JPH07266447A - 樹脂製管継手の製造方法 - Google Patents

樹脂製管継手の製造方法

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JPH07266447A
JPH07266447A JP6058737A JP5873794A JPH07266447A JP H07266447 A JPH07266447 A JP H07266447A JP 6058737 A JP6058737 A JP 6058737A JP 5873794 A JP5873794 A JP 5873794A JP H07266447 A JPH07266447 A JP H07266447A
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JP
Japan
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resin
tube
tubular fiber
pipe joint
woven fabric
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Application number
JP6058737A
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English (en)
Inventor
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】注型法により樹脂製管継手を製造する場合、コ
アとしてコア金型に代え独自の構成のものを使用するこ
とにより、金型コストの低減、離型作業の迅速化を図
る。 【構成】内面に筒状繊維織物2が埋着された樹脂製管継
手を製造する方法であり、膨張可能なチュ−ブ3を筒状
繊維織物2内に挿入し、該チュ−ブ3を流体の圧入によ
り膨張させて膨らませた筒状繊維織物コアAを外型4内
に組み込み、該筒状繊維織物2の膨らみ状態を保持しつ
つ外型4内に樹脂組成物を注入し、注入樹脂の硬化後、
外型から筒状繊維織物埋着樹脂成形体をチュ−ブ3と共
に取り出し、次いで、筒状繊維織物埋着樹脂成形体から
チュ−ブ3を脱離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製管継手、特に、受
口内面にアンダ−カットや逆テ−パを有する繊維材強化
熱硬化樹脂製管継手を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】樹脂製管継手の製造方法の一つとして、
外金型内にコア金型を組み込み、外金型内面とコア金型
外面との間のキャビティに樹脂組成物を注入し、樹脂の
固化をまって離型する方法(注型法)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この管
継手の製造方法のように、コア金型を使用する以上、受
口内面にゴムリング装着溝や抜け止めリング装着溝等の
アンダ−カットや逆テ−パを有する管継手の場合、コア
金型を縮径可能な分割構造とする必要があり、コア金型
の構造の複雑化のために、金型コストの高騰、離型作業
の作業性低下が避けられない。
【0004】従来、予め形成した樹脂製の管継手本体を
補強繊維材を巻き付けたうえで外金型内に組み込み、外
金型内に樹脂組成物を注入し、補強繊維材をこの注入樹
脂で含浸して樹脂製管継手本体を一体に有する繊維強化
樹脂製管継手を製造すること(特公平2−25776号
公報)も公知であるが、この製造方法でも、樹脂製管継
手本体の受口内面にゴムリング装着溝や抜け止めリング
装着溝等のアンダ−カットや逆テ−パが存在する場合、
樹脂製管継手本体を成形する金型のコア金型を縮径可能
な分割構造とする必要があり、上記と同様な問題があ
る。
【0005】本発明の目的は、注型法により樹脂製管継
手を製造する場合、コアとしてコア金型に代え独自の構
成のものを使用することにより、金型コストの低減、離
型作業の迅速化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂製管継
手の製造方法は、内面に筒状繊維織物が埋着された樹脂
製管継手を製造する方法であり、膨張可能なチュ−ブを
筒状繊維織物内に挿入し、該チュ−ブを流体の圧入によ
り膨張させて膨らませた筒状繊維織物コアを外型内に組
み込み、該筒状繊維織物の膨らみ状態を保持しつつ外型
内に樹脂組成物を注入し、注入樹脂の硬化後、外型から
筒状繊維織物埋着樹脂成形体をチュ−ブと共に取り出
し、次いで、筒状繊維織物埋着樹脂成形体からチュ−ブ
を脱離することを特徴とする構成であり、筒状繊維織物
に繊維補強材を被施した状態で筒状繊維織物を外型内に
組み込み、注入した樹脂組成物を繊維補強材に含浸させ
ることもでき、または、樹脂組成物に微細無機フィラ−
を混入することもできる。
【0007】以下、図面を参照しつつ本発明の構成を説
明する。図1は本発明により製造する樹脂製管継手の一
例を示し、1は樹脂製管継手本体、2は筒状繊維織物で
あり、管継手本体1の内面に埋着されている(通常は、
筒状繊維織物が薄い樹脂膜で覆われているが、繊維が受
口内面から局部的に露出している、半埋状態であること
もある)。
【0008】この筒状繊維織物2においては、内面に薄
膜を接触させた状態で内圧を作用させて膨らませた場
合、その膨らんだ形状が管継手の内面形状と成るよう
に、図1における筒状繊維織物では、ゴムリング装着溝
と抜け止めリング装着溝とを有する両端の受口内面部を
中央の径小部で連繋した形状と成るように、織製されて
いる。通常、環状織機により織られ、タテ糸とヨコ糸と
が直交されている平織り組織のものが使用される。
【0009】この筒状繊維織物においては、上記内圧に
よる膨らみ状態で、タテ糸並びにヨコ糸にそれぞれ引っ
張り応力が作用し、これらのタテ糸並びにヨコ糸がテン
ション状態となって管継手の内面形状に保形され、この
テンション状態でのタテ糸並びにヨコ糸の伸びを実質
上、零とし得るように、繊維の材質、織り密度や番手を
設定してある。
【0010】而して、筒状繊維織物の上記内圧による膨
らみ状態のもとでは、筒状繊維織物の縦方向断面の単位
面積当たりの引っ張り応力が筒状繊維織物の横方向断面
の単位面積当たりの引っ張り応力の2倍となるので、ヨ
コ糸の繊維量はタテ糸の繊維量の2倍とすることが好ま
しい。筒状繊維織物の繊維には、ガラス繊維,炭素繊維
等の無機繊維、ポリエチレン繊維,ポリアミド繊維,ポ
リビニルアルコ−ル繊維,ポリエステル繊維,アクリル
繊維,アラミド繊維等の有機合成繊維等が使用可能であ
るが、特に、強度並びに剛性が要求される場合は、ガラ
ス繊維やポリビニルアルコ−ル繊維が好適であり、これ
らのうち、ガラス繊維が経済性にも有利である。また、
耐衝撃性(衝撃吸収性)が要求される場合は、ポリエチ
レン繊維,ポリアミド繊維,ポリビニルアルコ−ル繊維
等が好適である。
【0011】筒状繊維織物における織り密度は、小さ過
ぎると機械的強度上不利であり、大き過ぎると樹脂含浸
量が不足することになるので、これらの点を考慮して設
定され、ガラス繊維の場合では、30〜300g/m2
とすることが好ましい。筒状繊維織物に使用する繊維の
番手については、細すぎると織る際での繊維の断線若し
くは毛羽立ちが生じ、太すぎるとフィラメント間への樹
脂の浸透含浸が困難になるので、これらの点を考慮して
設定され、ガラス繊維の場合では、150〜1500g
/km、好ましくは、1200g/km以下とされる。
【0012】本発明により図1に示す樹脂製管継手を製
造するには、図2の(イ)に示すように、一端に円板3
1を取付け、他端を閉塞した膨張可能なチュ−ブ3を筒
状繊維織物に挿入し、図2の(ロ)に示すように、該筒
状繊維織物2の一端と円板31との間を、例えば押え板
311とボルト312とにより結着し、筒状繊維織物2
の他端を同様にして押え円板32に結着し、而るのち、
図2の(ハ)に示すように、円板31の流体送入孔31
3よりチュ−ブ3に流体を圧入し、チュ−ブ3を膨張さ
せ、その膨張圧力で筒状繊維織物2を膨らませてコアA
を組み立てる。
【0013】この筒状繊維織物コアAにおいては、円板
31,32に作用する圧力が筒状繊維織物2のタテ糸で
支持され、膨張チュ−ブ3の内周面に作用する圧力が筒
状繊維織物2のヨコ糸で支持される結果、タテ糸並びに
ヨコ糸が共にテンション状態と成って、筒状繊維織物2
が管継手の内面形状に保形される。
【0014】このようにして筒状繊維織物コアAを組み
立てたのちは、図3に示すように、外型4(内面には、
通常、離型剤が塗布される)内に筒状繊維織物コアAを
セットし、外型4をガスケット41を介してボルト(図
示せず)の締め付け等で型締めする。この状態におい
て、筒状繊維織物コアAの中心線と外型4内空間の中心
線とは、円板31,32によるサポ−トにより一致さ
れ、筒状繊維織物コアAと外型4との間にキャビティが
確保される。この場合、筒状繊維織物コアAの内圧流体
が比較的比重の大きい液体の場合、筒状繊維織物2並び
に膨張チュ−ブ3がその液体重量で撓むのを回避するた
めに、筒状繊維織物コアAを縦向きとするように外型4
の向きを縦向きとすることが好ましい。
【0015】このようにして、外型4を型締めすれ
ば、、注型装置5のノズル51を外型4の注入孔42に
連結し、筒状繊維織物コアAの内圧よりも低い圧力でキ
ャビティに樹脂組成物を注入し、冷却固化させる。樹脂
組成物として硬化性樹脂組成物を使用する場合は、図3
に示すように、二液A,Bを各貯槽52a,52bから
各プランジャ−ポンプ53a,53bで混合ヘッド54
に計量供給し、これを混合し、この混合液、すなわち、
液状硬化性樹脂組成物を上記筒状繊維織物コアAの内圧
よりも低い圧力でキャビティに注入し、注入ゲ−トを閉
じ、この注入液を硬化反応により固化させる。
【0016】このようにして、注入樹脂を固化させれ
ば、外型4を開き、筒状繊維織物コアAと共に樹脂成形
体を取り出し、円板32を取外す。この樹脂成形体の内
面には、筒状繊維織物2が埋着されており、チュ−ブ3
を内圧の放出により収縮させ、この収縮チュ−ブを引き
抜き(なお、チュ−ブと樹脂成形体との接着を阻止し、
チュ−ブの引き抜きの容易化を図るために、チュ−ブ表
面に予め離型材を塗布しておくこともできる)、樹脂成
形体の両端をトリミングして製品を得る。
【0017】その後は、外型を清掃し、更に、その内面
に離型剤を塗布し、次ぎの筒状繊維織物コアをセットし
(樹脂組成物の注入・固化の工程中に次ぎの筒状繊維織
物コアを組み立てておく)、以上のプロセスを1サイク
ルとして以後、サイクルを繰り返していく。この場合、
樹脂の固化、樹脂成形体の取り出し、外型の清掃並びに
離型剤の塗布に要する合計時間をT1、樹脂の注入に要
する時間をT2とすれば、T1/T2台(正確には、n≦
1/T2<n+1を満たすn台)の外型を使用し、これ
らの外型による製造をT2時間のずれで行い、1箇の樹
脂注入装置で次ぎから次ぎへと型に注入していく方式、
例えば、タ−ンテ−ブル方式を使用することもできる。
【0018】上記において、膨張可能なチュ−ブには、
筒状繊維織物より大きな内容積で膨張させ得るものであ
れば使用可能であり、通常、弾性体のチュ−ブが使用さ
れるが、プラスチックフィルムの袋も使用可能である。
弾性体のチュ−ブとしては、ゴムまたは熱可塑性エラス
トマ−等、例えば、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ネ
オプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、メチルメタクリレ
−ト−ブタジエン共重合体ゴム、シリコンゴム等の合成
ゴムまたは、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、高重合度塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系
エラストマ−等の熱可塑性エラストマ−等が使用可能で
あるが、樹脂成形体との離型性、耐久性等に優れている
シリコンゴムまたは経済的に低廉なウレタンゴムを使用
することが好ましい。
【0019】上記において、樹脂組成物の注入圧力は、
通常、2〜5kg/cm2程度とされ、チュ−ブの膨張
内圧はこれよりもやや高圧とされ、通常、3〜8kg/
cm 2程度とされる。チュ−ブの厚みは、かかる内圧の
もとで筒状繊維織物の内側に密接させ得るように充分に
薄肉とされ、ゴムの場合、0.1〜2mmとすることが
好ましい。
【0020】上記において、硬化性樹脂組成物には、比
較的低圧下での注入で熱または触媒の作用により硬化反
応を起こし、不溶不融となるものが使用され、この硬化
性樹脂組成物の加圧注入・硬化成形には、RI成形(レ
ジンインジェクション成形の略称であり、型の適切な位
置に設けた注入孔を通じ、直前に必要量の触媒促進剤を
配合した硬化性樹脂を圧入充填した後、注入孔を閉じ、
常温乃至50℃程度で硬化させる)、またはRIM成形
(リアクションインジェクションモ−ルディングの略称
であり、二種以上の低分子量で、かつ低粘度の2官能性
以上の単量体または初期重合体を、加圧下で混合室を通
過させたのち、直ちに、密閉型中に射出することによ
り、高度に化学的に活性を有する液体成分が金型内で反
応して、高分子化合物が生成される)を使用することが
できる。
【0021】RI用の硬化性樹脂組成物には、硬化性樹
脂に硬化剤を0.5〜2PHR添加したもの(促進剤は
注入の直前に添加される)が使用され、その硬化性樹脂
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニ−
ルエステル樹脂、フェノ−ル樹脂等を使用でき、特に、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニ−ルエステル樹脂が伸び
に優れており、好適である。
【0022】RIM用の硬化性樹脂組成物には、ポリ・
ジシクロペンタジエン系(ポリ・ジシクロペンタジエン
モノマ−・金属触媒・添加物からなるA液と前記モノマ
−・活性剤・反応遅延剤・添加剤からなるB液の組合
せ)、ウレタン系(ポリオ−ルのA液とポリイソシアナ
−トのB液の組合せ)、ナイロン系(例えば、ポリオ−
ル・ビスイミド・カプロラクタムからなるA液と触媒
(臭化マグネシウム)・カプロラクタムからなるB液と
の組合せ)、エポキシ系(エポキシポリマ−のA液と例
えばポリアマイド・ポリアミン等の架橋剤のB液との組
合せ)等を使用でき、特に、ポリ・ジシクロペンタジエ
ン系が耐水性、伸びに優れており好適である。
【0023】上記硬化性樹脂組成物の注入・硬化成形を
RIやRIMで行う場合、発熱反応温度が高温であるこ
とが多いが、筒状繊維織物並びに膨張可能なチュ−ブ
に、かかる高温に対する耐熱性が付与されていることは
勿論である。
【0024】本発明においては、膨らませた筒状繊維織
物コアに伸縮性筒状補強材を被施し、外型内に加圧注入
した樹脂組成物、特に硬化性樹脂組成物を伸縮性筒状補
強材に含浸させ、この含浸樹脂組成物を硬化させて、図
4に示すように、樹脂製継手本体1を伸縮性補強材6で
補強した繊維強化樹脂製とすることもできる。
【0025】この場合、伸縮性筒状補強材6には、円筒
状のものを使用し、これを前記の筒状繊維織物コア上に
挿通することが、マット状繊維材を巻き付ける場合のラ
ップ加減のバラツキ、個人差等を排除でき有利である。
【0026】この伸縮性円筒状補強材には、繊維を円筒
状に編んだものが好ましく用いられるが、繊維の方向が
±450の平織または朱子織であって全体が円筒状のも
の(所謂、編組筒)、多層編組筒に組み紐を組み込んだ
もの等を使用でき、筒状繊維織物コアに容易にフィット
させるように半径方向に伸縮するもの(105%〜50
0%程度の伸縮)を使用することが好ましい。特に、膨
らませた筒状繊維織物コア上に挿通したのち、長手方向
に引張ることにより同コアにフィットさせ得るものを使
用することが好適である。
【0027】この円筒状補強材の繊維には、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリア
ミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド
繊維等の有機合成繊維を使用でき、特に、繊維強化樹脂
成形体に衝撃吸収性が要求される場合は、ポリエチレン
繊維、ポリアミド繊維を使用することが好ましく、繊維
強化樹脂成形体に強度、剛性が要求される場合は、ガラ
ス繊維を使用することが好ましい。特に、強度以外に取
扱い易さも考慮すれば、ガラス繊維を編んだもので半径
方向の伸縮率が、120%〜200%のものを使用する
ことが好ましい。
【0028】なお、伸縮性筒状補強材が半径方向並びに
長手方向に特に充分な伸縮性を有する場合、押え円板を
筒状繊維織物に結着する以前に、筒状繊維織物上に伸縮
性筒状補強材を挿通し、押え円板を筒状繊維織物に結着
したのち、チュ−ブの内圧膨張により、筒状繊維織物を
伸縮性筒状補強材を付けたままで膨らませることも可能
である。
【0029】上記繊維補強材の樹脂、特に熱硬化性樹脂
に対する割合は、通常、樹脂100重量部に対し5〜3
00重量部、好ましくは、100〜150重量部とされ
る。本発明においては、樹脂成形体のクラックの伝播を
防止し、樹脂使用量の節減のために、熱硬化性性樹脂に
微細無機フィラ−を添加することができる。このフィラ
−としては、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウムの汎
用グレ−ドで0.2〜60μmの粒子径、重質炭酸カル
シウムの微細グレ−ドで0.2〜15μmの粒子径)、
水酸化アルミニウム(平均粒子径は0.6〜70μ
m)、マイクロバル−ン(平均粒子径は10〜130μ
m)特に、ガラスマイクロバル−ン(平均粒子径は60
〜80μm)等を使用でき、粒子径の細かいものは、短
繊維との組合せで使用することもできる。例えば、汎用
グレ−ドの重質炭酸カルシウム10〜300重量部とア
エロジル(繊維長1〜50μmのガラス短繊維)10〜
300重量部との組合せを使用できる。
【0030】上記の繊維補強とフィラ−添加とを併用す
ることも可能である。本発明に係る樹脂製管継手の製造
方法は、上記した直線状管継手(ソケット)の他、曲り
管継手(ベンド)、エルボ−管、片落ち管(レジュ−サ
−)、T字状管継手、十字状管継手等の他、受口の外周
面にフランジを設けたフランジ付き短管の製造にも使用
でき、何れの形式の管継手においても、受口内面はパッ
キング装着溝と抜け止めリング装着溝を有するものの
他、パッキング装着溝のみを有するもの、平滑面のもの
も含まれる。特に、T字状管継手や十字状管継手の場
合、図5の(イ)に示すように、筒状繊維織物2には交
叉箇所20を縫い合わせにより結合したものの使用も可
能であり、また、図5の(ロ)に示すように、一端に円
板31を取り付けた他端閉塞のチュ−ブ3をT字状また
は十字状筒状繊維織物の三方または四方のそれぞれに挿
入し、各チュ−ブ3の円板31と筒状繊維織物2の各端
22とを結着のうえ、各チュ−ブ3を内圧膨張させて筒
状繊維織物2を膨らませることもできる。
【0031】
【作用】筒状繊維織物においては、内部に膨張可能なチ
ュ−ブを挿入し、チュ−ブを膨張させると、タテ糸並び
にヨコ糸の引っ張り応力が平衡してチュ−ブの膨張形状
が織り構成に基づく特定の形状となる。
【0032】而るに、本発明においては、その特定形状
が、製造しようとする管継手の内面形状と成る筒状繊維
織物を作成し、この筒状繊維織物をチュ−ブを介しての
内側からの加圧によりその特定形状に膨らませ、これを
外型内にセットし、金型への樹脂注入圧力よりも前記内
圧を高くしているので、樹脂注入時においても、膨らみ
筒状繊維織物の特定形状を安定に維持でき、膨んだ筒状
繊維織物をコアとして所定の内面形状の樹脂製管継手を
充分な内面寸法精度で製造できる。
【0033】また、外型からの離型後は、膨張チュ−ブ
の内圧を解除すれば、このチュ−ブを樹脂成形体から容
易に取り外すことができる。更に、樹脂製管継手の内面
に埋着された筒状繊維織物においては、ヨコ糸が輸送液
の内圧を、フ−プストレスとして支承し、そのヨコ糸の
優れた引っ張り強度のために、管継手の耐内圧性を高く
できる。
【0034】従って、コア金型を使用することなく、充
分な内面寸法精度を有し、しかも耐内圧性に優れた樹脂
製管継手を製造できる。請求項2記載の本発明において
は、筒状繊維織物に伸縮性筒状補強材を被施させるの
で、より剛性強度が増し、耐衝撃性に優れた管継手の製
造が可能となる。
【0035】請求項3記載の本発明においては、樹脂組
成物中に微細無機フィラ−を混入するので、製品の樹脂
割合を低減化し、低コスト化が可能となる。
【0036】
【実施例】
〔実施例1〕製造した樹脂製管継手は、図1に示す受口
内面にゴムリング装着溝並びに抜け止めリング装着溝を
有する樹脂製ソケット継手であり、図1における各部の
寸法は、次ぎの通りである。
【0037】即ち、d0=77mm,d1=90mm,d
2=106mm,d3=101mm,D1=91mm,D2
=116mm,L1=30mm,L2=113mmであ
る。筒状繊維織物は、管継手内面の寸法に従い、番手1
150g/kmのガラス繊維を使用し、タテ糸/ヨコ糸
との繊維割合が1/2、織り密度が500g/m2の平
織りで織製した。膨張可能なチュ−ブには、厚み0.3
mm、未膨張時の外径が75mmのシリコンゴムチュ−
ブを使用し、このチュ−ブを筒状繊維織物に挿入し、同
チュ−ブに機械油(出光石油社製の油圧作動油低流動点
型機械油)を圧力7kg/cm2で圧入して筒状繊維織
物を膨らませ、筒状繊維織物コアを組み立てた。
【0038】樹脂組成物には、ジシクロペンタジエン樹
脂〔日本ゼオン(株)製PENTAM100〕を使用
し、圧力2kg/cm2,温度20℃,0.5分で注入
し、約5分で硬化させた。
【0039】この実施例において、筒状繊維織物コアの
組立て並びに外型から取り出した後、樹脂成形品からチ
ュ−ブを脱離するのに要した時間(筒状繊維織物コアの
分解時間)の合計は、約2分に過ぎなかった(通常の割
れ型コアを使用する場合は、約10分もの長時間を必要
とする)。
【0040】この実施例における製品の内面寸法制度
は、±0.6mm以内であり、充分に高精度であった。
また、製品の耐水圧試験、脈動圧試験(0〜20kg/
cm2)並びに衝撃試験(約9kgのナス型錘を高さ1
mの位置から落下衝突させる)を行ったところ、耐水圧
試験については内水圧40kgに充分に耐え、脈動圧試
験については水道用継手規格である2万回を異常なく通
過し、衝撃試験については、割れは皆無であって傷つき
も殆ど観られなかった。
【0041】〔実施例2〕実施例1に対し、チュ−ブを
内圧7.5kg/cm2で膨張させ、樹脂組成物に不飽
和ポリエステル樹脂〔三井東圧化学工業(株)製オルソ
系樹脂,スチレン含有率約40%〕100重量部、硬化
剤〔アセチルアセトンパ−オキサイド〕0.8重量部、
促進剤〔ナフテン酸コバルト6%水溶液〕0.5重量部
を使用し、圧力5kg/cm2,温度20℃,0.5分
で注入し、温度50℃、1時間で硬化させた以外、実施
例1に同じとした。
【0042】この実施例における筒状繊維織物コアの組
立並びに分解に要した時間の合計は実施例1に同じであ
り、製品の耐水圧試験、脈動圧試験並びに衝撃試験の結
果も、実質上実施例1に同じであった。
【0043】〔実施例3〕実施例2に対し、チュ−ブに
厚み0.3mm,未膨張時での外径が75mmのウレタ
ンゴムチュ−ブを使用し、内圧7.5kg/cm2で膨
張させ、筒状繊維織物コア上に内径90mmのガラス繊
維編組筒を挿通し、注入樹脂組成物をガラス繊維編組筒
に含浸させた(このガラス繊維含有量は30%であっ
た)以外、実施例2に同じとした。
【0044】この実施例においては、筒状繊維織物コア
上にガラス繊維編組筒を挿通するのに、約1.5分を要
し、筒状繊維織物コアの組立並びに分解に要した時間の
合計が実施例1または2に較べ、僅か長くなったが、通
常の割れ型コアを使用する場合に較べ、また充分に短か
った。製品の耐水圧試験、脈動圧試験の結果は、実施例
1乃至は実施例2と同様に良好であり、衝撃試験につい
ては、錘の高さを1mから1.5mに増大したが、割れ
は皆無であり、外観の傷も殆ど生じなかった。これは、
ガラス繊維編組筒の衝撃吸収作用もしくはクラック伝播
防止作用によるものと推定される。
【0045】〔実施例4〕実施例2に対し、チュ−ブに
厚み0.3mm,未膨張時での外径が75mmのウレタ
ンゴムチュ−ブを使用し、内圧7.5kg/cm2で膨
張させ、熱硬化性樹脂組成物には、、炭酸カルシウム
〔白石カルシウム(株)社製,粒子径0.2〜60μ
m〕100重量部、アエロジル〔アエロジル(株)社
製,繊維長1〜50μm〕60重量部をフィラ−として
配合した以外、実施例2に同じとした。
【0046】この実施例における筒状繊維織物コアの組
立並びに分解に要した時間の合計は実施例1若しくは実
施例2に同じであり、製品の耐水圧試験、脈動圧試験の
結果も、実質上実施例1若しくは実施例2に同じであっ
た。衝撃試験については、錘の高さを1mから1.5m
に増大したが、割れは皆無であり、外観の傷も殆ど生じ
なかった。これは、フィラ−の衝撃吸収作用もしくはク
ラック伝播防止作用によるものと推定される。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る樹脂製管継手の製造方法に
おいては、筒状繊維織物をその内部に挿入したチュ−ブ
の膨張により管継手の内面形状に膨らませたものをコア
に用いて管継手本体を注型し、その管継手本体の内面に
筒状繊維織物を埋着させたままでチュ−ブを放圧により
縮径して脱離しており、金型コアを使用する必要がな
い。従って、受口内面にアンダ−カットや逆テ−パを有
する樹脂製管継手でも、割れ構造の縮径可能な金型コア
を用いることなく製造でき、コアの組立、分解を迅速に
行い得、かつ金型コストの低減を図ることができるか
ら、受口内面にアンダ−カットや逆テ−パを有する樹脂
製管継手を良好な作業性で、かつ低廉な金型コストで製
造できる。
【0048】特に、請求項2の発明においては、伸縮性
筒状補強材のために剛性強度を高くでき、優れた耐衝撃
性を保証でき、請求項3記載の発明においては、微細無
機質フィラ−のために、樹脂使用量を少なくでき、材料
の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される樹脂製管継手の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明において使用する筒状繊維織物コアの組
立手順を示す説明図であり、図2の(イ)は筒状繊維織
物にチュ−ブを挿入した状態を、図2の(ロ)は筒状繊
維織物を膨らませる直前の状態を、図2の(ハ)は筒状
繊維織物を膨らませた状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明において使用する製造装置の一例を示す
説明図である。
【図4】請求項2記載の発明により製造される樹脂製管
継手の一例を示す断面図である。
【図5】図5の(イ)は本発明において使用するT字型
筒状繊維織物を示す説明図、図5の(ロ)は本発明にお
いて使用するT字型筒状繊維織物コアを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 樹脂製管継手本体 2 筒状繊維織物 3 膨張可能なチュ−ブ A 筒状繊維織物コア 4 外型 5 樹脂注入装置 6 伸縮性筒状補強材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:08 B29L 31:24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に筒状繊維織物が埋着された樹脂製管
    継手を製造する方法であって、膨張可能なチュ−ブを筒
    状繊維織物内に挿入し、該チュ−ブを流体の圧入により
    膨張させて膨らませた筒状繊維織物コアを外型内に組み
    込み、該筒状繊維織物の膨らみ状態を保持しつつ外型内
    に樹脂組成物を注入し、注入樹脂の固化後、外型から筒
    状繊維織物埋着樹脂成形体をチュ−ブと共に取り出し、
    次いで、筒状繊維織物埋着樹脂成形体からチュ−ブを脱
    離することを特徴とする樹脂製管継手の製造方法。
  2. 【請求項2】内面に筒状繊維織物が埋着された樹脂製管
    継手を製造する方法であって、膨張可能なチュ−ブが内
    側に挿入された筒状繊維織物に伸縮性筒状補強材を被施
    し、前記チュ−ブを流体の圧入により膨張させて膨らま
    せたコアを外型内に組み込み、前記筒状繊維織物の膨ら
    み状態を保持しつつ外型内に樹脂組成物を注入して伸縮
    性筒状補強材を含浸させ、注入樹脂の固化後、外型から
    筒状繊維織物埋着樹脂成形体をチュ−ブと共に取り出
    し、次いで、筒状繊維織物埋着樹脂成形体からチュ−ブ
    を脱離することを特徴とする樹脂製管継手の製造方法。
  3. 【請求項3】樹脂組成物に微細無機フィラ−を混入する
    請求項1記載の樹脂製管継手の製造方法。
JP6058737A 1994-03-29 1994-03-29 樹脂製管継手の製造方法 Pending JPH07266447A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020506349A (ja) * 2017-01-24 2020-02-27 エムオーセーエス・ビヘーア・ベー・フェー パイプラインのリハビリテーションにおいて使用するための継手要素およびその製造方法

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