JPH0839580A - 樹脂製管継手の製造方法 - Google Patents

樹脂製管継手の製造方法

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JPH0839580A
JPH0839580A JP17817894A JP17817894A JPH0839580A JP H0839580 A JPH0839580 A JP H0839580A JP 17817894 A JP17817894 A JP 17817894A JP 17817894 A JP17817894 A JP 17817894A JP H0839580 A JPH0839580 A JP H0839580A
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JP
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resin
mold
tube
woven fabric
fiber
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JP17817894A
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English (en)
Inventor
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】注型法等により樹脂製管継手を製造する場合、
内型として、組立てや脱型の容易な簡易構成のものを使
用することにより、生産性の向上、低コスト化を図る。 【構成】内型Aの外周材である筒状繊維織物2を用意し
ておき、この筒状繊維織物2内に膨張可能なチュ−ブ3
を挿入し、該チュ−ブ3を流体の圧入により膨張させて
内型Aを組立て、該内型Aを外型4内に組み込み、筒状
繊維織物2の膨らみ状態を保持しつつ外型4内に樹脂材
料を注入し、注入樹脂の固化後、外型4を脱型のうえ、
上記のチュ−ブ3並びに筒状繊維織物2を脱離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製管継手の製造方法
に関し、特に、受口内面にアンダ−カットや逆テ−パを
有する繊維材強化熱硬化樹脂製管継手の製造に有用なも
のである。
【0002】
【従来の技術】樹脂製管継手の製造方法の一つとして、
外金型内にコア金型を組み込み、外金型内面とコア金型
外面との間のキャビティに樹脂材料を注入し、樹脂の固
化をまって脱型する方法(注型法)が知られている。
【0003】また、予め形成した樹脂製の管継手本体に
補強繊維材を巻き付けたうえで、これを外金型内に組み
込み、外金型内に樹脂材料を注入し、補強繊維材にこの
注入樹脂を含浸してレジンインジェクション法によって
樹脂製管継手本体を一体に有する繊維強化樹脂製管継手
を製造することも公知である(特公平2−25776号
公報)。
【0004】更に、受口内面にゴムリング装着溝や抜け
止めリング装着溝等のアンダ−カットや逆テ−パを有す
る管継手を対象とし、受口内周面の形状を有する樹脂短
管を予め射出成形等により成形しておき、この樹脂短管
をマンドレルの両端部に装着し、フィラメントワインデ
ィング法により成形を行い、受口内周に樹脂短管を一体
に有する繊維強化樹脂製管継手を製造することも公知で
ある(特開平5−278140号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記注
型法のように、コア金型を使用する以上、受口内面にゴ
ムリング装着溝や抜け止めリング装着溝等のアンダ−カ
ットや逆テ−パを有する管継手の場合、コア金型を縮径
可能な分割構造とする必要があり、コア金型の構造の複
雑化のために、金型コストの高騰、離型作業の作業性低
下が避けられない。
【0006】また、特公平2−25776号公報記載の
製造方法でも、樹脂製管継手本体の受口内面にゴムリン
グ装着溝や抜け止めリング装着溝等のアンダ−カットや
逆テ−パが存在する場合、樹脂製管継手本体を成形する
コア金型を縮径可能な分割構造とする必要があり、上記
と同様な問題がある。
【0007】更に、特開平5−278140号公報記載
の製造方法でも、受口内周面の形状を有する樹脂短管の
成形において、上記と同様な問題があり、しかも、フィ
ラメントワインディング法である以上、完全な自動化が
困難であり、熟練者の確保や設備設置に多大なスペ−ス
を必要とするといった問題もある。
【0008】本発明の目的は、レジンインジェクション
法や反応射出成形法等により樹脂製管継手を製造する場
合、内型として、組立てや脱型の容易な簡易構成のもの
を使用することにより、生産性の向上、低コスト化を図
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂製管継
手の製造方法は、内型を外型内に組み込み、樹脂材料の
注入、固化並びに脱型により樹脂製管継手を製造する方
法であって、内型の外周材である筒状繊維織物を用意し
ておき、この筒状繊維織物内に膨張可能なチュ−ブを挿
入し、該チュ−ブを流体の圧入により膨張させて内型を
組立て、該内型を外型内に組み込み、筒状繊維織物の膨
らみ状態を保持しつつ外型内に樹脂材料を注入し、注入
樹脂の固化後、外型を脱型のうえ、上記のチュ−ブ並び
に筒状繊維織物を脱離することを特徴とする構成であ
る。
【0010】以下、図面を参照しつつ本発明の構成を説
明する。図1は本発明により製造する樹脂製管継手の一
例を示し、受口内面にゴムリング装着溝11や抜け止め
リング装着溝12等を備えている。
【0011】本発明により図1に示す樹脂製管継手を製
造するには、膨らんだときの形状が当該管継手の内面形
状、従って、管継手成形用内型の外周形状に一致する筒
状繊維織物を予め用意しておく。
【0012】本発明により図1に示す樹脂製管継手を製
造するには、図2の(イ)に示すように、一端に円板3
1を取付け、他端を閉塞した膨張可能なチュ−ブ3を上
記した筒状繊維織物2に挿入し、図2の(ロ)に示すよ
うに、該筒状繊維織物2の一端と円板31との間を、例
えば押え板311とボルト312とにより結着し、筒状
繊維織物2の他端を同様にして押え円板32に結着し、
而るのち、図2の(ハ)に示すように、円板31の流体
送入孔313よりチュ−ブ3に流体を圧入し、チュ−ブ
3を膨張させ、その膨張圧力で筒状繊維織物2を膨らま
せて内型Aを組み立てる。
【0013】この内型Aにおいては、円板31,32に
作用する圧力が筒状繊維織物2のタテ糸で支持され、膨
張チュ−ブ3の内周面に作用する圧力が筒状繊維織物2
のヨコ糸で支持される結果、タテ糸並びにヨコ糸が共に
テンション状態と成って、筒状繊維織物2が管継手の内
面形状に保形される。
【0014】この内型Aの外面、即ち筒状繊維織物2に
は、離型剤を塗布することが好ましい。また、チュ−ブ
3と筒状繊維織物2の間にも離型剤を介在させる(筒状
繊維織物2の内面への離型剤の塗布か離型フィルムの介
在)ことが好ましい。
【0015】このようにして内型Aを組み立てたのち
は、図3に示すように、外型4(内面には、通常、離型
剤が塗布される)内に内型Aをセットし、外型4をガス
ケット41を介してボルト(図示せず)の締め付け等で
型締めする。この状態において、内型Aの中心線と外型
4内空間の中心線とは、円板31,32によるサポ−ト
により一致され、内型Aと外型4との間にキャビティが
確保される。この場合、内型Aの膨張チュ−ブ3内の内
圧流体が比較的比重の大きい液体の場合、筒状繊維織物
2並びに膨張チュ−ブ3がその液体重量で撓むのを回避
するために、内型Aを縦向きとするように外型4の向き
を縦向きとすることが好ましい。
【0016】このようにして、外型4を型締めすれ
ば、、注型装置5のノズル51を外型4の注入孔42に
連結し、内型Aの内圧よりも低い圧力でキャビティに樹
脂材料を注入し、冷却固化させる。樹脂材料として硬化
性樹脂材料を使用する場合は、図3に示すように、二液
A,Bを各貯槽52a,52bから各ポンプ53a,5
3b(プランジャ−ポンプ、ギアポンプ)で混合ヘッド
54に計量供給し、これを混合し、この混合液、すなわ
ち、液状硬化性樹脂材料を上記内型Aの内圧よりも低い
圧力でキャビティに注入し、注入ゲ−トを閉じ、この注
入液を硬化反応により固化させる。
【0017】このようにして、注入樹脂を固化させれ
ば、外型4を開き、内型Aと共に樹脂成形体を取り出
し、円板32を取外す。ついで、チュ−ブ3を内圧の放
出により収縮させ、この収縮チュ−ブを引き抜き、更
に、成形体内面から筒状繊維織物2を剥離したうえで
(なお、筒状繊維織物の内周面並びに外周面に離型剤を
塗布しておけば、チュ−ブの引き抜きや筒状繊維織物の
剥離は至って簡単に行うことができる)、当該成形体の
両端をトリミングして製品を得る。
【0018】その後は、外型を清掃し、更に、その内面
に離型剤を塗布し、次ぎの内型をセットし(樹脂材料の
注入・固化の工程中に次ぎの内型を組み立てておく)、
以上のプロセスを1サイクルとして以後、サイクルを繰
り返していく。
【0019】上記筒状繊維織物2には、通常、環状織機
により織られ、タテ糸とヨコ糸とが直交されている平織
り組織のものが使用される。この筒状繊維織物において
は、内圧による膨らみ状態で、タテ糸並びにヨコ糸にそ
れぞれ引っ張り応力が作用し、これらのタテ糸並びにヨ
コ糸がテンション状態となって管継手の内面形状に保形
され、このテンション状態でのタテ糸並びにヨコ糸の伸
びを実質上、零とし得るように、繊維の材質、織り密度
や番手を設定してある。
【0020】而して、筒状繊維織物の上記内圧による膨
らみ状態のもとでは、筒状繊維織物の周方向断面の単位
面積当たりの引っ張り応力が筒状繊維織物の軸方向断面
の単位面積当たりの引っ張り応力の2倍となるので、ヨ
コ糸(周方向)の繊維量はタテ糸(軸方向)の繊維量の
2倍とすることが好ましい。
【0021】この筒状繊維織物の繊維には、ガラス繊
維,炭素繊維等の無機繊維、ポリエチレン繊維,ポリア
ミド繊維,ポリビニルアルコ−ル繊維,ポリエステル繊
維,アクリル繊維,アラミド繊維等の有機合成繊維等が
使用可能であるが、特に、注入圧力が高く、内圧が高く
されるために、高引張り強度が要求される場合は、ガラ
ス繊維やポリビニルアルコ−ル繊維が好適であり、これ
らのうち、ガラス繊維が経済性にも有利である。
【0022】この筒状繊維織物における織り密度は、小
さ過ぎると機械的強度上不利であり、また、管継手内面
が平滑寸法精度が悪くなるので、これらの点を考慮して
設定され、ガラス繊維の場合では、30〜300g/m
2とすることが好ましい。筒状繊維織物に使用する繊維
の番手については、細すぎると織る際に繊維の断線若し
くは毛羽立ちが生じ、太すぎると管継手内面の平滑寸法
精度が悪くなるので、これらの点を考慮して設定され、
ガラス繊維の場合では、150〜1500g/km、繊
維径で、3〜30μm、好ましくは、1200g/km
以下、20μm以下とされる。そのガラスの種類として
は、E(絶縁ガラス)、C(ケミカルガラス)、S(高
強度ガラス)等の使用が可能であるが、筒状繊維織物を
使い捨て(一回限りの使用)とする場合、耐食性や強度
よりも経済性を重視し、Eガラスを使用することが望ま
しい。
【0023】上記において、膨張可能なチュ−ブ3に
は、筒状繊維織物2より大きな内容積で膨張させ得るも
のであれば使用可能であり、通常、弾性体のチュ−ブが
使用されるが、プラスチックフィルムの袋も使用可能で
ある。弾性体のチュ−ブとしては、ゴムまたは熱可塑性
エラストマ−等、例えば、ウレタンゴム、イソプレンゴ
ム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、メチルメタ
クリレ−ト−ブタジエン共重合体ゴム、シリコンゴム等
の合成ゴムまたは、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体、高重合度塩化ビニル樹脂、ポリオレフ
ィン系エラストマ−等の熱可塑性エラストマ−等が使用
可能であるが、樹脂成形体との離型性、耐久性等に優れ
ているシリコンゴムまたは経済的に低廉なウレタンゴム
を使用することが好ましい。
【0024】上記において、樹脂材料の注入圧力は、通
常、2〜5kg/cm2程度とされ、チュ−ブの膨張内
圧はこれよりもやや高圧とされ、通常、3〜8kg/c
2程度とされる。チュ−ブの厚みは、かかる内圧のも
とで筒状繊維織物の内側に密接させ得るように充分に薄
肉とされ、ゴムの場合、0.1〜2mmとすることが好
ましい。
【0025】上記において、樹脂材料に硬化性樹脂材料
を使用する場合、その硬化性樹脂材料には、比較的低圧
下での注入で熱または触媒の作用により硬化反応を起こ
し、不溶不融となるものが使用され、この硬化性樹脂材
料の加圧注入・硬化成形には、RI成形(レジンインジ
ェクション成形の略称であり、型の適切な位置に設けた
注入孔を通じ、直前に必要量の触媒促進剤を配合した硬
化性樹脂を圧入充填した後、注入孔を閉じ、常温乃至5
0℃程度で硬化させる)、またはRIM成形(リアクシ
ョンインジェクションモ−ルディングの略称であり、二
種以上の低分子量で、かつ低粘度の2官能性以上の単量
体または初期重合体を、加圧下で混合室を通過させたの
ち、直ちに、密閉型中に射出することにより、高度に化
学的に活性を有する液体成分が金型内で反応して、高分
子化合物が生成される)を使用することができる。
【0026】RI用の硬化性樹脂材料には、硬化性樹脂
100重量部に硬化剤を0.5〜2重量部添加したもの
(促進剤は注入の直前に添加される)が使用され、その
硬化性樹脂には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ビニ−ルエステル樹脂、フェノ−ル樹脂等を使用で
き、特に、不飽和ポリエステル樹脂、ビニ−ルエステル
樹脂が伸びに優れており、好適である。
【0027】RIM用の硬化性樹脂材料には、ポリ・ジ
シクロペンタジエン系(ポリ・ジシクロペンタジエンモ
ノマ−・金属触媒・添加物からなるA液と前記モノマ−
・活性剤・反応遅延剤・添加剤からなるB液の組合
せ)、ウレタン系(ポリオ−ルのA液とポリイソシアナ
−トのB液の組合せ)、ナイロン系(例えば、ポリオ−
ル・ビスイミド・カプロラクタムからなるA液と触媒
(臭化マグネシウム)・カプロラクタムからなるB液と
の組合せ)、エポキシ系(エポキシポリマ−のA液と例
えばポリアマイド・ポリアミン等の架橋剤のB液との組
合せ)等を使用でき、特に、ポリ・ジシクロペンタジエ
ン系が耐水性、伸びに優れており好適である。
【0028】上記硬化性樹脂材料の注入・硬化成形をR
IやRIMで行う場合、発熱反応温度が高温であること
が多いが、筒状繊維織物並びに膨張可能なチュ−ブに、
かかる高温に対する耐熱性が付与されていることは勿論
である。
【0029】上記において、筒状繊維織物の外面、また
は内外周面に離型材を塗布する場合、フッ素樹脂コ−
ト、例えば、ポリテトラフロオロエチレンコ−トを使用
することができる。
【0030】上記において、チュ−ブに圧入する流体に
は、空気等の気体、水、油、グリス等の液体を使用で
き、非圧縮流体である水、油、特に、注入樹脂温度や硬
化発熱による気化を回避できる油を使用することが好ま
しい。
【0031】上記において、樹脂の固化、樹脂成形体の
取り出し、外型の清掃並びに離型剤の塗布に要する合計
時間をT1、樹脂の注入に要する時間をT2とすれば、T
1/T2台(正確には、n≦T1/T2<n+1を満たすn
台)の外型を使用し、これらの外型による製造をT2
間のずれで行い、1箇の樹脂注入装置で次ぎから次ぎへ
と型に注入していく方式、例えば、タ−ンテ−ブル方式
を使用することもできる。
【0032】本発明においては、樹脂材料、特に熱硬化
性樹脂材料には、補強用繊維、または補強用繊維と無機
粒子フィラ−を混合することが望ましい。この補強用繊
維としては、ガラス繊維,炭素繊維等の無機繊維、ポリ
エチレン繊維,ポリアミド繊維,ポリビニルアルコ−ル
繊維,ポリエステル繊維,アクリル繊維,アラミド繊維
等の有機合成繊維等を使用できる。特に、管継手の剛性
の向上には、ガラス繊維を使用することが好ましく、耐
衝撃性の向上には、ポリエチレン繊維,ポリアミド繊維
等が好適である。繊維の長さは、補強用としては、1m
m〜7.62mm(3インチ)が使用され、その繊維体
積含有量は、3〜30%、好ましくは、8〜15%とさ
れる。注入に適した樹脂の増粘のためには、長さ100
μm〜1mmの使用が有効である。
【0033】無機粒子フィラ−の添加は、樹脂成形体の
クラックの伝播を防止し、樹脂使用量の節減のために有
効であるが、余り多量に添加すると材質の脆弱化が問題
となる。この無機粒子フィラ−としては、炭酸カルシウ
ム(重質炭酸カルシウムの汎用グレ−ドで0.2〜60
μmの粒子径、重質炭酸カルシウムの微細グレ−ドで
0.2〜15μmの粒子径)、水酸化アルミニウム(平
均粒子径は0.6〜70μm)、マイクロバル−ン(平
均粒子径は10〜130μm)特に、ガラスマイクロバ
ル−ン(平均粒子径は60〜80μm)等の使用が可能
り、粒子径に応じ添加量が定められ、例えば、炭酸カル
シウム(重質炭酸カルシウムの汎用グレ−ド)10〜3
00部とアエロジルのようなガラス短繊維(通常、1〜
50μm)300〜10部との組合せが好適である。
【0034】本発明においては、上記した内型に伸縮性
筒状補強材を被施し、外型内に加圧注入した樹脂材料、
特に硬化性樹脂材料を伸縮性筒状補強材に含浸させ、こ
の含浸樹脂材料を硬化させて、図4に示すように、樹脂
製継手本体1を伸縮性補強材6で補強した繊維強化樹脂
製とすることもできる。
【0035】この場合、伸縮性筒状補強材6には、円筒
状のものを使用し、これを前記の内型上に挿通すること
が、マット状繊維材を巻き付ける場合のラップ加減のバ
ラツキ、個人差等を排除でき有利である。
【0036】この伸縮性円筒状補強材には、繊維を円筒
状に編んだものが好ましく用いられるが、繊維の方向が
±450の平織または朱子織であって全体が円筒状のも
の(所謂、編組筒)、多層編組筒に組み紐を組み込んだ
もの等を使用でき、内型に容易にフィットさせるように
半径方向に伸縮するもの(105%〜500%程度の伸
縮)を使用することが好ましい。特に、膨らませた内型
上に挿通したのち、長手方向に引張ることにより同コア
にフィットさせ得るものを使用することが好適である。
【0037】この円筒状補強材の繊維には、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリア
ミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド
繊維等の有機合成繊維を使用でき、特に繊維強化樹脂成
形体に衝撃吸収性が要求される場合は、ポリエチレン繊
維、ポリアミド繊維を使用することが好ましく、繊維強
化樹脂成形体に強度、剛性が要求される場合は、ガラス
繊維を使用することが好ましい。特に、強度以外に取扱
い易さも考慮すれば、ガラス繊維を編んだもので半径方
向の伸縮率が、120%〜200%のものを使用するこ
とが好ましい。
【0038】なお、伸縮性筒状補強材が半径方向並びに
長手方向に特に充分な伸縮性を有する場合、押え円板を
筒状繊維織物に結着する以前に、上記した筒状繊維織物
上に伸縮性筒状補強材を挿通し、押え円板を筒状繊維織
物に結着したのち、チュ−ブの内圧膨張により、筒状繊
維織物を伸縮性筒状補強材を付けたままで膨らませるこ
とも可能である。
【0039】上記円筒状繊維補強材の樹脂、特に熱硬化
性樹脂に対する割合は、通常、樹脂100重量部に対し
5〜300重量部、好ましくは、100〜150重量部
とされる。
【0040】本発明に係る樹脂製管継手の製造方法は、
上記した直線状管継手(ソケット)の他、曲り管継手
(ベンド)、エルボ−管、片落ち管(レジュ−サ−)、
T字状管継手、十字状管継手等の他、受口の外周面にフ
ランジを設けたフランジ付き短管の製造にも使用でき、
何れの形式の管継手においても、受口内面はパッキング
装着溝と抜け止めリング装着溝を有するものの他、パッ
キング装着溝のみを有するもの、平滑面のものも含まれ
る。
【0041】
【作用】筒状繊維織物においては、内部に膨張可能なチ
ュ−ブを挿入し、チュ−ブを膨張させると、タテ糸並び
にヨコ糸の引っ張り応力が平衡してチュ−ブの膨張形状
が織り構成に基づく特定の形状となる。
【0042】而るに、筒状繊維織物を当該特定形状が、
製造しようとする管継手の内面形状と成るように作成
し、この筒状繊維織物をチュ−ブを介しての内側からの
加圧によりその特定形状に膨らませ、これを外型内にセ
ットし、金型への樹脂注入圧力よりも前記内圧を高くし
ているので、樹脂注入時においても、膨らんだ筒状繊維
織物の特定形状を安定に維持でき、膨んだ筒状繊維織物
をコアとして所定の内面形状の樹脂製管継手を充分な内
面寸法精度で製造できる。
【0043】また、樹脂固化時の収縮(熱収縮、結晶化
収縮、熱硬化性樹脂の場合の硬化収縮)が、膨張チュ−
ブの弾性により吸収されるので、内部残量応力の発生や
ボイドの発生を効果的に防止できる。
【0044】更に、外型の離型後、膨張チュ−ブの内圧
を解除すれば、チュ−ブに引張り応力が残り、この引張
り応力が、チュ−ブの樹脂成形体からの剥離を促すよう
に作用するから、樹脂成形体からのチュ−ブの剥離を容
易に行い得、チュ−ブの破損もなく、チュ−ブの繰返し
使用を円滑に行うことができる。
【0045】更に、筒状繊維織物の外周面に離型材を塗
布しておくことにより、筒状繊維織物の樹脂成形体内面
からの剥離を容易に行い得、剥離後の樹脂成形体内面、
即ち、管継手内面の平滑寸法精度を高精度にできる。
【0046】従って、コア金型を使用することなく、筒
状繊維織物とチュ−ブとから成る組立てが容易で、しか
も低廉な内型を使用して、充分な内面寸法精度を有する
樹脂製管継手を注型法若しくは射出成形法により製造で
きる。
【0047】
【実施例】
〔実施例1〕製造した樹脂製管継手は、図1に示す受口
内面にゴムリング装着溝並びに抜け止めリング装着溝を
有する樹脂製ソケット継手であり、図1における各部の
寸法は、次ぎの通りである。
【0048】即ち、d0=77mm,d1=90mm,d
2=106mm,d3=101mm,D1=91mm,D2
=116mm,L1=30mm,L2=113mmであ
る。筒状繊維織物は、管継手内面の寸法に従い、番手1
150g/kmのガラス繊維を使用し、タテ糸/ヨコ糸
との繊維割合が1/2、織り密度が500g/m2の平
織りで織製した。
【0049】膨張可能なチュ−ブには、厚み0.3m
m、未膨張時の外径が75mmのシリコンゴムチュ−ブ
を使用し、このチュ−ブを筒状繊維織物に挿入し、同チ
ュ−ブに機械油(出光石油社製の油圧作動油低流動点型
機械油,粘度32cSt)を圧力7kg/cm2で圧入
して筒状繊維織物を膨らませ、内型を組み立てた。
【0050】樹脂材料には、オルソ系不飽和ポリエステ
ル樹脂(三井東圧化学工業社製オルソ系樹脂,伸び1.
8%〕100重量部、促進剤(ナフテン酸コバルト6%
水溶液)0.5重量部、硬化剤(アセチルアセトンパ−
オキサイド)0.8重量部、ガラス短繊維(繊維長さ5
0〜300μm)80重量部、ガラス長繊維(繊維長さ
6mmと13mmの混合物)15重量部を使用し、圧力
2kg/cm2,温度20℃で注入し、温度80℃、1
時間で硬化させた。
【0051】〔実施例2〕樹脂材料に、オルソ系不飽和
ポリエステル樹脂(三井東圧化学工業社製オルソ系樹
脂,伸び1.8%〕100重量部、促進剤(ナフテン酸
コバルト6%水溶液)0.5重量部、硬化剤(アセチル
アセトンパ−オキサイド)0.8重量部、ガラス長繊維
(繊維長さ6mmと13mmの混合物)15重量部、炭
酸カルシウム(白石カルシウム社製,粒子径0.2〜6
0μm)100重量部、ガラス粉(アエロジル社製,粒
子径1〜50μm)60重量部を使用し、ガラス長繊維
(6mmと13mmの混合物)を使用し、チュ−ブ内圧
を7.5kg/cm2とし、圧力5kg/cm2,温度2
0℃で注入し、温度50℃、1時間で硬化させた。他の
条件は、実施例1に同じとした。
【0052】〔比較例〕製造した管継手は実施例1と同
じ形式・寸法の管継手である。コアには、外面形状が管
継手受口の内面形状に一致するウレタンゴム4つ割型
(硬度70)を鉄製(SS41、表面仕上げ精度▽▽▽
▽)芯型の両端に装着したものを使用し、樹脂には、オ
ルソ系不飽和ポリエステル樹脂(三井東圧化学工業社製
オルソ系樹脂,伸び1.8%〕100重量部、促進剤
(ナフテン酸コバルト6%水溶液)0.5重量部、硬化
剤(アセチルアセトンパ−オキサイド)0.8重量部
を、強化繊維には、ガラスチョップドストランドマット
(300g/m 2)をそれぞれ使用し、繊維の体積含有
量を25%にして、ハンドレイアップ法により成形し、
次いで、温度50℃、1時間で硬化させ、更に、脱型を
行った。
【0053】この比較例においては、コアの組立てに平
均3分、脱型に平均5分、従って総計平均8分を要した
が、実施例1並びに実施例2で、型の組立て(内型の組
立てと外型内への内型の組み込み)と脱型に要した総計
時間は平均2分に過ぎず、型の組立て(内型の組立てと
外型内への内型の組み込み)・脱型時間を著しく短縮で
きた。
【0054】而るに、注型法においては、ハンドレイア
ップ法等に較べ、硬化時間が同一であっても、樹脂材料
の成形(注型)に要する時間が著しく短く(実施例1並
びに2の樹脂注入時間は、0.5分程度であり、比較例
のハンドレ時間20分に較べ著しく短い)、型の組立て
・脱型時間の短縮と相俟って、本発明によれば、樹脂製
管継手の製造時間の短縮化を図ることができる。
【0055】更に、本発明に係る樹脂製管継手の方法お
いては、手作業によることが無いため、製品品質の均一
化、安定化を図ることができる。現に、実施例品並びに
比較例品について(何れも、試料数は5箇)、耐水圧試
験、脈動圧試験(0〜20kg/cm2)並びに衝撃試
験(約9kgのナス型錘を高さ1m並びに1.5mの位
置から落下衝突させる)を行ったところ、実施例品1並
びに実施例品2ともに、耐水圧試験については内水圧4
0kg/cm2に充分に耐え、脈動圧試験については水
道用継手規格である2万回を異常なく通過し、衝撃試験
については、割れは皆無であって傷つきも殆ど観られな
かった(実施例品1については、軽度の白化が観られ
た)。これに対し、比較例品においては、耐水圧40k
g/cm2に耐えたものは、5箇中4個であり、残り1
箇は20kg/cm2で漏水し、脈動圧試験結果は、バ
ラツキが顕著であり(30000回〜17000回の範
囲でバラツキが生じた)、うち1箇は、2万回(水道用
継手規格)を満たさず、衝撃試験については、落下高さ
1mで顕著な白化が観られた。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る樹脂製管継手の製造方法に
おいては、筒状繊維織物をその内部に挿入したチュ−ブ
の膨張により管継手の内面形状に膨らませたものを内型
に用いて管継手を注型し、硬化後、チュ−ブを放圧によ
り縮径して脱離しており、金型コアを使用する必要がな
い。従って、受口内面にアンダ−カットや逆テ−パを有
する樹脂製管継手でも、割れ構造の縮径可能な金型コア
を用いることなく製造でき、内型の組立、分解を迅速に
行い得、かつ型コストの低減を図ることができるから、
受口内面にアンダ−カットや逆テ−パを有する樹脂製管
継手を良好な作業性で、かつ低廉な型コストで注型法若
しくは射出成形法により安定な品質で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される樹脂製管継手の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明において使用する筒状繊維織物コアの組
立手順を示す説明図であり、図2の(イ)は筒状繊維織
物にチュ−ブを挿入した状態を、図2の(ロ)は筒状繊
維織物を膨らませる直前の状態を、図2の(ハ)は筒状
繊維織物を膨らませた状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明において使用する製造装置の一例を示す
説明図である。
【図4】本発明により製造される樹脂製管継手の別例を
示す断面図である。
【符号の説明】
2 筒状繊維織物 3 膨張可能なチュ−ブ A 内型 4 外型 5 樹脂注入装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内型を外型内に組み込み、樹脂材料の注
    入、固化並びに脱型により樹脂製管継手を製造する方法
    であって、内型の外周材である筒状繊維織物を用意して
    おき、この筒状繊維織物内に膨張可能なチュ−ブを挿入
    し、該チュ−ブを流体の圧入により膨張させて内型を組
    立て、該内型を外型内に組み込み、筒状繊維織物の膨ら
    み状態を保持しつつ外型内に樹脂材料を注入し、注入樹
    脂の固化後、外型を脱型のうえ、上記のチュ−ブ並びに
    筒状繊維織物を脱離することを特徴とする樹脂製管継手
    の製造方法。
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