JPH0841574A - Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金 - Google Patents
Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金Info
- Publication number
- JPH0841574A JPH0841574A JP6201415A JP20141594A JPH0841574A JP H0841574 A JPH0841574 A JP H0841574A JP 6201415 A JP6201415 A JP 6201415A JP 20141594 A JP20141594 A JP 20141594A JP H0841574 A JPH0841574 A JP H0841574A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- wear resistance
- mechanical properties
- molten metal
- flowability
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、Ａｌ−Ｓｉ系鋳造
合金において、耐摩耗性を損なう事なく機械的性質及び
湯流れ性を大幅に改善する事にある。 【構成】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１
３.５％、Ｍｇ：０．２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｃａ:０.００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ
及び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、
耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に優れている事を特
徴とする。
合金において、耐摩耗性を損なう事なく機械的性質及び
湯流れ性を大幅に改善する事にある。 【構成】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１
３.５％、Ｍｇ：０．２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｃａ:０.００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ
及び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、
耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に優れている事を特
徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エア・コンプレッサの
ボティやエンジンのコネクティング・ロッドなど耐摩耗
性を要求される部品やエンジン・ブロックやミッション
ケースなど良好な湯流れを要求される大型鋳造品に最適
なＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金の改良に関する。
ボティやエンジンのコネクティング・ロッドなど耐摩耗
性を要求される部品やエンジン・ブロックやミッション
ケースなど良好な湯流れを要求される大型鋳造品に最適
なＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種の合金は、耐摩耗性を向上
させる元素として、Ｓｉを大量に添加したＡｌ−Ｓｉ系
合金がよく知られている。そして、これらの合金の鋳造
品はオイル潤滑下において使われる事が多く、そのよう
な潤滑摩耗に対してはＳｉの初晶をその鋳造組織内に有
するために優れた性質を示す。しかしながら、相手方金
属を摩耗から保護しなければならない処から、粘性の高
い潤滑油を使用する必要があった。
させる元素として、Ｓｉを大量に添加したＡｌ−Ｓｉ系
合金がよく知られている。そして、これらの合金の鋳造
品はオイル潤滑下において使われる事が多く、そのよう
な潤滑摩耗に対してはＳｉの初晶をその鋳造組織内に有
するために優れた性質を示す。しかしながら、相手方金
属を摩耗から保護しなければならない処から、粘性の高
い潤滑油を使用する必要があった。
【０００３】ところが近年、省エネルギの観点から潤滑
油の粘度を下げることが要求され、乾式に近い条件下で
の耐摩耗性も必要となって来ている。過共晶のＡｌ−Ｓ
ｉ系合金の鋳造品は乾式摩耗条件下では初晶として晶出
する粗大Ｓｉ結晶粒が欠け落ち、これが研磨粉としての
働きをなし、異常摩耗を引き起こす事がある。
油の粘度を下げることが要求され、乾式に近い条件下で
の耐摩耗性も必要となって来ている。過共晶のＡｌ−Ｓ
ｉ系合金の鋳造品は乾式摩耗条件下では初晶として晶出
する粗大Ｓｉ結晶粒が欠け落ち、これが研磨粉としての
働きをなし、異常摩耗を引き起こす事がある。
【０００４】またこの種の合金は耐摩耗性を重視するた
めに初晶としてＳｉ結晶粒を晶出させているため、機械
的性質における靭性は低く、伸びも劣るのが現状であっ
た。
めに初晶としてＳｉ結晶粒を晶出させているため、機械
的性質における靭性は低く、伸びも劣るのが現状であっ
た。
【０００５】そして、凝固開始温度が高いため、必然的
に鋳造温度を高くして湯流れ性を確保する必要があり、
そのために鋳造用金型の寿命も短いという欠点を有して
いる。
に鋳造温度を高くして湯流れ性を確保する必要があり、
そのために鋳造用金型の寿命も短いという欠点を有して
いる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金において、耐摩耗性を損なう事な
く機械的性質及び湯流れ性を大幅に改善する事にある。
Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金において、耐摩耗性を損なう事な
く機械的性質及び湯流れ性を大幅に改善する事にある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】請求項１は本発明の第１
実施例で、Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、
Ｍｇ:０.２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.
００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ及び不可避不
純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、機
械的性質及び湯流れ性に優れている事を特徴とする。
実施例で、Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、
Ｍｇ:０.２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.
００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ及び不可避不
純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、機
械的性質及び湯流れ性に優れている事を特徴とする。
【０００８】これによれば、Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１
１.５〜１３.５％を含む、本来、初晶Ｓｉが晶出する過
共晶領域のアルミニウム合金の成分範囲に対し、従来は
初晶Ｓｉの微細化には有害とされていたＣａとＴｉを所
定量（Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.００５〜０.０
５％）共存させる事により、元来得られなかった強力な
改良効果を金属組織に与え、共晶領域の凝固形態を強制
的に達成するものであり、その事により、微細化された
共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散し（図８参照）、耐摩
耗性及び機械的性質の改善が図られ、同時に初晶Ｓｉの
晶出を抑制する事により、湯流れが大幅に向上する。な
お、Ｔｉ添加量が０.０５％以下且つＣａ添加量が０.０
０５％以下である場合には金属組織や機械的性質、湯流
れなどの改善効果は見られなかった。逆に、Ｔｉ添加量
が０.３％以上且つＣａ添加量が０.０５％の場合は金属
組織や機械的性質、湯流れなどは却って損なわれる方向
になるという結果が得られた。
１.５〜１３.５％を含む、本来、初晶Ｓｉが晶出する過
共晶領域のアルミニウム合金の成分範囲に対し、従来は
初晶Ｓｉの微細化には有害とされていたＣａとＴｉを所
定量（Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.００５〜０.０
５％）共存させる事により、元来得られなかった強力な
改良効果を金属組織に与え、共晶領域の凝固形態を強制
的に達成するものであり、その事により、微細化された
共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散し（図８参照）、耐摩
耗性及び機械的性質の改善が図られ、同時に初晶Ｓｉの
晶出を抑制する事により、湯流れが大幅に向上する。な
お、Ｔｉ添加量が０.０５％以下且つＣａ添加量が０.０
０５％以下である場合には金属組織や機械的性質、湯流
れなどの改善効果は見られなかった。逆に、Ｔｉ添加量
が０.３％以上且つＣａ添加量が０.０５％の場合は金属
組織や機械的性質、湯流れなどは却って損なわれる方向
になるという結果が得られた。
【０００９】請求項２は、その第２実施例で、Ｃｕ:１
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.００５〜０.０５
％、Ｓｒ:０.００５〜０.１％を含有し、残部がＡｌ及
び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐
摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴とす
るものであり、これによれば、Ｃａ、Ｔｉ（特に、Ｃ
ａ）の前記作用効果を補助且つ向上させるものとしてＳ
ｒを所定量共存させたものである。Ｓｒ添加量が０.０
０５％以下では添加の効果がなく、０.１％以上であれ
ば、金属組織や機械的性質、湯流れなどは却って損なわ
れる方向になるという結果が得られた。
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｃａ:０.００５〜０.０５
％、Ｓｒ:０.００５〜０.１％を含有し、残部がＡｌ及
び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐
摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴とす
るものであり、これによれば、Ｃａ、Ｔｉ（特に、Ｃ
ａ）の前記作用効果を補助且つ向上させるものとしてＳ
ｒを所定量共存させたものである。Ｓｒ添加量が０.０
０５％以下では添加の効果がなく、０.１％以上であれ
ば、金属組織や機械的性質、湯流れなどは却って損なわ
れる方向になるという結果が得られた。
【００１０】請求項３は、その第３実施例で、Ｃｕ:１
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:
０.００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ及び不可避
不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、
機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴とするもので
あり、これによれば、Ｃａ、Ｔｉの（特に、Ｔｉ）前記
作用効果を補助且つ向上させるものとしてＢを所定量共
存させたものである。Ｂ添加量は０.０１％以下が好ま
しく、微量の添加で顕著な改善が見られる。ただし、
０.０１％以上を添加しても改善効果は上がらないばか
りか、逆に却ってその効果が損なわれる。
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:
０.００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ及び不可避
不純物とからなるＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、
機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴とするもので
あり、これによれば、Ｃａ、Ｔｉの（特に、Ｔｉ）前記
作用効果を補助且つ向上させるものとしてＢを所定量共
存させたものである。Ｂ添加量は０.０１％以下が好ま
しく、微量の添加で顕著な改善が見られる。ただし、
０.０１％以上を添加しても改善効果は上がらないばか
りか、逆に却ってその効果が損なわれる。
【００１１】請求項４は、その第４実施例で、Ｃｕ:１
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:
０.００５〜０.０５％、Ｓｒ:０.００５〜０.１％を含
有し、残部がＡｌ及び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓ
ｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に
優れた事を特徴とするものであり、これによれば、Ｃ
ａ、Ｔｉの前記作用効果を補助且つ向上させるものとし
てＢとＳｒとを所定量共存させたものである。
〜５％、Ｓｉ:１１.５〜１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３
％、Ｔｉ:０.０５〜０.３％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:
０.００５〜０.０５％、Ｓｒ:０.００５〜０.１％を含
有し、残部がＡｌ及び不可避不純物とからなるＡｌ−Ｓ
ｉ系鋳造合金で、耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に
優れた事を特徴とするものであり、これによれば、Ｃ
ａ、Ｔｉの前記作用効果を補助且つ向上させるものとし
てＢとＳｒとを所定量共存させたものである。
【００１２】本発明合金の添加元素の意義とその含有量
の限定理由は次の通りである。即ち、Ｓｉは耐摩耗性及
び強度を向上させるものであり、１１.５％未満では亜
共晶領域となり、期待される耐摩耗性が得られず、逆に
１３.５％を越えると初晶Ｓｉが晶出し、本発明合金の
目的とする微細な共晶組織が得られない。そこで、ここ
では微細な共晶組織を得るためにＳｉの重量％を１１.
５〜１３.５％とした。
の限定理由は次の通りである。即ち、Ｓｉは耐摩耗性及
び強度を向上させるものであり、１１.５％未満では亜
共晶領域となり、期待される耐摩耗性が得られず、逆に
１３.５％を越えると初晶Ｓｉが晶出し、本発明合金の
目的とする微細な共晶組織が得られない。そこで、ここ
では微細な共晶組織を得るためにＳｉの重量％を１１.
５〜１３.５％とした。
【００１３】Ｃｕ及びＭｇは、いずれも強度を高めるた
めのものであり、Ｃｕが１％未満、及びＭｇが０.２％
未満では強度を高める効果に乏しく、逆にＣｕが５％を
越えあるいはＭｇが３％を越える場合には機械的強度を
低下させてしまう。従って、ここではＣｕ:１〜５％、
Ｍｇ:０.２〜３％とした。
めのものであり、Ｃｕが１％未満、及びＭｇが０.２％
未満では強度を高める効果に乏しく、逆にＣｕが５％を
越えあるいはＭｇが３％を越える場合には機械的強度を
低下させてしまう。従って、ここではＣｕ:１〜５％、
Ｍｇ:０.２〜３％とした。
【００１４】Ｔｉ、Ｂ、Ｃａ及びＳｒは、前述のよう
に、元来得られなかった強力な改良効果（微細化された
共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散する事）を得るための
元素であり、その効果はＴｉ、Ｃａの共存、Ｔｉ、Ｃ
ａ、Ｓｒの共存、Ｔｉ、Ｂ、Ｃａの共存及びＴｉ、Ｃ
ａ、Ｓｒ、Ｂの４元素の共存含有によってのみ得られ、
元来より用いられているＣａ又はＳｒ単体による方法で
は得られないものである。また、これらの元素は、前述
のように規定量に満たない場合は前記効果を発揮せず、
逆に過多に含有する場合には機械的強度の劣化や湯流れ
の低下をもたらす。
に、元来得られなかった強力な改良効果（微細化された
共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散する事）を得るための
元素であり、その効果はＴｉ、Ｃａの共存、Ｔｉ、Ｃ
ａ、Ｓｒの共存、Ｔｉ、Ｂ、Ｃａの共存及びＴｉ、Ｃ
ａ、Ｓｒ、Ｂの４元素の共存含有によってのみ得られ、
元来より用いられているＣａ又はＳｒ単体による方法で
は得られないものである。また、これらの元素は、前述
のように規定量に満たない場合は前記効果を発揮せず、
逆に過多に含有する場合には機械的強度の劣化や湯流れ
の低下をもたらす。
【００１５】
【実施例】表１（図５参照）に示す本発明合金及び比較
合金のそれぞれについて、鋳造温度を各合金の液相線＋
１００℃にて、１２０℃の金型に鋳造後、同図に示す試
験片を切り出し、耐摩耗試験に供した。
合金のそれぞれについて、鋳造温度を各合金の液相線＋
１００℃にて、１２０℃の金型に鋳造後、同図に示す試
験片を切り出し、耐摩耗試験に供した。
【００１６】耐摩耗試験は、大越式摩耗試験機を用い
て、付加荷重：２.１ｋｇｆ、摩耗距離：１００ｍ、摩
耗速度：０.９６，１.９６，２.８６，４.３６ｍ／se
c、相手材：ＦＣ−２５、試験面：エメリーペーパ ＃
８００仕上げ、の無潤滑の試験条件で摩擦した場合の供
試材の比摩耗量を測定する事によって評価した。
て、付加荷重：２.１ｋｇｆ、摩耗距離：１００ｍ、摩
耗速度：０.９６，１.９６，２.８６，４.３６ｍ／se
c、相手材：ＦＣ−２５、試験面：エメリーペーパ ＃
８００仕上げ、の無潤滑の試験条件で摩擦した場合の供
試材の比摩耗量を測定する事によって評価した。
【００１７】機械的性質は、耐摩耗性試験片と同様の鋳
造条件にて、舟型の金型に鋳造後、鋳造品をＪＩＳ４号
引っ張り試験片及びＪＩＳ３号衝撃試験片に加工し、試
験方法はＪＩＳに則るものとした。各合金の試験数ｎ
は、引っ張り試験：５、衝撃試験：４にて機械的性質の
比較を行った。
造条件にて、舟型の金型に鋳造後、鋳造品をＪＩＳ４号
引っ張り試験片及びＪＩＳ３号衝撃試験片に加工し、試
験方法はＪＩＳに則るものとした。各合金の試験数ｎ
は、引っ張り試験：５、衝撃試験：４にて機械的性質の
比較を行った。
【００１８】また、湯流れ試験については、図６に示し
た装置中の電気炉(1)内に設置したルツボ(2)内に溶湯
(3)を各合金の液相線＋１００℃に保持し、内径５±０.
２ｍｍのパイレックスチューブ(5)の一端を挿入し、５
６０±１Torrの減圧状態にて、吸引・凝固させ、健全部
の流動長を測定した。（各合金ともｎ＝７で行い、最
小、最大値を除去したデータを採用する。） 尚、図６において(4)は熱電対で前記溶湯(3)の温度を測
定している。パイレックス・チューブ(5)の一端は前述
のようにルツボ(3)内に浸漬されており、他端は真空ポ
ンプ(6)に接続されている。パイレックス・チューブ(5)
の導出側には水銀マノメータ(7)とリザーバ(8)とが接続
されており、一定の吸引力で吸引するようになってい
る。(9)はパイレックス・チューブ(5)の外周に設置され
た目盛りで、試料の湯流れ量を測定するようになってい
る。
た装置中の電気炉(1)内に設置したルツボ(2)内に溶湯
(3)を各合金の液相線＋１００℃に保持し、内径５±０.
２ｍｍのパイレックスチューブ(5)の一端を挿入し、５
６０±１Torrの減圧状態にて、吸引・凝固させ、健全部
の流動長を測定した。（各合金ともｎ＝７で行い、最
小、最大値を除去したデータを採用する。） 尚、図６において(4)は熱電対で前記溶湯(3)の温度を測
定している。パイレックス・チューブ(5)の一端は前述
のようにルツボ(3)内に浸漬されており、他端は真空ポ
ンプ(6)に接続されている。パイレックス・チューブ(5)
の導出側には水銀マノメータ(7)とリザーバ(8)とが接続
されており、一定の吸引力で吸引するようになってい
る。(9)はパイレックス・チューブ(5)の外周に設置され
た目盛りで、試料の湯流れ量を測定するようになってい
る。
【００１９】図５から分かるように本発明合金（試料１
〜１６）によれば、引っ張り強さ、伸び、０.２％耐
力、シャルピー衝撃値、ロックウェル硬さなどの機械的
性質並びに湯流れ性の改善が見られ、且つ耐摩耗性も各
摩耗スピードにおいて優れた性質を示す事が分かる。
〜１６）によれば、引っ張り強さ、伸び、０.２％耐
力、シャルピー衝撃値、ロックウェル硬さなどの機械的
性質並びに湯流れ性の改善が見られ、且つ耐摩耗性も各
摩耗スピードにおいて優れた性質を示す事が分かる。
【００２０】又、図２はＴｉ、Ｃａが添加されていない
従来合金の図面代用顕微鏡写真であり、初晶Ｓｉ(矩形
又は多角形、三角形で鋭い角部を持つ黒点)の晶出が多
数みられる。図３はＴｉが添加されず、Ｃａが０.０１
％添加されている従来合金の図面代用顕微鏡写真であ
り、大きな初晶Ｓｉ（矩形、多角形又は三角形状の鋭い
角を持つ黒点）の晶出が多数みられる。図４はＴｉが
０.１５％添加され、Ｃａが添加されていない従来合金
の図面代用顕微鏡写真であり、初晶Ｓｉ(矩形又は多角
形、三角形で鋭い角部を持つ黒点)の晶出が多数みられ
る。これに対して、図１はＴｉが０.１５％、Ｃａが０.
０１％添加された本発明合金の一例の図面代用顕微鏡写
真であり、微細化された共晶Ｓｉが組織全体に均一に分
散すると同時に初晶Ｓｉの晶出が抑制されほとんどみら
れない。また前記本発明合金にＳｒを添加したもの、Ｂ
を添加したもの、ＳｒとＢとを添加したものも同様に微
細化された共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散すると同時
に初晶Ｓｉの晶出が抑制されほとんどみられなかった。
従来合金の図面代用顕微鏡写真であり、初晶Ｓｉ(矩形
又は多角形、三角形で鋭い角部を持つ黒点)の晶出が多
数みられる。図３はＴｉが添加されず、Ｃａが０.０１
％添加されている従来合金の図面代用顕微鏡写真であ
り、大きな初晶Ｓｉ（矩形、多角形又は三角形状の鋭い
角を持つ黒点）の晶出が多数みられる。図４はＴｉが
０.１５％添加され、Ｃａが添加されていない従来合金
の図面代用顕微鏡写真であり、初晶Ｓｉ(矩形又は多角
形、三角形で鋭い角部を持つ黒点)の晶出が多数みられ
る。これに対して、図１はＴｉが０.１５％、Ｃａが０.
０１％添加された本発明合金の一例の図面代用顕微鏡写
真であり、微細化された共晶Ｓｉが組織全体に均一に分
散すると同時に初晶Ｓｉの晶出が抑制されほとんどみら
れない。また前記本発明合金にＳｒを添加したもの、Ｂ
を添加したもの、ＳｒとＢとを添加したものも同様に微
細化された共晶Ｓｉが組織全体に均一に分散すると同時
に初晶Ｓｉの晶出が抑制されほとんどみられなかった。
【００２１】
【発明の効果】本発明によれば、Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金
にＣｕ及びＭｇを規定量添加することにより、機械的強
度を高めることができ、更に、Ｔｉ、Ｃａの規定量の
添加、Ｔｉ、Ｃａ、Ｓｒの規定量の添加、Ｔｉ、
Ｂ、Ｃａの規定量の添加、Ｔｉ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂの規
定量の添加により、本系合金の特徴である優れた耐摩耗
性を損なわず、これに加えて機械的性質及び湯流れを大
幅に改善する事が出来るという顕著な効果が得られた。
にＣｕ及びＭｇを規定量添加することにより、機械的強
度を高めることができ、更に、Ｔｉ、Ｃａの規定量の
添加、Ｔｉ、Ｃａ、Ｓｒの規定量の添加、Ｔｉ、
Ｂ、Ｃａの規定量の添加、Ｔｉ、Ｃａ、Ｓｒ、Ｂの規
定量の添加により、本系合金の特徴である優れた耐摩耗
性を損なわず、これに加えて機械的性質及び湯流れを大
幅に改善する事が出来るという顕著な効果が得られた。
【図１】本発明合金（Ｔｉ：０.１５％、Ｃａ：０.０１
％）の図面代用顕微鏡写真
％）の図面代用顕微鏡写真
【図２】従来合金（Ｔｉ、Ｃａ無添加）の図面代用顕微
鏡写真
鏡写真
【図３】従来合金（Ｔｉ：無添加、Ｃａ：０.０１％）
の図面代用顕微鏡写真
の図面代用顕微鏡写真
【図４】従来合金（Ｔｉ：０.１５％、Ｃａ：無添加）
の図面代用顕微鏡写真
の図面代用顕微鏡写真
【図５】本発明合金と比較合金の性能比較表
【図６】本発明で使用したＭＩＴ式湯流れ性試験装置の
フロー図
フロー図
Claims (4)
- 【請求項１】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜
１３.５％、Ｍｇ：０．２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｃａ:０.００５〜０.０５％を含有し、残部がＡｌ
及び不可避不純物とからなる耐摩耗性、機械的性質及び
湯流れ性に優れた事を特徴とするＡｌ−Ｓｉ系鋳造合
金。 - 【請求項２】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜
１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｃａ:０.００５〜０.０５％、Ｓｒ:０.００５〜０.
１％を含有し、残部がＡｌ及び不可避不純物とからなる
耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴と
するＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金。 - 【請求項３】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜
１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:０.００５〜０.０５％を含
有し、残部がＡｌ及び不可避不純物とからなる耐摩耗
性、機械的性質及び湯流れ性に優れた事を特徴とするＡ
ｌ−Ｓｉ系鋳造合金。 - 【請求項４】 Ｃｕ:１〜５％、Ｓｉ:１１.５〜
１３.５％、Ｍｇ:０.２〜３％、Ｔｉ:０.０５〜０.３
％、Ｂ:０.０１以下、Ｃａ:０.００５〜０.０５％、Ｓ
ｒ:０.００５〜０.１％を含有し、残部がＡｌ及び不可
避不純物とからなる耐摩耗性、機械的性質及び湯流れ性
に優れた事を特徴とするＡｌ−Ｓｉ系鋳造合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201415A JPH0841574A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6201415A JPH0841574A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0841574A true JPH0841574A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16440710
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6201415A Pending JPH0841574A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | Ａｌ−Ｓｉ系鋳造合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0841574A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112921195A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-06-08 | 佛山市辰辉金属科技有限公司 | 一种利用废铝制备高强耐磨铸造铝硅合金的方法 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009066267A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Newgin Corp | 遊技機 |
| JP2013208304A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
| JP2014014570A (ja) * | 2012-07-10 | 2014-01-30 | Kyoraku Sangyo Co Ltd | 遊技機 |
| JP2016022299A (ja) * | 2014-07-24 | 2016-02-08 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP6201415A patent/JPH0841574A/ja active Pending
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009066267A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Newgin Corp | 遊技機 |
| JP2013208304A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Daito Giken:Kk | 遊技台 |
| JP2014014570A (ja) * | 2012-07-10 | 2014-01-30 | Kyoraku Sangyo Co Ltd | 遊技機 |
| JP2016022299A (ja) * | 2014-07-24 | 2016-02-08 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112921195A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-06-08 | 佛山市辰辉金属科技有限公司 | 一种利用废铝制备高强耐磨铸造铝硅合金的方法 |
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