JP2630401B2 - 耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金 - Google Patents
耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金Info
- Publication number
- JP2630401B2 JP2630401B2 JP62188744A JP18874487A JP2630401B2 JP 2630401 B2 JP2630401 B2 JP 2630401B2 JP 62188744 A JP62188744 A JP 62188744A JP 18874487 A JP18874487 A JP 18874487A JP 2630401 B2 JP2630401 B2 JP 2630401B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- less
- casting
- content
- wear
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C21/00—Alloys based on aluminium
- C22C21/02—Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金に
関し、特に耐摩耗性に優れ、かつ機械的性質に優れたダ
イカスト用アルミニウム合金に関する。
関し、特に耐摩耗性に優れ、かつ機械的性質に優れたダ
イカスト用アルミニウム合金に関する。
〔従来の技術〕 従来優れた耐摩耗性を有する鋳造用合金としてSiを14
〜25wt%含有した過共晶アルミニウム合金は摺動部品用
材料として広く用いられている。なかでも、390合金
(成分組成、Si 16.0〜18.0wt%、Cu 4.0〜5.0wt%、
Mg 0.45〜0.65wt%、Zn 0.1wt%以下、Fe 0.6〜1.1w
t%、Mn 0.1wt%以下、Ti 0.02wt%以下、P 微量、
残部Al)は、優れた耐摩耗性を有し、鋳鉄ライナー不要
のアルミニウムエンジンブロツクに用いられている。ま
た、特公昭53−37810号の合金(成分組成、Si 13.5〜1
6.0wt%、Cu 4.0〜5.0wt%、Mg 0.5wt%以下、zn 1.
0wt%以下、Fe 1.3wt%以下、Mn 0.5wt%以下、P
0.05〜0.1wt%、Ni 0.5wt%以下、Sn 0.3wt%以下、
残部Al)は、390合金の耐摩耗性を大きく損うことな
く、切削性を改善するために開発された合金であり、ド
アクローザのハウジング等に広く使われている。
〜25wt%含有した過共晶アルミニウム合金は摺動部品用
材料として広く用いられている。なかでも、390合金
(成分組成、Si 16.0〜18.0wt%、Cu 4.0〜5.0wt%、
Mg 0.45〜0.65wt%、Zn 0.1wt%以下、Fe 0.6〜1.1w
t%、Mn 0.1wt%以下、Ti 0.02wt%以下、P 微量、
残部Al)は、優れた耐摩耗性を有し、鋳鉄ライナー不要
のアルミニウムエンジンブロツクに用いられている。ま
た、特公昭53−37810号の合金(成分組成、Si 13.5〜1
6.0wt%、Cu 4.0〜5.0wt%、Mg 0.5wt%以下、zn 1.
0wt%以下、Fe 1.3wt%以下、Mn 0.5wt%以下、P
0.05〜0.1wt%、Ni 0.5wt%以下、Sn 0.3wt%以下、
残部Al)は、390合金の耐摩耗性を大きく損うことな
く、切削性を改善するために開発された合金であり、ド
アクローザのハウジング等に広く使われている。
また、特開昭60−2643号の合金(成分組成、Si 5.0
〜22.5wt%、Cu 5.5〜10.5wt%、Fe 0.8〜1.5wt%、M
g 0.85〜1.5wt%、P 0.002〜0.025wt%、残部Al、通
常の不可避的不純物)は、高粘性潤滑油を使用した場合
においては勿論のこと、低粘性の潤滑油を使用しても十
分好ましい摺動状態を確保できる摺動部材に適したダイ
カストアルミニウム合金である。
〜22.5wt%、Cu 5.5〜10.5wt%、Fe 0.8〜1.5wt%、M
g 0.85〜1.5wt%、P 0.002〜0.025wt%、残部Al、通
常の不可避的不純物)は、高粘性潤滑油を使用した場合
においては勿論のこと、低粘性の潤滑油を使用しても十
分好ましい摺動状態を確保できる摺動部材に適したダイ
カストアルミニウム合金である。
前記の390合金や特公昭53−37810号の合金の耐摩耗性
は初晶Siによつて得られるもので、より優れた耐摩耗性
を得るためにはSiを多く添加することを必要とする。し
かし、そうであるからといつて、Siを20wt%以上添加す
ると鋳造温度の上昇を招き、金型寿命を短くすること
や、初晶Siの増加が切削性を低下させるなどの欠点を生
ずる。そこで、Siをそれ程多く添加することなく耐摩耗
性を増大させることが望ましい。
は初晶Siによつて得られるもので、より優れた耐摩耗性
を得るためにはSiを多く添加することを必要とする。し
かし、そうであるからといつて、Siを20wt%以上添加す
ると鋳造温度の上昇を招き、金型寿命を短くすること
や、初晶Siの増加が切削性を低下させるなどの欠点を生
ずる。そこで、Siをそれ程多く添加することなく耐摩耗
性を増大させることが望ましい。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するよう、研
究の結果、Cu 6.0〜9.0wt%、Mn 0.5〜2.0wt%、Fe
1.6〜3.0wt%、Mg 3wt%以下、Zn 1.0wt%以下とP
0.001〜0.1wt%を含有し、かつSi 13.5〜20.0wt%、Ni
0.5wt%以下、不純物としてSn 0.3wt%以下を含有
し、残部をAlとし、初晶SiとAl−Fe−Mn−Si化合物を晶
出させ、またマトリツクス中にCu及びMgを固溶させて硬
さを増加し、耐摩耗性を向上させた事を特徴とする耐摩
耗性ダイカスト用アルミニウム合金を開発した。
究の結果、Cu 6.0〜9.0wt%、Mn 0.5〜2.0wt%、Fe
1.6〜3.0wt%、Mg 3wt%以下、Zn 1.0wt%以下とP
0.001〜0.1wt%を含有し、かつSi 13.5〜20.0wt%、Ni
0.5wt%以下、不純物としてSn 0.3wt%以下を含有
し、残部をAlとし、初晶SiとAl−Fe−Mn−Si化合物を晶
出させ、またマトリツクス中にCu及びMgを固溶させて硬
さを増加し、耐摩耗性を向上させた事を特徴とする耐摩
耗性ダイカスト用アルミニウム合金を開発した。
本発明に係る合金組成について詳述すると、先ずSiは
良好な鋳造性と耐摩耗性を得るために含有範囲を13.5〜
20.0wt%とする。Siが13.5wt%より少ないと耐摩耗性に
寄与する初晶Siが少ない。また、Siが20wt%を越えて添
加されると、鋳造温度の上昇、切削性の低下を招く。
良好な鋳造性と耐摩耗性を得るために含有範囲を13.5〜
20.0wt%とする。Siが13.5wt%より少ないと耐摩耗性に
寄与する初晶Siが少ない。また、Siが20wt%を越えて添
加されると、鋳造温度の上昇、切削性の低下を招く。
Cuは、Al中に固溶し、合金を固溶強化させ、また高温
強度を向上するのに有効であり、その含有量は6.0wt%
以上が良好である。しかし、9.0wt%を越えて多く添加
しても、強度の向上はそれほど認められないばかりでな
く、鋳造性を低下させる原因ともなるため、Cuの含有範
囲は6.0〜9.0wt%が望ましい。
強度を向上するのに有効であり、その含有量は6.0wt%
以上が良好である。しかし、9.0wt%を越えて多く添加
しても、強度の向上はそれほど認められないばかりでな
く、鋳造性を低下させる原因ともなるため、Cuの含有範
囲は6.0〜9.0wt%が望ましい。
Mnの添加は、Al−Fe−Mn−Siの塊状の4元金属間化合
物を生成する。この4元金属間化合物は硬さが約Hv960
であり、SiのHv1300に比べるとそれよりも低いが、耐摩
耗性の向上に寄与する。しかし、多量のMnの添加は、溶
解保持中にスラツジを形成し、るつぼ底に沈降するので
2wt%以下とする。
物を生成する。この4元金属間化合物は硬さが約Hv960
であり、SiのHv1300に比べるとそれよりも低いが、耐摩
耗性の向上に寄与する。しかし、多量のMnの添加は、溶
解保持中にスラツジを形成し、るつぼ底に沈降するので
2wt%以下とする。
Feは、金型への溶着を防止するとともに耐摩耗性の向
上を図るAl−Fe−Mn−Si金属間化合物を形成する。前記
金属間化合物を十分生成させるためにはFeを1.6wt%以
上とするのがよい。しかし、多量のFeの添加は機械的性
質を劣化させるので3.0wt%以下とするのが望ましい。
上を図るAl−Fe−Mn−Si金属間化合物を形成する。前記
金属間化合物を十分生成させるためにはFeを1.6wt%以
上とするのがよい。しかし、多量のFeの添加は機械的性
質を劣化させるので3.0wt%以下とするのが望ましい。
Mgは、合金の硬化、機械的強度を向上させるが、多く
添加すると溶湯の流動性を悪くし、脆性を招くのでその
含有範囲は3wt%以下が良好である。
添加すると溶湯の流動性を悪くし、脆性を招くのでその
含有範囲は3wt%以下が良好である。
Niは、高温強度を増加させ、硬さを増加させるが、多
量に添加されると耐食性を低下させるため、その含有量
は0.5wt%以下が望ましい。
量に添加されると耐食性を低下させるため、その含有量
は0.5wt%以下が望ましい。
Snは不純物として不可避的に混入してくる。
Pは、初晶Siを微細化させるのに有効な元素である。
初晶Siの微細化により切削加工性が良好となり、機械的
性質も向上する。0.001wt%以下の添加では十分な微細
化が行われない。また、含有量を0.1wt%より多く添加
しても初晶Siのサイズは変らない。したがつて、Pの含
有範囲は0.001〜0.1wt%が良い。
初晶Siの微細化により切削加工性が良好となり、機械的
性質も向上する。0.001wt%以下の添加では十分な微細
化が行われない。また、含有量を0.1wt%より多く添加
しても初晶Siのサイズは変らない。したがつて、Pの含
有範囲は0.001〜0.1wt%が良い。
本発明の合金と、従来の390合金、特公昭53−37810号
の合金について種種の合金特性を測定した。以下に、そ
の実験と実験結果を示す。
の合金について種種の合金特性を測定した。以下に、そ
の実験と実験結果を示す。
実験は、第1表の合金組成をもつ、第1図に示すテス
トピースによつて行つた。鋳造機は型締力90トンのダイ
カストマシンを用いた。鋳造条件は、溶湯温度720〜730
℃、鋳造圧力760kgf/cm2、プランジヤーチツプ速度1.35
〜1.40m/sec、金型温度120〜140℃、型開き時間4secで
ある。
トピースによつて行つた。鋳造機は型締力90トンのダイ
カストマシンを用いた。鋳造条件は、溶湯温度720〜730
℃、鋳造圧力760kgf/cm2、プランジヤーチツプ速度1.35
〜1.40m/sec、金型温度120〜140℃、型開き時間4secで
ある。
(1) 鋳造性 本発明合金は、各組成とも湯回り不良、かじり焼付き
等は発生せず、良好な鋳造性を示した。Cu含有量が10wt
%では、若干湯回り性が劣る。
等は発生せず、良好な鋳造性を示した。Cu含有量が10wt
%では、若干湯回り性が劣る。
(2) 鋳造組織 第2図に本発明合金と390合金、特公昭53−37810号合
金をダイカストした時の鋳造組織を示す。鋳造組織は5
%HF水溶液で腐食して顕出させた。390合金及び特公昭5
3−37810号合金の鋳造組織は初晶Siと樹枝状晶と共晶S
i、CuAl2やMg2Si等の金属間化合物から構成されてい
る。390合金では濃い灰色の粒状部分が初晶Siであり、
その初晶Siの粒径が大きい。このため切削性が良くな
い。特公昭53−37810号合金では初晶Siの粒径が小さく
なつていて切削性が改善されているが、初晶Siの量が少
なくなつており、このため硬さが低下している。本発明
合金の鋳造組織は上記晶出物の外に塊状のAl−Si−Fe−
Mnの4元金属間化合物を晶出している。これは図の写真
でない薄い灰色の粒状部分として示される。この金属間
化合物の硬さは約Hv 960であり、SiのHv1300よりも低
いが、耐摩耗性の向上に大きく寄与している。また、本
発明合金は、Cu量が多いために、390合金、特公昭53−3
7810号合金に比べ樹枝状晶が明瞭に観察される。樹枝状
晶中心部のCu濃度をEPMA(X線マイクロアナライザー)
により測定したところ、390合金及び特公昭53−37810号
合金はそれぞれ約1.1wt%、1.0wt%であつたのに対し、
本発明合金のそれは1.4〜1.8wt%の範囲であり、Cuはマ
トリツクスの固溶強化に寄与するものと思われる。
金をダイカストした時の鋳造組織を示す。鋳造組織は5
%HF水溶液で腐食して顕出させた。390合金及び特公昭5
3−37810号合金の鋳造組織は初晶Siと樹枝状晶と共晶S
i、CuAl2やMg2Si等の金属間化合物から構成されてい
る。390合金では濃い灰色の粒状部分が初晶Siであり、
その初晶Siの粒径が大きい。このため切削性が良くな
い。特公昭53−37810号合金では初晶Siの粒径が小さく
なつていて切削性が改善されているが、初晶Siの量が少
なくなつており、このため硬さが低下している。本発明
合金の鋳造組織は上記晶出物の外に塊状のAl−Si−Fe−
Mnの4元金属間化合物を晶出している。これは図の写真
でない薄い灰色の粒状部分として示される。この金属間
化合物の硬さは約Hv 960であり、SiのHv1300よりも低
いが、耐摩耗性の向上に大きく寄与している。また、本
発明合金は、Cu量が多いために、390合金、特公昭53−3
7810号合金に比べ樹枝状晶が明瞭に観察される。樹枝状
晶中心部のCu濃度をEPMA(X線マイクロアナライザー)
により測定したところ、390合金及び特公昭53−37810号
合金はそれぞれ約1.1wt%、1.0wt%であつたのに対し、
本発明合金のそれは1.4〜1.8wt%の範囲であり、Cuはマ
トリツクスの固溶強化に寄与するものと思われる。
また、第3図は、Al−Si−Fe−Mn4元金属間化合物に
ついてのEPMA(X線マイクロアナライザー)による分析
結果を示すものであり、第3図のaは走査型電子顕微鏡
によるSEM線(二次電子像)であり、左下側にほぼ六角
形の塊状物がみられる。これをEPMAにより分析すると、
bのAl−Kαでは前記の塊状物の位置ではAlが少なく、
c及びdのFe−Kα及びMn−KαではFeとMnが多く認め
られ、eのSi−Kαでは前記位置ではSiがやゝ少ないこ
とから、前記塊状物がAl−Si−Fe−Mn 4元金属間化合
物と同定される。第3図eによると右上部にSiが極めて
多い部分が認められる。
ついてのEPMA(X線マイクロアナライザー)による分析
結果を示すものであり、第3図のaは走査型電子顕微鏡
によるSEM線(二次電子像)であり、左下側にほぼ六角
形の塊状物がみられる。これをEPMAにより分析すると、
bのAl−Kαでは前記の塊状物の位置ではAlが少なく、
c及びdのFe−Kα及びMn−KαではFeとMnが多く認め
られ、eのSi−Kαでは前記位置ではSiがやゝ少ないこ
とから、前記塊状物がAl−Si−Fe−Mn 4元金属間化合
物と同定される。第3図eによると右上部にSiが極めて
多い部分が認められる。
(3) 機械的性質 実験は、第1表の合金組織をもつ、第1図に示すテス
トピースによつて行つた。第2表に引張強さ、0.2%耐
力、伸び、硬さの測定結果を示す。なお、測定結果はそ
れぞれN=5の平均値で示す。
トピースによつて行つた。第2表に引張強さ、0.2%耐
力、伸び、硬さの測定結果を示す。なお、測定結果はそ
れぞれN=5の平均値で示す。
a.引張試験 引張試験は第1図に示したテストピースを用いて10ト
ンの引張試験機により室温で行つた。なお、引張速度は
5mm/secであつた。引張強さ、0.2%耐力ともにCu量が多
いほど大きいが、Cu量が6〜7%以上でほぼ一定とな
る。本発明合金の引張強さは390合金、特公昭53−37810
号合金より約1割、0.2%耐力は約2割高い値を示す。
伸びはMnの添加によつて若干増加するが、Cu量が多いと
伸びは低い。また、Mgが約3wt%含有される合金は伸び
が最も低い。
ンの引張試験機により室温で行つた。なお、引張速度は
5mm/secであつた。引張強さ、0.2%耐力ともにCu量が多
いほど大きいが、Cu量が6〜7%以上でほぼ一定とな
る。本発明合金の引張強さは390合金、特公昭53−37810
号合金より約1割、0.2%耐力は約2割高い値を示す。
伸びはMnの添加によつて若干増加するが、Cu量が多いと
伸びは低い。また、Mgが約3wt%含有される合金は伸び
が最も低い。
b.硬さ試験 硬さは、第1図角状のテストピースの表面を約1mm研
摩した面で測定した。試験機はロツクウエル硬さ試験機
を用い、Bスケールで測定した。硬さはCu量の多いほど
高い値を示すが、Cu量が6〜9wt%ではほぼ一定であ
る。本発明の合金の硬さは、従来の390合金に比べて約
1割、特公昭53−37810号合金に比べて約2割高い値を
示す。
摩した面で測定した。試験機はロツクウエル硬さ試験機
を用い、Bスケールで測定した。硬さはCu量の多いほど
高い値を示すが、Cu量が6〜9wt%ではほぼ一定であ
る。本発明の合金の硬さは、従来の390合金に比べて約
1割、特公昭53−37810号合金に比べて約2割高い値を
示す。
(4) 耐摩耗性 摩耗試験は、第1図角状のテストピースの表面を約1m
m研摩した面で行い、試験機は大越式摩耗試験機を用い
た。相手材はFC 25とした。なお摩耗試験は潤滑油を用
いず、乾式で行つた。
m研摩した面で行い、試験機は大越式摩耗試験機を用い
た。相手材はFC 25とした。なお摩耗試験は潤滑油を用
いず、乾式で行つた。
第3表に摩耗試験の結果を示す。結果はN=5の平均
値で示す。MnとFeを添加したものは耐摩耗性が向上して
いる。また、いずれの摩耗速度においてもCuの含有量が
多いほど耐摩耗性が向上し、Cu量が6〜7wt%以上でほ
ぼ一定となり、引張試験、硬さ試験結果と同様の傾向を
示す。
値で示す。MnとFeを添加したものは耐摩耗性が向上して
いる。また、いずれの摩耗速度においてもCuの含有量が
多いほど耐摩耗性が向上し、Cu量が6〜7wt%以上でほ
ぼ一定となり、引張試験、硬さ試験結果と同様の傾向を
示す。
上記実験結果をまとめると、本発明合金の特徴は次の
とおりである。
とおりである。
1)鋳造性は従来合金と同様に良好である。
2)樹枝状晶中のCu固溶量が従来合金より多く、固溶強
化による強度向上が可能となる。
化による強度向上が可能となる。
3)引張良さ、0.2%耐力、硬さは従来の390合金、特公
昭53−37810号合金に比較して優れている。
昭53−37810号合金に比較して優れている。
4)耐摩耗性は特公昭53−37810号合金より優れ、390合
金と比較しても同等以上である。
金と比較しても同等以上である。
本発明の合金は、その耐摩耗性が特公昭53−37810号
合金より優れ、390合金と比較しても同等以上であつ
て、それでいて引張強さ、0.2%耐力及び硬さは従来の3
90合金及び特公昭53−37810号合金よりも優れている。
合金より優れ、390合金と比較しても同等以上であつ
て、それでいて引張強さ、0.2%耐力及び硬さは従来の3
90合金及び特公昭53−37810号合金よりも優れている。
第1図は、本発明合金によるテストピースを示した図、
第2図は、本発明合金と従来合金の鋳造組織を写真で示
した図で、aは本発明合金、bは390合金、cは特公昭5
3−37810号合金、第3図は、本発明における初晶Si、Al
−Fe−Mn−Si 4元金属間化合物をEPMA(X線マイクロ
アナライザー)で面分析した結果を写真で示した図で、
aはSEM像、bはAl−Kα、cはFe−Kα、dはMn−K
α、eはSi−Kαを示す。
第2図は、本発明合金と従来合金の鋳造組織を写真で示
した図で、aは本発明合金、bは390合金、cは特公昭5
3−37810号合金、第3図は、本発明における初晶Si、Al
−Fe−Mn−Si 4元金属間化合物をEPMA(X線マイクロ
アナライザー)で面分析した結果を写真で示した図で、
aはSEM像、bはAl−Kα、cはFe−Kα、dはMn−K
α、eはSi−Kαを示す。
Claims (1)
- 【請求項1】Cu 6.0〜9.0wt%、Mn 0.5〜2.0wt%、Fe
1.6〜3.0wt%、Mg 3wt%以下、Zn 1.0wt%以下とP
0.001〜0.1wt%を含有し、かつSi 13.5〜20.0wt%、
Ni 0.5wt%以下、不純物としてSn 0.3wt%以下を含有
し、残部をAlとし、初晶SiとAl−Fe−Mn−Si化合物を晶
出させ、またマトリツクス中にCu及びMgを固溶させて硬
さを増加し、耐摩耗性を向上させた事を特徴とする耐摩
耗性ダイカスト用アルミニウム合金。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62188744A JP2630401B2 (ja) | 1987-07-30 | 1987-07-30 | 耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金 |
US07/226,011 US4919736A (en) | 1987-07-30 | 1988-07-29 | Aluminum alloy for abrasion resistant die castings |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62188744A JP2630401B2 (ja) | 1987-07-30 | 1987-07-30 | 耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6436743A JPS6436743A (en) | 1989-02-07 |
JP2630401B2 true JP2630401B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=16229012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62188744A Expired - Lifetime JP2630401B2 (ja) | 1987-07-30 | 1987-07-30 | 耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4919736A (ja) |
JP (1) | JP2630401B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03111531A (ja) * | 1989-09-25 | 1991-05-13 | Riken Corp | アルミニウム合金製ローター |
JPH04275772A (ja) * | 1991-03-04 | 1992-10-01 | Eastman Kodak Japan Kk | 画像読み取り装置 |
JP4648559B2 (ja) * | 2001-03-28 | 2011-03-09 | 本田技研工業株式会社 | 耐熱アルミニウムダイカスト品 |
JP3718147B2 (ja) * | 2001-07-31 | 2005-11-16 | 株式会社日立製作所 | 内燃機関用のターボ式過給機 |
JP4665413B2 (ja) * | 2004-03-23 | 2011-04-06 | 日本軽金属株式会社 | 高剛性・低線膨張率を有する鋳造用アルミニウム合金 |
CN108715957A (zh) * | 2018-05-31 | 2018-10-30 | 益阳仪纬科技有限公司 | 一种汽车变速器壳用高强度铝合金复合材料及其制备工艺 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5289512A (en) * | 1976-01-22 | 1977-07-27 | Mitsubishi Metal Corp | Al alloy for parts in contact with magnetic tape |
JPS5858917B2 (ja) * | 1976-09-21 | 1983-12-27 | 株式会社東芝 | 無整流子電動機の制御装置 |
JPS602643A (ja) * | 1983-06-21 | 1985-01-08 | Nippon Light Metal Co Ltd | 耐摩耗性に優れたダイカスト用アルミニウム合金 |
US4648918A (en) * | 1984-03-02 | 1987-03-10 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Abrasion resistant aluminum alloy |
-
1987
- 1987-07-30 JP JP62188744A patent/JP2630401B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-07-29 US US07/226,011 patent/US4919736A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US4919736A (en) | 1990-04-24 |
JPS6436743A (en) | 1989-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1088762C (zh) | 具有优越高温性能和模铸性的镁合金 | |
CN102676887B (zh) | 加压铸造用铝合金及该铝合金的铸件 | |
JP5355320B2 (ja) | アルミニウム合金鋳物部材及びその製造方法 | |
CN105483465B (zh) | 一种压铸用Al-Si-Mg铸造铝合金及其制备方法 | |
US6511555B2 (en) | Cylinder head and motor block castings | |
KR100199362B1 (ko) | 다이 캐스팅용 알루미늄 합금 및 그를 사용한 볼 조인트 | |
JP2604670B2 (ja) | 高強度マグネシウム合金 | |
EP0924310B1 (en) | Aluminium alloy containing silicon for use as pistons in automobiles | |
JP2630401B2 (ja) | 耐摩耗性ダイカスト用アルミニウム合金 | |
JP4341438B2 (ja) | 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金及び同合金を用いた摺動部材 | |
US5000915A (en) | Wear-resistant copper alloy | |
JP2005272869A5 (ja) | ||
EP1229140A1 (en) | Aluminium alloy for high pressure die-casting | |
US5669990A (en) | Si-containing magnesium alloy for casting with melt thereof | |
KR100252237B1 (ko) | 고압주조용 마그네슘 합금 | |
JPS6151017B2 (ja) | ||
JP2003027169A (ja) | アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物品 | |
JP3865430B2 (ja) | 耐熱・耐摩耗性マグネシウム合金 | |
US5925315A (en) | Aluminum alloy with improved tribological characteristics | |
JPH04173935A (ja) | 耐摩耗性アルミニウム合金 | |
US5069874A (en) | Method for reducing high-load, low-speed wear resistance in sliding members | |
JP3328356B2 (ja) | 鋳造用アルミニウム合金材 | |
EP0924311A1 (en) | Aluminium alloy | |
JPH0448856B2 (ja) | ||
JP2003293068A (ja) | 快削性の過共晶Al−Si系合金 |