JPH0840822A - アミノ−多重カルボキシレート修飾化デンプンを含む化粧製剤 - Google Patents

アミノ−多重カルボキシレート修飾化デンプンを含む化粧製剤

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JPH0840822A
JPH0840822A JP7160883A JP16088395A JPH0840822A JP H0840822 A JPH0840822 A JP H0840822A JP 7160883 A JP7160883 A JP 7160883A JP 16088395 A JP16088395 A JP 16088395A JP H0840822 A JPH0840822 A JP H0840822A
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パサペイン ジョセフ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は良好な流動特性を有し、且つ優れた
感触及び外観の美的特性を有する化粧製剤を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明は化粧スキンケアー又はヘアーケアー
製剤であって、増粘又はエマルション安定化に有効な量
の下記の構造を有するアミノ−多重カルボキシレートデ
ンプン誘導体を含む製剤: 【化1】 (式中、St−Oはデンプン分子を表わし;RはH又は
CH3 であり;R′はH,CH3 又はCOOHであり;
Mは陽イオンであり;nは2又は3であり;そしてR″
はH又は1〜18個の炭素原子のアルキルである)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、増粘剤及びエマルション安定化
剤としてアミノ−多重カルボキシレートデンプン誘導体
を含んで成るスキン及びヘアートリートメントのための
化粧製剤に関する。
【0002】種々の化粧又はパーソナルケアー製品を増
粘及びエマルション安定化するのに様々な材料が利用さ
れている。これらの材料には、デンプン、キサンタンガ
ム及びセルロースのアニオン誘導体、例えばカルボキシ
メチル化デンプン又はセルロース並びにリン酸化デンプ
ン及びセルロースが含まれる。現状、B.F.Good
richより製造されたポリアクリル酸ポリマーである
Carbopol(商標)樹脂が、スキンケアー及びヘ
アーケアー市場における増粘剤及びエマルション安定化
剤を担っている。
【0003】必須の流動特性を有する他に、添加された
増粘剤及びエマルション安定化剤を有する化粧製品は適
切な外観及び肌感覚をも有さなくてはならない。本発明
のデンプン誘導体は天然材料であり、そして増粘及びエ
マルション安定化特性に加えて、それらは優れた肌感覚
及び外観の美的特性を有する化粧製剤を供する。
【0004】本発明は増粘性及びエマルション安定化を
供し、且つ良好な外観及び肌感覚を供するアミノ−多重
カルボキシレートデンプン誘導体を含む化粧製剤に向け
られる。
【0005】より詳しくは、本発明はエマルション安定
化又は増粘に有効な量の、下記の構造を有するアミノ−
多重カルボキシレートデンプン誘導体を含む化粧製剤に
関する:
【化2】 (式中、St−Oはデンプン分子又は修飾化デンプン分
子を表わし(ここで無水グルコース単位のヒドロキシル
基の水素は示している通りに置換されている);RはH
又はCH3 であり;R′はH,CH3 又はCOOHであ
り;Mは陽イオン、より詳しくはH、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属又はアンモニウムであり;nは2又は3
であり;そしてR″はH又は1〜18個の炭素原子のア
ルキルである)。
【0006】本発明の化粧製剤において用いられるデン
プン誘導体(I)及び(Ia)はデンプンを以下の式を
有する特定のアミノ−多重カルボン酸試薬と反応させる
ことにより供されて:
【化3】 (式中、Xはハロゲンであり;RはH又はCH3 であ
り;R′はH,CH3 又はCOOHであり;nは2又は
3であり;そしてR″はH又は1〜18個の炭素原子の
アルキルである)。
【0007】上記の試薬(II)及び(IIa)は、アミノ
アルコールと特定の活性化オレフィンを含むエステルと
のMichael反応、それに続くハロゲン化により供
される。
【0008】これらの試薬の調製において用いられるア
ミノアルコールは一般に
【化4】 (式中、RはH又は1〜18個、好ましくは1〜8個の
炭素原子のアルキルであり、nは2又は3である)を有
することができ、そしてオレフィン含有エステルは任意
のエステル、例えばアルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート又はアルキルクロトネートであり、そして
より詳しくは次式
【化5】 (式中、RはH又はCH3 であり、R′はH又はCH3
であり、そしてR″はアルキル、そしてより詳しくはメ
チル、エチル又はプロピルである)を有するであろう。
オレフィン含有エステルのジエステル、例えばジアルキ
ルマレエートは、特に先のアミノアルコールがアルキル
R基を有するときに、多重カルボン酸試薬を調製するの
に利用されうる。
【0009】多重カルボキシレートデンプン誘導体
(I)又は(Ia)の生成は、特定の多重カルボキシレ
ート試薬(II)又は(IIa)とデンプンベースとを、水
性媒体の中で、デンプンベースの水性スラリー又は水性
分散体を利用して反応させることを含む。反応は約9.
5〜13、より詳しくは約10.5〜12.5のpHのア
ルカリ条件下で実施する。このpHの水酸化ナトリウム又
はその他の一般的な塩基、例えば水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、
水酸化テトラメチルアンモニウム等の希薄な水性溶液の
定期的な添加によって管理するのが好都合である。好適
な塩基は水酸化ナトリウム及びカルシウムである。
【0010】反応は約10〜95℃、好ましくは約20
〜50℃の温度で実施する。顆粒デンプンを水性媒体の
中に入れておいて約60℃を超える温度を利用すること
は、顆粒の膨潤及びデンプンの濾過のしにくさ又は糊化
をもたらしうることが理解されるであろう。
【0011】顆粒デンプンで反応を行うとき、反応を乾
燥デンプンに基づき約10〜40重量%の量の塩、例え
ば硫酸ナトリウムの存在下で実施することが所望され
る。硫酸ナトリウムの存在はデンプンの膨潤を抑え、そ
してより濾過し易い製品を供する。
【0012】この反応において使用すべき多重カルボキ
シレート試薬(II)又は(IIa)の量は乾燥デンプンの
重量を基礎に約0.1〜100重量%の間で変えてよ
く、そしてそれは使用するデンプンベース、使用する特
定の多重カルボキシレート試薬、最終産物において必要
とされる置換の程度、そしてある程度、利用する反応条
件の如くの要因に依存する。一般に、アミノ−多重カル
ボキシル基を含むデンプンエーテル誘導体を調製するた
めに利用する試薬の好適な量は、顆粒デンプンについて
は約0.3〜15重量%、そして非顆粒デンプンについ
ては約15〜75重量%である。
【0013】多重カルボキシレート試薬は固体又は水性
溶液として反応混合物に加えてよい。この溶液の好適な
濃度は試薬の重量を基礎に20〜50重量%である。他
の方法において、カルボキシレート試薬溶液はデンプン
ベースに加えられる前に所望のアルカリpHにする。別の
方法において、この試薬は反応混合物に導入されるとき
に酸又は部分中和酸ではなく塩の形態をとっている。
【0014】反応時間は、使用する多重カルボキシレー
ト試薬の量、安定性及び反応性、反応の温度、pH、スケ
ール、並びに所望の置換度の如くの要因に依存して、約
0.2〜24時間の間で変えてよい。一般に、好適な反
応時間の範囲は約1〜16時間である。
【0015】反応の完了後、反応混合物のpHを任意の市
販の酸、例えば塩酸、硫酸、酢酸等で約3〜9に調整す
る。最終pH及び使用する塩基に依存して、カルボキシル
基はカルボン酸として、対応の塩として、又はそれら2
つの組合せ(部分中和カルボキシル基)として存在しう
る。デンプン誘導体(I)及び(Ia)において見い出
せる陽イオンMは任意の陽イオンであってよく、そして
より詳しくは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又
はアンモニウムでありうる。多価陽イオン、例えばカル
シウムの場合、この誘導体の構造は環状でありうる。
【0016】得られるデンプンエーテル誘導体の回収は
簡単に成し遂げられ、採用すべき特定の方法はデンプン
ベースの形態に依存する。即ち、顆粒デンプンは濾過又
は遠心により回収され、任意的に全て残留塩を除去する
ために水で洗い、そして乾燥する。顆粒デンプン製品は
ドラム乾燥、スプレー乾燥又は糊化せしめてよく、そし
てアルコール沈殿により単離するか又は非顆粒製品を形
成するように凍結乾燥してよい(即ち、糊化せしめ
る)。もしデンプン製品が非顆粒であるなら、それは残
留塩を除去するために精製してよく、そしてアルコール
沈殿により単離するか、凍結乾燥又はスプレー乾燥す
る。
【0017】本発明におけるデンプンエーテル誘導体を
調製するうえで用いられうる有用なデンプンベースは任
意の植物起源、例えばコーン、ポテト、サツマイモ、ム
ギ、コメ、サゴ、タピオカ、ワクシーメイズ、ソーガ
ム、カラスムギ、高アミロースコーン等に由来しうる。
また、任意のこれらのベースに由来する転化生成物、例
えば、酸及び/又は加熱の加水分解により調製されたデ
キストリン;次亜塩素酸ナトリウムの如くの酸化剤によ
る処理により調製された酸化デンプン;酵素転化又は温
和な加水分解により調製された流動性又は薄手糊デンプ
ン;並びにエーテル及びエステルの如くの誘導化デンプ
ンも含まれる。デンプンエステルはデンプンエーテルを
調製するのに必要な反応条件に曝露したときに加水分解
されるであろう。複合デンプンエーテル/エステルが所
望されるなら、当業者にとって、エーテル置換基をまず
反応させ、次いでエステル化を行うことが明らかであ
る。中間デンプンエーテルは直接エステル化するか、又
はエステル化の前に単離及び精製してよい。デンプンベ
ースは顆粒デンプン又は糊化デンプン、即ち、非顆粒デ
ンプンであってよい。
【0018】本発明の好適な上記のデンプン誘導体
(I)及び(Ia)は、R,R′及びR″が水素であ
り、Mが水素であり、そしてnが2であるもの、そして
より詳しくは構造(I)を有するものである。デンプン
ベースは好ましくはポテトスターチ(ポテトデンプン)
である。また、デンプンベース及びその結果としてのデ
ンプン誘導体はカチオン基の如くのその他の基によって
更に誘導化又は修飾されていてよい。特に有用なカチオ
ン系デンプンは第三アミノアルキルデンプンエーテル、
例えば2−ジエチルアミノエチルクロリド及び第四アン
モニウムデンプンエーテル、例えば2,3−エポキシプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0019】アミノ多重カルボキシレートデンプン誘導
体及びその製造方法は、引用することで本明細書に組入
れる1994年2月2日出願の米国同時係属出願第08
/190,824号に詳しく記載されている。
【0020】アミノ多重カルボキシレートデンプン誘導
体(I)及び(Ia)がスキンケアー又はヘアーケアー
製剤の如くの化粧製剤において特に有用であり、この場
合これらは増粘及びエマルション安定化特性、並びにそ
の他の流動及び美的特性を供する。本発明のスキン及び
ヘアーケアー製剤は種々の媒質又は系を含み、そして適
当な化粧ビヒクル又は当該製剤にとってのベースを含ん
で成るであろう。このビヒクルはエマルション、水性
系、溶媒系、又は水性系と溶媒系との組合せでありう
る。
【0021】エマルションが本発明の化粧製剤にとって
の好適なビヒクル又はベースであり、そしてこのタイプ
の製品にはスキンケアークリーム及びローションが含ま
れる。水性ベース及び油性ベース相を含んで成るこれら
のエマルションは、油を分散化相として有し、そして水
を連続相として有する水や油系エマルションであるか、
又はそれらは連続相である油の中に水の分散した油中水
系エマルションであってよい。該製剤の約10〜90重
量%を占めうるこの油相は一般に油、ワックス及び乳化
剤の如くのこの相の中で可溶性である化粧学的に許容さ
れている又は慣用の油状物質より成っている。油相の中
に含まれうる化合物は一般にミネラル、動物及び植物油
及び脂肪、合成エステル、脂肪族、脂肪アルコール、高
級脂肪アルコール、アルキルアミン、ワックス、いわゆ
るミネラル脂肪及び油、例えばパラフィン油、石油、セ
レシン、シリコーン油及びシリコーン脂肪である。水相
は該製剤の約10〜90重量%を占めていてよく、そし
てこれは水並びに水溶性成分、例えばアルカリ、アルカ
ノールアミン、多価アルコール及び保存剤を含むであろ
う。これらのエマルションは1又は複数種の乳化剤を含
み、それは通常は油相の中に含まれているが、ある状況
においては、そのタイプに依存して、水性相の中に入っ
ていてよい。デンプン誘導体(I)及び(Ia)はエマ
ルションを安定化するために、又は第二乳化剤を代替す
るために使用されうる。使用できうるイオン性又は非イ
オン性であるうるその他の乳化剤がよく知られており、
そして慣用の、且つ市販の製品の大部分を占めている。
これらは往々にしてその親水性−親油性バランス(HL
B)により特徴付けられる。水中油系(O/W)乳化剤
は一般に6.0より大のHLBを有し、そして連続相が
親水性であるエマルションを供し、そしてかかるエマル
ションは一般に水の中で分散性である。このタイプの乳
化剤には、PEG300ジステアレート、ソルビタンモ
ノラウレート及びトリエタノールアミンステアレートが
含まれる。油中水(W/O)乳化剤は通常6.0未満、
好ましくは5未満のHLBを有しており、そして連続相
が親油性であるエマルションを供する。かかる乳化剤に
はラノリンアルコール、エチレングリコールモノステア
レート、ソルビタンモノ−オレエート及びPEGジラウ
レートが含まれる。5〜7のHLBを有する乳化剤は、
どのようにして利用するかによって、W/O又はO/W
乳化剤のいづれかとして機能しうる。
【0022】デンプン誘導体(I)及び(Ia)を含む
本発明のエマルションの中において用いられる乳化剤の
量は系に応じて変えてよく、そして一般には乳化に効果
的な量とする。より詳しくは、乳化剤の量はこの製剤の
約0.1〜25重量%、そして好ましくは約1〜10重
量%の間で変えてよい。
【0023】様々なその他の成分及び添加剤を、上記の
化粧スキンケアーエマルションの中の油及び水相の片方
又は両方に含ませてよい。これには転化薬、保湿剤、増
粘剤、UV光阻害剤、保存剤、顔料、色素、着色剤、ア
ルファーヒドロキシ酸、美容エンハンサー、例えばデン
プン、香料及び芳香剤、被膜形成剤(防水剤)、防腐
剤、抗真菌剤、抗微生物剤及びその他の医薬品並びに溶
媒が含まれる。有効な量の1又は複数種のこれら並びに
その他の活性及び機能性成分が一般に使用され、そして
これは全部で該製剤の0.1〜25重量%、そしてより
詳しくは約0.1〜15重量%となりうる。
【0024】本発明に係る特定のデンプン誘導体を使用
するその他の化粧製剤は水性又は溶媒系を含み、ここで
その中に添加された成分は可溶性又は分散性である。こ
の水性系は特定のデンプン誘導体、添加剤並びに活性及
び機能性成分、任意的には噴射剤及びバランス水を含ん
で成るであろう。一般に、水性系は、約10〜99.8
重量%、好ましくは50〜80重量%の水、約0.1〜
20重量%、好ましくは0.3〜5重量%のデンプン誘
導体、約0.1〜25重量%、好ましくは0.1〜15
重量%の添加剤及び成分、並びに約0〜50重量%、好
ましくは0〜30重量%の噴射剤を含んで成るであろ
う。このタイプの製剤には局部スプレー、並びに芳香剤
及び抗微生物剤を含む製品が含まれる。
【0025】局部スプレーにはエアゾールスプレー又は
噴射剤を含む製品が含まれる。本発明の製剤においては
どのような公知の噴射剤も使用できうるが、好適な噴射
剤には非ハロゲン化炭化水素、特に低沸点炭化水素、例
えばC3 −C6 直鎖及び枝分れ鎖の炭化水素、即ち、プ
ロパン、ブタン、イソブタン及びそれらの混合物が含ま
れる。その他の好適な噴射剤にはエーテル、例えばジメ
チルエーテル、ハイドロフルオロカーボン、並びに圧縮
ガス、例えばN2 及びCO2 が含まれる。
【0026】ビヒクル又はベースとしての溶媒系の利用
は、増粘及び/又はエマルション安定化特性を供するた
めに特定のデンプン誘導体を含むその他の化粧製剤にか
かわる。この溶媒系は特定のデンプン誘導体、添加剤並
びに活性及び機能性成分、任意的に噴射剤及びバランス
溶媒を含んで成るであろう。この溶媒はスキンケア製剤
の成分を溶解又は分散せしめることのできる任意の公知
の有機溶媒であってよく、そしてより詳しくは脂肪アル
コール、エステル、エーテル、ケトン、アミン及び炭化
水素、例えば芳香族、硝酸化及び塩素化炭化水素であ
る。特に好適な有機溶媒は低級脂肪アルコール、例えば
1-3 アルコール、そして特にエタノールである。一般
に、溶媒系は約25〜99.8重量%、好ましくは50
〜80重量%の溶媒、約0.1〜20重量%、好ましく
は0.3〜5重量%のデンプン誘導体、約0.1〜25
重量%、好ましくは0.1〜15重量%の添加剤及び成
分、並びに約0〜75重量%、好ましくは0〜35重量
%の噴射剤を含んで成るであろう。
【0027】水性又は溶媒ベース系のいづれかに含まれ
うる添加剤及び成分はエマルション及び油ベース系につ
いて前記したものと同じである。溶媒系の中に含まれう
る噴射剤は水性系について前記したものと同じである。
更に、水性及び溶媒系の混合物を使用してよく、ここで
水及び溶媒、特にアルコールは成分、即ちデンプン誘導
体、添加剤及び噴射と組合せる。かかる製剤は上記の成
分と共に25〜99.8重量%、好ましくは50〜80
重量%の水と溶媒との組合せを含んで成るであろう。
【0028】本発明に係る化粧製剤の中で用いられるア
ミノ−多重カルボキシレートデンプン誘導体(I)及び
(Ia)は増粘又はエマルション安定化に有効な量を占
めるであろう。より詳しくは、このアミノ−多重カルボ
キシレートデンプン誘導体は化粧製剤の約0.1〜20
重量%、そして好ましくは約0.3〜5重量%を占める
であろう。
【0029】化粧エマルション製剤の調製は一般に一つ
の槽の中に油可溶性成分を加え、そして例えば75〜8
0℃に熱し、次いで別の槽の中で水溶性成分と合わせ、
次いで例えば75〜80℃に熱することを含む。O/W
又はW/Oエマルションを調製することに依存して、温
めた内相を撹拌しながら外相にゆっくりと加える。
【0030】以上の実施例は本発明の態様を更に例証す
る。実施例において、何らかのことわりのない限り、全
ての部及びパーセンテージは重量で示し、そして全ての
温度はセッ氏で示す。
【0031】
【実施例】実施例1 本例はアミノ−多重カルボン酸試薬、即ち、2−クロロ
エチルアミノジプロピオン酸(以降、CEPAと称す)
で修飾されたデンプンの調製を例証する。
【0032】この反応全体を通じてオーバーヘッド撹拌
を利用した。脱イオン水(150ml)を1リットルのビ
ーカーに入れ、そして外部恒温浴槽により45℃に熱し
た。水の中に硫酸ナトリウム(30g;デンプンに基づ
いて30%)を溶かし、続いてポテトスターチ(100
g)を小分けにしてこの溶液に加えて均質なスラリーに
した。3%の水性水酸化ナトリウム溶液(25ml)を、
デンプンの膨潤を抑えるようによく撹拌しながらゆっく
りと加えた。8%のデンプントリートメント(乾燥ベー
ス)を供するように25%のCEPA試薬の水性溶液
を、反応における苛性レベルを高く(約11.0〜1
1.5のpH)保つ添加速度において3%の水性水酸化ナ
トリウム溶液(170ml)と同時に加えた。反応を42
〜45℃で16時間行い、次いで3NのHClの添加に
より約6.5のpHに中和し、続いて30分撹拌した。次
にこのデンプンを濾過し、そして150mlの水で2回洗
い、そして風乾した。結合窒素についてのデンプンの分
析は0.25%のN(乾燥ベース)を示し、デンプンが
アミノジカルボン酸試薬(CEPA)で修飾されている
ことを示唆する。
【0033】上記のようにして調製したCEPAデンプ
ン誘導体の1%のデンプン加熱を(90mlの脱イオン水
中1gの誘導体)20分行った。CEPAポテトスター
チの加熱は1分以内で増粘を起こし、そして滑らかな稠
度及び優れた非粘着質なコンディショニング肌感覚を有
する半透明ゲルをもたらした。このデンプンは塩感受性
でもあり、これにより肌の表層上で「壊れ」、そして非
常によくすり込むことができる。
【0034】実施例2 実施例1記載のCEPAポテトスターチ誘導体以下のよ
うにして化粧ローションへと配合せしめた。
【0035】以下の成分を有する油相(相A)及び水相
(相B)を調製し、そしてプロピレングリコール(と)
ジアゾリジニル尿素(と)メチルパラベン及びポリパラ
ベンの組合せであるSutton Laborator
iesの製品Germaben II Eと組合せ、そして
混合して化粧ローションにした。
【0036】 相A 重量部 セチルアルコール 1.0 オクチルパルチメート 5.0 C12-15 アルキルベンゾエート 5.0 ステアリン酸T.P. 2.0 ジメチコーンコポリオール 1.0 相B 重量部 脱イオン水 79.5 トリエタノールアミン(99%) 0.5 プロピレングリコール 3.0 CEPAポテトスターチ 2.0 相C 重量部 Germaben II E 1.0
【0037】CEPA修飾ポテトスターチを含み、且つ
サンプルAと特定する上記のサンプルをコントロールサ
ンプル、即ち、CEPAデンプン誘導体を有さず、そし
て増粘剤(Carbopol)又は第二乳化剤を含まな
いコントロール1及びCEPAデンプン誘導体は有さな
いがCarbopolと第二乳化剤とは含むコントロー
ル2と比較した。また、一方はCarbopolを含ま
ず(サンプルB)、そして他方は第二乳化剤を含まない
(サンプルC)CEPAポテトスターチを含む2種のサ
ンプルも評価した。その配合を以下に示す。
【0038】 サンプル 相A A B C コントロ コントロ ール1 ール2 セチルアルコール 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 Ceteth 20 − 1.0 − − 1.0 グリセリルステアレートSE − 1.0 − − 1.0 オクチルパルミテート 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 C12-15アルキルベンゾエート 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 ステアリン酸T.P. 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 ジメチコーンコポリオール 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 相B A B C コントロ コントロ ール1 ール2 脱イオン水 79.5 77.5 78.5 81.5 78.5 Carbopol 940 − − 0.5 − 0.5 トリエタノールアミン 0.5 0.5 1.0 0.5 1.0 (99%) プロピレングリコール 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 CEPAポテトスターチ 2.0 2.0 2.0 − − 相C A B C コントロ コントロ ール1 ール2 Germaben II E 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
【0039】上記のサンプルを全て周囲、オーブン(4
5℃)、凍結融解及び冷蔵の標準実験室安定試薬(1ヶ
月)にかけた。コントロール1は45℃で24時間後に
不良となり、そのエマルションは離相した。他の配合物
は全てこの安定性試験に合格した。美学的には、CEP
AポテトスターチがCarbopolを代替し、且つ第
二乳化剤を有さないサンプル配合物Aが最良の肌感覚及
び外観を有していた。この配合物は非常にソフトコンデ
ィショニング非粘着質感覚、及び良好な白色光沢外観を
有していた。
【0040】サンプルA及びコントロール2を45℃及
び室温での加速粘度試験にかけた。結果を以下に示す: 粘度 時間 サンプルA コントロール2 周囲 はじめ 16,670 34,750 45℃ はじめ 17,000 33,166 周囲 1週間 22,000 34,000 45℃ 1週間 17,500 17,583 周囲 2週間 22,500 34,644 45℃ 2週間 20,000 23,416 周囲 8週間 21,500 33,083 45℃ 8週間 13,000 27,500 周囲 11週間 22,000 32,166 45℃ 11週間 15,666 15,588 周囲 20週間 19,000 27,416 45℃ 20週間 11,083 7,083 (65%) (21%)
【0041】粘度試験は、CEPAポテトスターチサン
プル(A)が経時的に比較的安定であり、そして事実上
Carbopol標準品(コントロール2)より優れて
いることを示唆した。CEPAポテトスターチサンプル
は45℃においてその粘度の65%を保っており、一方
Carbopolサンプルは21%しか保たなかった。
【0042】実施例3 実施例1記載のCEPAポテトスターチ誘導体を含むモ
イスチャーライジングハンド及びボディーローションを
配合し、そして以下の成分を有する。
【0043】 相A 重量部 N−ブチルステアレート 8.00 C12-15 アルキルベンゾエート 2.00 セテアリールオクタノエート 5.00 イソプロピルパルミテート 5.00 ステアリン酸 T.P. 2.00 セチルアルコール 1.00 ラノリンアルコール 0.50 ジメチコーンコポリオール 1.00 シクロメチコーン 3.00 フェニルトルメチコーン 1.00 トコフェロールアセテート 1.00 相B 重量部 脱イオン水 59.25 メチルパラベン 0.15 プロピルパラベン 0.10 三ナトリウムEDTA 0.05 トリエタノールアミン(99%) 0.80 アクリレート/オクチルアクリルアミド コポリマー 1.00 CEPAポテトスターチ 4.00 相C 重量部 プロピレングリコール 3.00 アルミニウムスターチ オクテニル−スクシネート 2.00 相D 重量部 ジアゾリジニル尿素 0.15 100.00
【0044】アクリレート/アクリルアミドコポリマー
及びアルミニウムデンプンオクテニル−スクシネートを
除く相Bの成分を80℃に加熱し、そしてアクリレート
/アクリルアミドコポリマーを添加が終えるまで混合し
ながらゆっくり加えた。相Aの成分を組合せ、そして8
0℃に熱し、次いで温度を80℃に保ちながら相Bに加
え、15分混合した。その混合物を40℃に冷却した。
アルミニウムデンプンオクテニル−スクシネートをプロ
ピレングリコールの中でスラリーにし、次いで組合せ混
合物に40℃で加え、次いで相Dを加え、そして均質と
なるまで混合した。その配合物を室温にまで冷却した。
本実施例は増粘剤及びエマルション安定化剤としてのC
EPAポテトスターチ誘導体の利用を述べる。
【0045】実施例4 無機酸化亜鉛サンブロック及び実施例1のCEPAポテ
トスターチ誘導体を含むサンスクリーン製剤を配合し、
そして以下の成分を有する。
【0046】 相A 重量部 オクチルメトキシシンナメート 7.50 DEAセチルホスフェート 1.50 シクロメチコーン 2.00 セテアリールアルコール 1.00 トコフェロールアセテート 0.50 セテアリールオクタノエート 8.00 相B 重量部 脱イオン水 67.40 三ナトリウムEDTA 0.10 プロピレングリコール 3.00 CEPAポテトスターチ 2.00 相C 重量部 酸化亜鉛 6.00 相D 重量部 Germaben II E 1.00 100.00
【0047】相Bの成分をゆっくり添加してCEPAポ
テトスターチと組合せ、次いで80℃に加熱してよく混
合した。相Aを組合せ、そして混合しながら80℃に熱
し、次いで相Bに加え、そして15分混合した。相Cを
加え、よく混合し、そして90℃に冷やし、次いで混合
しながら相Dを加える。CEPAデンプン誘導体は酸化
亜鉛ベース系を効果的に増粘した。
【0048】実施例5 有機系UV吸収性サンスクリーンを利用してサンスクリ
ーン製剤(SPF6)を配合し、そして以下の成分を有
する。
【0049】 相A 重量部 オクチルメトキシシンニメート 7.50 オクチルパルミテート 5.00 セチルアルコール 1.00 ステアリン酸T.P. 2.00 ジメチコーンコポリオール 1.00 相B 重量部 脱イオン水 80.60 メチルパラベン 0.15 プロピルパラベン 0.10 トリエタノールアミン(99%) 0.50 CEPAポテトスターチ 2.00 相C 重量部 ジアゾリデニル尿素 0.15 100.00
【0050】CEPAポテトスターチを相B成分に加
え、そして80℃に熱した。相Aを組合せ、80℃に熱
し、次いで15分混合しながら相Bを加えた。その混合
物を40℃に冷やし、相Cを加え、そして良く混合し、
そしてその配合物を室温に冷やした。本実施例は増粘さ
れた低界面活性剤含有サンスクリーンを例証する。
【0051】実施例6 実施例1のCEPAポテトスターチ誘導体を含むシェー
ブクリーム製剤を以下の成分と配合せしめた。
【0052】 相A 重量部 ステアリン酸T.P. 8.00 相B 重量部 脱イオン水 76.80 ラウリル硫酸ナトリウム 7.00 トリエタノールアミン(99%) 5.00 CEPAポテトスターチ 2.00 相C 重量部 Germaben II E 〔プロピレングリコール(と) ジアゾリジニル尿素(と)メチルパラベン (と)プロピルパラベン〕 1.00 相D 重量部 芳香剤 0.20 100.00
【0053】相Bの成分を組合せ、そして80℃に熱し
た。別の槽の中で、相Aを80℃に熱し、次いで相Bを
加えて、そして15分混合した。この混合物を40℃に
冷やし、相C及びDをよく混合しながら加えた。室温に
冷却後、その配合物をエアゾール缶の中に充填した(9
6.5%の上記濃縮配合物及び3.5%の噴射剤A−4
6)。本実施例は、CEPAポテトスターチの利用が噴
射剤ベースシェーブクリームを効果的に増粘することを
示す。
【0054】実施例7 実施例1のCEPAポテリスチーチを含む別の化粧製剤
アフターシェーブ香油を以下の成分で配合せしめた。
【0055】 相A 重量部 N−ブチルステアレート 4.00 セチルパルミテート 2.50 ミリスチルプロピオネート 3.00 ミネラル油/PEG−30 ラノリン/セチルアルコール 1.50 相B 重量部 脱イオン水 69.60 レシチン 1.00 CEPAポテトスターチ 2.00 NaOH(25%) 0.40 メチルパラベン 0.15 プロピルパラベン 0.15 相C 重量部 グリセリン 7.00 アルミニウムスターチ オクテニルスクシネート 8.00 フェノキシエタノール 0.20 相D 重量部 芳香剤 0.50 100.00
【0056】CEPAポテトスターチを相B成分に分散
し、そして80℃に熱した。相A成分を組合せ、80℃
に熱し、そして混合しながら(15分)相Bに加えた。
40℃に冷却後、アルミニウムデンプンオクテニルスク
シネート及びグリセリンを加え、続いてよく混合しなが
らフェノキシエタノールを加えた。相Dを加え、そして
その配合物を均質となるまで混合した。この配合物は効
果的に増粘されたアフターシェーブ香油エマルションを
示す。
【0057】実施例8 アルファーヒドロキシ酸及び実施例1のCEPAポテト
スターチを含むスキントリートメント用化粧ローション
を以下の成分で配合せしめた。 相A 重量部 イソプロピルパルミテート 6.50 ステアリン酸T.P. 4.00 グリセリルステアレート 2.00 PEG100ステアレート 2.00 セチルアルコール 1.50 イソステアリン酸 1.00 ジメチコーン 1.00 PEG40ステアレート 0.50 相B 重量部 脱イオン水 68.55 水酸化アンモニウム(28%) 2.00 CEPAポテトスターチ 2.00 BHA 0.10 ソルビタンステアレート 0.50 相C 重量部 グリコール酸(70%溶液) 8.00 相D 重量部 イミダゾリジニル尿素 0.35 100.00
【0058】相Bの成分を組合せ、そして80℃に熱し
た。相Aの成分を組合せ、80℃に熱し、相Bに加え、
そして15分混合した。50℃に冷却後、相Cを混合し
ながら加え、次いでよく混合しながら相Dを加える。こ
の配合物を室温にまで冷やし、そしてCEPAポテトス
ターチの利用は低pHのアルファーヒドロキシ酸エマルシ
ョンを増粘することを示した。
【0059】実施例9 実施例1のCEPAポテトスターチを含む液体タルク溶
媒ベース化粧製剤を以下の成分で配合せしめた。
【0060】 相A 重量部 セテアリールアルコール 0.50 PPG3ミリスチルエーテル 0.25 乳化ワックスN.F. 2.50 相B 重量部 脱イオン水 64.50 CEPAポテトスターチ 2.00 無水エタノール 20.00 ポリソベート80(と)セチルアルコール (と)アセチレートラノリンアルコール 0.25 相C 重量部 タピオカ 10.0 100.0
【0061】脱イオン水及びCEPAポテトスターチを
組合せ、80℃に熱し、10分混合し、そして60℃に
冷やし、残りのB相成分を加えた。相A成分を組合せ、
60℃に熱し、そして混合しながら相Bに加えた。その
混合物を50℃に冷やし、相Cを混合しながら加え、そ
して室温にまで冷やした。その配合物は効果的に増粘さ
れた溶媒(エタノール)ベース系を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン ジェイ.ツァル アメリカ合衆国,08502 ニュージャージ ー,ベル ミメド,ウッドビュー ドライ ブ 74 (72)発明者 ジョセフ パサペイン アメリカ合衆国,07960 ニュージャージ ー,モリスタウン,ヒルクレスト アベニ ュ 39 (72)発明者 カレン エー.バーナード アメリカ合衆国,20879 メリーランド, ガイザーズバーグ,コリアンダー ドライ ブ 7905,アパートメント 303

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧スキンケアー又はヘアーケアー製剤
    であって、増粘又はエマルション安定化に有効な量の下
    記の構造を有するアミノ−多重カルボキシレートデンプ
    ン誘導体を含む製剤: 【化1】 (式中、St−Oはデンプン分子を表わし;RはH又は
    CH3 であり;R′はH,CH3 又はCOOHであり;
    Mは陽イオンであり;nは2又は3であり;そしてR″
    はH又は1〜18個の炭素原子のアルキルである)。
  2. 【請求項2】 化粧製剤の重量に基づき0.1〜20重
    量%のデンプン誘導体を使用している、請求項1記載の
    製剤。
  3. 【請求項3】 R,R′及びR″がそれぞれHであり、
    MがHであり、そしてnが2である、請求項2記載の製
    剤。
  4. 【請求項4】 前記デンプン誘導体が構造式(I)を有
    している、請求項3記載の製剤。
  5. 【請求項5】 化粧製剤の重量に基づき0.1〜5重量
    %のデンプン誘導体を使用しており、そしてそのデンプ
    ンがポテトスターチである、請求項4記載の製剤。
  6. 【請求項6】 エマルション、水性系、溶媒系、又は水
    性と溶媒系の混合物を含んで成る化粧ビヒクルを含む、
    請求項1記載の化粧製剤。
  7. 【請求項7】 前記化粧ビヒクルが10〜90重量%の
    油相及び10〜90重量%の水相を含んで成る、請求項
    6記載の製剤。
  8. 【請求項8】 R,R′及びR″がそれぞれHであり、
    MがHであり、そしてnが2である、請求項7記載の製
    剤。
  9. 【請求項9】 前記デンプン誘導体が構造式(I)を有
    し、そして化粧製剤の重量に基づき0.1〜20重量%
    の量で用いられている、請求項8記載の製剤。
  10. 【請求項10】 化粧製剤の重量に基づき0.3〜5重
    量%のデンプン誘導体を使用しており、そしてデンプン
    がポテトスターチである、請求項9記載の製剤。
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