JPH0841233A - スチレン系耐熱樹脂発泡シート、及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系耐熱樹脂発泡シート、及びその製造方法

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JPH0841233A
JPH0841233A JP17843394A JP17843394A JPH0841233A JP H0841233 A JPH0841233 A JP H0841233A JP 17843394 A JP17843394 A JP 17843394A JP 17843394 A JP17843394 A JP 17843394A JP H0841233 A JPH0841233 A JP H0841233A
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JP
Japan
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styrene
resin
resistant
heat
copolymer resin
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Application number
JP17843394A
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English (en)
Inventor
Teruyoshi Akusawa
輝好 阿久沢
Keizo Ono
恵造 小野
Nobuyuki Tsujiwaki
伸幸 辻脇
Bon Machida
凡 町田
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0841233A publication Critical patent/JPH0841233A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子レンジ用容器に成形される耐熱性を有す
る発泡シートであって、(A)ポリスチレン系耐熱性共
重合樹脂97〜92重量%、及び(B)スチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂3〜8重量%よりなる樹脂組成物を基
材とし、前記した(B)成分は、そのブタジエン比率が
50重量%以上である。 【効果】 優れた耐熱性を有するとともに脆性が大幅に
改善されたスチレン系耐熱樹脂発泡シートを提供するこ
とができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系耐熱樹脂発泡
シート及びその製造方法に関し、詳しくは、ポリスチレ
ン樹脂発泡シートに比較して耐熱性に優れ、電子レンジ
での調理や、調理したての温度の高い食品に使用しても
熱変形しにくい容器の成形に用いられるスチレン系耐熱
樹脂発泡シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、電
子レンジの普及に伴ないレンジでの加熱用食品が、店頭
でよく見かけられるようになってきた。電子レンジで加
熱調理に用いる容器として、従来より使用されているポ
リスチレン単独樹脂よりなる発泡トレーを使用すると、
著しい熱変形を生じ好ましくない。そのため、陶器製や
PP樹脂製の容器が用いられるが、これらの容器は断熱
性に乏しく、以下のような欠点があった。すなわち、電
子レンジより取り出すとき、素手で取り出すことができ
なかった。また、PP樹脂製の容器の場合は取り出す際
に内容物がこぼれ出すという不安感があるため、剛性を
持たすのに容器の重量を重たくする必要があり、コスト
高を招いた。
【0003】そこで、ポリスチレン発泡トレーの長所で
ある、軽量、断熱性、剛性を備え、かつ電子レンジによ
る加熱調理に対しても充分な耐熱性をも備えた容器が望
まれている。
【0004】耐熱性を有するポリスチレン系共重合体樹
脂としては公知であるが、従来のポリスチレン樹脂発泡
シートの製造方法と同じ方法で発泡シートを製造する
と、製造物が非常に脆いがために、生産性が著しく悪く
なった。
【0005】また、容器成形時に於いても脆性によりシ
ートが切断したり、打ち抜き時に容器に割れが生じ易
く、製品収率の悪いものとなった。
【0006】特開昭63−264335号公報には、ハ
イインパクトスチレン樹脂との混合が提案されている
が、スチレン−ブタジエングラフト共重合樹脂であるハ
イインパクトスチレン樹脂はブタジエンゴムの含有量が
少ないため、少量の混合では脆性を改善するには至ら
ず、また、多量の混合ではポリスチレン系耐熱性共重合
樹脂の割合が少なくなることにより、目的である耐熱性
が損なわれたり、非相溶性の樹脂の混合のため熱成形性
が悪くなる問題が生じた。
【0007】そこで、本発明者等は上記の欠点を解決す
べく種々検討した結果、ポリスチレン系耐熱性共重合樹
脂にゴム含有量の多いスチレン−ブタジエンブロック共
重合樹脂を混合することにより、優れた耐熱性を維持さ
せた状態で脆性を改善し得、従来のポリスチレン樹脂発
泡シートの製造方法と同等の方法で簡単に生産性の良い
ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂発泡シートを生産でき
ることを見い出した。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のスチレン
系耐熱樹脂発泡シートは、(A)ポリスチレン系耐熱性
共重合樹脂97〜92重量%(以下、単に「%」とい
う)と(B)スチレン−ブタジエン共重合樹脂3〜8%
よりなる樹脂組成物を基材とする発泡シートであり、前
記(B)成分のブタジエンゴム比率が50%以上のもの
である 前記(B)成分のブタジエンゴム比率が50%未満であ
れば、すなわち、ゴム含有量が全体の1.5%未満であ
れば、脆性の改善の効果が少ない。
【0009】前記(B)成分のブタジエンゴム比率は、
前述したように50%以上であり、好ましい範囲は50
〜95%であり、さらに好ましい範囲は50〜80%で
ある。ブタジエンゴム比率が80%を超えると、言い換
えれば、ゴム含有量が全体の6.4%を超えると、発泡
シートの連続気泡率が高くなり、熱成形における成形性
が悪くなるという傾向がみられる。
【0010】本発明のスチレン系耐熱樹脂発泡シートの
厚み、密度には特に限定はないが、厚みが0.75〜
2.50mm、密度が0.08〜0.2g/ccである
ことが好ましい。
【0011】厚みが0.75mm未満であれば、断熱性
に乏しく、電子レンジから素手で取り出す際に熱く、
2.50mmを超える場合、熱成形の際、成形性が悪く
良好な容器を得ることができない。
【0012】密度が0.08g/cc未満の場合、容器
の強度が弱く好ましくない。0.20g/ccを超える
場合、断熱性に乏しく、電子レンジから素手で取り出す
際に熱く、またコスト高を招く。
【0013】本発明のスチレン系耐熱樹脂発泡シートに
おいて、前記(A)成分が、スチレンモノマーとアクリ
ル酸系モノマーとの共重合樹脂あるいはスチレンモノマ
ーと無水マレイン酸モノマーとの共重合樹脂であり、前
記スチレンモノマーの配合割合が90〜96%であり、
前記アクリル酸系モノマーあるいは無水マレイン酸モノ
マーの配合割合が10〜4%であることが好ましい。
【0014】アクリル酸系及び無水マレイン酸成分が4
%未満の場合、耐熱性が悪くなり好ましくない。また、
10%を超える場合、成形が困難となり好ましくない。
【0015】請求項2記載のスチレン系耐熱樹脂発泡シ
ートの製造方法は、ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂と
スチレン−ブタジエン共重合樹脂よりなる樹脂組成物を
基材とする製造方法であって、前記樹脂組成物を得る
際、前記ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂とブタジエン
ゴム比率が50%以上のスチレン−ブタジエン共重合樹
脂とを押出機で混合して押出発泡することを特徴とする
製造方法である。
【0016】この製造方法には、ポリスチレン系耐熱性
共重合樹脂(A)とスチレン−ブタジエン共重合樹脂
(B)とを直接混合する方法、及び前記(B)成分を前
記(A)成分中に練り込んでなるマスターバッチペレッ
トを製造し、このマスターバッチペレットを前記ポリス
チレン系耐熱樹脂に混入する方法などがある。
【0017】ブタジエンゴム比率が50%以上のスチレ
ン−ブタジエン共重合樹脂を使用することにより、脆性
が改善できるといった効果のほかに、当該共重合樹脂
(B)の使用量を減らし得、樹脂組成物を得る際の工数
を削減できるといった効果が得られる。工場における実
際の製造においては、前記共重合樹脂を大量に使用する
ことになるので、このように共重合樹脂の使用量を減ら
すことができれば、大幅な作業能率の向上につながり、
大変有意義である。
【0018】本発明の発泡シートは、例えば、ポリスチ
レン系耐熱性共重合樹脂97〜92%とスチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂3〜8%よりなる樹脂組成物と発泡剤
とを押出機のダイより発泡押出しすることにより得られ
る。
【0019】発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペン
タンなどの揮発性発泡剤及びこれらの混合物が適当であ
り、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどの有機系発泡剤や重炭酸ナトリウムまた
はクエン酸のごとき有機酸もしくはその塩と重炭酸塩と
の組合せ等が適当である。場合によっては炭酸ガス、窒
素、水等も適用できる。
【0020】核剤としては、タルク、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、
クエン酸等が挙げられる。
【0021】なお、ポリスチレン系樹脂組成物には、所
望の性質を有するポリスチレン系発泡シートを作るのに
影響を与えない程度の添加剤、例えば着色剤、難燃剤、
滑剤(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル
系、アルコール系、金属石鹸、シリコン油、低分子ポリ
エチレン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、
ポリエチレングリコール、ポリブテン等)、分散剤等が
添加されてもよい。
【0022】また、通常のポリスチレン発泡シートのよ
うに、物性を良化させるためにフィルムをラミネートし
ても良い。
【0023】使用するフィルムは、同種の樹脂のものが
回収も簡単であり、接着層も要らないので好ましいが、
耐油性を上げるために無延伸ポリプロピレンフィルムや
一般に使用されるポリスチレン系樹脂のフィルムでも一
向に差支えない。
【0024】
【発明の効果】本発明により、優れた耐熱性を有すると
ともに脆性が大幅に改善された成形性の良いスチレン系
耐熱樹脂発泡シートを提供し得る。
【0025】また、本発明はかかる特性に優れ、ポリス
チレン系耐熱樹脂発泡シートを押出機による発泡成形で
得るという簡単な製造方法を提供することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明するが、本発
明はこれによって限定されるものではない。
【0027】実施例1〜4及び比較例1〜4 スクリュー径90と115mmφのタンデム押出機のう
ち、スクリュー径90mmφ押出機に、ポリスチレン系
耐熱性共重合樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合樹
脂を[表1]に記載した割合で均一に混合するととも
に、タルク1重量部を均一に混合した混合物をホッパー
を通じて供給し、溶融して樹脂組成物とした。その後、
発泡剤としてブタンを3.5重量部(実施例4は2.5
重量部)圧入し、溶融混合させた。
【0028】その後、スクリュー径115mmφ押出機
に移送して均一冷却後、口径117mm(実施例4は口
径160mm)の円筒状ダイより吐出量120kg/h
rで押出発泡させ、得られた円筒状発泡体を冷却マンド
レルで冷却成形し、円周上の2点でカッターにより切開
して、幅640mm、厚み2.00mm(実施例4は
1.10mm)、密度0.10g/cc(実施例4は
0.20g/cc)の発泡シートを得た。
【0029】得られた発泡シートに関する脆性を以下の
ようにして調べた。すなわち、脆性 発泡シートの製造工程及び発泡シートの成形加工工程に
おいて、発泡シートの品質が良好で製造及び成形工程で
問題がなかった場合は「◎」、発泡シートはやや脆い
が、製造及び成形工程でシートが切断したり、成形容器
が割れることはなかった場合は「○」、発泡シートが脆
く、製造及び成形工程でシートが切断しやすいが、成型
容器に大きな割れはなかった場合は「△」、また、発泡
シートが非常に脆く、製造及び成形工程でシートの切断
が多発し、成形容器にも割れが生じた場合には「×」と
評価し、それぞれ[表1]に併記した。
【0030】得られた発泡シートを発泡スチレンシート
成形機でL156mm、W126mm、H30mmのグ
ラタン容器に成形した。
【0031】得られた容器に関する容器外観性、及び耐
熱性を以下のようにして調べた。すなわち、容器外観性 容器の外観を目視し、表面気泡が密である場合には
「○」と評価し、表面気泡が粗く凹凸が目立つ場合には
「×」と評価して[表1]に併記した。
【0032】耐熱性 サラダオイル150ccを入れた上記の容器を電子レン
ジ(シャープ(株)製R−9000 600W)に入
れ、各温度における変形の程度により容器の耐熱性を評
価した。すなわち、容器に変形がなく問題なく取り出せ
た場合は「○」、容器が若干変形したが、なんとか取り
出すことができた場合は「△」、容器の変形が大きく、
そのままでは取り出せなかった場合には「×」と評価し
て[表1]に併記した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例のようにポリスチレン系耐熱樹脂と
タフプレンA(スチレン−ブタジエン共重合樹脂)とを
直接混合しても一向に差支えないが、ポリスチレン系耐
熱樹脂とタフプレンAとはペレットの形状・比重・滑り
抵抗値に差があるため、押出機の原料ホッパー内部にて
少なからず分離して発泡シートの品質に多少のバラツキ
が生じる。
【0035】そこで、タフプレンA(同上)を前記ポリ
スチレン系耐熱樹脂に練り込んで製造したマスターバッ
チペレット(前記ポリスチレン系耐熱樹脂と同等の形状
・比重・滑り抵抗値を満たしたマスターバッチペレッ
ト)をタフプレンAの比率が同等となるように混合する
ことにより更に品質バラツキのない発泡シートが得られ
より好ましい。
【0036】マスターバッチを使用した一例を以下に説
明する。すなわち、ポリスチレン系耐熱共重合樹脂70
%(旭化成社製、G−9001)とスチレン−ブタジエ
ン共重合樹脂30%(旭化成社製、タフプレンA)を押
出機で溶融混合してストランドダイより押出し、前記ポ
リスチレン系耐熱共重合樹脂と同等の形状にペレタイザ
ーでペレット化し、練り込みマスターバッチペレットを
得た。
【0037】このマスターバッチペレットを使用し、実
施例1と同じスチレン−ブタジエン共重合樹脂比率とな
るようにポリスチレン系耐熱共重合樹脂と混合し(混合
割合は、マスターバッチペレットが17%、ポリスチレ
ン系耐熱共重合樹脂83%)、他は実施例1と同様の方
法で発泡シートの製造を試みた。その結果、何ら問題な
く発泡シートを得ることができた。
【0038】得られた発泡シートに関する脆性(上記
参照)を調べ、また前記発泡シートにより容器を成形
し、この容器に関する容器外観性及び耐熱性(上記及
び参照)についても調べたが、いずれも、上記実施例
と同様の結果が得られた。
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スチレン系耐熱樹脂発泡シート、
及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系耐熱樹脂発泡
シート及びその製造方法に関し、詳しくは、ポリスチレ
ン樹脂発泡シートに比較して耐熱性に優れ、電子レンジ
での調理や、調理したての温度の高い食品に使用しても
熱変形しにくい容器の成形に用いられるスチレン系耐熱
樹脂発泡シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、電
子レンジの普及に伴ないレンジでの加熱用食品が、店頭
でよく見かけられるようになってきた。電子レンジで加
熱調理に用いる容器として、従来より使用されているポ
リスチレン単独樹脂よりなる発泡トレーを使用すると、
著しい熱変形を生じ好ましくない。そのため、陶器製や
PP樹脂製の容器が用いられるが、これらの容器は断熱
性に乏しく、以下のような欠点があった。すなわち、電
子レンジより取り出すとき、素手で取り出すことができ
なかった。また、PP樹脂製の容器の場合は取り出す際
に内容物がこぼれ出すという不安感があるため、剛性を
持たすのに容器の重量を重たくする必要があり、コスト
高を招いた。
【0003】そこで、ポリスチレン発泡トレーの長所で
ある、軽量、断熱性、剛性を備え、かつ電子レンジによ
る加熱調理に対しても充分な耐熱性をも備えた容器が望
まれている。
【0004】耐熱性を有するポリスチレン系共重合体樹
脂としては公知であるが、従来のポリスチレン樹脂発泡
シートの製造方法と同じ方法で発泡シートを製造する
と、製造物が非常に脆いがために、生産性が著しく悪く
なった。
【0005】また、容器成形時に於いても脆性によりシ
ートが切断したり、打ち抜き時に容器に割れが生じ易
く、製品収率の悪いものとなった。
【0006】特開昭63−264335号公報には、ハ
イインパクトスチレン樹脂との混合が提案されている
が、スチレン−ブタジエングラフト共重合樹脂であるハ
イインパクトスチレン樹脂はブタジエンの含有量が少な
いため、少量の混合では脆性を改善するには至らず、ま
た、多量の混合ではポリスチレン系耐熱性共重合樹脂の
割合が少なくなることにより、目的である耐熱性が損な
われたり、非相溶性の樹脂の混合のため熱成形性が悪く
なる問題が生じた。
【0007】そこで、本発明者等は上記の欠点を解決す
べく種々検討した結果、ポリスチレン系耐熱性共重合樹
脂にブタジエン含有量の多いスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合樹脂を混合することにより、優れた耐熱性を
維持させた状態で脆性を改善し得、従来のポリスチレン
樹脂発泡シートの製造方法と同等の方法で簡単に生産性
の良いポリスチレン系耐熱性共重合樹脂発泡シートを生
産できることを見い出した。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のスチレン
系耐熱樹脂発泡シートは、(A)ポリスチレン系耐熱性
共重合樹脂97〜92重量%(以下、単に「%」とい
う)と(B)スチレン−ブタジエン共重合樹脂3〜8%
よりなる樹脂組成物を基材とする発泡シートであり、前
記(B)成分のブタジエン比率が50%以上のものであ
る 前記(B)成分のブタジエン比率が50%未満であれ
ば、すなわち、ブタジエン含有量が全体の1.5%未満
であれば、脆性の改善の効果が少ない。
【0009】前記(B)成分のブタジエン比率は、前述
したように50%以上であり、好ましい範囲は50〜9
5%であり、さらに好ましい範囲は50〜80%であ
る。ブタジエン比率が80%を超えると、言い換えれ
ば、ブタジエン含有量が全体の6.4%を超えると、発
泡シートの連続気泡率が高くなり、熱成形における成形
性が悪くなるという傾向がみられる。
【0010】本発明のスチレン系耐熱樹脂発泡シートの
厚み、密度には特に限定はないが、厚みが0.75〜
2.50mm、密度が0.08〜0.2g/ccである
ことが好ましい。
【0011】厚みが0.75mm未満であれば、断熱性
に乏しく、電子レンジから素手で取り出す際に熱く、
2.50mmを超える場合、熱成形の際、成形性が悪く
良好な容器を得ることができない。
【0012】密度が0.08g/cc未満の場合、容器
の強度が弱く好ましくない。0.20g/ccを超える
場合、断熱性に乏しく、電子レンジから素手で取り出す
際に熱く、またコスト高を招く。
【0013】本発明のスチレン系耐熱樹脂発泡シートに
おいて、前記(A)成分が、スチレンモノマーとアクリ
ル酸系モノマーとの共重合樹脂あるいはスチレンモノマ
ーと無水マレイン酸モノマーとの共重合樹脂であり、前
記スチレンモノマーの配合割合が90〜96%であり、
前記アクリル酸系モノマーあるいは無水マレイン酸モノ
マーの配合割合が10〜4%であることが好ましい。
【0014】アクリル酸系及び無水マレイン酸成分が4
%未満の場合、耐熱性が悪くなり好ましくない。また、
10%を超える場合、成形が困難となり好ましくない。
【0015】請求項2記載のスチレン系耐熱樹脂発泡シ
ートの製造方法は、ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂と
スチレン−ブタジエン共重合樹脂よりなる樹脂組成物を
基材とする製造方法であって、前記樹脂組成物を得る
際、前記ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂とブタジエン
比率が50%以上のスチレン−ブタジエン共重合樹脂と
を押出機で混合して押出発泡することを特徴とする製造
方法である。
【0016】この製造方法には、ポリスチレン系耐熱性
共重合樹脂(A)とスチレン−ブタジエン共重合樹脂
(B)とを直接混合する方法、及び前記(B)成分を前
記(A)成分中に練り込んでなるマスターバッチペレッ
トを製造し、このマスターバッチペレットを前記ポリス
チレン系耐熱樹脂に混入する方法などがある。
【0017】ブタジエン比率が50%以上のスチレン−
ブタジエン共重合樹脂を使用することにより、脆性が改
善できるといった効果のほかに、当該共重合樹脂(B)
の使用量を減らし得、樹脂組成物を得る際の工数を削減
できるといった効果が得られる。工場における実際の製
造においては、前記共重合樹脂を大量に使用することに
なるので、このように共重合樹脂の使用量を減らすこと
ができれば、大幅な作業能率の向上につながり、大変有
意義である。
【0018】本発明の発泡シートは、例えば、ポリスチ
レン系耐熱性共重合樹脂97〜92%とスチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂3〜8%よりなる樹脂組成物と発泡剤
とを押出機のダイより発泡押出しすることにより得られ
る。
【0019】発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペン
タンなどの揮発性発泡剤及びこれらの混合物が適当であ
り、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどの有機系発泡剤や重炭酸ナトリウムまた
はクエン酸のごとき有機酸もしくはその塩と重炭酸塩と
の組合せ等が適当である。場合によっては炭酸ガス、窒
素、水等も適用できる。
【0020】核剤としては、タルク、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、
クエン酸等が挙げられる。
【0021】なお、ポリスチレン系樹脂組成物には、所
望の性質を有するポリスチレン系発泡シートを作るのに
影響を与えない程度の添加剤、例えば着色剤、難燃剤、
滑剤(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル
系、アルコール系、金属石鹸、シリコン油、低分子ポリ
エチレン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、
ポリエチレングリコール、ポリブテン等)、分散剤等が
添加されてもよい。
【0022】また、通常のポリスチレン発泡シートのよ
うに、物性を良化させるためにフィルムをラミネートし
ても良い。
【0023】使用するフィルムは、同種の樹脂のものが
回収も簡単であり、接着層も要らないので好ましいが、
耐油性を上げるために無延伸ポリプロピレンフィルムや
一般に使用されるポリスチレン系樹脂のフィルムでも一
向に差支えない。
【0024】
【発明の効果】本発明により、優れた耐熱性を有すると
ともに脆性が大幅に改善された成形性の良いスチレン系
耐熱樹脂発泡シートを提供し得る。
【0025】また、本発明はかかる特性に優れ、ポリス
チレン系耐熱樹脂発泡シートを押出機による発泡成形で
得るという簡単な製造方法を提供することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明するが、本発
明はこれによって限定されるものではない。
【0027】実施例1〜4及び比較例1〜4 スクリュー径90と115mmφのタンデム押出機のう
ち、スクリュー径90mmφ押出機に、ポリスチレン系
耐熱性共重合樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合樹
脂を[表1]に記載した割合で均一に混合するととも
に、タルク1重量部を均一に混合した混合物をホッパー
を通じて供給し、溶融して樹脂組成物とした。その後、
発泡剤としてブタンを3.5重量部(実施例4は2.5
重量部)圧入し、溶融混合させた。
【0028】その後、スクリュー径115mmφ押出機
に移送して均一冷却後、口径117mm(実施例4は口
径160mm)の円筒状ダイより吐出量120kg/h
rで押出発泡させ、得られた円筒状発泡体を冷却マンド
レルで冷却成形し、円周上の2点でカッターにより切開
して、幅640mm、厚み2.00mm(実施例4は
1.10mm)、密度0.10g/cc(実施例4は
0.20g/cc)の発泡シートを得た。
【0029】得られた発泡シートに関する脆性を以下の
ようにして調べた。すなわち、脆性 発泡シートの製造工程及び発泡シートの成形加工工程に
おいて、発泡シートの品質が良好で製造及び成形工程で
問題がなかった場合は「◎」、発泡シートはやや脆い
が、製造及び成形工程でシートが切断したり、成形容器
が割れることはなかった場合は「○」、発泡シートが脆
く、製造及び成形工程でシートが切断しやすいが、成型
容器に大きな割れはなかった場合は「△」、また、発泡
シートが非常に脆く、製造及び成形工程でシートの切断
が多発し、成形容器にも割れが生じた場合には「×」と
評価し、それぞれ[表1]に併記した。
【0030】得られた発泡シートを発泡スチレンシート
成形機でL156mm、W126mm、H30mmのグ
ラタン容器に成形した。
【0031】得られた容器に関する容器外観性、及び耐
熱性を以下のようにして調べた。すなわち、容器外観性 容器の外観を目視し、表面気泡が密である場合には
「○」と評価し、表面気泡が粗く凹凸が目立つ場合には
「×」と評価して[表1]に併記した。
【0032】耐熱性 サラダオイル150ccを入れた上記の容器を電子レン
ジ(シャープ(株)製R−9000 600W)に入
れ、各温度における変形の程度により容器の耐熱性を評
価した。すなわち、容器に変形がなく問題なく取り出せ
た場合は「○」、容器が若干変形したが、なんとか取り
出すことができた場合は「△」、容器の変形が大きく、
そのままでは取り出せなかった場合には「×」と評価し
て[表1]に併記した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例のようにポリスチレン系耐熱樹脂と
タフプレンA(スチレン−ブタジエン共重合樹脂)とを
直接混合しても一向に差支えないが、ポリスチレン系耐
熱樹脂とタフプレンAとはペレットの形状・比重・滑り
抵抗値に差があるため、押出機の原料ホッパー内部にて
少なからず分離して発泡シートの品質に多少のバラツキ
が生じる。
【0035】そこで、タフプレンA(同上)を前記ポリ
スチレン系耐熱樹脂に練り込んで製造したマスターバッ
チペレット(前記ポリスチレン系耐熱樹脂と同等の形状
・比重・滑り抵抗値を満たしたマスターバッチペレッ
ト)をタフプレンAの比率が同等となるように混合する
ことにより更に品質バラツキのない発泡シートが得られ
より好ましい。
【0036】マスターバッチを使用した一例を以下に説
明する。すなわち、ポリスチレン系耐熱共重合樹脂70
%(旭化成社製、G−9001)とスチレン−ブタジエ
ン共重合樹脂30%(旭化成社製、タフプレンA)を押
出機で溶融混合してストランドダイより押出し、前記ポ
リスチレン系耐熱共重合樹脂と同等の形状にペレタイザ
ーでペレット化し、練り込みマスターバッチペレットを
得た。
【0037】このマスターバッチペレットを使用し、実
施例1と同じスチレン−ブタジエン共重合樹脂比率とな
るようにポリスチレン系耐熱共重合樹脂と混合し(混合
割合は、マスターバッチペレットが17%、ポリスチレ
ン系耐熱共重合樹脂83%)、他は実施例1と同様の方
法で発泡シートの製造を試みた。その結果、何ら問題な
く発泡シートを得ることができた。
【0038】得られた発泡シートに関する脆性(上記
参照)を調べ、また前記発泡シートにより容器を成形
し、この容器に関する容器外観性及び耐熱性(上記及
び参照)についても調べたが、いずれも、上記実施例
と同様の結果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 凡 奈良県生駒市東生駒月見町207−306 第一 ガーデンハイツN−402

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂9
    7〜92重量%、及び(B)スチレン−ブタジエン共重
    合樹脂3〜8重量%よりなる樹脂組成物を基材とするス
    チレン系耐熱樹脂発泡シートであって、前記(B)成分
    のブタジエンゴム比率が50重量%以上であるスチレン
    系耐熱樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】ポリスチレン系耐熱性共重合樹脂とスチレ
    ン−ブタジエン共重合樹脂よりなる樹脂組成物を基材と
    するスチレン系耐熱樹脂発泡シートの製造方法であっ
    て、 前記樹脂組成物を得る際、前記ポリスチレン系耐熱性共
    重合樹脂とブタジエンゴム比率が50重量%以上のスチ
    レン−ブタジエン共重合樹脂とを押出機で混合して押出
    発泡することを特徴とするスチレン系耐熱樹脂発泡シー
    トの製造方法。
JP17843394A 1994-07-29 1994-07-29 スチレン系耐熱樹脂発泡シート、及びその製造方法 Pending JPH0841233A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160747A (ja) * 1997-08-20 1999-03-05 Asahi Chem Ind Co Ltd 押出発泡用マスターバッチ及びその製造方法及びそれを用いた耐熱性スチレン系樹脂発泡体の製造方法
WO2011042405A1 (de) 2009-10-09 2011-04-14 Basf Se Polymermischungen von polystyrol mit styrol-butadien-blockcopolymeren
JP2012031344A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Ps Japan Corp スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル樹脂組成物、押出シート及び成形品
JP2014240459A (ja) * 2013-06-11 2014-12-25 東洋スチレン株式会社 スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体組成物

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