JPH0841655A - 硝子質被覆層を形成した物品の製造方法 - Google Patents

硝子質被覆層を形成した物品の製造方法

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JPH0841655A
JPH0841655A JP17534194A JP17534194A JPH0841655A JP H0841655 A JPH0841655 A JP H0841655A JP 17534194 A JP17534194 A JP 17534194A JP 17534194 A JP17534194 A JP 17534194A JP H0841655 A JPH0841655 A JP H0841655A
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幸一 中野
Tsuneo Shibata
恒雄 柴田
Yukiyoshi Ono
之良 小野
Kunio Kimura
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/22Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions containing two or more distinct frits having different compositions

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホーロ面を下地とした多孔性無機質触媒被覆
層の形成に対して、触媒の種類にかかわらずこれを強固
に坦持し、かつ基材の腐食要素を遮断できる無泡性硝子
質被覆層をアルミナイズド鋼上に形成した物品の製造方
法を提供することを目的とするものである。 【構成】 アルミナイズド鋼2のアルミニウムを変質さ
せないためにスリップの焼成温度を560℃〜580℃とし、
アルミナイズド鋼2の表面部に適当なアルカリ度を有す
る硝子質被覆層4が食い込んで、強度が高く、ピンホー
ル・亀裂・泡の包含を皆無とした硝子質被覆層を形成し
た物品とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硝子質被覆層の表面部
に形成する多孔性無機質触媒被覆層を強固に坦持し、か
つ基材の腐食要素を遮断できる無泡性硝子質被覆層をア
ルミナイズド鋼上に形成した物品の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来硝子質被覆層を鋼板の表面に施した
物品は、一般にホーロ物品として各種の用途に供されて
いる。普通ホーロ物品は、鋼板表面を酸処理した後無電
解ニッケルメッキを施し、この表面部分の全域に硝子質
泥状ゆう薬(以下スリップと称する)を塗布して、800
℃〜850℃程度の温度域で焼成して形成している。この
ときのスリップの塗布方法は、エアスプレー・浸漬、静
電気の印加などがある。また目的によっては、一回塗
布、或いは他の色を塗り重ねた多回重ね塗布による着色
ホーロとする場合もある。この着色ホーロ物品は、下地
ホーロを焼成した後着色ゆう薬を重ねて塗布し焼成して
製造している。またこのホーロ被覆層は通常60μm程度
以上としており、物品の使用に際して、加熱による基材
の熱膨張や物理的弾性変形にホーロ層が破損なく追従で
きるようにするため、内部には無数の微細な泡構造を焼
成時に発生させて保有している。
【0003】また被覆層の全体は焼成時に溶融させて均
一化することを前提に形成しており、比較的均質で平坦
な表面状態を形成するものである。またアルミニュウム
やアルミナイズト鋼の表面上に600℃弱の温度で焼成し
て硝子質被覆層を形成する、低温度焼成によるアルミニ
ュウムホーロ技術もある。これは800℃焼成ホーロ物品
と同様の考えに基ずくものであるが、基材がアルミニウ
ムであるためこの損傷に至るまでの温度で焼成するもの
で被覆層の内部に上記と同様の泡構造を有するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】普通ホーロ物品は、基
材の熱膨張や弾性変形にホーロ層が破損することなく追
従できるように、ホーロ層部分には無数の微細な泡を焼
成時に発生させて保有している。このため、これに基ず
く多数のピンホールと、被覆厚みが100μm以上の部分で
はひけと称する亀裂を多数保有している。
【0005】従って従来の構成のホーロ物品は、硝子質
被覆層表面部に形成している多孔性無機質触媒被覆層に
含まれている腐食要素の影響を受けるものとなってい
る。また塩分を含む高温・多湿雰囲気にあっては、この
場合の腐食の進行は顕著で、基材の腐食による被覆層の
剥離を誘発するという課題を有している。またこのピン
ホールはホーロ層に介在させている無数の泡構造に由来
するもので、単に膜厚を厚くしても除去できるものでは
ない。また被覆層は焼成時に均一に溶融させるもので、
表面は平坦でかつ滑らかなものとなっている。このホー
ロ面上への多孔性無機質触媒被覆層の形成に対しては、
触媒層の形成温度は一般に500〜600℃と低いもので、ホ
ーロ層への坦持力は極めて弱いものである。
【0006】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決するもので、ホーロ面を下地とした多孔性
無機質触媒被覆層の形成に対して、触媒の種類にかかわ
らずこれを強固に坦持し、かつ基材の腐食要素を遮断で
きる無泡性硝子質被覆層をアルミナイズド鋼上に形成し
た物品の製造方法を提供することを第一の目的とするも
のである。
【0007】また、前記第一の目的を達成する第二・第
三・第四・第五の製造方法を提供することを、第二・第
三・第四・第五の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、少なくとも硝子転移温度が
430℃で、熱膨張係数が133×10-7であるSiO2-B2O3-Na2O
-K2O-Li2O-CaO-AL2O3系アルカリ硝子とした第一の硝子
と、ガラス転移温度が410℃、熱膨張係数が444×10-7
あるSiO2-TiO2-Na2O-K2O-Li2O-CaO-SrO-ZnO-B2O3-P2O3
系アルカリ硝子とした第二の硝子との比が0.5/0.5〜0.9
/0.1である混合体1.0に対して、0.05〜0.3の珪酸ナトリ
ウムと、二酸化チタン、水を混合してなるスリップをア
ルミナイズド鋼表面に塗布・乾燥・焼成してなる硝子質
被覆層を形成した物品の製造方法とするものである。
【0009】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、第一の硝子と第二の硝子の粒度を、共にスリ
ップ調整前では180μmより細かく、これに含まれる75μ
mより粗い粒子が5〜20gであるものによってスリップを
構成した硝子質被覆層を形成した物品の製造方法とする
ものである。
【0010】第三の目的を達成するための本発明の第三
の手段は、固形分を70重量%に調整したスリップ50gに
含まれる45μmより粗い粒子が5〜15gであるようにした
硝子質被覆層を形成した物品の製造方法とするものであ
る。
【0011】第四の目的を達成するための本発明の第四
の手段は、硝子質被覆層は、スリップをアルミナイズド
鋼の表面に80μm以上の乾燥被膜厚さとした第一層を設
け、更に10〜40μmの第二層を重ね塗布した後乾燥・焼
成してなる硝子質被覆層を形成した物品の製造方法とす
るものである。
【0012】第五の目的を達成するための本発明の第五
の手段は、硝子質被覆層は、第二層を重ね塗布した後6
0分以上室温状態で静置した後乾燥焼成してなる硝子質
被覆層を形成した物品の製造方法とするものである。
【0013】
【作用】本発明の第一の手段は、基材の表面に形成する
硝子質被覆層を工夫して、ピンホール・亀裂・泡の包含
を皆無として、表面に設けている触媒層の影響の小さい
硝子質被覆層を形成した物品として作用するものであ
る。
【0014】本発明の第二の手段は、被覆層の補強効果
に加えて緻密さを加味した硝子質被覆層を形成した物品
として作用するものである。
【0015】本発明の第三の手段は、季節的変動を排除
した安定な硝子被覆層を有する物品を製造できる製造方
法とできるものである。
【0016】本発明の第四の手段は、表層に設けた触媒
層の胆持強度をより強くでき、かつ硝子被覆層の厚みを
150μm程度まで積層できる製造方法とできるものであ
る。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の第一の実施例について、ヒー
タユニットを例に図1を参照しながら説明する。シーズ
ヒータ1aは、両端に通電端子1を、表面にはアルミナ
イズド鋼2を基材としたフィン7を圧接して設けてい
る。フィン7は、アルミナイズド鋼2の表面にアルミニ
ウムのメッキ層3を、更に硝子被覆第一層4・硝子被覆
第二層5と、硝子被覆第二層5の表面に多孔性無機質触
媒被覆層(以下単に触媒層と称する)6を設けている。
【0018】以下本実施例の動作について説明する。シ
ーズヒータ1aの通電端子1の両端に電圧を印加して通
電すると、シーズヒータ1aの発熱がフィン7に伝えら
れ、アルミニウムのメッキ層3に付着する硝子被覆第一
層4・硝子被覆第二層5を介して、触媒層6が加熱され
る。このため、触媒層6中の触媒は活性化した状態で維
持される。この状態で、臭気等を含有するガスが触媒層
6の表面に接触・通過すると、触媒によって臭気等が分
解浄化されるものである。この触媒としては、Pt・R
a・Pd等が使用されている。
【0019】本実施例で設けている硝子被覆第一層4
は、前記触媒層を強力且つ安定な状態に担持する役割を
負担するものである。硝子被覆第一層4を構成する成分
は、硝子転移温度が430℃、熱膨張係数が133×10-7であ
る第一の硝子と、硝子転移温度が410℃、熱膨張係数が4
44×10-7である第二の硝子の混合体としている。この第
一の硝子の組成は45SiO2-14B2O3-19Na2O-5K2O-4Li2O-3C
aO-10AL2O3で、硝子粒度は全粒子では180μm以下であ
り、75μm以上のものの量では13gとしている。また第二
の硝子としては、日本フェロー株式会社製アルミニウム
ホーロ用硝子01-4303の、全粒子が180μm以下であり75
μm以上のものの量が10gであるものを使用している。
【0020】以下本実施例の実験結果について説明す
る。本実験に使用しているスリップは、前記第一の硝子
と第二の硝子とを表1〜表3に示す成分比で混合したも
のを、空気圧力4.0kg/cm2でスプレーガンによってアル
ミナイズド鋼2上へ塗布し、60℃で乾燥した後さらに56
5℃で15分間焼成して作製しているものである。つま
り、このときの硝子被覆層は、図1に示している硝子被
覆第一層4の分のみとしている。またこのときの被覆層
の厚さは、前記表1〜表3に示すとおりとしているもの
である。
【0021】こうして作成した硝子被覆第一層4につい
て、表面粗さ、被覆層の亀裂の発生量、ピンホールの状
態、塩水噴霧試験、触媒層の担持性をそれぞれ実施して
いる。この触媒層の担持性については、硝子被覆第一層
4上に140μmとした触媒層6を担持した場合について試
験しているものである。但しいずれの硝子にあっても製
造時の溶融条件の変動があり、ここに示す硝子特性値が
ロットによって若干変動することも有り得ることであ
る。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】以上の実験の結果から、第一の硝子と第二
の硝子の成分比率が、0.5/0.5〜0.9/0.1の範囲において
良好な結果となっているものである。
【0026】以下本実験の結果について、考察する。先
ずスリップの焼成温度を565℃としているのは、基材で
あるアルミナイズド鋼のアルミニウムを変質させること
なく、硝子被覆層の形成が可能な温度としているため
で、560℃〜580℃の温度幅が許容される。この温度で焼
成すると、アルミナイズド鋼の表面部に適当なアルカリ
度を有する硝子質被覆層が食い込んで、強度の高い被覆
層を得ることができるものである。また形成した硝子質
被覆層には、ピンホール・亀裂・泡の包含が皆無となっ
ているものである。
【0027】またスリップの組成物の選択は、使用時の
加熱衝撃や基材の若干の変形に対してより強固に耐える
ことを基準としているものである。第一の硝子・第二の
硝子は鋼の熱膨張係数に対してやや大きめのものであ
り、この2種類の硝子の混合比を0.5/0.5〜0.9/0.1とし
て、この混合体10に対して0.05〜0.3の珪酸ナトリウ
ムと二酸化チタンを硝子質被覆層の構成主成分とするこ
とで本目的を満足することを見い出しているものであ
る。
【0028】つまり、焼成時にはアルカリ度の大きい第
二の硝子と珪酸ナトリュウムとが融合し、これに二酸化
チタンが均一に分散するもので、靱性のある硝子質を選
択的に形成する。これに接触する状態で溶融する第一の
硝子は、第二の硝子よりは硝子転移温度が高いため溶融
開始が遅れるものである。このため、すでに溶融一体化
した部分との融合が妨げられることになり、第一の硝子
は表面部分でのみ融合した状態で焼成が終了する。この
状態で冷却すると、他の成分とはほとんど融合すること
なく再固化して、靱性のある硝子質を形成する。この状
態では第一の硝子は、あたかもコンクリート中の砂利の
ような補強効果を有しているものである。この状態は操
作型電子顕微鏡(JEOL製JSM5300LV・加速電圧25k
v)・金属顕微鏡(オリンパス製PMG2)による被覆層断面
部分の観察結果から確認できた。また被覆層中に分布す
る二酸化チタンの分布状態を、断面についてエックス線
マイクロアナライザー(EDAX製EC0N3)による分析
の結果からも確認できた。
【0029】一旦形成した硝子質被覆層は、上記の焼成
温度で60分加熱しても殆ど上記の断面層の状態に変化
が生じないことから、堅牢なものであるということがで
きる。かつ層内の泡構造は皆無で新たに発生していな
い。この状態の被覆層の形成は、珪酸ナトリュウムと二
酸化チタンの存在下で発生する。従って被覆層に泡構造
を形成することなく所定の被覆層厚みが得ることがで
き、ピンホールや亀裂の発生が除去できる。このような
効果をもたらす珪酸ナトリュウムの第一の硝子・第二の
硝子に対する混合比は、第一の硝子・第二の硝子の混合
体10に対して0.05〜0.3の範囲が有効である。これ以
下の使用では形成した硝子被覆層が軟質になり、これ以
上では脆性となり本目的に適合しないものとなる。
【0030】(実施例2)続いて本発明の第二の実施例
について説明する。
【0031】本実施例は、前記第一の実施例で説明した
第一の硝子が有しているコンクリート中の砂利としての
補強効果をより確実に得るための手段を提供するもので
ある。本実施例では前記実施例1と同様の硝子粉末を使
用している。第一の硝子は、全粒子が180μmよりも細か
く75μmよりも粗い粒子が4g・5g・10g・15g・16gである
ものを70gとしている。また第二の硝子は、全粒子が180
μmよりも細かく75μmよりも粗い粒子が10g程度である
ものを30gとしている。前記第一の硝子と第二の硝子と
を混合し、表4・表5に示す組成のスリップを作製し
て、実施例1と同様にして試験試料を作製した後性能を
試験した。この結果を同様に表4・表5中に示してい
る。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】これらの結果から、硝子のスリップ調整前
での粒子は180μmから75μmのものが5g〜15gの範囲にあ
ることが、第一の硝子・第二の硝子粉末共に硝子被覆層
の性能を確保するためには必要である。これより細かい
粒子では、焼成時に溶融が進み過ぎてしまって被覆層に
亀裂の多発を見る。またこれより粗い状態では、焼成の
硝子と水硝子間の融合が不足となってピンホールが多く
残留するものとなる。
【0035】(実施例3)本実施例は、使用するスリッ
プを構成する粒子の形状が第一の硝子が有している補強
作用を実現する上で大きな影響があることを発見し、こ
の粒子形状を特定するための実験を行っているものであ
る。本実施例では、第一の硝子は全粒子が180μmよりも
細かく75μmよりも粗い粒子が10g程度であるものを70g
とし、これに全粒子が180μmよりも細かく75μmよりも
粗い粒子を4g・5g・10g・15g・16gとした第二の硝子を3
0gを混合し、表6に示す組成のスリップを作成して、実
施例1と同様にして試験試料を作製した後性能を試験し
た。この結果を同様に表6中に示しているものである。
【0036】
【表6】
【0037】この結果から、調整したスリップ50g中に
に含む45μmより粗い粒子の量が5g〜15gの間が本目的に
適合するものである。粗い粒子の量が少ないと、被覆層
形成のための焼成時に溶融が進みすぎて亀裂の発生を招
くものである。また、粗い粒子の量が多いとピンホール
の残留が過多となって、防食性が阻害されるものであ
る。
【0038】(実施例4)次に本発明の第四の実施例に
ついて説明する。前記実施例1の構成を示す図1におい
て、本実施例では硝子被覆第一層4(以下単に第一層と
称する)の表面に、更に硝子被覆第二層5(以下単に第
二層と称する)を設けているものである。
【0039】以下本実施例の作用について説明する。こ
の第二層5は、この表面に設けている触媒層6を一層強
力に担持するように作用するものである。すなわち、第
二層5の表面は凹凸を有する粗面としており、この粗面
の有する効果によって触媒層6を強力に担持するもので
ある。第二層5の形成に当たっては、第一層4を塗布乾
燥後行うことが重要である。すなわち、第一層4の塗布
直後のウエットの状態で第二層5の塗布を行うと、第二
層5の食い込みと混合によって泡の保留が生じるもの
で、この結果防食性能が阻害されるものである。また第
一層4の焼成後に第二層5を塗布する方法では、第一層
4に亀裂を発生する。またアルミナイズド鋼が過焼成と
なって、アルフイン合金の成長が進むものである。この
アルフイン合金は非常に脆いもので、アルフィン合金層
がある程度成長すると被覆層の剥離が発生するものであ
る。
【0040】従って本実施例では、前記しているように
第一層4を塗布乾燥後、第二層5を形成しているもので
ある。このためスリップ中の水分は第一層4の乾燥皮膜
に吸い取られることになって、これを焼成した場合第二
層5は溶融度が適度に抑えられて表面の粗面化を得るこ
とができるものである。
【0041】実際には本実施例では、前記表2に示して
いるスリップ組成No.9を使用して前記実施例と同様
の方法によって第二層5を形成しているものである。こ
の形成に当たっては、第一層4の乾燥後の被覆層厚みを
70〜160μmとし、この塗布直後直ちに焼成したもの、及
び塗布後室温中に30分置いたもの、同様に60分置いた後
焼成した試料と、第一層4の塗布乾燥後直ちに第二層5
を乾燥後の被覆層厚みが30μmとなるようにして直ちに
焼成したものと、室温安定化を前記と同様に実施した後
焼成したものとを使用している。この各試料について、
硝子質被覆層の亀裂の発生の有無と、ピンホールを調べ
表7に示している。
【0042】
【表7】
【0043】以上のように本実施例よれば、第一層4の
上に第二層5を重ねる構成として、表層に設けた触媒層
6の胆持強度をより強くでき、かつ硝子被覆層の厚みを
150μm程度まで積層できるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明の第一の手段は、少なくとも硝子
転移温度が430℃で、熱膨張係数が133×10-7であるSiO2
-B2O3-Na2O-K2O-Li2O-CaO-AL2O3系アルカリ硝子とした
第一の硝子と、ガラス転移温度が410℃、熱膨張係数が4
44×10-7であるSiO2-TiO2-Na2O-K2O-Li2O-CaO-SrO-ZnO-
B2O3-P2O3系アルカリ硝子である第二の硝子との比が0.5
/0.5〜0.9/0.1である混合体1.0に対して、0.05〜0.3の
珪酸ナトリウムと、二酸化チタン・水を混合してなるス
リップを、アルミナイズド鋼表面に塗布・乾燥・焼成し
てなる硝子質被覆層を形成した物品の製造方法として、
第一の硝子が第二の硝子と珪酸ナトリウムと二酸化チタ
ンの部分とが層分離状態を形成することから、あたかも
コンクリート中の骨剤(砂利など)の様な作用が発現
し、従来のホーロに見られる泡構造を取ることなく100
μm以上の被覆層厚みが確保でき、ピンホールの介在を
極めて少なくできるものである。
【0045】本発明の第二の手段は、特に、第一の硝子
と第二の硝子の粒度を共にスリップ調整前では180μmよ
り細かくし、これに含まれる75μmより粗い粒子が5〜20
gであるものによってスリップを構成した硝子質被覆層
を形成した物品の製造方法として、被覆層の補強効果に
加えて緻密さを加味できるものである。
【0046】本発明の第三の手段は、特に、固形分を70
重量%に調整したスリップ50gに含まれる45μmより粗い
粒子が5〜15gであるようにした硝子質被覆層を形成した
物品の製造方法として、季節的変動を排除できる安定し
た硝子質被覆層を備えた物品の製造方法とできるもので
ある。
【0047】本発明の第四の手段は、硝子質被覆層は、
スリップをアルミナイズド鋼の表面に80μm以上の乾燥
被膜厚さとした第一層を設け、更に10〜40μmの第二層
を重ね塗布した後乾燥・焼成してなる硝子質被覆層を形
成した物品の製造方法として、特に、表層に設けた触媒
層の胆持強度を強くできる硝子質被覆層を備えた物品の
製造方法とできるものである。
【0048】本発明の第五の手段は、硝子質被覆層は、
第二層を重ね塗布した後60分以上室温状態で静置した
後乾燥焼成してなる硝子質被覆層を形成した物品の製造
方法として、前記本発明の第五の手段が有する効果に加
えて、更に耐食性を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の硝子被覆層を設けた加熱フィ
ンの断面図
【符号の説明】 2 アルミナイズド鋼 4 硝子被覆第一層 5 硝子被覆第二層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 恒雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小野 之良 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木村 邦夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも硝子転移温度が430℃で、熱
    膨張係数が133×10-7であるSiO2-B2O3-Na2O-K2O-Li2O-C
    aO-AL2O3系アルカリ硝子とした第一の硝子と、ガラス転
    移温度が410℃、熱膨張係数が444×10-7であるSiO2-TiO
    2-Na2O-K2O-Li2O-CaO-SrO-ZnO-B2O3-P2O3系アルカリ硝
    子である第二の硝子との比が0.5/0.5〜0.9/0.1である混
    合体1.0に対して、0.05〜0.3の珪酸ナトリウムと、二酸
    化チタン・水を混合してなるスリップを、アルミナイズ
    ド鋼表面に塗布・乾燥・焼成してなる硝子質被覆層を形
    成した物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一の硝子と第二の硝子の粒度を共にス
    リップ調整前では180μmより細かくし、これに含まれる
    75μmより粗い粒子が5〜20gであるものによってスリッ
    プを構成した請求項1記載の硝子質被覆層を形成した物
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 固形分を70重量%に調整したスリップ50
    gに含まれる45μmより粗い粒子が5〜15gである請求項1
    記載の硝子質被覆層を形成した物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 硝子質被覆層は、スリップをアルミナイ
    ズド鋼の表面に80μm以上の乾燥被膜厚さとした第一層
    を設け、更に10〜40μmの第二層を重ね塗布した後乾燥
    ・焼成してなる請求項1記載の硝子質被覆層を形成した
    物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 硝子質被覆層は、第二層を重ね塗布した
    後60分以上室温状態で静置した後乾燥焼成してなる請
    求項4記載の硝子質被覆層を形成した物品の製造方法。
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