給側の屈折送行部(7)と略対称の屈折送行部
(17)を構成している。
【0034】(20)は継目検出手段であり、この継目
検出手段(20)は、例えば図3に示すように、布帛
(A)が送りガイドローラ(5)に接触する位置におい
て、布帛(A)の表面に当接する検出ローラ(21)
と、この検出ローラ(21)の継目(a1)によるレバ
ー(22)の揺動を介して作動する振動スイッチ(2
3)とにより継目(a1)を検出するように設けられて
いる。
【0035】そして、この継目検出手段(20)が継目
(a1)を検出したとき、その検出信号を回転起毛ロー
ル(11)(11)の駆動モータ(M1)(M2)、あ
るいはそのコントローラ(図示省略)の部分に送り、そ
の指令によって、一時的に回転起毛ロール(11)(1
1)の駆動モータ(M1)(M2)を切替て駆動回転を
中止するか、あるいはクラッチ手段を利用して、回転起
毛ロール(11)(11)をフリーにし、継目(a1)
が回転起毛ロール(11)(11)の部分を通過する
間、回転起毛ロール(11)(11)を布帛(A)の送
行に同伴回転させるように構成する。
【0036】この際、前記継目検出手段(20)から回
転起毛ロール(11)の位置までの継目(a1)の送行
に要する時間を考慮して、継目(a1)の部分が回転起
毛ロール(11)の部分に達したときに、前記の一時的
な駆動回転の中止作用がなされるように構成される。
【0037】上記の構成による起毛装置による起毛処理
作用について説明する。
【0038】供給側の巻取体(A1)から拡布状態で送
られる布帛(A)は、起毛加工部(10)の供給側と送
出側に配された両送りローラ(8)(18)により、設
定された所定の速度、テンション状態で送行される。通
常、布帛(A)の送行速度は、8〜10m/min に設定
される。
【0039】そして、こうして送られる布帛(A)は、
起毛加工部(10)に至るまでの送行途中に設けられた
浸漬送行部(3)において、送りガイドロール(5)
(6)により液槽(4)内に導き入れられて、水等の液
(4a)中に浸漬通過せしめられ、これによって布帛
(A)に液が含浸付与される。液槽(4)から送出され
た含液状態の布帛(A)は、送りローラ(8)と送りガ
イドローラ(9)とによる屈折送行部(7)を所定のテ
ンション状態で通過することにより、適度に搾液作用が
与えられ、これにより布帛(A)に含浸付与された液の
過剰分が除かれて、全面にわたって略均一な適度の湿潤
状態に調整される。
【0040】こうして後続の起毛加工部(10)に送り
込まれた湿潤状態の布帛(A)は、起毛加工部(10)
の回転起毛ロール(11)の周面に圧接されて送行せし
められる。この回転起毛ロール(11)は、その周面の
布帛(A)に対する相対速度が70〜150m/min 、
すなわち周速80〜160m/min に設定されて回転し
ており、この相対回転により、布帛(A)に摩擦作用が
与えられ、布帛(A)の表面が起毛されることになる。
【0041】この起毛の際、布帛(A)は前記のように
屈折送行部(7)を通過することにより、含浸付与され
た液の過剰分が除かれ、しかも布帛(A)の全面にわた
って略均一な湿潤状態になっているため、布帛表面に液
の皮膜が生じて回転起毛ロール(11)がスリップする
ようなことがなく、布帛(A)に対する摩擦作用で全面
にわたって確実にムラなくかつ効率よく起毛できる。殊
に、布帛(A)と回転起毛ロール(11)との相対速度
を前記のように比較的大きく設定することにより、起毛
効率がさらに向上し、一度の処理で所定の起毛状態を得
ることができ、生産性が著しく向上する。
【0042】なお、二つの回転起毛ロール(11)(1
1)の一方を逆方向回転としたり、また回転起毛ロール
(11)(11)の回転速度を可変コントロールするこ
とにより、布帛(11)に対する相対速度を変化させれ
ば、起毛状態を自在に変化させることができる。
【0043】また前記の起毛作用によって回転起毛ロー
ル(11)の表面に付着した粉塵や繊維屑は、両回転起
毛ロール(11)(11)間の噴射ノズル手段(15)
からの洗浄水の噴射により洗い流されるので、常に周面
を良好な状態に保ち、安定した起毛状態を得ることがで
きる。
【0044】そして起毛加工部(10)に至るまでの布
帛送行部分に配した継目検出手段(20)により、布帛
(A)の継目(a1)を検出したときは、その検出信号
によって、回転起毛ロール(11)の駆動モータによる
駆動回転が一時的に中止されてフリーになるので、回転
起毛ロール(11)はこれに接触して送行する布帛
(A)に同伴して回転し、摩擦作用が布帛(A)に与え
られない。
【0045】それゆえ、継目(a1)がオーバロックミ
シン縫いのみであっても、切断のおそれなく起毛処理で
き、本縫いとの二重縫いや縫い直しを必要しない。ま
た、継目(a1)が回転起毛ロール(11)の部分を通
過した後、つまり継目(a1)が通過する一定時間後
に、再度回転起毛ロールロール(11)を駆動モータに
より駆動回転させて起毛処理を行なえばよい。したがっ
て、布帛を回転起毛ロール(11)面から隔離させるよ
うな特別な機構を要さずに、継目部分の摩擦を回避でき
る。
【0046】
【発明の効果】上記したように本発明の布帛の起毛装置
によれば、布帛を水等の液に浸漬通過させた直後に起毛
するのでなく、液中に浸漬通過させた含液状態の布帛
を、屈折送行させて液体の過剰分を除いて、全面にわた
って略均一な適度な湿潤状態にした後、該布帛を回転起
毛ロールに接触送行させて起毛するように構成したの
で、布帛の表面に液の皮膜が生じたり、これに接触する
回転起毛ロールがスリップして起毛されなくなるといっ
たことがなく、全面にわたって確実にムラなくかつ効率
よく起毛でき、その生産性を向上できる。
【0047】また、請求項2の起毛装置による場合、回
転起毛ロールに対する布帛の接触面積を容易にかつ任意
に調整できるので、布帛の種類や起毛状態等に応じた最
適な起毛状態を得ることができる。
【0048】さらに請求項3の起毛装置による場合、継
目検出手段により布帛の継目を検出したとき、その検出
信号によって、回転起毛ロールを一時的にフリーにし
て、これに接触して送行する布帛に同伴して回転させる
ことで、布帛を回転起毛ロールから隔離させるような複
雑な機構を要することなく、布帛の継目部分での摩擦を
回避でき、継目での破断あるいは運転停止を防止でき、
処理能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の起毛装置の概略構成を示す
一部の側面図である。
【図2】回転起毛ロール部分の拡大図である。
【図3】継目検出手段の部分の拡大図である。
【符号の説明】
(A) 布帛 (A1) 供給側の巻取体 (A2) 回収側の巻取体 (a1) 継目 (1) 機枠 (3) 浸漬送行部 (4) 液槽 (4a) 水等の液 (5)(6) 送りガイドローラ (7) 屈折送行部 (8) 送りローラ (9) ガイドローラ (10) 起毛加工部 (11) 回転起毛ロール (13) 送りガイドローラ (15) 噴射ノズル手段 (20) 継目検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 健二 滋賀県長浜市大辰巳町181番地 (72)発明者 山東 美照 和歌山県和歌山市宇須4丁目4番5号 株 式会社山東鉄工所内 (72)発明者 石徹白 博司 和歌山県和歌山市宇須4丁目4番5号 株 式会社山東鉄工所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水等の液を収容した液槽を含み、拡布状態
    で送行する被処理布帛を前記液槽に導いて液中に浸漬し
    通過させる浸漬送行部と、前記液槽から送出される含液
    状態の布帛を屈折送行させる屈折送行部と、その後続の
    布帛送行部分において屈折送行部を通過した布帛が接触
    送行し得るように配され、送行する布帛に対し相対回転
    して布帛表面を起毛する回転起毛ロールとを備えてなる
    ことを特徴とする布帛の起毛装置。
  2. 【請求項2】回転起毛ロールの近傍において、該回転起
    毛ロールに対し接触送行する布帛の送行位置を変更でき
    る変位可能な送りガイドローラを備え、回転起毛ロール
    に対する布帛の接触面積を調整できるように構成されて
    なる請求項1に記載の布帛の起毛装置。
  3. 【請求項3】布帛の供給側から回転起毛ロールに至る送
    行部分の一部に継目検出手段を備え、該継目検出手段に
    よる検出信号によって、一時的に回転起毛ロールの駆動
    回転を中止して、布帛の継目部分が通過する間、回転起
    毛ロールが布帛送行に同伴して回転するように構成され
    てなる請求項1または2に記載の布帛の起毛装置。
JP17992094A 1994-08-01 1994-08-01 布帛の起毛装置 Pending JPH0841778A (ja)

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