JP2004142242A - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器およびポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器およびポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法 Download PDF

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Takayuki Kinoshita
木下 隆之
Hiroyuki Ishiwatari
石渡 裕行
Koji Ueda
植田 晃司
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Abstract

【課題】フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が少なく、切断加工時等に粉末が生じ難いポリスチレン系樹脂積層発泡シート、該シートを用いた容器および該シートの製造方法の提供。
【解決手段】ゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂とゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合した樹脂を含むフィルム層と、発泡シート層とを積層してなり、該フィルム層はスチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1600ppm以上であり、かつ該フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が500ppb以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器およびポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、熱成形性に優れ、得られた成形品の外観が美麗で、しかも軽量で断熱性に優れるなどの特徴を有することから、食品容器等の熱成形用として大量に使用されている。しかし、ポリスチレン系樹脂シート中には一部で環境ホルモンの疑いがあるといわれているスチレンダイマー及びスチレントリマーが含まれている。これらには環境ホルモン作用が無いことを示す新たな研究結果が公表されてはいるが、消費者は一度社会的に問題とされたものを嫌う傾向があり、食品のスープ中への溶出量を抑制する社会的ニーズがある。特に、成形時において伸びが優れている事や割れ対策、脆性緩和などの目的でゴムを含有するポリスチレン系樹脂いわゆるハイインパクトポリスチレン(HIPS)をフィルム部分として積層する積層発泡シート容器においては、スチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を効果的に抑制する技術が無かった。その為、ハイインパクトポリスチレン系樹脂組成物であって、積層フイルム部分のスチレンダイマー、スチレントリマーの含有量に関係なく、溶出値がより少ない容器が求められていた。特に内容物が乾麺に代表される比較的固くて突き刺し強度を必要とする容器で、内面にハイインパクトポリスチレンフィルム層を積層している容器には前記物質の溶出量低減化の対策が必要とされていた。
【0003】
従来、スチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量を低減するために、ポリスチレン系樹脂発泡シート中のスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量を低下させたポリスチレン系樹脂発泡シートが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許文献1(特開2000−95888号公報)には、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であるポリスチレン系樹脂発泡シート、ポリスチレン系樹脂発泡シート容器及びスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が700ppm以下であるポリスチレン系樹脂が開示されている。
特許文献2(特開2001−220477号公報)には、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1300ppm以下であるポリスチレン系樹脂発泡シート用積層樹脂組成物、積層フィルム部分のスチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が1500ppm以下であるポリスチレン系樹脂積層発泡シート、スチレンダイマー及びスチレントリマーのヘプタンへの溶出量が1000ppb以下であるポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器等が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−95888号公報
【特許文献2】
特開2001−220477号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスチレンダイマー及びスチレントリマー含有量を低下させたポリスチレン系樹脂発泡シートは、容器となる膨出部分を有する形状に成形後、この成形済シートを個別の容器に打ち抜き加工する際に、シート切断部に微粉末が発生し、これが容器内に混入してしまう問題があった。またこのポリスチレン系樹脂発泡シートは成形性が悪く、成形時にクラックや亀裂、裂けなどが生じる可能性があった。
また前記従来技術では、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が低いポリスチレン系樹脂を懸濁重合法によって製造している。懸濁重合で得られるポリスチレン系樹脂は、重合に際して多量の水を必要とし、得られる樹脂が微粒子状であるために、そのままではシート成形用押出機内に供給する際にスムーズに供給できず、ペレット状の原料樹脂と比べて製造安定性が劣るという問題があった。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が少なく、切断加工時等に粉末が生じ難いポリスチレン系樹脂積層発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器およびポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、ゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂とゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合した樹脂を含むフィルム層と、発泡シート層とを積層してなり、該フィルム層はスチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1600ppm以上であり、かつ該フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が500ppb以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、前記フィルム層のスチレンダイマーおよびスチレントリマーの溶出量が200ppb以下であることが好ましい。
【0008】
また本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用い前記フィルム層を内側にして成形してなるポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器を提供する。
【0009】
さらに本発明は、スチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1400ppm以上でありゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合した樹脂を用いて作製したフィルム層を発泡シート層に積層して製造されることを特徴とする前記ポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法を提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法において、前記フィルム層は、ハイインパクトポリスチレン樹脂99〜30質量%、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂1〜70質量%を混合した樹脂を用いて作製されることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート(以下、積層発泡シートと略記する)は、少なくとも1層の発泡シート層に少なくとも1層のフィルム層を積層してなり、該フィルム層はスチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1600ppm以上であり、かつ該フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が500ppb以下、好ましくは200ppb以下であることを特徴としている。また本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器(以下、容器と略記する)は、前記積層発泡シートを用い前記フィルム層を内側にして成形したものである。
【0011】
ここで、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量(以下、D,T含有量と略記する)は、次のようにして求められる。すなわち、まず、試料(積層発泡シートまたは容器)0.2gをメチルエチルケトン10mLに溶解しメタノール40mL中に滴下して再沈殿させる。内部標準液を1mL加え、再沈殿液をNO.5Aろ紙にてろ過し、先ほどの内部標準液にメスアップする。これをGC/MC(島津製作所社製、商品名GC17A)で測定し、クロマトグラムのうちダイマーピーク3本、トリマーピーク5本のピーク面積と内部標準物質の相対感度を同一として定量した。(ダイマー、トリマーのピークの確認は関東化学社製の標準物質を用いて行った。)
またスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量(以下、D,T溶出量と略記する)は、次のようにして求められる。すなわち、試料容器に溶出溶媒として570mLのヘプタンを入れ、25℃で1時間溶出を行った後、この溶液から100mL分取して全自動濃縮装置を用いて50℃で1mLまで濃縮し、測定直前に内部標準液を40μL加えてからn−ヘプタンで2mLにメスアップして試験液とした。GCMS分析は、上記条件にてSIM測定を行い、クロマトグラムの内でダイマ−ピ−ク4本、トリマーピーク6本のピ−ク面積と内部標準物質のピーク面積にて予め作成したスチレンオリゴマーの検量線により定量した。(ダイマー、トリマ−の検量線作成は関東化学社製の標準物質を用いて行った。)
【0012】
本発明の積層発泡シートにおいて、フィルム層のD,T含有量が1600ppmを下回ると、シートの成形性が悪くなり、成形時にクラックや亀裂、裂けなどが生じる可能性がある。またフィルム層のD,T含有量が1600ppmを下回る積層発泡シートは、容器となる膨出部分を有する形状に成形後、この成形済シートを個別の容器に打ち抜き加工する際に、シート切断部に微粉末が発生し、これが容器内に混入してしまう可能性がある。一方、フィルム層のD,T含有量の上限は4000ppm、好ましくは3000ppm以下とされる。フィルム層のD,T含有量が前記上限値未満であれば、ゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合することで、フィルム層からのD,T溶出量を500ppb以下に抑えることができる。フィルム層からのD,T溶出量は500ppb以下であり、好ましくは200ppb以下、さらに好ましくは100ppb以下である。
【0013】
前記発泡シート層は、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂などの樹脂発泡シートから構成されている。この発泡シート層の発泡倍率及び平均厚みは特に限定されないが、発泡倍率は1.1〜20倍程度、好ましくは2〜15倍程度であり、平均厚みは0.6〜3.0mm程度である。発泡シート層は、その強度および印刷性を向上させるために、2枚以上の発泡シート層を積層したり、少なくとも片面に前記フィルム層以外の熱可塑性樹脂フィルムを積層したものであってもよい。前記フィルム層以外の熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、メタクリル系樹脂等からなるものが挙げられる。フィルムは、これらの樹脂を単独で、または2種以上を組合わせて用いたものであってもよい。
【0014】
前記フィルム層は、D,T含有量が1600ppm以上であり、かつ該フィルム層からのD,T溶出量が500ppb以下、好ましくは200ppb以下であるポリスチレン系樹脂シートが用いられ、その中でも、ポリスチレン系樹脂にゴム分を含有させ、脆性改善効果をもたせたハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルムが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、前記フィルム層は、ハイインパクトポリスチレン樹脂99〜30質量%、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂1〜70質量%を混合した樹脂を用いて作製される。このフィルム層の厚みは90〜170μm、好ましくは100〜140μm程度とされる。
【0015】
本発明の容器は、本発明の積層発泡シートを用い、そのフィルム層が内側になるように成形したものである。図2は本発明の容器の一例を示す図であり、この容器Cは、発泡シート層C1とフィルム層C2とが積層されてなる積層発泡シートをそのフィルム層C2が容器内側になるように成形されている。
成形品としては、例えばドンブリ状、トレー状、皿状等の食品容器や、箱状、円柱状等の包装容器等が挙げられる。なお、容器の外側に印刷が施される場合は、前記フィルム層以外の熱可塑性樹脂フィルムを容器の外側に設ける。
【0016】
以下、本発明の積層発泡シートの製造方法について説明する。
本発明の積層発泡シートは、D,T含有量が1400ppm以上でありゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂(以下、HIPSと記す)と、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂(以下、GPPSと記す)とを混合した樹脂を用いて作製したフィルム層を発泡シート層に積層して製造される。本発明の方法の好ましい実施形態において、前記フィルム層は、HIPSが99〜30質量%、GPPS1〜70質量%を混合した樹脂を用いて製造される。
【0017】
本発明の方法において、フィルム層を構成する樹脂材料のうちHIPSは、ポリスチレン系樹脂にゴム、好ましくはスチレン系ゴムを混合した樹脂組成物であり、該樹脂組成物中のゴム成分量は1.5〜10.0質量%、好ましくは3.0〜7.0質量%程度である。ゴム成分として用いられる好適なスチレン系ゴムとしては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレンブロック共重合体などが挙げられる。本発明の方法において、好ましいHIPSはメルトインデックス(MI)は2.0〜10.0の範囲内のものである。なお、HIPSは適当な市販品の中から選択して用いてもよい。
【0018】
本発明の方法において、HIPSのD,T含有量は1400ppm以上である。D,T含有量が1400ppmを下回ると、発泡シート層と積層して得られた積層発泡シートの成形性が悪くなり、その成形時にクラックや亀裂、裂けなどが生じる可能性があり、さらに該積層発泡シートを成形後、打ち抜き加工する際に、シート切断部に微粉末が発生し、これが容器内に混入してしまう可能性がある。一方、D,T含有量の上限は、好ましくは3000ppm以下、さらに好ましくは2500ppm以下である。HIPSのD,T含有量がこの範囲であれば、製造される積層発泡シートのフィルム層からのD,T溶出量を500ppb以下、好ましくは200ppb以下に抑えることができる。
【0019】
フィルム層を構成する樹脂材料のうちGPPSについては、D,T含有量は特に限定されないが、前記HIPSと混合して製造されるフィルム層のD,T含有量が1600ppm以上となるD,T含有量を有するポリスチレン系樹脂を用いることができる。フィルム層を構成する樹脂組成物中のGPPSの割合は1〜70質量%、好ましくは10〜40質量%とされる。GPPSの割合が前記範囲を下回ると、GPPS添加によるフィルム層からのD,T溶出量の低減効果が十分に得られなくなる。一方GPPSの割合が前記範囲を超えると、フィルムの伸びが悪くなり、割れが発生し易くなる。
【0020】
前記HIPSおよびGPPSに用いられるポリスチレン系樹脂は、スチレン単重合体としてもよいし、あるいはスチレンを50質量%以上含む共重合体としてもよい。共重合体としては、例えばスチレン−無水マレイン酸、スチレン−メタクリル酸、スチレン−アクリル酸(アクリル酸エステル等を含む)、スチレン−アクリロニトリル等の共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン等の3元共重合樹脂等が挙げられる。共重合体における共重合成分としては、例えばα−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系誘導体、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブタジエン、無水マレイン酸などの各種単量体が挙げられる。
【0021】
本発明の方法において用いられるポリスチレン系樹脂は、塊状重合法によって得られた円柱状ペレットのポリスチレン系樹脂(以下、円柱状樹脂という)と、懸濁重合法によって得られた球状のポリスチレン系樹脂(以下、球状樹脂という)とのいずれか一方または両方を混合して用いることができる。懸濁重合法および塊状重合法は、共にスチレンモノマーのエチレン2重結合部を開きスチレン分子を生成させ、ポリスチレンを製造する方法である。
【0022】
懸濁重合法は、粒状重合とも呼ばれ、スチレンモノマーを水中で油滴状に懸濁させ、粒状の重合体(スチレンポリマー)を製造する方法である。懸濁重合法は、大量の水と撹拌するため、重合の際に発生する熱の除熱や反応温度の均一性が保たれ、温度調整が容易である。その反面、油滴状に分散させて重合反応を行うため、油滴径が大きくなると、水中での分散が不安定になり、大粒子を得難い面がある。また排水処理などを含めたプロセス全体が複雑になることや、球状ポリスチレンをペレット状ポリスチレンにするには二軸押出機に供給し溶融混練して、次いでストランド形状をした金型から押出した後ペレタイズして、ペレット状にする工程を経る必要があり、大量生産に適した連続プロセスが組み難い等から、ポリスチレン系樹脂の製造では主流となっていない面がある。球状樹脂は、平均粒径が0.25〜2.5mmであるのが好ましく、0.50〜1.5mmであるのがさらに好ましい。平均粒径が2.5mmを上回るものは、懸濁重合法では分散不良が発生しやすく、収率が低下するため好ましくない。また、平均粒径が0.25mmを下回ると、混合される円柱状樹脂粒間からすり抜けて、先に原料タンクの下部にたまってしまい、安定した割合で混合樹脂を押し出すことが難しくなるので好ましくない。
【0023】
塊状重合法は、モノマー自身を溶媒として行なう溶液重合の一種で、反応生成後には反応容器の形状と同形となる。実際には、スチレンモノマー中に含まれるエチルベンゼンを溶媒に用いることが多く、形状が塊状のため、工業的に製造管理が容易で、生産性が高く、一般的なポリスチレン樹脂を製造する方法として主流となっている。その反面、温度調整や反応時の均一な除熱が困難であり、溶媒がモノマー自身であるため、反応後の溶媒除去が困難となる。また生成品が塊状のため、そのままでの取り扱いが困難で、押出機を通してペレット状にする工程を必要とする。
【0024】
本発明の方法において、発泡シート層はポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などで構成でき、好ましくはポリスチレン系樹脂が用いられる。ポリスチレン系樹脂としては、前述した円柱状樹脂と球状樹脂のいずれか一方または両方を混合して用いることができる。ポリスチレン系樹脂からなる発泡シート層は、材料のポリスチレン樹脂(以下、基材樹脂と記す)を発泡剤とともに押出機に供給して溶融混練し、次いで押出発泡することにより得られる。
【0025】
基材樹脂の重量平均分子量は、例えば20万〜45万程度が好ましく、25万〜40万程度がさらに好ましい。基材樹脂の重量平均分子量が45万を上回ると、伸びが不十分となり、成形性が低下するので好ましくない。また、基材樹脂の重量平均分子量が20万を下回ると、得られる発泡シート層が脆くなりやすく、容器の強度が低下するので好ましくない。
【0026】
上記の基材樹脂は、公知の押出発泡法により押出し発泡することにより、発泡シート層を製造することができる。押出発泡法は、所望の密度となるように押出機に基材樹脂、発泡剤およびその他の添加剤を入れ、溶融混練した後、押出機のダイから押し出すことにより行われる。なお、あらかじめ基材樹脂、発泡剤および添加剤を均一に混合したものを、押出機に供給してもよい。また、添加剤は、あらかじめ基材樹脂と同種の樹脂に高濃度に添加した所謂マスターバッチ品であってもよい。
【0027】
発泡シート層の製造において使用される押出機としては、公知のもの、例えば、単軸押出機、二軸押出機が挙げられる。中でも、高圧下での押出安定性や熱劣化が少ないという点で優れている単軸押出機が好ましい。
本発明の方法において使用される発泡剤としては、公知のもの、例えば、分解型発泡剤、気体または揮発性の発泡剤が挙げられる。
【0028】
分解型発泡剤としては、例えば炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテトラミンおよびN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート、クエン酸などが挙げられる。
【0029】
気体の発泡剤としては、例えば窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、tert−ブタン、ジメチルエーテル等が挙げられる。なお、気体とは常温(20℃)、常圧(1気圧)で気体であることを意味する。
揮発性の発泡剤としては、例えばエーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、水も発泡剤として使用することができる。これらの発泡剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの発泡剤の中でも、n−ブタンおよびi−ブタンが特に好ましい。
発泡シート層の気泡サイズを約40μm以下とする場合は、発泡剤として窒素、炭酸ガスあるいは水を使用するのが好ましい。特に、窒素および炭酸ガスは、安価であるという点においても好ましい。
発泡剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対して、0.25〜5.0質量部程度である。
【0030】
また、本発明の方法においては、気泡調節剤等を添加してもよい。気泡調節剤としては、例えばタルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸等の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。
気泡調節剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対して、0.01〜6.0質量部程度である。なお、気泡調節剤が多くなると、気泡膜が熱に弱くなり、押出積層時に気泡膜が破れ、その結果気泡が大きくなることがある。このような気泡の増大を防ぐには、発泡剤として窒素または炭酸ガスを用いることが好ましい。また本発明の積層発泡シートは、所望により、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
【0031】
溶融混練された樹脂は、発泡に適した温度に調節されたダイから押出し発泡され、発泡シート層が得られる。この発泡シート層は、直接シート状に、または一旦円筒状に押し出した後、任意のラインで切断することによりシート状にすることができる。
発泡シート層を製造するときの押出機バレル温度としては、使用する押出機および基材樹脂の種類等により異なるが、140〜260℃程度が好ましい。
【0032】
発泡シート層にフィルム層を積層して本発明の積層発泡シートを製造するには、発泡シート層とフィルム層を共押し出しして積層する方法や、加熱ロールや接着剤などを用いて発泡シート層にフィルム層を積層する方法が挙げられる。具体的には、(1)発泡シート層とフィルム層を合流・積層させ、ダイから押出す共押出法や、(2)インラインまたはアウトラインで、押出機より押し出されたフィルム層を冷却しきらないうちに、直接、発泡シート層に積層する方法や、(3)インラインまたはアウトラインで、押出機より押出された樹脂をバインダーとして、フィルム層(無地または印刷したものであってもよい)を発泡シート層に積層する方法、(4)フィルム層(無地または印刷したものであってもよい)を加熱ロールで加熱しながら、発泡シート層に圧着して積層する方法などが挙げられる。
【0033】
前記(1)〜(4)等の方法によって製造された本発明の積層発泡シートは、例えばオーブン(温度230〜300℃)内にてシートを軟化させた後、所望の成形型を用い成形時間3〜20秒で加熱成形し、次いで成形済みシートに打ち抜き加工を施し、個々の容器を製造する。
図1は積層発泡シートから容器を製造する過程を示す図であり、この図中符号Aは積層発泡シート、Bは成形済みシート、Cは容器である。
【0034】
前記の通り製造された長尺の積層発泡シートAは巻取ロールに巻回された状態で成形機に供給され、この巻取ロールから引き出された積層発泡シートAは送りロール11〜14によってオーブン20に移送される。このオーブン20で加熱され、軟化した積層発泡シートAは、成形型30に移送され、ここで複数の容器を打ち抜き可能な形状に成形加工される。次いで、成形済みシートBは打抜機40に送られ、個別の容器Cに打ち抜き加工される。
図2は、打ち抜き加工して製造された本発明の容器Cを示す図であり、この容器Cは発泡シート層C1とフィルム層C2とが積層され、フィルム層C2を容器内側に向けて成形されている。
以下、実施例により本発明の効果を明確にする。
【0035】
【実施例】
ポリスチレン発泡樹脂シートからなる発泡シート層に、表1中の実施例1〜4および比較例1〜4に各々記載した組成を有するポリスチレン系樹脂からなるフィルム層を積層して積層発泡シートを製造し、この積層発泡シートを成形して容器を製造した。実施例1〜4および比較例1〜4のフィルム層の原料のD,T含有量、製造した各容器のフィルム層(容器フィルムと記す)のD,T含有量、及び各容器のD,T溶出量、積層発泡シートの成形性および打ち抜き時の微粉末の発生の有無を調べ、比較した。
D,T含有量とD,T溶出量の測定は下記の通り行った。
【0036】
[D,T含有量の測定]
樹脂組成物及び積層フィルムに含有するスチレンダイマー、スチレントリマー量については以下のように測定した。
▲1▼試料0.2gをメチルエチルケトン10mLに溶解しメタノール40mL中に滴下して再沈殿させる。
▲2▼内部標準液を1mL加え、再沈殿液をNO.5Aろ紙にてろ過し、先ほどの内部標準液にメスアップする。
▲3▼これをGC/MC(島津製作所社製、商品名GC17A)で測定し、クロマトグラムのうちダイマーピーク3本、トリマーピーク5本のピーク面積と内部標準物質の相対感度を同一として定量した。(ダイマー、トリマーのピークの確認は関東化学製の標準物質を用いて行った)
装置:島津製作所社製 、商品名GC17A
カラム:商品名DB−1(J&W社製、0.25mmφ×30m、膜圧0.1μm)
注入口温度:240℃
検出器(FID)温度:260℃
キャリアガス(He):圧力80psi
カラム温度:40℃(1分)〜50℃/分〜150℃(1分)〜5℃/分〜250℃(3分)〜50℃/分〜320℃(8分)
【0037】
[D,T溶出量の測定]
▲1▼ 溶出液の調整
試料容器に溶出溶媒として570mLの蒸留ヘプタンを入れ、25℃で1時間溶出を行った後、この溶液から100mL分取して全自動濃縮装置(Z.Y.Mark社製、商品名ターボバップ500)を用いて50℃で1mLまで濃縮し、測定直前に内部標準液(ピレン100μg/mL)を40μL加えてからn−ヘプタンで2mLにメスアップして試験液とした。
▲2▼ GCMS分析
上記条件にてSIM測定を行い、クロマトグラムの内でダイマーピーク4本、トリマーピーク6本のピーク面積と内部標準物質のピーク面積にて予め作成したスチレンオリゴマーの検量線により定量した。ダイマー、トリマーの検量線作成は関東化学製の標準物質を用いて行った。
GCMS分析条件
装置:GCMS QP5050(島津製作所社製)
カラム:DB−5(J&W社製、0.25mmφ×30m、膜圧0.25μm)
注入口温度:240℃
インターフェイス温度:260℃
キャリアガス:ヘリウム(1.2mL/分)
試験液注入量:1μL(オートサンプラー使用)
カラム温度:70℃(1分)〜15℃/分〜260℃(0分)〜10℃/分〜300℃(3.0分)
【0038】
成形性は、積層発泡シートをオーブン加熱して成形型でプレス加工する際にクラックや亀裂、裂けなどの生じていないものを○、クラックや亀裂、裂けなどが生じたものを×とした。
微粉末の発生は、成形済みシートを個別の容器に打ち抜き加工する際に微粉末の発生度合を目視観測し、微粉末が発生しなかったものを○、微粉末が生じたものを×とした。
なお、本実施例において実施例1〜4及び比較例1〜4で用いた発泡シート層は同じポリスチレン系樹脂を基材樹脂とするもので、通常の押出発泡によって製造されるが、本発明において使用し得る発泡シート層の材料はポリスチレン系樹脂に限定されない。本実施例では発泡シート層の基材樹脂としてG0002(商品名、A&M社製(以下、GPPS(1)と記す)、MI=2.1)を100%使用した発泡シート層を使用した。
【0039】
(実施例1)
通常に押出発泡された厚み2.0mm、発泡倍率8.7倍の発泡シート層に懸濁重合法で作られたHIPSペレット状樹脂(HIPS(1))として、東洋スチレン社製、商品名E560N 、MI=2.1、D,T含有量1580ppm)を80質量%と、GPPSペレット状樹脂(GPPS(1))として、A&M社製、商品名G0002、MI=2.1、D,T含有量1380ppm)を20質量%とを予め混合した原料を用いて、前記発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルムとして積層して積層発泡シートを得た。なお積層時、フィルム層の樹脂温度は260〜265℃になるように調整した。得られた積層発泡シートはフィルム層が内側になるように成形を行った。成形条件は炉内雰囲気温度160℃、成形時間13〜15秒で加熱した後、金型:縦175mm×横175mm×深さ60mmの角型容器を成形した。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1540ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1660ppm、容器のD,T溶出量は86ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
図3はこの実施例1の製造に用いたHIPS(1)の拡大図である。このHIPS(1)はポリスチレンからなる連続層にゴムの微小粒子が分散した構造を有することが判る。
【0040】
(実施例2)
HIPS(1)を60質量%とGPPS(1)を40質量%とを予め混合した原料をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルム層として積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1500ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1620ppm、容器のD,T溶出量は52ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0041】
(実施例3)
HIPS(1)に代えて、塊状重合法で作られたHIPS(2)(東洋スチレン社製、商品名E785N、MI=2.7、D,T含有量1715ppm)を80質量%とGPPS(1)を20質量%とを予め混合した原料をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルム層として積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1648ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1740ppm、容器のD,T溶出量は80ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0042】
(実施例4)
HIPS(2)を60質量%とGPPS(1)を40質量%とを予め混合した原料をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルム層として積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1581ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1700ppm、容器のD,T溶出量は64ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0043】
(比較例1)
HIPS(1)100質量%をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルムとして積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1580ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1758ppm、容器のD,T溶出量は830ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0044】
(比較例2)
HIPS(2)100質量%をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルムとして積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1715ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1820ppm、容器のD,T溶出量は1165ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0045】
(比較例3)
GPPS(1)100質量%をフィルム層に用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルムとして積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1380ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1558ppm、容器のD,T溶出量は10ppbであった。
成形性は×、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は○であった。
【0046】
(比較例4)
GPPS(1)を45質量%と、懸濁重合法で作られたGPPS(2)(積水化成品工業社製、商品名HS−150、MI=2.0、D,T含有量820ppm)50質量%と、スチレン系ゴム(スチレン−ブタジエンブロック共重合体、A&M社製、商品名タフプレン125、MI=13、D,T含有量1935ppm)を5質量%とを予め混合した原料を用い、実施例1と同様に発泡シート層の表面にTダイを使用して120μmのフィルムとして積層してサンプルを得て、同様の成形を行った。
その結果、フィルム層原料のD,T含有量は1127ppm、容器フィルム層部分のD,T含有量は1210ppm、容器のD,T溶出量は142ppbであった。
成形性は○、容器の打ち抜きによる微粉末の発生は×であった。
【0047】
これらの結果を表1にまとめて記す。
【0048】
【表1】
Figure 2004142242
【0049】
表1の結果から判るように、本発明に係る実施例1〜4は、フィルム層のD,T含有量が1600ppm以上であっても、フィルム層からのD,T溶出量を低く抑えることができた。
また本発明に係る実施例1〜4は、成形性を悪化させたり、打ち抜き時に微粉末を生じることなく、D,T溶出量を低く抑えることができた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が少なく、切断加工時等に粉末が生じ難いポリスチレン系樹脂積層発泡シート、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器およびポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層発泡シート容器の製造過程を示す概略図である。
【図2】本発明の容器の一例を示す断面図である。
【図3】実施例で用いたHIPSの拡大図である。
【符号の説明】
A  積層発泡シート(ポリスチレン系樹脂積層発泡シート)
B  成形済みシート
C  容器(ポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器)
C1 発泡シート層
C2 フィルム層
20 オーブン
30 成形型
40 打抜機

Claims (5)

  1. ゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂とゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合した樹脂を含むフィルム層と、発泡シート層とを積層してなり、該フィルム層はスチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1600ppm以上であり、かつ該フィルム層からのスチレンダイマー及びスチレントリマーの溶出量が500ppb以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  2. 前記フィルム層のスチレンダイマーおよびスチレントリマーの溶出量が200ppb以下である請求項1記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 請求項1または2記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用い前記フィルム層を内側にして成形してなるポリスチレン系樹脂積層発泡シート容器。
  4. スチレンダイマーおよびスチレントリマーの含有量が1400ppm以上でありゴム分を含有するハイインパクトポリスチレン樹脂と、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂とを混合した樹脂を用いて作製したフィルム層を発泡シート層に積層して製造されることを特徴とする請求項1または2記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  5. 前記フィルム層が、ハイインパクトポリスチレン樹脂99〜30質量%、ゴムを含有しないポリスチレン樹脂1〜70質量%を混合した樹脂を用いて作製される請求項4記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN102673069A (zh) * 2012-04-17 2012-09-19 芜湖市弘瑞包装制品有限公司 一种食品杯用高强度塑料复合片材
CN102673074A (zh) * 2012-04-17 2012-09-19 芜湖市瑞诚工贸有限公司 一种食品杯用塑料复合片材

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