JPH039074B2 - - Google Patents

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JPH039074B2
JPH039074B2 JP24195587A JP24195587A JPH039074B2 JP H039074 B2 JPH039074 B2 JP H039074B2 JP 24195587 A JP24195587 A JP 24195587A JP 24195587 A JP24195587 A JP 24195587A JP H039074 B2 JPH039074 B2 JP H039074B2
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glass
porous
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coating film
substrate
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Kyohisa Eguchi
Satoru Ogawa
Noboru Yamaguchi
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Panasonic Electric Works Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、セラミツク基材上への多孔質ガラ
ス被覆膜の形成方法に関する。
〔背景技術〕
最近、高選択性分離、エネルギー交換、バイオ
センサー等に利用できる、有用な機能性膜を作製
する試みが盛んに行われている。その中で、多孔
質膜は、各種触媒、酵素等の担体、あるいは、吸
着現象による特定物の分離・除去を行う吸着材と
して、注目を集めている。特に、耐熱性、耐水
性、耐久性、機械強度等に優れた無機多孔質膜に
寄せられる期待は大きい。
このような無機多孔質膜を構成する材料の一つ
にガラスがある。多孔質ガラスは、溶融成形した
アルカリホウケイ酸ガラスを熱処理してSiO2
とアルカリ・ホウ酸相の2相に分相させた後、酸
によりアルカリ・ホウ酸相を溶出させ、多孔性の
SiO2骨格を残すことにより得られる。この多孔
質ガラスは、三次元に連続した細孔を持ち、それ
らの孔径が均一であるうえに、熱処理条件によ
り、1nm〜5μmの範囲内で任意の孔径を持つも
のが得られるという利点を有する。
そこで、上記多孔質ガラスからなる膜をセラミ
ツク基材上に形成することができれば、多孔質膜
としての用途がさらに拡大されることは言うまで
もない。さらに、多孔質ガラス層の持つアンカー
効果に着目して、セラミツク基材に対するメタラ
イジングの密着性向上に応用すれば、密着性に富
んだメタライズト層のセラミツク基板上への形成
が可能である。
セラミツク基材表面に多孔質膜を形成する他の
方法としては、特開昭61−158877号公報、特開昭
61−215278号公報等に記載されている。前者に記
載の方法は、気相法により、セラミツク多孔質膜
を基材上に形成する方法であるが、この方法の実
施にあたつては、特別な装置が必要であり、ま
た、膜形成時に厳密な温度コントロール等が要求
される。一方、後者記載の方法は、あらかじめセ
ラミツクを含浸させた繊維シートを、未焼成ない
しは既焼成のセラミツク基材表面に重ねて焼成す
ることにより、セラミツク基材表面に多孔質層を
形成するものである。しかし、この方法では、多
孔質層が全面にわたり均一な凹凸を形成しにくい
という難点がある。
他方、メタライジングを目的として、セラミツ
ク基材表面を溶融アルカリ塩または酸を用いて粗
化することにより表面に多孔質層を形成する方法
が、特開昭57−196781号公報、特開昭60−16885
号公報、特開昭61−151080号公報等に開示されて
いる。しかし、これらの方法ではいずれも、グレ
ーンの脱落等のため、均一な凹凸の形成が困難で
ある。
〔発明の目的〕
上記事情に鑑み、この発明は、セラミツク基材
表面上に、充分な接合力を有し、かつ、均一な細
孔を持つ多孔質ガラス被覆膜を形成する方法を提
供することを目的とする。
〔発明の開示〕
上記目的を達成するために、この発明は、セラ
ミツク基材表面に、熱処理により分相しないガラ
ス層を形成することにより基材表面の対ガラス密
着性を改良した後、この基材表面上に熱処理によ
り分相するガラス層を形成し、熱処理、ついで酸
処理を行つてガラス層を多孔質化する多孔質ガラ
ス被覆膜の形成法を要旨とする。
以下に、この発明を詳しく説明する。
この発明に使用されるセラミツク基材として
は、特に限定はされず、たとえば、ステアタイ
ト、ムライト、アルミナ、ジルコニア等の酸化物
系セラミツク、あるいは、炭化ケイ素、窒化ケイ
素等の非酸化物系セラミツク等が挙げられる。こ
のほか、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラ
スやホウロウ等も使用できる。
上記セラミツク基材に対しては、多孔質ガラス
被覆膜の密着性を高める目的で、あらかじめ、表
面処理が施される。すなわち、熱処理により分相
しないガラス(以下「表面処理ガラス」と記す)
を基材表面に焼き付けておく。表面処理ガラスと
しては、熱処理中に軟化、分相せず、かつ、酸処
理中に溶解しないものが使用でき、特に限定はさ
れないが、ホウケイ酸系、鉛系等のガラスが挙げ
られる。
このようにして表面処理されたセラミツク基材
表面上には、後に多孔質化されるガラス(以下
「母ガラス」と記す)の層が形成される。このよ
うな母ガラスとしては、熱処理により分相し、続
く酸処理により可溶相が溶出して多孔化するもの
が使用され、特に限定はされないが、たとえば、
R2O−B2O3−SiO2系、R2O−B2O3−ZrO2−SiO2
系(Rはアルカリ金属を示す)等のガラスが挙げ
られる。
以下に、上記の材料を用いてこの発明を実施す
る諸工程について、具体例を挙げて詳しく説明す
る。
セラミツク基材上への表面処理ガラス層およ
び母ガラス層の形成 これは、表面処理ガラスおよび母ガラスをそ
れぞれ粉砕し、ペースト状にしてセラミツク基
材上に塗布した後、焼成することにより実施さ
れる。このとき、セラミツク基材上に塗布され
た表面処理ガラスペーストを焼成した後に、得
られた表面処理ガラス層上に母ガラスペースト
を塗布し、焼成して母ガラス層を形成するよう
にしてもよいし、あるいは、セラミツク基材上
に表面処理ガラスペーストを塗布し、ついで、
母ガラスペーストを塗布した後に、両ペースト
層を同時に焼成し、表面処理ガラス層および母
ガラス層を同時形成するようにしてもよい。ど
ちらの方法においても、セラミツク基材と表面
処理ガラス層、および、表面処理ガラス層と母
ガラス層は、それぞれ充分に接合させられる。
表面処理ガラスおよび母ガラスは、ペースト
状になつている市販品を使用してもよいし、あ
るいは、原料ガラスを200〜300メツシユアンダ
ー程度のガラス粉に粉砕した後、市販のスクリ
ーンオイル等と混合してペースト化して使用す
るようにしてもよい。この表面処理ガラスペー
ストおよび母ガラスペーストの塗布は、100〜
300メツシユ程度のスクリーンを用いた印刷等
の方法により実施できる。
ガラスペーストは、塗布後、乾燥、脱脂さ
れ、焼成によりガラス層となる。この焼成条件
等は、特に限定はされないが、たとえば、セラ
ミツク基材としてAl2O3基板を、表面処理ガラ
スとして市販のオーバーコート用ガラスペース
ト(ホウケイ酸系)、母ガラスとしてSiO262.5、
B2O327.2、Na2O7.2、Al2O33.1(いずれもwt%)
の組成を有する分相ガラスを使用する場合、表
面処理ガラス塗膜および母ガラス塗膜いずれに
対しても、800〜1000℃、10〜20分間程度の焼
成を行うことにより、それぞれ10〜50μm程度
の厚みを有する2層のガラス層が得られる。な
お、母ガラス層からのアルカリおよびホウ酸の
揮発を防止するために、多孔質膜形成容器内に
別途に母ガラス粉を入れ、ここから揮発するア
ルカリおよびホウ酸によりこれら両者の容器内
での蒸気圧を高める等の雰囲気のコントロール
を行うことが好ましい。
熱処理 つぎに、熱処理を行い、母ガラス層を構成す
る成分を、酸に可溶なアルカリ・ホウ酸相と、
酸に不溶なSiO2相とに分相させる。熱処理条
件は、特に限定はされないが、たとえば、上記
設定条件下では、500〜800℃で10〜40時間処理
することが好ましい。ここにおいても、母ガラ
ス層からのアルカリおよびホウ酸の揮発を防止
するために、上記と同様な雰囲気のコントロー
ルを行うことが推奨される。
酸処理 熱処理後、酸処理を行い、分相した母ガラス
層のアルカリ・ホウ酸相を溶出させる。この酸
処理に先立ち、アルカリおよびホウ酸の揮発に
より生じた母ガラス表面のSiO2に富む薄層を、
フツ酸等で除去しておくことが望ましい。酸処
理方法については、使用する酸の種類、濃度
等、特に限定はされないが、たとえば、90〜
100℃に加熱された0.1〜1.0N程度の硫酸水溶液
等に浸漬することが好ましい。これにより、母
ガラス層のアルカリ・ホウ酸相が溶出され、多
孔質被覆膜が形成される。酸処理後の多孔質被
覆膜は、充分に水洗した後、乾燥することが好
ましい。さらに、形成された多孔質被覆膜の機
械的強度を向上させるため、たとえば、450〜
550℃/0.5〜1.0時間の熱処理を行うことが好
ましい。
以上、一例として記載した上記設定条件に基づ
いて行うことにより、平均孔径100Å〜1μmの均
一な細孔を持つ多孔質被覆膜が形成できる。
このようにして形成される多孔質ガラス被覆膜
の用途は多々考えられるが、その一つとして、セ
ラミツク基材のメタライジングへの応用が挙げら
れる。つぎに、この多孔質ガラス被覆膜をメタラ
イジングの密着性改善に応用することの有用性
を、メタライズト層を含めた断面を拡大して示す
第1図を参照しつつ、詳しく説明する。
一般に、メツキ法によりメタライジングする場
合に、そのメタライズト層の密着強度は、メツキ
剤が被メツキ基材表面の微細な空洞(凹痕)に浸
透、固化して、錨がひつかかるように機械的に密
着する、いわゆる、アンカー効果を有するか否
か、有するとしてどの程度のアンカー効果がある
かにより左右される。したがつて、この点からみ
た基材表面の状態に左右される。
第1図aは、従来例として、セラミツク基材表
面を機械粗化した後、メツキ処理を行つた場合の
基材1およびメタライズト層2の断面を示す。機
械粗化とは、基材表面に砥粒を噴射して研磨し、
機械的に表面を粗面化する方法であり、液体ホー
ニング、サンドブラスト、シヨツトブラスト等が
ある。この場合、このセラミツク基材粗化表面の
粗度は、セラミツク基材1を構成するグレーン3
の粒度よりも小さくすることはできず、その粗化
状態は、グレーン3の粒径に大きく左右される。
したがつて、アンカー効果を充分に発揮させてメ
タライズト層2の密着性を向上させるためには、
グレーン3の粒径を小さくしてより緻密な凹凸を
形成するようにすることが必要であるが、グレー
ン3の粒径は、最小でも2〜3μmがその限界で
ある。しかも、セラミツク基材表面においては、
一度に数個のグレーン3がまとまつて脱落するた
め、グレーン3の粒度よりも大きな凹凸が形成さ
れやすく、さらにその凹凸も不均一となりやす
い。そのため、粒径を小さくしたことの効果は必
ずしも得られるものでなく、この従来法では、密
着力およびそのバラツキに問題を残す傾向があ
る。
第1図bは、この発明を応用して多孔質被覆膜
を形成させたセラミツク基材に、メツキ処理によ
りメタライジングを施した場合の断面を示す。こ
こでは、下層から順に1はセラミツク基材、4は
表面処理ガラス層、5は多孔質ガラス被覆膜、2
はメタライズト層を示している。この図にみるよ
うに、被メツキ材の表面には、三次元構造の細孔
5′が多数形成された多孔質被覆膜5が設けられ
ているため、その表面状態は、細孔の径の大小に
より決定されることになる。すなわち、メタライ
ズト層2の被メツキ材への密着性は、この多孔質
被覆膜5の細孔径に依存することになるが、この
発明の多孔質ガラス被覆膜の形成法によれば、ア
ンカー効果にすぐれた1nm〜5μmの孔径の範囲
内で、任意の孔径の細孔5′を得ることができる。
メツキ膜を作る際には、三次元に連続した細孔内
の殆どすべてにメツキ材を浸透させてメツキする
ことができるため、従来例の単純な鋸歯状の凹凸
に比べ、はるかに大きなアンカー効果を得ること
が可能となる。
さらに、第1図aおよびbの比較にみるよう
に、従来例では、セラミツク基材1の粗化表面の
大きな凹凸の影響を受けて、メタライズト層2の
表面粗度が大きくなりやすい。それに対し、この
発明による多孔質被覆膜5を応用した場合は、多
孔質被覆膜表面が平坦であるため、メタライズト
層2の表面も平坦となるという利点が得られる。
実際に、この発明により得られる多孔質被覆膜
をセラミツク基材のメタライジングに応用できる
か否は、メタライズト層の密着力を測定すること
により確認できる。たとえば、後述の実施例にみ
るような公知の方法により銅メツキを行い、この
銅層のピーリング(引き剥がし)テストを行つた
結果では、ピーリング角度90°における密着力は、
1.2〜2.0Kg/cmと高く、充分に満足のいく値が得
られている。
次に、この発明の実施例を比較例と併せて説明
する。
実施例 1 セラミツク基材として、市販の96%Al2O3基板
〔縦5.08cm(2″)×横5.08cm(2″)×厚さ0.635mm〕
を使用し、これに、市販のオーバーコート用ガラ
スペースト(ホウケイ酸系)を200メツシユのス
クリーンを用いて印刷した。乾燥、脱脂後、これ
を、900℃/10分間焼成して、厚さ約20μmの表
面処理ガラス層を作製した。
母ガラスとして、SiO262.5、B2O327.3、
Na2O7.2、Al2O33.0(いずれもwt%)の組成を有
する分相ガラスを使用し、これを粉砕して、250
メツシユアンダーのガラス粉を得た。これに、市
販のスクリーンオイルを混入し、母ガラスペース
トを調整した。
この母ガラスペーストを、上記と同様の方法に
より、表面処理ガラス層上に印刷し、乾燥、脱脂
後、900℃/10分間焼成して、厚さ約20μmの母
ガラス層を形成した。
その後、600℃/40時間の熱処理を行い、母ガ
ラス層を分相させた。
上記熱処理後、0.2Nの硫酸水溶液による、95
℃/2.5時間の酸処理を行い、アルカリ、ホウ酸
相を溶出させ、水により充分に洗浄し、乾燥させ
た。
以上の処理により、平均孔径約600Åの、三次
元に連続した均一な細孔を有する多孔質被覆膜が
セラミツク基板上に得られた。得られた基材につ
いて、破断試験を行つた結果、表面処理ガラス層
と多孔質ガラス層間における剥がれは発生せず、
両者の接合強度は良好であることが確認された。
この多孔質被覆膜上に、公知のセンシタイザー
−アクチベーター法により、Pdの核付け処理を
行つた後、市販の化学銅メツキ液を用いて銅層を
形成し、さらに、公知の硫酸銅メツキを行い、合
計35μmの厚さの銅メタライズト層を得た。この
メタライズト層についてピーリングテストを行つ
た結果、密着強度1.8Kg/cm(ピーリング角度
90°)の値が得られ、この多孔質ガラス被覆膜が、
セラミツク基材のメタライジングの際のメタライ
ズト層の密着性向上に応用できることが確認され
た。
実施例 2 未焼成の表面処理ガラスペースト上に母ガラス
ペーストを塗布した後に焼成(900℃/10分間)
を行い、表面処理ガラス層と母ガラス層を同時に
形成するようにした他は、実施例1と同様にし
て、セラミツク基材上に多孔質ガラス被覆膜を作
製した。
以下、実施例1と同様にして、多孔質被覆膜上
に銅メタライズト層を得、ピーリングテストを行
つた結果、実施例1とほぼ同様な値を得た。
実施例 3 表面処理ガラスとして、SiO272.2、B2O310.3、
Al2O36.8、Na2O6.4、BaO2.1、K2O1.3、CaO0.8
(いずれもwt%)の組成を有するアンプル用ガラ
スを用い、実施例1の母ガラスと同様にしてペー
スト化し、実施例1に従い、印刷、乾燥、脱脂
後、1300℃/5時間の焼成を行つた。
以下、実施例1と同様にして、多孔質ガラス被
覆膜を形成し、さらに、得られた多孔質ガラス被
覆膜について、500℃/30分の熱処理を行い、膜
の機械的強度を向上させた。つぎに、実施例1と
同様に、銅メタライジングを行つた。ピーリング
テストにより、実施例1とほぼ同様な結果を得
た。
実施例 4 母ガラスとして、SiO252.0、B2O325.0、
CaO8.0、ZrO26.0、Na2O4.0、Al2O33.0、K2O2.0
(いずれもwt%)の組成を有する分相ガラスを使
用するようにした他は、実施例1と同様にして、
多孔質ガラス被覆膜を形成した。ただし、熱処理
条件は、700℃/24時間に設定した。その結果、
平均孔径0.5μmの均一な細孔を有する多孔質被覆
膜が得られ、実施例1と同様にして、表面処理ガ
ラス層と多孔質ガラス層の接合強度は良好である
ことが確認された。
さらに、実施例1と同様にして、銅メツキ処理
を行い、得られたメタライズト層の密着強度を測
定した結果、1.5Kg/cm(ピーリング角度90°)の
値が得られ、この多孔質ガラス被覆膜が、セラミ
ツク基材のメタライジングに応用できることが確
認された。
実施例 5 セラミツク基材として、Si3N4基板(実施例1
と同寸法のもの)を使用するようにした他は、実
施例3と同様にして、多孔質被覆膜を形成した。
銅メタライジング後のピーリングテストの結果、
ほぼ同様の値を得た。
比較例 実施例1と同様のセラミツク基材を用い、公知
のサンドブラスト法により、#1000〜1200の粒度
のホワイト・アランダムを使用し、噴射口径1/4
インチ、噴射圧力約20Kg、研削材噴射量約7Kg/
分、噴射時間20〜30秒の条件下でセラミツク基材
表面の粗化を行い、この上に実施例1と同様にし
て銅メタライズト層を形成した。このメタライズ
ト層のピーリングテストを行つた結果、密着強度
は0.4Kg/cm(ピーリング角度90°)であつた。
これらの結果から、この発明の多孔質ガラス被
覆膜の形成法により、セラミツク基材上へのガラ
ス多孔質膜の形成が容易に実施でき、得られた膜
の性状はいずれも良好であることが判明した。ま
た、従来の機械粗化処理を行つてメタライジング
した比較例に比べ、この発明により得られる多孔
質被覆膜を応用した実施例では、メタライズト層
の密着強度が非常に向上していることがわかつ
た。
実施例 6 実施例1と同様にして、アルミナ基板上に平均
孔径約600Åの、三次元に連続した均一な細孔を
有する多孔質ガラス被覆膜を形成し、多孔質ガラ
ス被覆膜付き基板を得た。
ついで、クロロ白金酸(H2PtCl6)を0.01M/
添加したアセトン溶液中に多孔質ガラス被覆膜
付き基板を浸漬し、細孔内にクロロ白金酸を含浸
させた。この後、大気雰囲気、約300℃で熱処理
し、ついで水素気流雰囲気、350℃で熱処理し、
金属白金に還元させた。
以上の処理により、多孔質ガラス被覆膜付き基
板の細孔内に触媒機能を有する金属白金を担持さ
せた。
つぎに、金属白金担持の多孔質ガラス被覆膜付
き基板(白金担持基板)の触媒機能を確認するた
めの試験を行つた。試験には、第2図に示す反応
容器21を用いた。第2図にみるように、白金担
持基板22を反応容器21の底に置きセツトし、
反応容器21を200℃の恒温槽中に入れ反応容器
21内の温度を一定に保つようにした。そして、
被検ガス(アルゴン95.0%、O23.5%、CO1.5%の
混合ガス)を導入パイプ23で白金担持基板22
表面に吹きかけるようにして導入するとともにガ
ス排水口24より放出させるようにした。
放出されてきたガスの組成を分析し、COの
CO2への転化率を求めたところ、転化率は99%以
上であつた。
比較のために、白金を担持しない多孔質ガラス
被覆膜付き基板を用い、同様に試験し、COの
CO2への転化率を求めたところ、殆ど転化してい
なかつた。
このことから、この発明の多孔質ガラス被覆膜
付き基板は優れた触媒の担持体として使えるもの
であることが分かる。
実施例 7 実施例1と同様にして、アルミナ基板上に平均
孔径約600Åの、三次元に連続した均一な細孔を
有する多孔質ガラス被覆膜を形成し、多孔質ガラ
ス被覆膜付き基板を得た。
多孔質ガラス被覆膜付き基板を容器に入れ室温
で約5時間真空乾燥した。その後、容器内を湿度
70%の空気で置換してから密封し、24時間放置
し、その間、容器内の湿度をモニターした。24時
間後の容器内の湿度は約30%まで低下した。水蒸
気が多孔質ガラス被覆膜の細孔内に吸着されたか
らである。
比較のために、ガラス被覆膜の多孔質化がなさ
れていない他は上記基板と同じである基板を用
い、同様の試験を行つた。この場合、24時間経て
も容器内の湿度は殆ど変わらなかつた。
このことから、この発明で得た多孔質ガラス被
覆膜付き基板は、空気中の水蒸気を分離吸着させ
られる吸着材であることが分かる。つまり、吸着
現象による目的物(この場合は水分)の分離が出
来きているのである。
〔発明の効果〕
この発明の多孔質ガラス被覆膜の形成法は、以
上のようであり、セラミツク基材表面に、熱処理
により分相しないガラス層を形成することにより
基材表面の対ガラス密着性を改良した後、この基
材表面上に熱処理により分相するガラス層を形成
し、熱処理、ついで酸処理を行つてガラス層を多
孔質化することにより、充分な接合力を有し、三
次元に連続した均一な細孔を持つ多孔質被覆膜
を、セラミツク基材上に形成することができる。
この多孔質被覆膜は、担体、吸着材としての機能
を有するほか、セラミツク基材上へのメタライジ
ングの際に、この多孔質被覆膜のアンカー効果を
利用することにより、より密着性の高いメタライ
ズト層を得ることを可能とさせる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、セラミツク基材のメツキ処理により
得られた被メツキ材およびメタライズト層の断面
を示した拡大図であり、同図aは従来例として機
械粗化後にメタライジングした場合の断面、同図
bはこの発明による多孔質被覆膜を利用してメタ
ライジングした際の断面をあらわしており、第2
図は、COからCO2への転化試験に用いる反応容
器を模式的にあらわす断面図である。 1……セラミツク基材、2……メタライズト
層、5′……多孔質ガラス被覆膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 セラミツク基材表面に、熱処理により分相し
    ないガラス層を形成することにより基材表面の対
    ガラス密着性を改良した後、この基材表面上に熱
    処理により分相するガラス層を形成し、熱処理、
    ついで酸処理を行つてガラス層を多孔質化する多
    孔質ガラス被覆膜の形成法。
JP24195587A 1987-09-26 1987-09-26 Method for forming cellular film Granted JPS6483583A (en)

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